JP2013049389A - 車両の制駆動力制御装置及び制駆動力制御方法 - Google Patents

車両の制駆動力制御装置及び制駆動力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】段差を通過して間もない位置に車両を停止する必要があっても、急な速度変化が発生することを抑制可能とすることを目的とする。
【解決手段】車両の制動力及び駆動力を制御して、取得した目標位置に車両を誘導または駐車する車両の制駆動力制御する際に、段差を通過する際に生じる目標位置に対する車両の相対速度の変動に応じて駆動力指令値を増大する。但し、上記段差を乗り越えるために、当該段差に接触した車輪の上方への変位である車輪の浮き上がりと判定すると、上記付加駆動力分の指令値が小さくなるように、上記駆動力指令値の上昇を抑制する。そして、駆動力指令値の抑制中に制動指令を制動装置に出力する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両の制動力及び駆動力を制御して、取得した目標位置に車両を誘導または駐車する車両の制駆動力制御の技術に関する。
車両を駐車させる際などの場面にあっては、極低速の車速で、車両を目標位置まで前進または後退させる必要性が生じる場合がある。このような場面では、段差によって車両が停止しないように、駆動トルクを増大して段差を通過する必要がある。しかし、駆動トルクを過大に発生して段差を通過しようとすると、段差通過後に急な加速を伴うことがある。
そのような課題に対し、特許文献1には、段差通過後に車両の加速度が所定値以上になった場合には、駆動トルクを減少させることが開示されている。そして、特許文献1には、これによって、急な加速を防止することができると記載されている。
特開2007−230343号公報
しかし、特許文献1では、車両の加速度が所定値以下にならないと駆動トルクを減少しない。このため、特許文献1では、段差を通過して間もない位置に車両を停止しようとした場合には、急な制動が必要となる。このような場合、急な減速度が車両に発生し、乗員への負荷が高くなってしまうという課題がある。逆に、段差を通過して間もない位置に車両を停止させることに対応するために、上記駆動トルクを減少させる閾値となる上記所定値を下げると、下げるほど加速度を計測するセンサの分解能に高い精度が要求されることになる。
本発明は、上記のような点に着目したもので、段差を通過して間もない位置に車両を停止する必要があっても、急な速度変化が発生することを抑制可能とすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、車両の制動力及び駆動力を制御して、取得した目標位置に車両を誘導または駐車する車両の制駆動力制御する際に、段差を通過する際に生じる目標位置に対する車両の相対速度の変動に応じて駆動力指令値を増大する。このとき、上記段差を乗り越えるために、当該段差に接触した車輪の上方への変位である車輪の浮き上がりと判定すると、上記段差を通過する際に増大する駆動力指令値の上昇を抑制しながら制動する。
本発明によれば、段差を通過する際に駆動力指令値を増大させる。これによって、段差によって一時的に必要とする駆動力が高くなっても目標位置に向けた移動が可能となる。このとき、段差を通過するために駆動力指令値が増大することになるが、本発明によれば、車輪の浮き上がりと判定すると上記段差によって増大する駆動力指令値の上昇を抑制することで、段差を通過する動作中の急激な加速度の変化を低減することが可能となる。
この結果、段差を通過して間もない位置に車両を停止する必要があっても、急な速度変化が発生することを抑制可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る車両全体の構成図である。 駐車支援コントローラの構成を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る処理のフローチャートを示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る制駆動力演算部の構成を説明する図である。 第1駆動トルク演算部の構成を説明する図である。 第2駆動トルク演算部の構成を説明する図である。 車輪が段差に接触してから段差を乗り上げるまでの間の各瞬間を示す図であり、(a)は、車輪が段差に接触した瞬間を、(b)は車輪が段差に接触して地面から浮き上がった瞬間を、(c)は車輪が段差の上に乗り上がった瞬間をそれぞれ示す図である。 制動トルク演算部を説明する図である。 停止距離xBGとゲインKとの関係の一例を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態における駆動トルク指令Aの時系列動作を表した図である。 本発明に基づく第1実施形態での動作を模式的に表した図である。 本発明に基づく第2実施形態での動作(段差通過後、図11に比べ近くに停止する場合)を模式的に表した図である。 本発明に基づく第2実施形態を適用した場合の応答を示す図である。
「第1実施形態」
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態は、本発明の制駆動力制御装置を駐車支援装置に適用した例である。
(構成)
図1は、本実施形態の駐車支援装置を搭載した車両の全体構成を示す図である。
車両1は、制動力を発生する制動装置、及び駆動力(駆動トルク)を発生する駆動装置を備える。制動装置は、図1に示すように、車輪に設けられるブレーキ装置14a〜14dと、その各ブレーキ装置14a〜14dに接続する配管を含む流体圧回路15と、ブレーキアクチュエータ12とを備える。ブレーキアクチュエータ12は、上記流体圧回路15を介して各ブレーキ装置14a〜14dで発生する制動力を、制動力指令値に応じた値に制御する。ブレーキ装置は、流体圧で制動力を付与する装置に限定されず、電動ブレーキ装置等であっても良い。
駆動装置は、図1に示すように、駆動源としてのエンジン16と、エンジン16で発生するトルク(駆動力)を制御するエンジンコントローラ13とを備える。駆動装置の駆動源は、エンジン16に限定されず、電動モータであっても良いし、エンジンとモータを組合せたハイブリッド構成であっても良い。
上記ブレーキアクチュエータ12とエンジンコントローラ13は、それぞれ上位コントローラである駐車支援コントローラ10からの制動指令、駆動指令の各指令値を受け付ける構成とする。
また、車輪には、車輪速を検出する車輪速検出センサ17が設置されている。本実施形態では、車輪速検出センサ17として、ロータリエンコーダなどのパルス発生部17aおよび17bを例示している。車輪速検出センサ17は、検出信号を駐車支援コントローラ10に出力する。車輪速検出センサ17の検出信号は、車両1の移動距離y(t)および目標位置に対する車両の相対速度(目標位置が定位置の場合には車速)を算出するために使用される。上記車輪速検出センサ17は、予め設定された単位角度だけ車輪が回転する度に、パルスを発生する。従って、このパルスをカウントすることで、車両の移動量や車輪の回転角を取得することが可能となる。
また、支援スイッチ11が、車室内における運転席近傍に設けられている。例えば支援スイッチ11は、ステアリングホイールに設定する。そして、支援スイッチ11の操作情報は上記駐車支援コントローラ10に伝達される。
駐車支援コントローラ10は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路を備えるコントローラである。この駐車支援コントローラ10は、機能的には、図2に示すように、制御開始判定部10A、移動距離検出部10B、目標位置取得部10C、制御終了判定部10D、制駆動指令値演算部10Eを備える。
制御開始判定部10Aは、支援スイッチ11からの信号に基づき、操作スイッチがONになったと判定すると、制御中でなければ、制御フラグを初期化すると共に、移動距離y(t)や距離閾値などを初期化して、制御開始を示す制御中フラグをONに設定する。
移動距離検出部10Bは、車輪速検出センサ17からの信号(パルスカウント)に基づき、制御中フラグがONになってからの車両1の移動距離y(t)を演算する。また、移動距離検出部10Bは、車輪速検出センサ17からの信号(パルスカウント)に基づき、予め設定した制御時間毎の車輪の回転角θwを求める。移動距離y(t)は、車輪速検出センサ17からの信号と車輪の半径とから演算することが出来る。例えば予め設定した時間間隔におけるパルス数に車輪の半径を掛け合わせて、移動距離y(t)を求めることが出来る。
目標位置取得部10Cは、車両1を誘導して停止する目標位置の情報を取得する。本実施形態の目標位置の情報は、支援スイッチ11がONになったときの車両位置からの前進若しくは後退する目標距離yである。車両の進行方向が前進方向か後退方向かの判定は、例えば支援スイッチ11がONになったときの変速機のシフト位置で判定すればよい。本実施形態の目標位置取得部10Cは、予め設定されている設定値(例えば50cm)を目標距離yとして記憶部から取得する。
ここで、運転者が目標位置(移動する距離や位置)を設定する構成であっても良い。例えば運転者が移動距離y(t)を入力したり、ナビゲーション装置の表示部に表示されている地図に対して目標位置を指示したりすることで目標位置を設定する。この場合には、目標位置取得部10Cは、その設定された目標位置を座標で特定することで目標位置の情報を取得することとなる。また、車両1に超音波センサなどの外界認識センサを設けて、外界認識センサで検出された車両1の前方や後方などの進行方向に位置する障害物と車両1との距離を計測し、その計測した距離(車両に対する位置情報も含む)を車両1の目標位置の情報として取得する構成を採用しても良い。
制駆動指令値演算部10Eは、目標位置取得部10Cが検出した目標位置の情報(目標距離y)と移動距離検出部10Bが検出した移動距離y(t)とに基づき駆動力指令及び制動力指令を算出し、算出した駆動力指令及び制動力指令をそれぞれエンジンコントローラ13及びブレーキアクチュエータ12に出力する。制駆動指令値演算部10Eの構成については後述する。
次に、上記駐車支援コントローラ10の処理を、図3を参照して説明する。
上記駐車支援コントローラ10は、まずステップS31では、制御開始判定部10Aが、支援スイッチ11の操作状態を読み取る。支援スイッチ11が操作されてONになったと判定すると、ステップS32に進む。一方、支援スイッチ11がOFFのままの場合には、予め設定したサンプリング周期で上記ステップS31の処理を繰り返す。
ステップS32では、制御開始判定部10Aが、制駆動制御が既に実行中であるかどうかを判定する。制駆動制御が非実行中の場合は、ステップS33に移行する。一方、既に制駆動制御が実行中の場合、すなわち、支援スイッチ11が押されたが、車両が目標位置まで到達しておらず、制駆動制御が継続中の場合には、支援スイッチ11のスイッチ操作を無視してステップS34に移行して、実行中の制駆動制御を継続させるものとする。
ステップS33では、制御開始判定部10Aが、制御を開始するために、制御中を表す制御フラグをセットし、かつ移動距離y(t)をリセットする。また、目標位置取得部10Cが目標位置の情報を取得する。その後、ステップS34に移行する。
ステップS34では、制駆動指令値演算部10Eは、目標位置取得部10Cが取得した目標位置と移動距離検出部10Bが検出した移動距離y(t)とに基づき駆動力指令及び制動力指令の指令値を算出し、算出した駆動力指令及び制動力指令の指令値をそれぞれエンジンコントローラ13及びブレーキアクチュエータ12に出力する。これによって、制駆動制御を行う。
また、ステップS35では、制御終了判定部10Dが、車両1の位置が目標位置まで達したか否かを判定する。目標位置まで達していない場合にはステップS34に移行して、制駆動制御を継続する。一方、車両1の位置が目標位置まで達した場合には、ステップS36に移行する。ステップS36では、制御中を表すフラグをクリアし、一連の駆動制御の動作を終了する。
次に、上記制駆動指令値演算部10Eについて、図4を参照して説明する。
上記制駆動指令値演算部10Eは、目標位置偏差検出部40、第1駆動トルク制御部121、第2駆動トルク制御部131、段差判定部111、車輪浮き上がり判定部51、段差形状推定部61、段差通過判定部71、停止位置導出部81、目標制動挙動導出部91、制動トルク制御部101を備える。
第2駆動トルク制御部131は、第1駆動トルク制御部121、車輪浮き上がり判定部51、段差判定部111、段差形状推定部61からの信号により、スロットル開度θ(t)を求める。第2駆動トルク制御部131は、エンジンコントローラ13へ指令を送る。
制動トルク制御部101は、目標制動挙動導出部91、停止位置導出部81、段差通過判定部71、段差形状推定部61、車輪浮き上がり判定部51、段差判定部111からの信号により、ブレーキアクチュエータ指令B(t)を求める。制動トルク制御部101は、ブレーキアクチュエータ12へ指令を送る。
まず上記制駆動指令値演算部10Eにおける駆動系の処理に係る部分を説明する。
段差判定部111は、駆動トルクを発生しているにも関わらず、車輪が回転しないことを検知すると段差がある(車輪が段差に接触した)と判定して、段差判定フラグを「1」とする、ここで、車輪が段差に接触すると、車輪の回転角変化が一時的にゼロ若しくは略ゼロとなる。
第1駆動トルク制御部121は、目標位置に向けて車両を誘導するための基本駆動力分の指令値、及び段差通過の際に生じる目標位置に対する車両の相対速度の変動に応じた付加駆動力分の指令値を演算して、目標とする駆動力指令値を求める。
第1駆動トルク制御部121は、図5に示すように、目標位置偏差補償部122、段差乗り越え補償部123、制御切り替え部124を備える。
目標位置偏差補償部122は、目標位置偏差検出部40が求めた目標位置偏差に応じて、駆動トルクを決める。目標位置偏差補償部122は、目標位置偏差に対するPID制御でも、最適制御、H制御部でもよい。例えば、目標位置偏差補償部122は、目標位置までの残りの距離(=y−y(t))に予め設定したゲインを乗算することで、基本駆動力分の指令値とする。
段差乗り越え補償部123は、車輪が段差に接触した瞬間の駆動トルクから、徐々に駆動トルクを上昇させる補償部である。駆動トルクの上昇のさせ方は、いち早く停止させたい場合はより早く上昇させればよいし、より滑らかに上昇させたい場合は緩やかに上昇させればよく、その上方の設定の方法に関して特に限定はない。ここで、車輪が段差に接触することで、目標位置に対する車両の相対速度の変動(目標位置が固定の場合には車両の速度の変動)が発生する。車輪が段差に接触する際には、車速が減少する方向に変動する。段差乗り越え補償部123は、この相対速度の変動分を補償するように補償する。例えば、目標位置偏差補償部122が演算した駆動トルクを、車速の減少に応じて増大補正する。
制御切り替え部124は、段差判定フラグに基づき、段差判定フラグが「0」(車輪が段差に接触する前の状態)であれば、目標位置偏差補償部122が求めた駆動トルクを駆動トルク指令Aとして出力する。一方、段差判定フラグが「1」(車輪が段差に接触した場合)には、段差乗り越え補償部123によって補償後の駆動トルクを駆動トルク指令Aとして出力する。なお、制御切り替え部124を省略して、段差乗り越え補償部123によって補償後の駆動トルクを常に駆動トルク指令Aとしても良い。補償を実施しても相対速度に変動が発生するほどの段差が無ければ補償しないのと同等の駆動トルク指令となる。
次に、第2駆動トルク制御部131は、図6に示すように、データ保持部132、ゼロリセット部133、駆動トルク補正部134、制御切り替え部135、スロットル開度制御部136を備える。
データ保持部132は、車輪浮き上がり判定フラグに基づき、車輪浮き上がり判定フラグが「1」となると、そのときの駆動トルク指令値を、浮き上がった瞬間の駆動トルク値Trq_p0として保持する。
ゼロリセット部133は、車輪浮き上がり判定フラグが「1」になると、車輪の回転角θwをゼロにリセットする。すなわち、ゼロリセット部133は、車輪浮き上がり判定フラグが「1」になった時点の車輪の回転角θwをゼロつまり基準とした車輪の回転角をθw′として出力する。これによって、回転角θw′は、段差を上るに従い大きい値となり、図7(c)の状態になると、θw′ = θp0となる。
駆動トルク補正部134は、段差傾斜角θp0と車輪の回転角θwの差であるθと、データ保持部132で保持した駆動トルク値Trq_p0とを用いて、補正駆動トルク指令Trq_D′を求める。
補正駆動トルク指令Trq_D′は、例えば次式に基づき演算する。
Figure 2013049389
制御切り替え部135は、車輪浮き上がり判定フラグに基づき、車輪浮き上がり判定フラグが「1」となる前は、駆動トルク指令Aの出力を選択する。一方、制御切り替え部135は、車輪浮き上がり判定フラグが上がると、駆動トルク補正部134の出力である補正駆動トルク指令Trq_D′を選択する。
スロットル開度制御部136は、制御切り替え部135で選択されて出力された駆動トルク指令値を、予め設定したマップや関数によって、スロットル開度θ(t)に変換する。スロットル開度制御部136は、スロットル開度に対するエンジンのダイナミクスや、信号の遅れを加味した実際の駆動トルクの伝達関数で表現できる駆動系シテムモデルの逆モデルを用いることで、駆動系の動特性を加味したスロットル開度指令θ(t)を導出できる。
上記車輪浮き上がり判定部51は、目標位置に移動する間に存在する段差によって、車輪が地面から浮き上がる状態を判定する。ここで、車輪が段差に接触してその段差を乗り越える際には、駆動トルクは増加する。
車輪の浮き上がりとは、上記段差に接触した車輪における車軸の鉛直下方に位置する車輪接地点が地面から離れた状態、つまり上記段差に接触した車輪が上方に変位する状態を指す。図7を参照して説明すると、この車輪の浮き上がりは、車輪が、段差に接触した図7(a)の状態から図7(b)の状態に遷移した瞬間を意味する。図7(a)の状態から図7(b)の状態になる場合、車輪が回転する際の車輪速パルス波形が急に変化する。従って、車輪浮き上がり判定部51は、車輪速パルス波形の変化に基づき車輪が地面から浮き上がる状態を判定することが出来る。
次に制駆動指令値演算部10Eにおける制動系の処理部分を、上記図4を参照して説明する。
段差形状推定部61は、車輪浮き上がり判定部51の判定に基づき、車輪の浮き上がりを判定したら、車輪浮き上がりの瞬間の駆動トルクTrqから、段差の形状を推定する。
ここで、駆動トルクTrqと段差高さとは、次式の関係がある。
Trq =mg√(2Rh −h) ・・・(2)
ここで、
m:車両前軸荷重
g:重力加速度
R:ホイール半径
である。
また駆動トルクは、スロットル指令演算部41が演算したスロットル開度指令値θ(t)に、予め設定したゲインを掛けて求めたり、エンジンコントローラ13から取得したりすればよい。
本実施形態の段差形状推定部61は、車輪を図10(b)の状態に持ち上げた駆動トルクTrqによって、段差の形状として、段差高さhを推定する。ここで、本実施形態では、車輪速パルスおよび駆動トルクが直接計測もしくは、推定することができる前提となっているため、上述のように、段差の形状として、段差高さhを推定する。段差形状推定部61は、勿論、段差の形状を直接測定することが可能な装置を用いて、当該段差形状を測定する構成であっても良い。
段差通過判定部71は、車輪が段差を通過したことを判定する。
ここで、車輪が段差に接した状態(図7(a))における段差角部、車輪中心、車輪接地中心CPを結ぶ線分によるなす角θp0は幾何学的に次式の関係がある。
Figure 2013049389
そして、段差通過判定部71は、車輪が段差に接触したときから、車輪の回転角がθp0だけ変化したら、段差を通過したと判定する。車輪が段差に接触した状態から、段差を上がるに従い、車輪の回転角は変化する。
停止位置導出部81は、段差通過判定部71の判定に基づき、車輪が段差を通過したと判定したときの車両位置から、目標位置までの停止距離xBGを求める。目標位置までの停止距離xBGは、車輪速パルスカウント(車輪の移動量)と目標位置との差によって求めることが可能である。停止位置導出部81は、入力情報を停止距離xBGとしても良い。また、停止位置導出部81は、超音波センサ等などの車両周囲の情報を取得するセンサの検出値によって、目標位置までの停止距離xBGを取得しても良い。
目標制動挙動導出部91は、段差を通過したと判定した瞬間の車速Vと停止位置導出部81が求めた停止距離xBGに基づき、目標の減速加速度αrefを求める。車速は、例えば車輪速パルスカウント(車輪の移動量)を微分処理することで演算可能である。
上記目標の減速加速度αrefは、例えば、上記瞬間の車速Vと停止距離xBGに基づき、次式によって演算する。この例では、目標制動挙動として加速度を求めている。
Figure 2013049389
制動トルク制御部101は、目標となる減速度を実現するように制動トルクを制御する。
本実施形態の制動トルク制御部101は、図8に示すように、制動トルク導出部102、制動トルク補正部103からなる。また制動トルク補正部103は、補正ゲインマップ104を備える。
制動トルク導出部102は、目標制動挙動導出部91が求めた目標の減速加速度αref(目標制動挙動)をフィードフォワード制御で実現するための制動トルク指令を演算する。具体的には、制動トルク導出部102は、制動トルク指令に対する制動挙動の伝達関数で表現できるブレーキシステムモデルの逆モデルを用いることで、ブレーキシステムの動特性を加味した制動トルク指令を導出する。
一方、ブレーキパットの磨耗や路面の特性によっては、実際の応答がブレーキシステムモデルと同様にならない場合がある。これを鑑み、制動トルク補正部103において、目標制動挙動と実制動挙動との差に応じた制動トルク補正値を求める。そして、その求めた制動トルク補正値によって、制動トルク導出部102が求めた制動トルク指令を補正する。
図11に示す制動トルク補正部103は、目標制動挙動導出部91が求めた目標の減速加速度αref(目標とする車両挙動)と実際に発生している減速加速度(実際に発生している車両挙動)との差に対して、補正ゲインを掛けることで制動トルク補正値を求める。
上記補正ゲインは、図9の補正ゲインマップ104に示すように、目標位置までの距離である停止距離xBGによって変更される。すなわち、補正ゲインk1は、停止距離xBGが短い場合、停止距離xBGが長い場合に比べて大きくなるように調整される。図11に示す補正ゲインマップ104では、補正ゲインk1は、停止距離xBGが短いほど高い値に調整される。このように補正ゲインを調整することで、目標位置により近い場合ほど精度良く停止することが可能となる。
(動作その他)
図10は、本実施形態の制駆動力制御を適用した場合の各部の応答例を示す図である。
図10の時刻Tにおいて、目標位置への停止させる動作を開始したとする。ここでは、制御開始位置から目標位置までの距離yを固定値の50cmとした。制御開始によって車両は目標位置に向けて移動する。
時刻Tから時刻Tの間は、目標位置と現在の車両位置との差異に応じて、駆動トルクAを制御する。ここで、補正駆動トルク指令は、駆動トルク指令Aを補正し、最終的にエンジンコントローラで発生させたい駆動トルクである。この間(時刻Tから時刻Tの間)は、段差に触れることなく略平地を移動している。本実施形態の処理においては、この間の駆動トルクの制御方法は重要ではないため、図10では簡単のため、駆動トルクを一定で示している。
続いて、時刻Tで、車輪が段差に接触したとする。車輪が段差に当接することで、車輪の回転角が一時的に変化が無くなる。このように、時刻Tにおいて、駆動トルクを発生しているにも関わらず、車輪が回転しないことから、段差があると判断し、段差判定フラグが「1」となる。そして、駆動トルク指令Aが上昇する。
続いて、時刻Tから時刻Tに向けて、駆動トルク指令Aが上昇し続けるが、車輪の回転角は変化しないことから、車輪は段差に対し図7(a)の状態にある。さらに駆動トルクを上げ、時刻Tになった瞬間に、車軸の鉛直下向きにある車輪接地点CPが地面から離れて図7(b)の状態になり、車輪浮き上がり判定フラグが「1」となる。車輪浮き上がり判定フラグが「1」となった瞬間から、駆動トルク指令Aに補正が加わり、車輪の回転角の上昇と共に補正駆動トルク指令値はゼロに漸近し、停止動作に移行する。
ここで、図10における時刻Tから時刻Tの間の駆動トルクは、第1駆動トルク制御部121で導出される。第1駆動トルク制御部121では、目標位置への移動動作が開始すると、目標位置と現在の位置の偏差である目標位置偏差に応じて、駆動トルクを制御する目標位置偏差補償部122が駆動トルクを決める。そして、図5の時刻Tになると、車輪が段差に接触し段差判断フラグが上がり、制御切り替え部124により、段差乗り越え補償部123が出力する駆動トルクに切り替える。段差乗り越え補償部123では、車輪が段差に接触した瞬間の駆動トルクから、徐々に駆動トルクを上昇させる。以上によって、図5における時刻T〜時刻Tの間の駆動トルクを、第1駆動トルク制御部121により制御する。
次に、図10における時刻Tから時刻Tの間の駆動トルクは、第2駆動トルク制御部131で導出される。第2駆動トルク制御部131では、車輪浮き上がり判定フラグが「1」となる前は、駆動トルク指令Aが制御切り替え部135によって選択され、駆動トルク指令Aが補正駆動トルク指令となる。車輪浮き上がり判定フラグが「1」となると、浮き上がった瞬間の駆動トルク値をTrq_p0としてデータ保持部132で保持される。また、段差形状推定部61において、浮き上がった瞬間の駆動トルク値をTrq_p0から段差の形状を推定する。本実施形態では、段差形状として段差高さhを推定する。また、車輪が段差に接した状態(図7(a))における段差角部、車輪中心、車輪接地中心CPを結ぶ線分によるなす角θp0が、第2駆動トルク制御部131に出力される。
また、車輪浮き上がり判定フラグが「1」となると、ゼロリセット部133において車輪の回転角θw′がゼロにリセットされる。このθw′は、段差を上るに従い大きい値となり、図7(c)の状態になると、θw′= θp0となる。段差傾斜角θp0と車輪の回転角θw′の差であるθとデータ保持部132で保持さした駆動トルクTrq_p0を用いて、駆動トルク補正部134は、駆動トルクTrq_D′が求められる。
時刻Tから時刻Tの間の駆動トルクは、車輪浮き上がり判定フラグによって制御切り替え部135を作動させ、θに応じて式(1)の通りとなる。続いて、車輪が段差を上がり図7(c)の状態になると、θがゼロとなり、駆動トルクTrq_Dもゼロに漸近する。制御切り替え部135から出力される駆動トルクTrq_Dは、スロットル開度制御部136によって、スロットル開度θ(t)に変換され、変換値をエンジンコントローラに出力する。
図11は、本実施形態を適用し、目標位置まで車両を移動し、停止させる動作の一連の動作を示している。
図11の時刻Tにおいて、目標位置への停止動作を開始させ、時刻Tでは略平坦な路面を移動している。時刻T2で車輪が段差に接触すると、段差を越えるために駆動トルクが増加する。本実施形態では、図11に示す駆動トルクの例で示しているが、本発明は駆動トルクの実応答を加味すれば、駆動トルクの波形によらず適用可能である。時刻Tから駆動トルクを増加させ時刻Tになると、それまで一定値を示していた回転角が変化をする。回転角が変化した時の駆動トルクをTrq_p0とし、この駆動トルクTrq_p0に基づき、段差高さhを求めると共に、段差角部、車輪中心、車輪接地中心を結ぶ線分によるなす角θp0を幾何学的に関係から求める。
時刻Tから時刻Tに向けて、車輪が浮き上がった状態から段差を上がり、式(1)の通り駆動トルクを制御する。このとき、車輪の回転角がθp0だけ変化したら、段差を通過したと判定し、この時刻を時刻Tとする。時刻Tでは、段差通過判定部71で、車輪が段差に接触した状態から、車輪浮き上がり判定をした瞬間の回転角が段差を上がるに従い変化し、回転角が角θp0だけ変化したら、段差を通過したと判定する。段差を通過したと判断した位置から、目標位置までの距離xBGを停止位置導出部81が求める。目標制動挙動導出部91では、段差を通過したと判断した瞬間の車速Vと停止位置導出部によって求められた停止距離xBGによって、目標の減速加速度αrefを求める。
最後に、制動トルク制御部101では、目標となる減速度(目標位置で停止するための減速度)を実現するように制動トルクを制御する。これによって制動トルクが立ち上がり、時刻Tまで制動動作を行って停止する。ここでは、目標制動トルクが実現できる前提で説明をしたが、制動装置の動作遅れや、信号処理のむだ時間などにより、必ずしも所望応答になら場合がある。その場合は、制動トルク制御部101によって、制動トルクの補正を行う。
制動トルク制御部101では、目標制動挙動導出部91において求められた目標制動挙動は加速度であり、その加速度をフィードフォワード制御で実現するのが制動トルク導出部102である。制動トルク導出部102は、制動トルク指令に対する制動挙動の伝達関数で表現できるブレーキシステムモデルの逆モデルを用いることで、ブレーキシステムの動特性を加味した制動トルク指令を導出できる。一方、ブレーキパットの磨耗や路面の特性によっては、実際の応答がブレーキシステムモデルと同様にならない場合がある。制動トルク補正部103において、目標制動挙動と実制動挙動との差に対して、制動トルクの補正を行う。制動トルクの補正ゲインマップ104は、停止位置に応じて変更される。目標位置が近い場合は、補正ゲインが高い値を示し、目標位置が遠い場合は補正ゲインが小さい値を示す。これにより、より近い場合ほど精度良く停止することが可能となる。
(変形例)
(1)ここで、上記実施形態の制動制御分は、制御を開始する車両位置と停車する目標位置との間に、車両の速度(目標位置が移動する場合には、相対速度)が変動するような大きさの段差がある場合に特に有効である。
上記制駆動指令値演算部10Eは、上述の制動トルク制御部と共に、次のようなブレーキ指令演算部42を備えていても良い。
このブレーキ指令演算部42は、目標距離y*と実移動距離y(t)との差である差距離Δyに応じて、車両を目標位置に誘導するための制動指令値を演算する。本実施形態では、下記(2)式に基づき制動力指令値B(t)を演算する。
Figure 2013049389
この(5)式における第1項は、車両1の移動開始時はほぼゼロの値で、目標位置に近づくと目標位置に近づくほど指数的に大きくなる値となる。これによって、目標位置に近づくと制動指令値が大きくなることで、できるだけ目標位置で停止するようにする。また、(5)式における第2項は、予め設定した制御時間δt秒間での移動量に基づく値で、目標位置との相対速度(目標位置が定位置の場合には車速)が大きいほど大きくなる。これによって、予め想定している車速よりも車速が大きくなりすぎる傾向にある場合には、フィードバック的に制動指令値を大きくして車速が大きくなりすぎないようにする。これによって、車両がより目標位置で停止可能となる。
そして、制動トルク制御部の出力とブレーキ指令演算部42の出力の大きい方(セレクトハイ)をブレーキアクチュエータ12の入力とする。
(2)また上記説明では、運転者の操作負荷を低減する支援システムとして、運転者がボタン操作を行ったときに、予め設定された距離だけ移動する運転支援システムの場合を例とした。これ以外にも、本発明の適用先としては、例えば運転者が任意の移動距離を入力できるようなシステムとしたりすることも良いし、レーダなどの外界認識センサを用いて障害物を検出して障害物直前に目標位置を設定して当該障害物直前で車両を停止させることができるような駐車支援システムであっても良い。
ここで、目標位置取得部10Cは目標位置取得手段を構成する。移動距離検出部10Bは距離検出手段を構成する。目標位置偏差補償部122は基本駆動力演算手段を構成する。段差乗り越え補償部123は付加駆動力演算手段を構成する。第2駆動トルク制御部131は駆動指令出力手段を構成する。制動トルク制御部は制動指令出力手段を構成する。段差判定部111は段差検出手段を構成する。車輪浮き上がり判定部51は車輪浮き上がり判定手段を構成する。駆動トルク補正部134は、駆動力指令抑制手段を構成する。段差形状推定部61は段差形状推定手段を構成する。移動距離検出部10B、車輪速検出センサ17はホイール角度検出手段を構成する。
(本実施形態の効果)
本実施形態は、次の効果を奏する。
(1)制駆動指令値演算部10Eは、目標位置に向けて車両を誘導するための基本駆動力分の指令値を演算する。制駆動指令値演算部10Eは、段差の通過の際に生じる目標位置に対する車両の相対速度の変動に応じた付加駆動力分の指令値を演算する。制駆動指令値演算部10Eは、上記基本駆動力分の指令値と付加駆動力分の指令値に基づき求めた駆動力指令値を、上記駆動力を発生する駆動装置に出力する。制駆動指令値演算部10Eは、段差に接触した車輪における車軸の鉛直下方に位置する車輪接地点が地面から離れた状態である車輪浮き上がりを判定する。制駆動指令値演算部10Eは、車輪浮き上がりと判定すると、付加駆動力分の指令値が小さくなるように、上記駆動指令出力手段が出力する駆動力指令値の上昇を抑制する。そして、制駆動指令値演算部10Eは、駆動力指令値の抑制中に制動指令を制動装置に出力する。
この構成によれば、段差の通過の際に駆動力指令値を増大させる。これによって、段差によって一時的に要求される駆動力が高くなっても目標位置に向けた移動が可能となる。このとき、段差を通過するために駆動力指令値が増大するが、本発明によれば、車輪の浮き上がりと判定すると付加駆動力分の指令値が小さくなるように駆動力指令値の上昇を抑制することで、段差を通過する動作中の急激な加速度の変化を低減することが可能となる。すなわち、段差を通過する動作中の急激な加速度の変化を低減することが可能となる。
この結果、段差を通過して間もない位置に車両を停止する必要があっても、急な速度変化が発生することを抑制可能となる。
(2)制駆動指令値演算部10Eは、駆動力指令値を低減する方向に抑制する。
この構成によれば、付加駆動力によって段差を通過する際、最も付加トルクを要する車輪が浮き上がる瞬間に大きな駆動トルクを発生させるが、その後は段差の通過とともに駆動トルクを下げることで、加速度の変化を低減することが可能となる。
(3)制駆動指令値演算部10Eは、上記段差の形状を推定する。上記駆動力指令抑制手段は、段差形状推定手段が推定した段差の形状に応じて、駆動力指令値が下がる方向に抑制する。
この構成によれば、付加駆動力によって段差を通過する際、最も付加トルクを要する車輪が浮き上がる瞬間に大きな駆動トルクを発生させるが、その後、急激に駆動トルクを下げることなく、段差通過後の停止動作をスムーズに行うことが可能となる。
(4)制駆動指令値演算部10Eは、車輪の回転角に応じて、駆動力指令値の抑制を行う。
この構成によれば、車輪の回転角によって段差の通過状況を判定出来るので、段差を通過するのに必要な駆動トルクを補正することが可能となる。この結果、段差途中で車輪が段差から落ちる動作や、段差を勢いよく通過するなどの動作を抑えることが出来る。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。上記実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様である。但し、駆動トルク補償部134の構成が異なる。
本実施形態では、駆動トルク補償部134は、次式によって、駆動トルクTrq_D′を演算する。
Figure 2013049389
ここで、ゲインKの例を図11に示す。ゲインKは、車輪が段差通過後の車両位置から目標位置までの停止距離xBGに応じて変化する。図11に示す例では、ゲインKは、停止距離xBGが短い場合、停止距離xBGが長い場合に比べて大きくなるように設定されている。具体的には、停止距離xBGが予め設定した距離より長い場合には、ゲインKはゼロとなっている。また、停止距離xBGが予め設定した距離以下の場合には、ゲインKは、停止距離xBGが短いほど大きな値となる。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(動作その他)
第2実施形態の駆動トルク補償部134で演算される駆動トルクTrq_D′は、第1実施形態に対し、第2項を追加した点が異なる。
すなわち、駆動トルクTrq_D′は、車輪の回転角θw′とゲインKとの積を引いた分だけ補正される。ここで、車輪の回転角θw′は、ゼロリセット部133の処理でゼロにリセットさせた後の値である。このときゲインKは、停止距離xBGが短い場合、停止距離xBGが長い場合に比べて大きくなるように設定されている。具体的には、停止距離xBGが予め設定した距離より長い場合には、ゲインKはゼロとなっている。また、停止距離xBGが予め設定した距離以下の場合には、ゲインKは、停止距離xBGが短いほど大きな値となる。
これによって、車輪が段差通過後に間もない位置で停止する場合は、ゲインKは大きな値となることで、駆動トルクTrq_D′はその分小さくなる。すなわち、駆動トルクTrq_D′は、より早くゼロに収束する。一方、車輪が段差通過後からある程度距離がある位置で停止する場合は、ゲインKはゼロとなり、回転角θw′による補正は行わない。
図12に、目標位置がより近い場合の応答例を示す。
目標位置が相対的に遠い場合には、上記第1実施形態で説明した応答となる(図9参照)。これに対し、図12に示す応答例の場合には、(6)式の第2項分の補正によって、駆動トルクがゼロに漸近させるまでの時間が、第1実施形態の場合と異なる。その他は、上記図9で説明した応答例と同様な応答となる。
すなわち、目標位置が近い場合は、車輪が段差の突起の真上(図13の時刻T)に来る前に、駆動トルクが下がることで、より段差の角に近い位置で停止することが可能となる。
図13は、本実施形態を適用した場合の前後移動量に対するトルク応答、前後加速度応答の例を示す図である。段差と車輪が接触し、続いて車輪が回転し、段差通過と判定すると制動トルクが立ち上がる。この結果、目標位置に精度高くかつ加速度の変化が少なく、停止することが可能となる。
(本実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1実施形態による効果の他、次の効果を奏する。
(1)制駆動指令値演算部10Eは、段差から目標位置までの距離が予め設定した閾値よりも短い場合、当該段差から目標位置までの距離が短いほど、上記駆動力指令値の抑制による低減度合を大きくする。
この構成によれば、段差に目標位置が近い場合においても、段差を上る際の加速度と、段差を通過し停止する際の減速度の差が小さくなり、段差を上る動作から停止する一連の動作をスムーズに行うことが可能となる。
10 駐車支援コントローラ
10A 制御開始判定部
10B 移動距離検出部
10C 目標位置取得部
10D 制御終了判定部
10E 制駆動指令値演算部
11 支援スイッチ
12 ブレーキアクチュエータ
13 エンジンコントローラ
17 車輪速検出センサ
17a パルス発生部
40 目標位置偏差検出部
41 スロットル指令演算部
42 ブレーキ指令演算部
51 車輪浮き上がり判定部
61 段差形状推定部
71 段差通過判定部
81 停止位置導出部
91 目標制動挙動導出部
101 制動トルク制御部
102 制動トルク導出部
103 制動トルク補正部
104 補正ゲインマップ
111 段差判定部
121 第1駆動トルク制御部
122 目標位置偏差補償部
123 段差乗り越え補償部
124 制御切り替え部
131 第2駆動トルク制御部
132 データ保持部
133 ゼロリセット部
134 駆動トルク補正部
134 駆動トルク補償部
135 制御切り替え部
136 スロットル開度制御部

Claims (6)

  1. 車両の制動力及び駆動力を制御して、当該車両を誘導または駐車する車両の制駆動力制御装置であって、
    目標位置を取得する目標位置取得手段と、
    現在の車両位置から目標位置までの距離を検出する距離検出手段と、
    上記距離検出手段が検出した現在の車両位置から目標位置までの距離に基づき目標位置取得手段が取得した目標位置に向けて車両を誘導するための基本駆動力分の指令値を演算する基本駆動力演算手段と、
    段差への車輪の接触を検出する段差検出手段と、
    上記段差を通過する際に生じる目標位置に対する車両の相対速度の変動に応じた付加駆動力分の指令値を演算する付加駆動力演算手段と、
    上記基本駆動力分の指令値と付加駆動力分の指令値に基づき求めた駆動力指令値を、上記駆動力を発生する駆動装置に出力する駆動指令出力手段と、
    現在の車両位置から目標位置までの距離に基づき制動力指令を演算し、その演算した制動指令を制動装置に出力する制動指令出力手段と、
    上記段差に接触した車輪における車軸の鉛直下方に位置する車輪接地点が地面から離れた状態である車輪浮き上がりを判定する車輪浮き上がり判定手段と、
    上記車輪浮き上がり判定手段の判定結果に基づき上記車輪浮き上がりと判定すると、上記付加駆動力分の指令値が小さくなるように、上記駆動指令出力手段が出力する駆動力指令値の上昇を抑制する駆動力指令抑制手段と、を備え、上記制動指令出力手段は、駆動力指令値の抑制中に制動指令を制動装置に出力することを特徴とする車両の制駆動力制御装置。
  2. 上記駆動力指令抑制手段は、駆動力指令値が低減する方向に抑制することを特徴とする請求項1に記載した車両の制駆動力制御装置。
  3. 上記段差の形状を推定する段差形状推定手段を備え、
    上記駆動力指令抑制手段は、段差形状推定手段が推定した段差の形状に応じて、駆動力指令値が低減する方向に抑制することを特徴とする請求項2に記載した車両の制駆動力制御装置。
  4. 上記車輪の回転角を取得するホイール角度検出手段を備え、
    上記駆動力指令抑制手段は、取得する車輪の回転角に応じて、駆動力指令値の抑制を行うことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載した車両の制駆動力制御装置。
  5. 上記駆動力指令抑制手段は、上記段差から目標位置までの距離が予め設定した閾値よりも短い場合、当該段差から目標位置までの距離が短いほど、上記駆動力指令値の抑制による低減度合を大きくすることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載した車両の制駆動力制御装置。
  6. 車両の制動力及び駆動力を制御して、取得した目標位置に車両を誘導または駐車する車両の制駆動力制御方法であって、
    段差を通過する際に生じる目標位置に対する車両の相対速度の変動に応じて駆動力指令値を増大すると共に、
    上記段差を乗り越えるために、当該段差に接触した車輪の上方への変位である車輪の浮き上がりと判定すると、上記段差を通過する際に増大する駆動力指令値の上昇を抑制しながら制動することを特徴とする車両の制駆動力制御方法。
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