JP2013040260A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】流動性と衝撃強度のバランスに優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物の提供。
【解決手段】JIS K 7210に従って測定される200℃、49Nにおける測定したメルトマスフローレイト(MFR)が45〜80グラム/10分であり、ゴム含有量が3〜12質量%であり、かつ、可塑剤含有量が3〜6質量%であることを特徴とする、スチレン系樹脂中にゴム粒子が分散したゴム変性スチレン系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、流動性と衝撃強度のバランスに優れ、かつ金型付着の少ないゴム変性スチレン系樹脂組成物に関する。
(ポリ)スチレン系樹脂は、その優れた成形性と実用強度から、また食品衛生上問題がなく比較的安価なことから、使い捨ての食品包装容器等の薄肉射出成形品の原料として広く用いられている。これらの成形品は押出シートの熱成形で作られることが多いが、シートの熱成形では大型成形品から小型成形品まで対応できるものの成形品を切り離したシートの残りが発生するという問題があり、形状も単純なものに限られている。
それに対して、射出成形は、形状が比較的自由にとれ、表面にきれいな印刷がしやすく、かつシート成形のように成形品を切り離した時のロスが発生しないという利点がある。しかしながら、薄肉成形品を高速で射出成形してサイクルを短縮し、コストダウンを図ろうとする場合、スチレン系樹脂中にゴム粒子が分散した従来のゴム変性スチレン系樹脂組成物では、流動性が不足する、実用強度が足りない、金型や成形品へ低分子物質が付着する等の問題があり、必ずしも満足のいく結果は得られていない。
これらの問題を解決するため、以下の特許文献1には、特定のゴム量、樹脂相の極限粘度、ミネラルオイル量、残留する単量体量及び2量体と3量体量が規定されたゴム変性スチレン系樹脂組成物が提案されている。
また、以下の特許文献2には、流動特性に優れるゴム変性スチレン系樹脂組成物として、スチレン系重合体連続相の質量平均分子量、ゴム質重合体粒子の質量平均粒子径、ゴム質重合体の含有濃度、メタノール可溶分が規定されたゴム変性スチレン系樹脂組成物が開示されている。
さらに、以下の特許文献3には、ウェルドラインやフローマーク等の成形品の表面外観不良が目立たないゴム変性スチレン系樹脂組成物として、二峰性の粒子径分布を有するゴム状重合体粒子が分散しているゴム変性スチレン系樹脂組成物が開示されている。
また、以下の特許文献4には、十分な剛性、衝撃強度、流動性、耐熱性に優れるゴム変性スチレン系樹脂組成物として、特定の高シスポリブタジエンゴムを用い、スチレン系樹脂の分子量分布曲線が2峰性であるゴム変性スチレン系樹脂組成物も開示されている。
特開昭60−192755号公報 特開昭63−159414号公報 特開平8−199021号公報 特開平10−110085号公報
このように、従来のゴム変性スチレン系樹脂組成物の有する、流動性が不足する、実用強度が足りない、金型や成形品へ低分子物質が付着する等の問題を解決すべく、解決策が種々提案されているが、今日、さらなる薄肉軽量化できる材料が求められている。ここで、一般的には、樹脂のメルトフローレイトを高くしてやれば薄肉射出成形に適した流動性が得られるが、機械的強度が大きく低下するという問題がある。また、可塑剤を多くして流動性を高くする場合には金型付着が増えるという問題がある。また、押出成形においてもシートやラミネートフィルムの薄肉化のため、流動性と衝撃強度のバランスに優れるゴム変性スチレン系樹脂組成物が望まれている。
かかる状況下、本発明が解決しょうとする課題は、流動性と機械強度に優れ、かつ金型付着の少ない成形品を得ることができる、ゴム変性スチレン系樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく、鋭意検討し実験を重ねた結果、予想外に、特定のメルトマスフローレイト、特定のゴム含有量、及び特定の可塑剤量とすることで、前記課題が解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]JIS K 7210に従って測定される200℃、49Nにおけるメルトマスフローレイト(MFR)が45〜80グラム/10分であり、ゴム含有量が3〜12質量%であり、かつ、可塑剤含有量が3〜6質量%であることを特徴とする、スチレン系樹脂中にゴム粒子が分散したゴム変性スチレン系樹脂組成物。
[2]前記ゴム粒子の粒子径が1.5〜4μmであり、かつ、膨潤指数が9〜14である、前記[1]に記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
[3]前記MFRが50〜75グラム/10分である、前記[1]又は[2]に記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
[4]5kJ/m以上のシャルピー衝撃強さ及び1800MPa以上の曲げ弾性率を有する射出成形品を得るための、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を用いることにより、製品強度に優れた薄肉射出成形品を得ることができる。また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物は、押出成形におけるシートやラミネートフィルムの薄肉化に対しても有用である。
以下、本願発明について詳細に説明する。
本明細書中、用語「ゴム変性スチレン系樹脂組成物」とは、ゴムの存在下スチレン系単量体を重合して得られる、「スチレン系樹脂」中にゴム粒子が分散した樹脂組成物をいう。
本発明に係る「スチレン系樹脂」に使用される「スチレン系単量体」としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましい。本発明に係る「スチレン系樹脂」としては、スチレンと共重合可能なコモノマーを共重合されたものとしても構わない。スチレンと共重合可能なコモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、αーメチルスチレン、o−,m−,p−メチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン等のスチレン以外の芳香族ビニル単量体類、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和脂肪酸類、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジ脂肪酸無水物類,N−フェニルマレイミド等の不飽和ジ脂肪酸イミド類等が挙げられる。これらの単量体は1種類又は2種類以上併用しても構わない。
本発明に係るスチレン系樹脂は、スチレン系単量体を熱重合又は有機過酸化物群を重合開始剤として重合させたものであることができる。有機過酸化物の具体例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジミリスチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシエステル類、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、p−メンタハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーアミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジクミルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなどの多官能開始剤類を挙げることができる。特に、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンが好ましい。
これらの有機過酸化物はスチレン系単量体重合のいずれかの工程にて重合系(重合原料溶液又は重合途中の溶液)に添加される。これらの有機過酸化物は重合原料溶液に加えられても、重合途中の溶液に必要に応じて複数回に分割して添加されてもよい。有機過酸化物の添加量は、重合原料溶液100質量部に対して好ましくは0.0005〜0.2質量部であり、より好ましくは0.01〜0.1質量部、さらに好ましくは0.03〜0.08質量部である。有機過酸化物の添加量が0.0005質量部未満では、開始剤添加の所望の効果が得られず、一方、0.2質量部を超えると、重合時に大量の反応熱が発生するため重合の制御が困難となる場合があり、好ましくない。
また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物に用いられるゴムとしては、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。これらの中でもポリブタジエンゴムが好ましい。ゴム変性スチレン系樹脂組成物中ゴム含有量は3〜12質量%、好ましくは4〜11質量%、より好ましくは5〜10質量%である。ゴム含有量が3質量%より低いと衝撃強度が低下し、一方、ゴム含有量が12質量%を超えると剛性が低下するため、好ましくない。
なお、ゴム変性スチレン系樹脂組成物中のゴム含有量は、以下の方法により得られるものである。
すなわち、試料約0.4gを100mlのメスフラスコに入れて精秤する(Wg)。クロロホルム75mlを加えてよく分散させた後、一塩化ヨウ素18gを1000mlの四塩化炭素に溶かした溶液20mlを加えて冷暗所に保存し、8時間後にクロロホルムで標線に合わせる。これを25ml採取し、ヨウ化カリウム10gを水800ml、エタノール200mlの混合液に溶かした溶液60mlを加え、チオ硫酸ナトリウム10gを1000mlの水に溶かした溶液(モル濃度x)で滴定する。本試験Aml、空試験Bmlとするし、ゴム含有量(%)は以下の式により求められる。
ゴム含有量(%)=10.8×x×(B−A)/W
本発明において、スチレン系単量体の重合方法に関しては、特に制約はなく、スチレン系単量体にゴムを溶かした溶液を用いて、通常の塊状重合、溶液重合、懸濁重合等を用いることができる。また、本発明においてはメルトフローレイト調整のために、溶媒や連鎖移動剤を使用することが好ましい。溶媒としては、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等が使用できる。溶媒の使用量は特に限定されるものではないが、重合原料溶液100重量%に対して0質量%〜50質量%の範囲の使用が好ましい。連鎖移動剤としてはn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等が用いられ、α−メチルスチレンダイマーが好ましい。連鎖移動剤の使用量は、重合原料溶液100重量%に対して好ましくは0.01質量%〜2質量%、より好ましくは0.1〜1質量%、さらに好ましく派0.2〜0.8質量%の範囲である。反応温度は、好ましくは80〜200℃、より好ましくは90〜180℃の範囲である。反応温度が80℃より低いと生産性が低下するため、工業的に不適当であり、一方、200℃を超えると低分子量重合体が多量に生成するため好ましくない。目標分子量が重合温度のみで調整できない場合は、開始剤量、溶媒量、連鎖移動剤量等で制御すればよい。反応時間は一般に0.5〜20時間、好ましくは2〜10時間である。反応時間が0.5時間より短いと反応が充分に進行せず、一方、20時間より長いと生産性が低く、工業的に不適当である。
スチレン系単量体の重合転化率については、特に限定されるものではないが、工業的な見地から、40%以上であることが望ましい。このようにして得られた重合溶液は、未反応単量体や溶媒を除去することにより、目的とするスチレン系樹脂を分離することができ、また懸濁重合の場合には、そのまま次の工程に供される。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物は、可塑剤を含有する。ゴム変性樹脂組成物中の可塑剤の含有量は、3〜6質量%であり、好ましくは3〜5質量%である。可塑剤の含有量が6質量%を超えると射出成形時の金型への、又は押出成形時のロールへの付着量が増加する。可塑剤の含有量が3質量%未満の場合は流動性が不十分となる。可塑剤の種類としては流動パラフィン(ミネラルオイル)、白色鉱油、フタル酸エステル類等が挙げられ、好ましくは流動パラフィン(ミネラルオイル)である。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物のJIS K 7210に従って測定される200℃、49N荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)は、45〜80グラム/10分、好ましくは50〜75グラム/10分である。MFRが45グラム/10分より小さいと薄肉射出成形が困難になり、一方、80グラム/10分より大きいと製品の強度が低下する。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物のMFRは、連鎖移動剤の種類・量、溶媒、重合温度・時間等を変えることにより調整することができる。例えば、連鎖移動剤を0.3質量%以上添加することなどによってMFRを45グラム/10分以上とすることができる。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物中に分散するゴム粒子の粒子径は衝撃強度と剛性の観点から1.5〜4μmであることが好ましく、より好ましくは2〜3μmである。ゴム粒子の粒子径はコールターカウンター法により中位径として求められ、具体的には以下の方法によって求められる。すなわち、装置としてベックマン社製コールターカウンターを用い、ゴム変性スチレン系樹脂組成物の少量をジメチルホルムアミドに溶解し、ゴム粒子が膨潤する前にすばやく機械に入れてゴム粒子の粒子径を測定する。ゴム粒子の粒子径は、ゴム粒子を構成するゴムの種類や分子量にも依存するが、ゴム変性スチレン系樹脂組成物製造時の開始剤量、連鎖移動剤量、重合時の攪拌機の回転数などにより制御することができる。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の膨潤指数は、衝撃強度の観点から9〜14であることが好ましく、より好ましくは10〜13である。膨潤指数は、ゴム粒子の架橋度を表す指標である。膨潤指数を上記範囲とすることで、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物は、衝撃特性に優れるものとなる。膨潤指数の測定は以下のようにして行う。ゴム変性スチレン系樹脂組成物1グラムを精秤し、20ミリリットルのトルエンに溶解する。20000rpmの遠心分離機で30分間遠心分離を行った後、遠沈管を傾けて(沈殿管を約45°傾け、約3秒間保持)上澄み液を捨てて膨潤ゲル重量Gsを秤量する。その後160℃の真空乾燥機で30分間真空乾燥を行ってから乾燥ゲル重量Gdを秤量する。膨潤指数はGs/Gdで計算する。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物には、慣用されている添加剤、例えば、酸化防止剤、滑剤、着色剤等を添加してもよい。慣用されている添加剤としては、具体的には、フェノール系又はリン系の酸化防止剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の滑剤、各種難燃剤等が挙げられる。また、ペレットの外部潤滑剤として、エチレンビスステアリルアミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等をペレットにまぶしてもよい。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を原料として用いた射出成形品の製造方法としては、通常知られている方法を用いることができる。成形機の温度は好ましくは150〜300℃、より好ましくは180〜270℃、さらに好ましくは200〜250℃である。成形機の温度が300℃より高いとゴム変性スチレン系樹脂が熱分解を起こすため好ましくなく、一方、150℃より低いと高粘度のために成形することができないため、好ましくない。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を原料として用いた押出成形品の製造方法としては、通常知られている方法を用いることができる。押出シートの厚みは、好ましくは10μmから3mmである。押出機の温度は、好ましくは150〜300℃、より好ましくは180〜270℃、さらに好ましくは200〜250℃である。押出機の温度が300℃より高いとゴム変性スチレン系樹脂が熱分解を起こすため好ましくなく、一方、150℃より低いと高粘度のために押し出すことができないため好ましくない。
また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を原料として用いた押出発泡積層シートの製造方法としては、通常知られている方法を用いることができる。Tダイを有する押出機よりゴム変性スチレン系樹脂組成物を押出し、巻いてある押出し発泡シートを繰り出してゴム変性スチレン系樹脂組成物を積層する。ゴム変性スチレン系樹脂部分の積層厚みは好ましくは10〜50μm、より好ましくは20〜40μmである。該積層厚みが10μmより薄いと容器の軽量化効果が十分でなく、一方、積層厚みが50μmを超えると押出発泡積層シートの単位面積あたりの重量が増加して軽量化の効果が得られない。押出機の温度は、好ましくは150〜300℃、より好ましくは180〜270℃、さらに好ましくは200〜250℃である。押出温度が300℃より高いとゴム変性スチレン系樹脂組成物が熱分解を起こすため好ましくなく、一方、150℃より低いと高粘度のために押出すことができないため好ましくない。このように製造された押出発泡積層シートを真空成型してトレー等の容器を作る。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
以下、実施例及び比較例に用いた分析法、発泡体特性の測定法を記す。
(1)メルトマスフローレイト(MFR)
JIS K 7210に従って200℃、49Nにおいて測定した。
(2)ゴム含有量(質量%)及びゴム粒子径(μm)
<ゴム含有量>
ゴム変性スチレン系樹脂組成物約0.4gを100mlのメスフラスコに入れて精秤した(Wg)。クロロホルム75mlを加えてよく分散させた後、一塩化ヨウ素18gを1000mlの四塩化炭素に溶かした溶液20mlを加えて冷暗所に保存し、8時間後にクロロホルムで標線に合わせた。これを25ml採取し、ヨウ化カリウム10gを水800ml、エタノール200mlの混合液に溶かした溶液60mlを加え、チオ硫酸ナトリウム10gを1000mlの水に溶かした溶液(モル濃度x)で滴定した。本試験Aml、空試験Bmlとし、ゴム含有量(%)は以下の式により求めた。
ゴム含有量(%)=10.8×x×(B−A)/W
<ゴム粒子径>
使用装置:ベックマン社製コールターカウンター。
少量のゴム変性スチレン系樹脂組成物をジメチルホルムアミドに溶解し、ゴム粒子が膨潤する前にすばやく上記機械に入れてゴム粒子の粒子径を測定した。
(3)膨潤指数
ゴム変性スチレン系樹脂組成物1グラムを精秤し、20ミリリットルのトルエンに溶解した。20000rpmの遠心分離機で30分間遠心分離を行った後、遠沈管を傾けて上澄み液を捨て、膨潤ゲル重量Gsを秤量した。その後160℃の真空乾燥機で30分間真空乾燥を行ってから乾燥ゲル重量Gdを秤量した。膨潤指数はGs/Gdで計算した。
(4)シャルピー衝撃試験
ゴム変性スチレン系樹脂組成物を200℃でJIS K 7152に従って射出成形片を作製し、JIS K 7111−1に従ってシャルピー衝撃強さを測定した。
(5)曲げ弾性率
ゴム変性スチレン系樹脂組成物を200℃でJIS K 7152に従って射出成形片を作製し、JIS K 7171に従って曲げ弾性率を測定した。
(6)金型付着
ゴム変性スチレン系樹脂組成物を200℃でJIS K 7152に従って射出成形片を作製した際、以下の評価基準に従って評価した:
○:100ショット連続成形後に金型に付着がない。
×:100ショット連続成形後に金型に付着がある。
(7)薄肉成形性
ゴム変性スチレン系樹脂組成物で厚さ0.5mmの薄肉容器を射出成形する際、以下の評価基準に従って評価した:
○:問題なく成形できる。
×:ショートショットとなる。
[実施例1]
<ゴム変性スチレン系樹脂組成物の製造>
スチレン77.5質量%、ポリブタジエンゴム(旭化成ケミカルズ社製ジエン55)5質量%、エチルベンゼン12質量%、流動パラフィン(ミネラルオイル)(出光興産社製CP−68N)5質量%、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.05質量%、α−メチルスチレンダイマー0.3質量%、酸化防止剤イルガノックス1076(BASFジャパン社製)0.15質量%を混合溶解した重合液を、攪拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な6.2リットルの層流型反応器−1に、3.2リットル/Hrで連続的に仕込み、温度を110℃/115℃/120℃に調整した。攪拌機の回転数は毎分100回転とした。反応器出口の反応率は32%であった。
続いて層流型反応器−1と直列に接続された、攪拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な6.2リットルの層流型反応器−2に反応液を送った。攪拌機の回転数は毎分20回転とし、温度は140℃/145℃/150℃に設定した。続いて攪拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な6.2リットルの層流型反応器−3に反応液を送った。攪拌機の回転数は毎分10回転とし、温度は160℃/165℃/170℃に設定した。
重合反応器(層流型反応器−3)から連続して排出される重合体溶液を真空ベントつき押出機で、10torrの減圧下、脱揮後ペレタイズした。押出機の温度は210℃に設定した。
重合条件を以下の表1に示す。また、こうして得られたゴム変性スチレン系樹脂組成物(ポリスチレン樹脂)のメルトマスフローレイト、ゴム含有量、ゴム粒子の粒子径、膨潤指数等の測定を行った。結果を以下の表2に示す。
Figure 2013040260
Figure 2013040260
メルトマスフローレイトは51グラム/10分であった。ゴム粒径は2.3μm、膨潤指数は12であった。射出成形品のシャルピー衝撃強さは8kJ/mであった。
[実施例2〜4]
重合条件を表1のとおり変更した以外は実施例1と同様に実施して、表2に示す性状のポリスチレン樹脂を製造した。結果を表2に示す。
[比較例1〜4]
重合条件を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
本発明は、薄肉射出成形品の原料として用いるゴム変性スチレン系樹脂組成物として好適に利用可能である。また、本発明は、押出成形におけるシートやラミネートフィルムの薄肉化を可能にするゴム変性スチレン系樹脂組成物として好適に利用可能である。

Claims (4)

  1. JIS K 7210に従って測定される200℃、49Nにおけるメルトマスフローレイト(MFR)が45〜80グラム/10分であり、ゴム含有量が3〜12質量%であり、かつ、可塑剤含有量が3〜6質量%であることを特徴とする、スチレン系樹脂中にゴム粒子が分散したゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  2. 前記ゴム粒子の粒子径が1.5〜4μmであり、かつ、膨潤指数が9〜14である、請求項1に記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  3. 前記MFRが50〜75グラム/10分である、請求項1又は2に記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  4. 5kJ/m以上のシャルピー衝撃強さ及び1800MPa以上の曲げ弾性率を有する射出成形品を得るための、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
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