JP2007168148A - 成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 融点が250〜265℃であるエチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とするポリエステルAからなる層Aと、融点が220〜250℃であるポリエステルBからなる層Bを有してなり、A/B/A型の3層積層フィルムであり、フィルムヘーズが0.01〜0.2%/μmであることを特徴とする成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
Description
、その後成形加工する提案が近年なされてきている。無延伸ポリエステルフィルムに金属蒸着を施し、さらに他の樹脂シートと貼り合せて自動車用部品として用いる提案がなされている(たとえば、特許文献1参照)。さらに、ポリエステルフィルム上に金属調印刷層を形成し、それを成形部材に熱転写することで意匠性に優れた部材が開示されている(たとえば、特許文献4参照)。しかしながら、本提案では金属調印刷層を転写した後のポリエステルフィルムを廃棄することから、経済的でなくまた、環境負荷が大きくなるという問題がある。さらに、成形性を有するフィルムに金属薄膜層を形成し、積層後に成形加工を行う金属調過食シートの提案をなされている(たとえば、特許文献5、6参照)。しかしながらこれらの提案では、ポリエステルフィルムを用いた場合は、成形後の外観が要求を満足せず、外観を重視してアクリル系フィルムを使用する場合には、金属層との密着不十分でプライマー層を形成する必要があるなど、決して満足できるレベルのものではなかった。
1.2≦F100TD/F50TD≦2.5
ただし、F100MD:フィルム長手方向の100%伸長時応力、F50MD:フィルム長手方向の50%伸長時応力、F100TD:フィルム幅方向の100%伸長時応力、F50TD:フィルム幅方向の50%伸長時応力。
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用いて測定した。ポリエステルAおよびポリエステルBのみで真空乾燥後に溶融押出を行ったポリエステル5mgをサンプルに用い、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際の吸熱ピーク温度を融点とした。吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側の吸熱ピークのピーク温度を融点とした。なお、積層フィルムを入手して各層の融点を測定する際は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、測定することができる。
JIS K 7105(1985年)に基づいて、ヘーズメーター(スガ試験器社製HGM−2GP)を用いてヘーズの測定を行った。測定は任意の3ヶ所で行い、その平均値を採用した。
フィルム厚みは、ダイヤルゲージを用い、JIS K7130(1992年)A−2法に準じて、フィルムを10枚重ねた状態で任意の5ヶ所について厚さを測定した。その平均値を10で除してフィルム厚みとした。
フィルムをエポキシ樹脂に包埋しフィルム断面をミクロトームで切り出した。該断面を走査型電子顕微鏡で5000倍の倍率で観察し、積層各層の厚み比率を求めた。求めた積層比率と上記したフィルム厚みから、各層の厚みを算出した。
樹脂またはフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)もしくはHFIPとクロロホルムの混合溶媒に溶解し、1H−NMRおよび13C−NMRを用いて各モノマー残基や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量することができる。積層フィルムの場合は積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、評価することができる。なお、本発明の積層フィルムについては、フィルム製造時の混合比率から計算により組成を算出した。
フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分としてフィルムの長手方向と幅方向にそれぞれ引張試験を行った。測定は予め150℃に設定した恒温層中にフィルムサンプルをセットし、30秒間の予熱の後で引張試験を行った。サンプルが50%伸長したとき(チャック間距離が75mmになったとき)および100%伸長したとき(チャック間距離が100mmとなったとき)のフィルムにかかる荷重を読み取り、試験前の試料の断面積(フィルム厚み×10mm)で除した値をそれぞれ50%伸長時応力(F50値)および100%伸長時応力(F100値)とした。なお、測定は各サンプル、各方向に5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
フィルムの片面にプラズマ処理(電極:ステンレス、パワー:0.5kW、雰囲気:酸素)を行い、連続して、インジウムをターゲットにスパッタ処理を行い、インジウム層厚みが0.7〜0.8μmの蒸着層を形成した。該蒸着フィルム表面に塩酢ビ系接着剤(大日本精化製VM−PEAL)を厚み1μmに塗布し、厚み200μmのABSシートを220℃でロールスタンパーにて貼り合わせた。貼り合わせたサンプルを幅10mmにカットし、引張試験機を用いて、はく離速度300mm/分で180°剥離試験を行い、密着強度を測定した。各フィルムについて5回はく離強度を測定しその平均値を採用した。
上記(7)と同様にインジウムをスパッタしたポリエステルフィルムをA4サイズにカットし、フィルムを10枚並べて、非金属層側から肉眼で観察し、以下の基準で判定を行った。
A級:均一な金属調フィルムであった。
B級:観察する角度によっては、微少な揺らぎ(ゆず肌)が観察された。
C級:縞状の白化しているスジが観察された。
上記(7)と同様にインジウムスパッタし、ABSシートを貼り合わせた後、300℃に加熱した遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が200℃の温度になるように加熱し円柱状の金型(底面直径50mm)を用いて真空・圧空成形を行いフィルムを成形した。金型に沿って成形できた状態を成形度合い(絞り比:成形高さ/底面直径)を用いて以下の基準で評価した。
S級:絞り比0.9以上で成形できた。
A級:絞り比0.9〜0.6で成形できた。
B級:絞り比0.6〜0.3で成形できた。
C級:破れが発生し、絞り比0.3で成形できなかった。
上記と同様にABSを貼り合わせたインジウムスパッタフィルムを350℃の遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が195℃の温度になるように加熱し円柱状の金型(絞り比0.6、金型の底面直径50mm、間隔30mmで縦横に5個ずつ、形25個の金型が一体となったもの)を用いて真空成形を行いフィルムを成形した。金型に沿って成形できた状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A級:25個全て均一に成形できた。
B級:24〜20個は金型に沿って成形できていた。
C級:金型に沿って成形できたのは19個以下であった。
上記(10)で成形した後のフィルムの外観を以下の基準で判断した。
A級:成形された部分と、成形されていない部分で外観に差がなく、金属調が維持されている。
B級:成形された部分で若干白化し、金属光沢が低下したように観察される。
C級:白化が観察されかつ、見る角度によって虹色に反射光が観察された。
製膜に供したポリエステル樹脂は以下のように準備した。
テレフタル酸ジメチル100質量部、およびエチレングリコール75質量部の混合物に、0.09質量部の酢酸マグネシウムと0.03質量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。ついで、該エステル交換反応生成物に、平均粒子径2.4μmの凝集シリカ粒子のエチレングリコールスラリーと0.020質量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行した。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、288℃で重縮合反応を行い、粒子含有量0.05質量%、固有粘度0.65,副生したジエチレングリコールが2モル%共重合されたポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。これを、PET−Aとした。なお、固有粘度の測定はポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度系を用いて25℃にて測定した(以下、同じ)。
PET−Aの重合においてテレフタル酸ジメチル100質量部の代わりに、テレフタル酸ジメチル94質量部、およびイソフタル酸ジメチル6質量部を用いてポリエステルAと同様の方法で重合を行い、イソフタル酸6モル%共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点244℃、ジエチレングリコール共重合率1.8モル%)を作製した。これを、PET−Bとした。
粒子スラリーを添加しない以外はPET−Aと同様にして、無粒子のポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、PET−Cとした。
粒子スラリーを添加しない以外はPET−Bと同様にして、無粒子のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、PET−Dとした。
テレフタル酸ジメチル82.5質量部、イソフタル酸ジメチル17.5質量、およびエチレングリコール70質量部の混合物に、0.09質量部の酢酸マグネシウムと0.03質量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。ついで、該エステル交換反応生成物に0.020質量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行した。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、287℃で重縮合反応を行い、固有粘度0.7,副生したジエチレングリコールが2モル%共重合されたイソフタル酸17.5モル%共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。これを、PET−Eとした。
テレフタル酸100質量部、および1,4−ブタンジオール110質量部の混合物を、窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.054質量部、モノヒドロキシブチルスズオキサイド0.054質量部を添加し、エステル化反応を行った。次いで、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.066質量部を添加して、減圧下で重縮合反応を行い、固有粘度0.85のポリブチレンテレフタレート樹脂を作製した。その後、140℃、窒素雰囲気下で結晶化を行い、ついで窒素雰囲気下で200℃、6時間の固相重合を行い、固有粘度1.21のポリブチレンテレフタレート樹脂とした。これを、PBT−Aとした。
PBT−Aの重合においてテレフタル酸100質量部の代わりに、テレフタル酸92質量部、およびイソフタル酸8質量部を用いてポリエステルBと同様の方法で重合を行い、イソフタル酸8モル%共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂(融点215℃)を作製した。これを、PBT−Bとした。
テレフタル酸ジメチルを100質量部、エチレングリコール60質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール20質量部の混合物に、酢酸マンガンを0.04質量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃メタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.045質量部、二酸化ゲルマニウム0.01質量部を添加して、徐々に昇温、減圧し、最終的に275℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.67となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして1,4−シクロヘキサンジメタノールを8モル%共重合したポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。該ポリマーを3mm径の立方体に切断し、回転型真空重合装置を用いて、1hPaの減圧下、225℃で極限粘度が0.8になるまで固相重合を行なった。これをPCTとした。
EG:エチレングリコール残基成分
BD:1,4−ブタンジオール残基成分
TPA:テレフタル酸残基成分
DEG:ジエチレングリコール残基成分
CHDM:1,4−シクロへキサンジメタノール残基成分
IPA:イソフタル酸残基成分
(実施例1)
ポリエステルAとして、PET−AとPBT−Aを質量比で90:10で混合して使用した。また、ポリエステルBとして、PET−C、PBT−A、PCTを質量比で40:20:40で混合して使用した。ポリエステルAおよびBを回転式真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、個別に単軸押出機に供給した。シリンダー温度およびポリマー管、フィルター温度280℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、Tダイ上部に設置したフィードブロックにてA/B/A型の3層の積層を、積層厚み比は2:21:2となるように行い、そのままTダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度97℃で長手方向に3.2倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度80℃、延伸温度100℃で幅方向に3.1倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に5%のリラックスを掛けながら温度230℃で2秒間の熱処理を行いフィルム厚み25μmの二軸配向フィルムを得た。
ポリエステルAとして、PET−AとPCTを質量比で80:20で混合して使用した。また、ポリエステルBとして、PET−D、PBT−Aを質量比で70:30で混合して使用した。ポリエステルAおよびBを回転式真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、個別に単軸押出機に供給した。シリンダー温度およびポリマー管、フィルター温度280℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、Tダイ上部に設置したフィードブロックにてA/B/A型の3層の積層を、積層厚み比は1:21:1となるように行い、そのままTダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度98℃で長手方向に3.3倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度80℃、延伸温度100℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に5%のリラックスを掛けながら温度225℃で2秒間の熱処理を行い、フィルム厚み23μmの二軸配向フィルムを得た。
ポリエステルAとして、PET−Aのみを使用した。また、ポリエステルBとして、PET−C、PBT−B、PCTを質量比で60:20:20で混合して使用した。ポリエステルAおよびBを回転式真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、個別に単軸押出機に供給した。シリンダー温度およびポリマー管、フィルター温度280℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、Tダイ上部に設置したフィードブロックにてA/B/A型の3層の積層を、積層厚み比は4:22:4となるように行い、そのままTダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度96℃で長手方向に3.1倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度80℃、延伸温度100℃で幅方向に3.0倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に3%のリラックスを掛けながら温度230℃で2秒間の熱処理を行いフィルム厚み30μmの二軸配向フィルムを得た。
ポリエステルAとして、PET−A、PBT−Bを質量比で95:5で混合して使用した。また、ポリエステルBとして、PET−A、PCTを質量比で40:60で混合して使用した。ポリエステルAおよびBを回転式真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、個別に単軸押出機に供給した。シリンダー温度およびポリマー管、フィルター温度285℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、Tダイ上部に設置したフィードブロックにてA/B/A型の3層の積層を、積層厚み比は2:21:2となるように行い、そのままTダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度100℃で長手方向に3.0倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度115℃で幅方向に2.9倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に3%のリラックスを掛けながら温度235℃で2秒間の熱処理を行いフィルム厚み25μmの二軸配向フィルムを得た。
ポリエステルAとして、PET−A、PCTを質量比で40:60で混合して使用した。また、ポリエステルBとして、PET−E、PBT−Aを質量比で40:60で混合して使用した。ポリエステルAおよびBを回転式真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、個別に単軸押出機に供給した。シリンダー温度およびポリマー管、フィルター温度285℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、Tダイ上部に設置したフィードブロックにてA/B/A型の3層の積層を、積層厚み比は2:21:2となるように行い、そのままTダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度94℃で長手方向に3.1倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度70℃、延伸温度100℃で幅方向に3.0倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に5%のリラックスを掛けながら温度235℃で2秒間の熱処理を行いフィルム厚み25μmの二軸配向フィルムを得た。
ポリエステルAおよびBとして、PET−Aのみを使用した。ポリエステルAおよびBを回転式真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、個別に単軸押出機に供給した。シリンダー温度およびポリマー管、フィルター温度285℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、Tダイ上部に設置したフィードブロックにてA/B/A型の3層の積層を、積層厚み比は2:21:2となるように行い、そのままTダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度105℃で長手方向に3.2倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に3%のリラックスを掛けながら温度230℃で3秒間の熱処理を行いフィルム厚み25μmの二軸配向フィルムを得た。
ポリエステルAとして、PET−A、PBT−Aを質量比で50:50で混合して使用した。また、ポリエステルBとして、PET−C、PBT−Aを質量比で50:50で混合して使用した。ポリエステルAおよびBを回転式真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、個別に単軸押出機に供給した。シリンダー温度およびポリマー管、フィルター温度285℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、Tダイ上部に設置したフィードブロックにてA/B/A型の3層の積層を、積層厚み比は2:26:2となるように行い、そのままTダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度90℃で長手方向に3.1倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度70℃、延伸温度90℃で幅方向に3.1倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に5%のリラックスを掛けながら温度210℃で2秒間の熱処理を行いフィルム厚み30μmの二軸配向フィルムを得た。
PET−DとPBT−Bを質量比で60:40で混合して使用した。混合したポリエステルを回転式真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、単軸押出機に供給した。シリンダー温度およびポリマー管、フィルター温度285℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、そのままTダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度90℃で長手方向に3.2倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度70℃、延伸温度90℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に5%のリラックスを掛けながら温度220℃で2秒間の熱処理を行いフィルム厚み20μmの二軸配向フィルムを得た。
ポリエステルAとして、PET−C、PBT−A、PCTを質量比で40:20:40で混合して使用した。また、ポリエステルBとして、PET−AとPBT−Aを質量比で90:10で混合して使用した以外は実施例1と同様にして25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
F50:50%伸長時応力
F100:100%伸長時応力
表より、本発明の要件を満足する実施例においては、成形性に優れるだけでなく、成形前後での外観に優れていた。一方、比較例では成形性に劣っていたり、成形前後での外観変化が大きいなど、外観の意匠性に劣るものであった。
Claims (6)
- エチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とする融点が250〜265℃であるポリエステルAを用いてなる層Aと、
融点が220〜250℃であるポリエステルBを用いてなる層Bを有してなるA/B/A型の3層積層フィルムであって、
フィルムヘーズが0.01〜0.2%/μmである
成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。 - ポリエステルBを構成するグリコール残基成分の60〜90モル%がエチレングリコール残基、9〜40モル%が1,4−ブタンジオール残基であり、1〜10モル%がその他のグリコール残基成分であることを特徴とする請求項1に記載の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。
- 前記その他のグリコール残基成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール残基成分を含むことを特徴とする請求項2に記載の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。
- ポリエステルAを構成するグリコール残基成分の90〜99モル%がエチレングリコール残基、1〜10モル%が1,4−ブタンジオール残基および/または1,4−シクロヘキサンジメタノール残基からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。
- 150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の50%伸長時応力(F50値、単位:MPa)に対する100%伸長時応力(F100値、単位:MPa)の比(F100値/F50値)が下記式を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。
1.2≦F100MD/F50MD≦2.5
1.2≦F100TD/F50TD≦2.5
ただし、F100MD:フィルム長手方向の100%伸長時応力、F50MD:フィルム長手方向の50%伸長時応力、F100TD:フィルム幅方向の100%伸長時応力、F50TD:フィルム幅方向の50%伸長時応力。 - フィルムの少なくとも片面に金属化合物を蒸着してなる請求項1〜5のいずれかに記載の金属調成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。
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