JP2000106903A - 耐滑靴底 - Google Patents
耐滑靴底Info
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Abstract
が変形することなく,これらの膜を切り,床面をがっち
り捉え続ける耐滑靴底を提供する。 【解決手段】 54〜62(JIS−A,20℃)の硬
さを有するゴム,ポリ塩化ビニル,ポリウレタンによ
り,最薄部の厚さが3mm以上8mm以下で,靴底接地
部には,多角形,円形などのブロック意匠パターンを有
するように成形される。上記ブロック意匠パターンは,
意匠高さが1mm〜7mm,意匠勾配が0度〜3度,最
小寸法が2mm〜8mmで,トップには,凹凸模様がな
く,フラットである。
Description
るものである。
えて数値化され,評価される。摩擦は,静摩擦と動摩擦
に大別され,履き物の滑りも同様である。静摩擦とは,
いうならば滑り始めであり,例えば,着地時の滑りにく
さを評価する際に使われる。それに対し,動摩擦は,滑
っているときのストップ性,止まりにくさを評価する際
に使われ,静摩擦と動摩擦がセットになって本当の意味
での耐滑性のある履き物といえる。
ゴム,ポリウレタン,ポリ塩化ビニル,熱可塑性エラス
トマー,エチレンビニルアセテート(EVA)などがあ
げられるが,油などが存在して,特に耐滑性が要求され
る環境で使用されることが多い安全靴の底材料は,合成
ゴム,ポリウレタン(PU)が主流である。
擦と動摩擦をみてみると,一般的にゴムの摩擦係数は,
静摩擦係数の方が動摩擦係数よりも大きい。つまり,ゴ
ムは,滑り出しにくいが,滑り出すと,止まりにくいと
いうことである。従って,ゴム底の場合は,動摩擦係数
をいかに大きくするかが耐滑性に優れた靴底を開発する
ポイントであった。
して,柔軟性を出し,それにより摩擦抵抗を上げたり,
接地面の底意匠パターンを,例えば,図10及び図11
に示すように「ノコギリ意匠」にしたり,図12及び図
13に示すように「打ち込み意匠」にするなど工夫した
りしていたが,特に油があるような床面において静摩
擦,動摩擦ともに満足するような耐滑性に優れた履き物
はこれまでなかった。
さが低い(柔らかい)場合は,着用中,荷重により,ブ
ロック意匠2が変形したり,図15に示す二層底3で
は,ミッドソール4が柔らかくて,アウトソール5が薄
い場合は,アウトソール5のブロック意匠6の取付部が
変形をおこし,床面37を捉え続けることができず,滑
ってしまう。
「ノコギリ意匠」パターンは,図16に示すように容易
に変形してしまうので,ふんばりがきかず,床37の表
面を滑ってしまう。さらに,図12及び図13に示すよ
うな「打ち込み意匠」のトップにさらに凹凸模様38を
付けた意匠パターンのような場合は,床面37に水や油
などの流体があると,図17に示すようにこれらの膜を
切ることができず,床面37を捉え続けることができな
くなってしまう。本発明は,床面に水膜や油膜などがあ
っても,ブロック意匠が変形することなく,これらの膜
を切り,床面をがっちり捉え続ける耐滑靴底を提供する
ことを目的とするものである。
ために,本発明は, 靴底接地部が,54〜62(JIS−A 20℃)
の硬さを有するゴム,ポリ塩化ビニル,ポリウレタンか
らなり,最薄部の厚さが3mm以上8mm以下で,靴底
接地部には,多角形,円形などのブロック意匠パターン
を有するように成形される点に特徴を有し, 靴底接地部が,54〜62(JIS−A 20℃)
の硬さを有するゴム,ポ塩化ビニル,ポリウレタンから
なり,最薄部の厚さが1mm以上4mm以下であり,靴
底接地部には,多角形,円形などのブロック意匠パター
ンを有するように成形され,接地部と同等以上の硬さを
有する中底又はミッドソールを有する点に特徴を有し, 項又は項記載の耐滑靴底において,ブロック意
匠パターンは,意匠高さが1mm以上7mm以下,意匠
勾配が0度〜3度,意匠パターンの最小寸法が2mm〜
8mmである点に特徴を有し, 項ないし項のいずれか1項記載の耐滑靴底にお
いて,ブロック意匠パターンのトップには,凹凸模様が
なく,フラット(平面)であることを特徴とするもので
ある。
ム,ポリ塩化ビニル,ポリウレタンであり,その硬さ
は,54〜62(JIS−A 20℃)にするとよい。
油がある床面など流体摩擦に対して柔らかすぎても,硬
すぎても,耐滑効果は低下する。54未満であると,ブ
ロック意匠のかど部がきかなくなり,逃げてしまう。6
2を超えると,床面を捉えられない。すなわち,グリッ
プ性が悪くなる。靴底の最薄部の厚さは,3mm以上8
mm以下にするとよい。3mm未満であると,接地部の
上部にある中底や,二層底の場合はミッドソールの硬さ
の影響がでる。3mm以上であれば,中底やミッドソー
ルの硬さに係らず接地部だけで優れた耐滑性を発揮する
ことができる。8mmを超えると,重量が増加し,屈曲
性が低下するだけでなく,着用中の屈曲に耐えきれず,
底の割れを生じやすくなり,実用上問題をおこすことが
多い。
ポリ塩化ビニル,ポリウレタンであり,その硬さが,5
4〜62(JIS−A底20℃)であり,最薄部の厚さ
が1mm以上4mm以下であり,中底又はミッドソール
の硬さを接地部の硬さと同等以上にする。なお,最薄部
の厚さが1mm未満であると,中底やミッドソールを硬
くしても,接地部が図15に示すように波打つ状態にな
り,ふんばりがきかなくなって,転んでしまう。最薄部
の厚さが4mmを超えると重量が増加するだけでなく,
屈曲性が低下する。
形,円形などのブロック意匠とし,その意匠高さ,意匠
勾配,最小寸法(幅)が相互に関係し,かつ,ブロック
意匠のトップは,フラット(平面)で,凹凸模様がない
方がよい。ブロック意匠の意匠高さは,1mmから7m
mが必要である。1mm未満では,着用中に荷重が加わ
ることによって,ブロック意匠が変形し,ブロック意匠
のないフラットな靴底と変わらなく,引っ掛かりがなく
なってしまうので,滑りやすくなる。また,7mmを超
えると,ブロック意匠が高くなりすぎて,逆に不安定に
なってしまう。
がよい。0度は,つまり直角であるが,引っ掛かりがで
きて,ストップ性がよくなる。3度を超えるとブロック
意匠のエッジ部が寝てしまうので,引っ掛かりがなくな
り,ストップ性が低下する。ブロック意匠に適度の剛性
をもたせるために必要な勾配である。
円形のブロック意匠であれば,その直径,四角形であれ
ば,相対する二辺の最短距離をいう。この最小寸法は,
2mm以上8mm以下であることが必要である。2mm
未満であると,図10及び図11に示す「ノコギリ意
匠」と同様の現象になってしまう。8mmを超えると,
床面との接触面積が大きくなりすぎ,無意匠と同じよう
になってしまう。なお,意匠パターンは,底面全面で
も,踏み付け中央部,踵部など部分的でもよい。靴底に
は,縦,横に湾曲したカーブがあるので,静置した状態
で床面と接触する部分さえ確保すれば,底面全面でなく
ても同様な効果が得られる。
ック意匠そのものは,しなやかで,かつ,床面を捉えた
まま放さない構造である方がよい。ブロック意匠に垂直
方向から力がかかった場合,ブロック意匠が陥没せずに
反発し,力を床面に伝える必要がある。また,ブロック
意匠に横方向から力がかかった場合,ブロック意匠が変
形しないで,滑り出しても,床面を捉え続ける必要があ
る。そのためには,接地部の硬さと最薄部の厚さ,その
上部にある中底又はミッドソールの硬さとは重要なファ
クターとなる。
は,床面に水や油などの流体があっても,ブロック意匠
が変形することなく,これらの膜を切り,床面をがっち
りと捉え続けることができる。
実施例を説明すると,図1において,7は耐滑靴底で,
これは,54〜62(JIS−A 20℃)の硬さを有
するゴム,ポリ塩化ビニル,ポリウレタンにより,図3
ないし図5に示した最薄部8の厚さが3mm以上8mm
以下で,靴底面の不踏部9を除いた接地部には,小型長
方形のブロック意匠10を交互に逆向きの斜線に沿って
配列したブロック意匠パターン11を有するように成形
されてなる。
して成形することもあり,図4に示すように接地部12
とミッドソール13の二層底として成形することもあ
る。接地部12の材料が,ゴム,ポリ塩化ビニル,ポリ
ウレタンで,その硬さが,54〜62(JIS−A 2
0℃)であり,最薄部の厚さが上述のように1mm以上
4mm以下である場合は,接地部12の上部にある中底
12A又ミッドソール13の硬さを接地部12の硬さと
同等以上の硬さにする。
し図5に示した意匠高さ14が1mm以上7mm以下,
図5に示した意匠勾配15が0度〜3度,図3,図4,
図6に示した最小寸法16が2mm〜8mmであり,ト
ップには,凹凸模様がなく,フラットである。
は,上記耐滑靴底7の材料と同じ材料により,図3ない
し図5に示した最薄部8の厚さが3mm以上8mm以下
で,靴底面のうち,爪先部18と踵後端部19には,小
型正方形のブロック意匠20が等間隔をおいて一列に並
んだブロック意匠列21を複数列設け,爪先部18と不
踏部22の間の部分には,中央部に「へ」の字型に折曲
した8個のブロック意匠23を等間隔をおいて設け,ブ
ロック意匠23の両側において,それらの各間隔へ喰い
込む平行四辺形であって,トップに2本の溝24を有す
る7個ずつのブロック意匠25,25を設け,ブロック
意匠25,25の外側において,それらの間隔へ喰い込
む三角形であって,トップに1本の溝26を有する4個
ずつのブロック意匠27,27を設け,ブロック意匠2
7,27に接近した位置及び爪先部18側と不踏部22
側のブロック意匠24,24の間隔へ喰い込む位置から
耐滑靴底17の側縁に至る角形であって,トップに1本
の溝28を有する7個ずつのブロック意匠29,29
(不踏部22側のブロック意匠29,29のトップに
は,別の溝30,30が追加されている。)を設け,踵
後端部19と不踏部22の間の部分には,中央部に窪み
31を設け,窪み31の両側から耐滑靴底17の側縁に
至る角形であって,トップに1本の溝32を有する3個
ずつのブロック意匠33,33を設けてなるブロック意
匠パターン34を有するように成形されてなる。
底として成形することもあり,二層底として成形するこ
ともある。
4,26,28,30,32を有する二段意匠の場合の
意匠高さと最小寸法は,図7及び図8に示す通りであ
り,同パターン34は,図3ないし図5に示した意匠高
さ14及び図7に示した意匠高さ35が1mm以上7m
m以下,図5に示した意匠勾配15及び図7に意匠勾配
15と同様に示した意匠勾配が0度〜3度,図3,図
4,図6に示した最小寸法16及び図8に示した最小寸
法36が2mm〜8mmであり,トップには,凹凸模様
がなく,フラットである。
に水や油などの流体があっても,図9に示すようにブロ
ック意匠10や,ブロック意匠20,23,25,2
7,29,33が変形することなく,これらの膜を切
り,床面39を捉え続けることができる。
技術指針(労働省産業安全研究所1991年3月)の耐
滑性試験方法により動摩擦係数の計測をしたところ,次
のような実験結果が得られた。 1.接地部ゴム厚さと動摩擦係数の関係 (1) ミッドソールの硬さ 52(アスカーC 20℃) 接地部(アウトソール)ゴム硬さ 58(JIS−A
20℃) (2) ミッドソールの硬さ 65(アスカーC 20℃) 接地部(アウトソール)ゴムの硬さ 58 2.接地部ゴムの硬さと動摩擦係数の関係 (3) ミッドソールの硬さ 52(アスカーC 20℃) 最薄部 3mm 意匠パターンの高さ 5mm ゴムの硬さ(JIS−A 20℃) 動摩擦係数 50 0.358 54 0.366 58 0.384 62 0.373 66 0.313 計測した動摩擦係数と体感値(傾斜床で耐滑性を体感に
よって評価)とから,動摩擦係数が0.36以上である
と,安定感があり,動摩擦係数が0.36未満である
と,色々な流体を想定した場合,重心の位置によって不
安定となることがわかった。
部よりも硬いものでおさえた場合は,接地部の厚さは1
mm以上あればよい。しかし,実用上,4mmを超える
と,重量が増加するだけでなく,屈曲性が低下するの
で,4mm以下にした方がよい。接地部の厚さが3mm
以上であれば,その上部にある中底やミッドソールの硬
さの影響はなくなる。また,接地部の硬さは54〜62
(JIS−A 20℃)が優れた耐滑性を示す。
ら,次のような効果を奏する。 請求項1記載の発明では,水や油などの流体がある
ような床面において,静摩擦,動摩擦ともに満足するよ
うな耐滑性に優れた靴底が得られる。 請求項2記載の発明では,接地部のブロック意匠取
付部が変形をおこさず,床面を捉え続けることができ,
滑りを防止できる。 請求項3記載の発明では,ブロック意匠が変形する
ことなく安定し,床面に対して引っ掛かりができて,ス
トップ性がよくなる。 請求項4記載の発明では,水や油などの流体がある
床面において,これらの膜を切ることができて,床面を
がっちりと捉え続けることができる。
ンの一例を示す図である。
を示す図である。
面図である。
面図である。
最薄部,意匠高さ,意匠勾配の関係を説明する図であ
る。
を説明する図である。
の意匠高さを説明する図である。
である。
することなく油膜を切り床面をがっちり捉え続ける状態
を示す図である。
面図である。
面図である。
場合にブロック意匠が変形する状態を示す図である。
らかくて接地部が薄い場合にブロック意匠の意匠取付部
が変形する状態を示す図である。
態を示す図である。
面を捉えられずに滑ってしまう状態を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 靴底接地部が,54〜62(JIS−A
20℃)の硬さを有するゴム,ポリ塩化ビニル,ポリ
ウレタからなり,最薄部の厚さが3mm以上8mm以下
で,靴底接地部には,多角形,円形などのブロック意匠
パターンを有するように成形されてなる耐滑靴底 - 【請求項2】 靴底接地部が,54〜62(JIS−A
20℃)の硬さを有するゴム,ポリ塩化ビニル,ポリ
ウレタンからなり,最薄部の厚さが1mm以上4mm以
下であり,靴底接地部には,多角形,円形などのブロッ
ク意匠パターンを有するように成形され,接地部と同等
以上の硬さを有する中底又はミッドソールを有してなる
耐滑靴底。 - 【請求項3】 ブロック意匠パターンは,意匠高さが1
mm以上7mm以下,意匠勾配が0度〜3度,意匠パタ
ーンの最小寸法が2mm〜8mmである請求項1又は請
求項2記載の耐滑靴底。 - 【請求項4】 ブロック意匠パターンのトップには,凹
凸模様がなく,フラット(平面)である請求項1ないし
請求項3のいずれか1項記載の耐滑靴底。
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- 1998-10-05 JP JP29761798A patent/JP3451205B2/ja not_active Expired - Lifetime
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