JP2013026400A - 半導体結晶体の加工方法 - Google Patents

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高志 藤井
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Abstract

【課題】 従来よりも低い温度で加工が可能、かつ、加工された半導体結晶体の光の透過率が劣化していない、半導体結晶体の加工方法を提供する。
【解決手段】 半導体結晶体1を準備する工程と、半導体結晶体1を、導電性材料を主体とした材料からなる一対の加圧冶具2、3(上パンチ2、下パンチ3)で挟み込む工程と、一対の加圧冶具間にパルス状電流を印加することにより、半導体結晶体を、自己発熱により、加圧により塑性変形する温度以上、かつ融点未満の目標温度に昇温させる工程と、一対の加圧冶具2、3間にパルス状電流を印加し続けることにより、半導体結晶体を目標温度に維持しながら、一対の加圧冶具2、3間に圧力を加え、半導体結晶体を塑性変形により目標形状に成型する工程と、目標形状に成型された半導体結晶体をアニールする工程とを備えるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体結晶体の加工方法に関し、さらに詳しくは、従来の方法よりも低い温度で半導体結晶体の加工が可能で、かつ光の透過率が劣化していない半導体結晶体を得ることができる半導体結晶体の加工方法に関する。
なお、本発明の半導体結晶体の加工方法は、光デバイスの製造方法において利用することができる。
Si系結晶体やGe系結晶体に代表される半導体結晶体を塑性変形させる加工方法として、特許文献1(特開2005―142370号公報)に開示された加工方法が知られている。
特許文献1に開示された加工方法では、Si系結晶体、Ge系結晶体などの半導体結晶体を、塑性変形能を有する温度以上、かつ融点未満の温度に加熱し、加圧冶具を用いて荷重をかけ、圧延加工や曲げ加工などを施し、塑性変形させている。たとえば、Si結晶体であれば、結晶体と加圧冶具とを、1050℃以上、1414℃未満の温度に加熱したうえで、荷重をかけ、加工している。また、Ge結晶体であれば、結晶体と加圧冶具とを、600℃以上、917℃未満の温度に加熱したうえで、荷重をかけ、加工している。
一方、粉体材料に対し、加圧下でパルス状の大電流を投入し、自己発熱現象によって材料を急昇温させ、焼結させる、粉体材料の放電焼結方法が知られている。たとえば、特許文献2(特開平3―56604号公報)においては、粉体材料をパンチとダイからなる金型内に充填し、5〜30T/cm2の圧力で加圧したうえで、周期300Hz〜30KHz、350A/cm2のパルス状電流を通電し、材料を自己発熱現象によって800〜1000℃に急昇温させ、圧縮焼成する方法が開示されている。特許文献2には、必要に応じて、1〜3分程度で、焼結体を3000℃程度まで昇温できると記載されている。
特開2005―142370号公報 特開平3―56604号公報
上述した、特許文献1に開示された従来の半導体結晶体の加工方法は、半導体結晶体を所望の形状に加工できるものであり、新しい発想の半導体デバイスを開発し、製造するうえで、非常に有益な技術である。
しかしながら、この従来の半導体結晶体の加工方法は、半導体結晶体と加圧冶具とを、Si結晶体で1050〜1414℃、Ge結晶体で600〜917℃に加熱しなければならず、加熱温度が高いため、次のような問題があった。
1)半導体結晶体と加圧冶具との全体を加熱して、半導体結晶体を昇温させる方法であるため、昇降温に時間がかかり、加工に長時間を要するものであった。
2)半導体結晶体と加圧冶具とが、高温により、化学反応を起こすおそれがあった。
また、この従来の半導体結晶体の加工方法においては、加工の際に半導体結晶体に大きな圧力が加えられ、歪が残留しているため、光の透過率が劣化しているという問題があった。すなわち、半導体結晶体は、光センサのフィルタや赤外線カメラのレンズなどの光デバイスへの使用に適したものであるが、上述した従来の加工方法では、残留歪により光の透過率が劣化し、光デバイスへの使用が難しい場合があるという問題があった。
本発明は、上述した、特許文献1に開示された従来の半導体結晶体の加工方法が有する問題を解決するためになされたものである。
すなわち、本願の発明者らは、半導体結晶体の加工方法に、上述した特許文献2に開示されたような、被加工体に加圧下でパルス状の大電流を投入し、被加工体を自己発熱現象によって急昇温させる技術を適用できないかと考え、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったものである。
本発明の半導体結晶体の加工方法は、上述した従来の加工方法が有する問題を解決する手段として、半導体結晶体を準備する工程と、半導体結晶体を、導電性材料を主体とした材料からなる一対の加圧冶具で挟み込む工程と、一対の加圧冶具間にパルス状電流を印加することにより、半導体結晶体を、自己発熱により、加圧により塑性変形する温度以上、かつ融点未満の目標温度に昇温させる工程と、一対の加圧冶具間にパルス状電流を印加し続けることにより、半導体結晶体を目標温度に維持しながら、一対の加圧冶具間に圧力を加え、半導体結晶体を塑性変形により目標形状に成型する工程と、目標形状に成型された半導体結晶体をアニールする工程とを備えるようにした。
なお、アニールは、最高温度での維持時間が30分以上、最高温度から室温への冷却時間が1時間以上であることが好ましい。残留歪を十分に除去することができ、光の透過率を改善することができるからである。
また、アニール、減圧された大気雰囲気下、または不活性ガス雰囲気下において、酸素分圧が10Pa以下の状態においておこなわれることが好ましい。かかる雰囲気下であれば、半導体結晶体の表面が酸化することがなく、光の透過率が劣化する恐れがないからである。
本発明の半導体結晶体の加工方法は、上述の構成としたため、次のような効果を奏することができる。
1)半導体結晶体を、パルス状電流により自己発熱させて、急速に昇温させる方法であるため、昇降温に時間がかからず、短い時間で半導体結晶体を加工することができる。
2)加圧冶具が高温にならないため、半導体結晶体が加圧冶具と化学反応を起こすことがない。
3)加工後の半導体結晶体は、アニールにより、残留歪が十分に除去されており、光の透過率が改善されている。したがって、光デバイスへの使用に適する。
図1(A)、(B)は、実施形態にかかる半導体結晶体の加工方法を示し、図1(A)は加圧前の状態を示す断面図、図1(B)は加圧後の状態を示す断面図である。 実施例1の半導体結晶体の加工方法における、パルス状電流の電流[A]、ダイスに埋設された温度検知素子の温度[℃]、上パンチの変位量[mm]の時間的変化を示したグラフである。 実施例1の半導体結晶体の加工方法における、アニールの温度プロファイルを示すグラフである。 実施例1の半導体結晶体の加工方法において、温度検知素子が900℃の時の、Si結晶体、上パンチ、下パンチ、ダイスの各部分の温度を、有限要素法により導き出した温度分布図である。 実施例1の半導体結晶体の加工方法において、温度検知素子が900℃、の時の、Si結晶体、ダイスの温度を、有限要素法により導き出した温度分布図である。 実施例1の半導体結晶体の加工方法における、アニールの前後の光の透過率を示すグラフである。 実施例2の半導体結晶体の加工方法において、温度検知素子が496℃の時の、Ge結晶体、ダイスの温度を、有限要素法により導き出した温度分布図である。 実施例2の半導体結晶体の加工方法における、アニールの温度プロファイルを示すグラフである。 実施例2の半導体結晶体の加工方法における、アニールの前後の光の透過率を示すグラフである。
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態について説明する。
図1(A)、(B)に、本発明の実施形態にかかる半導体結晶体の加工方法を示す。ただし、図1(A)は加圧前の状態を示す断面図、図1(B)は加圧後の状態を示す断面図である。
本実施形態の半導体結晶体の加工方法は、まず、被加工物として、半導体結晶体1を準備する。半導体結晶体1の種類は任意であり、Si結晶体に代表されるSi系結晶体や、Ge結晶体に代表されるGe系結晶体や、その他の半導体結晶体を用いることができる。
次に、加圧冶具として、導電性材料からなる上パンチ2、下パンチ3を準備する。上パンチ2、下パンチ3の少なくとも一方は、所望する半導体結晶体の加工形状に対応した当接面を有している。本実施形態においては、下パンチ3は、当接面の中央に貫通孔3aを有している。
次に、半導体結晶体1を、上パンチ2と下パンチ3との間に挟み込む。
次に、円筒状のダイス4を準備し、図1(A)に示すように、ダイス4の内部に、半導体結晶体1を挟み込んだ上パンチ2、下パンチ3を収容する。なお、ダイス4には、温度検知素子5として、熱電対が埋設されている。温度検知素子は、熱電対には限定されず、熱電対の他に、たとえば、白金測温抵抗体、サーミスタ、熱電対、トランジスタの温度特性を利用したIC化温度センサ、水晶温度計、赤外線式のサーモパイルやサーミスタ、光量子式フォトダイオードやフォトトランジスタなどから選択することができる。
次に、温度検知素子5で温度を測定しながら、上パンチ2と下パンチ3の間に、パルス状電流を印加する。なお、ダイス4が上パンチ2と下パンチ3に接しているため、印加されたパルス状電流は、上パンチ2→半導体結晶体1→下パンチ3と、上パンチ2→ダイス4→下パンチ3との、2つの経路で流れる。そして、パルス状電流を印加すると、半導体結晶体1、および上パンチ2、下パンチ3、ダイス4において、自己発熱現象が起こり、半導体結晶体1の温度が急上昇する。
なお、パルス状電流の印加は、慣用されているパルス状電流発生手段(図示せず)を用いておこなう。
温度検知素子5の温度には、予め目標温度が設定される。図2は、後述する実施例1について、印加されるパルス状電流の電流[A]と、ダイス4に埋設された温度検知素子5の温度[℃]と、上パンチ2の変位量[mm]の、時間的変化を示したグラフである。目標温度は、温度検知素子5の温度が平坦になっている温度である。図2の実施例1では、目標温度を900℃に設定している。なお、上パンチ2の変位量とは、下パンチ3の下面を基準にして、上パンチ2の上面が、加熱前の位置から変位した量であり、半導体結晶体の熱膨張による変形量と、下パンチ3の熱膨張による変形量と、上パンチ2の熱膨張による変形量との和である。
温度検知素子5の温度が目標温度に達するまで、印加するパルス状電流の電流[A]を上昇させる。図2の実施例1では、パルス状電流の印加開始から9分経過直後に、電流が1250Aを超えたあたりで、温度検知素子5が目標温度の900℃に達している。そして、温度検知素子5が目標温度に達した後は、パルス状電流の電流[A]をやや降下させたうえで、その後も目標温度を維持するようにフィードバックをかけながら、パルス状電流を印加し続ける。なお、前記フィードバックは、温度検知素子5の測定温度を、前記パルス状電流発生装置にフィードバックさせるフィードバック手段(図示せず)によりおこなう。
一方、半導体結晶体1は、パルス状電流が印加され、温度が上昇すると、体積の膨張を開始する。これは、上パンチ2の変位量から確認することができる。なお、図2においては、変位量が0.65mmを超えたところから上パンチ2の変位量を示しているが、実際には、パルス状電流が印加され、温度が上昇し始めた時点から、上パンチ2は変位を開始している。
そして、時点は任意であるが、上パンチ2と下パンチ3との間に圧力を加える。すなわち、圧力をかけ始める時点は、温度検知素子5の温度が目標温度に達する前、達した時、達した後のいずれの時点のいずれであっても良い。ただし、温度検知素子5の温度が十分に上昇する前に圧力をかけると、半導体結晶体1が割れる場合があるため好ましくない。
上パンチ2と下パンチ3との間に圧力をかけると、図1(B)に示すように、半導体結晶体1の厚みが減少する一方、半導体結晶体1の底面の下パンチ3の貫通孔3a部分には圧力がかからないため、半導体結晶体1の底面の下パンチ3の貫通孔3a部分に膨出部1aが形成される。
上パンチ2と下パンチ3との間にかける圧力は、一度に大きな値とすることもできるが、上パンチ2ないし下パンチ3の変位量を見ながら、値を段階的に大きくしていくことが好ましい。すなわち、一度に大きな圧力をかけると、半導体結晶体1が割れてしまうことがあるため好ましくない。一方、半導体結晶体1の塑性変形量は、上パンチ2の変位量から読み取ることができるため、その変位量を見ながら圧力の値を段階的に大きくし、半導体結晶体1を段階的に塑性変形させていけば、所望の塑性変形量でSi結晶体1の加工を終了することができ、必要以上に半導体結晶体1を塑性変形させてしまうことがなく好ましい。図2の実施例1では、ステップ1〜4の4段階に分けて、段階的に、上パンチ2と下パンチ3との間にかける圧力を大きくしている。
半導体結晶体1の塑性変形量が所望の値に達したら、パルス状電流の印加を終了し、また上パンチ2と下パンチ3との間に圧力をかけることも終了する。なお、半導体結晶体1の塑性変形量が所望の値に達したか否かは、上パンチ2の変位量から確認する。なお、ここで上パンチ2と下パンチ3との間に圧力をかけることを終了しなくても良い。次に説明するように、半導体結晶体1、上パンチ2、下パンチ3、ダイス4の冷却の際に、半導体結晶体1が割れない程度(たとえばパンチの自重程度)の圧力をかけても良い。
次に、半導体結晶体1、上パンチ2、下パンチ3、ダイス4を冷却したうえで、半導体結晶体1を上パンチ2、下パンチ3、ダイス4から取り出す。なお、半導体結晶体1、上パンチ2、下パンチ3、ダイス4の冷却は、自然冷却でも良いし、冷却手段により加速的に冷却しても良い。ただし、半導体結晶体1、上パンチ2、下パンチ3、ダイス4は、半導体結晶体1を中心にして、自己発熱現象により昇温しており、不要な部分が必要以上には昇温していないため、冷却に要する時間は、加圧冶具を加熱し、間接的に半導体結晶体を加熱する従来の加工方法に比べて短い。
最後に、目標形状に成型された半導体結晶体1を、加圧により生じた残留歪を除去し、光の透過率を改善するために、所定の温度プロファイルでアニールし、本実施形態にかかる半導体結晶体の加工方法は完了する。なお、アニールの温度プロファイルは、最高温度での維持時間が30分以上、最高温度から室温への冷却時間が1時間以上であることが好ましい。上述したとおり、残留歪を十分に除去することができ、光の透過率を改善することができるからである。また、アニールをおこなう雰囲気は、気圧が10Pa以下の酸素雰囲気、または、不活性ガスとH2ガスが混合された雰囲気であることが好ましい。上述したとおり、半導体結晶体の表面が酸化することがなく、光の透過率が劣化する恐れがないからである。
本実施形態では、下パンチ3の中央部に貫通孔3aを設け、半導体結晶体1の底面に膨出部1aを形成している。この半導体結晶体1は、たとえば、光デバイスの平凸レンズとして使用することができる。
以上のように、本実施形態においては、半導体結晶体1を、パルス状電流により自己発熱させて、急速に昇温させているため、昇降温に時間がかからず、短い時間で半導体結晶体を加工することが可能になっている。そして、加圧冶具(上パンチ2、下パンチ3)が高温にならないため、半導体結晶体1が加圧冶具と化学反応を起こすことがない。その結果、加圧冶具の材料の選択自由度が上がっており、安価な材料や、加工のし易い材料を選択することも可能である。また、従来の方法よりも、エネルギーの消費量が少ないという効果も奏している。さらに、加工された半導体結晶体1は、残留歪が除去されており、透過率が改善されているため、光デバイスへの使用に適したものになっている。
以上、第1の実施形態にかかる半導体結晶体の加工方法について説明したが、本発明がこれに限定されことはなく、発明の主旨に沿って、種々の変形をなすことができる。
たとえば、第1の実施形態では、ダイス4に埋設された温度検知素子5により温度管理をしているが、温度管理はこの方法には限られず、他の部分、他の手段で温度を測定するようにしても良い。なお、温度管理は、半導体結晶体の外部(ダイス4に埋設された温度検知素子5)において管理するのではなく、後述するように、半導体結晶体自体の温度に換算して管理することもできる。この方法によると、半導体結晶体の温度と、加えられる圧力と、塑性変形量との関係をより厳密に把握することができるため好ましい。
また、半導体結晶体の加工形状は上記には限定されず、上パンチ2や下パンチ3の形状を変更することにより、任意に設定することができる。たとえば、下パンチ3に貫通孔ではなく、所望のレンズ形状を有する凹みを設ければ、意図した曲率半径の球面レンズや、非球面レンズを作製することも可能である。また、加圧冶具も上パンチ2と下パンチ3には限定されず、これら以外の特殊な加圧冶具を用いても良い。
さらに、既に述べたように、加工される半導体結晶体の種類も任意であり、Si結晶体には限られず、他のSi系結晶体、Ge系結晶体、その他の半導体結晶体であっても良い。
本発明の半導体結晶体の加工方法により、次の実験をおこなった。
(実施例1)
以下、図1(A)、(B)を参照しながら、実施例1について説明する。
実施例1では、被加工物として、縦14mm、横14mm、厚さ2mmの寸法を有する、正方形で板状のSi結晶体1を準備した。
加圧冶具として、導電性材料であるグラファイトからなり、直径20mm、高さ50mmの円柱構造の上パンチ2および下パンチ3を準備した。なお、下パンチ3のみ、中央部に直径6mmの貫通孔3aを有している。
ダイス4として、グラファイトからなり、内径20mm、外径50mm、高さ80mmの円筒状のものを準備した。ダイス4には、温度検知素子5が埋設されている。温度検知素子5は、ダイス4の円筒部の内壁から5mmのところに、測温部(図において白色の丸で示す部分)が配置されている。
Si結晶体1を上パンチ2と下パンチ3との間に挟み込み、これら全体をダイス4の内部に収容した。
実施例1においては、温度検知素子5の目標温度を900℃に設定し、上パンチ2と下パンチ3の間に、周期300Hzのパルス状電流の印加を開始した。なお、パルス状電流の周期300Hzは一例であり、適宜、変更することができる。
図2のグラフに、印加したパルス状電流の電流[A]と、ダイス4に埋設された温度検知素子5の温度[℃]と、上パンチ2の変位量[mm]の時間的変化を示す。
パルス状電流の印加開始から9分経過直前、温度検知素子5の測定温度が900℃に達した時点から、上パンチ2と下パンチ3との間に圧力をかけ始めた。圧力は、上パンチ2の変位量を見ながら、ステップ1〜4の4段階に分けて、段階的に大きくし、最大40MPaとした。各ステップでの荷重を表1に示す。
Figure 2013026400
ステップ4の圧力をかけたことにより、上パンチ2が予定した変位量に達し、 Si結晶体1の塑性変形量が所望の値に達したので、パルス状電流の印加を終了するとともに、上パンチ2と下パンチ3との間に圧力をかけることを終了した。
全体を常温にまで冷却したのち、Si結晶体1を、上パンチ2、下パンチ3、ダイス4から取り出した。Si結晶体1は、厚みが1.8mmに減少したうえで、底面に高さ0.08mmの膨出部1aが形成された。
最後に、目標形状に成型されたSi結晶体1を、酸素分圧10Paの大気雰囲気中において、図3に示す温度プロファイルでアニールし、実施例1にかかる半導体結晶体の加工を完了した。すなわち、20℃から、3時間かけて1150℃の最高温度まで上昇させ、1150℃の最高温度を1時間維持し、1150℃の最高温度から、3時間かけて20℃まで冷却した。
このSi結晶体1は、たとえば、光デバイスの平凸レンズとして使用することができる。
実施例1では、半導体結晶体を塑性変形により目標形状に成型する工程における、温度検知素子5の目標温度を900℃に設定した。この目標温度は、Si結晶体1の実際の温度ではなく、Si結晶体1の外部のダイス4に埋設された温度検知素子5の温度で設定したものである。
しかしながら、温度管理は、半導体結晶体(Si結晶体)1の外部の温度ではなく、半導体結晶体自体の温度に換算しておこなうことが好ましい。すなわち、半導体結晶体自体の温度で温度管理をおこなうと、半導体結晶体の温度と、加えられる圧力と、塑性変形量との関係をより厳密に把握することができる。
そこで、有限要素法を用い、実施例1のSi結晶体1、上パンチ2、下パンチ3、ダイス4をモデル化し、温度分布を求めた。
図4に、温度検知素子5が900℃の時の、Si結晶体1、上パンチ2、下パンチ3、ダイス4の各温度分布を示す。また、図5に、図4における、Si結晶体1の中心部Aから、ダイス4の外周部A’にかけての温度分布を示す。なお、図4において、鎖線Z−Z’は回転対象軸を示す。
温度検知素子5が900℃の時には、Si結晶体1の中心部の温度は922℃、Si結晶体1の外周辺付近の温度は912℃であることがわかった。実施例1は、温度検知素子5の目標温度を900℃に設定しているが、Si結晶体1の中心部の目標温度を922℃、外周辺付近の目標温度を912℃に設定したものである。このように、本発明によれば、従来よりも低い温度での加工が可能になる。
次に、本実施例における、アニールの効果を調べた。図6に、実施例1のSi結晶体1のアニールの前後の光の透過率を示す。アニール前において平均36.6%であった透過率が、アニールを施すことにより、アニール後は平均53.9%の透過率に改善されている(ただし、波長8〜14μmにおいて)。
(実施例2)
実施例2は、被加工物である半導体結晶体として、縦14mm、横14mm、厚さ2mmの寸法を有する、正方形で板状のGe結晶体1を用いた。
上パンチ2、下パンチ3、ダイス4は、実施例1と同じものを用いた。
上パンチ2と下パンチ3への加圧は、ステップ1〜4の4段階に分けて、段階的に大きくし、最大40MPaとした。
実施例2では、温度検知素子5の目標温度を496℃に設定した。これを有限要素法によりGe結晶体1自体の温度に換算すると、中心部の目標温度を500℃、外周辺付近の目標温度を498℃に設定したことになる。図7に、温度検知素子5が496℃の時の、Ge結晶体1の中心部から、ダイス4の外周部にかけての温度分布を示す。
実施例2においても、Ge結晶体1の底面に、高さ0.125mmの膨出部1aを形成することができた。
最後に、目標形状に成型されたGe結晶体1を、酸素分圧10Paの大気雰囲気中において、図8に示す温度プロファイルでアニールし、実施例2にかかる半導体結晶体の加工を完了した。すなわち、20℃から、3時間かけて800℃の最高温度まで上昇させ、800℃の最高温度を1時間維持し、800℃の最高温度から、3時間かけて20℃まで冷却した。
図9に、実験例2における、Ge結晶体1のアニールの前後の光の透過率を示す。アニール前において平均27.0%であった透過率が、アニールを施すことにより、アニール後は平均55.8%の透過率に改善されている(ただし、波長8〜14μmにおいて)。
なお、実験例2においては、アニールにより、光の波長が透過率に与える影響が小さくなっている。すなわち、アニールにより、光の透過率の波長依存性が小さくなっている。実験例2のGe結晶体1は、光デバイスの中でも光の透過率の波長依存性が小さい方が都合のよい、光センサのフィルタや赤外線カメラのレンズなどへの使用に適したものとなっている。
1:半導体結晶体(Si結晶体・Ge結晶体など)
2:上パンチ(加圧冶具)
3:下パンチ(加圧冶具)
3a:貫通孔
4:ダイス
5:温度検知素子(熱電対)

Claims (6)

  1. 半導体結晶体を準備する工程と、
    前記半導体結晶体を、導電性材料を主体とした材料からなる一対の加圧冶具で挟み込む工程と、
    前記一対の加圧冶具間にパルス状電流を印加することにより、前記半導体結晶体を、自己発熱により、加圧により塑性変形する温度以上、かつ融点未満の目標温度に昇温させる工程と、
    前記一対の加圧冶具間にパルス状電流を印加し続けることにより、前記半導体結晶体を前記目標温度に維持しながら、前記一対の加圧冶具間に圧力を加え、前記半導体結晶体を塑性変形により目標形状に成型する工程と、
    前記目標形状に成型された前記半導体結晶体を、アニールする工程とを備えたことを特徴とする、半導体結晶体の加工方法。
  2. 前記アニールが、最高温度での維持時間が30分以上、最高温度から室温への冷却時間が1時間以上であることを特徴とする、請求項1に記載された半導体結晶体の加工方法。
  3. 前記アニールが、減圧された大気雰囲気下、または不活性ガス雰囲気下において、酸素分圧が10Pa以下の状態においておこなわれることを特徴とする、請求項1または2に記載された半導体結晶体の加工方法。
  4. 前記半導体結晶体を挟み込んだ前記一対の加圧冶具が、導電性材料を主体としたダイスの内部に収容され、前記パルス状電流が、前記ダイスにも流れることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された半導体結晶体の加工方法。
  5. 前記半導体結晶体の前記目標温度への維持が、前記ダイスに配置された温度検知素子により測定された温度をフィードバックすることにより、前記パルス状電流を制御しておこなわれることを特徴とする、請求項4に記載された半導体結晶体の加工方法。
  6. 前記一対の加圧冶具間に加えられる圧力の大きさが、段階的に、増加されることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された半導体結晶体の加工方法。
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