JP2002165607A - 耐滑靴底 - Google Patents
耐滑靴底Info
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Abstract
変形することなく、これらの膜を切り、床面をがっちり
捉え続ける耐滑靴底を提供する。 【解決手段】靴底接地部が54〜62(JIS−A 2
0℃)の硬さを有するゴム、ポリ塩化ビニル、ポリウレ
タンからなり、最薄部の厚さが1mm以上4mm以下で
あり、靴底接地部(アウトソール)の接地部面の形状
が、多角形、円形などの独立したブロック意匠であっ
て、それらが集合して靴底全体のパターンを形成し、該
ブロック意匠が陥没しにくく、かつ、倒れにくいような
強度を有するように、該接地部(アウトソール)と同等
以上の硬さを有する中底又はミッドソールを有して二層
底からなる。
Description
ものである。
て数値化され、評価される。まさつは、静摩擦と動摩擦
に大別され、履き物の滑りも同様である。静摩擦とは、
いうならば滑り始めであり、例えば、着地時の滑りにく
さを評価する際に使われる。それに対し、動摩擦は、滑
っているときのストップ性、止まりにくさを評価する際
に使われ、静摩擦と動摩擦がセットになって本当の意味
での耐滑性のある履き物といえる。
ム、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、熱可塑性エラスト
マー、エチレンビニルアセテート(EVA)などがあげ
られるが、油などが存在して、特に耐滑性が要求される
環境で使用されることが多い安全靴の底材料は、合成ゴ
ム、ポリウレタン(PU)が主流である。
擦と動摩擦をみてみると、一般的にゴムの摩擦計数は、
静摩擦係数の方が動摩擦係数よりも大きい。つまり、ゴ
ムは、滑り出しにくいが、滑り出すと、止まりにくいと
いうことである。従って、ゴム底の場合は、動摩擦係数
をいかに大きくするかが耐滑性に優れた靴底を開発する
ポイントであった。
して、柔軟性を出し、それにより摩擦抵抗を上げたり、
接地面の意匠パターンを、例えば、図10及び図11に
示すように「ノコギリ意匠」にしたり、図12及び図1
3に示すように「打ち込み意匠」にするなど工夫したり
していたが、特に油があるような床面において静摩擦、
動摩擦ともに満足するような耐滑性に優れた履き物はこ
れまでなかった。
ッドソール4が柔らかくて、接地部(アウトソール)5
が薄い場合は、接地部(アウトソール)5のブロック意
匠6の取付部が変形をおこし、床面を捉え続けることが
できず、滑ってしまう。
「ノコギリ意匠」パターンは、図16に示すように容易
に変形してしまうので、ふんばりがきかず、床面37を
滑ってしまう。さらに、図12及び図13に示すような
意匠のトップにさらに凹凸模様の「打ち込み意匠」38
を付けた意匠パターンの場合は床面37に水や油などの
流体があると、図17に示すようにこれらの膜を切るこ
とができず、床面37を捉え続けることができなくなっ
てしまう。本発明は、床面に水膜や油膜があっても、ブ
ロック意匠が変形することなく、これらの膜を切り、床
面をがっちり捉え続ける耐滑靴底を提供することを目的
とするものである。
るために、本発明は、 靴底接地部(アウトソール)が、54〜62(JI
S−A 20℃)の硬さを有するゴム、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタンからなり、最薄部の厚さが1mm以上
4mm以下であり、靴底接地部(アウトソール)の接地
面部の形状が、多角形、円形などの独立したブロック意
匠であって、それらが集合して靴底全体のパターンを形
成し、該ブロック意匠が陥没しにくく、かつ、倒れにく
いような強度を有するように、該接地部(アウトソー
ル)と同等以上の硬さを有する中底又はミッドソールを
有して二層底として構成されていることを特徴とし、 項記載の耐滑靴底において、ブロック意匠パター
ンは、意匠高さが1mm以上7mm以下で、意匠勾配が
0度〜3度、意匠パターンの最小寸法が2mm〜8mm
であることを特徴とし、 項又は項記載の耐滑靴底において、ブロック意
匠パターンのトップには、凹凸模様がなく、フラッと
(平面)であることを特徴とするものである。
は、ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンであり、その
硬さが、54〜62(JIS−A 20℃)であり、最
薄部の厚さが1mm以上4mm以下であり、中底又はミ
ッドソールの硬さを接地部(アウトソール)の硬さと同
等以上にする。なお、最薄部の厚さが1mm未満である
と、中底やミッドソールを硬くしても、接地部(アウト
ソール)が図15に示すように波打つ状態になり、ふん
ばりがきかなくなって、転んでしまう。最薄部の厚さが
4mmを超えると、重量が増加するだけでなく、屈曲性
が低下する。
ける意匠は、多角形、円形などのブロック意匠とし、そ
の意匠高さ、意匠勾配、最小寸法(幅)が相互に関係
し、かつ、ブロック意匠のトップは、フラット(平面)
で、凹凸模様がない方がよい。ブロック意匠の高さは、
1mmから7mmが必要である。1mm未満では、着用
中に荷重が加わることによって、ブロック意匠が変形
し、ブロック意匠のないフラットな靴底と変わりなく、
引っ掛かりがなくなってしまうので、滑りやすくなる。
また、7mmを超えると、ブロック意匠が高くなりすぎ
て、逆に不安定になってしまう。
がよい。0度は、つまり直角であるが、引っ掛かりがで
きて、ストップ性がよくなる。3度を超えると、ブロッ
ク意匠のエッジ部が寝てしまうので、引っ掛かりがなく
なり、ストップ性が低下する。ブロック意匠に適度の剛
性をもたせるために必要な勾配である。
円形のブロック意匠であれば、その直径、四角形であれ
ば、相対する二辺の最短距離をいう。この最小寸法は、
2mm以上8mm以下であることが必要である。2mm
未満であると、図10及び図11に示す「ノコギリ意
匠」と同様の現象になってしまう。8mmを超えると、
床面との接触面積が大きくなりすぎ、無意匠と同じよう
になってしまう。なお、意匠パターンは、床面全面で
も、踏み付け中央部、踵部など部分的でもよい。靴底に
は、縦、横に湾曲したカーブがあるので、静置した状態
で床面と接触する部分さえ確保すれば、靴底全面でなく
ても同様の効果が得られる。
ック意匠そのものは、しなやかで、かつ、床面を捉えた
まま放さない構造である方がよい。ブロック意匠に垂直
方向から力がかかった場合、ブロック意匠が陥没せずに
反発し、力を床面に伝える必要がある。また、ブロック
意匠に横方向から力がかかった場合、ブロック意匠が変
形しないで、滑り出しても、床面を捉え続ける必要があ
る。そのためには、接地部の硬さと最薄部の厚さ、その
上部にある中底又はミッドソールの硬さとは重要なファ
クターとなる。
は、床面に水や油などの流体があっても、ブロック意匠
が変形することなく、これらの膜を切り、床面をがっち
りと捉え続けることができる。
施例を説明すると、図1において7は耐滑靴底で、これ
は、54〜62(JIS−A 20℃)の硬さを有する
ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンにより、図3乃至
図5に示した最薄部8の厚さが1mm以上4mm以下
で、靴底面の不踏部9を除いた接地部には、小型長方形
のブロック意匠10を図1に示すように交互に逆向きの
斜線に沿って配列したブロック意匠パターン11を有す
るように成形されてなる。
ミッドソール13と接地部(アウトソール)12の二層
底として成形したり、図3に示すように中底12A及び
ミッドソールと接地部(アウトソール)12の二層底と
して成形したりする。接地部(アウトソール)12の材
料が、ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンで、54〜
62(JIS−A 20℃)であり、最薄部の厚さが上
述のように1mm以上4mm以下である場合は、接地部
(アウトソール)12の上部にある中底12A又はミッ
ドソール13の硬さを接地部(アウトソール)12の硬
さと同等以上の硬さにする。
した意匠高さが1mm以上7mm以下、図5に示した意
匠勾配15が0度〜3度、図4及び図6に示した最小寸
法が2mm〜8mmであり、トップには、凹凸模様がな
く、フラットである。
は、上記耐滑靴底7の材料と同じ材料により、図3乃至
図5に示した最薄部8の厚さが1mm以上4mm以下
で、靴底面のうち、爪先部18と踵後端部19には、小
型正方形のブロック意匠20が等間隔をおいて一列に並
んだブロック意匠列21を複数列設け、爪先部18と不
踏部22の間の部分には、中央部に「へ」の字型に折曲
した8個のブロック意匠23を等間隔をおいて設け、ブ
ロック意匠23の両側において、それらの各間隔へ喰い
込む三角形であって、トップに1本の溝26を有する4
個ずつのブロック意匠27、27を設け、ブロック意匠
27、27に接近した位置及び爪先部18側と不踏部2
2側のブロック意匠24、24の間隔へ喰い込む位置か
ら耐滑靴底17の側縁に至る角形であって、トップに1
本の溝28を有する7個ずつのブロック意匠29、29
(不踏部22側のブロック意匠29、29のトップに
は、別の溝30、30が追加されている。)を設け、踵
後端部19と不踏部22の間の部分には、中央部に窪み
31を設け、窪み31の両側から耐滑靴底17の側縁に
至る角形であって、トップに1本の溝32を有する3個
ずつのブロック意匠33、33を設けてなるブロック意
匠パターン34を有するように成形されてなる。
4、26、28、30、32を有する二段意匠の場合の
意匠高さ35と最小寸法36は、図7及び図8に示す通
りであり、同パターン34は、図3乃至図5に示した意
匠高さ14及び図5に示した意匠勾配15と同様に示し
た意匠勾配が0度〜3度、図3、図3、図4及び図6に
示した最小寸法16及び図8に示した最小寸法36が2
mm〜8mmであり、トップには、凹凸模様がなく、フ
ラットである。
に水や油などの流体があっても、図9に示すようにブロ
ック意匠10や、ブロック意匠20、23、25、2
7、29、33が変形することなく、これらの膜を切
り、床面39を捉え続けることができる。
ソールと接地部かからなる二層底について、安全靴技術
指針(労働省産業安全研究所1991年3月)の耐滑性
試験方法により動摩擦係数の計測をしたところ、次のよ
うな実験結果が得られた。 1.接地部ゴム厚さと動摩擦係数の関係 (1) ミッドソールの硬さ 52(アスカーC 20℃ ) 接地部(アウトソール)ゴム硬さ 58(JIS−A 20℃) 最薄部厚さ(mm) 動摩擦係数 1 0.344 2 0.354 3 0.384 4 0.388 5 0.396 (2) ミッドソールの硬さ 65(アスカーC 20℃) 接地部(アウトソール)ゴム硬さ 58 最薄部厚さ(mm) 動摩擦係数 1 0.379 2 0.382 3 0.386 4 0.389 5 0.394 2. 接地部ゴムの硬さと動摩擦係数の関係 (3) ミッドソールの硬さ 52(アスカーC 20℃) 最薄部 3mm 意匠パターンの高さ 5mm ゴムの硬さ(JIS−A 20℃) 動摩擦係数 50 0.358 54 0.366 58 0.384 62 0.373 66 0.313 計測した動摩擦係数と体感値(傾斜床で体滑性を体感に
よって評価)とから、動摩擦係数が0.36以上である
と、安定感があり、動摩擦係数が0.36みまんである
と、色々な流体を想定した場合、重心の位置によって不
安定になることがわっかた。
接地部(アウトソール)よりも硬いものでおさえた場合
は、最薄部の厚さは1mm以上あればよい。しかし、実
用上4mmを超えると、重量が増加するだけでなく、屈
曲性が低下するので、4mm以下にした方がよい。ま
た、接地部の硬さは54〜62(JIS−A 20℃)
が優れた耐滑性を示す。
次のような効果を奏する。 請求項1記載の発明では、接地部(アウトソール)
のブロック意匠取付部が変形をおこさず、床面を捉え続
けることができ、滑りを防止できる。 請求項2記載の発明では、ブロック意匠が変形する
ことがなく安定し、床面に対して引っ掛かりができて、
ストップ性がよくなる。 請求項3記載の発明では、水や油などの流体がある
床面において、これらの膜を切ることができて、床面を
がっちりと捉え続けることができる。
の一例を示す図である。
示す図である。
ル)とからなる二層底に成形する場合の一部断面図であ
る。
ール)とからなる二層に成形する場合の一部断面図であ
る。
ロック意匠パターンにおける最薄部、意匠高さ、意匠勾
配の関係を説明する図である。
説明する図である。
意匠高さを説明する図である。
ある。
滑靴底のブロック意匠が変形することなく油膜を切り床
面をがっちり捉え続ける状態を示す図である。
図である。
図である。
ル)が柔らかい場合にブロック意匠が変形する状態を示
す図である。
かくて接地部(アウトソール)が薄い場合にブロック意
匠の取付部が変形する状態を示す図である。
を示す図である。
を捉えられずに滑ってしまう状態を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 靴底接地部(アウトソール)が、54〜
62(JIS−A20℃)の硬さを有するゴム、ポリ塩
化ビニル、ポリウレタンからなり、最薄部の厚さが1m
m以上4mm以下であり、靴底接地部(アウトソール)
の接地部面の形状が、多角形、円形などの独立したブロ
ック意匠であって、それらが集合して靴底全体のパター
ンを形成し、該ブロック意匠が陥没しにくく、かつ、倒
れにくいような強度を有するように、該接地部(アウト
ソール)と同等以上の硬さを有する中底又はミッドソー
ルを有して二層底として構成されていることを特徴とす
る耐滑靴底。 - 【請求項2】 ブロック意匠パターンは、意匠高さが1
mm以上7mm以下で、意匠勾配が0度〜3度、意匠パ
ターンの最小寸法が2mm〜8mmである請求項1記載
の耐滑靴底。 - 【請求項3】 ブロック意匠パターンのトップには、凹
凸模様がなく、フラット(平面)である請求項1又は請
求項2記載の耐滑靴底。
Priority Applications (1)
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Family Applications (1)
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-
2001
- 2001-11-21 JP JP2001356772A patent/JP3553041B2/ja not_active Expired - Lifetime
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