JP2013041962A - プリント配線基板の製造方法およびプリント配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に配線と電子部品との位置合わせを行う。
【解決手段】電子部品が接続される配線11wを絶縁基板10上に形成するプリント配線基板1の製造方法であって、少なくとも片面に金属膜11が形成された絶縁基板10の製品領域内に貫通孔を形成する工程と、絶縁基板10上に貫通孔に対して所定の配置でパターニングしたレジストパターン14pをマスクとして金属膜11をエッチングし、配線11wを形成すると共に、貫通孔を構成する絶縁基板10の縁が金属膜11で覆われた貫通孔被覆部を形成する工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品が接続される配線を絶縁基板上に有するプリント配線基板の製造方法およびプリント配線基板に関する。
プリント配線基板の製造工程では、例えば可撓性を有する絶縁基板の少なくとも片面に配線が形成される。プリント配線基板の配線には、例えば半導体デバイス等の各種の電子部品が接続される。
近年、これらの電子部品が小型化していくにしたがって、プリント配線基板の配線の微細化が進んでいる。これに伴い、配線に電子部品を接続する際の位置精度の要求が高まっている。一方で、50μm以下の極薄基板が用いられる等、薄さを増していくプリント配線基板の撓み易さも増大している。
配線に電子部品等を接続する際の位置精度を得る手法として、例えば特許文献1には、テープキャリアの製品領域外に形成された搬送用のスプロケットホールを用いて、チップのボンディングの位置合わせ等を行うことについて開示されている。
係る場合の位置合わせは、例えばスプロケットホール及びチップの位置を光学的手段等により検出して行う。例えば特許文献2には、プリント基板のリード端子上に薄膜磁気ヘッドを接合する際、CCDカメラによりリード端子と薄膜磁気ヘッドの外部接続端子との位置確認を行って位置合わせをする方法について開示されている。
特開平05−074863号公報 特開平05−159233号公報
しかしながら、特許文献1,2のように、CCDカメラ等によりスプロケットホールやリード端子、電子部品等の位置をそれぞれ確認して位置合わせを行うには、多大な労力や時間を要してしまう。そこで、より簡便に配線と電子部品との位置合わせを行う方法が求められている。
本発明の目的は、容易に配線と電子部品との位置合わせを行うことができるプリント配線基板の製造方法およびプリント配線基板を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、電子部品が接続される配線を絶縁基板上に形成するプリント配線基板の製造方法であって、少なくとも片面に金属膜が形成された前記絶縁基板の製品領域内に貫通孔を形成する工程と、前記絶縁基板上に、前記金属膜及び前記貫通孔を覆ってドライフィルムレジストを貼り合せる工程と、前記ドライフィルムレジストをパターニングし、前記貫通孔に対して所定の配置となる配線形成パターンと前記貫通孔を覆う貫通孔被覆パターンとを有するレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをマスクとして前記金属膜をエッチングし、前記配線を形成すると共に、前記貫通孔を構成する前記絶縁基板の縁が前記金属膜で覆われた貫通孔被覆部を形成する工程と、を有
するプリント配線基板の製造方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、前記レジストパターンを形成する工程では、前記貫通孔被覆パターン内に、前記貫通孔よりも小さいサイズの開口部を形成し、前記開口部を形成するときは、前記配線形成パターンが、前記貫通孔に対する位置ズレの許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、前記開口部の少なくとも一部が前記貫通孔からはみ出るように前記開口部のサイズを調整し、前記配線を形成する工程では、前記配線が前記許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、前記貫通孔からはみ出して形成された前記開口部から露出した前記貫通孔の周囲の前記金属膜がエッチングされ、前記貫通孔を構成する前記絶縁基板の縁の少なくとも一部が露出する第1の態様に記載のプリント配線基板の製造方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、前記開口部を形成するときは、前記許容値を前記貫通孔に対する前記配線の所定方向のズレ幅で表わしこれを2倍した値を、これと同一方向の前記貫通孔の径から減じた値が、前記開口部の前記所定方向の径となるように前記開口部のサイズを調整することにより、前記配線形成パターンが前記許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、前記開口部の少なくとも一部が前記貫通孔からはみ出し、前記配線を形成する工程では、前記配線が前記許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、前記貫通孔を構成する前記絶縁基板の縁の少なくとも一部が露出する第2の態様に記載のプリント配線基板の製造方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、前記レジストパターンを形成する工程では、前記配線形成パターンが、前記貫通孔に対する位置ズレの許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、前記貫通孔の少なくとも一部が前記貫通孔被覆パターンからはみ出るように前記貫通孔被覆パターンのサイズを調整し、前記配線を形成する工程では、前記配線が前記許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、前記貫通孔被覆パターンからはみ出した前記貫通孔の周囲の前記金属膜がエッチングされ、前記貫通孔を構成する前記絶縁基板の縁の少なくとも一部が露出する第1の態様に記載のプリント配線基板の製造方法が提供される。
本発明の第5の態様によれば、前記配線を形成する工程の後に、前記貫通孔に対する前記配線の位置ズレが前記許容値の範囲内となっているか否かを判定する工程を有し、前記位置ズレを判定する工程では、前記貫通孔を構成する前記絶縁基板の縁の少なくとも一部が露出しているときは、前記配線の位置ズレが前記許容値の範囲を超えていると判定する第2又は第4の態様に記載のプリント配線基板の製造方法が提供される。
本発明の第6の態様によれば、絶縁基板と、前記絶縁基板の製品領域内に形成される貫通孔と、前記絶縁基板上に形成された金属膜をパターニングして前記貫通孔に対して所定の配置で形成され、電子部品が接続される配線と、を備えるプリント配線基板が提供される。
本発明の第7の態様によれば、前記貫通孔を構成する前記絶縁基板の縁は前記金属膜で覆われている第6の態様に記載のプリント配線基板が提供される。
本発明によれば、容易に配線と電子部品との位置合わせを行うことができる。
本発明の第1実施形態に係るプリント配線基板の製造方法の各工程を平面図で示す工程図である。 本発明の第1実施形態に係るプリント配線基板に電子部品の位置合わせを行う様子を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るプリント配線基板の製造方法の各工程を平面図で示す工程図である。 本発明の第2実施形態に係るプリント配線基板の配線の位置ズレの指標となる治具孔の周囲の様子を示す平面図である。 本発明の第2実施形態の変形例に係るプリント配線基板の配線の位置ズレの指標となる治具孔の周囲の様子を示す平面図である。
<本発明の第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態に係るプリント配線基板の製造方法について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るプリント配線基板1の製造方法の各工程を平面図で示す工程図である。
プリント配線基板1は、絶縁基板10と、絶縁基板10上に形成され、電子部品等が接続される配線11wと、絶縁基板10の製品領域内に形成される貫通孔としての治具孔12とを備える。配線11wは、治具孔12に対する位置ズレの許容値が所定の範囲内の位置精度で形成される。これにより、例えば電子部品側の固定部材を治具孔12に挿入することで、配線11wに対して所定位置に電子部品を位置合わせ固定することができ、配線11wと電子部品とを位置精度よく接続することができる。
(絶縁基板準備工程)
まず、図1(a)に示す絶縁基板10の少なくとも片面に、図1(b)に示す金属膜11が形成されたものを用意する。絶縁基板10は、例えば厚さが3μm以上25μm以下の可撓性を有するフレキシブル基板として構成され、ポリイミド(PI)等の樹脂からなる。金属膜11は、例えばステンレス(SUS)や銅(Cu)等から構成され、例えば厚さが8μm以上15μm以下のステンレス箔や銅箔を図示しない接着剤により絶縁基板10に貼り合せて形成されるほか、蒸着やスパッタ等により形成されていてもよい。
(治具孔形成工程)
次に、図1(c)に示すように、パンチング等により、上記の金属膜11が形成された絶縁基板10を貫通させて、電子部品等の位置合わせを行う治具孔12と、絶縁基板10の搬送や露光時の位置合わせ等に用いるスプロケットホール13とを形成する。治具孔12は、電子部品の位置合わせが容易となるよう、例えば後に配線11wが形成される予定の領域を取り囲むように複数個、形成することができる。治具孔12及び配線11wは共に、後にプリント配線基板1が個片化されて製品となった際の製品領域内に形成される。スプロケットホール13は、製品領域外の領域であって、例えば絶縁基板10の幅方向の両端近傍に複数個、配列させて形成される。
なお、治具孔12やスプロケットホール13を形成するには、上記パンチングのように、金型を用いたプレス打ち抜き法を用いることができるほか、レーザ照射によるレーザカッティング法や、トムソン刃やピナクル刃、彫刻刀を用いた押し切り法等を使用することが可能である。
(ドライフィルムレジスト貼り合わせ工程)
続いて、図1(d)に示すように、金属膜11を有する絶縁基板10上であって、両端のスプロケットホール13に挟まれる領域に、金属膜11及び治具孔12を覆ってドライフィルムレジスト14を貼り合せる。
ドライフィルムレジスト14は、例えば厚さが10μm以上20μm以下のネガ型レジスト材の表裏面にそれぞれ、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる厚さが16μm程度の保護フィルムと、PI等からなるベースフィルムとを備える(いずれも図示せず)。貼り合せの際には、例えばベースフィルムを剥がしながら、絶縁基板10上にローラ等で押し付けて、保護フィルムを有するレジスト材を直接貼付する。なお、ドライフィルムレジスト14はポジ型レジスト材を用いたポジ型のドライフィルムレジストであってもかまわない。
(レジストパターン形成工程)
次に、図1(e)に示すように、ドライフィルムレジスト14をパターニングしてレジストパターン14pを形成する。すなわち、例えばネガ型のドライフィルムレジスト14であれば、まずは、レジストパターン14pとして残す部分を露光する。このとき、スプロケットホール13の一部、例えば絶縁基板10の両端の任意の一組みを、露光位置合わせ孔13aとして用いる。これにより、後に形成される配線11wの治具孔12に対する位置ズレが所定の許容値の範囲内となるよう露光位置を合せる。
続いて、ドライフィルムレジスト14を現像し、配線11wが形成される配線形成パターン14wと治具孔12を覆う貫通孔被覆パターンとしての治具孔被覆パターン14hとを有するレジストパターン14pをパターニングする。このとき、上述のように、配線形成パターン14wは、例えば複数個の治具孔12に取り囲まれた領域内の所定位置とすることができる。治具孔被覆パターン14hは、治具孔12を完全に覆うことが可能なように、治具孔12よりも充分に大きなサイズで、かつ、治具孔12の相似形となっていることが望ましい。
(配線形成工程)
次に、レジストパターン14pをマスクとして金属膜11をエッチングし、治具孔12に対して所定の配置で、図1(f)に示す配線11wを形成する。一方、治具孔被覆パターン14hでマスクされた治具孔12の周囲には、治具孔12を構成する絶縁基板10の縁が治具孔12の周囲を縁取るように金属膜11で覆われた貫通孔被覆部としての治具孔被覆部11hが形成される。金属膜11のエッチング終了後、レジストパターン14pを剥離する。
以上により、図1(f)に示すように、絶縁基板10と、絶縁基板10の製品領域内に形成される治具孔12と、絶縁基板10上に形成された金属膜11をパターニングして治具孔12に対して所定の配置で形成され、電子部品が接続される配線11wと、を備え、治具孔12を構成する絶縁基板10の縁が金属膜11で覆われているプリント配線基板1が製造される。
プリント配線基板1は長尺状の形態のまま出荷された後、あるいは、上記工程の後に引き続いて、電子部品が配線11wに接続され、配線11wと治具孔12とを含む製品領域を打ち抜いて個片化されて製品となる。なお、電子部品の接続は、プリント配線基板1を個片化してスプロケットホール13等を切り落とした後に行ってもよい。本実施形態においては、以下に説明するように、スプロケットホール13(位置決め孔13a)が無くとも電子部品の位置合わせをすることができる。図2に、プリント配線基板1に電子部品の位置合わせを行う様子を断面図で示す。
上述のように、本実施形態では、治具孔12に対する配線11wの位置ズレが、所定の許容値の範囲内となるよう配線11wを形成する。これにより、図2に示すように、例えば電子部品側に設けた固定部材としての治具ピン40pを、プリント配線基板1が備える治具孔12に挿入すると、配線11wに対して所定位置に電子部品を位置合わせ固定する
ことができる。このように、本実施形態では、容易に配線11wと電子部品との位置合わせを行うことができ、よって、簡便に、配線11wと電子部品とを位置精度よく接続することができる。
また、上述のように、本実施形態では、金属膜11のエッチング時、治具孔12を構成する絶縁基板10の縁を金属膜11で覆った治具孔被覆部11hを形成する。これにより、治具孔12が治具孔被覆部11hで補強されることとなり、治具孔12部分が撓んだり変形したりしてしまうのを抑制することができる。よって、配線11wと電子部品との位置精度をいっそう向上させることができる。係る構成は、プリント配線基板1の薄さが増すにつれ、ますます有用となる。
また、治具孔被覆部11hを設けることで、つまり、治具孔12が金属膜11で縁取られることで、治具孔12の視認性が向上し、電子部品の位置合わせが一層容易となる。但し、治具孔12の周囲やプリント配線基板1の強度が充分に得られる場合や、治具孔12の視認性に問題がない場合等には、治具孔被覆部11hを設けない構成とすることも可能である。
配線11wと接続される電子部品には、上述した半導体デバイスがある。例えば半導体デバイス側に設けた治具ピン40pをプリント配線基板1の治具孔12に挿入して位置合わせ固定すれば、配線11wと半導体デバイスとの高い位置精度が得られる。
また、電子部品の他の例としては、例えばプローバ等の検査装置が備えるプローブカードがある。係る検査においては、プローブカードが備えるプローブピンを例えば半導体デバイスが実装されたプリント配線基板1の配線11wのテストパッド等に当て、種々の検査信号を配線11wに供給して製品の良否判定等が行われる。このとき、例えばプローブカード側に設けた治具ピン40pをプリント配線基板1の治具孔12に挿入して位置合わせ固定すれば、配線11wとプローブカードとの高い位置精度が得られる。
このように、配線11wと接続される電子部品としては、上記に挙げたものに限らず、半導体デバイスをはじめ種々の電子部品を用いることができる。また、配線11wとの接続は永続的なものであっても、一次的に配線11wに接触するだけのものであってもよく、これに応じて、治具孔12による位置合わせ固定も、永続的な或いは一次的な固定の様式を採ることができる。
また、製品領域内に形成される貫通孔は、電子部品の位置合わせ以外にも用いることができる。具体的には、圧力差や圧力変化の生じる環境下で用いられるプリント配線基板において、貫通孔をベントホールとして用いる場合や、貫通孔をプリント配線基板の柔軟性を調整する目的で設ける場合等である。
<本発明の第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るプリント配線基板の製造方法について、図3を用いて説明する。なお、本実施形態に係る構成のうち、上述の実施形態と同様の機能を有する構成に同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係るプリント配線基板2の製造方法において、治具孔12に対する配線11wの位置ズレが、所定の許容値の範囲内となるよう配線11wを形成する点は、上述の実施形態と同様である。本実施形態においては、さらに、形成された配線11wの位置ズレが係る許容値の範囲内となっているか否かを簡便に判定することができる構成を備える。
(絶縁基板準備工程〜ドライフィルムレジスト貼り合わせ工程)
まずは、図3(a)〜(d)に示すように、上述の実施形態と同様の手順で、絶縁基板準備工程〜ドライフィルムレジスト貼り合わせ工程を行う。
(レジストパターン形成工程)
次に、図3(e)に示すように、ドライフィルムレジスト14をパターニングして、配線形成パターン24wと貫通孔被覆パターンとしての治具孔被覆パターン24hとを有するレジストパターン24pを形成する。このとき、治具孔被覆パターン24h内に開口部24aを形成する。開口部24aは、治具孔12の内側に完全に収まるように、治具孔12よりも小さなサイズで、かつ、治具孔12の相似形となっていることが望ましい。なお、開口部24aのサイズの規定方法については後述する。
(配線形成工程)
次に、レジストパターン24pをマスクとして金属膜11をエッチングして、図3(f)に示すように、配線11wを形成すると共に、治具孔12を構成する絶縁基板10の縁が治具孔12の周囲を縁取るように金属膜11で覆われた貫通孔被覆部としての治具孔被覆部21hを形成し、レジストパターン24pを剥離する。
上記のように、治具孔被覆パターン24hに開口部24aを設けることで、以下に説明するように、形成された配線11wに生じた位置ズレの状態に応じて治具孔12の周囲に残る治具孔被覆部21hの状態が変わる。よって、治具孔被覆部21hの状態に基づき、配線11wの位置ズレの有無や、生じた位置ズレが許容値の範囲内か否かを判定することができる。
まず、レジストパターン形成工程にて開口部24aを形成するときは、治具孔12に対する配線11wの位置ズレの許容値に基づき、開口部24aのサイズを調整する。許容値は、例えば治具孔12に対する配線11wの所定方向のズレ幅で表される。このとき、図4(a)の上段に示すように、開口部24aの上記所定方向の径をDa、これと同一方向の治具孔12の径をDbとし、許容されるズレ幅をDS1とすると、DS1を2倍した値をDbから減じた値がDaとなるように(Da=Db−2DS1)、開口部24aのサイズを調整する。
例えば、治具孔12の径Dbが200μmであり、絶縁基板10の長尺方向、すなわち、送り方向(プラスの方向)及びその反対方向(マイナスの方向)に対し、許容されるズレ幅がそれぞれ5μm(許容値が±5μm)であったとすると、開口部24aの径Da=200−(2×5)=190μmである。
上記のように開口部24aのサイズを調整することで、配線形成パターン24wが、治具孔12に対する位置ズレの許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、開口部24aの少なくとも一部が治具孔12からはみ出るようにすることができる。したがって、配線形成パターン24wの位置ズレにより、配線11wが上記許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、治具孔12からはみ出して形成された開口部24aから露出した治具孔12の周囲の金属膜11がエッチングされ、治具孔12を構成する絶縁基板10の縁の少なくとも一部が露出する。
つまり、図4(a)の上段に示すように、配線形成パターン24wの実際のズレ幅DS2がゼロのとき(DS2=0)や、図4(b)の上段に示すように、配線形成パターン24wの形成位置が例えば矢印Aの方向へずれたものの、その実際のズレ幅DS2が許容されるズレ幅DS1以下のとき(DS2≦DS1)は、開口部24aの治具孔12に対するズレ幅DS2(配線形成パターン24wのズレ幅DS2と等しい)もゼロ又は許容される
ズレ幅DS1以下となり、開口部24aは治具孔12の内側に略完全に収まる。この状態で、金属膜11をエッチングして配線11w及び治具孔被覆部21hを形成すると、図4(a),(b)の下段に示すように、治具孔12の周囲は略完全に金属膜11で縁取られ、下地である絶縁基板10の露出は認められない。
一方、図4(c)の上段に示すように、配線形成パターン24wの形成位置が例えば矢印Bの方向へずれ、配線形成パターン24wの実際のズレ幅DS2が許容されるズレ幅DS1を超えたとき(DS2>DS1)は、開口部24aの治具孔12に対するズレ幅DS2(配線形成パターン24wのズレ幅DS2と等しい)も許容されるズレ幅DS1を超え、開口部24aの少なくとも一部が治具孔12からはみ出る。この状態で、金属膜11をエッチングして配線11w及び治具孔被覆部21hを形成すると、図4(c)の下段に示すように、治具孔12の周囲の少なくとも一部において、下地である絶縁基板10が露出する(図中の露出部E)。
上記のように配線11w及び治具孔被覆部21hを形成することで、以下に説明するように、治具孔12に対する配線11wの位置ズレが所定の許容値の範囲内となっているか否かを簡便に判定することができる。
(位置ズレ判定工程)
以下に、治具孔12に対する配線11wの位置ズレが許容値の範囲内となっているか否かを判定する工程について説明する。
係る判定には、例えば光学式の自動外観検査(AOI: Automated Optical Inspection)装置等を用いることができる。自動外観検査装置にて、配線形成工程を経た後の絶縁
基板10を検査し、治具孔12を構成する絶縁基板10の縁の少なくとも一部が露出しているとき、すなわち、治具孔12の周囲に絶縁基板10の露出部Eが検出されたときは、配線11wの位置ズレが許容値の範囲を超えていると判定する。また、露出部Eが検出されなかったときは、配線11wの位置ズレが許容値の範囲内であると判定する。
このように、位置ズレ判定工程においては、長尺状のプリント配線基板2上に複数形成された製品領域のうちの所定数或いは全数について、上記判定を行う。上記判定にて、位置ズレが許容値の範囲を超えていたものは不良品として所定のマーク等を付す。なお、治具孔や治具孔被覆部のサイズ、求められる精度等によっては、自動外観検査装置を用いずに目視等により検査を行ってもよい。
以上により、図3(f)に示すプリント配線基板2が製造される。
このように、本実施形態では、治具孔被覆パターン24hに開口部24aを設けたので、治具孔12の周囲のエッチング後の金属膜11の状態により、治具孔12に対する配線11wの位置ズレが許容値の範囲内となっているか否かを簡便に判定することができる。
一方、上記のような構成を備えることなく位置ズレの判定を行う場合には、例えば配線の正確な位置を光学的手段等により測定し、その測定結果から治具孔に対する配線の座標を割り出す必要がある。さらに、この実際の座標と設計上の座標との差を求め、許容値と比較しなければならない。これには、多大な労力や時間を要するほか、高性能で高額な光学機器等も必要となり、製造コストの増大に繋がる。
しかし、本実施形態では、絶縁基板10の露出部Eの有無により、位置ズレの判定を簡便に行うことができ、判定に要する労力や時間を大幅に削減することができる。また、正確な位置座標を割り出す必要もないため、比較的簡易な光学機器で検査を行うことができ
る。場合によっては、目視等による検査も可能である。よって、製造コストを低減することができる。
また、検査にかかる負荷が少ないので、例えば全数検査を行う等、検査数量を容易に増やすことができ、不良品の検出精度を上げて、いっそう信頼性の高いプリント配線基板2を得ることができる。
<本発明の第2実施形態の変形例>
次に、本発明の第2実施形態の変形例に係るプリント配線基板の製造方法について、図5を用いて説明する。なお、本変形例に係る構成のうち、上述の実施形態と同様の機能を有する構成に同一の符号を付してその説明を省略する。
本変形例に係るプリント配線基板は、開口部24aを形成することなく、図1に示す製造方法と略同様の製造方法により製造される。また、上述の実施形態とは異なる手法により、形成された配線11wの位置ズレが係る許容値の範囲内となっているか否かを簡便に判定することができる構成を備える。
図5(a)の上段に示すように、本実施形態に係るレジストパターン形成工程において、貫通孔被覆パターンとしての治具孔被覆パターン34hをパターニングする際は、治具孔12に対する配線11wの許容される所定方向のズレ幅DS1に基づき、治具孔被覆パターン34hのサイズを調整する。
すなわち、治具孔被覆パターン34hの上記所定方向の径をDc、これと同一方向の治具孔12の径をDbとし、許容されるズレ幅DS1を2倍した値をDbに加算した値がDcとなるように(Dc=Db+2DS1)、治具孔被覆パターン34hのサイズを調整する。
上記のように治具孔被覆パターン34hのサイズを調整することで、図示しない配線形成パターンが、治具孔12に対する位置ズレの許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、治具孔12の少なくとも一部が治具孔被覆パターン34hの外周からはみ出る。これにより、配線11wが上記許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、治具孔パターン34hからはみ出した治具孔12の周囲の金属膜11がエッチングされ、治具孔12を構成する絶縁基板10の縁の少なくとも一部が露出する。
つまり、図5(a),(b)の上段に示すように、実際のズレ幅DS2がゼロのとき(DS2=0)や許容されるズレ幅DS1以下のとき(DS2≦DS1)は、治具孔被覆パターン34hの治具孔12に対するズレ幅DS2もゼロ又は許容されるズレ幅DS1以下となり、治具孔被覆パターン34hは治具孔12を略完全に覆う。この状態で、金属膜11をエッチングして配線11w及び貫通孔被覆部としての治具孔被覆部31hを形成すると、図5(a),(b)の下段に示すように、治具孔12の周囲に絶縁基板10の露出は認められない。
一方、図5(c)の上段に示すように、実際のズレ幅DS2が許容されるズレ幅DS1を超えたとき(DS2>DS1)は、治具孔被覆パターン34hの治具孔12に対するズレ幅DS2も許容されるズレ幅DS1を超え、絶縁基板10の縁の少なくとも一部が治具孔被覆パターン34hの外周からはみ出し、配線11w及び治具孔被覆部31hの形成後は、図4(c)の下段に示すように、治具孔12の周囲の少なくとも一部に絶縁基板10の露出部Eが認められる。
位置ズレ判定工程においては、例えば自動外観検査装置にて、露出部Eの有無を検出す
ることにより、治具孔12に対する配線11wの位置ズレが許容値の範囲内となっているか否かを判定する。
以上のように、本実施形態においては、開口部24aを設けることなく、配線11wの位置ズレが係る許容値の範囲内となっているか否かを簡便に判定することができる。したがって、治具孔12の周囲の強度があまり要求されていないなど、治具孔被覆部31hのサイズや形状にあまり制約がない場合等において特に有用である。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の実施形態に係る治具孔12は、上記図中に円形状に示したが、楕円形、三角形や四角形等の多角形、十字形など、種々の形状に形成することが可能である。係る治具孔を覆って形成される治具孔被覆パターンや、その開口部、エッチング後の治具孔被覆部も、種々の形状に形成することが可能であり、また、治具孔に対して相似形となっていなくともよい。
1,2 プリント配線基板
10 絶縁基板
11 金属膜
11h,21h,31h 治具孔被覆部(貫通孔被覆部)
11w 配線
12 治具孔(貫通孔)
13 スプロケットホール
14 ドライフィルムレジスト
14h,24h,34h 治具孔被覆パターン(貫通孔被覆パターン)
14p,24p レジストパターン
14w,24w 配線形成パターン
24a 開口部

Claims (7)

  1. 電子部品が接続される配線を絶縁基板上に形成するプリント配線基板の製造方法であって、
    少なくとも片面に金属膜が形成された前記絶縁基板の製品領域内に貫通孔を形成する工程と、
    前記絶縁基板上に、前記金属膜及び前記貫通孔を覆ってドライフィルムレジストを貼り合せる工程と、
    前記ドライフィルムレジストをパターニングし、前記貫通孔に対して所定の配置となる配線形成パターンと前記貫通孔を覆う貫通孔被覆パターンとを有するレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして前記金属膜をエッチングし、前記配線を形成すると共に、前記貫通孔を構成する前記絶縁基板の縁が前記金属膜で覆われた貫通孔被覆部を形成する工程と、を有する
    ことを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
  2. 前記レジストパターンを形成する工程では、
    前記貫通孔被覆パターン内に、前記貫通孔よりも小さいサイズの開口部を形成し、
    前記開口部を形成するときは、
    前記配線形成パターンが、前記貫通孔に対する位置ズレの許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、前記開口部の少なくとも一部が前記貫通孔からはみ出るように前記開口部のサイズを調整し、
    前記配線を形成する工程では、
    前記配線が前記許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、前記貫通孔からはみ出して形成された前記開口部から露出した前記貫通孔の周囲の前記金属膜がエッチングされ、前記貫通孔を構成する前記絶縁基板の縁の少なくとも一部が露出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板の製造方法。
  3. 前記開口部を形成するときは、
    前記許容値を前記貫通孔に対する前記配線の所定方向のズレ幅で表わしこれを2倍した値を、これと同一方向の前記貫通孔の径から減じた値が、前記開口部の前記所定方向の径となるように前記開口部のサイズを調整することにより、
    前記配線形成パターンが前記許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、前記開口部の少なくとも一部が前記貫通孔からはみ出し、
    前記配線を形成する工程では、
    前記配線が前記許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、前記貫通孔を構成する前記絶縁基板の縁の少なくとも一部が露出する
    ことを特徴とする請求項2に記載のプリント配線基板の製造方法。
  4. 前記レジストパターンを形成する工程では、
    前記配線形成パターンが、前記貫通孔に対する位置ズレの許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、前記貫通孔の少なくとも一部が前記貫通孔被覆パターンからはみ出るように前記貫通孔被覆パターンのサイズを調整し、
    前記配線を形成する工程では、
    前記配線が前記許容値の範囲内を超えて位置ズレして形成されると、前記貫通孔被覆パターンからはみ出した前記貫通孔の周囲の前記金属膜がエッチングされ、前記貫通孔を構成する前記絶縁基板の縁の少なくとも一部が露出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板の製造方法。
  5. 前記配線を形成する工程の後に、前記貫通孔に対する前記配線の位置ズレが前記許容値
    の範囲内となっているか否かを判定する工程を有し、
    前記位置ズレを判定する工程では、
    前記貫通孔を構成する前記絶縁基板の縁の少なくとも一部が露出しているときは、前記配線の位置ズレが前記許容値の範囲を超えていると判定する
    ことを特徴とする請求項2又は4に記載のプリント配線基板の製造方法。
  6. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板の製品領域内に形成される貫通孔と、
    前記絶縁基板上に形成された金属膜をパターニングして前記貫通孔に対して所定の配置で形成され、電子部品が接続される配線と、を備える
    ことを特徴とするプリント配線基板。
  7. 前記貫通孔を構成する前記絶縁基板の縁は前記金属膜で覆われている
    ことを特徴とする請求項6に記載のプリント配線基板。
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