JP2011132189A - 歯科用粘膜調整材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粉材と液材とを練和した後の初期流動性に優れ、しかも、義歯床粘膜面に対して十分な厚みで層形成でき、さらに、義歯の使用時にあっては、強い咬合圧がかかっても粘膜面との間から押し出され難い、保持力の大きい粘膜調整材を開発すること。
【解決手段】 (1)a)ガラス転移温度が0〜60℃の範囲であり、且つ平均粒子径が10〜100μmの範囲である(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔I〕(以下、「低Tg非架橋ポリマー〔I〕」とも称する)含んでなる粉材と、
(2)質量平均分子量が1000〜10000の範囲にある液状ポリマーを主成分とする液材
とからなり、使用時に両材を練和したペーストとして用いる歯科用粘膜調整材において、
該(1)粉材へ、さらに、
b)ガラス転移温度が80〜120℃の範囲であり、且つ平均粒子径が2〜50μmの範囲である(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔II〕も含有させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、歯科治療において口腔粘膜の変形や炎症を有する義歯装着患者のための歯科用粘膜調整材に関する。
義歯使用者が義歯を長期にわたって使用していると顎堤を形成する歯槽骨の吸収等が原因となり口腔の形状が次第に変化することが知られている。この様な場合、義歯床と口腔粘膜との適合が悪くなり、義歯が不安定になる。適合不良な義歯をそのまま使用し続けると義歯床下粘膜に不均一な圧力が加わるため、該粘膜に潰瘍や炎症が発生したり、咬合圧による疼痛が引き起こされたりするようになる。上記のような不適合が起こった場合には新しい義歯を作製するか、使用中の義歯を裏装するなどして、義歯の粘膜に対する適合性を回復させる必要がある。
しかしながら、著しい潰瘍や炎症がある患者の口腔粘膜は極めて不安定な状態であるため、新しい義歯の作製や裏装の前に口腔粘膜が比較的健全な状態になるのを待ち、義歯床下粘膜との良好な適合性を確保する必要がある。このような場合に使用される材料が歯科用粘膜調整材である。即ち、歯科用粘膜調整材は、軟質裏装材等の義歯床裏装材による義歯修理の前段階において、義歯床下粘膜の形態、色調が正常な状態に回復するまで使用中の義歯の粘膜面に裏装して用いられる治療用材料である。
粘膜調整材は義歯床下粘膜のひずみ、圧痕を開放し、各部の被圧変位性に対応した機能的な形態を印記するために、義歯床下粘膜面に用いられる軟性高分子材である。粉末と液の練和によって均一化したペーストは初期には流動性が高いが、液が粉末に浸透して粘弾性が発現してくる。ペーストに流動性のあるうちに義歯床粘膜面に盛りつけ、口腔内に挿入して賦形する。使用期間としては口腔粘膜が健全な状態に回復するまでの1週間〜数週間が必要である。その目的からして咬合時に義歯と粘膜面の間より押し出されず粘膜面に保持されながらも、柔軟で且つ口腔粘膜の回復に追従する程度の微小変形が可能でなければならない。
上記のように、粘膜調整材にはそれほど高い強度が求められない反面、高い柔軟性と可塑性が要求されており、種々の組成のものが提案されている。主流は、有機樹脂を可塑剤により溶解又は膨潤させてペースト化したものである。このタイプの粘膜調整材は、取り扱い性や保存安定性の観点から、包装・保存形態は、a)有機樹脂粉末からなる粉材と、b)上記可塑剤からなる液材とに分割されているのが普通である。上記有機樹脂粉末としては、(メタ)アクリレート系樹脂粉末が好適に使用されている(例えば、非特許文献1、2、特許文献1、2参照)。また、可塑剤は柔軟性と可塑性を発現させるために必要な成分であり、以前は、フタレート系(フタル酸エステル系)の可塑剤が主流であったが、健康への悪影響が疑われたため、現在はセバケート系(セバシン酸エステル系)も多く用いられている(特許文献3参照)。
より詳細には、(メタ)アクリル系の粘膜調整材としては、ポリエチルメタクリレートもしくはその共重合体などの(メタ)アクリル系の重合体粉末からなる粉成分と、アルコールを4〜30質量%程度含有するフタレート系、セバケート系可塑剤とからなる液成分との練成材料が広く使用されている。なお、液成分に配合されるアルコールとしては、練和性や練和後の物性などを改良するために、エタノールが使用されることが多い。
しかしながら、これらの汎用的な粘膜調整材には、上記可塑剤の溶出により粘弾性が経時的に失われ硬くなっていく大きな問題があった。また、義歯床の口腔粘膜面に粘膜調整材を貼付して使用していると、可塑剤が徐々に義歯床へ移行し、義歯床の軟化、劣化等の問題を起こしていた。
そこで、本発明者らは、これらの問題が良好に解決された優れた粘膜調整材として、
(1)粉材として、ガラス転移温度が0〜60℃の範囲にある(メタ)アクリル系の粉末状の非架橋ポリマーを主成分として使用し、
他方、(2)液材として、質量平均分子量が1000〜10000の範囲にあり、かつ分子量500以下のオリゴマーの割合が10質量%以下の液状ポリマーを主成分として使用
した組成のものを先に提案した(特許文献4参照)。すなわち、この粘膜調整材によれば、上記質量平均分子量が1000〜10000の範囲にある液状ポリマーが、(2)液材に含有させる可塑剤として使用されているため、その分子量の大きさから溶出せず、そのため、義歯床の劣化の問題も良好に抑制できる。また、ガラス転移温度が0〜60℃の範囲にある(メタ)アクリル系の粉末状の非架橋ポリマーが(1)粉材の主成分であるため、粘膜調整材としての柔軟性にも極めて優れる。
さらに、この特許文献4の粘膜調整材では、粉材と液材の練和後初期の高流動期間を一定期間確保し、ペーストの義歯床粘膜面への盛りつけを十分な余裕をもって行なえるように、粉末状の架橋ポリマーを配合することも提案されている。すなわち、上記粉材と液材とを練和して均一にペースト化した直後においてペーストの流動性は高く、その後、液材が粉材に浸透していくに従って、前記(メタ)アクリル系の非架橋ポリマー粉末が該液材に溶解し始め、その粘弾性は急速に高まっていく。したがって、上記ペーストの流動性が維持されているうちに義歯床粘膜面に盛りつけ、口腔内に挿入して賦形する必要があるが、上記(メタ)アクリル系の非架橋ポリマー粉末のみの使用の場合、その液材への溶解速度があまりに速すぎ、上記盛りつけ操作に必要な高流動期間が十分に確保できなくなっていた(臨床において操作に十分な余裕を持たすためには、均一にペースト化した後2分程度までは、その粘度を300Pas(23℃)以下に抑えられることが望ましい)。
これに対して、架橋ポリマーは、液と練和しても上記(メタ)アクリル系非架橋ポリマーのように液に溶解する成分ではなく、膨潤することにより粘度上昇を助勢する成分として作用する。しかも、この膨潤速度は極めて緩やかであるため、斯様な架橋ポリマーを非架橋ポリマーの一部に変えて配合すれば、最終的に到達する粘弾性を同程度に維持しつつ、上記ペーストの粘度上昇を大きく遅らせることが可能になり、粉材と液材の練和後初期の流動性(以下、「初期流動性」とも略する)を改善できる。
特開平3−20204号公報 特開平2−297358号公報 特許第3479274号 特開2006−225281号公報
川口 稔、外3名、「試作粘膜調整材からのフタル酸エステル類の溶出性に影響をおよぼす因子について」、歯科材料・器械、日本歯科理工学会、平成16年7月、第23巻、第4号、p.273−278 濱田泰三編著、「ティッシュコンディショナー」、株式会社デンタルダイヤモンド社、2007年4月1日、p.45−48
上記粉材に架橋ポリマーを配合することにより、粉材と液材とを練和した後において、ペーストの高流動期間を引き延ばすことができ(すなわち、初期流動性が改善され)、ペーストの義歯床粘膜面への盛りつけ作業性は大きく向上する。
しかしながら、このように架橋ポリマーの配合により初期流動性を改善したのでは、義歯床粘膜面にペーストを盛りつけ、義歯を口腔内に挿入した際に、粘膜調整材層を今一歩十分な厚みで層形成できないことが発覚した。これは架橋ポリマーの膨潤による粘度向上が逆に遅すぎることが原因であり、液材と練和すれば固形分としてペースト化に作用するが、前記膨潤しての粘度上昇作用は練和初期にはほとんど発現しないことによる。つまり、この状態で義歯床粘着面に盛られて口腔内に挿入されても、装着圧がかかると粘弾性不足で簡単に押し出されてしまい、形成される粘膜調整材層は薄膜化することが避けられなかった。
また、粘膜調整材は、義歯の使用時には、柔軟で口腔粘膜の回復に追従して微小変形しつつも、咬合時に義歯と粘膜面の間より押し出されず粘膜面に保持されることが大切であるところ、上記架橋ポリマーを配合した粘膜調整材は、最終粘度まで粘度上昇した後も、上記義歯の使用により強い咬合圧がかかると、この粘膜面での保持力が不足しがちであった。すなわち、粘膜調整材層中において、架橋ポリマーは全く溶解せず残っているため、溶解した非架橋ポリマーとの接触界面での相溶性が低く、一度変形してしまうと元の形状には戻り難かった。換言すれば、弾性が足りず、強い咬合圧がかかると、上記粘膜面より徐々に押し出され易かった。
以上から、粉材と液材とを練和した後の初期流動性に優れ、しかも、義歯床粘膜面に対して十分な厚みで層形成でき、さらに、義歯の使用時にあっては、強い咬合圧がかかっても粘膜面との間から押し出され難い、保持力の大きい粘膜調整材を開発することが大きな課題であった。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ガラス転移温度が80〜120℃の範囲であり、且つ平均粒子径が2〜50μmの範囲である(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子を、粉材に配合することで、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、(1)粉材と(2)液材とからなり、使用時に両材を練和したペーストとして用いる歯科用粘膜調整材において、
(1)粉材が、a)ガラス転移温度が0〜60℃の範囲であり、且つ平均粒子径が10〜100μmの範囲である(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔I〕、およびb)ガラス転移温度が80〜120℃の範囲であり、且つ平均粒子径が2〜50μmの範囲である(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔II〕を含んでなり、
(2)液材が、質量平均分子量が1000〜10000の範囲にある液状ポリマーを主成分とすることを特徴とする歯科用粘膜調整材である。
本発明の歯科用粘膜調整材は、粉材と液材との練和後初期において、義歯床粘膜面へのペーストの盛りつけが容易な高流動期間が十分な時間確保でき、作業性が良い。しかも、上記高流動期間の終盤から急激に粘弾性発現するため、上記義歯床粘膜面にペーストを盛り付け後は、義歯を早い段階で口腔内に挿入しても、粘膜調整材として十分な厚みで層形成することができる。さらに、形成された粘膜調整材層は、義歯の使用時に強い咬合圧がかかっても、義歯と粘膜面の間より押し出され難く、粘膜面に良好に保持される。
本発明は、
(1)a)ガラス転移温度が0〜60℃の範囲であり、且つ平均粒子径が10〜100μmの範囲である(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔I〕(以下、「低Tg非架橋ポリマー〔I〕」とも称する)含んでなる粉材と、
(2)質量平均分子量が1000〜10000の範囲にある液状ポリマーを主成分とする液材
とからなり、使用時に両材を練和したペーストとして用いる歯科用粘膜調整材において、
該(1)粉材へ、さらに、
b)ガラス転移温度が80〜120℃の範囲であり、且つ平均粒子径が2〜50μmの範囲である(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔II〕(以下、「高Tg非架橋ポリマー〔II〕」とも称する)
も含有させた点に最大の特徴を有している。この成分b)高Tg非架橋ポリマー〔II〕は、架橋ポリマーのように液材と練和した際に膨潤して粘度上昇させるものではないが、それでも(1)粉材に含まれる成分a)低Tg非架橋ポリマー〔I〕と比較すれば、その溶解速度及び粘度上昇速度は格段に遅い。
粉材において、このように高Tg非架橋ポリマー〔II〕と低Tg非架橋ポリマー〔I〕とを併用すると、得られる粘膜調整材では、粉材と液材を練和した際には、直ぐに低Tg非架橋ポリマー〔I〕が溶解し始め粘度上昇が始まる。しかし、高Tg非架橋ポリマー〔II〕は、係る練和初期にはほとんど溶解しないため、この高Tg非架橋ポリマー〔II〕の配合分だけペーストの粘度上昇は低く抑えられ、練和後初期のペーストは高い流動性を得ることができる。その結果、義歯床粘膜面に対する盛りつけの作業性が優れたものになる。しかしながら、時間の経過と共に、該低Tg非架橋ポリマー〔I〕の溶解に続いて、高Tg非架橋ポリマー〔II〕も本格的に溶解し始め、上記低Tg非架橋ポリマー〔I〕の溶解速度も粒径が小さくなるにつれて加速度的に高まるため、ペーストの粘弾性は急激に上昇し始める。このため、義歯床粘膜面に盛り付けたペーストは、これを口腔内に挿入しても、装着圧で粘膜面から押し出されないだけ高い粘弾性を有するに至っており、十分な厚みで層形成させることが可能になる。
また、前記高Tg非架橋ポリマー〔II〕は、最終的にはかなりの部分が液材に溶解するため、前記架橋ポリマーを使用したものと比較して弾性に優れる。よって、義歯の使用時には、強い咬合圧がかかっても、義歯と粘膜面の間より押し出され難く、粘膜面に対する高い保持力を発揮することができる。
このような高Tg非架橋ポリマー〔II〕としては、(メタ)アクリル系義歯床とのなじみがよく、また、適度な粘弾性を得やすい点で、(メタ)アクリル系のものを使用することが必要である。(メタ)アクリル系以外の非架橋ポリマーを用いると、(メタ)アクリル系義歯床に対する接着性が低下する。
ここで、(メタ)アクリル系のポリマーとは、重合性基としてアクリル基またはメタクリル基を有する重合性単量体(以下、(メタ)アクリル系単量体と称す)を単独重合させて得られたホモポリマー、2種以上の異なる(メタ)アクリル系単量体を共重合させたコポリマー、及び(メタ)アクリル系単量体と(メタ)アクリル系単量体以外の重合性単量体とを共重合させて得られたコポリマー(但し、(メタ)アクリル系単量体に基づく単量体単位の割合が50mol% 以上)のいずれも含むものである。
本発明において高Tg非架橋ポリマー〔II〕は、Tgを80〜120℃の範囲にすることが、高い初期流動性と適度な粘弾性発現を得るために必要である。Tgが80℃よりも低い非架橋ポリマーでは、低Tg非架橋ポリマー〔I〕との溶解・粘度上昇スピードの差が小さいため、粉材と液材との練和後初期から該低Tg非架橋ポリマー〔I〕に近い状態に活発に溶解するようになり、ペーストの義歯床粘膜面に対する盛りつけの作業性が低下する。他方、Tgが120℃を超える非架橋ポリマーは、液材に対する溶解性が低すぎるため粘弾性の発現が不足し、義歯床粘膜面に十分な厚みで層形成するのが困難になる。また、義歯の使用時に強い咬合圧がかかると粘膜面から押し出され易いものになる。これらの効果を顕著に発揮させるためには、高Tg非架橋ポリマー〔II〕のTgは95〜115℃の範囲であるのがより好ましい。
高Tg非架橋ポリマー〔II〕の具体例としては、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(イソ‐プロピルメタクリレート)、ポリ(t−ブチルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(ジシクロペンテニルアクリレート)、ポリ(イソボルニルアクリレート)等のホモポリマー、ポリ(メチルメタクリレート‐エチルメタクリレート)、ポリ(t−ブチルメタクリレート‐n−ブチルメタクリレート)、ポリ(イソ‐プロピルメタクリレート‐ブチルアクリレート)等の(メタ)アクリル系単量体のみを共重合させたコポリマー、ポリ(スチレン−メチルメタクリレート)等の(メタ)アクリル系単量体と他の重合性単量体とを共重合させたコポリマー等が挙げられる。
このうちコポリマー(共重合体)は、前記条件を満たす限り、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体等の如何なる共重合体でもよい。コポリマーである場合、共重合比等によりTgを80〜120℃の範囲に調整することができるならば、単独重合体のTgが80〜120℃の範囲でない重合性単量体に基づく単量体単位を含むものであってもよい。高Tg非架橋ポリマー〔II〕は、(メタ)アクリル系義歯床と同じ成分であることから、ポリ(メチルメタクリレート)であるのが、特に好ましい。
この高Tg非架橋ポリマー〔II〕の平均粒子径は2〜50μmとすることが、液材との混合・練和性の点から必要である。ここで、本願明細書において、平均粒子径は、体積平均粒子径(体積分率で計算した平均粒径)を意味する。体積平均粒子径は、電気的検知帯法に従って測定する。
高Tg非架橋ポリマー〔II〕の平均粒子径が50μmより大きいと溶解に長時間を要するようになり、粘弾性発現に影響を与えてしまう。他方、平均粒子径が2μmより小さいと、液材との接触面積の増大により溶解性が過度に高まり初期流動性が悪化する。これらの効果を顕著に発揮させる観点から、高Tg非架橋ポリマー〔II〕の平均粒子径は3〜20μmであるのがより好ましい。
本発明において上記高Tg非架橋ポリマー〔II〕の配合量は、特に制限されるものではなく、その配合比によって適宜に、練和後初期の高流動性期間の長さを調整すれば良い。臨床において操作に十分な余裕を持たすためには2分、より好適には1分30秒までは、その粘度を300Pas(23℃)以下、より好適には10〜200Pas(23℃)に抑えることが望ましく、そのためには、低Tg非架橋ポリマー〔I〕100質量部に対して、5〜100質量部配合するのが好ましく、さらには15〜60質量部配合するのがより好ましい。
上記高Tg非架橋ポリマー〔II〕は、Tgが上記範囲を満足するものであれば、平均分子量や分子量分布は特に限定さるものではない。平均分子量が小さすぎる場合にはTgが低くなり、逆に平均分子量が極めて大きな場合はTgが高くなり、さらに、合成・入手が困難になる。従って、高Tg非架橋ポリマー〔II〕の平均分子量は、質量平均分子量が10万〜500万のものが好ましく、20万〜200万のものがより好ましい。
なお、高Tg非架橋ポリマー〔II〕は、ポリマーを構成する単量体単位の種類や割合、平均分子量や分子量分布、平均粒子径等の異なる2種以上を併用してもよい。
次に、(1)粉材に配合する他の粉材である、成分a)低Tg非架橋ポリマー〔I〕について説明する。低Tg非架橋ポリマー〔I〕も、前記高Tg非架橋ポリマー〔II〕と同様に、(メタ)アクリル系義歯床とのなじみがよく、また適度な粘弾性を得やすい理由から、(メタ)アクリル系のものを使用する。
本発明において低Tg非架橋ポリマー〔I〕は、口腔内温度(37℃程度)にて粘膜調整材に柔軟性を付与するために、Tgが0〜60℃の範囲であることが必要である。Tgが0℃を下回るポリマーでは室温(18〜35℃程度)で粉材を保存する間に、該非架橋ポリマー粒子同士が強く凝集を起こすようになり、練和してペーストを得ることが困難になる。また、60℃を越えると粘膜調整材として求められる柔軟性を付与できなくなる。なお、ここでいう柔軟性とはショアA硬度が20以下であることを意味する。低Tg非架橋ポリマー〔I〕は、柔軟性を粘膜調整材としてより適切なものとし易く、また保存時の凝集を防止し易い点で、Tgが10〜50℃の範囲のものがより好ましい。
低Tg非架橋ポリマー〔I〕の具体例としては、ポリ(ベンジルアクリレート)、ポリ(4−ブトキシカルボニルフェニルアクリレート)、ポリ{3−クロロ−2,2−ビス(クロロメチル)プロピルアクリレート}、ポリ(2−クロロフェニルアクリレート)、ポリ(4−クロロフェニルアクリレート)、ポリ(4−メトキシフェニルアクリレート)、ポリ(2,4−ジクロロフェニルアクリレート)、ポリ(シクロヘキシルアクリレート)、ポリ(シクロドデシルアクリレート)、ポリ(2−メトキシカルボニルフェニルアクリレート)、ポリ(3−メトキシカルボニルフェニルアクリレート)、ポリ(2−エトキシカルボニルフェニルアクリレート)、ポリ(3−エトキシカルボニルフェニルアクリレート)、ポリ(4−エトキシカルボニルフェニルアクリレート)、ポリ(ヘプタフルオロ−2−プロピルアクリレート)、ポリ(ヘキサデシルアクリレート)、ポリメチルアクリレート、ポリネオペンチルアクリレート、ポリフェニルアクリレート、ポリ(m−トリルアクリレート)、ポリ(o−トリルアクリレート)、ポリ(p−トリルアクリレート)、ポリ(N−ブチルアクリルアミド)、ポリ(プロピルメタクリレート)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(i−ブチルメタクリレート)、ポリ(ネオペンチルメタクリレート)、ポリ(シクロヘキシルメタクリレート)、ポリ(ヘキサデシルメタクリレート)、ポリ( オクタデシルメタクリレート)、ポリ(3−オキサブチルメタクリレート)、ポリ(ベンジルメタクリレート)、ポリ(2−t−ブチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ブチルブトキシカルボニルメタクリレート)、ポリ(1H,1H−ヘプタフルオロブチルメタクリレート)、ポリ(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート)、ポリ(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート)等のホモポリマー、ポリ(メチルメタクリレート−n−ブチルアクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート−n−ブチルアクリレート)、ポリ( プロピルメタクリレート−n−ブチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−n−ブチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート−n−ブチルメタクリレート)、ポリ(プロピルメタクリレート−n−ブチルメタクリレート)、ポリ(i −ブチルメタクリレート−n−ブチルメタクリレート)等の(メタ)アクリル系単量体のみを共重合させたコポリマー、ポリ(スチレン−n−ブチルメタクリレート)等の(メタ)アクリル系単量体と他の重合性単量体とを共重合させたコポリマー等が挙げられる。
これらコポリマー(共重合体)は、前記条件を満たす限り、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体等の如何なる共重合体でもよい。コポリマーである場合、共重合比等によりTgを0〜60℃の範囲に調整することができれば、単独重合体のTgが0〜60℃の範囲でない重合性単量体に基づく単量体単位を含むものであってもよい。
上記低Tg非架橋ポリマー〔I〕のなかでも、溶解性や取扱いの容易さ等の点で、単量体単位として(メタ)アクリル酸エステル系のモノマーに基づく単量体単位を有する非架橋ポリマーが好ましく、特に、ポリ(プロピルメタクリレート)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)等の、炭素数3〜20(より好ましくは3〜10)のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルに基づく単量体単位が50〜100モル%(より好ましくは80〜100モル%)であるホモポリマー又はコポリマーが好ましい。
上記低Tg非架橋ポリマー〔I〕は、粉材としての取り扱い易さ(流動性、凝集性)や、液材との混合・練和性などの点から、平均粒子径が10〜100μmの粉末である必要がある。平均粒子径が10μmより小さいと、粉の流動性の低下や凝集が生じ易くなる他、液材との接触面積が大きくなりすぎ、溶解性が過度に高まって初期流動性が悪化する。他方、平均粒子径が100μmより大きいと、練和時のペーストのなめらかさが悪くなる他、溶解に長時間を要するようになり、粘弾性発現に影響する。これらの効果を顕著に発揮させる観点から、低Tg非架橋ポリマー〔I〕の平均粒子径は25〜80μmの粉末であるのがより好ましい。
上記低Tg非架橋ポリマー〔I〕は、Tgが上記範囲を満足するものであれば、平均分子量や分子量分布は特に限定さるものではない。平均分子量が小さすぎる場合には、液材と混合・練和して得たペーストの操作性が不良であったり、あるいはTgが0℃を下回ったり、極端な場合には液状になる場合がある。一方、平均分子量が極めて大きなものは合成・入手が困難であるのみならず、やはりペーストの操作性を良好なものにし難い場合がある。従って、低Tg非架橋ポリマー〔I〕としては、質量平均分子量が2万〜500万のものが好適であり、5万〜100万のものがより好ましい。
なお、低Tg非架橋ポリマー〔I〕は、ポリマーを構成する単量体単位の種類や割合、平均分子量や分子量分布、平均粒子径等の異なる2種以上を併用してもよい。
本発明の粘膜調整材における(1)粉材には、上記低Tg非架橋ポリマー〔I〕と高Tg非架橋ポリマー〔II〕に加えて、初期流動性、及び粘弾性発現の微調整を目的に、必要に応じて、成分c)Tgが60を越えて80℃未満の範囲であり、且つ平均粒子径が2〜100μmの範囲である(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔III〕(以下、「中Tg非架橋ポリマー〔III〕」とも称する)を配合しても良い。中Tg非架橋ポリマー〔III〕は、高Tg非架橋ポリマー〔II〕と低Tg非架橋ポリマー〔I〕の間のTgを有しており、高Tg非架橋ポリマー〔II〕よりも溶解速度が早いため、初期流動性を高める能力は、高Tg非架橋ポリマー〔II〕よりも低く、他方で、低Tg非架橋ポリマー〔I〕ほどに高い柔軟性を付与することもできない。しかし、粘弾性発現をあまり遅らせず、初期流動性を少し高める等、操作性の微調整には非常に有用である。この目的で使用する上で、中Tg非架橋ポリマーとしては、Tgが63〜70℃であるのがより好ましい。
上記中Tg非架橋ポリマー〔III〕も、(メタ)アクリル系義歯床とのなじみがよく、また適度な粘弾性を得やすい点から、(メタ)アクリル系のものを用いるのが好ましい。斯様な中Tg非架橋ポリマー〔III〕の具体例としては、ポリ(シクロヘキシルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ウレタンアクリレート)等のホモポリマー、ポリ(エチルメタクリレート‐ブチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐ブチルアクリレート)、ポリ(ウレタンアクリレート‐メチルアクリレート)等の(メタ)アクリル系単量体のみを共重合させたコポリマー、ポリ(スチレン−エチルメタクリレート)等の(メタ)アクリル系単量体と他の重合性単量体とを共重合させたコポリマー等が挙げられる。
これらコポリマー(共重合体)は、前記条件を満たす限り、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体等の如何なる共重合体でもよい。コポリマーである場合、共重合比等によりTgを60を越えて80℃未満の範囲に調整することができるならば、単独重合体のTgがこの範囲でない重合性単量体に基づく単量体単位を含むものであってもよい。中Tg非架橋ポリマー〔III〕は、溶解性や取り扱いの容易さから、ポリ(エチルメタクリレート)が特に好ましい。
中Tg非架橋ポリマー〔III〕は、粉材としての取り扱い易さ(流動性、凝集性)や、液材との混合・練和性などの点から、平均粒子径が2〜100μmの粉末であることが好ましく、25〜80μmの粉末であることがより好ましい。
上記中Tg非架橋ポリマー〔III〕は、あまり多量に配合させると、低Tg非架橋ポリマー〔I〕と高Tg非架橋ポリマー〔II〕とでTgを違えて調整している初期流動性や粘弾性発現の効果を阻害する虞もある。このため配合量は、低Tg非架橋ポリマー〔I〕と高Tg非架橋ポリマー〔II〕のいずれの質量に対しても40質量%以下、特に35質量%以下に留めるのが好ましい。
中Tg非架橋ポリマー〔III〕は、Tgが上記範囲を満たしてれば、平均分子量や分子量分布は特に限定さるものではない。平均分子量が小さすぎる場合にはTgが低くなり、逆に平均分子量が極めて大きな場合はTgが高くなり、さらに、合成・入手が困難になる。従って、中Tg非架橋ポリマーの平均分子量は、質量平均分子量が5万〜500万のものが好ましく、10万〜200万のものがより好ましい。
なお、中Tg非架橋ポリマーは、ポリマーを構成する単量体単位の種類や割合、平均分子量や分子量分布、平均粒子径等の異なる2種以上を併用してもよい。
さらに本発明の歯科用粘膜調整材における(1)粉材には、上記各成分に加えて、本発明の効果を妨げない範囲で、無機粉末を加えてもよい。無機粉末を加えることにより、最終的な組成物の粘弾性などを調整することができる。即ち、無機粉末が配合されることにより、最終的な硬度が高くなる。従って、得られる粘膜調整材の硬度が柔らかくなりすぎる場合には、無機粉末を加えて適切な所望の硬度にすることができる。一般的には、無機粉末の配合量は、低Tg非架橋ポリマー〔I〕100質量部に対して、5質量部以下、より好適には2質量部以下に留めるのが望ましい。
このような無機粉末の種類は特に制限されるものではなく、一般的な樹脂組成物に添加されている補強材、充填材の中から選択することが可能である。具体的に例示すると、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硅石粉末、ガラス粉末、珪藻土、シリカ、珪酸カルシウム、タルク、アルミナ、ベントナイト、ゼオライト、カオリンクレー、マイカ、石英ガラスなどが挙げられる。取扱の容易さ、液材とのなじみ、唾液への溶解性(溶出)等の観点からシリカやアルミナが好適に用いられる。
これら無機粉末の粒径は特に限定されるものではないが、保存安定性、練和性等の観点から体積平均粒子径が1μm以下のものが好ましく、0.1μm以下のものがより好ましい。このような粒径の無機粒子の入手の容易さ等を考慮すると、ヒュームドシリカが最も好ましい。むろん、材質や平均粒径等の異なる2種以上の無機粉末を併用しても構わない。なお、粉材には、架橋ポリマーも本発明の効果に影響しない少量であれば配合しても一向に構わない。
さらに、本発明の歯科用粘膜調整材は、(2)液材の主成分として、質量平均分子量が1000〜10000の範囲にある液状ポリマーを含有している。なお、本発明において、液状であるとは、室温〜口腔内温度、即ち18〜40℃の温度範囲内に液状である範囲を含むことを意味する。該温度範囲内で液状でない場合には、粉/液練和ができなかったり、粘膜調整材がペーストにならなかったり、適度な粘弾性が得られなかったりする。
質量平均分子量が1000未満の化合物や水溶性の化合物では、該化合物は口腔内のような環境では溶出しやすく、比較的短時間で粘弾性や柔軟性が失われる場合がある。なお、非水溶性であるとは、本発明の軟質裏装材用硬化性組成物の硬化体の使用温度、即ち、口腔内の平均的な温度である37℃での、水に対する溶解度が5質量%以下であることを意味し、好ましくは水に対する溶解度が3質量%以下であり、特に好ましくは1質量%以下である。
上記液状ポリマーは前記の平均分子量の範囲を満たすものであればその分子量分布は特に制限されないが、分子量が500以下のポリマーは溶出しやすく、義歯床への移行も起きやすいため、このようなポリマーは10質量%以下であることが好ましく、7質量%未満であることがより好ましい。また練和性などの観点から、質量平均分子量が1200〜7000の範囲にある液状ポリマーが好ましく、質量平均分子量が1500〜5000の範囲にある液状ポリマーがより好ましい。
他方、質量平均分子量が10000を超える場合には硬化体に適度の柔軟性を付与することができず、粘膜調整材とすることが困難となる。また、液状でかつ質量平均分子量が10000を超えるポリマーの入手も困難である。液状ポリマーの分子量分布は前記の平均分子量の範囲を満たすものであれば特に制限されないが、一般的に分子量が大きくなるほど他の成分との相溶性が低下する傾向にあるため、分子量分布で10000を越える部分が10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。
当該液状ポリマーの材質は特に限定されるものではないが、前記粉材に配合される(メタ)アクリル系の粉末状ポリマーとのなじみがよく、練和性や得られるペーストの各種物性に優れる点で、(メタ)アクリル系の液状ポリマーであることが好ましく、なかでも上記分子量の範囲で液状のポリマーが得やすい点で、(メタ)アクリル酸エステル系{(メタ)アクリレート系とも呼ぶ}のポリマーがより好ましい。なお、該(メタ)アクリル系ポリマーは、前記粉材に配合される(メタ)アクリル系ポリマーと同義である(但し、液材に配合されるものは液状であり、かつ平均分子量が限定される点で異なる)。
このような液状ポリマーの製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法で製造されたものを特に制限されることなく使用できるが、代表的には、(メタ)アクリル系モノマー、又は(メタ)アクリル系モノマーと、該(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な他のモノマーを、質量平均分子量1000〜10000の範囲となるように重合させればよい。
上述の液状ポリマーを得るために用いるモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系モノマーが挙げられる。また、(メタ)アクリレート系のモノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。この場合、1種又は2種以上の(メタ)アクリレート系モノマーと、1 種又はそれ以上のその他の共重合可能なモノマーを重合させて得られるコポリマーを用いることが可能であるが、溶解性、膨潤性の面から前記(メタ)アクリレート系モノマーに基づく単量体単位を50モル%以上、好ましくは80モル%以上含んでなるものが好適である。
中でも、粉材に用いられる前記( メタ) アクリル系の粉末状の非架橋ポリマーとの相溶性が良好であることから、液状ポリマーとしてはエチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ) アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートより1種選んで重合させたホモポリマー、もしくはこれらのうちの2種又はそれ以上の種類のモノマーを重合させたコポリマーが特に好適に使用される。
このような(メタ)アクリレート系ポリマーをより具体的に例示すると、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピル(メタ)アクリレート、ポリイソプロピル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリ{2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート} 、ポリ{エチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート}、ポリ{エチル(メタ)アクリレート−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート}、ポリ{エチル(メタ)アクリレート−メトキシエチル(メタ)アクリレート}、ポリ{エチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート}、ポリ{ブチル(メタ)アクリレート−メトキシエチル(メタ)アクリレート}、ポリ{ブチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート}等が挙げられる。
本発明の粘膜調整材に配合する液状ポリマーとしては、上記分子量に関する条件を満たす限り、広い分子量分布を有するものを用いてもよいし、また、分子量分布の異なる種以上のポリマーを併用してもよい。さらに、ポリマーを構成する単量体単位の種類や割合の異なる2種以上の液状ポリマーを併用してもよい。
本発明の粘膜調整材における(2)液材には、上記液状ポリマーに加えてさらに、水溶性有機溶媒が配合されていることが好ましい。水溶性有機溶媒を配合することにより、液材の流動性が向上して取り扱いやすくなり、さらに粉材と液材を混合、練和した際の練和性、初期流動性が向上する。これは、上記液状ポリマーが、前記粉材に配合される(メタ)アクリル系の粉末状ポリマーを溶解したり膨潤させたりする際の浸透しやすさ、なじみやすさ等を向上させるためであると考えられる。なお本発明の粘膜調整材は比較的長期に渡って口腔内で使用されるものであるため、人体への有害性が懸念される非水溶性有機溶媒は好ましくない。
添加することが可能な上記水溶性有機溶媒を具体的に例示すると、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類等が挙げられ、特に生体への為害性、臭気等の面からエタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール類が好適であり、エタノールが特に好ましい。
上記水溶性有機溶媒の配合量は、本発明の効果を得られる範囲であれば特に制限はないが、組成物の取扱いや臭気、ペーストから溶出した後の物性変化が大きくなる可能性等の観点から、液材に配合される上記液状ポリマー100質量部に対して1〜30質量部の範囲であることが好ましい。特に3〜20質量部の範囲とすることにより、良好な操作感を得ることができる。
さらに本発明の歯科用粘膜調整材には、上記各成分に加えて、必要に応じ、染料、顔料等の着色材料、香料、抗菌剤、防黴剤等を、その効果に大きく影響しない範囲で配合してもよい。
なお本発明の粘膜調整材には、フタル酸ジエステル系可塑剤、セバシン酸ジエステル系可塑剤などの、分子量が500以下で、かつ不揮発性の成分も本発明の効果を妨げない限り含まれていてもよいが、このような成分は、徐々に溶出し、義歯床に移行してしまうなどして本発明の効果を得ることを妨げる可能性が高いため、粉材と液材とを混合して得られる最終組成物の総量を100質量%としたとき、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
本発明の科用粘膜調整材において、(1)粉材と(2)液材の混合比は、特に制限されるものではないが、非架橋ポリマー100重量部に対して、液材に配合される液状ポリマーがの量が50〜300質量部となる範囲が好ましく、また、粉材と液材との割合に大きく差があると、双方を混合してもペーストとならない場合があり、該観点から、粉材と液材とが質量比で粉/液=0.5〜2.5の範囲であることが好ましく、使用時の計量や混合も容易である点で、質量比で粉/液=0.8〜2.0程度であるのがより好ましい。また、粉材と液材との練和は、両者が均一なペーストになるまで行なえば良いが、通常は5〜100秒の範囲で均一化する。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。各実施例、比較例における各種物性の評価方法は以下の通りである。
(1)ガラス転移点(Tg)の測定方法
Tgは示差走査熱量測定装置(DSC6200/セイコー社製)を用いて測定した。およそのTgよりも30℃ほど高温まで10℃/分で初期昇温を続け、そこで5分間保持後、50℃/分で降温した。次いで直ちに最昇温して得られたシグナルにおいて得られる3本の接線の交点の温度を求め、それらの中間の温度をTgとした。
(2)硬度の測定方法
柔軟性の指標であるショアA硬度は、JIS−K7215(デュロメータ タイプA)に基づいて測定した。測定は、粉材と液材を練和後37℃で一晩静置した時点と、さらに、そのまま37℃で1ヶ月間水中浸漬させた時点でそれぞれ行った。
(3)練和時間の測定方法
予め液材を計りとっておいたラバーカップに、1.1質量倍の粉材を加えて練和を開始し、加えた粉材が液材になじみ均一なペースト状になるまでスパチュラで練和し続けた。練和開始から均一なペーストが得られるまでの時間を計測し、練和時間とした。
(4)練和時の初期粘度測定方法
動的粘弾性測定装置CSレオメーター「CVO120HR」( ボーリン社製)を用いて測定した。直径20mm、1°コーンを使用し、測定温度(プレート温度)23℃、ショアレート10(1/sec)の条件で測定した。上記(3)練和時間の測定方法に記載した方法で練和し、均一なペーストが得られた時点から30秒後の粘度と1分30秒後の粘度をそれぞれ測定した。
(5)稠度の測定方法
JIS−T6519(義歯床用短期弾性裏装材)に基づいて測定した。測定は、(4)練和時間の測定方法に記載した方法で練和し、試料2mlを計量し、1枚のガラス板上に置いた。混和終了から30秒後に、この試料の上にもう1枚カバーガラス板(100g)を静かに乗せ、直ちに試料を37℃に保ったインキュベーターに入れた。混和終了から120秒後にカバーガラス板の上に1000gのおもりを静かに垂直に乗せ、60秒後におもりを除いた。混和終了から8分後に広がった試料の平行接線間の最大部と最小部の長さを測定し、その平均値を求め、稠度とした。この測定時点での稠度が小さい(目安60以下)ことは、粉材と液材とを練和して得たペーストを義歯床粘着面に盛り口腔内に挿入する時間帯のペーストが、粘弾性が大きく、装着圧がかかっても押し出され難いことを意味する。
(6)粘膜調整材層の厚さ変化率の測定方法
義歯床樹脂材料(「アクロン」(ジーシー社製))を用いて作製した一辺が約30mm、厚さ約2mmの正方形のアクリル板上に30×30×2mmの孔を有する型を設置し、(3)練和時間の測定方法に記載した方法で練和し、均一なペーストが得られた時点から10秒経過後のペーストを流し込み、その上からもう1枚のアクリル板で圧接した。混和開始から30分後に型をはずし、37℃で1日間水中浸漬させた後、マイクロメーターを使用して試験片の厚みを測定した。試験片の厚みから2枚のアクリル板の厚みを除いた分を粘膜調整材層の試験前厚さとした。厚み測定後、疲労試験機「エレクトロパルス」(インストロン製)を用いて、以下の条件で繰り返し荷重試験を行った。
<試験条件>
最大荷重 :27kgf
荷重 :サインカーブに基づく荷重負荷
周波数 :1Hz
繰り返し回数:2700回
温度 :37℃(水中)
試験後、マイクロメーターを使用して試験片の厚みを測定した。試験片の厚みから2枚のアクリル板の厚みを除いた分を粘膜調整材層の試験後厚さとし、下記式にて変化率を求めた。
粘膜調整材層の厚さ変化率[%]=(試験前厚さ−試験後厚さ)[mm]/2[mm]×100
(7)粒子の体積平均粒子径の測定方法
ベックマンコールター社製LS230を用いて測定した。測定は水を分散媒とし、測定前に超音波で3分以上処理した後、すみやかに測定した。
また、各実施例及び比較例で使用した各種化合物は以下の通りである。
(1)(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子
Figure 2011132189
(2)(メタ)アクリル系架橋ポリマー粒子
・架橋ポリメチルメタクリレート(積水化成品工業株式会社製、平均粒子径8μm;「PMMA‐X」と略す)
(3)液状ポリマー
・ポリブチルアクリレート(製造例3、質量平均分子量;2000、「PBA‐1」と略す)
・ポリブチルアクリレート(製造例4、質量平均分子量;6000、「PBA‐2」と略す)
・ポリプロピルアクリレート(製造例5、質量平均分子量;2000、「PPA」と略す)
(4)水溶性有機溶媒
・エタノール(和光純薬工業株式会社製)
製造例1
PTMHMAの合成;三つ口フラスコに3,5,5−トリメチルヘキシルメタクリレートを21.2g(100mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と略する)を0.02g、トルエン20mlを加え、窒素ガスを5ml/分の割合で2時間流しつづけた。窒素ガスを止めた後、オイルバスを取り付け、バス温度70℃で6時間攪拌を続けた。反応物を10倍量のメタノールに入れ、生じた沈殿を回収し、メタノールで洗浄した。得られた沈殿物をベンゼンに溶解した後凍結乾燥を行い、11.7gの残留物を回収した(収率55%)。これをゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略する)測定したところ質量平均分子量が250,000(ポリスチレン換算)、Mw/Mn=1.83であった。得られた固体を凍結粉砕機(「リンレックスミル」(ホソカワミクロン社製))で粉砕して体積平均粒子径80μmの粉末とした。
製造例2
PiPMAの合成;3,5,5−トリメチルヘキシルメタクリレートに代えて、イソプロピルメタクリレートを12.8g(100mmol)用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、6.4gの残留物を回収した(収率50%)。これをGPC測定したところ質量平均分子量が220,000(ポリスチレン換算)であった。得られた固体を凍結粉砕機(ホソカワミクロン社製リンレックスミル)で粉砕して体積平均粒子径15μmの粉末とした。
製造例3
PBA−1:トリ(n−ブチル)アルミニウムのトルエン溶液(1.0mol/l)3.0ml(3.0mmol)をトルエン40mlと混合し、−78℃に冷却した。これにt−ブチルリチウムのトルエン溶液(1.0mol/l)7.4ml(7.4mmol)を加え、数分間攪拌させた後、ブチルアクリレート16.1g(126mmol)を、反応系中の温度が上がらないように注意しながら加えた。この反応は窒素雰囲気下、標準的なシュレンク管中で行い、試薬の移動は注射器を用いて行った。トルエンはナトリウム上で還流した後、窒素雰囲気下で蒸留した。ブチルアクリレートは塩基性アルミナカラム及びモレキュラーシーブス4Aのカラムを通して精製した。24時間攪拌させた後、メタノールを加えて反応を停止させた。分液漏斗を用いて50%メタノール水溶液で洗浄した後120℃で真空乾燥して、11.6gの無色透明の液状化合物を得た(収率72%)。GPC測定したところ質量平均分子量が2000(ポリスチレン換算)、Mw/Mn=1.15であり、分子量500未満のものが5質量%含まれていた。
製造例4
PBA−2:トリ(n−ブチル)アルミニウムのトルエン溶液(1.0mol/l)1.0ml(1.0mmol)、t−ブチルリチウムのトルエン溶液(1.0mol/l)2.5ml(2.5mmol)を用いて製造例3と同様の方法で合成し、10.1gの無色透明の液状化合物を得た(収率63%)。GPC測定したところ質量平均分子量が6000(ポリスチレン換算)、Mw/Mn=1.12であり、分子量500未満のものが1質量%未満であった。
製造例5
PPA:トリ(n−ブチル)アルミニウムのトルエン溶液(1.0mol/l)3.0ml(3.0mmol)をトルエン40mlと混合し、−78℃に冷却した。これにt−ブチルリチウムのトルエン溶液(1.0mol/l)7.4ml(7.4mmol)を加え、数分間攪拌させた後、プロピルアクリレート14.8g(130mmol)を、反応系中の温度が上がらないように注意しながら加えた。この反応は窒素雰囲気下、標準的なシュレンク管中で行い、試薬の移動は注射器を用いて行った。トルエンはナトリウム上で還流した後、窒素雰囲気下で蒸留した。プロピルアクリレートは塩基性アルミナカラム及びモレキュラーシーブス4Aのカラムを通して精製した。24時間攪拌させた後、メタノールを加えて反応を停止させた。分液漏斗を用いて50%メタノール水溶液で洗浄した後120℃で真空乾燥して、10.2gの無色透明の液状化合物を得た(収率69%)。GPC測定したところ質量平均分子量が2000(ポリスチレン換算)、Mw/Mn=1.15であり、分子量500未満のものが5質量%含まれていた。
実施例1
表2に示した低Tg非架橋ポリマー〔I〕と高Tg非架橋ポリマー〔II〕からなる粉材と液状ポリマーからなる液材を用いて粘膜調整材とした。この粘膜調整材の評価結果を表3に示した。なお、粉材と液材とは、粉/液=1.1(質量比)で混合して用いた。
実施例2〜4
高Tg非架橋ポリマー〔II〕の配合量を表2に示したように変更した他は、実施例1と同様に粘膜調整材を調製し、評価した。評価結果を表3に示した。
Figure 2011132189
Figure 2011132189
上記表3に示したように、本発明の粘膜調整材は、いずれも初期粘度が低く、粉液練和後均一にペースト化した後において1分30秒経過してもその粘度を300Pas(23℃)以下に抑えることができた。また、稠度も小さかった。すなわち、粉材と液の練和後の初期流動性が高く、義歯床粘膜に盛りつけた後は早くに粘弾性が発現し、早い段階で口腔内に挿入しても、粘膜調整材として十分な厚みのものを得られるだけの性状を備えたものであった。さらに、粘膜調整材層の厚さ変化率が小さく、義歯の使用時咬合圧が強い場合においても、義歯と粘膜面の間より押し出されず粘膜面に保持される材料であった。
また、初期硬度が20以下で、粘膜調整材として十分な柔軟性を有しており、一般的な粘膜調整材の試用期間である一ヵ月経過した後でも、硬度変化がほとんどなく良好な値のものであった。
実施例5〜6
表2に示したように、中Tg非架橋ポリマー〔III〕をさらに配合した他は、実施例1と同様に粘膜調整材を調製し、評価した。評価結果を表3に示した。
同量の高Tg非架橋ポリマー〔II〕が配合されている実施例2と比較して、初期粘度があまり高くなることなく、稠度はやや小さいものになった。中Tg非架橋ポリマーを配合することで、高い初期流動性を保ちつつ、粘弾性発現の早さを微調整できることがわかった。さらに、他の物性に与える大きな影響はなかった。
実施例7〜8
表2に示したように、液材に有機溶媒としてエタノールを配合した他は、実施例1と同様に粘膜調整材を調製し、評価した。評価結果を表3に示した。
表3に示すように、液材に少量の水溶性有機溶媒を配合することにより、配合しない場合に比べて練和時間が大幅に短縮され、より操作性に優れる粘膜調整材とすることができた。さらにこのように水溶性有機溶媒を配合しても、他の物性に与える影響は殆どなかった。
実施例9〜11
表2に示したように、粉材に配合する非架橋ポリマーの種類を変えた他は、実施例1と同様に粘膜調整材を調製し、評価した。評価結果を表3に示した。
初期粘度、稠度、粘膜調整材層の厚さ変化率などいずれも粘膜調整材として良好な物性を有していた。
実施例12〜13
表2に示したように、液材の液状ポリマーの種類を変えた他は、実施例1と同様に粘膜調整材を調製し、評価した。評価結果を表3に示した。
初期粘度、稠度、粘膜調整材層の厚さ変化率などいずれも粘膜調整材として良好な物性を有していた。
比較例1
表4に示したように高Tg非架橋ポリマー〔II〕の変わりに架橋ポリマーを用いた他は、実施例1と同様に粘膜調整材を調製し、評価した。評価結果を表5に示した。
Figure 2011132189
Figure 2011132189
表5に示したように、架橋ポリマーを用いると、初期粘度は低く良好な初期流動性が得られた。しかし、稠度が大きく、粘弾性発現が遅いものであった。すなわち、義歯床粘膜面に盛り付け後、早い段階で口腔内に挿入すると、粘膜調整材として十分な厚みで層形成できない性状のものであった。さらには、粘膜調整材層の厚さ変化率も大きく、義歯の使用時咬合圧が強い場合においては、義歯と粘膜面の間より押し出されてしまい易いものであった。
比較例2
高Tg非架橋ポリマー〔II〕、中Tg非架橋ポリマー〔III〕を使用せず、粉材として低Tg非架橋ポリマー〔I〕のみを使用した他は、実施例1と同様に粘膜調整材を調製し、評価した。評価結果を表5に示した。
表5に示したように、初期粘度が高く、稠度が小さいため、初期流動性が低く、粘弾性発現が早すぎ、良好な操作性を得ることができなかった。

Claims (5)

  1. (1)粉材と(2)液材とからなり、使用時に両材を練和したペーストとして用いる歯科用粘膜調整材において、
    (1)粉材が、a)ガラス転移温度が0〜60℃の範囲であり、且つ平均粒子径が10〜100μmの範囲である(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔I〕、およびb)ガラス転移温度が80〜120℃の範囲であり、且つ平均粒子径が2〜50μmの範囲である(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔II〕を含んでなり、
    (2)液材が、質量平均分子量が1000〜10000の範囲にある液状ポリマーを主成分とする
    ことを特徴とする歯科用粘膜調整材。
  2. 粉材が、a)(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔I〕100質量部に対して、b)(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔II〕を5〜100質量部を含んでなる請求項1記載の歯科用粘膜調整材。
  3. (1)粉材が、さらに、
    c)ガラス転移温度が60を越えて80℃未満の範囲であり、且つ平均粒子径が2〜100μmの範囲である(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔III〕
    を含んでなる請求項1または請求項2記載の歯科用粘膜調整材。
  4. 粉材において、c)(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔III〕の含有量が、a)(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔I〕とb)(メタ)アクリル系非架橋ポリマー粒子〔II〕のいずれの質量に対しても40質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科用粘膜調整材。
  5. (2)液材が、水溶性有機溶媒をさらに含むものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯科用粘膜調整材。
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