JP2013035904A - コーティング又はポッティング用液剤及びその製造方法、被覆層の形成方法、並びに該被覆層を有する物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)パーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物 5〜40質量%、
(B)有機溶媒 60〜95質量%
(但し、(A)、(B)成分の合計は100質量%である。)
からなるコーティング又はポッティング用液剤。
【選択図】なし
Description
それ故、硬化時の工数削減及びエネルギーの節約等を満たすような材料が要求されていた。
〔請求項1〕
(A)パーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物 5〜40質量%、
(B)有機溶媒 60〜95質量%
(但し、(A)、(B)成分の合計は100質量%である。)
からなるコーティング又はポッティング用液剤。
〔請求項2〕
(B)成分の有機溶媒が含フッ素有機溶媒である請求項1記載のコーティング又はポッティング用液剤。
〔請求項3〕
(A)成分のパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物が、
(A−1)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−CaF2aO−(式中、aは1〜6の整数である。)の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、
(A−2)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、ポリフルオロモノアルケニル化合物、
(A−3)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物、及び
(A−4)ヒドロシリル化反応触媒
を含有する硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物のゲル状硬化物である請求項1又は2記載のコーティング又はポッティング用液剤。
〔請求項4〕
硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物が、
(A−2)成分を(A−1)成分100質量部に対して1〜300質量部、
(A−3)成分を(A−1)成分及び(A−2)成分中に含まれるアルケニル基の合計1モルに対する(A−3)成分中のヒドロシリル基(SiH基)の合計のモル量が0.2〜2モルとなる量、及び
(A−4)成分を触媒量
含有するものである請求項3記載のコーティング又はポッティング用液剤。
〔請求項5〕
硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物が、更に、(A−5)成分として、下記一般式(1)〜(3)
[式(1)中、Aは式:CeF2e+1−(eは1〜3の整数である。)で表される基であり、dは1〜500の整数である。]
(式(2)中、Aは上記と同じであり、f及びgはそれぞれ1〜300の整数である。)
(式(3)中、Aは上記と同じであり、h及びiはそれぞれ1〜300の整数である。)
で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無官能性パーフルオロポリエーテル化合物を、
(A−1)成分及び(A−2)成分の合計量100質量部に対して0.1〜150質量部含有するものである請求項3又は4記載のコーティング又はポッティング用液剤。
〔請求項6〕
(A)成分のパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物が、上記硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物を(B)成分の有機溶媒中に溶解、分散した状態でヒドロシリル化付加反応により架橋して形成されたものである請求項3〜5のいずれか1項記載のコーティング又はポッティング用液剤。
〔請求項7〕
(A−1)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−CaF2aO−(式中、aは1〜6の整数である。)の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、
(A−2)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、ポリフルオロモノアルケニル化合物、
(A−3)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物、及び
(A−4)ヒドロシリル化反応触媒
を含有し、更に、場合により、(A−5)無官能性パーフルオロポリエーテル化合物を含有してもよい硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物を(B)成分の有機溶媒中に溶解、分散した後、該組成物をヒドロシリル化付加反応により架橋して、(B)成分中で(A)成分のパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物を形成することからなる請求項1〜5のいずれか1項記載のコーティング又はポッティング用液剤の製造方法。
〔請求項8〕
基材上に請求項1〜6のいずれか1項記載のコーティング又はポッティング用液剤を塗布又はポッティングする工程、及び該コーティング又はポッティング用液剤から有機溶媒を揮散させる工程を含むことを特徴とする、基材上にパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物からなる被覆層を形成する方法。
〔請求項9〕
請求項1〜6のいずれか1項記載のコーティング又はポッティング用液剤から有機溶媒を揮散させることにより得られるパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物からなる被覆層を基材上に有する物品。
〔請求項10〕
パーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物からなる被覆層を基材上に有する物品が、自動車用、化学プラント用、インクジェットプリンタ用、半導体製造ライン用、分析・理化学機器用、医療機器用、航空機用又は燃料電池用の材料である請求項9記載の物品。
本発明のコーティング又はポッティング用液剤は、下記(A)、(B)成分からなるものである。
(A)パーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物 5〜40質量%、
(B)有機溶媒 60〜95質量%
(但し、(A)、(B)成分の合計は100質量%である。)
本発明に用いられる(A)成分は、パーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物であり、(A)成分の硬化物としては、例えば、
(A−1)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−CaF2aO−(式中、aは1〜6の整数である。)の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、
(A−2)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、ポリフルオロモノアルケニル化合物、
(A−3)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物、及び
(A−4)ヒドロシリル化反応触媒
を含有する硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物、場合により、(A−5)無官能性パーフルオロポリエーテル化合物を更に含有する、硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物を、好適には後述する(B)成分の有機溶媒中に溶解、分散させた状態で、ヒドロシリル化付加反応により架橋、硬化してなるゲル状硬化物である。
(A−1)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物は、(A)成分のゲル硬化物を与える硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物の主剤(ベースポリマー)であり、1分子中に少なくとも2個(通常、2〜20個、好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜4個、特に好ましくは2個)のアルケニル基を、好ましくは分子鎖(両)末端に有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造、好ましくは2価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有するものである。
(CaF2aO)b (4)
(式中、各単位のaは独立に1〜6の整数であり、bは50〜600の整数、好ましくは50〜400の整数、より好ましくは50〜200の整数である。)
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF3)2O−
これらの中では、特に下記単位が好適である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
(o、m又はp位で示されるジメチルフェニルシリレン基)
で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。]
等の連結構造を介して直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物の主鎖の両端部に結合していてもよい。アルケニル基は1分子中に少なくとも2個有する。
CH2=CH−(X)p−Rf1−(X’)p−CH=CH2 (5)
CH2=CH−(X)p−Q−Rf1−Q−(X’)p−CH=CH2 (6)
[式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−〔但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z)
(o、m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕であり、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−〔但し、Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)
(o、m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)
で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。〕である。Rf1は2価のパーフルオロポリエーテル構造であり、上記式(4)、即ち(CaF2aO)bで示されるものが好ましい。Qは炭素数1〜15の2価の炭化水素基であり、エーテル結合を含んでいてもよく、具体的にはアルキレン基、エーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基である。pは独立に0又は1である。]
(A−2)成分は、1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、ポリフルオロモノアルケニル化合物であり、(A)成分のゲル硬化物の架橋密度を調整するために配合する成分である。特に、下記一般式(8)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物が好ましい。
Rf2−(X’)p−CH=CH2 (8)
[式中、X’及びpは上記と同じであり、Rf2は、下記一般式
F−[CF(CF3)CF2O]q−CF(CF3)−
(式中、qは1〜500の整数、好ましくは10〜300の整数、より好ましくは20〜200の整数である。)
で示される基である。]
(A−3)成分は、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiHで示されるヒドロシリル基)を少なくとも2個、好ましくは2〜100個、より好ましくは3〜50個程度有する有機ケイ素化合物であり、(A−1)成分及び(A−2)成分の架橋剤、鎖長延長剤として作用するものである。但し、(A−1)成分又は(A−2)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性等の観点から、1分子中に1個以上の1価又は2価の含フッ素有機基(具体的に、1価の含フッ素有機基としては、パーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロポリエーテル構造含有基等、2価の含フッ素有機基としては、パーフルオロアルキレン基、2価のパーフルオロポリエーテル構造含有基等)を含有しているものを使用することが好ましい。
CcF2c+1−
(式中、cは1〜10の整数、好ましくは2〜8の整数である。)
(式中、c’は1〜6の整数であり、j及びkは、それぞれ0≦j≦100、特に1≦j≦60、0≦k≦100、特に0≦k≦30、かつ0≦j+k≦100、特に1≦j+k≦80を満たす整数である。)
−CLF2L−
(式中、Lは1〜10の整数、好ましくは2〜8の整数である。)
(式中、Bはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、s、t及びuは、それぞれs≧0、t≧0、0≦s+t≦600、特に2≦s+t≦200、及び0≦u≦6を満たす整数である。但し、s=t=u=0を除く。)
(式中、Bはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、v及びwは、それぞれ0≦v≦300及び0≦w≦300を満たす整数であり、1≦v+w≦600である。)
(式中、xは1≦x≦600の整数である。)
(式中、Bはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、m’、n’及びr’は、それぞれ0≦m’≦400、特に1≦m’≦300、0≦n’≦400、特に1≦n’≦300、0≦m’+n’≦600、特に1≦m’+n’≦400、及び1≦r’≦6、特に2≦r’≦4を満たす整数である。)
−CH2CH2CH2−O−CH2−
−CH2CH2CH2−NH−CO−
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−
−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−CO−
−CH2CH2CH2−O−CO−
−Ph’−N(CH3)−CO−
本発明の(A−4)成分は、ヒドロシリル化反応触媒である。ヒドロシリル化反応触媒は、(A−1)成分及び(A−2)成分中のアルケニル基と、(A−3)成分中のヒドロシリル基との付加反応を促進する触媒である。このヒドロシリル化反応触媒は、一般に貴金属の化合物であり高価格であることから、比較的入手しやすい白金又は白金化合物が好適に用いられる。
本発明の硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物には、更に(A−5)成分として、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無官能性パーフルオロポリエーテル化合物を配合することができる。
[式(1)中、Aは式:CeF2e+1−(eは1〜3の整数である。)で表される基であり、dは1〜500の整数、特に10〜300の整数である。]
(式(2)中、Aは上記と同じであり、f及びgはそれぞれ1〜300の整数、特に2〜100の整数である。)
(式(3)中、Aは上記と同じであり、h及びiはそれぞれ1〜300の整数、特に2〜100の整数である。)
(A)成分のパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物を与える硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の各種の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば、ヒドロシリル化反応触媒の制御剤を挙げることができ、具体的には1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノール等のアセチレンアルコールや、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等、あるいはポリメチルビニルシロキサン環式化合物、有機リン化合物等が挙げられる。これらを添加することにより、硬化反応性を制御することができる。
ここで、ヒドロシリル化付加反応は40〜150℃、好ましくは45〜130℃、特に50〜120℃で10分間〜16時間、特に30分間〜12時間とすることができる。なお、この反応温度は、後述する(B)成分の有機溶媒に応じて、適宜、使用する有機溶媒の常圧での沸点より低い温度に設定することが望ましい。
本発明に用いられる(B)成分の有機溶媒としては、(A)成分である架橋反応後のパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物並びに硬化前の、例えば(A−1)〜(A−4)成分及び必要に応じて添加される(A−5)成分等を含有してなる室温で液状の硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物の両者を均一に溶解、分散し得るものであれば特に限定されるものではない。この有機溶媒としては、特にフッ素系有機溶媒が好ましい。
アサヒクリンAK−225(旭硝子(株)製、ハイドロクロロフルオロカーボン−225(HCFC−225))や、
ノベックHFE7100、7200、7300(住友スリーエム(株)製)、
ガルデンTH110、HT135、SV80、SV110(ソルベイソレクシス(株)製)
等が挙げられるが、特に限定されるものではなく、また、(B)成分としては、1種類の溶媒を単独で使用しても2種類以上の溶媒を使用してもよい。
本発明の(A)、(B)成分からなるコーティング又はポッティング用液剤は、例えば、上記(A−1)〜(A−4)成分及び必要に応じて添加される(A−5)成分等を含有してなる室温で液状の硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物を、任意の濃度にて上記(B)成分の有機溶媒中に溶解、分散して希釈した後、(B)成分の有機溶媒の沸点未満の温度で加熱することにより、上記硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物を(B)成分の有機溶媒中にてヒドロシリル化付加反応により架橋して、(B)成分の有機溶媒中で(A)成分のパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物を形成することができる。上記硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物を予め硬化したゲル状物を、(B)成分の有機溶媒中に均一に溶解、分散して希釈することは非常に困難であり、上記のように(B)成分の有機溶媒中にて上記硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物をゲル状に硬化させなければ当該コーティング又はポッティング用液剤を定量的に得ることができない。
本発明の(A)、(B)成分を含有してなるコーティング又はポッティング用液剤(ゲル硬化物の溶液)は室温(20℃±15℃)で均一な液状物であるため、適当な型内に注入(ポッティング)したり、各種基材上に均一に塗布(コーティング)することが可能であり、該コーティング又はポッティング用液剤を塗布又はポッティング後、該コーティング又はポッティング用液剤から(B)成分の有機溶媒を揮発させる(又は必要に応じて加熱除去する)ことによって、(A)成分のパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物からなる均一な皮膜を、(特には薄膜状であっても)各種基材上に形成することが可能となる。
下記ポリマーAで示されるポリマー(粘度5,600mPa・s)53質量部と下記ポリマーBで示されるポリマー(粘度650mPa・s)22質量部に、下記ポリマーCで示されるポリマー25質量部、硬化反応制御剤として下記環状シロキサン0.05質量部、塩化白金酸のビニルシロキサン錯体のエタノール溶液(白金金属濃度3.0質量%)0.04質量部、架橋剤として下記有機ケイ素化合物A20質量部(ポリマーA,B中のアルケニル基に対する有機ケイ素化合物A中のSiH基のモル比=1.05)を均一に混合して硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物(I)を調製した。
次に、上記の硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物(I)100質量部を、含フッ素有機溶媒:ノベックHFE7200(沸点:76℃、住友スリーエム(株)製)400質量部に攪拌溶解して架橋反応前の均一な溶液(II)(粘度(25℃):1mPa・s)を調製した。
更に、この均一溶液(II)を50℃にて8時間加熱することにより上記硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物をヒドロシリル化付加反応により架橋させて、含フッ素有機溶媒中でパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物を形成させることによって、パーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物が含フッ素有機溶媒中に均一に溶解、分散した均一な溶液(III)(粘度(25℃):10mPa・s)を調製した。
更に、上記で得られた均一な溶液(III)を室温(25℃)にて5分間放置して、該溶液組成物(III)から含フッ素有機溶媒(ノベックHFE7200)を揮発、除去させることにより、自己流動性のないゲル状硬化物(JIS K6249で規定されるA硬度:0、JIS K2220稠度試験法(1/4コーン使用)で規定される針入度:70)を得た。
実施例1で調製した硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物(I)100質量部を、含フッ素有機溶媒:ノベックHFE7200(前出)100質量部に攪拌溶解して架橋反応前の均一な溶液(IV)(粘度(25℃):2mPa・s)を調製した。更に、この均一な溶液(IV)を実施例1と同様に、50℃にて8時間加熱して、含フッ素有機溶媒中にパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物が均一分散した溶液の調製を試みたところ、組成物全体がゲル化して自己流動性のないゲル状物となり、均一な液状物は得られなかった。
実施例1で調製した硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物(I)90質量部を、ノベックHFE7200(前出)2,000質量部に攪拌溶解して架橋反応前の均一な溶液(V)(粘度(25℃):0.7mPa・s)を調製した。
更に、この均一な溶液(V)を実施例1と同様に、50℃にて8時間加熱処理して、均一な溶液(VI)(粘度(25℃):0.8mPa・s)を調製し、この均一溶液(VI)を更に50℃にて16時間加熱し、均一溶液(VII)(粘度(25℃):0.8mPa・s)を調製した。
これらの均一溶液(VI)、(VII)を室温にて5分間放置し含フッ素有機溶媒を揮散させたが、何れもゲル硬化物を得ることができず、液状物のままであった。
Claims (10)
- (A)パーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物 5〜40質量%、
(B)有機溶媒 60〜95質量%
(但し、(A)、(B)成分の合計は100質量%である。)
からなるコーティング又はポッティング用液剤。 - (B)成分の有機溶媒が含フッ素有機溶媒である請求項1記載のコーティング又はポッティング用液剤。
- (A)成分のパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物が、
(A−1)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−CaF2aO−(式中、aは1〜6の整数である。)の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、
(A−2)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、ポリフルオロモノアルケニル化合物、
(A−3)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物、及び
(A−4)ヒドロシリル化反応触媒
を含有する硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物のゲル状硬化物である請求項1又は2記載のコーティング又はポッティング用液剤。 - 硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物が、
(A−2)成分を(A−1)成分100質量部に対して1〜300質量部、
(A−3)成分を(A−1)成分及び(A−2)成分中に含まれるアルケニル基の合計1モルに対する(A−3)成分中のヒドロシリル基(SiH基)の合計のモル量が0.2〜2モルとなる量、及び
(A−4)成分を触媒量
含有するものである請求項3記載のコーティング又はポッティング用液剤。 - 硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物が、更に、(A−5)成分として、下記一般式(1)〜(3)
[式(1)中、Aは式:CeF2e+1−(eは1〜3の整数である。)で表される基であり、dは1〜500の整数である。]
(式(2)中、Aは上記と同じであり、f及びgはそれぞれ1〜300の整数である。)
(式(3)中、Aは上記と同じであり、h及びiはそれぞれ1〜300の整数である。)
で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無官能性パーフルオロポリエーテル化合物を、
(A−1)成分及び(A−2)成分の合計量100質量部に対して0.1〜150質量部含有するものである請求項3又は4記載のコーティング又はポッティング用液剤。 - (A)成分のパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物が、上記硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物を(B)成分の有機溶媒中に溶解、分散した状態でヒドロシリル化付加反応により架橋して形成されたものである請求項3〜5のいずれか1項記載のコーティング又はポッティング用液剤。
- (A−1)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−CaF2aO−(式中、aは1〜6の整数である。)の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、
(A−2)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、ポリフルオロモノアルケニル化合物、
(A−3)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物、及び
(A−4)ヒドロシリル化反応触媒
を含有し、更に、場合により、(A−5)無官能性パーフルオロポリエーテル化合物を含有してもよい硬化性パーフルオロポリエーテル系ゲル組成物を(B)成分の有機溶媒中に溶解、分散した後、該組成物をヒドロシリル化付加反応により架橋して、(B)成分中で(A)成分のパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物を形成することからなる請求項1〜5のいずれか1項記載のコーティング又はポッティング用液剤の製造方法。 - 基材上に請求項1〜6のいずれか1項記載のコーティング又はポッティング用液剤を塗布又はポッティングする工程、及び該コーティング又はポッティング用液剤から有機溶媒を揮散させる工程を含むことを特徴とする、基材上にパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物からなる被覆層を形成する方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載のコーティング又はポッティング用液剤から有機溶媒を揮散させることにより得られるパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物からなる被覆層を基材上に有する物品。
- パーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物からなる被覆層を基材上に有する物品が、自動車用、化学プラント用、インクジェットプリンタ用、半導体製造ライン用、分析・理化学機器用、医療機器用、航空機用又は燃料電池用の材料である請求項9記載の物品。
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