JP6485054B2 - 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび包装体 - Google Patents
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Description
(2)98℃の温水にフィルムを10秒間浸漬したときの温湯熱収縮率が、フィルム主収縮方向で60%以上90%以下、
(3)98℃の温水にフィルムを10秒間浸漬したときの温湯熱収縮率が、フィルム主収縮方向に直交する方向で−5%以上12%以下、
(4)フィルム主収縮方向に直交する方向の引張破壊強さが、70MPa以上200MPa以下、
(5)90℃の熱風で測定したフィルム主収縮方向の最大収縮応力が2MPa以上10MPa以下であり、かつ、測定開始から30秒後の収縮応力が最大収縮応力の60%以上100%以下である。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%) 式1
本発明者等は、特許文献2や特許文献3に記載したように、長手方向の機械的強度が高く、ミシン目開封性に優れた熱収縮性ポリエステル系フィルムを得るには、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム中に存在させることが必要であるとの知見を得て、その結果、フィルム縦方向(長手方向)に延伸した後に幅方向に延伸する、いわゆる縦−横延伸法を採用している。この縦−横延伸法では、縦方向の延伸の後に、縦方向の収縮力を緩和させるため、幅方向の延伸の前に中間熱処理を行っている。
(1)縦延伸条件の制御
(2)縦延伸後における中間熱処理
(3)中間熱処理と横延伸との間における自然冷却(加熱の遮断)
(4)自然冷却後のフィルムの強制冷却
(5)横延伸条件の制御
(6)横延伸後の熱処理と幅方向へのリラックス
(7)上記の製造工程中、2回以上長手方向にリラックスする工程を設ける
以下、上記した各手段について順次説明する。
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、延伸温度をTg以上Tg+30℃以下とし、3.3倍以上4.6倍以下となるように縦延伸する必要がある。縦延伸は一段延伸でも二段以上の多段延伸でも、どちらも用いることができる。
長手方向に配向した分子を熱緩和させるため、縦延伸後に熱処理を行う。このとき、未延伸フィルムを縦延伸した後に、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、Tg+40℃以上Tg+65℃以下の温度で6.0秒以上12.0秒以下の時間にわたって熱処理(以下、中間熱処理という)することが必要である。
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、縦延伸後に中間熱処理を施す必要があるが、その縦延伸と中間熱処理の後において、0.5秒以上3.0秒以下の時間にわたって、フィルムを積極的な加熱操作を実行しない中間ゾーンを通過させる必要がある。すなわち、横延伸用のテンターの横延伸ゾーンの前方に中間ゾーンを設けておき、縦延伸後の中間熱処理後のフィルムをテンターに導き、所定時間をかけてこの中間ゾーンを通過させた後に、横延伸を実施するのが好ましい。加えて、その中間ゾーンにおいては、フィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように、フィルムの走行に伴う随伴流および冷却ゾーンからの熱風を遮断するのが好ましい。なお、中間ゾーンを通過させる時間が0.5秒を下回ると、横延伸が高温延伸となり、横方向の収縮率を充分に高くすることができなくなるので好ましくない。反対に中間ゾーンを通過させる時間は3.0秒もあれば充分であり、それ以上の長さに設定しても、設備の無駄となるので好ましくない。なお、中間ゾーンを通過させる時間は、0.7秒以上がより好ましく、0.9秒以上がさらに好ましく、2.8秒以下がより好ましく、2.6秒以下がさらに好ましい。
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、自然冷却したフィルムをそのまま横延伸するのではなく、フィルムの温度がTg以上Tg+40℃以下となるように積極的に強制冷却することが必要である。かかる強制冷却処理を施すことによって、ラベルとした際のミシン目開封性が良好なフィルムを得ることが可能となる。なお、強制冷却後のフィルムの温度は、Tg+2℃以上がより好ましく、Tg+4℃以上がさらに好ましく、Tg+35℃以下がより好ましく、Tg+30℃以下がさらに好ましい。
横延伸は、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、Tg+10℃以上Tg+40℃以下の温度で3倍以上7倍以下の倍率となるように行う必要がある。かかる所定条件での横延伸を施すことによって、幅方向へ分子を配向させて幅方向の高い収縮力を発現させることが可能となり、ラベルとした際のミシン目開封性が良好なフィルムを得ることが可能となる。なお、横延伸の温度は、Tg+13℃以上がより好ましく、Tg+16℃以上がさらに好ましく、Tg+37℃以下がより好ましく、Tg+34℃以下がさらに好ましい。一方、横延伸の倍率は、3.5倍以上がより好ましく、4倍以上がさらに好ましく、6.5倍以下がより好ましく、6倍以下がさらに好ましい。
横延伸後のフィルムは、テンター内で幅方向の両端際をクリップで把持した状態で、Tg以上Tg+50℃以下の温度で1秒以上9秒以下の時間にわたって最終的に熱処理されることが必要である。熱処理温度がTg+50℃より高いと、可動非晶が少なくなって、幅方向の収縮率が低下し、98℃の熱収縮率が60%より小さくなって好ましくない。また、熱処理温度がTgより低いと、幅方向へ充分に弛緩できず、最終的な製品を常温下で保管した時に、経時で幅方向の収縮(いわゆる自然収縮率)が大きくなり好ましくない。また、熱処理時間は長いほど好ましいが、あまりに長いと設備が巨大化するので、9秒以下とすることが好ましい。
可動非晶を多くして、かつ長手方向の収縮率を小さくするには、縦延伸によって長手方向に配向した分子を、熱緩和(リラックス)させることが好ましい。縦延伸後のフィルムの長手方向の残留収縮応力が大きいと、横延伸後のフィルム長手方向の温湯熱収縮率が大きくなり、収縮仕上り性が悪くなる欠点がある。横延伸工程で熱処理を行うことが、フィルム長手方向の温湯熱収縮率を下げるのに有効であるが、熱による緩和だけではフィルム中の結晶が多くなり、幅方向の収縮率を高くするのに不向きである。
縦延伸後のフィルムをTg以上Tg+60℃以下の温度で加熱し、速度差のあるロールを用いて、0.05秒以上5.0秒以下の時間で長手方向に10%以上50%以下のリラックスを実施することが望ましい。温度がTgより低いと縦延伸後のフィルムが収縮せずリラックスを実施できないため、好ましくない。一方、Tg+60℃より高いと、フィルムが結晶化し、透明性等が悪くなるため、好ましくない。リラックス時のフィルム温度は、Tg+10℃以上Tg+55℃以下がより好ましく、Tg+20℃以上Tg+50℃以下がさらに好ましい。
中間熱処理工程においては、対向するテンター内の把持用クリップ間の距離を縮めることにより、0.1秒以上12秒以下の時間で長手方向に21%以上40%以下のリラックスを実施することが望ましい。リラックス率が21%未満であると、長手方向の分子配向の緩和が充分に行えず、剛直非晶から可動非晶への変化量が少なくなり好ましくない。またリラックス率が40%より大きいと、長手方向の直角引裂強度が大きくなり、引張破壊強さが小さくなるので好ましくない。リラックス率は22%以上がより好ましく、38%以下がより好ましく、36%以下がさらに好ましい。
最終熱処理工程においては、対向するテンター内の把持用クリップ間の距離を縮めることにより、0.1秒以上9秒以下の時間で長手方向に21%以上40%以下のリラックスを実施することが望ましい。リラックス率が21%未満であると、長手方向の分子配向の緩和が充分に行えず、剛直非晶から可動非晶への変化量が少なくなり、好ましくない。またリラックス率が40%より大きいと、長手方向の直角引裂強度が大きくなり、引張破壊強さが小さくなるので好ましくない。リラックス率は22%以上がより好ましく、38%以下がより好ましく、36%以下がさらに好ましい。
フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、98℃±0.5℃の温水中に無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた後、25℃±0.5℃の水中に10秒間浸漬し、水中から引き出してフィルムの縦および横方向の寸法を測定し、下記式1にしたがって、それぞれ熱収縮率を求めた。熱収縮率の大きい方向を主収縮方向とした。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%) 式1
70℃±0.5℃の温水を用いた以外は、上記と同様にして、エージング前のフィルムの70℃の主収縮方向の温湯熱収縮率を求め、30℃、湿度65%RHの環境下で672時間エージングした後のフィルムについても同様に70℃の主収縮方向の温湯熱収縮率を求め、エージング前の温湯熱収縮率から、エージング後の温湯熱収縮率を差し引くことによって、収縮率差(%)を求めた。
熱収縮性フィルムから主収縮方向の長さが200mm、幅20mmのサンプルを切り出し、東洋ボールドウィン社製(現社名オリエンテック社)の加熱炉付き強伸度測定機(テンシロン(オリエンテック社の登録商標))を用いて測定した。加熱炉は予め90℃に加熱しておき、チャック間距離は100mmとした。加熱炉の送風を一旦止めて加熱炉の扉を開け、サンプルをチャックに取付け、その後速やかに加熱炉の扉を閉めて、送風を再開した。収縮応力を30秒以上測定し、30秒後の収縮応力(MPa)を求め、測定中の最大値を最大収縮応力(MPa)とした。また、最大収縮応力に対する30秒後の収縮応力の比率(百分率)を応力比(%)とした。
所定の長さを有する矩形状の枠にフィルムを予め弛ませた状態で装着する(すなわち、フィルムの両端を枠によって把持させる)。そして、弛んだフィルムが枠内で緊張状態となるまで(弛みがなくなるまで)、約5秒間にわたって80℃の温水に浸漬させることによって、フィルムを幅方向に10%収縮させた。この10%収縮後のフィルムから、JIS−K−7128−3に準じて、図1に示す形状の試験片を切り出した。なお、試験片を切り出す際は、フィルム長手方向が引き裂き方向になるようにした。また、図1中、長さの単位はmmであり、Rは半径を表す。次に、万能引張試験機(島津製作所製「オートグラフ」)で試験片の両端(幅方向)を掴み、引張速度200mm/分の条件にて引張試験を行い、フィルムが長手方向に完全に引き裂かれたときの最大荷重を測定した。この最大荷重をフィルムの厚みで除して、単位厚み当たりの直角引裂強度を算出した。
測定方向(フィルム長手方向)が140mm、測定方向と直交する方向(フィルム幅方向)が20mmの短冊状の試験片を作製した。万能引張試験機「DSS−100」(島津製作所製)を用いて、試験片の両端をチャックで片側20mmずつ把持(チャック間距離100mm)して、雰囲気温度23℃、引張速度200mm/minの条件にて引張試験を行い、引張破壊時の強度(応力)を引張破壊強さとした。
エージング前とエージング後の熱収縮性フィルムそれぞれについて、両端部をジオキソランで接着することにより、円筒状のラベル(熱収縮性フィルムの主収縮方向を周方向としたラベル)を作製した。500mlの角型PETボトル(胴周長215mm、ネック部の最小直87mm)にラベルを被せ、ゾーン温度90℃のFuji Astec Inc製スチームトンネル(型式;SH−1500−L)内を、5秒で通過させることにより、ラベルを熱収縮させてボトルに装着した。なお、装着の際には、ネック部においては、周長103mm(ラベル高さ170mmの位置)の部分がラベルの一方の端になるように調整した。収縮後の仕上り性の評価として、装着されたラベル上部の360度方向の歪みをゲージを使用して測定し、歪みの最大値を求めた。以下の基準に従って評価した。
◎:最大歪み 2.0mm未満
○:最大歪み 2.0mm以上3.0mm未満
×:最大歪み 3.0mm以上
上記したラベルの収縮歪みの条件と同一の条件で、PETボトルにラベルを装着した。ラベル密着性を以下の基準に従って評価した。
◎:装着したラベルとPETボトルの間で弛み無く、ボトルのキャップ部を固定してラベルをねじったときに、ラベルが動かない。
○:ボトルのキャップ部を固定してラベルをねじったときはラベルが動かないが、ラベルとPETボトルの間に少し弛みがある。
×:ボトルのキャップ部を固定してラベルをねじったときに、ラベルがずれる。
上記したラベルの収縮歪みの条件と同一の条件で、PETボトルにラベルを装着し、シワの発生状態を、以下の基準に従って評価した。
◎:大きさ2mm以上のシワの数が零。
○:大きさ2mm以上のシワの数が1個以上2個以下。
×:大きさ2mm以上のシワの数が3個以上。
上記したラベル収縮歪みの条件と同一の条件で、PETボトルにラベル(高さ170mm)を装着した。ラベルの高さを測定し、以下の基準に従って評価した。
◎:ラベル高さが169mm以上
○:ラベル高さが167mm以上169mm未満
×:ラベル高さが167mm未満
予め主収縮方向と直交する方向にミシン目を入れておいたラベルを、上記したラベルの収縮歪みの条件と同一の条件でPETボトルに装着した。ただし、ミシン目は、長さ1mmの孔を1mm間隔で入れることによって形成し、ラベルの縦方向(高さ方向)に幅22mm、長さ185mmにわたって2本設けた。その後、このボトルに水を500ml充填し、5℃に冷蔵し、冷蔵庫から取り出した直後のボトルのラベルのミシン目を指先で引裂き、縦方向にミシン目に沿って綺麗に裂けなかったり、ラベルをボトルから外すことができなかった本数を数え、全サンプル50本に対するミシン目開封不良率(%)を算出した。ミシン目開封不良率が20%以下であれば、実用上、合格である。
温度変調示差走査熱量計(TM DSC)「Q100」(TA instruments社製)を用い、フィルムをハーメチックアルミニウムパン内に10mg秤量し、ヒートオンリーモードで、平均昇温速度1℃/min、変調周期40秒でリバースヒートフローを得た。得られたリバースヒートフローのTg前後の値の差を比熱容量差ΔCpとした。
撹拌機、温度計および部分環流式冷却器を備えたステンレススチール製オートクレーブに、二塩基酸成分としてジメチルテレフタレート(DMT)100モル%と、グリコール成分としてエチレングリコール(EG)100モル%とを、エチレングリコールがモル比でジメチルテレフタレートの2.2倍になるように仕込み、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を0.05モル%(酸成分に対して)用いて、生成するメタノールを系外へ留去しながらエステル交換反応を行った。その後、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.025モル%(酸成分に対して)を添加し、280℃で26.6Pa(0.2トール)の減圧条件下、重縮合反応を行い、固有粘度0.70dl/gのポリエステル(A)を得た。このポリエステルはポリエチレンテレフタレートである。なお、上記ポリエステル(A)の製造の際には、滑剤としてSiO2(富士シリシア社製サイリシア266)をポリエステルに対して8,000ppmの割合で添加した。また、上記と同様な方法により、表1に示すポリエステル(B,C,D,E,F)を合成した。なお、表中、IPAはイソフタル酸、CHDMは1,4−シクロヘキサンジメタノール、NPGはネオペンチルグリコール、BDは1,4−ブタンジオールである。ポリエステルA,B,C,D,E,Fの固有粘度は、それぞれ、0.70dl/g,0.70dl/g,0.73dl/g,0.73dl/g,0.70dl/g,0.80dl/gであった。なお、各ポリエステルは、適宜チップ状にした。
上記したポリエステルA、ポリエステルBおよびポリエステルCを質量比5:15:80で混合して押出機に投入した。この混合樹脂を280℃で溶融させてTダイから押出し、表面温度30℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さ211μmの未延伸フィルムを得た。このときの未延伸フィルムの引取速度(金属ロールの回転速度)は、約20m/minであった。未延伸フィルムのTgは75℃であった。
上記したポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルCおよびポリエステルDを質量比5:15:70:10で混合した以外は、実施例1と同様の方法で厚さ20μmのフィルムを製造した。未延伸フィルムのTgは75℃であった。評価結果を表3に示す。
ポリエステルDに変えてポリエステルEを用いた以外は、実施例2と同様の方法で厚さ20μmのフィルムを製造した。未延伸フィルムのTgは75℃であった。評価結果を表3に示す。
ポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルCおよびポリエステルFを質量比5:5:80:10で混合したことと、未延伸フィルムの厚みを190μm、縦延伸温度を75℃、中間熱処理工程のリラックス率を0%、最終熱処理工程の長手方向へのリラックス率を35.7%とした以外は、実施例1と同様の方法で厚さ20μmのフィルムを製造した。未延伸フィルムのTgは67℃であった。評価結果を表3に示す。
ポリエステルA、ポリエステルC、ポリエステルEおよびポリエステルFを質量比5:60:25:10で混合したことと、未延伸フィルムの厚みを266μm、縦延伸温度を75℃、縦延伸後のリラックス温度を95℃、中間熱処理工程のリラックス率を35.7%、横延伸温度を95℃、横延伸倍率を7倍、最終熱処理温度を96℃にした以外は、実施例1と同様の方法で厚さ20μmのフィルムを製造した。未延伸フィルムのTgは67℃であった。評価結果を表3に示す。
縦延伸後の加熱炉の温度を100℃から50℃に変更し、縦延伸後の加熱炉での長手方向へのリラックス率を30%から0%に変更し(すなわち、リラックスを行わなかった)、中間熱処理工程での長手方向へのリラックス率を28.6%から30%に変更し、最終熱処理工程での長手方向へのリラックス率を0%から28.6%に変更した以外は実施例1と同様の方法で、厚さ20μmのフィルムを製造した。評価結果を表3に示した。
縦延伸後の加熱炉での長手方向へのリラックス率を30%から18%に変更し、中間熱処理工程での長手方向へのリラックス率を28.6%から22%に変更し、最終熱処理工程での長手方向へのリラックス率を0%から21.8%に変更した以外は実施例1と同様の方法で、厚さ20μmのフィルムを製造した。評価結果を表3に示した。
ポリエステルCに変えてポリエステルDを用い、未延伸フィルムの厚みを200μmとし、縦延伸倍率を4倍、縦延伸後のリラックス温度を95℃、中間熱処理温度を123℃、横延伸温度を95℃、最終熱処理温度を98℃とし、幅方向のリラックスを行わなかった以外は、実施例4と同様の方法で厚さ20μmのフィルムを製造した。未延伸フィルムのTgは67℃であった。評価結果を表3に示す。
ポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルCおよびポリエステルDを質量比5:15:10:70で混合したこと以外は実施例4と同様の方法で厚さ20μmのフィルムを製造した。未延伸フィルムのTgは67℃であった。評価結果を表3に示す。
未延伸フィルムの厚みを98μmとし、縦延伸と長手方向へのリラックスを行わず、中間熱処理の温度を100℃、横延伸温度を78℃、最終熱処理温度を80℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で厚さ20μmのフィルムを製造した。評価結果を表3に示す。また、収縮応力曲線を図2に示した。
Claims (6)
- 以下の要件(1)〜(5)を満足することを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(1)非晶モノマーとして1,4−シクロヘキサンジメタノールをアルコール成分100モル%中5モル%以上30モル%以下用い、
(2)98℃の温水にフィルムを10秒間浸漬したときの温湯熱収縮率が、フィルム主収縮方向で60%以上90%以下、
(3)98℃の温水にフィルムを10秒間浸漬したときの温湯熱収縮率が、フィルム主収縮方向に直交する方向で−5%以上5%以下、
(4)フィルム主収縮方向に直交する方向の引張破壊強さが、70MPa以上200MPa以下、
(5)90℃の熱風で測定したフィルム主収縮方向の最大収縮応力が2MPa以上10MPa以下であり、かつ、測定開始から30秒後の収縮応力が最大収縮応力の60%以上100%以下である。 - 80℃の温水中で主収縮方向に10%収縮させた後の主収縮方向に直交する方向の単位厚み当たりの直角引裂強度が、180N/mm以上350N/mm以下である請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 温度30℃、湿度65%RHで、672時間エージング処理する前後の70℃での主収縮方向の温湯熱収縮率の差が10%以下である請求項1または2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 温度変調DSCでリバースヒートフローを測定したときのTg前後の比熱容量差ΔCpが、0.1J/(g・℃)以上0.7J/(g・℃)以下である請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 主収縮方向と、主収縮方向に直交する方向との二軸に延伸されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムから得られたラベルで、包装対象物の少なくとも外周の一部を被覆して熱収縮させて形成されることを特徴とする包装体。
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