JP2013030579A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013030579A
JP2013030579A JP2011165022A JP2011165022A JP2013030579A JP 2013030579 A JP2013030579 A JP 2013030579A JP 2011165022 A JP2011165022 A JP 2011165022A JP 2011165022 A JP2011165022 A JP 2011165022A JP 2013030579 A JP2013030579 A JP 2013030579A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
power module
conversion device
power conversion
cooling case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011165022A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5691916B2 (ja
Inventor
Hirotaka Ono
裕孝 大野
Yuji Karaskaki
祐治 唐崎
Masakazu Yamazoe
正和 山添
Yoshiaki Kominami
善章 小南
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2011165022A priority Critical patent/JP5691916B2/ja
Publication of JP2013030579A publication Critical patent/JP2013030579A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5691916B2 publication Critical patent/JP5691916B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/34Arrangements for cooling, heating, ventilating or temperature compensation ; Temperature sensing arrangements
    • H01L23/40Mountings or securing means for detachable cooling or heating arrangements ; fixed by friction, plugs or springs
    • H01L23/4006Mountings or securing means for detachable cooling or heating arrangements ; fixed by friction, plugs or springs with bolts or screws
    • H01L23/4012Mountings or securing means for detachable cooling or heating arrangements ; fixed by friction, plugs or springs with bolts or screws for stacked arrangements of a plurality of semiconductor devices
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/34Arrangements for cooling, heating, ventilating or temperature compensation ; Temperature sensing arrangements
    • H01L23/40Mountings or securing means for detachable cooling or heating arrangements ; fixed by friction, plugs or springs
    • H01L23/4006Mountings or securing means for detachable cooling or heating arrangements ; fixed by friction, plugs or springs with bolts or screws
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/34Arrangements for cooling, heating, ventilating or temperature compensation ; Temperature sensing arrangements
    • H01L23/46Arrangements for cooling, heating, ventilating or temperature compensation ; Temperature sensing arrangements involving the transfer of heat by flowing fluids
    • H01L23/473Arrangements for cooling, heating, ventilating or temperature compensation ; Temperature sensing arrangements involving the transfer of heat by flowing fluids by flowing liquids
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

Abstract

【課題】シール構造が簡素であり且つ体格(平面方向の大きさ及び高さ方向の長さ)を小さくすることができる電力変換装置を提供すること。
【解決手段】電力変換装置1は、半導体素子20に絶縁部材30を介して接合される冷却ケース50を備えたパワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hで構成される。各パワーモジュール10L,10Hの冷却ケース50は、平面状に延びていて裏面51bにピンフィン51cが形成される放熱部51と、放熱部51から連続的に平面状に延びるヘッダ部52と、冷媒60が流入及び流出する水路部53A,53Bと、冷媒60が流れる冷媒空間RKを形成する縁部54とを有する。これら放熱部51とヘッダ部52と水路部53A,53Bと縁部54とが一体的に成形される。パワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hとは、互いのピンフィン51cが対向し、且つ互いの縁部54がシールされた状態で組付けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体素子のスイッチングにより生じた熱を冷却することができる電力変換装置に関し、特に、第1パワーモジュールと第2パワーモジュールとで構成され、各パワーモジュールが半導体素子に絶縁部材を介して接合される冷却ケースを備えたものである電力変換装置に関する。
ハイブリッド自動車等では、電力変換装置(インバータ装置)により電力変換が行われていて、電力変換装置は、半導体素子のスイッチングにより生じた熱を冷却することができるように構成されている。このような電力変換装置では、近年、小型化及び軽量化が求められるとともに高出力化が求められていて、様々なものが提案されている。
例えば、下記特許文献1に記載された電力変換装置は、図41に示したように、第1パワーモジュール210Lと第2パワーモジュール210Hと冷却ジャケット290とで構成されている。第1パワーモジュール210L及び第2パワーモジュール210Hは、IGBTやダイオードである半導体素子220と、この半導体素子220に絶縁部材230を介して接合された銅ベース240と、冷媒が流入又は流出する冷却ケース250とを有している。
そして、第1パワーモジュール210Lと第2パワーモジュール210Hとが、銅ベース240の平面方向と直交する方向に冷却ジャケット290を介して組付けられていて、冷媒が、冷却ジャケット290と銅ベース240とフィン240aとの間の冷媒空間RKに流れるようになっている。こうして、半導体素子220からフィン240aに伝達された熱が、冷媒の流れによって冷却されている。
ここで、下記特許文献1に記載された電力変換装置1Vでは、図42に示したように、冷媒が流入する流入構造体RC1と冷媒が流出する流出構造体RC2とが構成されている。なお、図42は、図41に示した電力変換装置1VのZ−Z方向の断面図である。
図42に示したように、流入構造体RC1では、上側の銅ベース240の一端部がOリング271を介して上側の冷却ジャケット290Uに組付けられ、下側の銅ベース240の一端部がOリング272を介して下側の冷却ジャケット290Dに組付けられている。また、流出構造体RC2でも、同様に、上側の銅ベース240の他端部がOリング271を介して上側の冷却ジャケット290Uに組付けられ、下側の銅ベース240の他端部がOリング272を介して下側の冷却ジャケット290Dに組付けられている。このように、銅ベース240を冷却ジャケット290に組付けることによって、銅ベース240の強度が確保されている。
更に、この電力変換装置1Vは、図42に示したように、上側(第1パワーモジュール210L)の銅ベース240の平面方向の大きさを、下側(第2パワーモジュール210H)の銅ベース240の平面方向の大きさより、大きくすることによって、冷媒の流入部RV1の大きさと冷媒の流出部RV2の大きさとを確保している。これは、以下の理由に基づく。
仮に、フィン240aの高さ方向(図42の上下方向)の長さを維持しつつ、銅ベース240同士の平面方向の大きさを等しくする場合には、冷却ジャケット290U,290Dの組付けによって、流入部RV1及び流出部RV2の流路が狭くなり、圧力損失が大きくなる。また、仮に、フィン240aの高さ方向の長さを大きくして、銅ベース240同士の平面方向の大きさを等しくする場合には、フィン240aの根元部分で冷媒の流速が低下し、冷媒が滞留し易くなって、冷却性能が低下する。こうして、冷却性能の低下及び圧力損失の増加を防止しつつ、流入部RV1及び流出部RV2の流路を適切に確保するために、銅ベース240同士をその平面方向の大きさが異なるように構成していた。
特開2005−259748号公報
しかしながら、上記した電力変換装置1Vには、以下の問題点がある。即ち、冷却ジャケット290U,290Dを別体として銅ベース240に組付け、且つ銅ベース240同士の平面方向の大きさを異ならせるという構造上、電力変換装置1Vの平面方向の大きさが大きくなる。この結果、車両搭載性が悪化するという問題がある。
また、二つのOリング271,272を用いて銅ベース240と冷却ジャケット290U,290Dの間をシールする必要があるため、シール構造が簡素でないという問題もある。更に、二つのOリング271,272をそれぞれ銅ベース240で強固にシールする必要があり、銅ベース240の強度を確保するために銅ベース240の厚さ方向(図39の上下方向)の長さが大きくなり、電力変換装置1Vの高さ方向の長さが大きくなるという問題もある。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、シール構造が簡素であり且つ体格(平面方向の大きさ及び高さ方向の長さ)を小さくすることができる電力変換装置を提供することを目的とする。
(1)本発明における電力変換装置は、半導体素子のスイッチングにより生じた熱を冷却することができる電力変換装置であって、前記半導体素子に絶縁部材を介して接合される冷却ケースを備えた第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールで構成され、前記各パワーモジュールの冷却ケースは、平面状に延びていて表面に前記絶縁部材が接合され裏面にフィンが形成される放熱部と、前記放熱部の平面方向と直交する方向に延びていて冷媒が流入及び流出する水路部と、前記フィンを囲み冷媒が流れる空間を形成する縁部と、を有し、これら放熱部と水路部と縁部とが一体的に成形されていて、前記第1パワーモジュールと前記第2パワーモジュールとは、互いの前記フィンが対向し、且つ互いの前記縁部がシールされた状態で組付けられていることを特徴とする。
(2)(1)に記載された電力変換装置において、前記第1パワーモジュールの縁部と前記第2パワーモジュールの縁部とは、Oリングを介して組付けられていることが好ましい。
(3)(1)又は(2)に記載された本発明における電力変換装置において、前記第1パワーモジュールの縁部と前記第2パワーモジュールの縁部とが溶接されていることが好ましい。
(4)(3)に記載された電力変換装置において、前記縁部には、その外表面から内部に向けて溶接による熱を伝わり難くする熱緩衝構造が形成されていることが好ましい。
(5)(4)に記載された電力変換装置において、前記熱緩衝構造は、スリットであることが好ましい。
(6)(4)に記載された電力変換装置において、前記熱緩衝構造は、前記第1パワーモジュールの縁部と前記第2パワーモジュールの縁部との段差接合であっても良い。
(7)(1)乃至(6)の何れかに記載された電力変換装置において、前記冷却ケースは、前記放熱部から連続的に平面状に延びていて前記フィンが形成されていないヘッダ部を有し、前記放熱部及び前記ヘッダ部の表面には、前記半導体素子を覆うように熱硬化性樹脂の封止部材が形成されていて、前記ヘッダ部には、表面から突出していて前記封止部材と係合する係合凸部が形成されていることが好ましい。
(8)(7)に記載された電力変換装置において、前記係合凸部には、前記ヘッダ部の平面方向に広がり前記封止部材がくわえ込む第1突片が形成されていることが好ましい。
(9)(1)乃至(6)の何れかに記載された電力変換装置において、前記冷却ケースは、前記放熱部から連続的に平面状に延びていて前記フィンが形成されていないヘッダ部を有し、前記放熱部及び前記ヘッダ部の表面には、前記半導体素子を覆うように熱硬化性樹脂の封止部材が形成されていて、前記放熱部には、表面から窪んでいて前記封止部材と係合する係合凹部が形成されていることが好ましい。
(10)(9)に記載された電力変換装置において、前記係合凹部には、その係合凹部を塞ぐように内側に突出し前記封止部材をくわえ込む第2突片が形成されていることが好ましい。
(11)(1)乃至(6)の何れかに記載された電力変換装置において、前記放熱部の表面には、前記半導体素子を覆うように熱硬化性樹脂の封止部材が形成され、前記封止部材は、前記冷却ケースの端部より外側に張り出していて、前記冷却ケースの端部には、前記放熱部の平面方向に延び前記封止部材がくわえ込む第3突片が形成されていることが好ましい。
(12)(1)乃至(6)の何れかに記載された電力変換装置において、前記放熱部の表面には、前記半導体素子を覆うように熱硬化性樹脂の封止部材が形成され、前記第1パワーモジュール及び前記第2パワーモジュールの封止部材全体と縁部全体とを覆うように、熱可塑性樹脂の第2封止部材が形成されていることが好ましい。
(13)(1)乃至(12)の何れかに記載された電力変換装置において、前記冷却ケースは、質量%でアルミニウムが99%以上であるアルミ材料を用いて、鍛造によって成形されたものであることが好ましい。
(14)(1)乃至(13)の何れかに記載された電力変換装置において、前記第1パワーモジュール及び前記第2パワーモジュールは、一対のダイオード及びトランジスタを三組それぞれ有し、一つのモータを駆動するインバータ回路を形成していることが好ましい。
(15)(1)乃至(14)の何れかに記載された電力変換装置において、前記組付けられた一対の第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールは、前記放熱部の平面方向と直交する方向に複数個積層されていることが好ましい。
(16)(15)に記載された電力変換装置において、前記複数個積層された第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールは、ハウジング及び底蓋で覆われるように組付けられていて、前記複数個積層された第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールのうち最下段に位置する第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールと前記底蓋との間には、第1弾性部材が介装され、前記複数個積層された第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールのうち最上段に位置する第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールと前記ハウジングとの間には、第2弾性部材が介装されていることが好ましい。
(17)(15)又は(16)に記載された電力変換装置において、前記組付けられた一対の第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールと、前記組付けられた一対の第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールとの間には、第3弾性部材が介装されていることが好ましい。
本発明における電力変換装置の作用効果について説明する。
上記構成(1)では、電力変換装置が、冷却ケースを備えた第1パワーモジュールと第2パワーモジュールの二部品で構成されている。そして、第1パワーモジュールと第2パワーモジュールとは、互いのフィンが対向し、且つ互いの縁部がシールされた状態で組付けられている。このため、シール構造が簡素である。更に、冷却ケースでは、放熱部と水路部と縁部とを一体的に成形して、水路の開口部分の大きさを適切に確保しつつ、フィンの長さを適切に設定できるようになっているため、冷却ケースの体格(平面方向の大きさ及び高さ方向の長さ)を必要以上に大きくする必要がない。こうして、冷却ケースの体格を小さくして電力変換装置を構成することができる。
上記構成(2)では、Oリングを用いて第1パワーモジュールの縁部と第2パワーモジュールの縁部とを組付けることで、冷媒が漏れない液密構造を容易に形成することができる。
上記構成(3)では、縁部同士を溶接することによって、第1パワーモジュールと第2パワーモジュールとの接合強度を十分確保することができる。
上記構成(4)では、例えば、溶接による熱がOリングに伝わってOリングが破損する、溶融した冷却ケースの母材がOリングを組付ける組付け溝に浸入する等、溶接による不具合を熱緩衝構造によって生じ難くすることができる。
上記構成(5)では、熱緩衝構造をスリットとして構成するため、熱緩衝構造を容易に構成することができる。
上記構成(6)では、熱緩衝構造を縁部同士の段差接合として構成するため、熱緩衝構造を容易に構成することができる。
上記構成(7)では、ヘッダ部の表面から突出する係合凸部と封止部材とが係合するため、封止部材と冷却ケースとの接合強度を大きくすることができる。更に、放熱部の裏面にフィンを形成するのに対して、ヘッダ部の表面に係合凸部を形成するため、放熱部及びヘッダ部での肉厚分布の変動を小さくすることができる。即ち、裏面にフィンが形成されないヘッダ部の表面に係合凸部を形成することで、ヘッダ部の肉厚と放熱部の肉厚との差が小さくなる。従って、冷却ケースを鍛造によって成形し易くなる。
上記構成(8)では、封止樹脂が係合凸部に形成された第1突片をくわえ込むため、封止部材と冷却ケースとの接合強度を更に大きくすることができる。こうして、冷却ケースに必要とされる剛性を確保し易くすることができる。
上記構成(9)では、放熱部の表面から窪んでいる係合凹部と封止樹脂とが係合するため、封止部材と冷却ケースとの接合強度を大きくすることができる。更に、放熱部の裏面にフィンを形成し、且つ放熱部の表面に係合凹部を形成するため、放熱部及びヘッダ部での肉厚分布の変動を小さくすることができる。即ち、フィンを形成することによって生じる放熱部の肉厚の増加を、係合凹部を形成することによって抑えることができ、ヘッダ部の肉厚と放熱部の肉厚との差が小さくなる。従って、冷却ケースを鍛造によって成形し易くなる。
上記構成(10)では、封止樹脂を係合凹部に形成された第2突片がくわえ込むため、封止樹脂と冷却ケースとの接合強度を更に大きくすることができる。こうして、冷却ケースに必要とされる剛性を確保し易くすることができる。
上記構成(11)では、封止樹脂が冷却ケースの端部に形成された第3突片をくわえ込むため、封止樹脂と冷却ケースとの接合強度を更に大きくすることができる。こうして、冷却ケースに必要とされる剛性を確保し易くすることができる。
上記した構成(12)では、熱可塑性樹脂の第2封止部材が、第1パワーモジュール及び第2パワーもシュールの封止部材全体と縁部全体とを覆うため、第1パワーモジュールと第2パワーモジュールとの接合強度を大きくすることができ、冷媒の漏れを防止することができる。
上記構成(13)では、純度が大きいアルミ材料を鍛造することで、所望の形状が得られる。また、アルミ材料の純度が大きいため、冷却ケースの熱伝達率が向上して、冷却性能が良くなる。更に、アルミ材料に含まれる不純物が極めて少ないため、レーザ溶接しても、不純物が突沸してブローホールを形成することがない。
上記構成(14)では、ローサイド回路のうち、冷媒の下流側に配置される半導体素子が最も高温になる。このため、この半導体素子に内蔵される温度センサーを観察することで、6つの各半導体素子の異常過熱を防止できる。言い換えると、残りの半導体素子(ローサイド回路のうち冷媒の下流側に配置される半導体素子以外の半導体素子)に内蔵される温度センサーを省くことができる。
上記構成(15)では、予め組付けられた状態である一対の第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールが、放熱部の平面方向と直交する方向に複数個積層されるため、フィンに向かって流れる冷媒空間のシールと、冷媒が流入又は流出する水路のシールとを独立させることができる。このため、水路をシールする際の加圧力を小さくすることができる。従って、冷却ケースに必要とされる強度が小さくなり、冷却ケースを小型化できる。
上記構成(16)では、ハウジング、底蓋、第1弾性部材、第2弾性部材で電力変換装置(冷却ケース)全体を補強することができ、冷媒の漏れを防止することができる。更に、底蓋、ハウジングに作用する衝撃を第1弾性部材、第2弾性部材で吸収することができ、電力変換装置を衝撃に強い構造にすることができる。
上記構成(17)では、組付けられたパワーモジュール同士の間に生じる隙間を第3弾性部材で埋めることで、電力変換装置全体を補強することができる。
電力変換装置の右半分を破断したときの部分断面図である。 (A)第1パワーモジュールの平面図である。(B)第1パワーモジュールの右半分を破断したときの部分断面図である。(C)第1パワーモジュールの背面図である。 (A)第2パワーモジュールの平面図である。(B)第2パワーモジュールの右半分を破断したときの部分断面図である。(C)第2パワーモジュールの背面図である。 電力変換装置のインバータ回路を示した図である。 (A)半導体素子が半田付けされる前の状態を示した図である。(B)半導体素子が半田付けされた後の状態を示した図である。 (A)絶縁部材が冷却ケースの上面に配置された状態を示した図である。(B)絶縁状態が冷却ケースの上面に熱圧着される状態を示した図である。 半導体素子ユニットと冷却ケースとがトランスファーモールド成形機の中に配置された状態を示した図である。 上金型と下金型との間に樹脂が流し込まれた状態を示した図である。 成形物がトランスファーモールド成形機から取り出された状態を示した図である。 互いの縁部が溶接される部分を示した図である。 (A)図10のX−X線に沿った断面図である。(B)熱緩衝構造が縁部の肉厚部分である場合の図11(A)相当の図である。(C)熱緩衝構造が縁部同士の段差接合である場合の図11(A)相当の図である。 比較品として構成された電力変換装置の右半分を破断したときの部分断面図である。 図12に示した電力変換装置の分解図である。 図12に示したフィン間隔壁を取り除いた電力変換装置を示した図12相当の図である。 図12に示したフィン間隔壁を取り除き、且つピンフィンの長さを大きくした電力変換装置を示した図12相当の図である。 図12に示した冷却ケースの高さ方向の長さを小さくした電力変換装置を示した図12相当の図である。 (A)本実施形態のパワーモジュールの背面図である。(B)図17(A)に示した放熱部及び封止樹脂の側面図である。(C)図17(B)に示した放熱部と封止樹脂との接着界面に作用する応力分布を示した図である。 (A)放熱部の裏面にストレートフィンを形成した場合のパワーモジュールの背面図である。(B)図18(A)に示した放熱部及び封止樹脂の側面図である。(C)図18(B)に示した放熱部と封止樹脂との接着界面に作用する応力分布を示した図である。 アルミ材料の純度と成形法とを変えて冷却ケースを成形した場合に、形状と冷却性能とレーザ溶接と超音波探傷との結果を比較した表である。 パワーモジュールに対して超音波探傷の検査をしている状態を示した図である。 第2実施形態におけるパワーモジュールを部分的に拡大した断面図である。 (A)図21に示したリブの形状の第1例を示した斜視図である。(B)図21に示したリブの形状の第2例を示した斜視図である。 (A)リブが押圧ピンで押圧される前の状態を示した図である。(B)リブが押圧ピンで押圧された状態を示した図である。 第3実施形態におけるパワーモジュールを部分的に拡大した断面図である。 図24に示した凹溝の形状の第1例を示した斜視図である。(B)図24に示した凹溝の形状の第2例を示した斜視図である。 (A)凹溝が押圧ピンで押圧される前の状態を示した図である。(B)凹溝が押圧ピンで押圧された状態を示した図である。 第4実施形態の電力変換装置の右半分を破断したときの部分断面図である。 図27に示した電力変換装置の分解図である。 比較品として構成された電力変換装置の右半分を破断したときの部分断面図である。 図29に示した電力変換装置の分解図である。 (A)図29に示した電力変換装置におけるOリングの加圧面積を示した概略図である。(B)図27に示した電力変換装置におけるOリングの加圧面積を示した概略図である。 図27に示した電力変換装置の一部を拡大した図である。 図27に示した電力変換装置の制御端子と制御基板とが接続された状態を示した図である。 図33に示したY−Y線に沿った断面図である。 変形実施形態の電力変換装置において、クリップでパワーモジュールの縁部同士を挟みこんだ状態を示した図である。 変形実施形態の電力変換装置において、パワーモジュールの縁部全体及び封止樹脂全体を覆うように、封止樹脂で鋳包んだ状態を示した図である。 変形実施形態のリブにおいて、(A)リブが押圧ピンで押圧される前の状態を示した図である。(B)リブが押圧ピンで押圧された状態を示した図である。 変形実施形態のパワーモジュールにおいて、ヘッダ部の裏面に整流リブが形成されている状態を示した図である。 変形実施形態の電力変換装置において、封止樹脂と底蓋との間に弾性部材が介装されるとともに、封止樹脂とハウジングとの間に弾性部材が介装されている状態を示した図である。 (A)変形実施形態の電力変換装置において、封止樹脂が冷却ケースの端部より外側に張り出している状態を示した図である。(B)図40(A)のJ−J線に沿った断面図である。 従来の電力変換装置の断面図である。 図41に示したZ−Z線に沿った断面図である。
<第1実施形態>
本発明に係る電力変換装置について、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、電力変換装置1の右半分を破断したときの部分断面図である。この電力変換装置1は、ローサイド側パワーモジュール10L(以下、単に「パワーモジュール10L」と呼ぶ)と、ハイサイド側パワーモジュール10H(以下、単に「パワーモジュール10H」と呼ぶ)との二部品で構成されている。このパワーモジュール10Lが本発明の第1パワーモジュールに相当し、パワーモジュール10Hが本発明の第2パワーモジュールに相当する。
パワーモジュール10Lは、図1の左右方向に対称的な構造であり、半導体素子20と絶縁部材30と封止樹脂40と冷却ケース50とを有している。ここで、図2(A)は、パワーモジュール10Lの平面図であり、図2(B)は、パワーモジュール10Lの右半分を破断したときの部分断面図であり、図2(C)は、パワーモジュール10Lの背面図である。
半導体素子20は、インバータ回路を構成する電子部品であり、スイッチングにより発熱する発熱体である。図1及び図2に示したように、半導体素子20の下面は、半田付けによってコレクタ電極21の上面に接合され、半導体素子20の上面は、半田付けによってエミッタ電極22の下面に接合されている。図2(A)(C)に示したように、半導体素子20は制御端子71に接続されていて、エミッタ電極22はパワー端子72に接続されている。半導体素子20は、具体的にはIGBT20A、ダイオード20Bであり、このパワーモジュール10Lには、一対のIGBT20A及びダイオード20Bが三組搭載されている。
絶縁部材30は、半導体素子20と冷却ケース50とを電気的に絶縁状態にするものである。絶縁部材30は、具体的には、熱伝導率の良い絶縁性の無機フィラー等を配合して熱伝導率を改善したシート状のエポキシ樹脂である。絶縁部材30の上面は、コレクタ電極21の下面に熱圧着されていて、絶縁部材30の下面は、冷却ケース50の上面に熱圧着されている。
封止樹脂40は、半導体素子20に作用する外力を軽減するためのものである。封止樹脂40は、例えば熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂である。この封止樹脂40が本発明の封止部材に相当する。封止樹脂40は、冷却ケース50の上面から絶縁部材30とコレクタ電極21と半導体素子20とエミッタ電極22とを覆うように形成されている。
冷却ケース50は、冷媒60が流動するためのケースであり、図2(B)に示したように、下側が開口した略直方体形状である。この冷却ケース50は、熱伝導率の良いアルミニウムで構成されていて、放熱部51と、ヘッダ部52と、流入水路部53A及び流出水路部53Bと、縁部54とを有している。
放熱部51は、平面状に延びていて、表面(上面)51aに絶縁部材30が接合され、裏面(下面)51bに複数のピンフィン51cが形成されている。各ピンフィン51cは、円柱状に形成されていて、格子状に配置されている。ヘッダ部52は放熱部51から連続的に平面状に延びていて、ヘッダ部52にはピンフィン51cが形成されていない。
流入水路部53Aは、冷媒60が流入する部分であり、段付円筒状に形成されていて、放熱部51の平面方向と直交する方向に延びている。この流入水路部53Aの段部53aに、Oリング73が組付けられるようになっている。また、流出水路部53Bは、冷媒60が流出する部分であり、段付円筒状に形成されていて、放熱部51の平面方向と直交する方向に延びている。この流出水路部53Bの段部53bに、Oリング74が組付けられるようになっている。
縁部54は、環状の枠であり、ピンフィン51cを囲んでいて、冷媒60が流れる冷媒空間RKを形成している。この冷媒空間RKを流れる冷媒60がピンフィン51cに当接することで、半導体素子20からピンフィン51cに伝わる熱が効率的に冷却される。また、縁部54は、図2(C)に示したように、Oリング75を組付けるための環状の組付け溝54aを有し、図2(A)(C)に示したように、四隅に固定ピン76(図1参照)を挿通するための挿通孔54bを4個有している。
上述した放熱部51とヘッダ部52と流入水路部53Aと流出水路部53Bと縁部54とは、鍛造によって一体的に成形されている。ここで、図3(A)は、パワーモジュール10Hの平面図であり、図3(B)は、パワーモジュール10Hの右半分を破断したときの部分断面図であり、図3(C)は、パワーモジュール10Hの背面図である。
パワーモジュール10Hは、図3(A)(B)(C)に示したように、上記したパワーモジュール10Lと同様、半導体素子20、絶縁部材30、封止樹脂40、冷却ケース50(放熱部51,ヘッダ部52,流入水路部53A,流出水路部53B,縁部54)を有している。このため、同一構造については、同一符号を付してその説明を省略する。
図3(B)に示したように、パワーモジュール10Hの流入水路部53A及び流出水路部53Bの形状は、パワーモジュール10Lの流入水路部53A及び流出水路部53Bの形状(図2(B)参照)と少し異なっている。パワーモジュール10Hの流入水路部53A及び流出水路部53Bは、内部にパワーモジュール10Lの流入水路部53A及び流出水路部53Bを嵌合できるように、段付円筒状の嵌合孔KGを有している。なお、パワーモジュール10Lの流入水路部53A及び流出水路部53Bには、Oリングが組付けられていない。
パワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hとは、互いのピンフィン51cが対向するように組付けられている。具体的には、図1に示したように、Oリング75が各縁部54の組付け溝54aに組付けられ、固定ピン76がパワーモジュール10Lの上側から各縁部54の4個の挿通孔54bに挿通され、固定ピン76の先端がカシメられている。
こうして、パワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hとは、互いのピンフィン51cが当接し、且つ互いの縁部54がシールされた状態で組付けられている。また、Oリング75を用いてパワーモジュール10L,10Hの縁部54同士が組付けられ、冷媒60が漏れない液密構造が容易に形成されている。そして、冷媒60が、流入水路部53Aから流入し、冷媒空間RKで図1の矢印で示した方向(図1の左方向)に流れ、流出水路部53Bへ流出するようになっている。なお、互いのピンフィン51cの先端は、当接している状態で対向しているが、当接していない状態で対向していても良い。
ここで、図4は、電力変換装置1のインバータ回路を示した図である。図4では、パワーモジュール10Lが構成するローサイド回路が、一点鎖線LSとして示されている。このローサイド回路LSでは、半導体素子20である一対のIGBT20Aとダイオード20Bとが三組並列して配置されている。この図4では、冷媒空間RKで流れる冷媒60の上流側(図1の右側),中流側(図1の中央),下流側(図1の左側)に配置されたIGBT20A及びダイオード20Bを、順にIGBT20A1及びダイオード20B1,IGBT20A2及びダイオード20B2,IGBT20A3及びダイオード20B3として、示すことにする。
また、パワーモジュール10Hが構成するハイサイド回路が、一点鎖線HSとして示されている。このハイサイド回路HSでは、一対のIGBT20Aとダイオード20Bとが三組並列して配置されている。図4では、冷媒空間RKで流れる冷媒60の上流側(図1の右側),中流側(図1の中央),下流側(図1の左側)に配置されたIGBT20A及びダイオード20Bを、順にIGBT20A1及びダイオード20B1,IGBT20A2及びダイオード20B2,IGBT20A3及びダイオード20B3として、示すことにする。
そして、ローサイド回路LSのIGBT20A1及びダイオード20B1(以下、「上流側半導体素子LS1」と呼ぶ)と、ハイサイド回路HSのIGBT20A1及びダイオード20B1(以下、「上流側半導体素子HS1」と呼ぶ)との間に、W相電極W1が接続されている。また、ローサイド回路LSのIGBT20A2及びダイオード20B2(以下、「中流側半導体素子LS2」と呼ぶ)と、ハイサイド回路HSのIGBT20A2及びダイオード20B2(以下、「中流側半導体素子HS2」と呼ぶ)との間に、V相電極V1が接続されている。
また、ローサイド回路LSのIGBT20A3及びダイオード20B3(以下、「下流側半導体素子LS3」と呼ぶ)と、ハイサイド回路HSのIGBT20A3及びダイオード20B3(以下、「下流側半導体素子HS3」と呼ぶ)との間に、U相電極U1が接続されている。これらU相電極U1,V相電極V1,W相電極W1は、一つの三相交流モータ(図示省略)に接続されている。こうして、6組のIGBT20A及びダイオード20Bを搭載する電力変換装置1は、一つの三相交流モータを駆動するインバータ回路を構成している。
上述したようにインバータ回路を構成する電力変換装置1の作用効果について説明する。ローサイド回路LSにおいて、上流側半導体素子LS1,中流側半導体素子LS2,下流側半導体素子LS3は、同じ三相交流モータを駆動するため、同じ負荷が作用する。このため、通電電流による発熱も全て同じになる。しかし、冷媒60は、冷媒空間RKの上流側から下流側に向かって半導体素子LS1,LS2,LS3の発熱により徐々に温められるので、下流側半導体素子LS3は、上流側半導体素子LS1に比べて冷媒60によって冷やされ難い。即ち、下流側半導体素子LS3は、上流側半導体素子LS1に比べて温かくなる。
従って、ローサイド回路LSにおいて、下流側半導体素子LS3に内蔵された温度センサーを観察することで、各半導体素子LS1,LS2,LS3に内蔵された温度センサーを観察することなく、各半導体素子LS1,LS2,LS3の異常過熱を防止できる。言い換えると、上流側半導体素子LS1,中流側半導体素子LS2に内蔵される温度センサーを省くことができる。
上記した作用効果は、ローサイド回路LSに異なる三相交流モータを駆動する半導体素子が含まれている場合には、得ることができない。また、ローサイド回路を構成する一つの半導体素子と、ハイサイド回路を構成する一つの半導体素子とを含むパワーモジュール(2in1タイプのパワーモジュール)を三段構成することによって、一つの三相交流モータを駆動する場合には、各半導体素子を冷却する効果がほぼ均等になってしまう。一方で、各半導体素子等の特性のばらつきによる発熱量の違いの影響が相対的に大きくなってしまい、構造的にどの部位の半導体素子の温度が常に高いという規則性がなくなり、上記した作用を得ることができない。
即ち、上記した作用効果を得ることができるのは、ローサイド回路LSが3つの半導体素子LS1,LS2,LS3(三組のIGBT20A及びダイオード20B)で構成されて、一つのパワーモジュールがこれら3つの半導体素子LS1,LS2,LS3を含む場合(3in1タイプのパワーモジュールである場合)だけである。
上記したローサイド回路LSにおける作用効果は、ハイサイド回路HSにおける作用効果についても同様に言える。ここで、一つの三相交流モータを駆動するローサイド回路LSとハイサイド回路HSとを比較した場合、ゲート回路の特性上、必ずローサイド回路LSに作用するゲート電圧が僅かに高くなり、ローサイド回路LSに流れる電流が僅かに大きい。
このため、ローサイド回路LSの下流側半導体素子LS3の温度は、ハイサイド回路HSの下流側半導体素子HS3の温度より、高くなる。従って、ローサイド回路LSの下流側半導体素子LS3に内蔵された温度センサーを観察することで、6つの各半導体素子LS1,LS2,LS3,HS1,HS2,HS3の異常加熱を防止できる。言い換えると、残りの半導体素子LS1,LS2,HS1,HS2,HS3に内蔵される温度センサーを省くことができる。
次に、上記した電力変換装置1を構成する各部材の組付け手順について、図5〜図9を用いて説明する。図5(A)は、半導体素子20が半田付けされる前の状態を示した図であり、図5(B)は、半導体素子20が半田付けされた後の状態を示した図である。図5(A)に示したように、先ず、半導体素子20とコレクタ電極21との間に半田箔23を配置するとともに、半導体素子20とエミッタ電極22との間に半田箔24を配置する。次いで、炉内で半田箔23,24を溶融させることによって、図5(B)に示したように、半導体素子20の下面とコレクタ電極21の上面とを半田付けするとともに、半導体素子20の上面とエミッタ電極22の下面とを半田付けする。こうして、半導体素子ユニット20Uを成形する。
また、上述した放熱部51、ヘッダ部52、流入水路部53A、流出水路部53B、縁部54を有する冷却ケース50を、鍛造によって予め成形しておく。ここで、図6(A)は、絶縁部材30が冷却ケース50の上面に配置された状態を示した図である。図6(B)は、絶縁部材30が冷却ケース50の上面に熱圧着される状態を示した図である。図6(A)に示したように、絶縁部材30を配置した後に、図6(B)に示したように、ヒートプレスHPを用いて絶縁部材30を冷却ケース50に向けて押圧する。これにより、絶縁部材30が熱圧着され、絶縁部材30の下面と冷却ケース50の上面とが仮接合される。
続いて、図7、図8、図9は、トランスファーモールド成形機TFを用いて封止樹脂40を成形する工程を示した図である。先ず、図7に示したように、半導体素子ユニット20Uと冷却ケース50とをトランスファーモールド成形機TFの中に配置する。このとき、コレクタ電極21の下面を絶縁部材30の上面に配置する。
次に、図8に示したように、トランスファーモールド成形機TFの上金型TF1と下金型TF2とによって冷却ケース50を挟み、樹脂を流し込む空間ZRを形成する。そして、液状の封止樹脂40が空間ZRに流し込まれ、絶縁部材30は、封止樹脂40の温度で加熱されるとともに、封止樹脂40の注入圧力によって加圧される。更に、絶縁部材30は、上金型TF1及び下金型TF2の温度によっても加熱される。その後、エポキシ樹脂で構成された封止樹脂40では架橋反応が進み、絶縁部材30の下面と冷却ケース50の上面とが強固に接着するとともに、コレクタ電極21の下面と絶縁部材30の上面とが強固に接着する。
最後に、図9に示したように、成形物をトランスファーモールド成形機TFから取り出す。こうして、半導体素子ユニット20Uと冷却ケース50とが接合されたパワーモジュール10Lが成形される。なお、パワーモジュール10Hも、パワーモジュール10Lと同様に成形する。そして、上述したように、パワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hとを、互いのピンフィン51cが対向し、且つ互いの縁部54がシールされた状態で組付けて、電力変換装置1を製造する。
ところで、パワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hとは、上述したように、固定ピン76が各縁部54の4個の挿通孔54bに挿通され、固定ピン76の先端がカシメられることによって、接合されている。通常、この固定ピン76による接合で、接合強度を十分得ることができる。しかしながら、パワーモジュール10L,10Hの体格、冷媒60の圧力、Oリング75の反力によって、この固定ピン76による接合だけでは、接合強度が足りなくて、縁部54から冷媒60が漏れるおそれがある。このため、本実施形態では、パワーモジュール10Lの縁部54とパワーモジュール10Hの縁部54とが、溶接されるようになっている。
図10は、互いの縁部54が溶接される部分を示した図である。本実施形態では、図10の一点鎖線で示した部分ISで、互いの縁部54がレーザ溶接によって接合されている。これにより、パワーモジュール10L,10H同士の接合を補強することができ、十分大きな接合強度を得ることができる。なお、本実施形態では、レーザ溶接を例示したが、溶接方法は、レーザ溶接以外(例えば、MIG,MAG,TIG,プラズマ溶接等)であっても良い。ここで、図11(A)は、図10のX−X線に沿った断面図である。
本実施形態では、図11(A)に示したように、パワーモジュール10L,10Hの縁部54の外表面54cと、パワーモジュール10L,10Hの組付け溝54aとの間に、スリットSRが形成されている。スリットSRは、縁部54の外表面54cから内部に向けて溶接による熱を伝わり難くするものである。このスリットSRが、本発明の熱緩衝構造に相当する。
スリットSRは、縁部54全周に環状になるように形成されている。但し、スリットSRは、レーザ溶接される部分(図10の一点鎖線で示した部分IS)に対応して、縁部54に複数個部分的に形成されていても良い。このスリットSRの中には空気の断熱層が形成されていて、この断熱層の熱伝達率はアルミニウムで構成された冷却ケース50の熱伝達率より十分小さい。このため、レーザの熱線がOリング75に伝わり難くなる。また、溶融した冷却ケース50の母材が組付け溝54aへ侵入することを防止できる。こうして、縁部54の外表面54cから内部に向けて溶接による熱が伝わり難くなり、Oリング75の破損を防止できる。
ここで、本実施形態では、図11(A)に示したように、熱緩衝構造がスリットSRであるが、図11(B)に示した変形実施形態のように、熱緩衝構造が縁部54の肉厚部分NAであっても良い。この肉厚部分NAは、縁部54の外表面54cと組付け溝54aとの間の距離N1が1.5mm以上になるように、構成されている。この肉厚部分NAによって、縁部54の熱容量が増加して熱が伝わり難くなるとともに、熱拡散効果が生じる。こうして、縁部54の外表面54cから内部に向けて溶接による熱が伝わり難くなり、Oリング75の破損を防止できる。
また、図11(C)に示した変形実施形態のように、熱緩衝構造が縁部54の段差接合(迷路構造)DSであっても良い。この段差接合DSは、縁部54同士が外表面54cと組付け溝54aとの間でクランク状に接合することによって、構成されている。即ち、縁部54同士が平面状に接合されていない。これにより、レーザの熱線がOリング75に伝わり難くなるとともに、溶融した冷却ケース50の母材が組付け溝54aへ侵入し難くなる。こうして、縁部54の外表面54cから内部に向けて溶接による熱が伝わり難くなり、Oリング75の破損を防止できる。
次に、本実施形態の電力変換装置1の利点を説明する前に、比較品として構成された電力変換装置1Wについて説明する。図12は、電力変換装置1Wの右半分を破断したときの部分断面図である。図13は、図12に示した電力変換装置1Wの分解図である。この電力変換装置1Wは、図12に示したように、ローサイド側パワーカード110L(以下、単に「パワーカード110L」と呼ぶ)と、ハイサイド側パワーカード110H(以下、単に「パワーカード110Hと呼ぶ」)と、冷却ケース190との三部品で構成されている。
パワーカード110Lは、半導体素子120と絶縁部材130と封止樹脂140とヒートシンク150とを有している。半導体素子120,絶縁部材130,封止樹脂140は、上記した半導体素子20,絶縁部材30,封止樹脂40と同様であるため、その説明を省略する。ヒートシンク150は、平板状に形成されていて、裏面に複数のピンフィン150aを有している。パワーカード110Hは、パワーカード110Lと同様の構成であるため、その説明を省略する。
冷却ケース190は、図12及び図13に示したように、冷媒160が流れる流路を形成するためのケースである。この冷却ケース190は、略直方体形状の本体部191と、この本体部191の平面方向と直交する方向に延びる略円筒状の流入水路部192A及び流出水路部192Bと、本体部191と流入水路部192A及び流出水路部192Bとの間に配置されるヘッダ部193とを有している。本体部191は、上側にパワーカード110Lのピンフィン150aを組付けるための開口191aを有し、下側にパワーカード110Hのピンフィン150aを組付けるための開口191bを有している。
本体部191及びヘッダ部193には、冷媒160が流れる直方体形状の流路孔RAが形成されている。ヘッダ部193は、上側にOリング194を組付けるための凹溝193aを有し、下側にOリング195を組付けるための凹溝193bを有している。Oリング194,195は、パワーカード110L,110Hのヒートシンク150の端部をシールするためのものである。流入水路部192A及び流出水路部192Bは、それぞれOリング196を組付けるための段部192a,192bを有している。
ところで、図12に示した電力変換装置1Wでは、冷却ケース190の流路孔RAに、フィン間隔壁197が設けられている。これは、以下の理由に基づく。先ず、図14に示したように、図12に示した電力変換装置1Wからフィン間隔壁197を取り除いた電力変換装置1Xについて考える。この電力変換装置1Xでは、冷媒160が図14の一点鎖線で示した中央部分COで流れ易く、図14の一点鎖線で示したピンフィン150aの近傍FSで流れ難い。このため、冷媒160がピンフィン150aの近傍FSで淀み、ピンフィン150aと冷媒160との間で熱交換が適切に行われず、冷却性能が低下する。
次に、図15に示したように、図12に示した電力変換装置1Wからフィン間隔壁197を取り除き、且つピンフィン150aの長さを大きくした電力変換装置1Yについて考える。この電力変換装置1Yでは、ピンフィン150aの根元部分は、ピンフィン150aの先端部分より、発熱体である半導体素子120に近いため、高温になる。言い換えると、ピンフィン150aの根元部分は、ピンフィン150aの先端部分より、熱効率が良い部分である。しかし、ピンフィン150aの長さが大きいため、冷媒160が、図15の一点鎖線で示したピンフィン150aの先端部分の近傍SBで流れ易く、図15の一点鎖線で示したピンフィン150aの根元部分の近傍NBで流れ難い。このため、熱効率の良いピンフィン150aの根元部分と冷媒160との間で熱交換が適切に行われず、冷却性能が低下する。
続いて、図16に示したように、図12に示した電力変換装置1Wの冷却ケース190の厚さ方向の寸法を小さくした電力変換装置1Zについて考える。この電力変換装置1Zでは、図16の一点鎖線で示した水路の開口部分KKが狭くなる。このため、水路の開口部分で冷媒160の流動抵抗が非常に大きくて、圧力損失が極めて大きくなる。
そして、図16に示した電力変換装置1Wの開口部分KKが狭いのは、ヒートシンク150と冷却ケース190とが分離構造になっているためである。即ち、ヒートシンク150と冷却ケース190とを組み合わせて、冷媒が漏れない液密状態にするために、Oリング194,195をヒートシンク150と冷却ケース190(凹溝193a,193b)との間に設ける必要があるためである。
以上のことから、図12に示した電力変換装置1Wでは、フィン間隔壁197を設けることによって、適切な水路の開口部分KKの大きさを確保できるとともに、ピンフィン150aの長さを適切に設定して、ピンフィン150aと冷媒160との間で適切に熱交換を行うことができる。しかしながら、この電力変換装置1Wであっても、以下の問題点がある。
先ず、図12に示したように、フィン間隔壁197を設けるため、冷却ケース190(電力変換装置1W)の高さ方向の寸法が大きくなるとともに、冷却ケース190(電力変換装置1W)の重量が大きくなる。このため、電力変換装置1Wのコストが上昇する。また、この電力変換装置1Wでは、冷却ケース190の上側と下側とにパワーカード110Lとパワーカード110Hとを組付けるため、冷却ケース190のヘッダ部193に図13の一点鎖線で示した平面部分HBを形成する必要がある。このような上下一対の平面部分HBを有する冷却ケース190を成形する場合、一度の金型の移動によって成形することができない。このため、予め上下に分割されている加工品を成形した後に、溶接等によって接合する必要がある。即ち、この冷却ケース190は成形性が悪いものである。
これに対して、本実施形態の電力変換装置1には、以下の利点がある。図1に示したように、この電力変換装置1では、上述したようなフィン間隔壁197(図12参照)を設けることなく、水路の開口部分KKの大きさを適切に確保できるとともに、ピンフィン150aの長さを適切に設定することができる。このため、フィン間隔壁197を設けない分、冷却ケース50(電力変換装置1)の高さ方向の寸法が大きくなることを防止できるとともに、水路の開口部分KKが広くなり、圧力損失が増加することを防止できる。
更に、冷却ケース50は放熱部51とヘッダ部52と水路部53A,53Bと縁部54とが一体的に成形されたものであり、図12に示した電力変換装置1WのようにOリング194,195をヒートシンク150と冷却ケース190との間に設ける必要がない。このため、図1に示した電力変換装置1では、図12に示した電力変換装置1Wに比べ、広い水路の開口部分KKを形成することができ、冷媒60の流動抵抗の増加を抑えることができて、圧力損失の増加を抑えることができる。
また、ピンフィン51cの長さを必要以上に大きくすることがなく、熱効率の良いピンフィン51cの根元部分と冷媒60との間で熱交換を適切に行うことができる。加えて、各パワーモジュール10L,10Hの冷却ケース50では、図13の一点鎖線で示したような上下一対の平面部分HBがないため、一度の金型の移動によって冷却ケース50を成形することができる。即ち、冷却ケース50は成形性が良いものである。
次に、本実施形態の冷却ケース50の放熱部51にピンフィン51cが形成されている効果について、図17及び図18を用いて説明する。図17(A)は、本実施形態のパワーモジュール10の背面図であり、図17(B)は、図17(A)に示した放熱部51と封止樹脂40の側面図である。そして、図17(C)には、図17(B)に示した放熱部51と封止樹脂40との接着界面KM1に作用する応力分布が示されている。
これ対して、図18(A)は、放熱部51の裏面51bにストレートフィンSFを形成した場合のパワーモジュール10Zの背面図であり、図18(B)は、図18(A)に示した放熱部51と封止樹脂40の側面図である。そして、図18(C)には、図18(B)に示した放熱部51と封止樹脂40との接着界面KM2に作用する応力分布が示されている。
ところで、放熱部51の材料であるアルミニウムの線膨張係数は23×10-6/Kであり、封止樹脂40の材料であるエポキシ樹脂の線膨張係数は14×10-6/Kであるため、放熱部51と封止樹脂40とでは熱収縮量に差が生じる。このため、成形時や市場での温度変化によって、放熱部51と封止樹脂40との接着界面KM1,KM2に応力が発生して、封止樹脂40が放熱部51から剥離するおそれがある。
そこで、図17(C)と図18(C)とを比較して見ると、ピンフィン51cを形成した場合の接着界面KM1に作用する応力は、ストレートフィンSFを形成した場合の接着界面KM2に作用する応力より、約10%程小さくなっている。即ち、ピンフィン51cを形成した場合には、接着界面KM1で剥離が生じ難いことが言える。これは、以下の理由に基づく。
図18(A)に示したように、ストレートフィンSFは冷媒60が流れる方向(以下、「流れ方向」と呼ぶ)に延びているため、放熱部51の流れ方向の剛性が高い。このため、放熱部51と封止樹脂40とが熱収縮するとき、放熱部51が変形し難く、接着界面KM2に作用する応力が緩和されない。これに対して、図17(A)に示したように、ピンフィン51cは格子状に点在しているため、放熱部51の剛性はストレートフィンSFが形成されている場合より小さくなる。
このため、ピンフィン51cであれば、放熱部51と封止樹脂40とが熱収縮するとき、放熱部51が変形し易くて、接着界面KM1に作用する応力を緩和することができる。従って、ピンフィン51cを形成した場合には、封止樹脂40が放熱部51から剥離し難くすることができる。なお、図17(C)及び図18(C)に示したように、接着界面KM1,KM2の剥離は、平面方向から見たときに、中央部分から遠い外側部分から生じるようになっている。
次に、冷却ケース50の素材及び成形法について、図19を用いて説明する。図19は、アルミ材料の純度と成形法とを変えて冷却ケース50を成形した場合に、形状と冷却性能とレーザ溶接と超音波探傷との結果を比較した表である。ここで、アルミ材料の純度とは、冷却ケース50を構成するアルミ材料のうち質量%でアルミニウムが含まれる割合をいう。なお、アルミ材料の化学組成は、例えばICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)を用いた化学分析によって、正確に測定されている。
そして、図19に示した結果のうち、形状では、成形品である冷却ケース50が所望の形状に成形できたか否かが判断されている。また、冷却性能では、成形品である冷却ケース50が所望の熱伝達率を有するものであるか否かが判断されている。また、レーザ溶接では、縁部同士をレーザ溶接するときにブローホールが多く発生するか否かが判断されている。また、超音波探傷では、放熱部51と封止樹脂40との接着界面KM1(図17(B)参照)に剥離が生じているか否か、放熱部51にボイドが多く発生しているか否かが判断されている。
ここで、超音波探傷の検査について図20を用いて説明する。図20は、パワーモジュール10Lに対して超音波探傷の検査をしている状態を示した図である。超音波探傷の検査では、図20に示したように、パワーモジュール10Lが水の中に配置された状態で、超音波発振装置COがパワーモジュール10Lに向けてピンフィン51c側から数MHzの超音波を入射する。これにより、放熱部51にボイドが発生している場合や、接着界面KM1に剥離が生じている場合には、超音波が反射又は散乱されることになる。こうして、剥離及びボイドの有無が判断される。
図19の結果から明らかなように、ダイキャスト、低圧鋳造、スクイズ−キャスティング法、真空ダイキャストの鋳造では、アルミ材料の純度が99%以上になると、所望の形状を得ることができなかった。これは、溶湯が鋳型に回り込み難くなったり、成形品に反りが発生するためである。しかし、成形法に拘わらず、アルミ材料の純度が大きくなるほど、冷却ケース50の熱伝達率が向上して、冷却性能が良くなった。
また、成形法に拘わらず、アルミ材料の純度が99%より小さい場合には、レーザ溶接すると、アルミ材料に含まれる不純物が突沸してブローホールを形成するようになった。また、鍛造及び低圧鋳造では、アルミ純度が90%以上になると、超音波探傷の検査で良好な結果が得られた。以上の結果から、図19の斜線で示した部分TZのように、冷却ケース50を、質量%でアルミニウムが99%以上であるアルミ材料を用いて鍛造によって成形することで、形状、冷却性能、レーザ溶接、超音波探傷の全ての項目において良好な結果を得ることができた。
第1実施形態の電力変換装置1の作用効果について説明する。この電力変換装置1では、図1に示したように、冷却ケース50を備えたパワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hの二部品で構成されている。そして、パワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hとは、互いのピンフィン51cが対向し、且つ互いの縁部54がシールされた状態で組付けられている。このため、シール構造が簡素である。更に、冷却ケース50では、放熱部51とヘッダ部52と流入水路部53A,流出水路部53Bと縁部54とを一体的に成形して、水路の開口部分の大きさを適切に確保しつつ、ピンフィン51cの長さを適切に設定できるようになっていて、冷却ケース50の体格(平面方向の大きさ及び高さ方向の長さ)を必要以上に大きくする必要がない。こうして、冷却ケース50の体格が小さい電力変換装置1になっていて、車両搭載性を向上させることができる。
なお、本実施形態の電力変換装置1の大きさにおいて、平面方向で、横方向(図1の左右方向)の寸法が約140mmであり、縦方向(図1の紙面に直交する方向)の寸法が約50mmである。また、高さ方向(図1の上下方向)の寸法は、約35mmである。
また、この電力変換装置1では、図10に示したように、縁部54同士をレーザ溶接することによって、パワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hとの接合強度を十分に確保することができる。また、図11に示したように、パワーモジュール10L,10Hの縁部54の外表面54cと、パワーモジュール10L,10Hの組付け溝54aとの間に、熱緩衝構造としてのスリットSRが形成されているため、レーザ溶接による熱がOリング75に伝わることを軽減することができる。特に、熱緩衝構造をスリットSRとして構成することで、熱緩衝構造を容易に構成することができる。
また、この電力変換装置1では、冷却ケース50を、質量%でアルミニウムが99%以上であるアルミ材料を用いて鍛造によって成形している。このように、純度が大きいアルミ材料を鍛造することで、所望の形状が得られる。また、アルミ材料の純度が大きいため、冷却ケース50の熱伝達率が大きく、冷却性能が良い。更に、アルミ材料に含まれる不純物が極めて少ないため、レーザ溶接によって不純物が突沸することがなく、ブローホールが生じない。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図21〜図23を用いて説明する。図21は、第2実施形態におけるパワーモジュール10Lを部分的に拡大した断面図である。図21に示したように、第2実施形態の冷却ケース50のヘッダ部52の表面52aには、リブ52bが形成されている。リブ52bは、封止樹脂40と係合することによって、封止樹脂40と冷却ケース50との密着力を向上させるものである。このリブ52bが本発明の係合凸部に相当する。
リブ52bは、ヘッダ部52の表面52aから突出していて、ヘッダ部52の表面52aから離れるほど(図21の上側に向かうほど)太くなる逆テーパー状に形成されている。リブ52bは、図21に示したように、少なくとも断面が逆テーパー状であれば良く、図22(A)に示したような逆円錐台形状(軸対称形状)、又は図22(B)に示したような断面が逆テーパー状の角柱形状(線対称形状)であっても良い。こうして、リブ52bの先端側には、ヘッダ部52の平面方向に広がる第1突片52b1が形成されている。第1突片52b1は、封止樹脂40がくわえ込むものである。第2実施形態のその他の構成は、上記した第1実施形態の構成と同様であるため、その説明を省略する。
ここで、上記したリブ52bの成形法について図23を用いて説明する。図23は、リブ52bを形成するための工程を説明する図である。図23(A)に示したように、ヘッダ部52の表面52aには、冷却ケース50を鍛造して成形する際に、リブ52Bを形成しておく。このリブ52Bは、円柱形状又は直方体形状である。そして、上述したように絶縁部材30が冷却ケース50の上面に熱圧着される際(図6(B)参照)、又は封止樹脂40が注入される際に(図8参照)、図23(B)に示したように、押圧ピンOP1を用いてリブ52Bの先端をヘッダ部52の表面52aに向けて押圧する。ここで、押圧ピンOP1の断面積はリブ52Bの断面積より大きい。こうして、パワーモジュール10Lを成形する際の途中の工程の中で、即ち新たな別工程の追加で時間的なロスが生じることなく、上記したリブ52bが形成される。
第2実施形態の作用効果について説明する。第2実施形態では、リブ52bと封止樹脂40とが係合するため、封止樹脂40と冷却ケース50との接合強度を大きくすることができる。特に、封止樹脂40がリブ52bに形成された第1突片52b1をくわえ込むため、封止樹脂40と冷却ケース50との接合強度を更に大きくすることができる。こうして、冷却ケース50に必要とされる剛性を確保し易くなる。
ところで、図17(B)に示したように、放熱部51(冷却ケース50)と封止樹脂40との接着界面KM1には、応力が作用して、剥離が生じる場合がある。特に、自動車の駆動モータが大型化することによって、半導体素子20を大電流通電に対応できるように大面積化すると、電力変換装置1が大型化してくる。これにより、接着界面KM1を剥離させる応力も大きくなり、剥離の危険性が大きくなっている。これに対して、第2実施形態では、封止樹脂40と冷却ケース50との接合強度を大きくすることで、接着界面KM1の剥離を防止することができる。
また、第2実施形態では、図21に示したように、放熱部51の裏面51bにピンフィン51cを形成するのに対して、ヘッダ部52の表面52aにリブ52bを形成するため、放熱部51及びヘッダ部52での肉厚分布の変動が軽減される。即ち、裏面にピンフィン51cが形成されないヘッダ部52の表面52aにリブ52bを形成することで、ヘッダ部52の肉厚と放熱部51の肉厚との差が小さくなる。従って、冷却ケース50を鍛造によって成形し易くなる。第2実施形態のその他の作用効果は、上記した第1実施形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について図24〜図26を用いて説明する。図24は、第3実施形態におけるパワーモジュール10Lを部分的に拡大した断面図である。図24に示したように、第3実施形態の冷却ケース50の放熱部51の表面51aには、凹部51dが形成されている。凹部51dは、封止樹脂40と係合することによって、封止樹脂40と冷却ケース50との密着力を向上させるものである。この凹部51dが本発明の係合凹部に相当する。
凹部51dは、放熱部51の表面51aから窪んでいて、凹部51dの底側(図24の下側)は、放熱部51の表面51aから離れるほど(図24の下側に向かうほど)太くなる逆テーパー状に形成されている。凹部51dの底側は、図24に示したように、少なくとも断面が逆テーパー状であれば良く、図25(A)に示したような逆円錐台形状(軸対称形状)、又は図25(B)に示したような断面が逆テーパ状の角柱形状(線対称形状)であっても良い。そして、凹部51dには、その凹部51dを塞ぐように内側に突出する第2突片51d1が形成されている。第2突片52d1は、封止樹脂40をくわえ込むものである。第3実施形態のその他の構成は、上記した第1実施形態の構成と同様であるため、その説明を省略する。
ここで、上記した凹部51dの成形法について図26を用いて説明する。図26は、凹部51dを形成するための工程を説明する図である。図26(A)に示したように、放熱部51の表面51aには、冷却ケース50を鍛造して成形する際に、凹部51Dを形成しておく。この凹部51Dは、円柱形状又は直方体形状である。そして、上述したように絶縁部材30が冷却ケース50の上面に熱圧着される際(図6(B)参照)、又は封止樹脂40が注入される際に(図8参照)、図26(B)に示したように、押圧ピンOP2を用いて凹部51Dの周りに位置する放熱部51の表面51aを押圧する。ここで、押圧ピンOP2の先端はテーパー状に切り欠かれている。こうして、パワーモジュール10Lを成形する際の途中の工程の中で、即ち新たな別工程の追加で時間的なロスが生じることなく、上記した凹部51dが形成される。
第3実施形態の作用効果について説明する。第3実施形態では、凹部51dと封止樹脂40とが係合するため、封止樹脂40と冷却ケース50との接合強度を大きくすることができる。特に、封止樹脂40を凹部51dに形成された第2突片51d1がくわえ込むため、封止樹脂40と冷却ケース50との接合強度を更に大きくすることができる。こうして、冷却ケース50に必要とされる剛性を確保し易くなる。
ところで、図17(B)に示したように、放熱部51(冷却ケース50)と封止樹脂40との接着界面KM1には、応力が作用して、剥離が生じる場合がある。特に、自動車の駆動モータが大型化することによって、半導体素子20を大電流通電に対応できるように大面積化すると、電力変換装置1が大型化してくる。これにより、接着界面KM1を剥離させる応力も大きくなり、剥離の危険性が大きくなっている。これに対して、第3実施形態では、封止樹脂40と冷却ケース50との接合強度を大きくすることで、接着界面KM1の剥離を防止することができる。
また、第3実施形態では、放熱部51の裏面51bにピンフィン51cを形成し、且つ放熱部51の表面51aに凹部51dを形成するため、放熱部51及びヘッダ部52での肉厚分布の変動を小さくすることができる。即ち、ピンフィン51cを形成することによって生じる放熱部51の肉厚の増加を、凹部51dを形成することによって抑えることができ、放熱部51の肉厚とヘッダ部52の肉厚との差が小さくなる。従って、冷却ケース50を鍛造によって成形し易くなる。第3実施形態のその他の作用効果は、上記した第1実施形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について図27〜図34を用いて説明する。図27は、第4実施形態の電力変換装置1Sの右半分を破断したときの部分断面図である。図28は、図27に示した電力変換装置1Sの分解図である。この電力変換装置1Sは、三個の三相交流モータを駆動するインバータ回路を形成するように、構成されたものである。図27及び図28に示したように、電力変換装置1Sは、第1電力変換装置1S1と、第2電力変換装置1S2と、第3電力変換装置1S3と、ハウジング80と、底蓋81と、給水管82と、配水管83とを備えている。第1,第2,第3電力変換装置1S1,1S2,1S3の構成と第1実施形態の電力変換装置1の構成は同一であるため、対応する部位に同一符号を付して、その説明を省略する。
ハウジング80は、第1,第2,第3電力変換装置1S1,1S2,1S3を覆うためのものであり、下側が開口している。また、ハウジング80は、上壁に冷媒60を流入又は流出するための流入孔80a及び流出孔80bを有している。底蓋81は、ハウジング80に対して下側から蓋をするものであり、水路を封止するための目止め部81a,81bを有している。給水管82は、冷媒60をハウジング80内へ送り込むための管であり、ハウジング80の流入孔80aの上部に嵌合している。配水管83は、冷媒60をハウジング80外へ送り出すための管であり、ハウジング80の流出孔80bの上部に嵌合している。
この電力変換装置1Sの組み立てについて説明する。電力変換装置1Sの組み立ては、第1,第2,第3電力変換装置1S1,1S2,1S3が組み立てられた後に、行われる。即ち、パワーモジュール10L,10Hを固定ピン76(図1参照)で組付けて第1,第2,第3電力変換装置1S1,1S2,1S3を構成し、その後に第1,第2,第3電力変換装置1S1,1S2,1S3を放熱部51の平面方向に直交する方向に積層する。
電力変換装置同士を積層する際、パワーモジュール10Lの流入水路部53A及び流出水路部53Bを、Oリング73,74を介してパワーモジュール10Hの流入水路部53A及び流出水路部53Bの嵌合孔KGに、嵌合させる。こうして、パワーモジュール10Lの封止樹脂40とパワーモジュール10Hの封止樹脂とが隣合うことになる。なお、隣合うパワーモジュール10Lの封止樹脂40とパワーモジュール10Hの封止樹脂との間には、僅かな隙間が形成されている。
そして、ハウジング80で第1,第2,第3電力変換装置1S1,1S2,1S3を覆い、ハウジング80と第3電力変換装置1S3との間では、パワーモジュール10Lの流入水路部53A及び流出水路部53Bを、Oリング73,74を介してハウジング80の流入孔80a及び流出孔80bに嵌合させる。また、第1電力変換装置1S1と底蓋81との間では、底蓋81の目止め部81a,81bをOリング77,78を介してパワーモジュール10Hの流入水路部53A及び流出水路部53Bの嵌合孔KGに、嵌合させる。最後に、ハウジング80の側壁の下端と底蓋81の端とを、ボルト84を介して連結する。こうして、嵌合された部分で冷媒60が漏れないようにシールされ、電力変換装置1Sが組み立てられる。
次に、第4実施形態の電力変換装置1Sの利点を説明する前に、比較品として構成された電力変換装置1Tについて説明する。図29は、電力変換装置1Tの右半分を破断したときの部分断面図である。図30は、図29に示した電力変換装置1Tの分解図である。電力変換装置1Tは、三個の三相交流モータを駆動するインバータ回路を形成するように、構成されたものである。
図29及び図30に示したように、電力変換装置1Tは、中央に第1電力変換装置1T1と第2電力変換装置1T2とを有し、下側にパワーカード110Lと冷却ケース190Mとを有し、上側にパワーカード110Hと冷却ケース190Nとを有している。また、電力変換装置1Tは、上記した電力変換装置1Sと同様に、ハウジング80と、底蓋81と、給水管82と、配水管83とを備えている。第1,第2電力変換装置1T1,1T2の構成と、第1実施形態で説明した比較品としての電力変換装置1Wの構成とは同一であるため、対応する部位に同一符号を付して、その説明を省略する。
下側に配置されたパワーカード110Lは、第1実施形態で説明した比較品としての電力変換装置1Wのパワーカード110Lと同様の構成である。冷却ケース190Mは、下側が開口していて、電力変換装置1Wの冷却ケース190の上側の構成と同様である。パワーカード110Hは、電力変換装置1Wのパワーカード110Hの構成と同様である。冷却ケース190Nは、上側が開口していて、電力変換装置1Wの冷却ケース190の下側の構成と同様である。
この電力変換装置1Tの組み立てについて説明する。電力変換装置1Tの組み立ては、冷却ケース190M、パワーカード110L、第1,第2電力変換装置1T1,1T2、冷却ケース190N、パワーカード110Hが一括して組付けられるように、行われる。即ち、上記した各部品同士は、予め固定ピン等で固定されておらず、ハウジング80と底蓋81とを用いて放熱部51の平面方向に直交する方向に積層される。
電力変換装置同士を積層する際、各冷却ケースの流入水路部192A同士及び流出水路部192B同士をOリング196を介して嵌合させるとともに、パワーカード110L,110Hのヒートシンク150の端部を、Oリング194,195を介して冷却ケース190の凹溝193aに組付ける。こうして、パワーカード110Lの封止樹脂140とパワーカード110Hの封止樹脂140とが隣合うように、電力変換装置が積層される。
そして、ハウジング80で各部品を覆い、下側に配置された冷却ケース190Mは、環状凹溝KOにOリング198が組付けられた状態で、底蓋81に組付けられる。また、上側に配置された冷却ケース190Nは、環状凹溝KOにOリング199が組付けられた状態で、ハウジング80の上壁に組付けられる。このように、各部品が組付けられた状態で、ハウジング80の側壁の下端と底蓋81の端とを、ボルト84を介して連結する。こうして、モジュール全体を加圧して固定することで、電力変換装置1Tが組み立てられる。
この電力変換装置1Tには、以下の問題点がある。電力変換装置1Tを組み立てる際に、冷却ケースの流入水路部192A同士、流出水路部192B同士をシールするOリング196と、パワーカード110L,110Hと冷却ケースとの間をシールするOリング194,195、冷却ケース190Mと底蓋81との間をシールするOリング198と、冷却ケース190Nとハウジング80の上壁との間をシールするOリング199とを、全て一括して加圧しなければならない。
このため、加圧するOリングの加圧面積が大きく、全てのOリングに十分な圧力を印加できないと、冷媒の漏れが生じることになる。これに対処するために、全てのOリングに非常に大きな圧力を作用させる場合、ハウジング80や冷却ケース190,190M,190Nに非常に大きな強度が必要になる。こうして、この電力変換装置1Tでは、ハウジング80や冷却ケースが大型化、重量化するという問題がある。
また、全てのOリングに一括して圧力を印加するという構造上、各Oリングの加圧面の相対的な高さを高精度で確保しなければならない。このため、例えば、一方のOリングの加圧面の高さが高いのに対して他方のOリングの加圧面の高さが低い場合には、Oリングに均等に圧力を印加することができず、冷媒の漏れが生じるおそれがある。こうして、この電力変換装置1Tでは、各Oリングの加圧面の相対的な高さを高精度で確保しなければ冷媒の漏れが生じ易い構造になっているという問題がある。
また、各部品を一括して組付けるという構造上、各部品がハウジング80に覆われて固定された後に、冷媒の漏れを検査するリーク検査を行わなければならない。このため、リーク検査で、万一Oリングの組付け不良によって冷媒が漏れるリーク品を発見した場合、各部品を全て分解して冷媒が漏れる原因を見つけなければならない。こうして、この電力変換装置1Tでは、生産工程上、シール不良を発見する手間が大きく、非効率であるという問題がある。
これに対して、第4実施形態の電力変換装置1Sには、以下の利点がある。電力変換装置1Sの組み立てでは、第1,第2,第3電力変換装置1S1,1S2,1S3を組み立てた後に、ハウジング80で第1,第2,第3電力変換装置1S1,1S2,1S3を覆って積層する。このため、冷媒60がピンフィン51cに向かって流れる冷媒空間RKのシール(Oリング75によるシール)と、冷媒60が流入又は流出する水路のシール(Oリング73,77によるシール)とが独立している。従って、ハウジング80で第1,第2,第3電力変換装置1S1,1S2,1S3を覆って積層する際のシールでは、Oリング73,77だけを加圧すればよく、Oリングの加圧面積が小さい。よって、この電力変換装置1Sでは、上述した電力変換装置1Tに比べ、ハウジング80の加圧力が小さく、ハウジング80や冷却ケースに大きな強度が必要なく、ハウジング80や冷却ケースを小型化できる。
ここで、電力変換装置1Tのハウジング80の加圧力と、第4実施形態の電力変換装置1Sのハウジング80の加圧力とを比較して説明する。先ず、図31(A)は、電力変換装置1TにおけるOリング195及びOリング196の加圧面積を示した概略図である。ここで、Oリング195の線径を4mmとし、横方向の寸法D1を80mmとし、縦方向の寸法D2を40mmに設定すると、Oリング195の加圧面積は、4×(80+40)×2=960mm2となる。また、Oリング196の線径を2mmとし、直径を20mmに設定すると、2個のOリング196の加圧面積は、2×(102−82)×π=226mm2となる。そして、単位面積あたりに必要な加圧力を1MPaとする。これにより、電力変換装置1Tのハウジング80の加圧力は、(960+226)mm2×1MPaで、1.186kNになる。
次に、図31(B)は、電力変換装置1SにおけるOリング73,74の加圧面積を示した概略図である。ここで、Oリング73,74の線径を2mmとし、直径を20mmに設定すると、Oリング73,74の加圧面積は、2×(102−82)×π=226mm2となる。そして、単位面積あたりに必要な加圧力を1MPaとする。これにより、電力変換装置1Sのハウジング80の加圧力は、226mm2×1MPaで、0.226kNになる。以上のことから、電力変換装置1Sのハウジング80の加圧力は、電力変換装置1Tのハウジング80の加圧力の約1/5.2(0.226÷1.186)になる。従って、電力変換装置1Sでは、ハウジング80や冷却ケースに必要とされる強度が小さくなり、ハウジング80や冷却ケースを小型化できる。
また、第4実施形態の電力変換装置1Sでは、図32に示したように、Oリング75によるシールと、Oリング73,77によるシールとが独立している構造上、Oリング75の加圧面の相対的な高さH1を高精度に確保することが容易であるとともに、Oリング73の加圧面の相対的な高さH2を高精度に確保することが容易である。即ち、図32に示したC1寸法及びD1寸法は、鍛造や鋳造の金型の大きさで決まる寸法であるため、寸法誤差が数十μm程度であり、高精度に設定することができる。また、C1寸法及びD1寸法を更に高精度に設定する必要がある場合には、鍛造又は鋳造で成形した後に、切削加工で修正すれば良い。なお、図32は、図27に示した電力変換装置1Sの一部を拡大した図である。
こうして、C1寸法及びD1寸法が高精度に設定できるため、Oリング75の加圧面の相対的な高さH1を高精度に確保することができるとともに、高さH1が高精度に設定されることに伴って、高さH2も高精度に設定することができる。従って、この電力変換装置1Sでは、各Oリング75、73,77の加圧面の相対的な高さのズレが生じ難く、各Oリング75、73,77に均等に圧力を印加し易い。
ここで、図32に示したH1寸法、即ち、各電力変換装置1S1,1S2,1S3の間の寸法を高精度に設定できる利点について、図33及び図34を用いて説明する。図33は、電力変換装置1Sの制御端子71と制御基板85とが接続された状態を示した図である。図33に示したように、平板状の基板固定台86が設置されていて、この基板固定台86に3個のボス部87が設けられている。制御基板85は、これらボス部87に固定ネジ88を介して組付けられている。そして、各制御端子71は、各電力変換装置1S1,1S2,1S3から制御基板85の平面方向に直交する方向に延びていて、図34に示したように、制御基板85に形成されたスルーホール85aを貫通している。なお、図34は、図33のY−Y線に沿った断面図である。
ところで、図34に示したように、制御端子71の断面は略正方形であり、制御端子71の一辺の長さS1は0.8mmである。また、スルーホール85aの径R1は1.2mmである。このため、スルーホール85aと制御端子71との間では、最大で±0.2mm分だけ隙間f1の余裕がある。言い換えると、各制御端子71を全てのスルーホール85aに貫通させるためには、制御端子71同士の相対的な位置のズレを±0.2mm以内に抑えなければならない。
第4実施形態の電力変換装置1Sでは、図32に示したH1寸法が高精度に設定できるため、1段の電力変換装置1S1において、一方の端の制御端子71から他方の端の制御端子71までの間の距離E1のズレ(誤差)は、±0.05mm以下になる。また、2段の電力変換装置1S1,1S2において、一方の端の制御端子71から他方の端の制御端子71までの間の距離E2のズレは、±0.10mm以下になる。こうして、3段の電力変換装置1S1,1S2,1S3において、一方の端の制御端子71から他方の端の制御端子71までの間の距離E3のズレは、±0.15mm以下で済む。従って、この電力変換装置1Sでは、電力変換装置1S1,1S2,1S3を積層する構造であっても、制御端子71を矯正することなく、各制御端子71を全てのスルーホール85aに貫通させることができる。
なお、図29に示した電力変換装置1Tの場合、各Oリング196,195,197,198を全て一括して加圧するという構造であるため、一方の端の制御端子71から他方の端の制御端子71までの間の距離(図31のE3に相当する距離)のズレは、±1.2mm程度になる。このため、制御端子71を矯正しなければ、各制御端子71を全てのスルーホール85aに貫通させることができない構造になっている。
更に、第4実施形態の電力変換装置1Sでは、ハウジング80で第1,第2,第3電力変換装置1S1,1S2,1S3を覆って積層する前に、各電力変換装置1S1,1S2,1S3に対して冷媒の漏れを検査するリーク試験を行うことができる。このため、各電力変換装置1S1,1S2,1S3を個別にリーク検査することで、冷媒が漏れる原因(リーク品)を容易に発見することができる。こうして、この電力変換装置1Sでは、生産工程上、シール不良を発見する手間が小さく、効率的である。
また、第4実施形態の電力変換装置1Sには、以下の利点もある。電力変換装置1Sでは、図28に示したように、合計11個のOリング(Oリング73,74,75,77,78)を用いてシールされているのに対して、電力変換装置1Tでは、図30に示したように、合計14個(Oリング194,195,196,198,199)を用いてシールされている。従って、電力変換装置1Sでは、電力変換装置1Sに比べ、Oリングの数を減らすことができ、低コストで構成することができる。また、電力変換装置1Sでは、電力変換装置1Tのようにフィン間隔壁197を用いる必要がないため、高さ方向の長さ(図29の上下方向の寸法)を小さく構成することができ、車両搭載性を向上させることができる。
また、第4実施形態の電力変換装置1Sでは、第1電力変換装置1S1と第2電力変換装置1S2との間(図32参照)、第2電力変換装置1S2と第3電力変換装置1S3との間で、ハイサイド回路を構成するパワーモジュール10Hの半導体素子20と、ローサイド回路を構成するパワーモジュール10Lの半導体素子20とが向かい合って配置されている。これにより、ハイサイド回路とローサイド回路とが接近するため、相互インダクタンスを低く抑えることができ、半導体素子20のスイッチングで発生するサージを低減することができる。
第4実施形態の作用効果について説明する。第4実施形態では、予め組付けられた状態である一対のパワーモジュール10L及びパワーモジュール10H(各電力変換装置1S1,1S2,1S3)が、放熱部51の平面方向と直交する方向に三個積層されるため(図28参照)、ピンフィン51cに向かって流れる冷媒空間のシール(Oリング75によるシール)と、冷媒が流入又は流出する水路のシール(Oリング73,77によるシール)とを独立させることができる。このため、水路をシールする際の加圧力を小さくすることができる。従って、冷却ケースに必要とされる強度を小さくなり、冷却ケースを小型化できる。第4実施形態のその他の作用効果は、上記した第1実施形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<変形実施形態>
以上、本発明に係る電力変換装置において説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、第1実施形態では、図10に示したように、パワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hとの接合強度を大きくするために、パワーモジュール10L,10Hの縁部54同士をレーザ溶接した。しかしながら、図35に示したように、クリップCRでパワーモジュール10L,10Hの縁部54同士を挟みこんでも良い。このクリップCRは、リン青銅のバネ材で構成されたものである。なお、クリップCRは、パワーモジュール10Lの封止樹脂40とパワーモジュール10Hの封止樹脂40とを挟みこんでも良い。
また、図36に示したように、熱可塑性樹脂の第2封止樹脂HZで鋳包んでも良い。この場合には、第2封止部材HZが、パワーモジュール10L,10Hの縁部54全体及び封止樹脂40全体を覆うため、パワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hとの接合強度を大きくすることができ、冷媒の漏れを防止することができる。
また、第1実施形態では、パワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hとを、固定ピン76(図1参照)を冷却ケース50の挿通孔54b(図2及び図3参照)に挿通してカシメることによって、組付けた。しかしながら、パワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hとの組付けは、固定ピン76を用いたカシメに限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、固定ピン76を用いずに、パワーモジュール10Lとパワーモジュール10Hとを、縁部同士54同士をレーザ溶接のみによって、組付けても良い。
また、第1実施形態では、冷却ケース50を、質量%でアルミニウムが99%以上であるアルミ材料を用いて鍛造によって成形した。しかしながら、アルミ材料の純度と成形法は、上記したものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、冷却ケース50を、質量%でアルミニウムが90%以上且つ99%未満であるアルミ材料を用いて低圧鋳造によって成形しても良い。
また、第1実施形態では、冷却ケース50の材質がアルミニウム(アルミニウム合金)であったが、冷却ケース50の材質は、アルミニウムに限定されるものではなく、例えば銅(銅合金)、樹脂等適宜変更可能である。また、冷却ケース50の放熱部51の裏面に形成されるフィンは、ピンフィン51cであったが、フィンはピンフィン51cに限定されるものではなく、コルゲートフィン、ストレートフィン等適宜変更可能である。
また、第2実施形態では、図21に示したように、ヘッダ部52の表面52aから離れるほど太くなる逆テーパー状のリブ52bを形成した。しかしながら、リブ52bの形状は、逆テーパー状に限定されるものではなく、円柱形状やテーパー形状であっても良く、適宜変更可能である。例えば、リブは、図37(B)に示したように、先端がV字状の楔形状に形成されたリブ52cであっても良い。このリブ52cは、図37(A)に示したように、ヘッダ部52の表面52aに形成された円柱状のリブ52Cに対して、先端がテーパー状に切り欠かれた押圧ピンOP2を用いて、押圧する。こうして、リブ52cの先端側には、ヘッダ部52の平面方向に広がる第1突片52c1が形成される。
また、図38に示したように、ヘッダ部52の裏面52dには、冷媒60が流れる方向に延びる整流リブ52eが形成されていても良い。この整流リブ52eは、冷媒60の流れを整えるものであり、ヘッダ部52の裏面52dに6個形成されている。3個の整流リブ52eは、流入水路部53Aの流入孔RNからピンフィン51cに向けて放射状に延びるように形成されている。また、残り3個の整流リブ52eは、流出水路部53Bの流出孔RSからピンフィン51cに向けて放射状に延びるように形成されている。
ところで、冷媒60は一般的に直進状に進み易いため、図38の一点鎖線で示した端部分HBでは、図38の一点鎖線で示した中央部分CBに比べて、冷媒60の流速が小さくなる。このため、端部分HBでは、中央部分CBに比べて、半導体素子20によって生じた熱が冷え難くなる。こうして、半導体素子20が局所的に過熱するという問題があった。
そこで、上述したように、ヘッダ部52の裏面52dに整流リブ52eを形成した場合には、冷媒60が流出孔RNから広がるように流れるとともに、流出孔RSに集まるように流れる。これにより、端部分HBと中央部分CBとの間では、冷媒60の流速差が小さくなり、半導体素子20の冷え具合が均一になる。こうして、整流リブ52eによって、半導体素子20の局所的な過熱を防止することができる。また、ヘッダ部52の裏面52dに整流リブ52eを形成するとともに、放熱部51の裏面51bにピンフィン51cを形成するため、ヘッダ部52の肉厚と放熱部51の肉厚との差が小さくなる。従って、冷却ケース50を鍛造によって成形し易くなる。
また、第3実施形態では、図24に示したように、放熱部51の表面51aから窪んでいて内側に突出する第2突片51d1を有する凹部51dを形成した。しかしながら、凹部51dの形状は、上記したものに限定されるものではなく、適宜変更可能であり、例えば第2突片51d1を有していない円柱形状であっても良い。
また、第4実施形態では、図27に示したように、電力変換装置1Sを、3個の電力変換装置1S1,1S2,1S3を積層することによって構成した。しかしながら、電力変換装置を積層する数は、3個に限定されるものではなく、適宜変更可能であり、例えば2個又は4個であっても良い。
また、縁部54同士を溶接等で補強する代わりに、図39に示したように、第1電力変換装置1S1のパワーモジュール10Hの封止樹脂40と底蓋81との間に、ゴムや板ばね等の第1弾性部材DB1を介装し、第3電力変換装置1S3のパワーモジュール10Lの封止樹脂40とハウジング80との間に、ゴムや板ばね等の第2弾性部材DB2を介装して、電力変換装置1Uを構成しても良い。この電力変換装置1Uでは、更に、第1電力変換装置1S1のパワーモジュール10Lの封止樹脂40と、第2電力変換装置1S2のパワーモジュール10Hの封止樹脂40との間(組付けられた一対のパワーモジュール10L,10Hと組付けられた一対のパワーモジュール10L,10Hとの間)には、第3弾性部材DB3が介装されているとともに、第2電力変換装置1S2のパワーモジュール10Lの封止樹脂40と、第3電力変換装置1S3のパワーモジュール10Hの封止樹脂40との間には、第3弾性部材DB3が介装されている。
これにより、冷媒60の圧力、Oリング75の反力に対して、溶接等の補強を省いても、冷却ケース50全体をバックアップすることができ、冷媒60の漏れを防止することができる。即ち、ハウジング80、底蓋81、第1弾性部材DB1、第2弾性部材DB2で電力変換装置1U(冷却ケース50)全体を補強することができ、冷媒60の漏れを防止することができる。更に、この電力変換装置1Uでは、底蓋81,ハウジング80に作用する衝撃を弾性部材DB1,DB2で吸収することができ、衝撃に強い構造になる。また、組付けられたパワーモジュール10L,10Hの封止樹脂40の間に生じる隙間を第3弾性部材DB3で埋めることで、電力変換装置1U全体が更に補強されている。
また、図40(A)に示した電力変換装置1Kのように、半導体素子20を覆う熱硬化性樹脂の封止樹脂40Kが冷却ケース50の端部50tより外側に張り出していて、図40(B)に示したように、冷却ケース50の端部50tには、放熱部51の平面方向(特に、制御端子71及びパワー端子72が延びる方向)に延び、封止樹脂40Kがくわえ込む第3突片50t1が形成されていても良い。この場合には、封止樹脂40Kが第3突片50t1をくわえ込むため、封止樹脂40Kと冷却ケース50との接合強度を更に大きくすることができ、冷却ケース50に必要とされる剛性を確保し易くなる。
また、各実施形態において、電力変換装置のパワーモジュール10L,10Hに搭載される半導体素子20(一対のIGBT20Aとダイオード20B)の数は、3個に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
1,1S,1K 電力変換装置
10L,10H パワーモジュール
20 半導体素子
30 絶縁部材
40 封止樹脂
50 冷却ケース
50t1 第3突片
51 放熱部
51c ピンフィン
51d 凹部
51d1 第2突片
52 ヘッダ部
52b,52c リブ
52b1,52c1 第1突片
52e 整流リブ
53A 流入水路部
53B 流出水路部
54 縁部
54a 組付け溝
60 冷媒
71 制御端子
72 パワー端子
73,74,75 Oリング
80 ハウジング
81 底蓋
SR スリット
DB1 第1弾性部材
DB2 第2弾性部材
DB3 第3弾性部材

Claims (17)

  1. 半導体素子のスイッチングにより生じた熱を冷却することができる電力変換装置において、
    前記半導体素子に絶縁部材を介して接合される冷却ケースを備えた第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールで構成され、
    前記各パワーモジュールの冷却ケースは、
    平面状に延びていて表面に前記絶縁部材が接合され裏面にフィンが形成される放熱部と、
    前記放熱部の平面方向と直交する方向に延びていて冷媒が流入及び流出する水路部と、
    前記フィンを囲み冷媒が流れる空間を形成する縁部と、を有し、
    これら放熱部と水路部と縁部とが一体的に成形されていて、
    前記第1パワーモジュールと前記第2パワーモジュールとは、互いの前記フィンが対向し、且つ互いの前記縁部がシールされた状態で組付けられていることを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1に記載された電力変換装置において、
    前記第1パワーモジュールの縁部と前記第2パワーモジュールの縁部とは、Oリングを介して組付けられていることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された電力変換装置において、
    前記第1パワーモジュールの縁部と前記第2パワーモジュールの縁部とが溶接されていることを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項3に記載された電力変換装置において、
    前記縁部には、その外表面から内部に向けて溶接による熱を伝わり難くする熱緩衝構造が形成されていることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項4に記載された電力変換装置において、
    前記熱緩衝構造は、スリットであることを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項4に記載された電力変換装置において、
    前記熱緩衝構造は、前記第1パワーモジュールの縁部と前記第2パワーモジュールの縁部との段差接合であることを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載された電力変換装置において、
    前記冷却ケースは、前記放熱部から連続的に平面状に延びていて前記フィンが形成されていないヘッダ部を有し、
    前記放熱部及び前記ヘッダ部の表面には、前記半導体素子を覆うように熱硬化性樹脂の封止部材が形成されていて、
    前記ヘッダ部には、表面から突出していて前記封止部材と係合する係合凸部が形成されていることを特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項7に記載された電力変換装置において、
    前記係合凸部には、前記ヘッダ部の平面方向に広がり前記封止部材がくわえ込む第1突片が形成されていることを特徴とする電力変換装置。
  9. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載された電力変換装置において、
    前記冷却ケースは、前記放熱部から連続的に平面状に延びていて前記フィンが形成されていないヘッダ部を有し、
    前記放熱部及び前記ヘッダ部の表面には、前記半導体素子を覆うように熱硬化性樹脂の封止部材が形成されていて、
    前記放熱部には、表面から窪んでいて前記封止部材と係合する係合凹部が形成されていることを特徴とする電力変換装置。
  10. 請求項9に記載された電力変換装置において、
    前記係合凹部には、その係合凹部を塞ぐように内側に突出し前記封止部材をくわえ込む第2突片が形成されていることを特徴とする電力変換装置。
  11. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載された電力変換装置において、
    前記放熱部の表面には、前記半導体素子を覆うように熱硬化性樹脂の封止部材が形成され、
    前記封止部材は、前記冷却ケースの端部より外側に張り出していて、
    前記冷却ケースの端部には、前記放熱部の平面方向に延び前記封止部材がくわえ込む第3突片が形成されていることを特徴とする電力変換装置。
  12. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載された電力変換装置において、
    前記放熱部の表面には、前記半導体素子を覆うように熱硬化性樹脂の封止部材が形成され、
    前記第1パワーモジュール及び前記第2パワーモジュールの封止部材全体と縁部全体とを覆うように、熱可塑性樹脂の第2封止部材が形成されていることを特徴とする電力変換装置。
  13. 請求項1乃至請求項12の何れかに記載された電力変換装置において、
    前記冷却ケースは、質量%でアルミニウムが99%以上であるアルミ材料を用いて、鍛造によって成形されたものであることを特徴とする電力変換装置。
  14. 請求項1乃至請求項13の何れかに記載された電力変換装置において、
    前記第1パワーモジュール及び前記第2パワーモジュールは、一対のダイオード及びトランジスタを三組それぞれ有し、一つのモータを駆動するインバータ回路を形成していることを特徴とする電力変換装置。
  15. 請求項1乃至請求項14の何れかに記載された電力変換装置において、
    前記組付けられた一対の第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールは、前記放熱部の平面方向と直交する方向に複数個積層されていることを特徴とする電力変換装置。
  16. 請求項15に記載された電力変換装置において、
    前記複数個積層された第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールは、ハウジング及び底蓋で覆われるように組付けられていて、
    前記複数個積層された第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールのうち最下段に位置する第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールと前記底蓋との間には、第1弾性部材が介装され、
    前記複数個積層された第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールのうち最上段に位置する第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールと前記ハウジングとの間には、第2弾性部材が介装されていることを特徴とする電力変換装置。
  17. 請求項15又は請求項16に記載された電力変換装置において、
    前記組付けられた一対の第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールと、前記組付けられた一対の第1パワーモジュール及び第2パワーモジュールとの間には、第3弾性部材が介装されていることを特徴とする電力変換装置。
JP2011165022A 2011-07-28 2011-07-28 電力変換装置 Active JP5691916B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011165022A JP5691916B2 (ja) 2011-07-28 2011-07-28 電力変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011165022A JP5691916B2 (ja) 2011-07-28 2011-07-28 電力変換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013030579A true JP2013030579A (ja) 2013-02-07
JP5691916B2 JP5691916B2 (ja) 2015-04-01

Family

ID=47787357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011165022A Active JP5691916B2 (ja) 2011-07-28 2011-07-28 電力変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5691916B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016031983A (ja) * 2014-07-28 2016-03-07 株式会社日本自動車部品総合研究所 半導体モジュール
JP2016086028A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 ローム株式会社 パワーモジュール
JP2016119437A (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 トヨタ自動車株式会社 積層ユニット
JP2017011923A (ja) * 2015-06-24 2017-01-12 トヨタ自動車株式会社 電力変換装置
JP2017045909A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 三光合成株式会社 放熱部品及び放熱部品の製造方法
US9613885B2 (en) 2015-03-03 2017-04-04 Infineon Technologies Ag Plastic cooler for semiconductor modules
JP2018060861A (ja) * 2016-10-03 2018-04-12 トヨタ自動車株式会社 半導体積層ユニット
WO2019031348A1 (ja) * 2017-08-11 2019-02-14 株式会社デンソー 電力変換装置
WO2020017121A1 (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 株式会社島津製作所 電源装置、質量分析装置および電源装置の製造方法
CN113678246A (zh) * 2019-04-05 2021-11-19 株式会社电装 半导体装置
WO2022149367A1 (ja) * 2021-01-07 2022-07-14 株式会社デンソー パワーモジュール

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS611803A (ja) * 1984-06-15 1986-01-07 Toyota Motor Corp セラミツク製タ−ビンホイ−ルの軸部接合方法
JPS62194094A (ja) * 1986-02-17 1987-08-26 日本鋼管株式会社 溶接継手部の内面防食方法
JPS6349242U (ja) * 1986-09-16 1988-04-04
JPH0738025A (ja) * 1993-07-22 1995-02-07 Nippondenso Co Ltd 冷却構造体
JP2000216295A (ja) * 1999-01-21 2000-08-04 Hitachi Ltd 半導体装置およびその製造方法並びにそれに使用される放熱体
JP2005228919A (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Toyota Motor Corp 積層パワーモジュールおよびその位置決め方法
JP2006165534A (ja) * 2004-11-11 2006-06-22 Denso Corp 半導体装置
JP2007184315A (ja) * 2006-01-04 2007-07-19 Hitachi Ltd 樹脂封止型パワー半導体モジュール
JP2008311366A (ja) * 2007-06-13 2008-12-25 Denso Corp 樹脂封止型半導体装置
JP2009254189A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 Denso Corp 電力変換装置
JP2010135697A (ja) * 2008-12-08 2010-06-17 Toyota Motor Corp 積層モジュール構造
JP2011060914A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Mitsubishi Electric Corp 電力用半導体装置

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS611803A (ja) * 1984-06-15 1986-01-07 Toyota Motor Corp セラミツク製タ−ビンホイ−ルの軸部接合方法
JPS62194094A (ja) * 1986-02-17 1987-08-26 日本鋼管株式会社 溶接継手部の内面防食方法
JPS6349242U (ja) * 1986-09-16 1988-04-04
JPH0738025A (ja) * 1993-07-22 1995-02-07 Nippondenso Co Ltd 冷却構造体
JP2000216295A (ja) * 1999-01-21 2000-08-04 Hitachi Ltd 半導体装置およびその製造方法並びにそれに使用される放熱体
JP2005228919A (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Toyota Motor Corp 積層パワーモジュールおよびその位置決め方法
JP2006165534A (ja) * 2004-11-11 2006-06-22 Denso Corp 半導体装置
JP2007184315A (ja) * 2006-01-04 2007-07-19 Hitachi Ltd 樹脂封止型パワー半導体モジュール
JP2008311366A (ja) * 2007-06-13 2008-12-25 Denso Corp 樹脂封止型半導体装置
JP2009254189A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 Denso Corp 電力変換装置
JP2010135697A (ja) * 2008-12-08 2010-06-17 Toyota Motor Corp 積層モジュール構造
JP2011060914A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Mitsubishi Electric Corp 電力用半導体装置

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016031983A (ja) * 2014-07-28 2016-03-07 株式会社日本自動車部品総合研究所 半導体モジュール
JP2016086028A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 ローム株式会社 パワーモジュール
JP2016119437A (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 トヨタ自動車株式会社 積層ユニット
CN105743326A (zh) * 2014-12-24 2016-07-06 丰田自动车株式会社 层叠单元
US9723764B2 (en) 2014-12-24 2017-08-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Stack unit
US10199238B2 (en) 2015-03-03 2019-02-05 Infineon Technologies Ag Semiconductor module cooling system
US9613885B2 (en) 2015-03-03 2017-04-04 Infineon Technologies Ag Plastic cooler for semiconductor modules
US9934990B2 (en) 2015-03-03 2018-04-03 Infineon Technologies Ag Method of manufacturing a cooler for semiconductor modules
DE102016103788B4 (de) 2015-03-03 2019-06-06 Infineon Technologies Ag Kunststoffkühler für Halbleitermodule
JP2017011923A (ja) * 2015-06-24 2017-01-12 トヨタ自動車株式会社 電力変換装置
JP2017045909A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 三光合成株式会社 放熱部品及び放熱部品の製造方法
JP2018060861A (ja) * 2016-10-03 2018-04-12 トヨタ自動車株式会社 半導体積層ユニット
WO2019031348A1 (ja) * 2017-08-11 2019-02-14 株式会社デンソー 電力変換装置
JP2019037047A (ja) * 2017-08-11 2019-03-07 株式会社デンソー 電力変換装置
CN111373647A (zh) * 2017-08-11 2020-07-03 株式会社电装 电力转换装置
US11189544B2 (en) 2017-08-11 2021-11-30 Denso Corporation Plurality of cooling tubes with coolant for a power conversion package
CN111373647B (zh) * 2017-08-11 2023-06-09 株式会社电装 电力转换装置
WO2020017121A1 (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 株式会社島津製作所 電源装置、質量分析装置および電源装置の製造方法
US11270875B2 (en) 2018-07-20 2022-03-08 Shimadzu Corporation Mass spectrometer
CN113678246A (zh) * 2019-04-05 2021-11-19 株式会社电装 半导体装置
CN113678246B (zh) * 2019-04-05 2024-03-22 株式会社电装 半导体装置
US11961828B2 (en) 2019-04-05 2024-04-16 Denso Corporation Semiconductor device
WO2022149367A1 (ja) * 2021-01-07 2022-07-14 株式会社デンソー パワーモジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JP5691916B2 (ja) 2015-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5691916B2 (ja) 電力変換装置
US10304756B2 (en) Power semiconductor module and cooler
JP6257478B2 (ja) 電力用半導体装置
US8879256B2 (en) Electric power conversion apparatus
JP6286543B2 (ja) パワーモジュール装置、電力変換装置およびパワーモジュール装置の製造方法
US9466549B2 (en) Semiconductor module
EP2654079A2 (en) Heat dissipation device and method for manufacturing the same
WO2015029446A1 (ja) 積層型冷却器
WO2015198720A1 (ja) パワー半導体モジュールおよびパワー半導体モジュールの製造方法
JP5609762B2 (ja) 電力変換装置
JP6460921B2 (ja) 電力半導体装置用冷却装置及びその製造方法
JP2010165743A (ja) 半導体モジュールおよびその製造方法
JP2012142466A (ja) 半導体装置
JP5440427B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2011182632A (ja) 電力変換装置
JP2006186035A (ja) 半導体装置
WO2020179239A1 (ja) 半導体装置
JP4935783B2 (ja) 半導体装置および複合半導体装置
JP6218856B2 (ja) 電力変換装置
US11735557B2 (en) Power module of double-faced cooling
JP2017220651A (ja) 半導体装置の製造方法
JP5277806B2 (ja) 半導体装置
JP6327081B2 (ja) 冷却器モジュール、および冷却器モジュールの製造方法
WO2023109605A1 (en) Power semiconductor apparatus
WO2022209083A1 (ja) パワー半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150119

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5691916

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250