JP2013059603A - 防滑靴底及び防滑靴 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐滑性を向上させる。
【解決手段】基板1の表面1aから突出し、且つ表面1aに沿って複数それぞれが規則的に配列される接地ブロック2が、中央幅が括れて両端幅が太い鼓形に形成される接地面2aと、接地面2aの対向する一対の長辺に、該長辺の中間部位同士が最も接近して曲がるように形成される凹状エッジ2bと、凹状エッジ2bから基板1に向け凹状エッジ2bに沿って曲がるように連続形成される凹状側面2cを有することにより、歩行に伴い各接地ブロック2の接地面2aが接地した際に、各接地ブロック2の接地面2aと床面などの間に挟まった油膜などを凹状エッジ2bが切って、凹状エッジ2bから凹状側面2cへスムーズに排除し、床面などに対して凹状側面2cが引っ掛かると同時に、各接地ブロック2に掛かった体重が凹状側面2cに沿って基板1の表面1aへ分散されるため、各接地ブロック2の倒れ変形が抑えられて床面などを捉え続ける。
【選択図】図1
【解決手段】基板1の表面1aから突出し、且つ表面1aに沿って複数それぞれが規則的に配列される接地ブロック2が、中央幅が括れて両端幅が太い鼓形に形成される接地面2aと、接地面2aの対向する一対の長辺に、該長辺の中間部位同士が最も接近して曲がるように形成される凹状エッジ2bと、凹状エッジ2bから基板1に向け凹状エッジ2bに沿って曲がるように連続形成される凹状側面2cを有することにより、歩行に伴い各接地ブロック2の接地面2aが接地した際に、各接地ブロック2の接地面2aと床面などの間に挟まった油膜などを凹状エッジ2bが切って、凹状エッジ2bから凹状側面2cへスムーズに排除し、床面などに対して凹状側面2cが引っ掛かると同時に、各接地ブロック2に掛かった体重が凹状側面2cに沿って基板1の表面1aへ分散されるため、各接地ブロック2の倒れ変形が抑えられて床面などを捉え続ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば厨房など、油や油分を含む液体が付着した平滑な床面などで作業する際に用いられる防滑靴底(滑り止め靴底)、及び、この防滑靴底を備えた、例えば長靴や安全靴などの作業靴(ワークシューズ)やその他の靴からなる防滑靴に関する。
従来、この種の防滑靴底として、ゴムまたは合成樹脂素材の成形によって、略均一な肉厚を有する平板状の基部表面に均一な高さの複数のブロックを規則的に配列し、各ブロックが直方体状に形成され、その接地面を各々凹凸の無い平滑面であるとともに、長手方向に向かって略平行な2辺を有する長方形を成しており、各ブロックの間には、靴の進行方向(縦方向)に延びる複数の直線溝と靴の幅方向(横方向)に延びる直線溝を各々等間隔に設け、歩行に伴い踵側から接地を開始して順次接地部分が靴先の方へ移動する際に、横一列に並んだ長方形状のブロックを単位として順次接地させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかし乍ら、このような従来の防滑靴底では、実験によれば、油膜等の排除性能などが劣るため、歩行時に滑る場合があった。
また、各ブロックの間には直交する直線溝が等間隔に設けられるため、例えば小石などの異物が挟まり易く、取れ難いという問題もあった。
また、各ブロックの間には直交する直線溝が等間隔に設けられるため、例えば小石などの異物が挟まり易く、取れ難いという問題もあった。
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、耐滑性を向上させることができる防滑靴底及び防滑靴を提供することなどを目的とするものである。
このような目的を達成するために本発明による防滑靴底は、足形の平板状に形成される基板と、前記基板の表面から突出し且つ該表面に沿って複数それぞれが規則的に配列される接地ブロックとを備え、前記接地ブロックは、中央幅が括れて両端幅が太い鼓形に形成される接地面と、前記接地面の対向する一対の長辺に該長辺の中間部位同士が最も接近して曲がるように形成される凹状エッジと、前記凹状エッジから前記基板の前記表面に向け前記凹状エッジに沿って曲がるように連続形成される凹状側面を有していることを特徴とする。
また本発明による防滑靴は、前記防滑靴底を靴底に備えたことを特徴とする。
前述した特徴を有する本発明による防滑靴底は、足形の平板状に形成される基板の表面から突出し、且つ表面に沿って複数それぞれが規則的に配列される接地ブロックが、中央幅が括れて両端幅が太い鼓形に形成される接地面と、接地面の対向する一対の長辺に、該長辺の中間部位同士が最も接近して曲がるように形成される凹状エッジと、凹状エッジから基板に向け凹状エッジに沿って曲がるように連続形成される凹状側面を有することにより、歩行に伴い各接地ブロックの接地面が接地した際に、各接地ブロックの接地面と床面などの歩行面との間に挟まった油膜などを凹状エッジが切って、凹状エッジから凹状側面へスムーズに排除し、床面などの歩行面に対して凹状側面が確実に引っ掛かると同時に、各接地ブロックに掛かった体重が凹状側面に沿って基板の表面へ分散されるため、各接地ブロックの倒れ変形が抑えられて床面などの歩行面を捉え続けるので、耐滑性を向上させることができる。
その結果、平板状の基部表面に対し、均一な高さの長方形に形成された複数のブロックを靴の進行方向及び幅方向へ等間隔に配列した従来のものに比べ、水や油で濡れている床面などの歩行面に対して高い耐滑性が得られ、水や油が床面に散乱した状態が多い例えば厨房や食品加工工場などで安全に歩いて作業を行うことができる。
その結果、平板状の基部表面に対し、均一な高さの長方形に形成された複数のブロックを靴の進行方向及び幅方向へ等間隔に配列した従来のものに比べ、水や油で濡れている床面などの歩行面に対して高い耐滑性が得られ、水や油が床面に散乱した状態が多い例えば厨房や食品加工工場などで安全に歩いて作業を行うことができる。
また、前述した特徴を有する本発明による防滑靴は、スリップによる転倒事故を軽減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る防滑靴底Aは、図1、図4〜図6に示すように、足形の平板状に形成される基板1と、基板1の表面1aから突出し且つ表面1aに沿って複数それぞれが規則的に配列される接地ブロック2とを、主要な構成要素として備えている。
基板1及び接地ブロック2は、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、NBRなどの合成ゴム、天然ゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体などから選ばれた1種類又は複数種類の弾性重合体、若しくはゴム配合剤とからなり、例えばプレス加工などによって一体成形することが好ましい。
本発明の実施形態に係る防滑靴底Aは、図1、図4〜図6に示すように、足形の平板状に形成される基板1と、基板1の表面1aから突出し且つ表面1aに沿って複数それぞれが規則的に配列される接地ブロック2とを、主要な構成要素として備えている。
基板1及び接地ブロック2は、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、NBRなどの合成ゴム、天然ゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体などから選ばれた1種類又は複数種類の弾性重合体、若しくはゴム配合剤とからなり、例えばプレス加工などによって一体成形することが好ましい。
基板1は、靴のサイズに合った足形で略均一な肉厚を有する平板状に形成される。
基板1の具体例として、図1及び図6に示されるように、その表面1aにおいて爪先側には踏み付け部1bを、それと靴の進行方向(前後縦方向)Yの反対側には踵部1cをそれぞれ形成し、これら踏み付け部1b及び踵部1cに複数の接地ブロック2をそれぞれ所定の方向へ規則的に配列されるように形成することが好ましい。
複数の接地ブロック2の配列方向は、靴の進行方向Yやこれと直交する幅方向(左右横方向)Xに限られず、これら進行方向Y及び幅方向Xに対する斜め方向も含まれる。
基板1の表面1aには、図1〜5に示されるように、その周囲に外周部1dを形成したり、図1及び図6に示されるように、踏み付け部1bと踵部1cの間に凹状の踏まず部1eを形成したりすることが好ましい。特に、踏み付け部1b及び踵部1cから踏まず部1eに向け部分的に突出するように複数の接地ブロック2を配列することが好ましい。さらに、踏まず部1eにおいて幅方向Xの両端には、踏まず部1eの底面積が幅方向Xへ小さくなるように、一対のアーチ状凹部1fをそれぞれ形成することが好ましい。
また、その他の具体例として、基板1の表面1aに踏み付け部1bや踵部1cなどを形成せず、基板1の表面1aの略全体に亘って、複数の接地ブロック2を所定の方向へ規則的に配列させたり、基板1の表面1aに外周部1dを形成するが、外周部1dを除く基板1の表面1aの略全体に亘って、複数の接地ブロック2を所定の方向へ規則的に配列させたり、するなどの変更も可能である。
基板1の具体例として、図1及び図6に示されるように、その表面1aにおいて爪先側には踏み付け部1bを、それと靴の進行方向(前後縦方向)Yの反対側には踵部1cをそれぞれ形成し、これら踏み付け部1b及び踵部1cに複数の接地ブロック2をそれぞれ所定の方向へ規則的に配列されるように形成することが好ましい。
複数の接地ブロック2の配列方向は、靴の進行方向Yやこれと直交する幅方向(左右横方向)Xに限られず、これら進行方向Y及び幅方向Xに対する斜め方向も含まれる。
基板1の表面1aには、図1〜5に示されるように、その周囲に外周部1dを形成したり、図1及び図6に示されるように、踏み付け部1bと踵部1cの間に凹状の踏まず部1eを形成したりすることが好ましい。特に、踏み付け部1b及び踵部1cから踏まず部1eに向け部分的に突出するように複数の接地ブロック2を配列することが好ましい。さらに、踏まず部1eにおいて幅方向Xの両端には、踏まず部1eの底面積が幅方向Xへ小さくなるように、一対のアーチ状凹部1fをそれぞれ形成することが好ましい。
また、その他の具体例として、基板1の表面1aに踏み付け部1bや踵部1cなどを形成せず、基板1の表面1aの略全体に亘って、複数の接地ブロック2を所定の方向へ規則的に配列させたり、基板1の表面1aに外周部1dを形成するが、外周部1dを除く基板1の表面1aの略全体に亘って、複数の接地ブロック2を所定の方向へ規則的に配列させたり、するなどの変更も可能である。
接地ブロック2は、基板1の表面1aから略直方体に突出するように形成され、その先端に床面や地面などの歩行面と対向する接地面2aを有している。
接地面2aは、略長方形でその中央幅(軸方向中央部の軸方向と直交する幅寸法)が細く括れて両端幅(両端部の幅寸法)が太い鼓形に形成される。
さらに、接地ブロック2は、接地面2aの対向する一対の長辺に該長辺の中間部位同士が最も接近して曲がるように形成される凹状エッジ2bと、凹状エッジ2bから基板1の表面1aに向け凹状エッジ2bに沿って曲がるように連続形成される凹状側面2cを有している。
接地面2aは、略長方形でその中央幅(軸方向中央部の軸方向と直交する幅寸法)が細く括れて両端幅(両端部の幅寸法)が太い鼓形に形成される。
さらに、接地ブロック2は、接地面2aの対向する一対の長辺に該長辺の中間部位同士が最も接近して曲がるように形成される凹状エッジ2bと、凹状エッジ2bから基板1の表面1aに向け凹状エッジ2bに沿って曲がるように連続形成される凹状側面2cを有している。
鼓形に形成される接地面2aの具体例としては、図1(a)及び図2(a)などに示されるように、中央幅が両端幅の約50〜80%に設定され、一対の長辺をそれぞれ凹状エッジ2bとして弓形に曲げるとともに、長辺と短辺が交わるコーナー部位をそれぞれ円弧状に形成することが好ましい。
また、鼓形に形成される接地面2aの他の具体例として、図2(b)に示されるように、長辺と短辺が交わるコーナー部位をそれぞれ鋭角状に形成したり、図2(c)に示されるように、長辺の両端部位を直線状に形成したり、図2(d)に示されるように、一対の長辺をそれぞれ凹状エッジ2bとして直線状に折り曲げ形成したりするなどの形状変更も可能である。
また、鼓形に形成される接地面2aの他の具体例として、図2(b)に示されるように、長辺と短辺が交わるコーナー部位をそれぞれ鋭角状に形成したり、図2(c)に示されるように、長辺の両端部位を直線状に形成したり、図2(d)に示されるように、一対の長辺をそれぞれ凹状エッジ2bとして直線状に折り曲げ形成したりするなどの形状変更も可能である。
基板1の表面1aから接地ブロック2の接地面2aまでの突出高さは、隣り合う接地ブロック2の間に形成される隙間に、例えば小さな砂利などの異物が入ったとしても、歩行時においてこの異物が床面や地面などの歩行面に当接しないとともに、歩行面に対する接地面2aの密着力が増し、且つ歩行に追従して凹状エッジ2bが歩行面に対し確実に接するように約3.2〜5.0mmに設定することが好ましい。
さらに、基板1の表面1aから突出するように複数の接地ブロック2が設けられることで、基板1の表面1aには、接地ブロック2の凹状側面2cに沿って凹溝3が形成される。
すなわち、接地ブロック2の凹状側面2cと、この凹状側面2cと対向して隣に配置される別の接地ブロック2の凹状側面2c又は短辺側の側面2dとの間に、凹溝3を形成することにより、これら接地ブロック2同士の間隔が凹状エッジ2bによって大小不均一となるように形成される。
また、その他の例として図示しないが、鼓形に形成される接地面2aを有する接地ブロック2同士の間だけでなく、鼓形に形成される接地面2aを有する接地ブロック2と、例えば長方形などの鼓形以外の形状に形成される接地面2aを有する接地ブロックや後述する周壁4の間に、それらの間隔が凹状エッジ2bによって大小不均一となるようにすることも可能である。
さらにまた、基板1の表面1aにおいて周囲に分割形成される外周部1dには、図1〜5に示されるように、周壁4が設けられ、周壁4において床面や地面などの歩行面と対向する外周接地面4aを、接地ブロック2の接地面2aと同じ高さ又は接地面2aよりも若干低くなるように設けることが好ましい。
さらに、基板1の表面1aから突出するように複数の接地ブロック2が設けられることで、基板1の表面1aには、接地ブロック2の凹状側面2cに沿って凹溝3が形成される。
すなわち、接地ブロック2の凹状側面2cと、この凹状側面2cと対向して隣に配置される別の接地ブロック2の凹状側面2c又は短辺側の側面2dとの間に、凹溝3を形成することにより、これら接地ブロック2同士の間隔が凹状エッジ2bによって大小不均一となるように形成される。
また、その他の例として図示しないが、鼓形に形成される接地面2aを有する接地ブロック2同士の間だけでなく、鼓形に形成される接地面2aを有する接地ブロック2と、例えば長方形などの鼓形以外の形状に形成される接地面2aを有する接地ブロックや後述する周壁4の間に、それらの間隔が凹状エッジ2bによって大小不均一となるようにすることも可能である。
さらにまた、基板1の表面1aにおいて周囲に分割形成される外周部1dには、図1〜5に示されるように、周壁4が設けられ、周壁4において床面や地面などの歩行面と対向する外周接地面4aを、接地ブロック2の接地面2aと同じ高さ又は接地面2aよりも若干低くなるように設けることが好ましい。
そして、このような本発明の実施形態に係る防滑靴底Aは、靴のサイズに合わせて形成され、防滑靴底Aを靴底として、それ以外に必要な甲被などの靴本体を構成する部位と一体成形するか、又は甲被などの靴本体を構成する部位に対し貼り付けるなど一体化することで、防滑靴底Aを靴底に備えた、例えば長靴や安全靴などの作業靴(ワークシューズ)やその他の靴からなる防滑靴(図示しない)が作製される。
また、このような本発明の実施形態に係る防滑靴底Aの耐滑性を比較するために、試験体として、本発明の実施形態に係る鼓形の接地ブロック2、すなわち前述した鼓形の接地面2aを有する接地ブロック2が突出形成された鼓形ブロックの靴底シートA1と、比較例となる直方体の接地ブロックが突出形成された長方形ブロックの靴底シートA1′を、それぞれ同じ大きさで用意した。
これら本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1及び比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′について、それぞれ同じ計測条件で摩擦角度測定試験(耐滑性試験)を行った結果を下記の表1〜表3に示し、水平摩擦測定試験を行った結果を下記の表4に示す。
これら本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1及び比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′について、それぞれ同じ計測条件で摩擦角度測定試験(耐滑性試験)を行った結果を下記の表1〜表3に示し、水平摩擦測定試験を行った結果を下記の表4に示す。
本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1は、図3(a)に示されるように、表面が長方形で基板1と同じ肉厚のシート本体10に対して、図2(a)に示された鼓形の接地面2aを有する複数の接地ブロック2を、それぞれ接地面2aの長手方向がシート本体10の短手方向(左右横方向)Xへ一直線上に並ぶように配列するとともに、この一直線上に並べられた複数の接地ブロック2の列を、シート本体10の長手方向(前後縦方向)Yへその隣り合う列同士がシート本体10の短手方向Xへ位置ズレするように配設している。さらに、シート本体10の短手方向Xの中央に接地ブロック2が配置される列は、シート本体10において左右横方向Xの両端スペースに、接地ブロック2を左右横方向Xに約半分程度切断した接地ブロック21を配列している。
比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′は、図3(b)に示されるように、シート本体10と同じ長方形のシート本体10′に対して、特許文献1(国際公開第2007/116968号)に記載されるような、長方形の接地面2a′を有する接地ブロック2′を複数、シート本体10の長手方向Yへ配列するとともに、それぞれの接地面2a′において対向する一対の長辺2b′がシート本体10′の前後縦方向Yと直交する左右横方向Xへ並ぶように位置している。
比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′は、図3(b)に示されるように、シート本体10と同じ長方形のシート本体10′に対して、特許文献1(国際公開第2007/116968号)に記載されるような、長方形の接地面2a′を有する接地ブロック2′を複数、シート本体10の長手方向Yへ配列するとともに、それぞれの接地面2a′において対向する一対の長辺2b′がシート本体10′の前後縦方向Yと直交する左右横方向Xへ並ぶように位置している。
摩擦角度測定試験に用いる試験装置は、傾斜角度が調整可能な試験床(図示しない)を有し、この試験床が水平な状態で、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1又は比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′のいずれか一方を載置し、前記試験床の傾斜角度を徐々に大きくして、鼓形ブロックの靴底シートA1又は長方形ブロックの靴底シートA1′が滑り出した時の傾斜角度を計測するとともに、それぞれの滑り状況を観測した。前記試験床に対して、鼓形ブロックの靴底シートA1又は比較例の靴底シートA1′を載置する際には、それぞれシート本体10,10′の長手方向Yが前記試験床の傾斜方向(下がっていく方向)と一致するように位置合わせした。
前記試験床としては、表面の滑らかなステンレス板が用いられ、前記試験床の表面に油や水が全く塗布されていない油、水の無い状態と、前記試験床の表面に油(潤滑油)が塗布された状態と、前記試験床の表面に水が散布された状態とで、それぞれ試験を3回ずつ行った。油、水の無い状態で試験した結果を下記の表1に示し、油が塗布された状態で試験した結果を下記の表2に示し、水が散布された状態で試験した結果を下記の表3に示した。
前記試験床としては、表面の滑らかなステンレス板が用いられ、前記試験床の表面に油や水が全く塗布されていない油、水の無い状態と、前記試験床の表面に油(潤滑油)が塗布された状態と、前記試験床の表面に水が散布された状態とで、それぞれ試験を3回ずつ行った。油、水の無い状態で試験した結果を下記の表1に示し、油が塗布された状態で試験した結果を下記の表2に示し、水が散布された状態で試験した結果を下記の表3に示した。
○印は、全く滑り移動しなかった場合を示している。
□印は、滑り出し後に停止した場合を示している。
■印は、回転しながら滑り出した場合を示している。
▲印は、ゆっくり滑り移動した場合を示している。
×印は、急速に滑り移動した場合を示している。
摩擦角度測定試験の結果、表1に示された、前記試験床の表面に油や水が全く塗布されていない油、水の無い状態では、該試験床の傾斜角度が50度以上になると、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′が滑り移動する。これに対し、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1は、該試験床の傾斜角度が60度になるまで全く滑り移動しなかった。
表2に示された、前記試験床の表面に油(潤滑油)が塗布された状態では、該試験床の傾斜角度が35度以上になると、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′が滑り移動し始める。これに対し、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1は、該試験床の傾斜角度が70度になっても滑り移動しなかった。
表3に示された、前記試験床の表面に水が散布された状態では、該試験床の傾斜角度が45度以上になると、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′が滑り移動し始める。これに対し、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1は、該試験床の傾斜角度が60度になるまで滑り移動しなかった。
つまり、前記試験床に油、水の無い状態、油が塗布された状態、水が散布された状態のいずれにおいても、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1の方が、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′よりも、滑り難くて耐滑性に優れていることが理解できる。
表2に示された、前記試験床の表面に油(潤滑油)が塗布された状態では、該試験床の傾斜角度が35度以上になると、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′が滑り移動し始める。これに対し、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1は、該試験床の傾斜角度が70度になっても滑り移動しなかった。
表3に示された、前記試験床の表面に水が散布された状態では、該試験床の傾斜角度が45度以上になると、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′が滑り移動し始める。これに対し、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1は、該試験床の傾斜角度が60度になるまで滑り移動しなかった。
つまり、前記試験床に油、水の無い状態、油が塗布された状態、水が散布された状態のいずれにおいても、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1の方が、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′よりも、滑り難くて耐滑性に優れていることが理解できる。
さらに、水平摩擦測定試験では、水平に保持された試験床(図示しない)上に、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1又は比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′のいずれか一方を載置し、これらに負荷(垂直抗力)として約1.06Kg又は約2.06Kgを掛けた状態で、それぞれを試験床と平行な横方向へ押して、動き出した際の最大摩擦力(N)を測定した。前記試験床上に載置された鼓形ブロックの靴底シートA1又は比較例の靴底シートA1′を横方向へ押す際には、それぞれシート本体10,10′の長手方向Yと押す方向が一致するように位置合わせした。
前記試験床としては、表面の滑らかなステンレス板が用いられ、前記試験床の表面に油が塗布されていない油無し状態と、前記試験床の表面に油(潤滑油)が塗布された油有り状態で、それぞれ最大摩擦力の測定を行った。測定結果を下記の表4に最大静止摩擦係数として示した。
なお、最大静止摩擦係数は、次の計算式によって算出される。
最大静止摩擦係数=動き出した時の水平荷重/負荷
(注:負荷=自重+荷重、1.06kg又は2.06kg)
前記試験床としては、表面の滑らかなステンレス板が用いられ、前記試験床の表面に油が塗布されていない油無し状態と、前記試験床の表面に油(潤滑油)が塗布された油有り状態で、それぞれ最大摩擦力の測定を行った。測定結果を下記の表4に最大静止摩擦係数として示した。
なお、最大静止摩擦係数は、次の計算式によって算出される。
最大静止摩擦係数=動き出した時の水平荷重/負荷
(注:負荷=自重+荷重、1.06kg又は2.06kg)
水平摩擦測定試験の結果、前記試験床の表面に油が塗布されていない油無し状態では、負荷が約1.06Kg及び約2.06Kgのともに、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′の最大摩擦力よりも、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1の最大摩擦力が遙かに大きい値となっている。
前記試験床の表面に油(潤滑油)が塗布された油有り状態においても、負荷が約1.06Kg及び約2.06Kgのともに、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′の最大摩擦力よりも、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1の最大摩擦力が遙かに大きい値となっている。
つまり、前記試験床が油無し状態、油有り状態のいずれにおいても、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1は、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′よりも、最大摩擦力が遙かに大きくて最大静止摩擦係数も遙かに大きくなるため、滑り難くて耐滑性に優れていることが理解できる。
前記試験床の表面に油(潤滑油)が塗布された油有り状態においても、負荷が約1.06Kg及び約2.06Kgのともに、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′の最大摩擦力よりも、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1の最大摩擦力が遙かに大きい値となっている。
つまり、前記試験床が油無し状態、油有り状態のいずれにおいても、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1は、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′よりも、最大摩擦力が遙かに大きくて最大静止摩擦係数も遙かに大きくなるため、滑り難くて耐滑性に優れていることが理解できる。
表1〜表4のように、前記試験床が油無し状態及び油有り状態のいずれにおいても、本発明となる鼓形ブロックの靴底シートA1の方が、比較例となる長方形ブロックの靴底シートA1′よりも滑り難くて耐滑性に優れている理由としては、先ず、各接地ブロック2の接地面2aと試験床の間に挟まった油膜などを凹状エッジ2bが切って、凹状エッジ2bから凹状側面2cへスムーズに排除するため、試験床に対して凹状側面2cが確実に引っ掛かると推測される。さらに加えて、各接地ブロック2に掛かった荷重が凹状側面2cに沿って基板1の表面1aへ分散されるため、各接地ブロック2の倒れ変形が抑えられて試験床を捉え続けるためと推測される。
したがって、このような本発明の実施形態に係る防滑靴底A及びそれを備えた、例えば長靴や安全靴などの作業靴(ワークシューズ)やその他の靴からなる防滑靴によると、歩行に伴い各接地ブロック2の接地面2aが接地した際に、各接地ブロック2の接地面2aと床面や地面などの歩行面との間に挟まった油膜などを凹状エッジ2bが切って、凹状エッジ2bから凹状側面2cへスムーズに排除し、床面や地面などの歩行面に対して凹状側面2cが確実に引っ掛かると同時に、各接地ブロック2に掛かった体重が凹状側面2cに沿って基板1の表面1aへ分散されるため、各接地ブロック2の倒れ変形が抑えられて床面や地面などの歩行面を捉え続ける。
それにより、耐滑性を向上させることができる。
それにより、耐滑性を向上させることができる。
特に、基板1の表面1aに凹溝3を接地ブロック2の凹状側面2cに沿って形成した場合には、接地ブロック2の凹状側面2cと、それに隣り合う接地ブロック2などとの間隔が凹状側面2cに沿って大小不均一となるため、凹溝3に小石などの異物が挟まっても凹状側面2cに沿って異物の位置がずれることで簡単に外れる。
それにより、異物が挟まり難く且つ挟まった場合でも排除することができる。
その結果、各ブロックの間に直交する直線溝が等間隔に設けられる従来のものに比べ、使用勝手良い。
それにより、異物が挟まり難く且つ挟まった場合でも排除することができる。
その結果、各ブロックの間に直交する直線溝が等間隔に設けられる従来のものに比べ、使用勝手良い。
さらに、踏み付け部1bと踵部1cの間に凹状の踏まず部1eを形成し、踏み付け部1b及び踵部1cから踏まず部1eに向け部分的に突出するように複数の接地ブロック2を配列した場合には、踏み付け部1bと踵部1cの間に凹状の踏まず部1eを有するため、歩行に伴って肉薄な踏まず部1eが弾性変形し、また複数の接地ブロック2の配列面積が踏み付け部1b及び踵部1cから踏まず部1eに一部突出して確保されるため、接地ブロック2の配列数が増大する。
それにより、歩行性と耐滑性を向上させることができる。
それにより、歩行性と耐滑性を向上させることができる。
さらに、踏まず部1eの幅方向X両端に、一対のアーチ状凹部1fをそれぞれ形成した場合には、基板1の全体に対する踏まず部1eの容積が減少する。
それにより、踏まず部1eの柔軟性が向上して更に歩き易くなるとともに、全体の重量を軽量化できて材料費の低減化も図れる。
それにより、踏まず部1eの柔軟性が向上して更に歩き易くなるとともに、全体の重量を軽量化できて材料費の低減化も図れる。
また、本発明の実施形態に係る防滑靴底Aを備えた、例えば長靴や安全靴などの作業靴(ワークシューズ)やその他の靴からなる防滑靴によると、平滑なステンレス貼りの床面に油が塗布されていない油無し状態と、前記床面に油(潤滑油)が塗布された油有り状態で、実際に履いて試験したところ、油無し状態及び油有り状態において、直線的な歩行と、歩行しながらの方向転換を共にスリップ無しで行うことができて良好であった。
それにより、スリップによる転倒事故を軽減することができる。
次に、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
それにより、スリップによる転倒事故を軽減することができる。
次に、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例1は、図1(a)(b)に示すように、基板1の表面1aにおいてその爪先側の踏み付け部1bに、接地ブロック2を凹状エッジ2bが靴の進行方向(前後縦方向)Yに対して斜め方向に並ぶように配置し、基板1の表面1aにおいて踵部1cに、接地ブロック2を凹状エッジ2bが靴の進行方向Yと直交する幅方向(左右横方向)Xへ並ぶように配置したものである。
図1(a)(b)に示される例では、踏み付け部1bにおいて、一直線上に並べられた複数の接地ブロック2を、隣り合う接地ブロック2の接地面2a同士が約90度回転するように配列するとともに、この一直線上に並べられた複数の接地ブロック2の列が、靴の進行方向Yに対し斜め約45度方向へ交差するように配列している。
踵部1cにおいては、複数の接地ブロック2をそれぞれ接地面2aの長手方向が靴の幅方向Xへ一直線上に並ぶように配列するとともに、それぞれの凹状エッジ2bが靴の進行方向Yに向かい合うように配列している。さらに、靴の幅方向Xへ一直線上に並べられた複数の接地ブロック2の列を靴の進行方向Yへ、その隣り合う列同士が幅方向Xに接地面2aの長手方向寸法の約半分だけ位置ズレするように配列することが好ましい。
また、その他の例として図示しないが、踏み付け部1bにおいて、靴の進行方向Yに対し斜め約45度方向へ交差するように配列された接地ブロック2の列を、総ての接地ブロック2の接地面2a同士が全て同じ向きとなるように配列したり、踵部1cにおいて、靴の幅方向Xへ一直線上に並ぶように配列された接地ブロック2の列を、靴の進行方向Yへ、その隣り合う列同士が幅方向Xに位置ズレせずに配置したり、その以外の形状に規則的に配列したりするなどの変更も可能である。
踵部1cにおいては、複数の接地ブロック2をそれぞれ接地面2aの長手方向が靴の幅方向Xへ一直線上に並ぶように配列するとともに、それぞれの凹状エッジ2bが靴の進行方向Yに向かい合うように配列している。さらに、靴の幅方向Xへ一直線上に並べられた複数の接地ブロック2の列を靴の進行方向Yへ、その隣り合う列同士が幅方向Xに接地面2aの長手方向寸法の約半分だけ位置ズレするように配列することが好ましい。
また、その他の例として図示しないが、踏み付け部1bにおいて、靴の進行方向Yに対し斜め約45度方向へ交差するように配列された接地ブロック2の列を、総ての接地ブロック2の接地面2a同士が全て同じ向きとなるように配列したり、踵部1cにおいて、靴の幅方向Xへ一直線上に並ぶように配列された接地ブロック2の列を、靴の進行方向Yへ、その隣り合う列同士が幅方向Xに位置ズレせずに配置したり、その以外の形状に規則的に配列したりするなどの変更も可能である。
さらに、図1(a)(b)に示される例では、基板1の表面1aにおいてその外周部1dに周壁4を、その外周接地面4aが接地ブロック2の接地面2aと同じ高さとなるように設け、周壁4の接地面4aには、滑り止め用の凹部4bが部分的に形成されている。
また、その他の例として図示しないが、周壁4の接地面4aを接地ブロック2の接地面2aよりも若干低くなるように設けたり、周壁4の外周接地面4a全体に滑り止め用の凹部4bを形成したり、周壁4の外周接地面4aに滑り止め用の凹部4bを形成せずに平坦面に形成したりするなどの変更が可能である。
また、その他の例として図示しないが、周壁4の接地面4aを接地ブロック2の接地面2aよりも若干低くなるように設けたり、周壁4の外周接地面4a全体に滑り止め用の凹部4bを形成したり、周壁4の外周接地面4aに滑り止め用の凹部4bを形成せずに平坦面に形成したりするなどの変更が可能である。
このような本発明の実施例1に係る防滑靴底Aによると、前後の進行方向Yへの歩行に際しては、踵部1cの接地ブロック2を床などに接地させることにより、幅方向Xへ並んだ凹状エッジ2bが床などに引っ掛かって進行方向Yへのスリップが抑制され、また左右の幅方向Xへの方向変換に際しては、踏み付け部1bの接地ブロック2を床などに接地させることにより、進行方向Yに対し斜め方向に並んだ凹状エッジ2bが床などに引っ掛かって幅方向Xへのスリップが抑制される。
それにより、進行方向Yへの歩行だけでなく幅方向Xへ向きを変えても滑り止めすることができるという利点がある。
その結果、歩行に伴い横一列に並んだ長方形状のブロックを単位として順次接地させる従来のものに比べ、方向変換に伴い靴底がスリップしてバランスを崩すことがなく、安心して向きを変える動作が行える。
それにより、進行方向Yへの歩行だけでなく幅方向Xへ向きを変えても滑り止めすることができるという利点がある。
その結果、歩行に伴い横一列に並んだ長方形状のブロックを単位として順次接地させる従来のものに比べ、方向変換に伴い靴底がスリップしてバランスを崩すことがなく、安心して向きを変える動作が行える。
さらに、図1(a)(b)に示される例などのように、基板1の表面1aにおいてその外周部1dに周壁4を、その外周接地面4aが接地ブロック2の接地面2aと同じ高さ又は接地面2aよりも低くなるように設けた場合には、基板1の外周部1dの近傍に配置される接地ブロック2が、周壁4によって潰れ変形や破損による欠落が抑制される。
それにより、歩行に伴って摩耗し易い基板1の周囲近くの接地ブロック2を保護することができるという利点がある。
その結果、長期に亘って滑り止め性能を維持することができる。
それにより、歩行に伴って摩耗し易い基板1の周囲近くの接地ブロック2を保護することができるという利点がある。
その結果、長期に亘って滑り止め性能を維持することができる。
この実施例2は、図4に示すように、基板1の表面1aの略全体又は全体に亘って、鼓形の接地面2aを有する複数の接地ブロック2をそれぞれ規則的に配列した構成が、図1(a)(b)に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は図1(a)(b)に示した実施例1と同じものである。
図4に示される例では、図1(a)に示される踏み付け部1bと踵部1cが結合された中央部1gと外周部1dに分割し、中央部1gに対して、図1(a)の踏み付け部1bに配列されたように、一直線上に並べられた複数の接地ブロック2の列を、靴の進行方向Yに対し斜め約45度方向へ交差するように配列している。
また、その他の例として図示しないが、中央部1gに対して、図1(a)の踵部1cに配列されたように、靴の幅方向Xへ一直線上に並べられた複数の接地ブロック2の列を靴の進行方向Yへ、その隣り合う列同士が幅方向Xに接地面2aの長手方向寸法の約半分だけ位置ズレするように配列したり、その以外の形状に規則的に配列したりするなどの変更が可能である。
また、その他の例として図示しないが、中央部1gに対して、図1(a)の踵部1cに配列されたように、靴の幅方向Xへ一直線上に並べられた複数の接地ブロック2の列を靴の進行方向Yへ、その隣り合う列同士が幅方向Xに接地面2aの長手方向寸法の約半分だけ位置ズレするように配列したり、その以外の形状に規則的に配列したりするなどの変更が可能である。
このような本発明の実施例2に係る防滑靴底Aによると、基板1の表面1aの略全体又は全体に亘って、鼓形の接地面2aを有する複数の接地ブロック2がそれぞれ規則的に配列されるので、前述した実施例1と同様な作用効果が得られる。
この実施例3は、図5に示すように、基板1の表面1aに対し、鼓形の接地面2aを有する複数の接地ブロック2が組となって、この組を複数それぞれ規則的に配列した構成が、図1(a)(b)に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は図1(a)(b)に示した実施例1と同じものである。
図5に示される例では、図1(a)に示される踏み付け部1bと踵部1cが結合された中央部1gに対し、平行に配置された二つの接地ブロック2を一つの組として、この組が靴の幅方向Xへ一直線上に並ぶように配列するとともに、この一直線上に並べられた複数の接地ブロック2の列を靴の進行方向Yへ、その隣り合う列同士が幅方向Xに接地面2aの長手方向寸法の約半分だけ位置ズレするように配列している。
また、その他の例として図示しないが、平行に配置された三つ以上の接地ブロック2を一つの組として、この組を靴の幅方向X及び進行方向Yへ配列したり、隣り合う組同士が約90度回転するように配列したり、前記組が一直線上に並べられた列を靴の進行方向Yに対し斜め約45度方向へ交差するように配列したり、基板1の表面1aを踏み付け部1bと踵部1cに分割してそれぞれに配列したりするなどの変更が可能である。
また、その他の例として図示しないが、平行に配置された三つ以上の接地ブロック2を一つの組として、この組を靴の幅方向X及び進行方向Yへ配列したり、隣り合う組同士が約90度回転するように配列したり、前記組が一直線上に並べられた列を靴の進行方向Yに対し斜め約45度方向へ交差するように配列したり、基板1の表面1aを踏み付け部1bと踵部1cに分割してそれぞれに配列したりするなどの変更が可能である。
このような本発明の実施例3に係る防滑靴底Aによると、基板1の表面1aに対し鼓形の接地面2aを有する複数の接地ブロック2がそれぞれ規則的に配列されるので、前述した実施例1と同様な作用効果が得られる。
この実施例4は、図6(a)(b)に示すように、踏み付け部1bが、その踏まず部1e側に床面や地面などの歩行面と靴の進行方向Yへ略平行に対向するように形成される踏み出し部位1b1と、踏み出し部位1b1の爪先側に形成される爪先上がり部位1b2を有し、踏み出し部位1b1における靴の進行方向Yへの長さ寸法を爪先上がり部位1b2における靴の進行方向Yへの長さ寸法よりも長くて踏まず部1eへ向け突出するように設定し、踏み出し部位1b1及び爪先上がり部位1b2に複数の接地ブロック2をそれぞれ所定の方向へ規則的に配列した構成が、図1(a)(b)に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は図1(a)(b)に示した実施例1と同じものである。
詳しくは、踏み出し部位1b1における靴の進行方向Yへの長さ寸法を、基板1の全長(約284mm)に対して約15〜25%程度、好ましくは約21%以上にし、踵部1cにおける靴の進行方向Yへの長さ寸法を、基板1の全長に対して約10〜15%程度、好ましくは約12%に設定している。
さらに、踏み出し部位1b1を歩行面と靴の幅方向Xへも略平行に対向するように形成することが好ましい。
踵部1cは、踏み出し部位1b1と同様に、床面や地面などの歩行面と靴の進行方向Y及び幅方向Xへ略平行に対向するように形成され、図示例のように踵部1cの全面と踏み出し部位1b1を略同一平面に配置することが好ましい。
詳しくは、踏み出し部位1b1における靴の進行方向Yへの長さ寸法を、基板1の全長(約284mm)に対して約15〜25%程度、好ましくは約21%以上にし、踵部1cにおける靴の進行方向Yへの長さ寸法を、基板1の全長に対して約10〜15%程度、好ましくは約12%に設定している。
さらに、踏み出し部位1b1を歩行面と靴の幅方向Xへも略平行に対向するように形成することが好ましい。
踵部1cは、踏み出し部位1b1と同様に、床面や地面などの歩行面と靴の進行方向Y及び幅方向Xへ略平行に対向するように形成され、図示例のように踵部1cの全面と踏み出し部位1b1を略同一平面に配置することが好ましい。
図6(a)(b)に示される例では、踏まず部1eの幅方向Xの中央位置において、複数の接地ブロック2が、踏み付け部1bの踏まず部1e側端と踵部1cの踏まず部1e側端からそれぞれ部分的に突出するように配列されている。
すなわち、幅方向Xの中央位置における接地ラインと幅方向Xの両側位置における接地ラインが異なるように構成している。
すなわち、幅方向Xの中央位置における接地ラインと幅方向Xの両側位置における接地ラインが異なるように構成している。
また、図6(a)(b)に示される例では、基板1の表面1aに図1(a)に示される外周部1dが形成されず、靴の幅方向Xの略全長に亘って踏み付け部1b及び踵部1cをそれぞれ形成して、踏み付け部1b及び踵部1cの全面に、複数の接地ブロック2を略同じ配置パターンでそれぞれ配列している。
詳しくは、踏み付け部1b及び踵部1cにおいて、複数の接地ブロック2をそれぞれ接地面2aの長手方向が靴の幅方向Xへ一直線上に並ぶように配列するとともに、それぞれの凹状エッジ2bが靴の進行方向Yに向かい合うように配列し、靴の幅方向Xへ一直線上に並べられた複数の接地ブロック2の列を靴の進行方向Yへ、その隣り合う列同士が幅方向Xに接地面2aの長手方向寸法の約半分だけ位置ズレするように配列している。
詳しくは、踏み付け部1b及び踵部1cにおいて、複数の接地ブロック2をそれぞれ接地面2aの長手方向が靴の幅方向Xへ一直線上に並ぶように配列するとともに、それぞれの凹状エッジ2bが靴の進行方向Yに向かい合うように配列し、靴の幅方向Xへ一直線上に並べられた複数の接地ブロック2の列を靴の進行方向Yへ、その隣り合う列同士が幅方向Xに接地面2aの長手方向寸法の約半分だけ位置ズレするように配列している。
このような本発明の実施例4に係る防滑靴底Aによると、爪先上がり部位1b2が必要以上に長くなり過ぎてその屈曲性が低下しないと同時につまずき難い長さが確保され、さらに床面や地面などの歩行面に対して常時接触する踏み出し部位1b1が更に長く確保されるため、踏み出し部位1b1に配列される接地ブロック2の個数と、歩行面に対する接地ブロック2の接地面積が増大する。
それにより、歩行性能の向上と耐滑性能の更なる向上を図ることができる。
それにより、歩行性能の向上と耐滑性能の更なる向上を図ることができる。
さらに、踏み出し部位1b1及び踵部1cを歩行面と靴の幅方向Xへも略平行に対向するように形成した場合には、踏み出し部位1b1及び踵部1cにおいて接地ブロック2の接地面2aが歩行面と接触するため、横滑りなど耐滑性能の更なる向上を図ることができる。
図6(a)(b)に示される接地ブロック2は、その接地面2aの長手方向寸法が、図1(a)に示される接地ブロック2の長手方向寸法よりも長く形成することで、床面や地面などの歩行面に対する摩擦力をアップさせている。さらに、靴の進行方向Yへ配置される接地ブロック2の間隔を、図1(a)の踵部1cにおける接地ブロック2の配置間隔よりも小さくして凹状エッジ2b同士を接近させることにより、床面の油などを順次早いピッチで押し出して滑り難くしている。
図6(a)(b)に示される接地ブロック2は、その接地面2aの長手方向寸法が、図1(a)に示される接地ブロック2の長手方向寸法よりも長く形成することで、床面や地面などの歩行面に対する摩擦力をアップさせている。さらに、靴の進行方向Yへ配置される接地ブロック2の間隔を、図1(a)の踵部1cにおける接地ブロック2の配置間隔よりも小さくして凹状エッジ2b同士を接近させることにより、床面の油などを順次早いピッチで押し出して滑り難くしている。
また、このような本発明の実施例4に係る防滑靴底Aの耐滑性を比較するために、試験体として、図6(a)(b)に示される防滑靴底Aが備えられた防滑靴(長靴)と、比較例として図7(a)(b)に示される靴底A′が備えられた防滑靴(長靴)をそれぞれ同じ大きさで用意した。これら本発明の防滑靴底Aを有する防滑靴(長靴)及び比較例の靴底A′を有する防滑靴(長靴)について、それぞれ同じ計測条件で水平摩擦測定試験を行った結果を下記の表5及び表6に示す。
水平摩擦測定試験では、水平に保持された試験床(図示しない)として、滑らかな表面にグリセリンを塗布したステンレス板が用いられ、その上に本発明の防滑靴底Aを有する防滑靴(長靴)又は比較例の靴底A′を有する防滑靴(長靴)のいずれか一方を載置し、これらに負荷(垂直抗力)として、防滑靴の自重に荷重(10Kg)を掛けた状態で、前記試験床と平行な横方向へ押して、動き出した際の最大摩擦力(N)と移動中の動摩擦力(N)を測定した。最大摩擦力の測定結果を下記の表5に最大静止摩擦係数として示し、動摩擦力の測定結果を下記の表6に動摩擦係数として示した。
なお、最大静止摩擦係数と動摩擦係数は、次の計算式によって算出される。
・最大静止摩擦係数=動き出した時の水平荷重/負荷
(注:負荷=自重+荷重、10kg)
・動摩擦係数=移動中の水平荷重/負荷
なお、最大静止摩擦係数と動摩擦係数は、次の計算式によって算出される。
・最大静止摩擦係数=動き出した時の水平荷重/負荷
(注:負荷=自重+荷重、10kg)
・動摩擦係数=移動中の水平荷重/負荷
水平摩擦測定試験の結果、本発明の図6(a)(b)に示される防滑靴底Aが備えられた防滑靴(長靴)は、比較例の図7(a)(b)に示される靴底A′が備えられた防滑靴(長靴)に比べて、最大静止摩擦係数及び動摩擦係数が遙かに大きくなるため、滑り難くて耐滑性に優れていることが理解できる。
なお、本発明の図6(a)(b)に示される防滑靴底Aが備えられた防滑靴(長靴)において、表5に示される最大静止摩擦係数よりも、表6に示される動摩擦係数の方が大きな値となった理由としては、最大静止摩擦係数の計測時が一時的な「押し」であるのに対し、動摩擦係数の計測時は継続的な「押し」である。図6(a)(b)に示される接地ブロック2を継続的に押し移動させることで、試験床に塗布したグリセリンが掻き取られて減少し、それにより摩擦抵抗が上がることが原因である。
一方、比較例の図7(a)(b)に示される靴底A′が備えられた防滑靴(長靴)は、動摩擦係数の計測時に、図7(a)(b)に示される靴底A′を継続的に押し移動させても、試験床に塗布されたグリセリンを十分に掻き取ることができず、試験床に残ったグリセリンで滑るため、表5に示される最大静止摩擦係数に比べて、表6に示される動摩擦係数の方が遥かに小さな値となった。
なお、本発明の図6(a)(b)に示される防滑靴底Aが備えられた防滑靴(長靴)において、表5に示される最大静止摩擦係数よりも、表6に示される動摩擦係数の方が大きな値となった理由としては、最大静止摩擦係数の計測時が一時的な「押し」であるのに対し、動摩擦係数の計測時は継続的な「押し」である。図6(a)(b)に示される接地ブロック2を継続的に押し移動させることで、試験床に塗布したグリセリンが掻き取られて減少し、それにより摩擦抵抗が上がることが原因である。
一方、比較例の図7(a)(b)に示される靴底A′が備えられた防滑靴(長靴)は、動摩擦係数の計測時に、図7(a)(b)に示される靴底A′を継続的に押し移動させても、試験床に塗布されたグリセリンを十分に掻き取ることができず、試験床に残ったグリセリンで滑るため、表5に示される最大静止摩擦係数に比べて、表6に示される動摩擦係数の方が遥かに小さな値となった。
1 基板 1a 表面
1b 踏み付け部 1b1 踏み出し部位
1b2 爪先上がり部位 1c 踵部
1d 外周部 1e 踏まず部
1f アーチ状凹部 2 接地ブロック
2a 接地面 2b 凹状エッジ
2c 凹状側面 3 凹溝
4 周壁 4a 外周接地面
Y 靴の進行方向 X 靴の幅方向
1b 踏み付け部 1b1 踏み出し部位
1b2 爪先上がり部位 1c 踵部
1d 外周部 1e 踏まず部
1f アーチ状凹部 2 接地ブロック
2a 接地面 2b 凹状エッジ
2c 凹状側面 3 凹溝
4 周壁 4a 外周接地面
Y 靴の進行方向 X 靴の幅方向
Claims (8)
- 足形の平板状に形成される基板と、
前記基板の表面から突出し且つ該表面に沿って複数それぞれが規則的に配列される接地ブロックとを備え、
前記接地ブロックは、
中央幅が括れて両端幅が太い鼓形に形成される接地面と、
前記接地面の対向する一対の長辺に該長辺の中間部位同士が最も接近して曲がるように形成される凹状エッジと、
前記凹状エッジから前記基板の前記表面に向け前記凹状エッジに沿って曲がるように連続形成される凹状側面を有していることを特徴とする防滑靴底。 - 前記基板の前記表面に凹溝を、前記接地ブロックの前記凹状側面に沿って形成したことを特徴とする請求項1記載の防滑靴底。
- 前記基板の前記表面には、その爪先側の踏み付け部及び踵部と、それらの間に配置される凹状の踏まず部を形成し、複数の前記接地ブロックを前記踏み付け部と前記踵部にそれぞれ所定の方向へ規則的に配列するとともに、前記踏み付け部及び前記踵部から前記踏まず部に向け部分的に突出するように複数の前記接地ブロックを配列したことを特徴とする請求項1又は2記載の防滑靴底。
- 前記踏まず部において靴の幅方向の両端に、一対のアーチ状凹部をそれぞれ形成したことを特徴とする請求項3記載の防滑靴底。
- 前記基板の前記表面においてその爪先側の踏み付け部に、前記接地ブロックを前記凹状エッジが靴の進行方向に対して斜め方向に並ぶように配置し、前記基板の前記表面において踵部に、前記接地ブロックを前記凹状エッジが靴の進行方向と直交する幅方向へ並ぶように配置したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の防滑靴底。
- 前記基板の前記表面においてその外周部に周壁を、その外周接地面が前記接地ブロックの前記接地面と同じ高さ又は前記接地面よりも低くなるように設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の防滑靴底。
- 前記踏み付け部が、歩行面と平行に対向するように形成される踏み出し部位と、前記踏み出し部位の爪先側に形成される爪先上がり部位を有し、前記踏み出し部位における靴の進行方向への長さを前記爪先上がり部位における靴の進行方向への長さよりも長くて前記踏まず部へ向け突出するように設定し、前記踏み出し部位及び前記爪先上がり部位に複数の前記接地ブロックをそれぞれ所定の方向へ規則的に配列したことを特徴とする請求項3又は4記載の防滑靴底。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の防滑靴底を靴底に備えたことを特徴とする防滑靴。
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