JP2013035780A - 粉液型歯科用修復材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 重合性単量体を含む(A)液材と、該(A)液材に溶解性の有機ポリマー粒子を含む(B)粉材とからなり、これら(A)液材または(B)粉材の少なくとも一方には重合開始剤が含有されてなる粉液型歯科用修復材において、
上記(B)粉材に含まれる有機ポリマー粒子の少なくとも一部が、粒子内に無機顔料微粒子、好適には酸化チタン微粒子が0.1〜2質量%の含有量で分散する無機顔料分散有機ポリマー粒子であることを特徴とする粉液型歯科用修復材。
【選択図】 なし
Description
上記(B)粉材に含まれる有機ポリマー粒子の少なくとも一部が、粒子内に無機顔料微粒子が0.1〜2質量%の含有量で分散する無機顔料分散有機ポリマー粒子であることを特徴とする粉液型歯科用修復材である。
〔(A)液材〕
<重合性単量体>
本発明において、(A)液材に使用する重合性単量体は、液状の重合性化合物である限り公知のものが制限なく使用できる。カチオン重合性単量体等であっても良いが、ラジカル重合性単量体が好適である。ラジカル重合性単量体としては、ビニル基等の重合性不飽和結合を有する公知の化合物から採択すれば良く、重合性の良さなどから、(メタ)アクリレート系の単量体が特に好適に用いられる。当該(メタ)アクリレート系の重合性単量体を具体的に例示すると、次に示すものが挙げられる。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、プロピオンオキシエチル(メタ)アクリレート、ブタノンオキシエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,6H−デカフルオロヘキシル(メタ)アクリレート及び1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート等の含フッ素(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス((メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル]プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジプロポキシフェニルプロパン、2−(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)−2−(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)−2−(4−(メタ)アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロキシジプロポキシフェニル−2−(4−(メタ)アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシイソプロポキシフェニルプロパン等の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の粉液型歯科用修復材において、(A)液材には、可塑剤を配合させるのが好ましい。こうした可塑剤は、特に限定されず、通常、歯科用分野に使用されるものが使用できる。代表的なものを例示すれば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブヂルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル、ジブチルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジブチルセバチート、ジオクチルセバチート、ジブチルマレエート、ジブチルフマレート等のフタル酸以外の二塩基酸エステル、グリセロールトリアセテート等のグリセリンエステル、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル等である。上記エステル類の内、脂肪族エステルは、炭素原子数1〜12、さらには1〜8のものが好ましい。特に、上記記載の可塑剤の内、フタル酸エステルが好適である。これらの可塑剤は、必要に応じて1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
<粒子を構成する有機ポリマー成分>
本発明において、(B)粉材の有機ポリマー粒子を構成する有機ポリマー成分は、上記(A)液材に溶解性のある有機ポリマーである。ここで、有機ポリマーが(A)液材に溶解性がある状態とは、内径が35〜40mmで100ml以上の容量のあるサンプル瓶に、(A)液材50gと有機ポリマー1gを添加して、長さ25mmのスターラーピースを用いて回転速度300rpmにて23℃の液温下で3分攪拌後、攪拌液を濾過して有機ポリマーの未溶解量を採取して重量を計測することにより該有機ポリマーの溶解率を求めた際に5質量%以上である状態を言う。有機ポリマーの溶解率が高いほどゲル化による重合反応が促進されて好ましいため、該溶解率は10質量%以上であるのが好ましい。
本発明において、有機ポリマー粒子内に分散させる無機顔料微粒子は、得られる歯科用修復材が、所望する歯牙の色調になるように公知のものから適宜採択すれば良い。具体的には、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、カーボンブラック、黒酸化鉄、黄色酸化鉄、弁柄、銅クロマイトブラック、酸化クロムグリーン、クロムグリーン、バイオレット、クロムイエロー、クロムグリーン、クロム酸鉛、モリブデン酸鉛、チタン酸カドミウム、ニッケルチタンイエロー、ウルトラマリーンブルー、コバルトブルー、ビスマスバナデート、カドミウムイエローまたはカドミウムレッド等が挙げられる。歯牙の色調を再現するためには、白顔料が主顔料として使用されることが多く、特に、二酸化チタンが最適に使用される。また、二酸化チタンは親水性の顔料であり、疎水的な前記重合性単量体との馴染みが良くないので、本発明は無機顔料を粉液型歯科用修復材の硬化体中におい良好に分散させることができ、本発明の効果が特に良好に発揮できて好ましい。二酸化チタンは、有機ポリマー粒子内に分散される無機顔料微粒子の内の少なくとも一部、より好適には80質量%を占めるように配合させるのが好ましい。
本発明において、粉材に配合する上記無機顔料微粒子は、有機ポリマー粒子内に0.1 〜2質量%の含有量で分散させて用いる。このような適量の無機顔料微粒子を、有機ポリマー粒子内部に分散させて用いることにより、本発明の粉液型歯科用修復材は、硬化体中において、該無機顔料微粒子が良好に分散し、色ムラの発生もなく滑らかな色調で、且つ粉材の流動性にも優れるものになる。
懸濁安定剤は、具体的にはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系水溶性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩類、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド系、第三リン酸塩類、ポリカルボン酸の部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン等が挙げられ、目的に応じて併用してもよい。
本発明において、(B)粉材には、上記無機顔料分散有機ポリマー粒子のみを用いても良いが、その場合、色調が濃厚になり過ぎる虞や、(A)液材への溶解性や得られるペーストの操作性が低下する虞もあるため、顔料非含有の有機ポリマー粒子と組合せて用いるのが好ましい。こうした顔料非含有有機ポリマー粒子の細かな粒子性状や、粒子を構成する有機ポリマーの種類等は、前記した無機顔料分散有機ポリマー粒子の場合と同様である。無機顔料含有有機ポリマー粒子に対する無機顔料非分散有機ポリマー粒子の配合割合は、前者100質量部に対して後者を1200質量部以下とするのが好ましく、550質量部以下とするのが特に好ましい。
本発明の粉液型歯科用修復材において、(B)粉材には、無機フィラーを配合することもできる。これにより硬化体の強度や切削性を向上させることができる。代表的な無機フィラーを具体的に例示すれば、石英、シリカ、アルミナ、シリカチタニア、シリカジルコニア、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス等が挙げられる。さらに無機フィラーの内、カチオン溶出性フィラーとしては、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等の水酸化物、酸化亜鉛、ケイ酸塩ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス等の酸化物が挙げられる。これらもまた、1種または2種以上を混合して用いても良い。これら無機フィラーは、全有機ポリマー粒子の100質量部に対して0.01〜2質量部の範囲で配合するのが効果的である。
本発明の粉液型歯科用修復材において、(A)液材または(B)粉材の少なくとも一方には、液材の重合性単量体を重合させるために重合開始剤が配合される。当該重合開始剤としては、公知の重合開始剤が使用可能であり、前記したように(A)液材の重合性単量体はラジカル重合性のものが好適であるため、該重合開始剤もラジカル重合性のものが通常使用される。歯科分野で用いられる重合開始剤としては、化学重合開始剤(常温レドックス開始剤)、光重合開始剤、熱重合開始剤等があるが、口腔内で硬化させることを考慮すると、化学重合開始剤が好ましい。
粉材2.0gを、シリコンラバーカップ(株式会社トクヤマデンタル製「ラバーカップNo.2」)に取り、同様に、液材2.0mlを、シリコンラバーカップ(株式会社トクヤマデンタル製「ラバーカップNo.2」)に取り、筆積み用の筆(株式会社トクヤマデンタル製「トクソー毛筆 No.11」)を用いて7回筆積み操作を行った。個々の筆積み操作で得られる、各粉材と液材の泥粒は、透明なポリプロピレンのシートの上に乗せて硬化させるが、2つ目以降の6個の泥粒は、全て1つ目の泥粒の周囲に接するように配置して硬化させた。得られた硬化体の色調は、ポリプロピレンシートに接する面から観察し、色ムラと、発色点の粗さについて、次の基準で評価した。
<色ムラ>
◎;硬化体から目を30cm離した状態で、色ムラが全く確認できないもの。
○;硬化体から目を30cm離した状態では色ムラが僅かに確認できるものの、硬化体から目を60cm離した状態では、上記色ムラは認識できなくなるもの。
×;硬化体から目を60cm離して観察した状態で、明瞭に色ムラが観察できるもの。
<発色点の粗さ>
◎;硬化体から目を10cm離して観察しても、発色点が目立たないもの。
○;硬化体から目を20cm離して観察した場合には、滑らかに発色しているように感じられるが、目を10cmの距離に近づけて観察すると、濃厚な発色点の散在が認められ、ざらついた感じがするもの。
×;硬化体から目を20cm離して観察した場合でも、濃厚な発色点の散在が認められ、ざらついた感じがするもの。
粉材2.0gを、シリコンラバーカップ(ラバーカップNo.2)に取り、同様に、液材2.0mlを、シリコンラバーカップ(株式会社トクヤマデンタル製「トラバーカップNo.2」)に取り、筆積み用の筆(筆 No.11)を用いて、筆積み操作を行なった。筆先に液材を浸み込ませた状態で、粉材面に筆先を接触させ、該筆先に粒子を付着させて筆先を粉材面から離し、該筆先に泥粒を形成した後、粉材面の平滑性を観察し、以下の基準でスコア付けした。
(懸濁重合法による、二酸化チタン分散有機ポリマー粒子の製造)
<製造例1>
重合性単量体である、エチルメタクリレート(以下、「EMA」と称する)とメチルメタクリレート(以下、「MMA」と称する)との質量比50/50の混合物90gに、高分子型分散剤として、EMA−MMA共重合体〔商品名:「ME50−50」根上工業製;質量平均分子量50万、平均粒径50μm、EMA/MMA質量比50/50〕10gを溶解させた溶液99.40gに、白顔料である二酸化チタン(商品名:「CR−50」石原産業製:平均粒子径0.25μm)0.60g混合し、上記白顔料を分散させた。この二酸化チタン分散液を1Lのナスフラスコに入れ、そこに水500mlと、懸濁安定剤としてポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬製)5.0gを添加し、重合開始剤として、日本油脂製の過酸化ベンゾイル(以下、「BPO」と略する)1.0gを添加後、ナスフラスコ内を窒素置換した。以上の後、ナスフラスコ内の反応液を、スターラーチップを回転速度300rpmで攪拌下、湯浴温度70℃で24時間懸濁重合することにより、平均粒径48μmの二酸化チタン分散有機ポリマー粒子を得た。
製造例1において、二酸化チタン分散液の組成を、高分子分散剤の溶解した重合性単量体の質量を99.89g、二酸化チタンの質量を0.11gとする以外は、製造例1と同様に実施して、二酸化チタン分散有機ポリマー粒子を得た。この二酸化チタン分散有機ポリマー粒子は、平均粒径が51μmであり、粒子100g中に、二酸化チタン0.11gが含有されるものであった。この二酸化チタン分散ポリマー粒子を、「二酸化チタン分散粒子B」と名付けた。
製造例1において、二酸化チタン分散液の組成を、高分子分散剤の溶解した重合性単量体の質量を99.10g、二酸化チタンの質量を0.90gとする以外は、製造例1と同様に実施して、二酸化チタン分散有機ポリマー粒子を得た。この二酸化チタン分散有機ポリマー粒子は、平均粒径が49μmであり、粒子100g中に、二酸化チタン0.89gが含有されるものであった。この二酸化チタン分散ポリマー粒子を、「二酸化チタン分散粒子C」と名付けた。
製造例1において、二酸化チタン分散液の組成を、高分子分散剤の溶解した重合性単量体の質量を98.50g、二酸化チタンの質量を1.50gとする以外は、製造例1と同様に実施して、二酸化チタン分散有機ポリマー粒子を得た。この二酸化チタン分散有機ポリマー粒子は、平均粒径が49μmであり、粒子100g中に、二酸化チタン1.49gが含有されるものであった。この二酸化チタン分散ポリマー粒子を、「二酸化チタン分散粒子D」と名付けた。
製造例1において、二酸化チタン分散液に対する、懸濁安定剤であるポリアクリル酸ナトリウムの添加量を7gに変更し、さらに、ナスフラスコ内の反応液に対する、スターラーチップの回転速度を500rpmに変更した以外は、製造例1と同様に実施して、二酸化チタン分散有機ポリマー粒子を得た。この二酸化チタン分散有機ポリマー粒子は、平均粒径が14μmであり、粒子100g中に、二酸化チタン0.60gが含有されるものであった。この二酸化チタン分散ポリマー粒子を、「二酸化チタン分散粒子E」と名付けた。
製造例1において、二酸化チタン分散液に対する、懸濁安定剤であるポリアクリル酸ナトリウムの添加量を3gに変更し、さらに、ナスフラスコ内の反応液に対する、スターラーチップの回転速度を200rpmに変更した以外は、製造例1と同様に実施して、二酸化チタン分散有機ポリマー粒子を得た。この二酸化チタン分散有機ポリマー粒子は、平均粒径が177μmであり、粒子100g中に、二酸化チタン0.60gが含有されるものであった。この二酸化チタン分散ポリマー粒子を、「二酸化チタン分散粒子F」と名付けた。
製造例1において、二酸化チタン分散液の組成を、高分子分散剤の溶解した重合性単量体の質量を97.50g、二酸化チタンの質量を2.50gとする以外は、製造例1と同様に実施して、二酸化チタン分散有機ポリマー粒子を得た。この二酸化チタン分散有機ポリマー粒子は、平均粒径が50μmであり、粒子100g中に、二酸化チタン2.49gが含有されるものであった。この二酸化チタン分散ポリマー粒子を、「二酸化チタン分散比較粒子A」と名付けた。
<製造例7>
EMAとMMAとの重量比50/50の混合物90gに、高分子型分散剤としてME50−50の10gを溶解させた溶液99.40gに、赤顔料である酸化鉄(商品名「JC−FH04」JFEケミカル株式会社製:平均粒子径0.4μm)0.60g混合し、上記赤顔料を分散させた。この酸化鉄分散液を用いて、以後、製造例1と同様に実施して、酸化鉄分散有機ポリマー粒子を得た。この酸化鉄分散有機ポリマー粒子は、平均粒径が51μmであり、粒子100g中に、酸化鉄0.59gが含有されるものであった。この二酸化チタン分散ポリマー粒子を、「酸化鉄分散粒子A」と名付けた。
<製造例8>
室温において、EMA−MMA共重合体であるME50−50と白顔料のCR−50との質量比99.40:0.60の予備混合物50gを、陶製の乳鉢内で10分間混合し、得られた混合物を、150℃で1時間加熱し、上記EMA−MMA共重合体を溶融させた。次いで、該EMA−MMA共重合体が溶融している間に、この混合物を乳鉢内で攪拌混合し、白顔料が内部に均一に分散したポリマー塊を得た。この作業を数回行い、ポリマー塊約200gを得た。これらポリマー塊を充分に冷却した後、これらをロールクラッシャー(ロール同士の隙間5mm)で粉砕した。得られた粉砕物の100gを、直径約5mmのジルコニアボール500gと共に、内容積400mlのジルコニアポットに投入し、更に粉砕した。得られた粉砕物を篩い分けし、目開き75μmの篩いを通過し、目開き32μmの篩い上に残る、平均粒径が約50μmの二酸化チタン分散有機ポリマー粒子を得た。この二酸化チタン分散有機ポリマー粒子は、粒子100g中に、二酸化チタン0.60gが含有されるものであった。この二酸化チタン分散ポリマー粒子を、「二酸化チタン分散粒子G」と名付けた。
<比較製造例2>
EMA−MMA共重合体であるME50−50と白顔料のCR−50との質量比99.40:0.60の予備混合物300gを、ホソカワミクロン社製の混合複合化装置「ノビルタNOB−103」(登録商標)を用いて混合した。この混合は、上記混合複合化装置の内壁及び攪拌羽をジルコニア製とした乾式にて、出力3kwで実施した。以上により、得られた二酸化チタン担持有機ポリマー粒子の平均粒径は50μmであり、粒子100g中に、二酸化チタンを0.59g担持していることが分かった。この二酸化チタン担持有機ポリマー粒子を、「二酸化チタン担持比較粒子A」と名付けた。
粉液型歯科用修復材は、(A)液材と(B)粉材とが、下記に示すような組成と製造方法により得たものを用いた。
表2に示す組成で液材を調製した。なお、重合性単量体は、メチルメタクリレートを用いた。また、重合開始剤として、N,N−ジメチル−p−トルイジンを用いた。
<液材の製造方法>
重合性単量体(100g)と、重合開始剤(N,N−ジメチル−p−トルイジン1.5g)を容器に入れて、スターラー攪拌機を用いて1時間攪拌して、液材を製造した。
表3に示す組成で粉材を調整した。
有機ポリマー粒子は、二酸化チタン分散粒子AとME50−50との混合物を用い、他に、無機フィラーとして、シリカ(トクヤマ社製、商品名:DM−30)を用いた。また、重合開始剤として、過酸化ベンゾイルを用いた。
<粉材の製造方法>
二酸化チタン分散粒子A(25g)とME50−50(75g)とを揺動ミキサーで1時間混合した後、シリカ(0.3g)と過酸化ベンゾイル(2g)を添加し、揺動ミキサーで更に1時間混合して粉材を製造した。
実施例1において、粉液型歯科用修復材の(B)粉材を構成する二酸化チタン分散粒子Aを、表3に示した他の無機顔料分散ポリマー粒子に変更し、さらに、EMA−MMA共重合体であるME50−50の配合量を表3に示した量にする以外は、実施例1と同様に各実施した。結果を表4に夫々示した。
実施例1において、(A)液材に配合する重合開始剤をN,N−ジメチル−p−トルイジン1.5gからジラウリルジメチルアンモニウムクロリド0.15gに変更し、さらに、(B)粉材に配合する重合開始剤を過酸化ベンゾイル2gから1−シクロヘキシル−5−メチルピリミジントリオン1.3gとアセチルアセトン銅0.002gとに変更する以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表4に示した。
実施例1において、粉液型歯科用修復材の(B)粉材を構成する二酸化チタン分散粒子Aを、比較製造例1で製造された二酸化チタン分散比較粒子A、および比較製造例2で製造された二酸化チタン担持粒子Aに各変更する以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表4に夫々示した。
Claims (7)
- 重合性単量体を含む(A)液材と、該(A)液材に溶解性の有機ポリマー粒子を含む(B)粉材とからなり、これら(A)液材または(B)粉材の少なくとも一方には重合開始剤が含有されてなる粉液型歯科用修復材において、
上記(B)粉材に含まれる有機ポリマー粒子の少なくとも一部が、粒子内に無機顔料微粒子が0.1〜2質量%の含有量で分散する無機顔料分散有機ポリマー粒子であることを特徴とする粉液型歯科用修復材。 - 有機ポリマー粒子に含有させる無機顔料微粒子の少なくとも一部が二酸化チタンである請求項1記載の粉液型歯科用修復材。
- 無機顔料分散有機ポリマー粒子を形成する有機ポリマーが、ポリ低級アルキル(メタ)アクリレートである、請求項1または請求項2記載の粉液型歯科用修復材。
- 無機顔料分散有機ポリマー粒子の平均粒子径が10〜200μmである、請求項1〜3の何れか一項に記載の粉液型歯科用修復材。
- 粒子内に、無機顔料微粒子が0.1〜2質量%の含有量で分散する、粉液型歯科用修復材における粉材用の無機顔料分散有機ポリマー粒子。
- 無機顔料微粒子の少なくとも一部が二酸化チタンである、請求項5記載の無機顔料分散有機ポリマー粒子。
- 有機ポリマーが低級アルキル(メタ)アクリレートポリマーである請求項5または請求項6記載の無機顔料分散有機ポリマー粒子。
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