JP2007246992A - 焼結方法及び焼結装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】材料粉末3にはパンチ5aによって加えられる矢印X方向の圧縮力と、パンチ5b、ダイス下縁部2aによって加えられる矢印Y方向の圧縮力がその全体に均一に加えられた状態で目標とする最終形状まで圧縮・焼結して焼結体となすと共にパンチの成形表面の表面形状を焼結体に形状転写する工程後に第一のパンチおよび/または第二のパンチと焼結体とを離型し、係る離型は焼結工程完了直後に焼結体の温度降下に伴う収縮率が製造目標となる製品形状と焼結体形状の寸法誤差が0.2%以内である時間内に行われ、例えばパンチを介して粉末に加えられる圧力が減圧される過程で離型が行われるようにするので、熱膨張差によるパンチの破損を防止することができる。
【選択図】図1
Description
すなわち従来の焼結法及び焼結装置では、一軸の加圧による単純な加圧しかできないため、局所的に密度の低い部分ができるなど、均一な密度の焼結体を得ることができず、複雑な形状、例えば高低差の大きい焼結体を均一な高密度に仕上げると言うことは困難であった
一方、アルミニウムダイカスト金型自体は金型としての高強度が必要であることから材料粉末3として主としてSKD61等の熱間工具鋼が用いられなければならない。
(1)第一の加圧手段によって成形空間に収納された粉末を加圧する第1工程
(2)第1工程で成形空間に収納された粉末を第二の加圧手段によって加圧する第2工程
(3)第一の加圧手段の加圧力と第二の加圧手段の加圧力によって成形空間に収納された粉末を圧縮し、焼結して焼結体となす第3工程
(4)第一の加圧手段および/または第二の加圧手段と焼結体とを離型する第4工程
また製造目標となる製品形状と焼結体形状の寸法誤差が0.2%以内である時間はコンピュータシュミレーション等の方法を用いて焼結体の材質等のデータに基づき予め設定することができる。
以上の本発明の焼結方法及びその装置によればダイスの成形空間に収納された粉末を加圧し、焼結して焼結体となす過程で焼結の進行状況に合わせて加圧することによって、効率よく必要な部位に圧力を加え、均一な密度の焼結体の製造を促進することができる。また複数の加圧軸を配置し、複合的に協調動作させた場合には、複雑形状の焼結体の作成を効率よく行うことができる。
また、以上の本発明の焼結方法では第一のパンチおよび/または第二のパンチと焼結体とを離型する工程において焼結体がダイスに保持されるので、効率よく離型を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態1の焼結装置を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の実施の形態に係る焼結装置の概略構成図である。
図1に示すように、焼結装置1はグラファイトによって構成されている円筒状のダイス2を備え、このダイス2は材料粉末3を加圧成形するための成形空間4を有する。このダイス2の成型空間4に材料粉末3が充填された状態でダイス2内側には上下方向からパンチ5a,5bがはまり込んでいる。
一方、前記上側発熱体9a及び下側発熱体9bには、前記ダイス2を構成している黒鉛に対して高い電気抵抗を有する炭化珪素(SiC)発熱体が用いられる。この上側発熱体9a及び下側発熱体9bは大きな電気抵抗を有し、大型の焼結体を製造するために径を大きくしたパンチ5aとパンチ5bを用いても、材料粉末3を速やかに昇温させるに足る十分なジュール熱を得ることができる。
更に、上記パンチ5a,5bは、ダイス2の成形空間4に密に嵌合する形状を有していて、材料粉末3が上側発熱体9a及び下側発熱体9bとダイス2との間に材料粉末3が侵入するのを防止するようにしており、このために、前記パンチ5a,5bは黒鉛にて形成されているダイスと略同等の熱膨張率を有する構成にする。
図2〜図4は材料粉末3を焼結後に得られる焼結体15からパンチ5a,5bをばねを利用して押し離す仕組みの離型機構の詳細を示す。
図2〜図4に示される方式では、パンチ5a,5b、発熱体9、電極10a,10bは連結されておらず、電極10a,10bによる加圧によって接触状態を保っている。パンチ5a,5bには発熱体9に接触する部分にそれぞれパンチ鍔部16a,16bが設けられている。
フランジ17a,17b内側には、パンチ5a,5bを挿通するパンチ孔部18a,18bが設けられ、そのパンチ孔部18a,18b内側にはパンチ係合段部19a,19bが設けられて、そのパンチ係合段部19a,19bにパンチ5a,5bのパンチ鍔部16a,16bが係合する。
まず、ダイス2の成形空間4に下側発熱体9bを挿入してパンチ5b及び下側発熱体9bを電極10bによって支持した状態において、金属やセラミック等の材料粉末3を上方から前記成形空間4内に供給する(Step1)。そして、成形空間4に上方からパンチ5a及び上側発熱体9aを挿入する(Step2)。
図7に示す様に、Step5の焼結過程における加圧開始後、パンチ5a及びパンチ5b及びダイス2の現在位置を計測(Step5−1)し、パンチ5a及びパンチ5b及びダイス2のStep5の焼結過程における移動開始時から現在までの時間に基づきパンチ5a及びパンチ5b及びダイス2の単位時間辺りの移動量を算出する(Step5−2)。その単位時間辺りのパンチ5a及びパンチ5b及びダイス2の移動量に基づき、焼結が終了する時点として設定された時点におけるパンチ5a及びパンチ5b及びダイス2の位置を算出して焼結が終了する時点までに到達する形状を算出する(Step5−3)。
以上の加圧過程では制御装置7からの制御信号に基づき油圧装置1aによって、電極10a,10b、発熱体9a,9bを介してパンチ5a,5bが加圧され、それと同時にパンチ5a,5bのパンチ鍔部16a,16bに係合するパンチ係合段部19a,19bを介してフランジ17a,17bも材料粉末3の加圧方向に加圧される。
これによって、材料粉末3はパンチ5a,5b間の加圧(X,y1)とパンチ5a,ダイス下縁部2a間の加圧(X,y2)が加えられた状態で目標とする最終形状まで焼結過程で圧縮され、最終形状に到達する。
図9のタイムチャートに示される焼結工程では前述の図8に示されるタイムチャートの態様とは異なり、焼結体15に対するパンチ5a,5bによる加圧力が解除されると同時にダイス2内側温度が800〜900℃程度の高温である時点で焼結体15の取り出し及び設処理工程への移送が行われ、一方、真空チャンバ14内の真空状態は可能な範囲で維持されて、その後ダイス2内側温度が250〜300℃程度に降下した時点で、真空チャンバ14内の真空状態が解除される。
図10は本発明の実施の形態2としてダイス2内側にパンチ5a,5bが挿入されて形成される成形空間4の領域でダイス2が上下の部分に分割される様にすると共に、その分割部分のダイス2の内側部に保持凹部28が形成される様にした焼結体15の保持機構についての概念図を示す。
図11及び図12は本発明の実施の形態3の焼結装置を示す。この実施の形態3の焼結装置は、上下電極10a,10bとパンチ5a,5bをカップリング29によって組み付けることにより、焼結体15とパンチ5a,5bの離型を可能としている。
したがって以上の実施の形態の焼結方法による焼結過程における加圧の態様も目標とする最終形状に応じて相互に異なる3方向からの3軸加圧として構成される。
Claims (19)
- 以下の工程より成ることを特徴とする焼結方法。
(1)第一の加圧手段によって成形空間に収納された粉末を加圧する第1工程
(2)第二の加圧手段によって成形空間に収納された粉末を加圧する第2工程
(3)第一の加圧手段の加圧力と第二の加圧手段の加圧力によって成形空間に収納された粉末を圧縮し、焼結して焼結体となす第3工程
(4)第一の加圧手段および/または第二の加圧手段と焼結体とを離型する第4工程 - 粉末を収納する成形空間を形成するダイスの成形空間において対抗する第一のパンチと第二のパンチ間に粉末を収納し、前記第一の加圧手段である第一のパンチによってダイスの成形空間に収納された粉末に加圧し、前記第二の加圧手段であるダイスおよび/または第二のパンチによって前記ダイスの成形空間に収納された粉末に加圧する請求項1記載の焼結方法。
- 前記第1工程においてダイスの成形空間に収納された粉末及び第一のパンチ及び第二のパンチよりも大きな抵抗の発熱体に通電して発熱させる請求項2記載の焼結方法。
- 第一のパンチおよび/または第二のパンチと焼結体とを離型する第4工程が第3工程完了直後に行われる請求項2記載の焼結方法。
- 第一のパンチおよび/または第二のパンチと焼結体とを離型する第4工程が第3工程後の焼結体の温度降下に伴う焼結体の熱収縮力がパンチの成形表面の強度限界以内である時間内に行われる請求項2記載の焼結方法。
- 第一のパンチおよび/または第二のパンチと焼結体とを離型する第4工程が第3工程後の焼結体の温度降下に伴う収縮率が製造目標となる製品形状と焼結体形状の寸法誤差が0.2%以内である時間内に行われる請求項2記載の焼結方法。
- 第一のパンチおよび/または第二のパンチと焼結体とを離型する第4工程において焼結体がダイスに保持される請求項2乃至請求項6のいずれか一に記載の焼結方法。
- 成形空間に収納された粉末に加圧する第一の加圧手段及び第二の加圧手段と、前記第一の加圧手段の加圧力と第二の加圧手段の加圧力を設定する加圧力設定手段が設けられ、前記加圧力設定手段は、第一の加圧手段及び第二の加圧手段の現在位置と単位時間辺りの移動量計測手段と、目標とする最終形状との関係で必要な加圧力の算出手段と、その算出された加圧力の値に基づき第一の加圧手段の加圧力と第二の加圧手段の加圧力とを制御する制御手段とより成る請求項8に記載の焼結装置。
- 前記第一の加圧手段が粉末を収納する成形空間を形成するダイスの当該成形空間に配置される第一のパンチであり、前記第二の加圧手段がダイスおよび/または第一のパンチに対抗してダイスの成形空間に配置される第二のパンチである請求項8に記載の焼結装置。
- 前記第一の加圧手段が粉末を収納する成形空間を形成するダイスの成形空間に配置される第一のパンチであり、前記第二の加圧手段が前記第一のパンチと対抗して配置される第二のパンチおよび/またはダイスであって、前記第一のパンチと前記第二のパンチの少なくともいずれか一方に伝熱可能に配置される発熱体と、発熱体に通電するための電極装置とを備えてなる請求項8に記載の焼結装置。
- 前記成形空間で成形された焼結体と前記第一のパンチ及び第二のパンチの少なくともいずれか一方とを離型するための離型機構が設けられてなる請求項10に記載の焼結装置。
- 前記離型機構は、電極と発熱体とパンチを着脱可能に相互に取り付けるカップリングを有して成り、そのカップリングによって電極を引き離すと共に発熱体及びパンチを焼結体から離型させる請求項11に記載の焼結装置。
- 前記離型機構は、パンチによって加えられる加圧力に抗して型開き方向へ付勢する離型付勢手段を有してなり、ダイスの成形空間に収納された粉末を加圧し、焼結して焼結体となす過程ではパンチによって加えられる加圧力が前記離型付勢手段による付勢力よりも大なる加圧力に設定されてなる請求項11または請求項12に記載の焼結装置。
- 前記ダイスには前記成形空間で成形された焼結体を保持するための保持機構が設けられる請求項9に記載の焼結装置。
- 前記保持機構は、前記ダイスに前記成形空間に開口するように設けられた離型補助孔と、前記成形空間に突出する態様で離型補助孔に装着される離型補助ピンとよりなる請求項14に記載の焼結装置。
- 前記ダイスは複数のダイス要素を組み合わせて成り、複数のダイス要素を組み合わせてダイスの粉末成形空間に形成される接合線が通過するように粉末成形空間に開口する離型穴が設けられてなる請求項9に記載の焼結装置。
- 前記ダイスには前記成形空間に開口する離型補助穴が設けられ、この離型補助穴を通過する分離線によって前記ダイスが分離可能にされてなる請求項9に記載の焼結装置。
- ダイスの成形空間を介して加圧方向に沿って対抗する様に前記パンチを複数配置し、前記発熱体が複数配置されたそれぞれのパンチに対して伝熱可能に配置される請求項11ないし請求項17のいずれか一に記載の焼結装置。
- 前記パンチが成形空間に収納された粉末に転写する表面形状の成形表面を備えたグラファイトマスタである請求項11ないし請求項18のいずれか一に記載の焼結装置。
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