JP2000116403A - 靴底の防滑構造 - Google Patents
靴底の防滑構造Info
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- JP2000116403A JP2000116403A JP10309484A JP30948498A JP2000116403A JP 2000116403 A JP2000116403 A JP 2000116403A JP 10309484 A JP10309484 A JP 10309484A JP 30948498 A JP30948498 A JP 30948498A JP 2000116403 A JP2000116403 A JP 2000116403A
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Abstract
的としたスポーツシューズのアウトソール構造に関する
ものであり、防滑突起又は防滑突条の断面形状をその基
部から先端部に向かって先広がり状に形成することによ
り、突起等の先端面の路面との拘束の解除を遅らせて防
滑性を高めることを目的とする。 【解決手段】 本発明に係わる靴底の防滑構造は、靴底
の接地面側に設けられた防滑構造の断面形状における該
防滑構造の基部の幅をh1 とし、先端部の幅をh0 とし
た場合にテーパーrが、 r=h0 /h1 >1 となるように基部から先端部に向かって先広がり状(逆
テーパー状)に形成されたことを特徴とする靴底の防滑
構造である。
Description
させることを目的としたスポーツシューズのアウトソー
ル構造に関するものであり、防滑突起又は防滑突条の断
面形状をその基部から先端部に向かって先広がり状に形
成することにより、突起等の先端面の路面との拘束の解
除を遅らせて防滑性を高める技術に関する。
歩きやすくするために様々な突起や、突条あるいは溝と
いった防滑構造が設けられてきた。例えば、実開平5−
285005号には、薄板状の柔軟性ゴム基盤の片表面
に柔軟性を有するイボ状の柱状突起体をはぼ片側前面一
様に密植状態で多数体一体突出形成し、全体形状を履物
底に止着し得る形状に形成した履物底止着用滑り止め板
が開示されている。
部材のソール面のほぼ全面に、逆四角錘台を成す多数の
同一形状の突起を練設し、それぞれの突起の周囲に隣接
形成される断面台形状の辺方向の溝を靴本体の長手方向
及び幅方向に対し斜めに交差させて一連に連続して配列
したことを特徴とする運動靴が開示されている。
ザグに蛇行し高低を繰り返す複数の突条をあたかも網目
状を呈するように形成し、隣り合う突条の山部と谷部が
並びあうように形成した履物底が開示されている。
構造は、例えば、突起構造または突条構造の場合には、
その断面形状において両側壁面ががいずれも靴底底面か
ら突条の先端部に向かって平行に形成されているか、ま
たは先細り状に形成されているものであった。
底面に倒杯形隆起部を形成し、歩行時には倒杯形隆起部
が恰も吸盤のように作用してスリップを防止することが
できる、との技術が開示されている。
部も、実際問題として完全に平滑な床面でもない限り吸
盤のように作用することはなく、効果的な防滑性は期待
できない。仮に倒杯形隆起部が吸盤のごとく作用して、
床面に吸着したとしても、逆に離地時に吸着作用が抵抗
となり却って歩き辛いといった問題を呈する。
用いられていた靴底構造においては、以下の問題があっ
た。すなわち、特開平5−285005号に示された防
滑構造は、柔軟なゴム素材よりなる円柱状の突起体であ
り、突起体の先端部にせん断力が作用した場合、路面と
先端部との界面に回転変形が生じ、この回転変形がきっ
かけとなってスリップを起こしてしまうことがある。
る防滑構造においても、突条体にせん断力が作用した場
合、該突条体は容易に変形してしまい、先端部における
摩擦力を失ってスリップしてしまうといった問題があっ
た。
た倒杯形隆起部においては、実際問題として完全に平滑
な床面でもない限り吸盤のように作用することはなく、
効果的な防滑性は期待できない。仮に倒杯形隆起部が吸
盤のごとく作用して、床面に吸着したとしても、逆に離
地時に吸着作用が抵抗となり却って歩きづらいといった
問題を呈する。
底の防滑構造は、防滑突起のテーパーr、すなわち、靴
底底面に設けられる突条や突起等防滑構造の断面形状に
おける基部の幅をh1とし、先端部の幅をh0 とした場
合のh1 に対するh0 の比(r=h0 /h1 )の値を変
化させた際、防滑リブ先端部に作用する最大せん断応力
と最大曲げ応力の変化から、グリップ性への影響を検討
し、高い防滑性能を有する断面形状を規定したものであ
る。
は、靴底の接地面側に設けられた防滑構造の断面形状に
おける該防滑構造の基部の幅をh1 とし、先端部の幅を
h0とした場合にテーパーrが、 r=h0 /h1 >1 となるように基部から先端部に向かって先広がり状に形
成されたことを特徴とする靴底の防滑構造である。
に設けられた連続のあるいは不連続の突条(リブ構造)
である場合には、該突条と略直行方向の断面形状におけ
る該防滑構造の基部の幅をh1 とし、先端部の幅をh0
とした場合にテーパーrが、 r=h0 /h1 >1 となるように基部から先端部に向かって先広がり状に形
成されたことを特徴とする靴底の防滑構造である。
である場合において、該突起の断面形状における該防滑
構造の基部の幅をh1 とし、先端部の幅をh0 とした場
合にテーパーrが、 r=h0 /h1 >1 となるように基部から先端部に向かって先広がり状に形
成されたことを特徴とする靴底の防滑構造である。
起によって形成されている場合において、該防滑突起の
先端面形状が円形、楕円形若しくは三角形、四角形ある
いはその他の多角形状のいずれか一からなり又は、これ
らを組み合わせて形成することも可能である。
造の断面形状における該防滑構造の基部の幅をh1 と
し、先端部の幅をh0 とした場合にテーパーrが、r=
h0 /h1 >1となる領域、r=1となる領域及びr<
1となる領域とが組み合わされて形成することも可能で
ある。
状または曲面状に形成されるが、平面状に形成された部
分と曲面状に形成された部分とが組み合わされて形成す
ることも可能である。
防滑構造の断面形状のテーパーrを r=h0 /h1 >1 となるように基部から先端部に向かって先広がり状に形
成することにより、以下のように作用する。たとえば、
本発明に係る防滑構造を突起に応用した場合について説
明する。
静定はりモデルとして考える。防滑突起の先端部には、
せん断力F0 が作用していると仮定する。このせん断力
F0 により、防滑突起先端部はせん断方向にδyの変形
が生じる。ここで、F0 とδyの比は防滑突起のせん断
方向の柔軟性を表すが、以下、このF0 とδyの比を一
定としてテーパーrの防滑効果に与える影響を考える。
率をE、突起の厚みをb、防滑突起の基部の巾をh1 、
先端部の巾をh0 、突起の高さをLとすると、防滑突起
の先端からの距離xにおける突起の巾h( x) は、Δh
=h1 −h0 =(1−r)h1 とおいて、
ーメントI( x) は、
すなわち、突起の幅が一定の場合の突起の巾をh0 =h
1 =h1 *とすると、突起の先端部が滑っていない状態で
のh1 *とδyとの関係は、
合、先端部に作用する曲げモーメントM0 *は、
との関係は、
ときに、突起先端部が滑らないために必要とされる基部
の巾を得るための無次元の係数である。また、θはテー
パーrのみの関数であって、
る曲げモーメントM0 とM0 *との関係は、
ときの突起先端部に作用する曲げモーメントM0 を得る
ための無次元の係数である。また、λはテーパーrのみ
の関数であって、
ん断応力τMAX と最大曲げ応力σMAX はそれぞれ、
MAX はそれぞれ、
を示すと、まず、最大せん断応力τMAX が突起と路面と
の間で取り得る値を超えてしまい、突起先端で発生し得
るせん断力がF0 を下回ってしまった場合、突起先端部
と路面とのせん断方向の拘束が解かれる結果、滑りが発
生する。また、突起先端部の引っ張り方向の最大曲げ応
力σMAX が、突起先端部で耐えうる値を超えてしまった
時、突起先端部は回転変形を起こしてしまい、突起先端
部と路面との垂直方向の拘束が解かれる結果、滑りが誘
発される。従って、最大せん断応力の逆数1/τMAX お
よび最大曲げ応力の逆数1/σMAX の大きさが、防滑性
の高さを表す指標となる。
MAX と最大曲げ応力σMAX をそれぞれτMAX *とσMAX *と
すると、
るr≠1の場合の相対的な防滑性能は、せん断応力、曲
げ応力それぞれで評価すれば、
る。
対する相対値と先端部曲げモーメントMとの関係を図7
に示す。また、防滑突起のテーパーrのr=1に対する
相対値と、防滑突起の先端部の最大せん断応力の逆数1
/τMAX 及び最大曲げ応力の逆数1/σMAX との関係を
図8に示す。
テーパーを逆テーパー(r>1) とすることにより、突
起先端の最大せん断応力及び最大曲げ応力はともに低減
し、該防滑突起のグリップ性は向上することが分かる。
下に説明する。本発明に係わる靴底の防滑構造は、従来
から用いられてきたポリウレタン、発泡ラバー、ソリッ
ドラバー等の靴底用素材を用いることができる。これら
素材を用いて靴底を形成する際、硬度はASKER A
硬度で55〜65度程度が適当である。
射出成型法や、注形成型法により形成される。本発明に
係わる防滑突起や突条は、逆テーパー状に形成されてい
るため、金型構造のキャビティー部分がいわゆるアンダ
ーカット状になるが、素材自身が十分な柔軟性を有して
おり、冷却条件等を調整することにより所定の初期硬度
を確保できれば、いわゆる無理抜きで脱型することがで
きる。
造は、図1に示すように靴底2の接地面側3に設けられ
た防滑構造1の断面形状における該防滑構造の基部4の
幅をh1 とし、先端部5の幅をh0 とした場合にテーパ
ーrが、 r=h0 /h1 >1 となるように基部4から先端部5に向かって先広がり状
に形成されたことを特徴とする靴底の防滑構造である。
この際、テーパーrの上限は特に限定されるものではな
いが、実用的な範囲で、たとえば、3>r>1程度が適
当である。
2に示すように連続のあるいは不連続の突条(リブ構
造)6や、突起7で形成される。これらの場合、該突条
6と略直行方向の断面形状、あるいは該突起の断面形状
における該防滑構造の基部4の幅をh1 とし、先端部5
の幅をh0 とするとテーパーrが、 r=h0 /h1 >1 となるように基部4から先端部5に向かって先広がり状
に形成される。この際、前記突条6または突起7の高さ
は特に限定されるものではないが、実用的な範囲で、1
〜3mm程度が好適である。
前記防滑構造が突起によって形成されている場合におい
て、該防滑突起の先端面形状が( イ)円形、(ロ)楕円
形若しくは(ハ)四角形、(ニ)三角形あるいはその他
の多角形状のいずれか一からなり又は、これらを組み合
わせて形成することも可能である。この際、多角形状の
エッジの向きを摩擦応力の係る方向と直交させることに
より、防滑性能を向上させることができる。
造の断面形状における該防滑構造の基部の幅をh1 と
し、先端部の幅をh0 とした場合にテーパーrが、r=
h0 /h1 >1となる領域、r=1となる領域及びr<
1となる領域とが組み合わされて形成することも可能で
ある。図5に示すように、靴底接地面をいくつかの領域
に分け、前記防滑構造のテーパーrを各領域の機能にあ
わせて変化させる。たとえば、図5の領域Aは踏みつけ
部及び踵中心部に該当するが、この領域は最もグリップ
性が要求されるため、防滑構造のテーパーrA をrA >
1とする。一方、図5の領域Bは靴底接地面の周縁部に
該当し、この領域はグリップ性が高すぎるといわゆる
「突っかかり(引っかかり)」が生じ、つまずいたり足
首部に傷害を生じたりするおそれがあるため、防滑構造
のテーパーrB をrB <1とし、適度にグリップ性を低
減してやることができる。更に、図5の領域Cは上記領
域Aと領域Bの中間的な防滑性が要求されるため、防滑
構造のテーパーrC をrC =1あるいは、rA >rC >
rB の範囲で適宜調整することができる。
防滑構造1の側壁面8は、曲面状に形成されることも可
能であるが、平面状に形成された部分と曲面状に形成さ
れた部分とが組み合わされて形成することも可能であ
る。この場合、図4の(イ)に示すように、側壁面が凹
曲面状に形成されることにより、防滑構造の基部に作用
する応力集中を低減することができ、その結果、防滑突
起のちぎれが軽減される。一方、図4の(ロ)に示すよ
うに、側壁面が凸曲面状に形成されることにより、突起
先端部の変形抑制効果が高まり、防滑性を更に向上させ
ることができる。
から用いられているラバー素材、ポリウレタン素材、E
VA(エチレン酢酸ビニル共重合体)素材等、柔軟で耐
摩耗性に優れた素材が用いられる。
と同質の素材を用いて防滑性を格段に向上させることが
できる。また、本発明に係わる防滑構造は、突条や突起
の形状を領域ごとに変化させることにより、グリップ性
をコントロールすることができるため、均一素材を用い
ながら機能的な靴底を提供することができる。
例である。
例である。
のその他の実施例である。
たは凸曲面状に設けた実施例である。
した場合の概略図である。
と防滑構造の先端部曲げモーメントM 0 との関係を
表したグラフである。
と防滑構造の先端部の最大せん断応力の逆数1/τMAX
及び最大曲げ応力の逆数1/σMAX との関係を示したグ
ラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】 靴底の接地面側に設けられた防滑構造の
断面形状における該防滑構造の基部の幅をh1 し、先端
部の幅をh0 とした場合にテーパーrが、 r=h0 /h1 >1 となるように基部から先端部に向かって先広がり状に形
成されたことを特徴とする靴底の防滑構造。 - 【請求項2】 靴底の接地面側に設けられた防滑構造が
連続のあるいは不連続の突条であって、該突条と略直行
方向の断面形状における該防滑構造の基部の幅をh1 と
し、先端部の幅をh0 とした場合にテーパーrが、 r=h0 /h1 >1 となるように基部から先端部に向かって先広がり状に形
成されたことを特徴とする靴底の防滑構造。 - 【請求項3】 靴底の接地面側に設けられた防滑構造が
突起であって、該突起の断面形状における該防滑構造の
基部の幅をh1 とし、先端部の幅をh0 とした場合にテ
ーパーrが、 r=h0 /h1 >1 となるように基部から先端部に向かって先広がり状に形
成されたことを特徴とする靴底の防滑構造。 - 【請求項4】 前記防滑構造が突起によって形成されて
いる場合において、該防滑突起の先端面形状が円形、楕
円形若しくは多角形状のいずれか一からなり又は、これ
らを組み合わせてなることを特徴とする請求項3記載の
靴底の防滑構造。 - 【請求項5】 靴底の接地面側に設けられた防滑構造の
断面形状における該防滑構造の基部の幅をh1 とし、先
端部の幅をh0 とした場合にテーパーrが、r=h0 /
h1 >1となる領域、r=1となる領域及びr<1とな
る領域とが組み合わされてなる事を特徴とする靴底の防
滑突起。 - 【請求項6】 前記防滑構造の側壁面が平面状に形成さ
れたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記
載された靴底の防滑構造。 - 【請求項7】 前記防滑構造の側壁面が曲面状に形成さ
れたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記
載された靴底の防滑構造。 - 【請求項8】 前記防滑構造の側壁面が平面状に形成さ
れた部分と曲面状に形成された部分とが組み合わされて
なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記
載された靴底の防滑構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30948498A JP3924385B2 (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | 靴底の防滑構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30948498A JP3924385B2 (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | 靴底の防滑構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000116403A true JP2000116403A (ja) | 2000-04-25 |
JP3924385B2 JP3924385B2 (ja) | 2007-06-06 |
Family
ID=17993552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30948498A Expired - Fee Related JP3924385B2 (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | 靴底の防滑構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3924385B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006006680A (ja) * | 2004-06-28 | 2006-01-12 | Achilles Corp | 靴底の製造方法及び成形型 |
CN100415134C (zh) * | 2003-08-29 | 2008-09-03 | 住胶体育用品株式会社 | 网球鞋 |
EP2862464A1 (en) | 2004-07-01 | 2015-04-22 | Nisshin Rubber Co., Ltd. | Slip-resistant shoe sole |
-
1998
- 1998-10-14 JP JP30948498A patent/JP3924385B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100415134C (zh) * | 2003-08-29 | 2008-09-03 | 住胶体育用品株式会社 | 网球鞋 |
JP2006006680A (ja) * | 2004-06-28 | 2006-01-12 | Achilles Corp | 靴底の製造方法及び成形型 |
JP4588372B2 (ja) * | 2004-06-28 | 2010-12-01 | アキレス株式会社 | 靴底の製造方法 |
EP2862464A1 (en) | 2004-07-01 | 2015-04-22 | Nisshin Rubber Co., Ltd. | Slip-resistant shoe sole |
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---|---|
JP3924385B2 (ja) | 2007-06-06 |
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