JP3153089B2 - オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

オルガノポリシロキサン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性のオルガノポリ
シロキサン組成物に関するものであり、特に、各種材料
に対する接着性及び密着性に優れた硬化物を形成するこ
とができ、接着剤、シーリング材、パッキン等に好適に
使用されるオルガノポリシロキサン組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】シリコーンゴムは、耐熱性、電気絶縁
性、耐候性などの諸特性が優れていることから工業的に
各種分野で広く使用されている。しかし、このシリコー
ンゴムは離型性にも優れているため、各種基材に接着さ
せることが困難であるという問題がある。この問題を解
決するために、従来は、シリコーンゴム組成物中に、接
着性を付与する添加剤(接着性付与剤)を配合すること
が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、接着性付
与剤の配合は、それがシリコーン材ではないため、シリ
コーンゴムの諸特性を低下させる傾向がある。
【0004】従って本発明の課題は、従来のシリコーン
ゴムと同等以上の諸特性を有し且つ各種の基材に対する
接着性も良好な硬化物を形成し得るシリコーンゴム組成
物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、アルコキ
シ基を有する特定の含フッ素オルガノポリシロキサン
を、付加硬化型のシリコーンゴム組成物に配合すること
により、形成される硬化物の諸特性を低下させることな
く、ガラス、アルミニウム、鉄、エポキシ樹脂などの各
種の基材に対する接着性を向上させ得ることを見いだし
た。
【0006】即ち、本発明によれば、 (A)1分子中にケイ素原子に結合した脂肪族不飽和一
価炭化水素基を少なくとも2個有するオルガノポリシロ
キサン:100重量部、 (B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少な
くとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
:(A)成分中の脂肪族不飽和一価炭化水素基及び
(C)成分中のビニル基の合計1モルに対してケイ素原
子に結合した水素原子が0.5〜5.0モルとなる量、 (C)下記一般式(1):
【化2】 式中、R1 、R2 、R4 〜R6 及びR8 は、それぞれ独
立の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R3 及び
7 は、それぞれ独立に二価炭化水素基であり、Rf
は、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル
エーテル基であり、k、p及びmは、それぞれ1以上の
整数であり、nは、0以上の整数である、で示される含
フッ素オルガノポリシロキサン:0.01〜30重量
、 (D)白金族金属系触媒:(A)成分に対して、白金族
金属換算で1〜500ppmを含有してなるオルガノポ
リシロキサン組成物が提供される。
【0007】(A)成分 (A)成分のオルガノポリシロキサンは、付加硬化型の
オルガノポリシロキサン組成物のベース成分として公知
のものであり、1分子中にケイ素原子に結合した脂肪族
不飽和一価炭化水素基を少なくとも2個有するものであ
る。即ち、この脂肪族不飽和基基と、後述する(B)成
分のSiH基とのヒドロシリル化反応(付加反応)によ
り、ゴム弾性を有する硬化物が形成されるのである。
【0008】かかるオルガノポリシロキサンは、一般
に、下記平均組成式(2): Ra SiO4-a/2 (2) 式中、Rは、非置換または置換の一価炭化水素基であ
り、aは、1.98〜2.01の数である、で表され、通常、全
R基の内、0.01〜5モル%が脂肪族不飽和一価炭化水素
基である。例えば、かかる基が0.01モル%未満では、硬
化を有効に行うことが困難となり、また5モル%を越え
ると硬化物の耐熱性が損なわれ、また硬化物が脆くなっ
てゴム弾性が損なわれる傾向がある。
【0009】上記の平均組成式(2)においてRとして
表されるケイ素原子に結合した脂肪族不飽和一価炭化水
素基としては例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル
基、イソプロペニル基、ブテニル基、クロチル基、イソ
ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のア
ルケニル基のほか、3−メタクリロキシプロピル基、3
−アクリロキシプロピル基等の(メタ)アクリロキシ基
置換アルチル基などの、炭素数2〜8のものを挙げるこ
とができる。また、上記平均組成式(2)のRのうち、
これら脂肪族不飽和一価炭化水素基以外の、ケイ素原子
に結合した非置換または置換の一価炭素水素基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、ter−ブチル基、ペン
チル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ド
デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基、キセニル基等のアリール基;ベン
ジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル
基、4−メチルベンジル基等のアラルキル基;およびこ
れらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全
部を、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基
などで置換した基、例えばクロロメチル基、クロロプロ
ピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シ
アノエチル基などの炭素数1〜12、好ましくは炭素数
1〜8のものを例示することができる。この(A)成分
のオルガノポリシロキサンは、通常、直鎖状のジオルガ
ノポリシロキサンであるが、分子中の一部に分岐状の構
造を含んだものであってもよい。またケイ素原子に結合
した脂肪族不飽和一価炭化水素基は、分子鎖の末端のケ
イ素原子に結合したものであっても、分子鎖の途中のケ
イ素原子に結合したものであってもよいが、組成物の硬
化速度等の点からは少なくとも分子鎖末端のケイ素原子
に結合したものであることが好ましい。
【0010】なお、このオルガノポリシロキサンは、25
℃における粘度が25〜500,000cSt、特に 1,000〜100,00
0cStの範囲にあることが好ましく、これは平均重合度が
10〜2,000 の範囲に相当する。
【0011】(B)成分 (B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは
架橋剤であり、ケイ素原子に結合した水素原子を一分子
中に少なくとも2個、好ましくは3個以上有するもので
ある。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンも従
来公知であり、例えば下記式(3)〜(5)で表される
ものが使用される。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】上記式中、Rは前記平均組成式(2)のR
として例示されたものと同様の、好ましくは脂肪族不飽
和基を除く炭素数1〜12の非置換又は置換の一価炭化
水素基であり、Rf は後記で詳述する一般式(1)中の
ものと同様の基であり、R’はR、−CH2 CH2 f
又は水素原子である。またa〜cはそれぞれa≧0,b
≧0,c≧2,2≦a+b+c≦300、好ましくは2
≦a+b+c≦100、特に2≦a+b+c≦20を満
足する整数である。但し、式(3)においてR’が水素
原子である場合には、c≧0,0≦a+b+c≦300
である。
【0016】この(B)成分のオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンは、(A)成分中の脂肪族不飽和一価炭
化水素基及び後述する(C)成分中のビニル基の合計1
モルに対してケイ素原子に結合した水素原子(≡SiH)
が、0.5〜5.0モル、特に0.5〜3モルとなる量で配合
されるのが好適である。この水素原子量が0.5モル未満
では、この組成物が硬化せず液状のままの場合がある。
また5モルより多いと、この組成物の硬化時に発泡した
り、或いは形成される硬化物の圧縮永久歪が低いものと
なることがある。
【0017】(C)成分 (C)成分の含フッ素オルガノポリシロキサンは、接着
性付与剤として作用するものであり、前記一般式(1)
で表される。該一般式(1)から理解されるように、こ
の含フッ素オルガノポリシロキサンは、主鎖中のケイ素
原子に結合したビニル基を有している。従って、このビ
ニル基が、(B)成分中のSiH基と付加反応するた
め、硬化物の分子構造中にこの成分が取り込まれ、接着
付与効果が有効かつ安定に発現するものと考えられる。
また、分子中にOR4 で示されるアルコキシ基、アリー
ロキシ基などの官能性基が含まれているため、該基の作
用により接着付与効果が発現するものと考えられる。
【0018】一般式(1)中、R1 、R2 、R4 〜R6
及びR8 は、非置換または置換の一価炭化水素基である
が、それぞれ同一でも異なる基であってもよく、その適
当な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ter−ブチ
ル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基
等のアルキル基;シクロヘキシル基、シクロペンチル基
などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基、キセニル基等のアリール基;ベン
ジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチ
ルベンジル基等のアラルキル基;これらの基の炭素原子
に結合している水素原子の少なくとも一部を、フッ素、
塩素、臭素などのハロゲン原子、シアノ基などで置換し
た基、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロ
モエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シ
アノエチル基などの、好ましくは脂肪族不飽和基を除
く、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものを挙げる
ことができる。またR4 としては上記で例示したものの
中で、特に炭素数1〜6のアルキル基、アリール基の他
に、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメ
チル基、エトキシエチル基等の炭素数2〜4のアルコキ
シ置換アルキル基を例示することができる。
【0019】またR3 、R7 はそれぞれ独立に、二価の
炭化水素基であり、例えばエチレン基、プロピレン基、
テトラメチレン基、メチルエチレン基、ヘキサメチレン
基等の炭素数2〜6のアルキレン基、フェニレン基、ト
リレン基、キシリレン基、キセニレン基等の炭素数6〜
12のアソーレン基などを例示することができるが、好
ましくはエチレン基、プロピレン基が挙げられる。
【0020】またRfは含フッ素基であり、パーフルオ
ロアルキル基またはパーフルオロアルキルエーテル基で
ある。パーフルオロアルキル基としては一般式:Cd
2d+1−(dは1〜15の各整数を示す)で表される炭素
原子数が1〜15のものが好ましく、最も適当なものと
しては、 CF3 −,C4 9 −、C6 13−、C8 17−、C10
21− 等を挙げることができる。またパーフルオロアルキルエ
ーテル基としては、例えば一般式:
【0021】
【化6】
【0022】(式中、Xはフッ素原子又はCF3 基を示
し、eは1,2,3,4又は5であり、fは0又は1で
ある)で表される炭素原子数が3〜18のものが好まし
く、最も適当なものとしては、以下のものを挙げること
ができる。
【0023】
【化7】
【0024】また、一般式(1)中、k、p及びmは、
それぞれ1以上の整数であり、nは0以上の整数であ
り、3≦k+p+m+n≦300、好ましくは3≦k+
p+m+n≦100、特に3≦k+p+m+n≦20で
ある。
【0025】上述した一般式(1)で表される含フッ素
オルガノシロキサンは、例えば下記式:
【化8】 式中、R1 、R5 〜R8 、Rf、k、p、m及びnは、
前記の通りである、で示されるシロキサンと、トリアル
コキシヒドロシランなどの、R4 O基を3個有するヒド
ロシラン(即ち、HSi(OR4 3 、R4 は前記の
通り)とをヒドロシリル化触媒の存在下で付加反応させ
ることにより合成することができる。この反応は60〜15
0 ℃、好ましくは80〜120 ℃で行なわれる。また触媒と
しては、後述する(D)成分と同様の白金族金属系触媒
が使用されるが、特に好適に使用されるものは、例え
ば、塩化白金酸;アルコール変性塩化白金酸;塩化白金
酸とオレフィンとのコンプレックス;白金黒またはパラ
ジウムなどをアルミナ、シリカ、カーボンなどの担体に
担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレック
ス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウ
ム(ウィルキンソン触媒);などである。これらの中で
もコンプレックス系のものは、アルコール系、ケトン
系、エーテル系、炭化水素系の溶剤に溶解させて用いら
れる。
【0026】本発明において、前記一般式(1)で表さ
れる含フッ素オルガノポリシロキサン、即ち、(C)成
分の配合量は、(A)成分100重量部当たり、0.01〜
30重量部、特に0.05〜15重量部の範囲が好ましい。0.01
重量部未満では、硬化物の接着性を十分に向上させるこ
とが困難となり、また30重量部よりも多量に使用する
と、得られるシリコーンゴム硬化物の耐熱性、圧縮永久
歪など特性が低下する傾向がある。
【0027】(D)成分 (D)成分の白金族金属系触媒は硬化触媒であり、
(A)成分中の脂肪族不飽和基及び(C)成分中のビニ
ル基と、(B)成分中のSiH基とのヒドロシリル化反
応を促進させるものであり、これには、白金系、パラジ
ウム系、ロジウム系のものがあるが、コストの点等か
ら、通常は白金系のもの、例えば白金黒;塩化白金酸;
塩化白金酸と、アルコール、エーテル、アルデヒド、エ
チレン等のオレフィンあるいはビニルシラン、ビニルシ
ロキサン等とのコンプレックス;アルミナ、シリカ、ア
スベスト等の各種担体に、白金粉末を担持させたもの;
等が好適に使用される。かかる(D)成分の配合量は、
所謂触媒量でよく、通常、(A)成分に対して、白金族
金属換算で1〜500ppm、特に5〜20ppm の範囲である。
【0028】他の配合成分 本発明のオルガノポリシロキサン組成物においては、上
述した(A)〜(D)成分以外にも、その用途等に応じ
て、それ自体公知の添加剤を適宜配合することができ
る。例えば煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボン粉
末、二酸化チタン、酸化アルミニウム、石英粉末、タル
ク、セリサイト、ベントナイト等の補強剤;アスベス
ト、ガラス繊維、有機繊維等の繊維質充填剤;ジフェニ
ルシランジオール、分子鎖末端が水酸基で封鎖された低
重合度のジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラ
ザン等の分散剤;酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化セリウ
ム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤;各種の顔料;等
が、各種の基材に対する接着性を向上させるという本発
明の課題を損なわない限りの量で、適宜、配合すること
が可能である。
【0029】オルガノポリシロキサン組成物 本発明の組成物は、上述した(A)〜(D)成分及び適
宜配合される任意成分を均一に混練することによって容
易に調製される。この組成物は、常圧または加圧下で、
100〜200℃×30秒〜1時間の加熱により硬化
し、各種特性の優れたゴム弾性体硬化物を与える。この
硬化物は、ガラス、アルミニウム、鉄、エポキシ樹脂な
どの各種被着体に対して優れた接着性、密着性を示すの
で、この組成物は、接着剤、シーリング材、パッキンな
どに好適に使用される。
【0030】
【実施例】以下の例において、「部」は「重量部」を意
味し、また粘度は25℃での測定値を示したものである。
【0031】実施例1、比較例1 分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、下
記式:
【化9】 で表されるジメチルポリシロキサン 100部 ヘキサメチルジシラザンで表面処理された霧煙質シリカ (比表面積:300m2 /g) 15部 を150℃×2時間、ニーダーで混練してベース組成物
を調製した。
【0032】上記のベース組成物100gに、下記式:
【化10】 で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン 1.
3g、カーボンブラック 0.2g、塩化白金酸を〔CH
2 =CHSi(CH3 ) 2 2 −Oで変性した触媒のト
ルエン溶液(白金濃度:1.0%) 0.1g、エチ
ニルシクロヘキサノールの50%トルエン溶液 0.4
g、下記式:
【化11】 で表される含フッ素オルガノポリシロキサン 1.0
g、を加え、混合して本発明のオルガノポリシロキサン
組成物(実施例1)を調製した。
【0033】また比較のために、含フッ素オルガノポリ
シロキサンを添加しないほかは上記と同様にして、オル
ガノポリシロキサン組成物(比較例1)を調製した。
【0034】上記で調製された実施例1及び比較例1の
オルガノポリシロキサン組成物を、それぞれ、温度15
0℃、圧力100kg/cm2 の条件下で10分間プレスし
て厚さ2mmのシートを作成した。得られたシートを、さ
らに150℃で1時間加熱処理し、この加熱処理後のシ
ートのゴム物性をJIS-K6301 に準じて調べた。結果を表
1に示す。また、ガラス、アルミニウム、鉄、エポキシ
樹脂に対する剪断接着力を測定するために図1に示す試
験片を作成した。二枚の被着材である幅25mmのストリ
ップ1及び2のそれぞれの片末端部の片面を10mmの長
さにわたり厚さ2mmの組成物層3で貼りあわせ、これを
150℃で2時間加熱して組成物層3を硬化させた。硬
化後、該試験片の両末端4及び5を矢印で示すように反
対方向に引っ張り、組成物層3の単位面積(1cm2 )当
たりの剪断接着力を測定した。さらに、この測定におい
て組成物層において破断が起こった面積(凝集破壊面
積)と組成物層とストリップとの界面で破断が起こった
面積(界面破壊面積)とを測定し、凝集破壊率(%)を
次式: [凝集破壊面積/(界面破壊面積+凝集破壊面積)]×
100 により求めた。結果を表2に示す。表1及び表2の結果
から、実施例1の組成物から形成された硬化物は、良好
なゴム物性を有し、しかも、各種被着材に対して優れた
接着性を有することが理解される。
【0035】
【表1】 硬さは、A型スプリング式試験機を用いて測定した(以
下同じ。)
【0036】
【表2】 剪断接着力(kgf/cm2 ) 凝集破壊率(%)
【0037】実施例2 実施例1で用いた含フッ素オルガノポリシロキサンを、
下記式:
【化12】 1.0 g使用した以外は実施例と同様にしてオルガノポリ
シロキサン組成物(実施例2)を調製し、且つ、同様に
して、ゴム物性、剪断接着力の測定を行った。その結果
を表3及び表4に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】 剪断接着力(kgf/cm2 ) 凝集破壊率(%)
【0040】実施例3 実施例1で用いた含フッ素オルガノポリシロキサンの代
わりに、下記式:
【化13】 で示されるものを 1.0g使用した以外は実施例と同様に
してオルガノポリシロキサン組成物(実施例3)を調製
し、且つ、同様にして、ゴム物性、剪断接着力の測定を
行った。その結果を表5及び表6に示す。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】実施例4、比較例2 分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖されてい
る下記式:
【化14】 で示されるトリフルオロプロピルメチルポリシロキサン 100部 比表面積300m2 /gの煙霧質シリカ 15部 を 150℃×2時間、ニーダで混練してベース組成物を調
製した。
【0044】このベース組成物100gに、実施例1で
使用したオルガノハイドロジェンポリシロキサン 3.0
g、塩化白金酸を〔CH2 =CHSi(CH3 ) 2 2
−Oで変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度:1.0
%) 0.1g、エチルシクロヘキサノ
ールの50%トルエン溶液 0.4g、実施例1で使用し
たもの含フッ素オルガノポリシロキサン 1.0g、を加
え、混合してオルガノポリシロキサン組成物(実施例
4)を調製した。
【0045】また、上記において、含フッ素オルガノポ
リシロキサンを使用しない点を除けば同様にしてオルガ
ノポリシロキサン組成物(比較例2)を調製した。
【0046】上記で調製された実施例4及び比較例2の
組成物について、実施例1と同様にして、ゴム物性、剪
断接着力の測定を行った。その結果を表7及び表8に示
す。これらの結果から、実施例4の組成物は、比較例2
の組成物に比して、良好なゴム物性を有し、しかも各種
被着材に対して優れた接着性を有する硬化物を形成する
ことが理解される。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】 剪断接着力(kgf/cm2 ) 凝集破壊率(%)
【0049】実施例5、比較例3 分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖された下
記式:
【化15】 で示される含フッ素ジメチルポリシロキサン 100部 比表面積300m2 /gの煙霧質シリカ 15部 を 150℃×3時間、ニーダーで混練して、ベース組成物
を調製した。
【0050】上記で調製したベース組成物100gに、
下記式:
【化16】 で示される含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサン 2.0g 塩化白金酸のアルコール溶液(白金濃度 0.5%) 0.2g エチニルシクロヘキサノールの50%トルエン溶液 0.4g 実施例1で使用した含フッ素オルガノポリシロキサン 1.0g を加え、混合してオルガノポリシロキサン組成物(実施
例5)を調製した。
【0051】また、上記において、実施例1で使用した
含フッ素オルガノポリシロキサンを配合しなかった以外
は上記と同様にしてオルガノポリシロキサン組成物(比
較例3)を調製した。
【0052】上記で調製された実施例5及び比較例3の
組成物について、実施例1と同様にして、ゴム物性、剪
断接着力の測定を行った。結果を表9及び表10に示
す。これらの結果から、実施例5の組成物は、比較例3
の組成物に比して、良好なゴム物性を有し、しかも各種
被着材に対して優れた接着性を有する硬化物を形成する
ことが理解される。
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】 剪断接着力(kgf/cm2 ) 凝集破壊率(%)
【0055】
【発明の効果】本発明のオルガノポリシロキサン組成物
から得られる硬化物は、ガラス、アルミニウム、鉄、エ
ポキシ樹脂などの被着材に対して優れた接着性を示すば
かりか、ゴム物性も従来のオルガノポリシロキサン組成
物から得られる硬化物と同等以上である。本発明の組成
物は、接着材、シーリング材、パッキンなどとして特に
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で剪断接着力の測定に用いた試験片の斜
視図である。
【符号の説明】
1 被着材のストリップ 2 被着材のストリップ 3 組成物層
フロントページの続き (72)発明者 福田 健一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 須藤 智文 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭54−58757(JP,A) 特開 平2−298549(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/07 C08L 83/05 C08L 83/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中にケイ素原子に結合した
    脂肪族不飽和一価炭化水素基を少なくとも2個有するオ
    ルガノポリシロキサン:100重量部、 (B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少な
    くとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
    :(A)成分中の脂肪族不飽和一価炭化水素基及び
    (C)成分中のビニル基の合計1モルに対してケイ素原
    子に結合した水素原子が0.5〜5.0モルとなる量、 (C)下記一般式(1): 【化1】 式中、R1 、R2 、R4 〜R6 及びR8 は、それぞれ独
    立に非置換又は置換の一価炭化水素基であり、 R3 及びR7 は、それぞれ独立に二価炭化水素基であ
    り、 Rfは、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアル
    キルエーテル基であり、 k、p及びmは、それぞれ1以上の整数であり、 nは、0以上の整数である、 で示される含フッ素オルガノポリシロキサン:0.01
    〜30重量部、 (D)白金族金属系触媒:(A)成分に対して、白金族
    金属換算で1〜500ppm、 を含有してなるオルガノポリシロキサン組成物。
  2. 【請求項2】 (B)成分におけるRfが、パーフルオ
    ロアルキルエーテル基である請求項1に記載のオルガノ
    ポリシロキサン組成物。
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