JP6927798B2 - 硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物、その硬化物を用いた粘着剤並びに粘着テープ - Google Patents

硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物、その硬化物を用いた粘着剤並びに粘着テープ Download PDF

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Description

本発明は、耐熱性、耐油性、耐薬品性、耐溶剤性、低温特性、耐湿性、低気体透過性等に優れ、特には低屈折率硬化物を形成する粘着剤(パーフルオロポリエーテルゴム硬化物又はパーフルオロポリエーテルゲル硬化物)を形成するものである硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物(以下、パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物という)、並びにその硬化物を用いた粘着剤及び粘着テープに関する。
従来、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、1分子中にH−SiOSiO構造を2個以上有する有機ケイ素化合物及びヒドロシリル化反応触媒からなる組成物から、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、撥水性、撥油性、耐候性等の性質がバランスよく優れた硬化物を得ることができることが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
一方、粘着剤は、製品に添付するラベルや粘着テープなどを中心に、様々な場面で使用されている。最近ではディスプレイ保護用の粘着フィルムや製品製造工程中の保護フィルムなど、電子端末関連の技術の進歩に伴い用途が拡大している。また、表面保護だけでなく、材料の透明性を活かし、光学部材にも利用され、Optical Clear Adhesive Tape(OCAテープ)など、製品部内に使用される用途も展開されている。
粘着剤の主な分類としては、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等があり、それぞれに長所と欠点がある。シリコーン粘着剤は、コスト面でアクリル系やゴム系より不利であるが耐熱性、耐寒性、耐候性、耐薬品性及び電気絶縁性等の特性が他の2種の粘着剤よりも優れている。
最近では、携帯電話等の端末が広く普及しているが、これらのディスプレイ保護の粘着フィルムはシリコーン粘着剤を用いたものがほとんどである。シリコーンはその特性上、被着体へのむれ性が良好であるため、貼り合わせる際に気泡を巻き込むことが無く、ひとりでにずれたり剥がれたりすることはないが、リワーク性が良いため貼りなおしも可能である(特許文献3)。また、製品製造工程中に使用する保護フィルムに関しても同様で、更に耐熱性などが必要になるため、シリコーン粘着剤を用いた粘着フィルムが大量に用いられている。
また、携帯電話の中でもスマートフォンと呼ばれる従来よりも高機能な端末が急速に普及しており、これまでの多くは従来までのボタンの替わりに、タッチパネルと呼ばれるディスプレイに触れることで操作することができる。類似のものにタブレット端末があり、これは持ち運びが容易でタッチパネルを備えるコンピューターである。これらの普及により、ディスプレイの面積が大きくなることに伴い、画面保護用の粘着フィルムの需要は増加傾向にある。
しかしながら、このようなシリコーン粘着剤は、殆どの用途においてはこれで十分な性能を有しているものの、更なる耐薬品性や耐溶媒性を要求される自動車のエンジン回りや臨床検査、病理検査の工程で使用されるバーコードラベル用途など、耐薬品性や耐溶媒性に優れる粘着剤組成物の出現が強く望まれていた。
特許第2990646号公報 特開2000−248166号公報 特開平07−197008号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、耐熱性、耐候性、撥水性、撥油性等に優れている上、特に耐薬品性や耐溶媒性に優れた硬化物(粘着剤)を与える硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物及びその硬化物(パーフルオロポリエーテルゴム硬化物又はパーフルオロポリエーテルゲル硬化物)を含む粘着剤並びに粘着テープを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物であって、下記(A)〜(C)成分、
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−C2aO−で表される繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物(aは1〜6の整数):100質量部
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物:硬化有効量
(C)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量
を含有し、硬化して0.5N/25mm以上の粘着力を有する粘着剤を形成するものである硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物を提供する。
また、本発明は、硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物であって、下記(A)〜(D)成分、
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−C2aO−の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物(aは1〜6の整数):40〜80質量部
(D)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリフルオロモノアルケニル化合物:20〜60質量部(但し、(A)、(D)成分の合計量を100質量部とする)
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物:硬化有効量
(C)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量
を含有し、硬化して0.5N/25mm以上の粘着力を有する粘着剤を形成するものである硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物を提供する。
本発明のような硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物であれば、耐熱性、耐候性、撥水性、撥油性等に優れている上、特に耐薬品性や耐溶媒性に優れるとともに0.5N/25mm以上の粘着力を有する硬化物(粘着剤)を与える硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物となる。
この場合、前記(D)成分が、下記一般式(2)
Rf−(X’)−CH=CH (2)
[式中、X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH、−又は−CO−NR−Y’−(但し、Y’は−CH−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、
Figure 0006927798
(オルト、メタ、又はパラ位で示されるジメチルフェニルシリレン基)
は水素原子、メチル基、フェニル基、又はアリル基である。)であり、pは0又は1である。Rfは、下記一般式
F−[CF(CF)CFO]−CF(CF)−
(式中、wは1〜500の整数で表される。)で示されるパーフルオロポリエーテル構造である。]
で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物であることが好ましい。
このような(D)成分を含む組成物であれば、より耐薬品性や耐溶媒性に優れた硬化物(粘着剤)を与える硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物となる。
また、前記(A)成分が、下記一般式(1)
Figure 0006927798
[式中、Xは−CH−、−CHO−、−CHOCH−、又は−Y−NR−CO−(但し、Yは−CH−又は下記構造式(Z)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基、又はアリル基である。)である。X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−、又は−CO−NR−Y’−(但し、Y’は−CH−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基、又はアリル基である。)である。pは独立に0又は1、rは2〜6の整数、m、nはそれぞれ0〜600の整数であり、更にmとnの和が50〜600である。
Figure 0006927798
(オルト、メタ、又はパラ位で示されるジメチルフェニルシリレン基)
Figure 0006927798
(オルト、メタ、又はパラ位で示されるジメチルフェニルシリレン基)]
で表される直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物であることが好ましい。
このような(A)成分を含む組成物であれば、より耐薬品性や耐溶媒性に優れた硬化物(粘着剤)を与えるとともに粘着力も高い硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物となる。
また、前記硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物の硬化物が、体積抵抗率が1×10Ω・cm以上の非導電性粘着剤であることが好ましい。
本発明の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物は、このような非導電性粘着剤の材料として好適に用いることができる。
また、前記硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物の硬化物を含む粘着剤を提供する。
このように、本発明の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物は、粘着剤として用いることができる。
また、本発明では、基材上に、前記硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成の硬化物層が積層している粘着テープを提供する。
このように、本発明の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物の硬化物層(パーフルオロポリエーテルゴム硬化物又はパーフルオロポリエーテルゲル硬化物からなる粘着剤層)を、基材上に積層することにより非導電性の粘着剤層を有する粘着テープとして用いることができる。
以上のように、本発明のパーフルオロポリエーテル粘着剤組成物であれば、耐熱性、耐油性、低温特性、耐湿性、低気体透過性等に優れ、特には耐薬品性、耐溶剤性に優れるとともに、0.5N/25mm以上の高い粘着力を有する硬化物(粘着剤)を与えることができる。
上記のように、耐熱性、耐候性、撥水性、撥油性等に優れている上、特に耐薬品性や耐溶媒性に優れた硬化物(粘着剤)を与える硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物及びその硬化物を含む粘着剤の開発が求められていた。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物が、従来のシリコーン粘着剤より耐薬品性や耐溶媒性に優れた組成物を与えることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の第一の態様は、硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物であって、下記(A)〜(C)成分、
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−C2aO−で表される繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物(aは1〜6の整数):100質量部
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物:硬化有効量
(C)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量
を含有し、硬化して0.5N/25mm以上の粘着力を有する粘着剤(パーフルオロポリエーテルゴム硬化物)を形成するものである硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[(A)成分]
本発明の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物に含まれる(A)成分は、本発明の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物の主剤(ベースポリマー)として作用するものであり、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造(パーフルオロオキシアルキレン構造)、好ましくは二価のパーフルオロオキシアルキレン構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物である。
ここで、パーフルオロオキシアルキレン構造としては、−C2aO−(式中、各単位のaは独立に1〜6の整数である。)で示されるオキシアルキレン単位の多数の繰り返し構造を含むもので、例えば下記一般式(5)で示されるものなどが挙げられる。
(C2aO) (5)
(式中、qは50〜600、好ましくは50〜400、より好ましくは50〜200の整数である。)
上記式(5)で示されるパーフルオロオキシアルキレン構造を構成する個々の繰り返し構造−C2aO−(即ち、オキシアルキレン単位)としては、例えば下記の構造等が挙げられる。なお、上記パーフルオロアルキルエーテル構造は、これらの繰り返し構造の1種単独で構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
−CFO−
−CFCFO−
−CFCFCFO−
−CF(CF)CFO−
−CFCFCFCFO−
−CFCFCFCFCFCFO−
−C(CFO−
これらの中では、特に下記構造が好適である。
−CFO−
−CFCFO−
−CFCFCFO−
−CF(CF)CFO−
なお、本発明において「直鎖状」とは、主鎖のパーフルオロポリエーテル構造(パーフルオロオキシアルキレン構造)を構成する個々の繰り返し単位−C2aO−(オキシアルキレン単位)同士が直鎖状に結合していることを意味するものであって、それぞれの繰り返し単位(オキシアルキレン単位)自体は、直鎖状のオキシアルキレン単位であっても分岐状のオキシアルキレン単位(例えば、−CF(CF)CFO−、−C(CFO−等)であってもよい。
この(A)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物におけるアルケニル基としては、炭素数2〜8、特に炭素数2〜6で、かつ末端にCH=CH−構造を有するものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の末端にCH=CH−構造を有する基、特にビニル基、アリル基等が好ましい。このアルケニル基は、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物の主鎖を構成するパーフルオロポリエーテル構造、特には二価のパーフルオロオキシアルキレン構造の両端部に直接結合していてもよいし、二価の連結基、例えば、−CH−、−CHO−、又は−Y−NR−CO−[但し、Yは−CH−又は下記構造式(Z)で示される基
Figure 0006927798
(オルト、メタ、又はパラ位で示されるジメチルフェニルシリレン基)
であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基、又はアリル基である。]等を介して結合していてもよい。また、(A)成分は、アルケニル基を1分子中に少なくとも2個有する。
(A)成分としては、下記一般式(6)又は(7)で表されるポリフルオロジアルケニル化合物を挙げることができる。
CH=CH−(X)−Rf−(X’)−CH=CH (6)
CH=CH−(X)−Q−Rf−Q−(X’)−CH=CH (7)
[式中、Xは独立に−CH−、−CHO−、−CHOCH、−又は−Y−NR−CO−(但し、Yは−CH−又は下記構造式(Z)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基、又はアリル基である。)であり、X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−、又は−CO−NR−Y’−(但し、Y’は−CH−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)である。
Figure 0006927798
(オルト、メタ、又はパラ位で示されるジメチルフェニルシリレン基)
Figure 0006927798
(オルト、メタ、又はパラ−ジメチルシリルフェニレン基)
Rfは二価のパーフルオロポリエーテル構造(パーフルオロオキシアルキレン構造)であり、上記式(5)、即ち(C2aO)で示されるものが好ましい。Qは炭素数1〜15の二価の炭化水素基であり、エーテル結合を含んでいてもよく、具体的にはアルキレン基、エーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基である。pは独立に0又は1である。]
このような(A)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物としては、特に下記一般式(1)で示されるものが好適である。
Figure 0006927798
[式中、X、X’及びpは前記と同じであり、rは2〜6の整数、m、nはそれぞれ0〜600の整数であり、更にmとnの和が50〜600である。]
上記一般式(1)の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物は、フッ素系溶剤を展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析による分子量分布測定におけるポリエチレン換算の重量平均分子量が10,000〜100,000、特に10,000〜50,000であることが望ましい。重量平均分子量が10,000以上であれば、ガソリンや各種溶剤に対する膨潤が小さくなる。特に、ガソリンに対する膨潤が6%以下となり、耐ガソリン性が要求される部材として特性を満足することができる。また、重量平均分子量が100,000以下であれば、粘度が高すぎず、作業性に優れるため実用的である。なお、上記一般式(1)の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物の重合度(m+n)の値も同様に、フッ素系溶剤を展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析による分子量分布測定におけるポリエチレン換算の数平均重合度又は重量平均重合度等として求めることができる。
一般式(1)で表される直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 0006927798
Figure 0006927798
Figure 0006927798
(式中、m及びnはそれぞれ0〜600、好ましくは0〜200、m+n=50〜600、好ましくはm+n=50〜200を満足する整数を示す。)
更に、本発明では、上記式(1)の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物を目的に応じた所望の重量平均分子量に調節するため、予め上記したような直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物を分子内にSiH基を2個含有する有機ケイ素化合物と通常の方法及び条件でヒドロシリル化反応させ、鎖長延長した生成物を(A)成分として使用することも可能である。
[(B)成分]
(B)成分は、(A)成分の架橋剤、鎖長延長剤として作用するものである。この(B)成分は、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物である。但し、(A)成分又は後述する(D)成分との相溶性、分散性、硬化後のゴム又はゲル硬化物(粘着剤)の均一性等の観点から、1分子中に1個以上の一価のパーフルオロアルキル基、一価のパーフルオロオキシアルキル基、二価のパーフルオロアルキレン基及び/又は二価のパーフルオロオキシアルキレン基を有しているものを使用することができる。
かかる(B)成分としては、前記特許文献1及び特許文献2記載の公知の有機ケイ素化合物が挙げられるが、特に限定されるものではない。
このような有機ケイ素化合物としては、特に下記一般式(8)で示される、分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiHで示されるヒドロシリル基)と少なくとも1個の一価のパーフルオロアルキル基及び/又は一価のパーフルオロポリエーテル基を有する環状オルガノポリシロキサン化合物が有用である。
Figure 0006927798
(式中、Rfは一価のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基、Rは炭素数1〜20の一価炭化水素基、Rは炭素数2〜20の二価炭化水素基であり、エーテル結合、アミド結合、カルボニル結合、又はエステル結合を含んでもよい。kは2以上の整数、lは1〜6の整数、k+l=3〜10の整数である。)
Rfの一価のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基としては、下記一般式で示される基を例示することができる。
一価のパーフルオロアルキル基:
2b+1
(但し、bは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
一価のパーフルオロポリエーテル基:
Figure 0006927798
(式中、nは2〜200、好ましくは2〜100の整数である。)
は炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられるが、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さないものが好ましい。
また、Rは炭素数2〜20の二価炭化水素基であり、エーテル結合、アミド結合、カルボニル結合、又はエステル結合を含んでもよい二価の連結基である。かかる連結基としては、アルキレン基、アリーレン基やこれらの組み合わせでも、あるいはこれらにエーテル結合酸素原子(−O−)、アミド結合(−NRCO−)、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)の1種又は2種以上を介在するものであってもよく、炭素数2〜12のものが好ましく、下記の基等が挙げられる。なお、−NRCO−基におけるRは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はフェニル基である。
−CHCH
−CHCHCH
−CHCHCHOCH
−CHCHCH−NH−CO−
−CHCHCH−N(Ph)−CO−
(但し、Phはフェニル基である。)
−CHCHCH−N(CH)−CO−
−CHCHCH−O−CO−
上記(B)成分の配合量は、(A)成分及び後述の(D)成分を硬化する有効量であり、特に本組成物中の上記(A)成分及び(D)成分が有するアルケニル基の合計1モルに対し、(B)成分中のヒドロシリル基(Si−H)が好ましくは0.2〜2モル、より好ましくは0.5〜1.5モルとなる量である。ヒドロシリル基(Si−H)が0.2モル以上となる量であれば、架橋度合が十分であり、硬化物が得られない恐れがない。また、ヒドロシリル基(Si−H)が2モル以下となる量であれば、硬化時に発泡してしまう恐れがない。
[(C)成分]
本発明の(C)成分のヒドロシリル化反応触媒は、(A)成分及び後述する(D)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のヒドロシリル基との付加反応を促進する触媒である。このヒドロシリル化反応触媒は、一般に貴金属の化合物であり、高価格であることから、比較的入手しやすい白金又は白金化合物がよく用いられる。
白金化合物としては、例えば塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アルコールやビニルシロキサンとの錯体、シリカ、アルミナ、カーボン等を担持した金属白金等を挙げることができる。白金化合物以外の白金族金属触媒として、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物も知られており、例えばRhCl(PPh、RhCl(CO)(PPh、Ru(CO)12、IrCl(CO)(PPh、Pd(PPh等を例示することができる。
ヒドロシリル化反応触媒の配合量は、触媒量とすることができるが、通常(A)、(B)及び(D)成分の合計質量に対して0.1〜100ppm(白金族金属の質量換算)の割合で配合することが好ましい。
[その他の成分]
本組成物においては、上記の(A)〜(C)成分以外にも、各種配合剤を添加することは任意である。ヒドロシリル化反応触媒の制御剤として、例えば1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノールなどのアセチレンアルコールや、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等、あるいはポリメチルビニルシロキサン環式化合物、有機リン化合物等が挙げられ、その添加により硬化反応性と保存安定性を適度に保つことができる。
また、接着性を付与するためにエポキシ基、アルコキシ基等を含有する、公知の接着性付与剤を添加することもできる。
また、本発明の第二の態様は、硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物であって、下記(A)〜(D)成分、
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−C2aO−の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物(aは1〜6の整数):40〜80質量部
(D)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリフルオロモノアルケニル化合物:20〜60質量部(但し、(A)、(D)成分の合計量を100質量部とする)
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物:硬化有効量
(C)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量
を含有し、硬化して0.5N/25mm以上の粘着力を有する粘着剤(パーフルオロポリエーテルゲル硬化物)を形成するものである硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物も提供する。
このときの(A)〜(C)成分としては、上述で説明したものと同様のものを使用できる。
[(D)成分]
(D)成分は、本発明の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物において、特定の実施態様(即ち、ゲル硬化物を与える組成物)において用いられる成分であり、1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、ポリフルオロモノアルケニル化合物である。特に、下記式(2)のポリフルオロモノアルケニル化合物が好ましい。
Rf−(X’)−CH=CH (2)
[式中、X’及びpは上記と同じであり、Rfは、下記一般式で示される。
F−[CF(CF)CFO]−CF(CF)−
(式中、wは1〜500、好ましくは2〜200の整数で表される。)]
上記一般式(2)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 0006927798
(上記式において、mは1〜200、特に2〜100の整数である。)
上記式(2)のポリフルオロモノアルケニル化合物を配合する場合、その配合量は、硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物において、本組成物中の上記(A)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテルジアルケニル化合物とこの(D)成分とが、(A)成分40〜80質量部、(D)成分20〜60質量部の割合で、(A)成分と(D)成分の合計量が100質量部となるように選定される。
[その他の成分]
本組成物においては、上記の(A)〜(D)成分以外にも、第一態様と同様に各種配合剤を添加することは任意である。ヒドロシリル化反応触媒の制御剤としては、上述で説明したものと同様のものを例示できる。
[硬化物]
本発明のパーフルオロポリエーテル粘着剤組成物は、上記した組成物を硬化させることにより、0.5N/25mm以上、好ましくは0.6〜10N/25mm、より好ましくは0.65〜5N/25mmの表面粘着力を有するパーフルオロポリエーテルゴム又はゲルの硬化物からなる粘着剤を形成するものであり、耐熱性、撥水性、撥油性、耐候性等に優れている上、特に耐薬品性、耐溶剤性、に優れる硬化物(粘着剤)を形成させることができ、各種の用途に使用することができる。
例えば、本発明の第一の実施態様において、パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物は、(A)成分100質量部に対して、(B)成分を(A)成分が有するアルケニル基の合計のモル数1に対して(B)成分のヒドロシリル基が0.2〜2.0モルとなる量、(C)成分が(A)、(B)成分の合計量に対して白金換算で0.1〜100ppmを硬化させることにより形成させることができる。
また、例えば、本発明の第二の実施態様において、パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物は、(A)成分40〜80質量部に対して、(D)成分が20〜60質量部で、(A)、(D)成分の合計が100質量部であり、(B)成分が(A)成分及び(D)成分が有するアルケニル基の合計のモル数1に対して(B)成分のヒドロシリル基が0.2〜2.0モルとなる量、(C)成分が(A)、(B)、(D)成分の合計量に対して白金換算で0.1〜100ppmを硬化させることにより形成させることができる。
上記したパーフルオロポリエーテル粘着剤組成物の形成は、本発明のそれぞれの組成物を適当な基板上にコーティングした後に硬化を行う、あるいは貼り合わせ等により従来公知の方法により行われる。硬化は、通常60〜150℃の温度で1〜30分程度の加熱処理によって容易に行うことができる。
本発明のパーフルオロポリエーテル粘着剤組成物を用いた粘着剤は、自動車用、化学プラント用、半導体製造ライン用、分析・理化学機器用、医療機器用、航空機用、光学用等部材として、使用することができる。
また、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の有機樹脂フィルムからなる基材上に本発明の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物の硬化物(パーフルオロポリエーテルゴム硬化物又はパーフルオロポリエーテルゲル硬化物)層を積層してなる粘着テープは、耐熱性、耐油性、低温特性、耐湿性、低気体透過性等に優れ、特には耐薬品性、耐溶剤性に優れた非導電性の粘着剤層を有する粘着テープとして有用である。
また、本発明の粘着剤組成物をコーティングする場合、基材との密着性あるいは接着性を向上させるために公知のプライマーを併用することが有用である。プライマーにより、基材界面からの薬品及び溶剤の浸入を防止することができ、部品全体の耐酸性、耐薬品性及び耐溶剤性を向上することができる。
プライマーとしては、シランカップリング剤を主体とするシラン系プライマー、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを主体とするプライマー、合成ゴムを主成分とするプライマーや、アクリル樹脂を主成分とするプライマー、ウレタン樹脂を主成分とするプライマー、エポキシ樹脂を主成分とするプライマー、また本発明のパーフルオロポリエーテルゴム組成物に接着付与剤を添加した組成物もプライマーとして使用できる。
また、本発明の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物の硬化物(パーフルオロポリエーテルゴム硬化物又はパーフルオロポリエーテルゲル硬化物)は、体積抵抗率が1×10Ω・cm以上の非導電性の粘着剤であることが好ましい。このような本発明の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物は、非導電性粘着剤の材料として好適である。
このような本発明のパーフルオロポリエーテル粘着剤組成物であれば、耐熱性、耐油性、低温特性、耐湿性、低気体透過性等に優れ、特には耐薬品性、耐溶剤性に優れた硬化物(粘着剤)を与える。
以下、参考例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例で%は質量%を示す。
参考例2〜5、実施例〜11、比較例1〜2]
下記原料を使用し、表1に示す硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物を調製した。これらの粘着剤組成物を130℃、5分の硬化条件にて硬化し、それぞれの硬化物の表面粘着力を測定すると共に、下記方法によって耐溶剤性試験を行った。結果を表1に併記する。
原料
(A)直鎖状パーフルオロポリエーテル
(A−1)2官能性パーフルオロポリエーテル
Figure 0006927798
(D)1官能性パーフルオロポリエーテル
Figure 0006927798
(B)オルガノハイドロジェンシロキサン
(b−1)
Figure 0006927798
(b−2)
Figure 0006927798
(C)白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体/エタノール溶液(白金含有量3.0%)
(e)硬化制御剤:エチニルシクロヘキサノール/50%トルエン溶液
(f)KR−3700(信越化学工業株式会社製商品名)ジメチルシリコーンをベースとした付加硬化型シリコーン粘着剤
粘着力測定
参考例、実施例及び比較例の各組成物を、厚み50μm、幅25mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに厚みが30μmとなるようにアプリケータを用いて塗工した後、130℃、5分間の条件で加熱してゴム又はゲル状に硬化させ、厚み50μmのPETフィルム上に厚み30μmの粘着剤層(ゴム又はゲル硬化物層)が積層された粘着テープを作成した。この粘着テープを金属板(研磨したステンレス板)に貼りつけ、重さ2kgのゴム層で被覆されたローラーを、該テープ基材上で1往復させることにより該粘着テープを圧着した。室温で20時間放置した後、25℃において、引っ張り試験機を用いて、各粘着剤層(ゴム又はゲル硬化物層)の粘着力として、300mm/分の引張り速度で180°の角度で粘着テープをステンレス板から引き剥がすのに要する力(N/25mm)を測定した。
耐溶剤性試験(重量変化)
32φ×15mmガラス容器内に参考例、実施例及び比較例の組成物を3g充填した後、130℃、5分間の条件にて硬化させてサンプルを作成し、キシレン及びFuelC(トルエン/イソオクタンの50/50(wt%)混合溶液)に25℃にて7日間浸漬し、浸漬前と後の重量変化率を測定した。
Figure 0006927798
表1に示されるように、本発明の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物を用いた実施例〜11のような粘着剤であれば、耐溶剤性の高い粘着剤であった。それに対し、シリコーン粘着剤である比較例1は、耐溶剤性が低かった。また、(A)成分と(D)成分の配合比率が本発明の範囲以外である比較例2は、硬化には至らなかった。
以上のことから、本発明であれば、耐熱性、耐候性、撥水性、撥油性等に優れている上、特に耐薬品性や耐溶媒性に優れた硬化物(粘着剤)を与える硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物となることがわかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (7)

  1. 硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物であって、下記(A)〜(C)成分、
    (A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−C2aO−で表される繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物(aは1〜6の整数):100質量部
    (B)1分子中に、1個以上の一価のパーフルオロオキシアルキル基及び二価のパーフルオロアルキレン基を有し、かつ、ケイ素原子に結合した水素原子を(H)(CH SiO−基として少なくとも2個有する有機ケイ素化合物:硬化有効量
    (C)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量
    を含有し、硬化して0.55〜1.32N/25mmの粘着力を有する粘着剤を形成するものであることを特徴とする硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物。
  2. 硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物であって、下記(A)〜(D)成分、
    (A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−C2aO−の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物(aは1〜6の整数):42.9〜50.4質量部
    (D)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリフルオロモノアルケニル化合物:49.6〜57.1質量部(但し、(A)、(D)成分の合計量を100質量部とする)
    (B)1分子中に、1個以上の一価のパーフルオロオキシアルキル基及び二価のパーフルオロアルキレン基を有し、かつ、ケイ素原子に結合した水素原子を(H)(CH SiO−基として少なくとも2個有する有機ケイ素化合物:硬化有効量
    (C)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量
    を含有し、硬化して0.5〜1.32N/25mmの粘着力を有する粘着剤を形成するものであることを特徴とする硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物。
  3. 前記(D)成分が、下記一般式(2)
    Rf−(X’)−CH=CH (2)
    [式中、X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH、−又は−CO−NR−Y’−(但し、Y’は−CH−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、
    Figure 0006927798
    (オルト、メタ、又はパラ位で示されるジメチルフェニルシリレン基)
    は水素原子、メチル基、フェニル基、又はアリル基である。)であり、pは0又は1である。Rfは、下記一般式
    F−[CF(CF)CFO]−CF(CF)−
    (式中、wは1〜500の整数で表される。)で示されるパーフルオロポリエーテル構造である。]
    で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物であることを特徴とする請求項2に記載の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物。
  4. 前記(A)成分が、下記一般式(1)
    Figure 0006927798
    [式中、Xは−CH−、−CHO−、−CHOCH−、又は−Y−NR−CO−(但し、Yは−CH−又は下記構造式(Z)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基、又はアリル基である。)である。X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−、又は−CO−NR−Y’−(但し、Y’は−CH−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基、又はアリル基である。)である。pは独立に0又は1、rは2〜6の整数、m、nはそれぞれ0〜600の整数であり、更にmとnの和が50〜600である。
    Figure 0006927798
    (オルト、メタ、又はパラ位で示されるジメチルフェニルシリレン基)
    Figure 0006927798
    (オルト、メタ、又はパラ位で示されるジメチルフェニルシリレン基)]
    で表される直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物。
  5. 前記硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物の硬化物が、体積抵抗率が1×10Ω・cm以上の非導電性粘着剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物の硬化物を含むことを特徴とする粘着剤。
  7. 基材上に、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の硬化性パーフルオロポリエーテル粘着剤組成物の硬化物層が積層していることを特徴とする粘着テープ。
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