JP2019123768A - 粘着層付きフッ素樹脂フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、燃料油や潤滑油等の有機液体、洗浄液等の接触する用途において、粘着層の耐久性を向上させることによって、粘着層が劣化せず、初期の粘着力を維持する粘着層付きフッ素樹脂フィルムを提供することを目的とする。【解決手段】フッ素樹脂フィルムと、該フッ素樹脂フィルムの少なくとも一方の表面の一部又は全部に粘着層とを備えた粘着層付きフッ素樹脂フィルムであって、前記粘着層がパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含む組成物から形成されたものであることを特徴とする粘着層付きフッ素樹脂フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着層付きフッ素樹脂フィルムに関する。
粘着層付きフッ素樹脂フィルムは、絶縁テープ、マスキングテープ、配線の固定テープ、薬品容器の蓋の仮固定等の用途に用いられており、従来の粘着層付きフッ素樹脂フィルムにおいて粘着層はアクリル系又はシリコーン系粘着剤を用いた粘着層等が使用される。
このような粘着層付きフッ素樹脂フィルムは、使用環境によっては、皮脂、界面活性剤、オイル、燃料等も接触する。特に燃料や潤滑油と接触する場合において、従来のアクリル系又はシリコーン系粘着剤を用いた場合では、粘着層の耐久性に問題があり、粘着層が剥離したり、膨潤して粘着力が低下する等の不具合の生じることがあった。
本発明は、燃料油や潤滑油等の有機液体、洗浄液等の接触する用途において、粘着層の耐久性を向上させることによって、粘着層が劣化せず、初期の粘着力を維持する粘着層付きフッ素樹脂フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明では、フッ素樹脂フィルムと、該フッ素樹脂フィルムの少なくとも一方(片方又は両方)の表面の一部又は全部に粘着層とを備えた粘着層付きフッ素樹脂フィルムであって、前記粘着層がパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含む組成物から形成されたものである粘着層付きフッ素樹脂フィルムを提供する。
このような粘着層付きフッ素樹脂フィルムであれば、燃料油や潤滑油等の有機液体、洗浄液等の接触する用途において、粘着層の耐久性を向上させることによって、粘着層が劣化せず、初期の粘着力を維持する粘着層付きフッ素樹脂フィルムを提供することができる。
また、前記フッ素樹脂フィルムが、PFA、FEP、ETFE、PTFE及びPVDFから選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含むものであることが好ましい。
本発明の粘着層付きフッ素樹脂フィルムには、このような樹脂を含むフッ素樹脂フィルムを用いることができる。
また、前記フッ素樹脂フィルムの片方の表面の全部に前記粘着層を備えたものである粘着層付きフッ素樹脂フィルムとすることができる。
このような粘着層付きフッ素樹脂フィルムであれば、絶縁テープ、マスキングテープ、配線の固定テープとして好適に用いることができる。
また、前記粘着層が、
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−C2aO−の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物(aは1〜6の整数) 100質量部、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物 架橋有効量、及び
(C)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
を含有する架橋性パーフルオロポリエーテル組成物から形成されたものであることが好ましい。
このような粘着層であれば、本発明の効果を十分に発揮することができる。
また、前記粘着層が、
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−C2aO−の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物(aは1〜6の整数) 40〜80質量部、
(D)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、ポリフルオロモノアルケニル化合物 20〜60質量部(但し、(A)、(D)成分の合計量を100質量部とする)、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物 架橋有効量、及び
(C)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
を含有する架橋性パーフルオロポリエーテル組成物から形成されたものであることがさらに好ましい。
このような粘着層であれば、本発明の効果を更に十分に発揮することができる。
以上のように、本発明の粘着層付きフッ素樹脂フィルムであれば、パーフルオロポリエーテル構造を有する架橋ポリマーを主剤とする粘着層は、燃料油や潤滑油等の有機液体、洗浄液等の接触する環境であっても、初期の粘着力を維持するため、長期にわたって使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[粘着層付きフッ素樹脂フィルム]
本発明の粘着層付きフッ素樹脂フィルムは、フッ素樹脂フィルムの少なくとも一方(片方又は両方)の表面の一部又は全部に粘着層を備えることを特徴とする。粘着層を備えるのは、片面でも両面でもよい。粘着層はフィルム表面の全面又は一部の面に配置される。粘着層の厚さは、通常、5〜100μm、好ましくは10〜50μm程度であればよい。
[フッ素樹脂フィルム]
フッ素樹脂フィルムは、市販品を用いればよい。フッ素樹脂フィルムの材質は、PFA(パーフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)、FEP(パーフルオロエチレン・パーフルオロプロピレン共重合樹脂)、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合樹脂)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン樹脂)等が挙げられる。また、フッ素樹脂フィルムとしてPTFE多孔質膜を用いてもよい。フィルムの厚さは、5〜5000μmが好ましく、10〜1000μmがより好ましく、10〜500μmが特に好ましい。膜厚が5μm以上であれば、膜の強度が不足するおそれがない。膜厚が5000μm以下であれば、貼り付ける物品の形状に追従できなくなって貼り付けが困難になるおそれがない。
[粘着層]
粘着層には、耐熱性、耐水性、耐油性等に優れ、さらに耐薬品性や耐溶媒性に優れた架橋パーフルオロポリエーテル粘着剤を使用する。このような粘着剤であれば、従来のアクリル系又はシリコーン系粘着剤より耐薬品性や耐溶媒性に優れており、フッ素樹脂フィルムの粘着層として好適である。
粘着層に用いる架橋パーフルオロポリエーテル粘着剤としては、
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−C2aO−の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物(aは1〜6の整数) 100質量部、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物 硬化有効量(架橋有効量)、及び
(C)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
を含有し、硬化・架橋して粘着層を形成する架橋性パーフルオロポリエーテル組成物であるのが好ましい。
また、上記において更に好ましくは、
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−C2aO−の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物(aは1〜6の整数) 40〜80質量部、
(D)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、ポリフルオロモノアルケニル化合物 20〜60質量部(但し、(A),(D)成分の合計量を100質量部とする)、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物 硬化有効量(架橋有効量)、及び
(C)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
を含有し、硬化・架橋して粘着層を形成する架橋性パーフルオロポリエーテル組成物である。
<(A)成分>
(A)成分は、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造、好ましくは二価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有するものである。
ここで、パーフルオロアルキルエーテル構造としては、−C2aO−(式中、各単位のaは独立に1〜6の整数である。)の多数の繰り返し単位を含むもので、例えば下記一般式(2)で示されるもの等が挙げられる。
Figure 2019123768
(式中、qは50〜600、好ましくは50〜400、より好ましくは50〜200の整数である。)
上記式(2)で示される繰り返し単位−C2aO−としては、例えば下記の単位等が挙げられる。なお、上記パーフルオロアルキルエーテル構造は、これらの繰り返し単位の1種単独で構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
Figure 2019123768
これらの中では、特に下記単位が好適である。
Figure 2019123768
この(A)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物におけるアルケニル基としては、炭素数2〜8、特に炭素数2〜6で、かつ末端にCH=CH−構造を有するものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の末端にCH=CH−構造を有する基、特にビニル基、アリル基等が好ましい。このアルケニル基は、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物の主鎖の両端部に直接結合していてもよいし、二価の連結基、例えば、−CH−、−CHO−又は−Y−NR−CO−(但し、Yは−CH−又は下記構造式(Z)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)等を介して結合していてもよい。アルケニル基は1分子中に少なくとも2個有する。
Figure 2019123768
(o,m又はp位で示されるジメチルフェニルシリレン基)
(A)成分としては、下記一般式(3)又は(4)で表されるポリフルオロジアルケニル化合物を挙げることができる。
Figure 2019123768
(式中、Xは独立に−CH−、−CHO−、−CHOCH−又は−Y−NR−CO−(但し、Yは−CH−又は下記構造式(Z)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−又は−CO−NR−Y’−(但し、Y’は−CH−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)である。Rfは二価のパーフルオロポリエーテル構造であり、上記式(2)、即ち(C2aO)で示されるものが好ましい。Qは炭素数1〜15の二価の炭化水素基であり、エーテル結合を含んでいてもよく、具体的にはアルキレン基、エーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基である。pは独立に0又は1である。)
Figure 2019123768
(o,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)
Figure 2019123768
(o,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)
このような(A)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物としては、特に下記一般式(1)で示されるものが好適である。
Figure 2019123768
(式中、X、X’及びpは前記と同じであり、rは2〜6の整数、m、nはそれぞれ0〜600の整数であり、更にmとnの和が50〜600である。)
上記式(1)の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレン換算重量平均分子量が10,000〜100,000、特に10,000〜50,000であることが望ましい。分子量が10,000以上の場合は、ガソリンや各種溶剤に対する膨潤が大きくなるのを抑制することができる。特に、ガソリン対する膨潤が6%より低く抑えられるため、耐ガソリン性が要求される部材としての特性を満足することができる。また、分子量が100,000以下の場合は、粘度が高くなり過ぎず、作業性を損なわないため実用性がある。
一般式(1)で表される直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 2019123768
Figure 2019123768
Figure 2019123768
(式中、m及びnはそれぞれ0〜600、好ましくは0〜200、m+n=50〜600、好ましくはm+n=50〜200を満足する整数を示す。)
更に、本発明では、上記式(1)の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物を目的に応じた所望の重量平均分子量に調節するため、予め上記したような直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物を分子内にSiH基を2個含有する有機ケイ素化合物と通常の方法及び条件でヒドロシリル化反応させ、鎖長延長した生成物を(A)成分として使用することも可能である。
<(B)成分>
(B)成分は、(A)成分の架橋剤、鎖長延長剤として作用するものである。この(B)成分は、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物である。但し、(A)成分又は後述する(D)成分やその他の成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性等の観点から、1分子中に1個以上の一価のパーフルオロアルキル基、一価のパーフルオロオキシアルキル基、二価のパーフルオロアルキレン基又は二価のパーフルオロオキシアルキレン基を有しているものを使用することができる。
かかる(B)成分としては、特許第2990646号公報及び特開2000−248166号公報記載の公知の有機ケイ素化合物が挙げられるが、特に限定されるものではない。
このような有機ケイ素化合物としては、特に下記一般式(5)で示されるものが有用である。
Figure 2019123768
(式中、Rfは一価のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基(パーフルオロポリエーテル基)、Rは炭素数1〜20の一価炭化水素基、Rは炭素数2〜20の二価炭化水素基であり、エーテル結合、アミド結合、カルボニル結合、又はエステル結合を含んでもよい。kは2以上の整数、lは1〜6の整数、k+l=3〜10の整数である。)
Rfの一価のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基としては、下記一般式で示される基を例示することができる。
一価のパーフルオロアルキル基:
Figure 2019123768
(但し、bは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
一価のパーフルオロオキシアルキル基:
Figure 2019123768
(式中、nは2〜200、好ましくは2〜100の整数である。)
は炭素数1〜20、特に炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げられるが、脂肪族不飽和結合を有さないものが好ましい。
また、Rは炭素数2〜20の二価炭化水素基であり、エーテル結合、アミド結合、カルボニル結合、又はエステル結合を含んでもよい二価の連結基である。かかる連結基としては、アルキレン基、アリーレン基やこれらの組み合わせでも、あるいはこれらにエーテル結合酸素原子(−O−)、アミド結合(−NRCO−)、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)の1種又は2種以上を介在するものであってもよく、炭素数2〜12のものが好ましく、下記の基等が挙げられる。なお、−NRCO−基におけるRは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はフェニル基である。
Figure 2019123768
(但し、Phはフェニル基である。)
上記(B)成分の配合量は、(A)成分及び配合される場合は後述の(D)成分を硬化する架橋有効量であり、特に本組成物中の上記(A)成分及び(D)成分が有するアルケニル基の合計((D)成分が配合されない場合は(A)成分が有するアルケニル基)の1モルに対し、(B)成分のヒドロシリル基(Si−H)が好ましくは0.2〜2モル、より好ましくは0.5〜1.5モルとなる量である。ヒドロシリル基(Si−H)がアルケニル基の合計の1モルに対し0.2モル以上であれば、架橋度合が十分となり、確実に硬化物を得られる。また、2モル以下であれば、硬化時に発泡してしまうおそれがない。
<(C)成分>
本発明の(C)成分のヒドロシリル化反応触媒は、(A)成分及び配合される場合は(D)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のヒドロシリル基との付加反応を促進する触媒である。このヒドロシリル化反応触媒は、一般に貴金属の化合物であり、高価格であることから、比較的入手しやすい白金又は白金化合物がよく用いられる。
白金化合物としては、例えば塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アルコールやビニルシロキサンとの錯体、シリカ、アルミナ、カーボン等を担持した金属白金等を挙げることができる。白金化合物以外の白金族金属触媒として、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物も知られており、例えばRhCl(PPh、RhCl(CO)(PPh、Ru(CO)12、IrCl(CO)(PPh、Pd(PPh等を例示することができる。
ヒドロシリル化反応触媒の配合量は、触媒量とすることができるが、通常(A)、(B)及び配合される場合は(D)成分の合計量100質量部に対して0.1〜100ppm(白金換算)の割合で配合することが好ましい。
<(D)成分>
(D)成分は、1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、ポリフルオロモノアルケニル化合物である。特に、下記式(6)のポリフルオロモノアルケニル化合物が好ましい。
Figure 2019123768
(式中、X’及びpは上記と同じであり、Rfは、下記一般式(7)で示されるパーフルオロポリエーテル構造である。)
Figure 2019123768
(式中、wは1〜500、好ましくは2〜200の整数で表される。)
上記一般式(6)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 2019123768
(式中、mは1〜200、特に2〜100の整数である。)
上記式(6)のポリフルオロモノアルケニル化合物の配合量は、本発明で用いられる硬化性パーフルオロポリエーテルゲル組成物(架橋性パーフルオロポリエーテル組成物)において、本組成物中の上記(A)成分の直鎖状パーフルオロポリエーテルジアルケニル化合物とこの(D)成分とが、(A)成分40〜80質量部、(D)成分20〜60質量部の割合で、(A)成分と(D)成分の合計量が100質量部となるように選定される。
[その他の成分]
本発明で用いられる架橋性パーフルオロポリエーテル組成物においては、上記の(A)〜(D)成分以外にも、各種配合剤を添加することは任意である。例えば、ヒドロシリル化反応触媒の制御剤として、例えば1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノール等のアセチレンアルコールや、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等、あるいはポリメチルビニルシロキサン環式化合物、有機リン化合物等が挙げられ、その添加により硬化反応性と保存安定性を適度に保つことができる。
また、接着性を付与するためにエポキシ基、アルコキシ基等を含有する、公知の接着性付与剤を添加することもできる。これらの配合成分の使用量は特に限定されず、任意である。
粘着層の形成は、本発明で用いるパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含む組成物を適当な基板上にコーティングした後に加熱することにより行うか、あるいは貼り合わせ等により従来公知の方法により行われる。硬化は、通常60〜150℃の温度で1〜30分程度の加熱処理によって容易に行うことができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
フッ素樹脂フィルムとして用いるPTFE多孔質膜として、住友電気工業株式会社製「FLUOROPORE(登録商標)FP−045」(厚さ0.08mm;平均孔径0.45μm)を用いた。
[実施例]
下記原料を使用し、表1に示す、実施例1〜5のパーフルオロポリエーテル粘着組成物を調製した。
原料
(A)パーフルオロポリエーテル1
Figure 2019123768
(D)パーフルオロポリエーテル2
Figure 2019123768
(B)ハイドロシロキサン1
Figure 2019123768
(C)白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体/エタノール溶液(白金含有量3.0%)
(E)硬化制御剤 エチニルシクロヘキサノール/50%トルエン溶液
[比較例]
パーフルオロポリエーテル粘着組成物の代わりに下記原料(F)を組成物として用いた。
(F)KR−3700(信越化学工業株式会社製商品名)ジメチルシリコーンをベースとした付加硬化型シリコーン粘着剤
粘着力測定
実施例及び比較例の組成物を、フッ素樹脂フィルムに粘着層の厚みが30μmとなるようにアプリケータを用いて塗工した後、130℃、5分間の条件で加熱して架橋させ、粘着テープ(PTFE多孔質膜に粘着層を形成したもの)を作製した。なお、本実施例及び比較例では、粘着層の耐久性を調べる目的のため、PTFE多孔質膜の全面に粘着層を形成した。この粘着テープを研磨したステンレス板に貼りつけ、重さ2kgのゴム層で被覆されたローラーを、該テープ基材上で1往復させることにより該テープを圧着した。室温で20時間放置した後、25℃において、引っ張り試験機を用いて300mm/分の引張り速度で180°の角度でテープをステンレス板から引き剥がすのに要する力(N/25mm)を測定した。
耐溶剤性試験
上記と同様の手順で作製した粘着テープを研磨したステンレス板に貼りつけ、重さ2kgのゴム層で被覆されたローラーを、該テープ基材上で1往復させることにより該テープを圧着した。室温で20時間放置した後、このステンレス板を下記の液体にそれぞれ下記の条件で浸漬した後、上記と同様の方法で粘着力を測定した。
Fuel Cオイル(イソオクタンとトルエンの質量比1:1混合液);25℃で7日間、
ATF(オートマチックトランスミッション)潤滑油:120℃で7日間。
Figure 2019123768
実施例1〜5では、本発明の粘着層付きフッ素樹脂フィルムに用いられる架橋性パーフルオロポリエーテル組成物を粘着剤として用いたため、Fuel Cオイル及びATFに浸漬した後の粘着力は初期とほぼ同程度の値を示した。
一方、比較例では、本発明の粘着層付きフッ素樹脂フィルムに用いられる架橋性パーフルオロポリエーテル組成物ではなく、従来型の粘着剤を用いた。この場合、Fuel Cオイル及びATFに浸漬した後には剥離が見られたことから、粘着力は、初期よりも大きく低下していることが分かった。
以上の結果、本発明の粘着層付きフッ素樹脂フィルムであれば、燃料油や潤滑油等の有機液体、洗浄液等の接触する用途において、粘着層の耐久性を向上させることによって、粘着層が劣化せず、初期の粘着力を維持できることが明らかになった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (5)

  1. フッ素樹脂フィルムと、該フッ素樹脂フィルムの少なくとも一方の表面の一部又は全部に粘着層とを備えた粘着層付きフッ素樹脂フィルムであって、前記粘着層がパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含む組成物から形成されたものであることを特徴とする粘着層付きフッ素樹脂フィルム。
  2. 前記フッ素樹脂フィルムが、PFA、FEP、ETFE、PTFE及びPVDFから選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の粘着層付きフッ素樹脂フィルム。
  3. 前記フッ素樹脂フィルムの片方の表面の全部に前記粘着層を備えたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粘着層付きフッ素樹脂フィルム。
  4. 前記粘着層が、
    (A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−C2aO−の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物(aは1〜6の整数) 100質量部、
    (B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物 架橋有効量、及び
    (C)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
    を含有する架橋性パーフルオロポリエーテル組成物から形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の粘着層付きフッ素樹脂フィルム。
  5. 前記粘着層が、
    (A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−C2aO−の繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物(aは1〜6の整数) 40〜80質量部、
    (D)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、ポリフルオロモノアルケニル化合物 20〜60質量部(但し、(A)、(D)成分の合計量を100質量部とする)、
    (B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物 架橋有効量、及び
    (C)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
    を含有する架橋性パーフルオロポリエーテル組成物から形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の粘着層付きフッ素樹脂フィルム。
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