JP2006288419A - 靴底構造及び該靴底構造を備える履物 - Google Patents

靴底構造及び該靴底構造を備える履物 Download PDF

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Abstract

【課題】 靴底に固形物が付着するのを防止して、靴底と地面とが接触し得る状態を好適に維持することにより、滑りを防止することが可能な靴底構造、及び、そのような靴底構造を備える履物を提供する。
【解決手段】 防滑部材60が配設される防滑領域と、該防滑領域に近接し、靴底面に対して傾斜し且つ傾斜方向が幅方向に沿う傾斜面51を有する弾性突起50が複数配設される傾斜突起領域とがそれぞれ形成される。61は、隙間。
【選択図】 図6

Description

本発明は、靴底構造及び該靴底構造を備える履物に関し、より具体的には、雪や泥等の固形物の付着を防止できる靴底構造及び該靴底構造を備える履物に関するものである。
従来、積雪面や凍結面、若しくは、ぬかるんだ泥砂面などの悪路であっても滑ることのないよう工夫された履物として、靴底からスパイクを突出させた履物が知られている(例えば、特許文献1)。かかる履物は、スパイクが食い込むことによって滑りを防止するものであり、上記のような悪路に対しては有効である。
しかし、かかるスパイクは、整備された通常の路面や屋内の床面などを損なうという問題があり、日常生活で利用するには使い勝手の良いものではない。
このため、近時、スパイクを使用する方法に代わって、靴底に摩擦抵抗の大きい防滑部材を配設するなど素材や形状を工夫することにより、地面との摩擦力を大きくして、滑りを防止する方法が採用されるようになっている。また、靴底には所定の深さを有する溝や窪みなどの隙間が適宜形成されており、水を逃がしたり、防滑部材を摩擦力に応じて変位させることができるようになっている(例えば、特許文献2)。
かかる履物では、靴底と地面とが好適に接触する場合には、これらの靴底構造が充分に機能を発揮し、滑りを防止することができる。
実開昭60−191207号公報 特開2002−85106号公報
しかしながら、上記のような悪路を歩行すると、靴底に形成される前記隙間に、雪や泥などの固形物が入り込んでしまうことが多く、この状態では、隙間に入り込んだ固形物が靴底と地面との接触に影響を及ぼし、摩擦抵抗が低下して滑りを防止する構造が機能しなくなりがちである。なお、これらの隙間に一旦入り込んだ固形物は、靴をはたいたり隙間を清掃するなど、意識的に取り除くよう心掛けなければ容易に除去することができない。
しかも、固形物が前記隙間に詰まった状態でさらに悪路を歩行した場合には、前記隙間に詰まった固形物が誘因となって靴底全体に固形物が付着してしまい、靴底と地面とが接触することができない状態となるため、靴底にグリップ性の良い防滑部材を配置したとしても、滑りを防止することが不可能となる。
なお、前記隙間を画する壁面(即ち、防滑部材の有する側面)は、通常、靴底面に対して垂直となるように形成されるものであるが、隙間を画する壁面を靴底面に対して所定の角度で傾斜させることにより、固形物が自重によって隙間から抜け落ちるような構造を有する靴底もある。この場合、固形物は、壁面の傾斜角度が小さいほど(即ち、壁面が靴底面に対して寝るほど)隙間から抜け落ち易い。しかし、上述のように、隙間は、所定の深さとすることで靴底のグリップ性を良くするものであり、深さを確保しつつ壁面を傾斜させると、靴底の領域に対する隙間の領域が増大して接地する領域が小さくならざるを得ず、結果としてグリップ力を維持することが困難となるため、かかる靴底構造は有効ではない。特に、寒冷地においては、路面の凍結や積雪などで滑り易く、靴底には高いグリップ性が要求されるものである。
そこで、本発明は、靴底に固形物が付着するのを防止して、靴底と地面とが接触し得る状態を好適に維持することにより、滑りを防止することが可能な靴底構造、及び、そのような靴底構造を備える履物を提供することを目的とする。
本発明に係る靴底構造は、防滑部材が配設される防滑領域と、該防滑領域に近接し、靴底面に対して傾斜し且つ傾斜方向が幅方向に沿う傾斜面を有する弾性突起が複数配設される傾斜突起領域とがそれぞれ形成されることを特徴とする。
あるいは、幅方向中間部を通り長手方向に沿う領域、踵に対応する領域、母指球に対応する領域、及び、小指球に対応する領域の少なくとも一つの高荷重領域に対応して防滑部材が配設される防滑領域と、該防滑領域に近接し、靴底面に対して傾斜し且つ傾斜方向が幅方向に沿う傾斜面を有する弾性突起が複数配設される傾斜突起領域とがそれぞれ形成されることを特徴とする。
これらの発明によれば、悪路に対して荷重が加えられると、固形物が弾性突起の傾斜面に圧接して該弾性突起を高さ方向に圧縮しつつ傾斜突起領域に入り込む。そして、荷重が解除されると、傾斜突起領域に入り込んだ固形物に対して、圧縮された弾性突起が復元する方向に付勢する。ここで、歩行者は、靴底を地面に接触させた状態から足を踏み出す際、踵側から爪先側にかけて徐々に靴底が地面から離れるように足を持ち上げる動作を行う。この際、靴底においては、地面から離れる部分が長手方向に沿うように徐々に変位する。これに対し、弾性突起は、傾斜面の傾斜方向が靴底の幅方向に沿って形成されるため、圧縮された状態の弾性突起は、傾斜面の低部側から頂部側にかけて徐々に復元するのではなく、低部側から頂部側に至る全体が同時に復元する。このことにより、復元力が経時的に分散して押し出し力の損失を発生させることなく、復元力を押し出し力として有効に利用することができる。
また、靴底と地面との間に挟まれる固形物は荷重によって圧縮されるため、靴底に付着する固形物は、硬く締まった塊の状態となっている。従って、弾性突起が復元する際には、該弾性突起に付着した部分の固形物が押し出されるだけでなく、その周りの部分までもが追随して一体的に押し出されることとなる。そして、弾性突起が形成される傾斜突起領域は、防滑領域に近接して形成されるため、弾性突起の復元に伴って、防滑領域に付着した固形物が除去されることとなる。
この場合、前記複数の弾性突起は、長手方向に沿って並列に配設される構成を採用することができる。このようにすれば、足を持ち上げる際に靴底が地面から離れる方向に沿って複数の弾性突起が並列するため、弾性突起の復元力が連続的に作用し、付着した固形物を確実に除去することができる。
好ましくは、前記複数の弾性突起は、各頂部の幅方向における位置を違えて配設される。このようにすれば、上述のように硬く締まった塊の状態で付着する固形物に対して幅方向に異なる位置から連続的に復元力が作用し、付着した固形物を効率良く除去することができる。
より好ましくは、前記複数の弾性突起は、前記各傾斜面の傾斜の向きが互い違いとなるように配設される。このようにすれば、並列した弾性突起がそれぞれ対向する方向に固形物を押し出しつつ復元しようとするため、高さ方向及び幅方向の成分を有するそれぞれの押し出し力が相互に作用しあって、幅方向の成分が弱まるとともに高さ方向の成分が強まり、付着した固形物を押し出して確実に除去することができる。
また、前記弾性突起は、頂部から垂下する側面を有する構成を採用することができる。このようにすれば、弾性突起が圧縮される際に、側面側への変形を阻害する部位が存在せず、傾斜面とは反対の側面側へ変形し易くなり、変位を大きくして押し出し力を大きくすることができる。
そして、前記弾性突起は、前記防滑部材よりも高さ寸法が小さい構成を採用することができる。このようにすれば、防滑部材が路面に接触し易くなることで、グリップ力を好適に維持でき、また、弾性突起が路面に接触しないため、靴底が接地する際の感触を良好なものとすることができる。
さらに、前記弾性突起は、長手方向における幅が傾斜面の低部側から頂部側にかけて拡がるように形成される構成を採用することができる。このようにすれば、変位の大きい頂部側ほど幅広となるため、押し出し力を大きくすることができるとともに、押し出し力に対する寄与が小さい低部側ほど幅狭となるため、弾性突起を傾斜突起領域内に効率的に配設することができる。これにより、グリップ力に直接寄与しない領域である傾斜突起領域を小さくとどめて、防滑領域を大きく確保することができる。
また、前記防滑領域は、長手方向に沿って帯状に形成され、前記傾斜突起領域は、防滑領域に沿って該防滑領域の両側に形成される構成を採用することができる。このようにすれば、弾性突起が連続的に機能し、帯状の防滑領域に固形物が付着しない状態とすることができる。また、傾斜突起領域が靴底を長手方向に三分する態様となるため、付着した固形物を幅方向に亘って万遍なく落とすことができる。
そして、上記の靴底構造を備える履物であれば、通常の歩行動作を行うことによってグリップ力を好適に維持することができるため、路面状況の変化を気にすることなく歩行することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、靴底に固形物が付着するのを防止して、靴底と地面とが接触し得る状態を好適に維持することにより、滑りを防止することができる。
以下に、本発明に係る靴底構造及び該靴底構造を備える履物の実施形態について、図面に基づいて説明する。
人間の足裏は、図1に示す踵1、足の親指の付け根に位置する母指球2、足の小指の付け根に位置する小指球3の三つの部位が他の部位に比べて高さ方向に突出しており、安定して起立姿勢を維持する際には、かかる三つの部位1,2,3が直接又は間接に接地することが好ましい。また、かかる三つの部位1,2,3は、足を側方に出して踏ん張るなどの動作を行う際にも体を支えるべく機能する部位である。
一方、人間は、歩行の際、爪先4を上げた状態で踵1を接地させ、踵1側から爪先4側に向けて順次足の裏面を接地させ、爪先4を接地させた状態で踵1を上げる動作を行う。この動作の際、重心は、図1に示すように、足の幅方向中間部を通り、長手方向後方から前方に至る湾曲した軌跡(重心移動線)Lを描く。
具体的には、重心移動線Lは、踵1の後方且つ幅方向外側を始点とし、踵1を通り、踵1から足の長手方向略中間位置に至り、該長手方向略中間位置から内側に傾斜して母指球2と小指球3との間を通って爪先4側へ至り、第二指付近を終点とするものである。
これらのことから、履物は、歩行動作の滑らかさと姿勢の安定性に鑑みて、踵1、母指球2、小指球3に対応する領域が接地可能としつつも、幅方向中間部が高さ方向に幾分張り出した形状に形成されるのが一般的である。また、防滑特性を特に重視する場合にあっては、長手方向に沿って連続的に靴底が接地し得るように、長手方向においても中間部ほど高さ方向に張り出すように形成され、靴底は言わば船底状に形成される。
その結果、靴底は、図2に示すように、幅方向中間部を通り長手方向に沿う中央領域10、踵1に対応する踵領域11、母指球2に対応する母指球領域12、及び、小指球3に対応する小指球領域13が少なくとも接地し得る形状を有し、即ち、これらの領域が、履物を装着した際に靴底から地面に荷重が集中的に作用する高荷重領域となる。また、母指球領域12及び小指球領域13を両端に含んで幅方向に沿う領域と前記中央領域10とが重なる重複領域には、一連の歩行動作において、最も大きな荷重(一般に、体重の約1.2倍の荷重)が作用する。なお、好ましくは、前記中央領域10は、靴底の任意の長手方向位置における幅方向中間点を中心として、該任意の長手方向位置における靴底の幅寸法の約二分の一の幅寸法を有する領域である。より好ましくは、中央領域10は、前記靴底の幅寸法の約三分の二の幅寸法を有する。
本実施形態に係る靴底構造は、これらのことを考慮して構成され、図3に示すように、防滑領域20と、該防滑領域20に近接して形成される傾斜突起領域30と、長手方向の中間部に位置する踏まず領域40とが形成される。
防滑領域20は、摩擦抵抗によってグリップ力を発生させる領域であり、前記高荷重領域に対応して形成されている。具体的には、靴底の幅方向中間部を通り長手方向に沿う第一防滑領域21と、靴底の内側において長手方向に沿う第二防滑領域22と、靴底の外側において長手方向に沿う第三防滑領域23とで構成され、第一防滑領域21は、主に前記中央領域10、踵領域11に対応し、第二防滑領域22は、主に前記母指球領域12に対応し、第三防滑領域23は、主に前記小指球領域13に対応する。また、各防滑領域21,22,23は、前記踏まず領域40によって、それぞれ爪先側の前方部と踵側の後方部とに分割される。
前記第一防滑領域21は、前記重心移動線Lに沿って所定の幅を有して形成される。また、第一防滑領域21は、長手方向に亘って略一定幅に形成される。さらに、第一防滑領域21は、踏まず領域40によって、第一前方防滑領域24及び第一後方防滑領域25に分割される。この場合、第一前方防滑領域24は、前記重複領域の一部を少なくとも含み、さらに母指球領域12及び小指球領域13の一部を含み得る。第一前方防滑領域24は、二段階で屈曲している。また、第一後方防滑領域25は、前記踵領域11の一部を含む。
前記第二防滑領域22は、踏まず領域40によって、第二前方防滑領域26及び第二後方防滑領域27に分割される。この場合、第二前方防滑領域26は、前記母指球領域12の一部を含む。
前記第三防滑領域23は、踏まず領域40によって、第三前方防滑領域28及び第三後方防滑領域29に分割される。この場合、第三前方防滑領域28は、前記小指球領域13の一部を含む。
前記傾斜突起領域30は、弾性突起が配設され、雪や泥等の固形物を除去するのに寄与する領域であり、前記防滑領域20の近傍に長手方向に沿って形成される。なお、傾斜突起領域30を形成する範囲は、履物が地面に対して加える荷重の大きさの分布や、靴底の幅などに基づいて決定される。例えば、一連の歩行動作において最も荷重が作用する前記重複領域の長手方向位置における傾斜突起領域30の幅寸法は、他の長手方向位置における傾斜突起領域30の幅寸法よりも大きく形成される。
具体的には、前記傾斜突起領域30は、靴底の前方且つ内側に形成される第一傾斜突起領域31、前方且つ外側に形成される第二傾斜突起領域32、後方且つ内側に形成される第三傾斜突起領域33、後方且つ外側に形成される第四傾斜突起領域34を備えて構成され、各傾斜突起領域31,32,33,34は、前記各防滑領域21,22,23に挟まれる態様で構成される。このため、各傾斜突起領域31,32,33,34も、前記各防滑領域21,22,23と同様に、重心移動線Lに沿う態様となる。
前記第一傾斜突起領域31は、第一前方防滑領域24及び第二前方防滑領域26の間に形成され、長手方向中程の位置において前記母指球領域12の一部を含む。また、該長手方向中程の位置において屈曲し、前方の部位は、長手方向に略平行であるとともに、後方の部位は、踏まず領域40近傍ほど外側を指向するように傾斜する。さらに、前記前方の部位は、爪先側ほど幅狭に形成される。
前記第二傾斜突起領域32は、第一前方防滑領域24及び第三前方防滑領域28の間に形成され、長手方向中程の位置において前記小指球領域13の一部を含む。また、第二傾斜突起領域32は、二段階で屈曲し、前方の部位は、長手方向に略平行であり、中央の部位は、踏まず領域40近傍ほど外側を指向するように傾斜し、後方の部位は、踏まず領域40近傍ほど内側を指向するように傾斜する。さらに、前記前方の部位は、爪先側ほど幅狭に形成される。また、前記中央の部位は、他の部位に比べて幅広に形成される。
前記第三傾斜突起領域33は、第一後方防滑領域25及び第二後方防滑領域27の間に形成され、長手方向中程の位置において前記踵領域11の一部を含む。また、踵側ほど外側を指向するように傾斜するとともに、踵側ほど幅狭に形成される。
また、前記第四傾斜突起領域34は、第一後方防滑領域25及び第三後方防滑領域29の間に形成され、長手方向中程位置において前記踵領域11の一部を含む。また、踵側ほど外側を指向するように傾斜するとともに、踵側ほど幅狭に形成される。
ところで、前記第一防滑領域21は、隣接して形成される傾斜突起領域30と同等の幅を有し得る。具体的には、第一前方防滑領域24は、少なくとも長手方向の中間域において、第一及び第二傾斜突起領域31,32の幅を足した長さと同等の幅を有し、第一後方防滑領域25は少なくとも長さ方向の中間域において、第三及び第四傾斜突起領域33,34の幅を足した長さと同等の幅を有する。
前記防滑領域20には、図4に示すように、所定の深さを有する溝や窪みなどの隙間61が適宜形成されるように、複数の防滑部材60がそれぞれ独立に防滑領域20の基底部から突出する態様で配設され、隙間61から水を逃がしたり、防滑部材60を摩擦力に応じて変位させることができるようになっている。なお、第一防滑領域21に配設される防滑部材60は、第二及び第三防滑領域22,23に配設される防滑部材60よりも摩擦抵抗が大きいものとされる。
前記傾斜突起領域30には、弾性突起50が複数配設される。弾性突起50は、図5に示すように、傾斜突起領域30の基底部から高さ方向に突出して形成され、靴底面に対して傾斜し且つ傾斜方向が幅方向に沿う傾斜面51と、基底部から立ち上がる側面52,53,54とを有する。また、弾性突起50は、幅方向断面が三角形状であり、頂部55は鋭角に形成される。
傾斜面51は、上面視四角形状を有し、該傾斜面51を画する辺のうち、長手方向の二辺は、傾斜突起領域30と防滑領域20の境界線に沿うように形成される。また、該長手方向の二辺は、頂部側の一方が低部側の他方よりも長く形成される。従って、傾斜面51は、長手方向における幅が傾斜面51の低部側から頂部側にかけて拡がる態様となる。なお、傾斜面51は、平坦に形成される。
前記側面は、長手方向に沿う一つの側面52と、幅方向に沿う一対の側面53,54とで構成される。また、前記長手方向に沿う側面52は、頂部55から垂下する態様で、基底部から略垂直に配置される。そして、弾性突起50が側面52側に変形する際に防滑部材60によって阻害されることがないように、該側面52と防滑部材60の壁面とは、所定の間隔を有して離間している。
なお、傾斜面51の傾斜角度は、圧縮された際の押し出し力の大きさ及び押し出し力が作用する方向を勘案すると、約45°が理想的である。また、硬度は、JIS−C硬度で30〜70を有するものが好ましい。
なお、各弾性突起50の高さ寸法h1は、隣接する防滑部材60の高さ寸法h2よりも小さく構成される。このため、傾斜突起領域30には、防滑部材60の表面で構成される平坦面よりも高さ方向に窪んだ空間が形成される状態となる。
具体的には、弾性突起50は、長手方向に沿って連続的に並列する態様で、傾斜突起領域30の全幅に亘って一つずつ配設される。このため、弾性突起50の傾斜角度は、長手方向位置によって異なり、靴底面に対して約10°〜70°の範囲で傾斜する。
ところで、前記傾斜突起領域30は、上述のように長手方向に沿いつつ湾曲しており、傾斜面51の長手方向の二辺は境界線に沿うことから、弾性突起50の各頂部55は、幅方向に位置がずれた態様となる。また、各弾性突起50は、前記各傾斜面51の傾斜の向きが互い違いとなるように配設される。
次に、上記構成を有する靴底構造の作用について、歩行者が積雪路面を歩行する場合を基に説明する。
まず、第一の段階では、歩行者が、踵から爪先まで順に靴底を積雪路面に接地させる。このとき、靴底は、図6(A)に示すように、路面に積もった雪に押し付けられる状態となっている。即ち、弾性突起50は、傾斜面51を雪に圧接されて高さ方向に圧縮している。また、雪は、傾斜突起領域30に入り込むとともに、防滑部材60同士の間に形成された隙間61にも入り込む。この際、雪は、荷重によって圧縮され、硬く締まった雪の塊の状態となっている。なお、靴底に圧接する雪のうちでも、上述したような高荷重領域に圧接した雪は、それ以外の領域に付着した雪よりも大きな荷重で圧縮され、より硬く締まった雪の塊となっている。
第二の段階では、歩行者が踵側から徐々に足を上げ始める。すると、弾性突起50の圧縮が解除され、弾性突起50は、復元して雪の塊を押し出そうとする。ここで、前記各弾性突起50は、長手方向に沿って並列に配設されているため、隣り合う弾性突起50,50同士は、ほぼ同時に復元することとなる。また、各弾性突起50は、各傾斜面51の傾斜の向きが互い違いとなるようになっているため、隣り合う弾性突起50,50に亘って付着した雪の塊は、幅方向及び長手方向に位置がずれた各弾性突起50の傾斜面51から押し出し力を受ける。従って、図6(B)に示すように、各弾性突起50から雪の塊に対して作用する押し出し力は、幅方向の成分が弱められるとともに高さ方向の成分が強められ、各弾性突起50は、高さ方向に雪の塊を押し出す。
なお、検証により、弾性突起50は、その両側にある雪を該弾性突起50の幅のそれぞれ少なくとも約1倍〜1.5倍の幅に亘って除去できることが判明している。一方、上述のように、第一及び第二傾斜突起領域31,32は、第一前方防滑領域24を挟む態様で配置され且つ第一及び第二傾斜突起領域31,32の幅を足した長さと同等の幅を有し、第三及び第四傾斜突起領域33,34は、第一後方防滑領域25を挟む態様で配置され且つ第三及び第四傾斜突起領域33,34の幅を足した長さと同等の幅を有する。従って、第一前方防滑領域24に付着した雪は、第一及び第二傾斜突起領域31,32によって除去され、第一後方防滑領域25に付着した雪は、第三及び第四傾斜突起領域33,34によって除去される。
また、前記母指球領域12の一部を含む第二前方防滑領域26に付着した雪は、第一傾斜突起領域31によって除去され、小指球領域13の一部を含む第三前方防滑領域28に付着した雪は、第二傾斜突起領域32によって除去される。
上記構成からなる靴底構造によれば、足が地面から離れる際に靴底に付着した雪や泥等の固形物が除去されるため、歩行動作を行うことによって靴底に固形物が常時付着した状態となるのを防止でき、靴底と地面とが接触し得る状態を好適に維持できる。従って、例えば、歩行者が積雪路面から凍結路面に足を踏み入れた際には、防滑部材が凍結路面に対して有効にグリップ力を作用させ、滑りを防止できる。
なお、本発明に係る靴底構造及び該靴底を有する履物は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、弾性突起50は、頂部から垂下する側面52を有するものとして説明したが、頂部55から幅方向に沿って前記傾斜面51とは別に、第二の傾斜面を有するものであってもよい。また、前記傾斜面51は、平坦面であったが、湾曲面であってもよく、この場合、湾曲面は、前記基底部側に窪む形状であってもよく、前記基底部から離間する方向に張り出す形状であってもよい。さらに、弾性突起50の頂部55は、長手方向に寸法を有するものであったが、幅方向にも寸法を有し、即ち、断面が台形などの四角形状を有するものであってもよい。
また、弾性突起50は、長手方向に沿って連続的に並列して配設されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、一個ずつ分散して断続的に、若しくは、複数個からなる群が分散して断続的に配設されるものであってもよい。
さらに、弾性突起50は、傾斜突起領域30の幅方向に亘って一つ設けられるものとして説明したが、幅方向に沿って複数並列に設けられるものであってもよい。この場合、幅方向に沿って並列に形成された弾性突起は、それぞれ傾斜面を対向させた状態で配設されることが好ましい。さらに、弾性突起は傾斜の向きが異なる二つの傾斜面を有し、該傾斜面同士が対向状に形成される断面M字形状のものであってもよい。
また、上記実施形態においては、幅方向中間部を通り長手方向に沿う中央領域10を主要な高荷重領域として防滑領域20を形成したが、これに限定されるものではなく、図2に示す踵領域11、母指球領域12、小指球領域13を主要な高荷重領域として防滑領域を形成し、その近傍に弾性突起が配設されて傾斜突起領域が形成されるものであってもよい。具体的には、踵領域11、母指球領域12、小指球領域13のそれぞれの中心部に傾斜突起領域が形成され、その周囲に防滑領域が形成されるものや、逆に、前記それぞれの中心部に防滑領域が形成され、その周囲に傾斜突起領域が形成されるものが考えられる。
人間の左足を裏面から見た平面図を示す。 靴底(左足用)から地面に対して荷重が集中的に作用する高荷重領域を表す平面図を示す。 本発明の実施形態に係る靴底構造(左足用)における、防滑領域、傾斜突起領域、踏まず領域の領域分けを表す概略平面図を示す。 同実施形態に係る靴底構造(左足用)を表す平面図を示す。 同実施形態に係る靴底構造における傾斜突起領域付近の概略斜視図を示す。 同実施形態に係る靴底構造の作用を説明する概略図であって、図5のI−I線方向の断面図を示し、(A)は、靴底が積雪路面に接地して、弾性突起が圧縮される状態を示し、(B)は、靴底が積雪路面から離れ、弾性突起が復元して雪の塊を押し出す状態を示す。
符号の説明
1…踵、2…母指球、3…小指球、4…爪先、10…中央領域、11…踵領域、12…母指球領域、13…小指球領域、20…防滑領域、21…第一防滑領域、22…第二防滑領域、23…第三防滑領域、24…第一前方防滑領域、25…第一後方防滑領域、26…第二前方防滑領域、27…第二後方防滑領域、28…第三前方防滑領域、29…第三後方防滑領域、30…傾斜突起領域、31…第一傾斜突起領域、32…第二傾斜突起領域、33…第三傾斜突起領域、34…第四傾斜突起領域、50…弾性突起、51…傾斜面、52…面、55…頂部、60…防滑部材、61…隙間、h1…高さ寸法、h2…高さ寸法、L…重心移動線

Claims (10)

  1. 防滑部材が配設される防滑領域と、
    該防滑領域に近接し、靴底面に対して傾斜し且つ傾斜方向が幅方向に沿う傾斜面を有する弾性突起が複数配設される傾斜突起領域とがそれぞれ形成されることを特徴とする靴底構造。
  2. 幅方向中間部を通り長手方向に沿う領域、踵に対応する領域、母指球に対応する領域、及び、小指球に対応する領域の少なくとも一つの高荷重領域に対応して防滑部材が配設される防滑領域と、
    該防滑領域に近接し、靴底面に対して傾斜し且つ傾斜方向が幅方向に沿う傾斜面を有する弾性突起が複数配設される傾斜突起領域とがそれぞれ形成されることを特徴とする靴底構造。
  3. 前記複数の弾性突起は、長手方向に沿って並列に配設されることを特徴とする請求項1又は2に記載の靴底構造。
  4. 前記複数の弾性突起は、各頂部の幅方向における位置を違えて配設されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の靴底構造。
  5. 前記複数の弾性突起は、前記各傾斜面の傾斜の向きが互い違いとなるように配設されることを特徴とする請求項4に記載の靴底構造。
  6. 前記弾性突起は、頂部から垂下する側面を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の靴底構造。
  7. 前記弾性突起は、前記防滑部材よりも高さ寸法が小さく構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の靴底構造。
  8. 前記弾性突起は、長手方向における幅が傾斜面の低部側から頂部側にかけて拡がるように形成されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の靴底構造。
  9. 前記防滑領域は、長手方向に沿って帯状に形成され、前記傾斜突起領域は、防滑領域に沿って該防滑領域の両側に形成されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の靴底構造。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の靴底構造を備えることを特徴とする履物。
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