JP4634092B2 - 熱収縮性ポリエステル系フィルム及び該フィルムを用いた成形品、容器 - Google Patents
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(1) 下記の共重合体(A)80〜90質量%と共重合体(B)10〜20質量%とからなるポリエステル樹脂により形成された熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、85℃シリコーンバス中に1分間浸漬したときのフィルム主収縮方向の最大収縮応力が6.0MPa以上12.0MPa未満であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
共重合体(A):ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びジエチレングリコールを少なくとも含有し、全ジオール成分100モル%中に1,4−シクロヘキサンジメタノールを25モル%以上35モル%未満とジエチレングリコールを5モル%未満含むポリエチレンテレフタレート共重合体
共重合体(B):ジカルボン酸成分としてテレフタル酸及びイソフタル酸、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを少なくとも含有し、全ジカルボン酸成分100モル%中にイソフタル酸を5モル%以上15モル%未満含むポリブチレンテレフタレート共重合体
(2) 80℃温水中で10秒間処理したときのフィルム主収縮方向の収縮率が35〜55%である(1)に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(3) 主収縮方向に4.8〜6.0倍延伸して得られる(1)又は(2)に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(4) 温度30℃、相対湿度50%の雰囲気下で30日間保管した後、フィルム主収縮方向の長さ15mm、フィルム主収縮方向と直交する方向の長さ100mmの短冊形状に切り出した試験片を、チャック間距離20mm、温度23℃、引張速度200mm/分で引張試験を行った場合に、もとのフィルム長の50%以上伸びる試験片が全試験片数の80%以上である(1)〜(3)のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(5) 硬質ボトル用収縮ラベルとして使用する(1)〜(4)のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(6) 製袋して筒状ラベルを作製し、硬質ボトルに装着させた後、1ゾーン式蒸気シュリンカー内において80℃で5秒間通過させて前記筒状ラベルを収縮させたときに、幅1mm以上、長さ3mm以上のしわが前記筒状ラベルの90%以上の割合で発生せず、かつ前記ボトル底部に発生する縦引けが2mm以内である(1)〜(5)のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(7) 製袋して筒状ラベルを作製し、該筒状ラベルを硬質ボトルに装着させた後、1ゾーン式蒸気シュリンカー内において80℃で5秒間通過させて前記筒状ラベルを収縮させ、さらに前記筒状ラベルをMD方向と略平行に形成された0.7mmピッチのミシン目に沿って前記ボトルから開封したときに、前記筒状ラベルの90%以上が前記ミシン目以外の箇所で開封されることなく、前記ミシン目に沿って前記ボトル底部まで開封可能である(1)〜(6)のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(8) (1)〜(7)のいずれか一項に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを少なくとも1層含むことを特徴とする熱収縮性多層ポリエステル系フィルム。
(9) (1)〜(7)のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム又は(8)に記載の熱収縮性多層ポリエステル系フィルムを用いて得られることを特徴とする成形品。
(10) 前記成形品が食品容器用ラベルである(9)に記載の成形品。
(11) (9)又は(10)に記載の成形品を装着した容器。
本発明のフィルムは、ポリエチレンテレフタレート系共重合体(共重合体A)及びポリブチレンテレフタレート系共重合体(共重合体B)により構成される。
本発明のフィルムは、共重合体Aと共重合体Bとにより構成されることによって、種々の熱収縮挙動を改善できる。すなわち、共重合体AのTgと共重合体BのTgは大きく相違するため、双方を混合することにより、熱収縮性フィルムで用いた場合にフィルムの熱収縮率が増加する温度範囲を拡大でき、その結果、熱収縮開始からの急激なフィルムの収縮を抑制できる。換言すれば、所定量の共重合体Aを含有させて共重合体Bの結晶性を抑制することにより、フィルムの十分な収縮率をもたらし、熱収縮性フィルムの製造工程において予熱工程のない急激な熱処理に対しても外観不良を起こさず、しかもフィルムの経時的脆化を抑えることができる。
本発明のフィルムを構成する共重合体Aは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を含む。全カルボン酸成分のうちテレフタル酸を100モル%含むと、高い結晶性が得られるため、熱収縮性フィルムを作製した場合に十分な強度を確保できるため好ましい。
本発明のフィルムを構成する共重合体Bは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸及びイソフタル酸を含む。テレフタル酸は、共重合体Bを構成する全ジカルボン酸成分100モル%中に85〜95モル%、好ましくは87〜93モル%、さらに好ましくは88〜92モル%の割合で含まれる。全ジカルボン酸成分のうちテレフタル酸を85モル%以上含めば、高い結晶性が得られるため、ポリエステル系熱収縮性フィルムに十分な強度を確保することができる。
本発明のフィルムの厚さは、用途に応じて適宜選択することができ、通常1〜600μmの範囲内である。例えば、食品、飲料、医薬品などの包装用途の場合、厚さが5〜400μm、好ましくは5〜200μmである。また、ポリエステルボトル、ガラス瓶などのボトルやその他のプラスチック容器などのラベルとして用いる場合には、厚さが20〜100μmの範囲、好ましくは20〜80μm、より好ましく、20〜60μmの範囲のものが好適である。
引張弾性率=直線上の2点間の元の平均断面積による応力差/同じ2点間の歪差
本発明のフィルムは、異質材料または同質材料からなる他層を積層して多層フィルムとすることができる。多層フィルムは、本発明のフィルムを少なくとも1層含めばよく、例えば、本発明のフィルム以外に1種類または2種類の異質材料からなる2種3層、3種5層、4種7層など、用途に応じて複数の層で構成することができる。中でも、2種3層または3種5層の中間層もしくは表裏層が好適である。中間層として本発明のフィルムを用いた場合、層比率は中間層:表裏層=5:1〜3:1といった全体層に対して中間層の占有率は高く、中間層で全体の収縮を発現させるが好ましく、表裏層には例えば、印刷、シール適性に優れた樹脂からなる層を形成することが好適である。表裏層として本発明のフィルムを用いた場合、層比率は中間層:表裏層=2:1〜1:1といった全体層に対して表裏層の占有率をなるべく高くして、表裏層で全体の収縮を発現させることが好ましく、中間層には例えば、低温収縮性に優れた樹脂からなる層を形成することが好適である。
本発明のフィルムは、熱可塑性樹脂の慣用の成形法によって各種の成形品、例えば、押出成形によるフィルムやシートや、それらを延伸加工に付した延伸フィルム、またはそれらを真空成形、圧空成形等の熱成形に付したトレイや容器、射出成形、中空成形、圧縮成形等による各種の成形品(例えば、円筒状、四角柱、胴体部分が括れた形状を有する成形品)に成形し、あるいは、それらを他材料との積層構造とした成形品に成形し、特に包装用資材として好適に用いられる。中でも各種飲食品用ボトル等の外周面を被覆するラベル材、特に容器の被覆表面が平滑で滑り易いガラス瓶やボトル缶などの硬質ボトルの熱収縮ラベルとして好適に用いることができる。
(1)フィルムの熱収縮率の測定
フィルムを測定方向(延伸方向)に150mm、垂直方向に10mmの大きさに切り取り、該試料片に100mmの標線を入れ、各方向の収縮量を80℃の温水バスに10秒間浸漬した後、直ちに20℃の冷水に浸漬し、下記の式を用いて求めた。
収縮率={(100−L)/100}×100(%)
L:収縮後の標線間距離(mm)
主収縮方向が長手方向になるように、幅15mmで短冊形に切り出した試料片を間隔150mmに設定したチャックに装着し、85℃のシリコーンオイル中に1分間浸漬し、発生する最大収縮応力を測定した。収縮応力は下記式により算出した。
収縮応力(MPa)=チャックのロードセルにかかる荷重(N)/
試料片の断面積(mm2)
各試料片を円筒状に成形し、該試料片をアルミ製ボトル缶に装着させて、80℃に調整した蒸気シュリンクトンネルを5秒間で通過させた。その後、被覆したラベル部分を掴んで、キャップを開栓した時のボトルに対するラベルの位置を、以下の基準で判定した。
○: ボトルに対してラベルが初期被覆位置からずれないもの
△: ボトルに対してラベルが初期被覆位置から横方向に3mm未満ずれたもの
×: ボトルに対してラベルが初期被覆位置から横方向に3mm以上ずれたもの
各試料片を円筒状に成形し、アルミ製ボトル缶にフィルムに装着させて、80℃に調整した蒸気シュリンクトンネルを5秒間で通過させた。ラベルのシール部分(フィルムが重なった部分)は縦引けしにくく、シール反対側において縦引けし易い傾向がみられた。シール反対側のボトル底部からラベル下面までの距離を測定した。
○:縦引けが2mm未満
△:縦引けが2mm以上5mm未満
×:縦引けが5mm以上
30℃のギヤオーブンに30日間放置したフィルムを非延伸方向に100mm、延伸方向に15mmそれぞれフェザー刃で慎重に切り出し、インテスコ社製TM−20を用いて、非延伸方向にチャック間20mm、温度23℃、引張速度200mm/minで10本測定し、50%以上伸びる本数を測定した。
○:試料片の80%以上がもとの試料片長の50%以上伸びたもの
△:試料片の50%以上80%未満がもとの試料片長の50%以上伸びたもの
×:試料片の50%未満がもとの試料片長の50%以上伸びたもの
延伸方向に240mm、垂直方向に100mmの試料片を切り出し、インパルスシーラーを用いて折径114mmの袋状ラベルを作製した。
水を充填した285mLボトル缶に上記ラベルをセットし、80℃の温度に設定したスチームトンネル(ケーユーシステム株式会社製「SKT−3000」)を5秒間通過させた後、仕上がりを調査した。試料片数は各10個とし、以下の基準による評価を行った。
○:全試料片の90%以上がシワなく、きれいに仕上がったもの、
△:全試料片の50%以上90%未満がシワなく、きれいに仕上がり、一部にシワがあ
る試料があるもの
×:全試料片の50%未満がシワなく、きれいに仕上がり、殆どがシワ入り又は収縮不足であったもの
前記収縮仕上がり評価と同様、各試料片から0.7×0.7mmピッチの開封用ミシン目入り円筒状ラベルを作製し、ボトル缶に被せて、80℃に調整した蒸気シュリンクトンネルを5秒間通過させた。その後、このボトル缶を5℃に冷蔵し、冷蔵庫から取り出した直後のボトル缶について、ラベルのミシン目を指先で裂き、その際のミシン目の途中で切断が発生したか否かを目視にて観察した。測定回数を10回とし以下の判断基準で判定した。
○:試料片の90%以上がミシン目に沿ってボトル底部まで問題なく開封できた。
△:試料片の50%以上90%未満がミシン目に沿ってボトル底部まで問題なく開封で
き、その他試験片は、ミシン目に沿って切れず、リンゴの皮むき状態になった。
×:試料片の50%未満がミシン目に沿ってボトル底部まで問題なく開封でき、その他
試験片の殆どは、ミシン目に沿って切れず、リンゴの皮むき状態になった。
延伸方向に150mm、垂直方向に25mmの試料片を切り出し、23℃で2枚の試料片を延伸方向と同方向に重ね合わせ、その試料片間に混合溶液(テトラヒドロフラン/n−ヘキサン=90/10容積%)をマイクロシリンジにて4μL注入する。ハンドプレスで速やかに1kg荷重を10秒間、試料にかけて接着させた。
溶剤がフィルム中心になるように垂直方向を幅15mmに切り出し、チャック間40mmでフィルム間をT型剥離したときの剥離性を以下の表に示す基準で評価した。
○:最大剥離強度が3N以上のもの
△:最大剥離強度が1N以上で3N未満のもの
×:最大剥離強度が1N未満のもの
ポリエステル樹脂溶液試料を、核磁気共鳴装置(NMR)により1Hをモニターすることにより分析し、ジカルボン酸成分に関しては全ジカルボン酸成分に対するモル%を、ジオール成分に関しては全ジオール成分に対するモル%を、さらにポリアルキレングリコール成分のポリエステル樹脂に対する含有量(質量%)を求めた。
(1)ポリエチレンテレフタレート共重合体1(PET1)
イーストマン・ケミカル社製「EASTAR PETG Copolyester6763」を使用した。該ポリエステル樹脂について、上述の方法で組成分析を行った結果、ジカルボン酸成分がテレフタル酸(以下、「TPA」と略記する。)であり、ジオール成分は、エチレングリコール(以下、「EG」と略記する。)が全ジオールに対して67モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下、「CHDM」と略記する。)が全ジオールに対して30モル%、ジエチレングリコール(以下、「DEG」と略記する。)が全ジオールに対して3モル%であるポリエステル樹脂であった。
イーストマン・ケミカル社製「EMBRACE Copolyester」を使用した。該ポリエステル樹脂について、上述の方法で組成分析を行った結果、ジカルボン酸成分がTPAであり、ジオール成分は、EGが全ジオールに対して72モル%、CHDMが全ジオールに対して20モル%、ジエチレングリコール(以下、「DEG」と略記する。)が全ジオールに対して8モル%であるポリエステル樹脂であった。
イーストマン・ケミカル社製「サーミックス」を使用した。該ポリエステル樹脂について、上述の方法で組成分析を行った結果、ジカルボン酸成分がTPA100モル%であり、ジオール成分はCHDM100モル%であるポリエステル樹脂であった。
(1)ポリブチレンテレフタレート共重合体1(PBT1)
ジカルボン酸成分がTPA、ジオール成分が1,4−ブタンジオール(以下、「BD」と略記する。)であり、共重合成分がイソフタル酸(以下、「IPA」と略記する。)10mol%の共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂に滑材として平均粒子2.4μmの無定形シリカを0.1wt%加えて共重合ポリエステル樹脂を調製した。
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバドュラン5008」を使用した。該ポリエステル樹脂について、上述の方法で組成分析を行った結果、ジカルボン酸成分がTPAであり、ジオール成分がBDであるポリエステル樹脂であった。本樹脂に滑材として平均粒子2.4μmの無定形シリカを0.1wt%加えて共重合ポリエステル樹脂を調製した。
ジカルボン酸成分がTPA、ジオール成分がBDであり、共重合成分がIPA25mol%の共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂に滑材として平均粒子2.4μmの無定形シリカを0.1wt%加えて共重合ポリエステル樹脂を調製した。
ジカルボン酸成分がTPA、ジオール成分がBDであり、共重合成分がCHDM30モル%の共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂に滑材として平均粒子2.4μmの無定形シリカを0.1wt%加えて共重合ポリエステル樹脂を調製した。
表1に示す共重合体A及び共重合体Bを二軸押出機(L/D30、東芝機械社製「TEM35」)に供給して、スクリュー回転数150rpm、温度260℃、1×102 Paの減圧下で溶融混練し、ストランド状に押出し、水槽中で冷却した後、ペレタイザーでカットすることにより、ポリエステル樹脂組成物ペレットを製造した。
作製した樹脂組成物ペレット(PET1:85質量%、PBT1:15質量%)をTEM58mm押出機(東芝機械製)により、幅200mmのTダイ口金から、真空ベントを引きつつ時間吐出量8kgで冷却ロール上に270℃で押出し、幅150mm、厚さ0.25mmのシートを得た。次いで、上記シートを標準仕様のフィルムストレッチャー(T.M.Long社製)を用いて延伸温度80℃、延伸速度3000%/分でキャスティング押出方向に対して、垂直方向に5.5倍延伸を行い、厚さ45μmの熱収縮性フィルムを得た。
得られた熱収縮性フィルムを80℃の温水中で10秒間処理した後の収縮率、85℃における最大収縮応力、共回り性、ボトル缶耐強度性、30℃で30日間放置した後の伸び経時劣化、80℃における収縮仕上がり、ミシン目開封性をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
実施例1と同様の方法により、実施例2〜4を表1に示す配合、延伸温度及び延伸倍率で熱収縮性フィルムを作製し、収縮率、最大収縮応力、共回り性、耐強度性、伸び経時劣化、収縮仕上がり、ミシン目開封性及び初期接着性を測定した。結果を表1に示す。
中間層には、PET1を80質量%、PBT1を20質量%の割合で含有する樹脂組成物ペレットを用いた。また、表裏層には、PET1を90質量%、PBT3を10質量%の割合で混合して用いた。中間層の混合ポリエステルチップを時間吐出量8kgでTEM58mm押出機(東芝機械製)により、表裏層の混合ポリエステルチップを時間吐出量2kgで25mm押出機(三菱重工製)により、幅200mmの2種3層Tダイ口金から、真空ベントを引きつつ冷却ロール上に270℃で共押出し、幅150mm、表裏層の厚さが各々0.020mm、中間層の厚さが0.16mmの3層構造の未延伸シートを得た。次いで、上記シートを実施例1と同様に延伸を施し、厚さ40μm(両外層の厚さが夫々4μm、中心層の厚さが32μm)の積層熱収縮性フィルムを得た。
得られた熱収縮性フィルムの収縮率、収縮仕上がり及び伸び経時劣化を測定した。結果を表1に示す。
実施例5と同様の方法により、表1に示す配合、延伸温度及び延伸倍率で熱収縮性フィルムを作製し、収縮率、最大収縮応力、共回り性、耐強度性、伸び経時劣化、収縮仕上がり、ミシン目開封性及び初期接着性を測定した。結果を表1に示す。
実施例1と同様の方法により、比較例1〜10を表1に示す配合、延伸温度及び延伸倍率で熱収縮性フィルムを作製し、収縮率、最大収縮応力、共回り性、耐強度性、伸び経時劣化、収縮仕上がり、ミシン目開封性及び初期接着性を測定した。結果を表1に示す。
実施例5と同様の方法により、表1に示す配合、延伸温度及び延伸倍率で多層熱収縮性フィルムを作製し、収縮率、最大収縮応力、共回り性、耐強度性、伸び経時劣化、収縮仕上がり、ミシン目開封性及び初期接着性を測定した。結果を表1に示す。
これに対して、PET及びPBTの割合が本発明の範囲外である場合(比較例1及び2)や、共重合体を構成するIPA、CHDM、DEGの含有量が本発明の範囲外である場合の単層(比較例3〜5、比較例6(特開平10−87851号公報の実施例1に相当)、比較例9(特開2001−200076号公報の実施例6に相当)、比較例10(特開2001−64412号公報の実施例5の相当)及び延伸倍率が本発明の範囲外である場合(比較例7及び8)には、本発明のフィルムのように、適切な収縮応力、良好な収縮仕上がり及び伸び経時劣化、優れたミシン目開封性・シール適性をすべて満足するものは得られなかった。また、多層フィルムの場合(比較例11)においても、各層が本発明の範囲外であるフィルムを用いた場合には、適切な収縮応力、良好な収縮仕上がり及び伸び経時劣化、優れたミシン目開封性・シール適性をすべて満足するものは得られなかった。
これより、ポリエチレンテレフタレート共重合体及びポリブチレンテレフタレート共重合体の配合割合を所定の範囲に調整し、かつ共重合体を構成するIPA、CHDM、DEGの含有率を所定の範囲に調整したポリエステル系樹脂組成物を用いた熱収縮性フィルムは、収縮時のフィルムのしわ、歪み、収縮斑、縦引けなどの極めて少ない、収縮特性の優れた、経時脆化しにくい、ミシン目開封性・シール適性に優れたフィルムであることが分かる。
Claims (11)
- 下記の共重合体(A)80〜90質量%と共重合体(B)10〜20質量%とからなるポリエステル樹脂により形成された熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、85℃シリコーンバス中に1分間浸漬したときのフィルム主収縮方向の最大収縮応力が6.0MPa以上12.0MPa未満であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
共重合体(A):ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びジエチレングリコールを少なくとも含有し、全ジオール成分100モル%中に1,4−シクロヘキサンジメタノールを25モル%以上35モル%未満とジエチレングリコールを5モル%未満含むポリエチレンテレフタレート共重合体
共重合体(B):ジカルボン酸成分としてテレフタル酸及びイソフタル酸、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを少なくとも含有し、全ジカルボン酸成分100モル%中にイソフタル酸を5モル%以上15モル%未満含むポリブチレンテレフタレート共重合体 - 80℃温水中で10秒間処理したときのフィルム主収縮方向の収縮率が35〜55%である請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- フィルム主収縮方向に4.8〜6.0倍延伸して得られる請求項1又は2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 温度30℃、相対湿度50%の雰囲気下で30日間保管した後、フィルム主収縮方向の長さ15mm、フィルム主収縮方向と直交する方向の長さ100mmの短冊形状に切り出した試験片を、チャック間距離20mm、温度23℃、引張速度200mm/分で引張試験を行ったときに、もとのフィルム長の50%以上伸びる試験片が全試験片数の80%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 硬質ボトル用収縮ラベルとして使用する請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 製袋して筒状ラベルを作製し、硬質ボトルに装着させた後、1ゾーン式蒸気シュリンカー内において80℃で5秒間通過させて前記筒状ラベルを収縮させたときに、幅1mm以上、長さ3mm以上のしわが前記筒状ラベルの90%以上の割合で発生せず、かつ前記ボトル底部に発生する縦引けが2mm以内である請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 製袋して筒状ラベルを作製し、該筒状ラベルを硬質ボトルに装着させた後、1ゾーン式蒸気シュリンカー内において80℃で5秒間通過させて前記筒状ラベルを収縮させ、さらに前記筒状ラベルをMD方向と略平行に形成された0.7mmピッチのミシン目に沿って前記ボトルから開封したときに、前記筒状ラベルの90%以上が前記ミシン目以外の箇所で開封されることなく、前記ミシン目に沿って前記ボトル底部まで開封可能である請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを少なくとも1層含むことを特徴とする熱収縮性多層ポリエステル系フィルム。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム又は請求項8に記載の熱収縮性多層ポリエステル系フィルムを用いて得られることを特徴とする成形品。
- 前記成形品が食品用硬質ボトルのラベルである請求項9に記載の成形品。
- 請求項9又は10に記載の成形品を装着した容器。
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