JP2013038848A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝導ノイズ及び放射ノイズをさらに低減することが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置16は、導電部材106と直列回路30の出力端子84との間に配置され、出力端子84を導電部材106から離間させるスペーサ58a〜58d、60a〜60dを備える。第1SW素子50a〜50dでは、正極電極72が配電部材を介さずに正極端子80に接合され、負極電極76が第1配電部材58a〜58dを介して出力端子84に接続され、制御電極78が第1制御用配線122を介して第1制御端子86に接続される。第2SW素子54a〜54dでは、正極電極72が配電部材を介さずに出力端子84に接合され、負極電極76が第2配電部材60a〜60dを介して負極端子82に接続され、制御電極78が第2制御用配線126を介して第2制御端子90に接続される。
【選択図】図2

Description

この発明は、半導体装置に関する。より詳細には、この発明は、複数のスイッチング素子を直列に接続した1つ又は複数の直列回路を備える半導体装置に関する。
複数のスイッチング素子を直列に接続した直列回路を備える半導体装置が開発されている。このような半導体装置として、例えば、インバータ、コンバータ、NAND型フラッシュメモリが存在する(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、コモンモード電流を抑制することによって伝導ノイズ及び放射ノイズを小さくすることができる電力変換装置のインバータモジュールを提供することが目的とされている(要約、[0010])。この目的を達成するため、特許文献1では、スイッチング素子と逆並列ダイオードとを1アームとして上下に2アーム5、6を直列に接続した1相分(又は多相分)のスイッチングアーム直列回路を1つのパッケージに含み、このパッケージの外側に冷却用の銅ベース1が配置されてなる電力変換装置のインバータモジュール25aにおいて、スイッチングアーム直列回路の下アーム6が実装される銅パターン4の面積を、上アーム5が実装される銅パターン3の面積より小さくする(要約)。
特開2007−181351号公報
上記のように、特許文献1では、下アーム6が実装される銅パターン4の面積を、上アーム5が実装される銅パターン3の面積より小さくすることでコモンモード電流を抑制することによって伝導ノイズ及び放射ノイズを小さくするが、伝導ノイズ及び放射ノイズを低減する方法には更なる改善の余地がある。
この発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、伝導ノイズ及び放射ノイズをさらに低減することが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
この発明に係る半導体装置は、正極電極が形成された第1の面と、負極電極及び制御電極が形成され前記第1の面と反対側に位置する第2の面とを有する第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子を直列に接続した1つ又は複数の直列回路を備えるものであって、前記半導体装置は、グラウンドとなる導電部材と、前記直列回路の正極側に設けられた正極端子と、前記直列回路の負極側に設けられた負極端子と、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との間の中点に接続された出力端子と、前記正極端子及び前記負極端子と前記導電部材との間に配置された絶縁基板と、前記第1スイッチング素子のスイッチング動作を制御する第1制御端子と、前記第2スイッチング素子のスイッチング動作を制御する第2制御端子と、前記導電部材と前記出力端子との間に配置され、前記出力端子を前記導電部材から離間させるスペーサとを備え、前記第1スイッチング素子では、前記正極電極が配電部材を介さずに前記直列回路の正極端子に接合され、前記負極電極が第1配電部材を介して前記直列回路の出力端子に接続され、前記制御電極が第1制御用配線を介して前記第1制御端子に接続され、前記第2スイッチング素子では、前記正極電極が配電部材を介さずに前記直列回路の出力端子に接合され、前記負極電極が第2配電部材を介して前記直列回路の負極端子に接続され、前記制御電極が第2制御用配線を介して前記第2制御端子に接続されることを特徴とする。
この発明によれば、コモンモード電流に起因する伝導ノイズ及び放射ノイズを低減することが可能になると共に、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子の制御電極を直列回路の第1制御端子及び第2制御端子に接続することが容易となる。
すなわち、この発明によれば、直列回路の出力端子がスペーサにより導電部材(グラウンド)から離間されるため、スペーサの高さ分だけ出力端子をグラウンドから離間させることが可能となる。従って、出力端子とグラウンドとの間の浮遊容量を低減することができる。これにより、電圧変動が比較的激しい出力端子とグラウンドとの間のインピーダンスを大きくすることが可能となり、電圧変動によって出力端子とグラウンドとの間に流れるコモンモード電流を小さくすることができる。従って、電源側又は出力側へ流れるコモンモード電流を小さくすることが可能となる。その結果、コモンモード電流に起因する伝導ノイズ及び放射ノイズを低減することができる。
また、この発明によれば、第1スイッチング素子の負極電極が第1配電部材を介して直列回路の出力端子に接続される。このため、負極電極と同じ面に形成された制御電極を避けて第1配電部材を配置すれば、第1スイッチング素子の制御電極と出力端子の間に空間(第1空間)を形成することが可能となる。従って、当該第1空間に第1制御用配線を配置すれば、第1スイッチング素子の制御電極を第1制御端子に接続することが比較的容易となる。
同様に、この発明によれば、第2スイッチング素子の負極電極が第2配電部材を介して直列回路の負極端子に接続される。このため、負極電極と同じ面に形成された制御電極を避けて第2配電部材を配置すれば、第2スイッチング素子の制御電極と負極端子の間に空間(第2空間)を形成することが可能となる。従って、当該第2空間に第2制御用配線を配置すれば、第2スイッチング素子の制御電極を第2制御端子に接続することが比較的容易となる。
前記第1配電部材及び前記第2配電部材の少なくとも一方は、前記スペーサを兼ねてもよい。これにより、第1配電部材及び第2配電部材の少なくとも一方とスペーサとを別々の部材にする場合と比べて、半導体装置を構成する部品点数を削減することができると共に、半導体装置をコンパクトにすることが可能となる。
前記第1制御端子は、前記絶縁基板に固定され、前記第2制御端子は、前記絶縁基板とは別の絶縁基板に固定されてもよい。
上記構成によれば、グラウンド(導電部材)と正極端子の間に絶縁基板が配置され、第1スイッチング素子の正極電極は配電部材を介さずに直列回路の正極端子に接合され且つ第1制御端子は前記絶縁基板に固定された状態となっている。このため、正極電極とは反対側の制御電極は、前記第1空間を介して第1制御端子に比較的接近させて配置することが可能となる。加えて、第1スイッチング素子の制御電極と第1制御端子の間を結ぶ第1制御用配線は、前記第1空間に形成することが可能となる。従って、当該第1制御用配線を比較的簡易に(例えば、既存の配線接続装置を用いて)形成することが可能となる。
第2スイッチング素子の制御電極と第2制御端子の間を結ぶ第2制御用配線についても同様である。すなわち、上記構成によれば、第2スイッチング素子の正極電極は配電部材を介さずに直列回路の正極端子に接合され且つ第2制御端子は前記別の絶縁基板に固定された状態となっている。このため、正極電極とは反対側の制御電極は、前記第2空間を介して第2制御端子に比較的接近させて配置することが可能となる。加えて、第2スイッチング素子の制御電極と第2制御端子の間を結ぶ第2制御用配線は、前記第2空間に形成することが可能となる。従って、当該第2制御用配線を比較的簡易に(例えば、既存の配線接続装置を用いて)形成することが可能となる。
この発明によれば、コモンモード電流に起因する伝導ノイズ及び放射ノイズを低減することが可能になると共に、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子の制御電極を直列回路の第1制御端子及び第2制御端子に接続することが容易となる。
この発明の一実施形態に係る半導体装置としてのインバータを搭載した駆動システムの回路図である。 前記インバータに含まれる1つのアーム直列回路及びその周辺の簡略的な外観構成図である。 図2のIII−III線における断面図である。 図2のIV−IV線における断面図を上下に反転させた図である。 図5Aは、スイッチング素子の第1の面を簡略的に示す外観構成図であり、図5Bは、スイッチング素子の第2の面を簡略的に示す外観構成図である。 1つの前記アーム直列回路に着目して複数の地点での浮遊容量を示す回路図である。 図6のより詳細を示す回路図である。 第1変形例に係る半導体装置としてのインバータを搭載した回路の回路図である。 第2変形例に係る半導体装置としてのインバータのスイッチング素子を用いた1つのアーム直列回路及びその周辺の簡略的な外観構成図である。 第3変形例に係る半導体装置としてのインバータのスイッチング素子を用いた1つのアーム直列回路及びその周辺の簡略的な外観構成図である。 図10のXI−XI線の断面図である。 図10のXII−XII線における断面図を上下に反転させた図である。
I.一実施形態
A.構成の説明
1.駆動システム10の構成
(1−1)全体構成
図1は、この発明の一実施形態に係る半導体装置としてのインバータ16を搭載した駆動システム10の回路構成図である。
図1に示すように、駆動システム10は、インバータ16に加え、モータ12と、直流電源14(以下「電源14」ともいう。)と、コンデンサ18と、電子制御装置20(以下「ECU20」という。)とを有する。
(1−2)モータ12
モータ12は、3相交流ブラシレス式であり、ECU20に制御されるインバータ16を介して電源14から電力が供給される。そして、当該電力に応じた駆動力を生成する。モータ12は、例えば、車両の走行モータ又は電動パワーステアリング装置のアシスト力生成用のモータに用いることができる。或いは、後述するような別の用途に用いることも可能である。
(1−3)直流電源14
直流電源14は、駆動システム10の用途に応じて適宜選択されるものであり、一次電池又は二次電池のいずれともすることができる。例えば、モータ12が比較的高出力を要する用途で用いられる場合(例えば、車両の走行用モータとして用いられる場合)、電源14は、リチウムイオン2次電池、ニッケル水素2次電池又はキャパシタ等の蓄電装置(エネルギストレージ)とすることができる。また、モータ12が比較的低出力を要する用途で用いられる場合(例えば、車両の電動パワーステアリング装置として用いられる場合)、電源14は、鉛蓄電池等の蓄電装置とすることができる。
(1−4)インバータ16
インバータ16は、3相ブリッジ型の構成とされて、直流/交流変換を行い、電源14からの直流を3相の交流に変換してモータ12に供給する。
図1に示すように、インバータ16は、3相のアーム直列回路30u、30v、30wを有する。U相のアーム直列回路30uは、スイッチング素子34u(以下「上SW素子34u」という。)及び逆並列ダイオード36u(以下「上ダイオード36u」)を有する上アーム32uと、スイッチング素子40u(以下「下SW素子40u」という。)及び逆並列ダイオード42u(以下「下ダイオード42u」という。)とを有する下アーム38uとで構成される。
同様に、V相のアーム直列回路30vは、上スイッチング素子34v(以下「上SW素子34v」という。)及び逆並列ダイオード36v(以下「上ダイオード36v」という。)を有する上アーム32vと、下スイッチング素子40v(以下「下SW素子40v」という。)及び逆並列ダイオード42v(以下「下ダイオード42v」という。)を有する下アーム38vとで構成される。W相のアーム直列回路30wは、上スイッチング素子34w(以下「上SW素子34w」という。)と逆並列ダイオード36w(以下「上ダイオード36w」という。)を有する上アーム32wと、下スイッチング素子40w(以下「下SW素子40w」という。)と逆並列ダイオード42w(以下「下ダイオード42w」という。)を有する下アーム38wとで構成される。
上SW素子34u、34v、34wと下SW素子40u、40v、40wは、例えば、1つ又は複数のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等のスイッチング素子から構成することができる。本実施形態では、上SW素子34u、34v、34w及び下SW素子40u、40v、40wはそれぞれ4つのスイッチング素子50a〜50d、54a〜54dから構成される(詳細は後述する。)。同様に、上ダイオード36u、36v、36w及び下ダイオード42u、42v、42wはそれぞれ1つ又は複数のダイオードから構成することができ、本実施形態ではそれぞれ2つのダイオード52a、52b、56a、56bから構成される(詳細は後述する。)。
なお、以下では、各アーム直列回路30u、30v、30wをアーム直列回路30と総称し、各上アーム32u、32v、32wを上アーム32と総称し、各下アーム38u、38v、38wを下アーム38と総称し、各上SW素子34u、34v、34wを上SW素子34と総称し、各下SW素子40u、40v、40wを下SW素子40と総称し、各上ダイオード36u、36v、36wを上ダイオード36と総称し、各下ダイオード42u、42v、42wを下ダイオード42と総称する。
各アーム直列回路30において、上アーム32u、32v、32wと下アーム38u、38v、38wの中点44u、44v、44wは、モータ12の巻線46u、46v、46wに連結されている。以下では、中点44u、44v、44wを中点44と総称し、巻線46u、46v、46wを巻線46と総称する。
各上SW素子34及び各下SW素子40は、ECU20からの駆動信号UH、VH、WH、UL、VL、WLにより駆動される。
(1−5)ECU20
ECU20は、図示しない各種センサからの出力値に基づき、モータ12の出力を制御する。ECU20は、ハードウェアの構成として、入出力部、演算部及び記憶部(いずれも図示せず)を有する。
2.インバータ16の詳細
(2−1)全体構成
図2は、1つのアーム直列回路30及びその周辺の簡略的な外観側面図である。図3は、図2のIII−III線における断面図であり、図4は、図2のIV−IV線における断面図を上下に反転させた図(視線の方向を図3に合わせた図)である。本実施形態では、図2〜図4に示すアーム直列回路30を3組並列に配置することによりインバータ16を構成する(図1参照)。なお、図2〜図4において、「P」は正極側を示し、「N」は負極側を示し、「OUT」は出力側を示す。
図2〜図4に示すように、アーム直列回路30は、上アーム32側のスイッチング素子50a〜50d(以下「上SW素子50a〜50d」といい、「上SW素子50」と総称する。)と、上アーム32側のダイオード52a、52b(以下「上ダイオード52a、52b」といい、「上ダイオード52」と総称する。)と、下アーム38側のスイッチング素子54a〜54d(以下「下SW素子54a〜54d」といい、「下SW素子54」と総称する。)と、下アーム38側のダイオード56a、56b(以下「下ダイオード56a、56b」といい、「下ダイオード56」と総称する。)と、第1スペーサ58a〜58d(以下「第1スペーサ58」と総称する。)と、第2スペーサ60a〜60d(以下「第2スペーサ60」と総称する。)と、第3スペーサ62a、62b(以下「第3スペーサ62」と総称する。)と、第4スペーサ64a、64b(以下「第4スペーサ64」と総称する。)とを有する。
上記の通り、上SW素子50a〜50dは、図1の回路図中の1つの上SW素子34を構成する。このため、上SW素子34を上スイッチング素子部34ともいう。また、上ダイオード52a、52bは、図1の回路図中の1つの上ダイオード36を構成する。このため、上ダイオード36を上ダイオード部36ともいう。さらに、下SW素子54a〜54dは、図1の回路図中の1つの下SW素子40を構成する。このため、下SW素子40を下スイッチング素子部40ともいう。さらにまた、下ダイオード56a、56bは、図1の回路図中の1つの下ダイオード42を構成する。このため、下ダイオード42を下ダイオード部42ともいう。
このように図1の回路中の1つの構成要素(上スイッチング素子部34、上ダイオード部36、下スイッチング素子部40及び下ダイオード部42)に対応して図2〜図4では複数の構成要素(上SW素子50a〜50d、上ダイオード52a、52b、下SW素子54a〜54d、下ダイオード56a、56b、第1スペーサ58a〜58d、第2スペーサ60a〜60d、第3スペーサ62a、62d及び第4スペーサ64a、64b)を用いることで、大電流を流すことが可能となる。なお、上SW素子50a〜50d、上ダイオード52a、52b、下SW素子54a〜54d、下ダイオード56a、56b、第1スペーサ58a〜58d、第2スペーサ60a〜60d、第3スペーサ62a、62d及び第4スペーサ64a、64bの数は、これに限定されず、仕様に応じて1つ以上であればよい。
本実施形態において、上SW素子50と下SW素子54には、同一の仕様のスイッチング素子(例えば、MOSFET又はIGBT)が用いられる。また、図5A及び図5Bに示すように、本実施形態の上SW素子50と下SW素子54は、第1の面70(ドレイン面)に正極電極72が形成され、第1の面70と反対側の第2の面74(ソース面)に負極電極76及びゲート電極78(制御電極)が形成される。なお、図5A中の「P」は正極側を示し、図5B中の「N」は負極側を示す。
以下では、上SW素子50と下SW素子54の構成要素を区別するため、上SW素子50の正極電極72、負極電極76、ゲート電極78を、上正極電極72up、上負極電極76up、上ゲート電極78upと呼び、下SW素子54の正極電極72、負極電極76、ゲート電極78を、下正極電極72low、下負極電極76low、下ゲート電極78lowと呼ぶ。なお、図2〜図4では、正極電極72、負極電極76、ゲート電極78の図示を省略している。
図2〜図4に示すように、アーム直列回路30の周囲には、インバータ16の正極端子80、負極端子82、出力端子84、上ゲートライン86(第1制御端子)、上ソースライン88、下ゲートライン90(第2制御端子)及び下ソースライン92が配置されている。正極端子80、上ゲートライン86及び上ソースライン88は、第1絶縁基板100上に形成されている。負極端子82は、第2絶縁基板102上に形成されている。出力端子84、下ゲートライン90及び下ソースライン92は、第3絶縁基板104上に形成されている。
第1絶縁基板100、第2絶縁基板102及び第3絶縁基板104は、例えば、セラミック製の板状部材である。第1絶縁基板100及び第2絶縁基板102は、ヒートシンク106上に形成され、第3絶縁基板104は、出力端子84上に形成されている。なお、第1絶縁基板100及び第2絶縁基板102は別部材とせず、同一部材としてもよい。ヒートシンク106は、インバータ16を冷却するものであり、グラウンドGND(基準電位)に接続されている。
正極端子80、負極端子82及び出力端子84は、板状の導電部材(例えば、銅板)である。正極端子80は、アーム直列回路30の正極側に接続され、負極端子82は、アーム直列回路30の負極側に接続され、出力端子84は、アーム直列回路30の出力側に接続される(図1及び図6参照)。
図2に示すように、本実施形態では、アーム直列回路30の積層方向(図2中、Z方向)に見たとき、正極端子80及び負極端子82は同一平面上にあり、出力端子84と平行になっている。
正極端子80、上ゲートライン86及び上ソースライン88は、DBC(Direct Bonding Copper)として第1絶縁基板100に直接形成されている。負極端子82は、DBCとして第2絶縁基板102に直接形成されている。出力端子84、下ゲートライン90及び下ソースライン92は、DBCとして第3絶縁基板104に直接形成されている。また、第1絶縁基板100及び第2絶縁基板102のうちヒートシンク106側の面には、銅製のベタパターン108、110(図2)がDBCとして形成されている。
さらに、ベタパターン108、110とヒートシンク106の間には、半田、銅板及びサーマルグリス(いずれも図示せず)が配置されている。すなわち、ベタパターン108、110は、前記半田を介して前記銅板に接合され、前記銅板は前記サーマルグリスを介してヒートシンク106に支持されている。
(2−2)上アーム32
各上SW素子50a〜50dの正極電極72(上正極電極72up)は、半田(図示せず)を介してインバータ16の正極端子80に接合されている(図2及び図3)。同様に、各上ダイオード52の正極側は、半田(図示せず)を介してインバータ16の正極端子80に接合されている。これらの接合はろう付け等の接合方法であってもよい。上正極電極72upと正極端子80の接合及び上ダイオード52の正極側と正極端子80の接合にワイヤボンディングやバスバー等の配線(配電部材)は用いられない。
各上SW素子50a〜50dの負極電極76(上負極電極76up)は、第1スペーサ58a〜58dを介してインバータ16の出力端子84に接続されていると共に、ワイヤボンディング120を介して上ソースライン88に接続されている。上ソースライン88を介してECU20に出力される信号(上ソース信号Ssh)は、上負極電極76upにおける電圧を検出するために用いられる。各上ダイオード52a、52bの負極側は、第3スペーサ62a、62bを介してインバータ16の出力端子84に接続されている。
各上SW素子50a〜50dのゲート電極78(上ゲート電極78up)は、ECU20と接続される上ゲートライン86にワイヤボンディング122(第1制御用配線)を介して接続されている。従って、各上ゲート電極78upには、上ゲートライン86を介してECU20から同一の駆動信号が供給され、上SW素子50a〜50dは同一のオンオフ動作を行う。なお、1つ又は2つの上ゲート電極78up毎に上ゲートライン86を設ける等の構成も可能である。
(2−3)下アーム38
各下SW素子54a〜54dの正極電極72(下正極電極72low)は、半田(図示せず)を介してインバータ16の出力端子84に接合されている(図2及び図4)。同様に、各下ダイオード56a、56bの正極側は、半田(図示せず)を介してインバータ16の出力端子84に接合されている。これらの接合はろう付け等の接合方法であってもよい。下正極電極72lowと出力端子84の接合及び下ダイオード56の正極側と出力端子84の接合にワイヤボンディングやバスバー等の配線(配線部材)は用いられない。
各下SW素子54a〜54dの負極電極76(下負極電極76low)は、第2スペーサ60a〜60dを介してインバータ16の負極端子82に接続されていると共に、ワイヤボンディング124を介して下ソースライン92に接続されている。下ソースライン92を介してECU20に出力される信号(下ソース信号Ssl)は、下負極電極76lowにおける電圧を検出するために用いられる。
各下SW素子54a〜54dのゲート電極78(下ゲート電極78low)は、ECU20と接続される下ゲートライン90にワイヤボンディング126(第2制御用配線)を介して接合されている。従って、各下ゲート電極78lowには、同一の駆動信号が供給され、下SW素子54a〜54dは同一のオンオフ動作を行う。なお、1つ又は2つの下ゲート電極78low毎に下ゲートライン90を設ける等の構成も可能である。
(2−4)第1〜第4スペーサ58、60、62、64
本実施形態において、第1〜第4スペーサ58、60、62、64は、いずれも導電性材料(例えば、銅)から構成される直方体状の部材である。後述するように、別の配電部材(ワイヤボンディング、バスバー等)を設ける場合、非導電性材料から構成することもできる。
第1スペーサ58及び第3スペーサ62は、正極端子80と出力端子84とを電気的に接続させつつ、正極端子80と出力端子84とを物理的に離間させる。すなわち、第1スペーサ58a〜58dは、上SW素子50a〜50dの負極電極76と出力端子84とを連結する。第1スペーサ58a〜58dと上SW素子50a〜50dの負極電極76の間及び第1スペーサ58a〜58dと出力端子84の間は半田130により接合される。図3に示すように、第1スペーサ58a〜58dは、X−Y方向の面積(Z方向に見たときの面積)が上SW素子50a〜50dよりも小さい。これは、ワイヤボンディング120、122を形成するためである。
第3スペーサ62a、62bは、上ダイオード52a、52bの負極側と出力端子84とを連結する。第3スペーサ62a、62bと上ダイオード52a、52bの負極側の間及び第3スペーサ62a、62bと出力端子84の間は半田130により接合される。図3に示すように、第3スペーサ62a、62bは、上SW素子50a〜50d及び第1スペーサ58a〜58dの関係と比較して、X−Y方向の面積(Z方向に見たときの面積)が上ダイオード52a、52bに近い。これは、ワイヤボンディング120、122のような配電部材を要さないためである。
第2スペーサ60及び第4スペーサ64は、負極端子82と出力端子84とを電気的に接続させつつ、負極端子82と出力端子84とを物理的に離間させる。すなわち、第2スペーサ60a〜60dは、下SW素子54の負極電極76と負極端子82とを連結する。第2スペーサ60a〜60dと下SW素子54の負極電極76の間及び第2スペーサ60a〜60dと負極端子82の間は半田130により接合される。図4に示すように、第2スペーサ60は、X−Y方向の面積(Z方向に見たときの面積)が下SW素子54よりも小さい。これは、ワイヤボンディング124、126を形成するためである。
第4スペーサ64a、64bは、下ダイオード56a、56bの負極側と負極端子82とを連結する。第4スペーサ64a、64bと下ダイオード56a、56bの負極側の間及び第4スペーサ64a、64bと出力端子84の間は半田130により接合される。図4に示すように、第4スペーサ64a、64bは、下SW素子54及び第2スペーサ60a〜60dの関係と比較して、X−Y方向の面積(Z方向に見たときの面積)が下ダイオード56a、56bに近い。これは、ワイヤボンディング124、126のような配電部材を要さないためである。
(2−5)アーム直列回路30の組立て
アーム直列回路30の組立ては、例えば、次のように行う。すなわち、第1絶縁基板100に正極端子80、上SW素子50a〜50d及び上ダイオード52a、52bを実装すると共に、上ゲートライン86及び上ソースライン88を形成する。次いで、上SW素子50a〜50dと上ゲートライン86及び上ソースライン88との間に、ワイヤボンディング120、122を形成する。第2絶縁基板102に負極端子82を実装する。
また、第3絶縁基板104に出力端子84、下SW素子54a〜54d及び下ダイオード56a、56bを実装すると共に、下ゲートライン90及び下ソースライン92を形成する。次いで、下SW素子54a〜54dと下ゲートライン90及び下ソースライン92との間に、ワイヤボンディング124、126を形成する。
次いで、第1絶縁基板100及び第2絶縁基板102をヒートシンク106に取り付ける。続いて、第1〜第4スペーサ58a〜58d、60a〜60d、62a、62b、64a、64bを、半田130を用いて第1絶縁基板100の上SW素子50a〜50d及び上ダイオード52a、52bと第2絶縁基板102の負極端子82に取り付ける。
その後、第1〜第4スペーサ58a〜58d、60a〜60d、62a、62b、64a、64bを、半田130を用いて第3絶縁基板104の下SW素子54a〜54d、下ダイオード56a、56b及び出力端子84に取り付ける。
上記のように、第1絶縁基板100、第2絶縁基板102及び第3絶縁基板104が分離した状態で、ワイヤボンディング120、122、124、126を形成することができるため、アーム直列回路30を簡易に製造することが可能となる。
B.浮遊容量
図6は、1つのアーム直列回路30に着目して複数の地点P1〜P3での浮遊容量C1〜C3を示す回路図である。図7は、図6のより詳細を示す回路図である。以下では、主として、図2、図6及び図7を参照しながら、地点P1〜P3における浮遊容量C1〜C3について説明する。
アーム直列回路30を動作させると、地点P1〜P3とグラウンドGND(ヒートシンク106)間において、浮遊容量C1〜C3が発生する可能性がある。これらの浮遊容量C1〜C3が存在するため、上SW素子32(上SW素子50a〜50d)及び下SW素子38(下SW素子54a〜54d)のスイッチング時にノイズがグラウンドGND(ヒートシンク106)を介してコモン(電源14側又は他の機器側)に伝わり、伝導ノイズ及び放射ノイズが発生する可能性がある(伝導ノイズ及び放射ノイズの発生の仕組みについては、特許文献1の段落[0008]、[0009]参照)。
一般に、キャパシタのインピーダンスXcは、次の式(1)により求められる。
Xc=1/(jωC) ・・・(1)
上記において、jは虚数単位、ωは角周波数[Hz]、Cは静電容量[F]である。
上記式(1)によれば、アーム直列回路30の場合、上SW素子32(上SW素子50a〜50d)及び下SW素子38(下SW素子54a〜54d)のスイッチング周波数[Hz]が高くなるほど浮遊容量C1〜C3に電流が流れ易くなるが、容量値Cを小さくすることで浮遊容量C1〜C3に電流を流れ難くすることができる。特に、スイッチングにより電位変動が起こる地点P2(中点44を構成する出力端子84)とグラウンドGND(ヒートシンク106)との間の浮遊容量C2からコモン側へ流れるコモンモード電流Icomの影響が大きいため、浮遊容量C2のインピーダンスを大きくすることが重要である。
また、一般に、平行平板(極板)間の静電容量C[F]は、次の式(2)により表される。
C=ε0・ε・(S/d) ・・・(2)
上記式(2)において、ε0は、真空の誘電率[F/m]、εは、比誘電率、Sは、極板の面積[m]、dは、平行平板(極板)間の間隙[m]を示す。上記式(2)によれば、平行平板(極板)の間隙dが大きくなるほど、静電容量Cは小さくなる。
出力端子84を第1絶縁基板100又は第2絶縁基板102上に形成する場合と比べ、本実施形態では、出力端子84が第1〜第4スペーサ58、60、62、64を介して第1絶縁基板100、第2絶縁基板102及びグラウンドGND(ヒートシンク106)から遠ざかる。このため、出力端子84とグラウンドGND(ヒートシンク106)との間隙(上記間隙dに対応)は大きくなる。このため、上記式(2)より、浮遊容量C2は相対的に小さくなる。また、浮遊容量C2が相対的に小さくなると、上記式(1)より、インピーダンスXcが相対的に大きくなる。その結果、コモンモード電流Icomを小さくすることが可能となり、コモンモード電流Icomに起因する伝導ノイズ及び放射ノイズを抑制することができる。
C.本実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、コモンモード電流Icomに起因する伝導ノイズ及び放射ノイズを低減することが可能になると共に、上SW素子34(上SW素子50a〜50d)及び下SW素子40(下SW素子54a〜54d)のゲート電極78を上ゲートライン86及び下ゲートライン90に接続することが容易となる。
すなわち、本実施形態によれば、出力端子84が第1〜第4スペーサ58、60、62、64によりグラウンドGND(ヒートシンク106)から離間されるため、第1〜第4スペーサ58、60、62、64の高さ分だけ出力端子84をグラウンドGNDから離間させることが可能となる。従って、出力端子84とグラウンドGNDとの間の浮遊容量C2を低減することができる。これにより、電圧変動が比較的激しい出力端子84とグラウンドGNDとの間のインピーダンスを大きくすることが可能となり、電圧変動によって出力端子84とグラウンドGNDとの間に流れるコモンモード電流Icomを小さくすることができる。従って、電源14側又は出力側へ流れるコモンモード電流Icomを小さくすることが可能となる。その結果、コモンモード電流Icomに起因する伝導ノイズ及び放射ノイズを低減することができる。
また、本実施形態によれば、上SW素子50a〜50dの負極電極76upが第1スペーサ58a〜58dを介して出力端子84に接続される。このため、上負極電極76upと同じ第2の面74に形成された上ゲート電極78upを避けて第1スペーサ58a〜58dを配置すれば、上ゲート電極78upと出力端子84の間に空間(第1空間)を形成することが可能となる。従って、当該第1空間にワイヤボンディング120を配置することで、上ゲート電極78upを上ゲートライン86に接続することが比較的容易となる。
同様に、本実施形態によれば、各下SW素子54a〜54dの下負極電極76lowが第2スペーサ60a〜60dを介して負極端子82に接続される。このため、下負極電極76lowと同じ第2の面74に形成された下ゲート電極78lowを避けて第2スペーサ60a〜60dを配置すれば、下ゲート電極78lowと負極端子82の間に空間(第2空間)を形成することが可能となる。従って、当該第2空間にワイヤボンディング124を配置すれば、下ゲート電極78lowを下ゲートライン90に接続することが比較的容易となる。
本実施形態において、第1スペーサ58a〜58dは、上SW素子50a〜50dと出力端子84を電気的に接続する機能(導電機能)と、グラウンドGND(ヒートシンク106)と出力端子84を物理的に離間させる機能(離間機能)を兼ね備えている。これにより、導電機能を有する部材と離間機能を有する部材を別々に設ける場合と比べて、インバータ16を構成する部品点数を削減することができると共に、インバータ16をコンパクトにすることが可能となる。
本実施形態において、上ゲートライン86は、第1絶縁基板100に固定され、下ゲートライン90は、第3絶縁基板104に固定される。上記構成によれば、グラウンドGND(ヒートシンク106)と正極端子80の間に第1絶縁基板100が配置され、上正極電極72upは配電部材を介さずに正極端子80に接合され且つ上ゲートライン86は第1絶縁基板100に固定された状態となっている。このため、上正極電極72upとは反対側の上ゲート電極78upは、前記第1空間を介して上ゲートライン86に比較的接近させて配置することが可能となる。加えて、上ゲート電極78upと上ゲートライン86の間を結ぶワイヤボンディング120は、前記第1空間に形成することが可能となる。従って、ワイヤボンディング120を比較的簡易に(例えば、既存の配線接続装置を用いて)形成することが可能となる。
下ゲート電極78lowと下ゲートライン90の間を結ぶワイヤボンディング126についても同様である。すなわち、上記構成によれば、下正極電極72lowは配電部材を介さずに出力端子84に接合され且つ下ゲートライン90は第3絶縁基板104に固定された状態となっている。このため、下正極電極72lowとは反対側の下ゲート電極78lowは、前記第2空間を介して下ゲートライン90に比較的接近させて配置することが可能となる。加えて、下ゲート電極78lowと下ゲートライン90の間を結ぶワイヤボンディング126は、前記第2空間に形成することが可能となる。従って、ワイヤボンディング126を比較的簡易に(例えば、既存の配線接続装置を用いて)形成することが可能となる。
II.変形例
なお、この発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
A.インバータ16及び駆動システム10
上記実施形態では、3相ブリッジ式のインバータ16を用いたが、スイッチング素子と逆並列ダイオードとを有する上アーム及び下アームを直列に接続した単相又は多相のアーム直列回路を備えるインバータであれば、これに限らない。例えば、図8に示すように、単相ブリッジ式のインバータ16aに適用することもできる。図8のインバータ16aは、直流電源14からの直流を交流に変換して巻線46a(負荷)及び抵抗132に供給する。
インバータ16aは、2つのアーム直列回路30a、30bを有する。アーム直列回路30aは、スイッチング素子34a(以下「上SW素子34a」という。)及び逆並列ダイオード36a(以下「上ダイオード36a」という。)を有する上アーム32aと、スイッチング素子40a(以下「下SW素子40a」という。)及び逆並列ダイオード42a(以下「下ダイオード42a」という。)とを有する下アーム38aとで構成される。同様に、アーム直列回路30bは、スイッチング素子34b(以下「上SW素子34b」という。)及び逆並列ダイオード36b(以下「上ダイオード36b」という。)を有する上アーム32bと、スイッチング素子40b(以下「下SW素子40b」という。)及び逆並列ダイオード42b(以下「下ダイオード42b」という。)とを有する下アーム38bとで構成される。
インバータ16aにおいても、上アーム32a、32bと下アーム38a、38bの中点44a、44bの位置に対応する出力端子84を第1〜第4スペーサ58、60、62、64によりグラウンドGND(ヒートシンク106)から離間させることにより、中点44a、44bにおける浮遊容量C2を低減し、伝導ノイズ及び放射ノイズを抑制することが可能となる。加えて、上SW素子34a、34b及び下SW素子40a、40bのゲート電極78をアーム直列回路30a、30bの上ゲートライン86及び下ゲートライン90に接続することが容易となる。
上記実施形態及び図8の変形例では、インバータ16、16aに本発明を適用した事例について説明したが、スイッチング素子と逆並列ダイオードとを有する上アーム及び下アームを直列に接続した単相又は多相のアーム直列回路を備える半導体装置であれば、これに限らない。例えば、昇降圧式且つチョッパ型のDC/DCコンバータ(例えば、特開2009−153343号公報の図1及び図9参照)に適用することもできる。
或いは、複数のスイッチング素子を直列に接続した直列回路を備える半導体装置であれば、逆並列ダイオードを有さないものであってもよい。例えば、NAND型のフラッシュメモリに適用することもできる。
上記実施形態では、図1の回路図中の1つの上SW素子34及び下SW素子40に対応するものとして、それぞれ4つの上アーム素子50a〜50d及び下アーム素子54a〜54dを示したが(図2〜図4)、これらの数は、仕様に合わせて1つ以上あればよい。同様に、図1の回路図中の1つの上ダイオード36及び下ダイオード42に対応するものとして、それぞれ2つの上ダイオード52a、52b及び下ダイオード56a、56bを示したが(図2〜図4)、これらの数は、仕様に合わせて1つ以上あればよい。
上記実施形態では、駆動システム10のモータ12は、例えば、車両の駆動用又は電動パワーステアリング用のものとしたが、2つのスイッチング素子の中点において浮遊容量C2が発生する構成であれば、これに限らない。例えば、洗濯機、掃除機、エアコンディショナ、冷蔵庫、電磁調理器、交流(AC)サーボ、鉄道車両及びエレベータにおけるモータに用いるものであってもよい。
上記実施形態では、駆動システム10は、モータ12を駆動するものであったが、複数のスイッチング素子の中点において浮遊容量C2が発生する構成であれば、これに限らない。例えば、駆動システム10は、無停電電源装置、太陽光発電又は風力発電用のパワーコンディショナにおけるインバータ(例えば、特開2011−103497号公報の図4参照)に用いることも可能である。
B.ゲート電極78
上記実施形態では、上SW素子50及び下SW素子54では、ゲート電極78を負極電極76と同じ面(第2の面74)に形成したが(図5B)、ゲート電極78の位置はこれに限らない。例えば、ゲート電極78を正極電極72と同じ面(第1の面70)に形成し、負極電極76と同じ面(第2の面74)にはゲート電極78を形成しない構成も可能である。この場合、上SW素子50の負極電極76を出力端子84に接合させ、下SW素子54の負極電極76を負極端子82に接合させることが好ましい。換言すると、正極端子80と第1スペーサ58の間にある上SW素子50を、出力端子84と第1スペーサ58の間に配置すると共に、出力端子84と第2スペーサ60の間にある下SW素子54を、負極端子82と第2スペーサ60の間に配置することが好ましい。そのような構成であっても、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。すなわち、コモンモード電流Icomに起因する伝導ノイズ及び放射ノイズを低減することが可能になると共に、各ワイヤボンディングの形成が容易となる。
C.第1〜第4スペーサ58、60、62、64
上記実施形態では、出力端子84をグラウンドGNDから離間させるためのスペーサとして、直方体状且つ導電性の第1〜第4スペーサ58、60、62、64を用いたが、出力端子84を第1絶縁基板100及びグラウンドGND(ヒートシンク106)から離間させることができる部材であれば、これに限らない。例えば、第1〜第4スペーサ58、60、62、64の代わりのスペーサを円柱状、錐台状又は樽状とすることもできる。或いは、第1〜第4スペーサ58、60、62、64は、導電性物質ではなく、絶縁性物質から構成することもできる。
例えば、図9に示すように、第1絶縁基板100及び第2絶縁基板102と第3絶縁基板104との間に、絶縁性物質からなるスペーサ140、142を配置して出力端子84をグラウンドGNDから離間させることができる。この場合、上SW素子50と出力端子84との間、上ダイオード52と出力端子84との間、下SW素子54と負極端子82との間及び下ダイオード56と負極端子82との間は、それぞれワイヤボンディング150、152、154、156等の配電部材で電気的に接続することができる。
上記実施形態では、12本の各スペーサ58、60、62、64を用いて出力端子84をグラウンドGND(ヒートシンク106)から離間させたが、出力端子84を第1絶縁基板100及びグラウンドGND(ヒートシンク106)から離間させることができるものであれば、1本〜11本又は13本以上であってもよい。
また、例えば、上SW素子50及び下SW素子54に比べて上ダイオード52及び下ダイオード56の高さが高いような場合、第3スペーサ62及び第4スペーサ64を用いない構成も可能である。
D.その他
上記実施形態では、上ゲートライン86、上ソースライン86、下ゲートライン90及び下ソースライン92をいずれも直線状(又は細長い直方体状)としたが、これらの形状はこれに限らない。例えば、図10〜図12に示すように、上ゲートライン86、上ソースライン86、下ゲートライン90及び下ソースライン92をL字状にすることもできる。
16、16a…インバータ(半導体装置)
30、30a、30b、30u、30v、30w…アーム直列回路(直列回路)
34、34a、34b、34u、34v、34w、50、50a〜50d…上スイッチング素子(第1スイッチング素子)
40、40a、40b、40u、40v、40w、54、54a〜54d…下スイッチング素子(第2スイッチング素子)
58a〜58d…第1スペーサ(スペーサ、第1配電部材)
60a〜60d…第2スペーサ(スペーサ、第2配電部材)
70…第1の面 72…正極電極
74…第2の面 76…負極電極
78…ゲート電極(制御電極) 80…正極端子
82…負極端子 84…出力端子
86…上ゲートライン(第1制御端子)
90…下ゲートライン(第2制御端子)
100…第1絶縁基板(絶縁基板) 102…第2絶縁基板
104…第3絶縁基板(別の絶縁基板)
106…ヒートシンク(導電部材)
122…ワイヤボンディング(第1制御用配線)
126…ワイヤボンディング(第2制御用配線)
140、142…スペーサ
150…ワイヤボンディング(第1配電部材)
152…ワイヤボンディング(第2配電部材)

Claims (3)

  1. 正極電極が形成された第1の面と、負極電極及び制御電極が形成され前記第1の面と反対側に位置する第2の面とを有する第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子を直列に接続した1つ又は複数の直列回路を備える半導体装置であって、
    前記半導体装置は、
    グラウンドとなる導電部材と、
    前記直列回路の正極側に設けられた正極端子と、
    前記直列回路の負極側に設けられた負極端子と
    前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との間の中点に接続された出力端子と、
    前記正極端子及び前記負極端子と前記導電部材との間に配置された絶縁基板と、
    前記第1スイッチング素子のスイッチング動作を制御する第1制御端子と、
    前記第2スイッチング素子のスイッチング動作を制御する第2制御端子と、
    前記導電部材と前記出力端子との間に配置され、前記出力端子を前記導電部材から離間させるスペーサと
    を備え、
    前記第1スイッチング素子では、
    前記正極電極が配電部材を介さずに前記直列回路の正極端子に接合され、
    前記負極電極が第1配電部材を介して前記直列回路の出力端子に接続され、
    前記制御電極が第1制御用配線を介して前記第1制御端子に接続され、
    前記第2スイッチング素子では、
    前記正極電極が配電部材を介さずに前記直列回路の出力端子に接合され、
    前記負極電極が第2配電部材を介して前記直列回路の負極端子に接続され、
    前記制御電極が第2制御用配線を介して前記第2制御端子に接続される
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第1配電部材及び前記第2配電部材の少なくとも一方は、前記スペーサを兼ねる
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1又は2記載の半導体装置において、
    前記第1制御端子は、前記絶縁基板に固定され、
    前記第2制御端子は、前記絶縁基板とは別の絶縁基板に固定される
    ことを特徴とする半導体装置。
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