JP2007100131A - 通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置 - Google Patents

通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置 Download PDF

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Abstract

【課題】通電加熱焼結方法を適用して精密な表面形状を有する製品を造型することができる通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置を提供する。
【解決手段】粉末を加圧し、焼結して焼結体となすと共にパンチの成形表面の表面形状を焼結体に形状転写する工程後にパンチと焼結体とを離型し、係る離型は焼結工程完了直後に焼結体の温度降下に伴う収縮率が製造目標となる製品形状と焼結体形状の寸法誤差が0.2%以内である時間内に行われ、例えばパンチを介して粉末に加えられる圧力が減圧される過程で離型が行われるようにするので、熱膨張差によるパンチの破損を防止することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、発熱体を用いて発熱量を大きくして高電圧・低電流にて粉末を速やかに目的温度に昇温させるようにした通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置に関するものであり、より詳しくは、焼結過程において焼結体に精密な形状を転写して複雑な表面形状を備えた金型等を反復して製造することができる通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置に関する。
金属粉末に通電しその抵抗により発生するジュール熱により加熱し、加圧装置で加圧する通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置が用いられている。図12はこのような焼結装置の基本構成を示す。図に示される様に内部に材料粉末3を入れる空間を有する円筒状のダイス2には、材料粉末3に電流と圧力を伝達するパンチ5a,5bが嵌合している。パンチ5a,5bを挟んで電極10a,10bが設けられ、電源装置8に接続している。上部電極10aの上部には油圧装置が設けられ、電極10a,10b、パンチ5a,5bを介して材料粉末3を加圧するようになっている。ダイス2やパンチ5a,5bは高温強度に優れ、材料粉末3が着きにくい黒鉛で構成されている。なお、ダイス2、パンチ5a,5b、電極10a,10b等は真空チャンバ14内に設けられ、焼結作業は、真空、不活性ガスや還元ガス等の非酸化雰囲気で行われる。
この通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置に関し、特許文献1にはいわゆる放電プラズマ焼結方法に適用され、成形型の損傷が防止され、成形型の長期間繰り返し使用が可能となり製造コストの低減が得られる通電焼結方法を提供するという課題の下に、図13に示す様に、材料粉末3をダイス2中に装入し、パンチ5a,5bで圧縮して圧粉体とするとともに、該圧粉体にパンチ5a,5bを通じて電圧を印加することにより通電焼結して焼結体を得る方法において、ダイス2の内面の少なくとも材料粉末3と接する面に炭素材からなるスリーブ2aを嵌合し、パンチ5a,5bの材料粉末3と接する先端面に炭素材からなるプレートを配設して、圧粉体の成形および圧粉体の通電焼結を行う通電焼結方法が開示された。
またこの通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置に関し、特許文献2には試料の温度を精度よく制御するという課題の下に、図14に示す様に、ダイス2に粉末状の材料粉末3を入れこの材料粉末3の上下に設けた電極10a,10bにより通電する焼結装置の材料粉末3の上下のいずれかと電極10a,10bの間に材料粉末3より大きな抵抗の発熱体9を設け、この発熱体9の温度の温度センサ6による検知結果に基づき電極10a,10bに通電する電流を制御装置7によって制御するという通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置が開示された。
さらに特許文献3には均一な品質の加圧焼結体を効率よく成形し得るようにした通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置を提供するという課題の下に、図15に示す様に、内部に材料粉末3を加圧成形するための成形空間4を有するダイス2に、上側発熱体9aと下側発熱体9bを嵌合し、両者間に電源装置8により電圧が印加されるようにし、電流iは粉末3に流れることなく、ダイス2のみを介して上側発熱体9aと下側発熱体9b間に流れる結果、材料粉末3の種類によらず、温度制御が容易になるとした通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置が開示された。
さらに特許文献4には大型の焼結体に対応して発熱体9の径を大きくした場合も、発熱体9に十分なジュール熱を発生させ得るようにするという課題の下に内部に材料粉末3を加圧成形するための成形空間4を有するダイス2と、ダイス2の成形空間4に上下から嵌合される上側発熱体9a及び下側発熱体9bと、ダイス2及び下側発熱体9bを支持する電極10bと、上側発熱体9aに加圧力を与える電極10aと、電極10a,10bに接続した電源装置8と、を備えた通電加熱焼結装置において、上側発熱体9a及び下側発熱体9bは、所要の電気抵抗を有する導電体部と、絶縁体部とによって構成するとした通電加熱焼結装置が開示された。
特開平10−17904号公報 特開2000−73103号公報 特開2000−63907号公報 特開2000−63906号公報
以上の特許文献1〜特許文献4に開示された通電加熱焼結方法若しくは通電加熱焼結装置についてはいずれも次の様な問題があった。
すなわち例えば通電加熱焼結方法を適用してアルミニウムダイカスト金型等を製造する場合、切削加工のような余分な部分を工具により除いていく切除方式と異なり、必要な量の金属粉末をジュール熱により、短時間に焼結することから、きわめて効率よく精度の高いアルミニウムダイカスト金型の製造が可能となることが期待される。
しかし、高精度高機能製品であるアルミニウムダイカスト金型についてはこれを通電加熱焼結方法で制作する場合には材料粉末3を直接加圧して金型の造型表面を造型するための母型となるパンチ5a,5bには黒鉛を主成分とするグラファイトマスタが適用される。
一方、アルミニウムダイカスト金型自体は金型としての高強度が必要であることから材料粉末3として主としてSKD61等の熱間工具鋼が用いられなければならない。
したがって黒鉛を主成分とするグラファイトマスタと材料粉末3を焼結後に得られる焼結体とには熱膨張率に大きな差異が存し、この熱膨張率の違いという問題に起因して特許文献1〜特許文献4に開示された通電加熱焼結方法若しくは通電加熱焼結装置を適用してアルミニウムダイカスト金型等の金属材料製品を製造する場合には、焼結後にグラファイトマスタとして反復使用が期待されるパンチ5a,5bが破損し、これが生産効率の低下と生産コスト増加の原因となるだけでなく、上述した通電加熱焼結方法を適用してアルミニウムダイカスト金型等を製造する利益が失われるという問題がある。
本発明は、以上の従来技術の問題に鑑みてなされたものであって、効率よく経済的に通電加熱焼結方法を適用して精密な表面形状を有する製品を造型することができる通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成する本発明の通電加熱焼結方法は以下の工程より成ることを特徴とする。
(1)ダイスの成形空間に収納された粉末及びパンチよりも大きな抵抗の発熱体に通電して発熱させる第1工程
(2)ダイスの成形空間に収納された粉末に転写する表面形状の成形表面を備えたパンチによって当該成形表面を介して粉末に加圧する第2工程
(3)発熱体の発熱とパンチの加圧によってダイスの成形空間に収納された粉末を加圧し、焼結して焼結体となすと共にパンチの成形表面の表面形状を焼結体に形状転写する第3工程
(4)第3工程後にパンチと焼結体とを離型する第4工程
以上の本発明の通電加熱焼結方法ではパンチと焼結体とを離型する第4工程は第3工程完了直後に行われる。
以上の本発明の通電加熱焼結方法ではパンチと焼結体とを離型する第4工程が第3工程後の焼結体の温度降下に伴う焼結体の熱収縮力がパンチの成形表面の強度限界以内である時間内に行われる。
ここで、パンチの成形表面の強度限界はパンチの材質と表面形状に応じて決定され、パンチの材質特性から算出し、予め設定される。
また以上の本発明の通電加熱焼結方法ではパンチと焼結体とを離型する第4工程が第3工程後の焼結体の温度降下に伴う収縮率が製造目標となる製品形状と焼結体形状の寸法誤差が0.2%以内である時間内に行われる。
ここで、製造目標となる製品形状と焼結体形状の寸法誤差は焼結時に温度センサから得られる測定温度によって計測される様にすることができる。
また製造目標となる製品形状と焼結体形状の寸法誤差が0.2%以内である時間はコンピュータシュミレーション等の方法を用いて焼結体の材質等のデータに基づき予め設定することができる。
以上の本発明の通電加熱焼結方法では第2工程でパンチを介して粉末に加えられる圧力が減圧される過程でパンチと焼結体とを離型する第4工程が行われる。
以上の本発明の通電加熱焼結方法ではパンチと焼結体とを離型する第4工程において焼結体がダイスに保持される。
また以上の課題を達成する本発明の通電加熱焼結装置は内部に粉末を加圧成形するための成形空間を有するダイスと、ダイスの成形空間に嵌合されるパンチと、パンチに伝熱可能に配置される発熱体と、発熱体に通電するための電極装置とパンチに加圧力を与える加圧手段とを備え、前記成形空間で成形された焼結体と前記パンチとを離型するための離型機構が設けられてなることを特徴とする。
以上の本発明の通電加熱焼結装置では、前記離型機構は、電極と発熱体とパンチを着脱可能に相互に取り付けるカップリングを有して成り、そのカップリングによって電極を引き離すと共に発熱体及びパンチを焼結体から離型させる。
以上の本発明の通電加熱焼結装置では、前記離型機構は、パンチに対して加圧手段よって加えられる加圧力に抗して型開き方向へ付勢する離型付勢手段を有してなり、粉末を加圧し、焼結して焼結体となす過程では前記加圧手段によってパンチに加えられる加圧力が前記離型付勢手段による付勢力よりも大なる加圧力に設定されてなる。
また以上の課題を達成する本発明の通電加熱焼結装置は、内部に粉末を加圧成形するための成形空間を有するダイスと、ダイスの成形空間に嵌合されるパンチと、パンチに伝熱可能に配置される発熱体と、発熱体に通電するための電極装置とパンチに加圧力を与える加圧手段とを備え、前記ダイスには前記成形空間で成形された焼結体を保持するための保持機構が設けられてなることを特徴とする。
以上の本発明の通電加熱焼結装置では、前記保持機構は、前記ダイスに前記成形空間に開口するように設けられた離型補助孔と、前記成形空間に突出する態様で離型補助孔に装着される離型補助ピンとよりなる。
また以上の課題を達成する本発明の通電加熱焼結装置は内部に粉末を加圧成形するための成形空間を有するダイスと、ダイスの成形空間に嵌合されるパンチと、パンチに伝熱可能に配置される発熱体と、発熱体に通電するための電極とパンチに加圧力を与える加圧手段とを備え、前記ダイスは複数のダイス要素を組み合わせて成り、複数のダイス要素を組み合わせてダイスの粉末成形空間に形成される接合線が通過するように粉末成形空間に開口する離型穴が設けられてなることを特徴とする。
また以上の課題を達成する本発明の通電加熱焼結装置は内部に粉末を加圧成形するための成形空間を有するダイスと、ダイスの成形空間に嵌合されるパンチと、パンチに伝熱可能に配置される発熱体と、発熱体に通電するための電極装置とパンチに加圧力を与える加圧手段とを備え、前記ダイスには前記成形空間に開口する離型補助穴が設けられ、この離型補助穴を通過する分離線によって前記ダイスが分離可能にされてなることを特徴とする。
以上の本発明の通電加熱焼結装置では、ダイスの成形空間を介して加圧方向に沿って対抗する様に前記パンチを複数配置し、前記発熱体が複数配置されたそれぞれのパンチに対して伝熱可能に配置されるようにすることができる。
以上の本発明の通電加熱焼結装置では、前記パンチは成形空間に収納された粉末に転写する表面形状の成形表面を備えたグラファイトマスタである。
[作用]
以上の本発明の通電加熱焼結方法及びその装置によれば粉末を加圧し、焼結して焼結体となすと共にパンチの成形表面の表面形状を焼結体に形状転写する工程後にパンチと焼結体とを離型し、係る離型は焼結工程完了直後に焼結体の温度降下に伴う収縮率が製造目標となる製品形状と焼結体形状の寸法誤差が0.2%以内である時間内に行われ、例えばパンチを介して粉末に加えられる圧力が減圧される過程で離型が行われるようにするので、熱膨張差によるパンチの破損を防止することができる。
また、以上の本発明の通電加熱焼結方法ではパンチと焼結体とを離型する工程において焼結体がダイスに保持されるので、効率よく離型を行うことができる。
また以上の本発明の通電加熱焼結装置によれば前記成形空間で成形された焼結体と前記パンチとを離型するための離型機構が設けられ、前記離型機構は、電極と発熱体とパンチを着脱可能に相互に取り付けるカップリングによって構成されてカップリングによって電極を引き離すと共に発熱体及びパンチを焼結体から離型させることができる。
また以上の本発明の通電加熱焼結装置によれば前記離型機構は、パンチに対して加圧手段よって加えられる加圧力に抗して型開き方向へ付勢する離型付勢手段によって構成されパンチと焼結体とを離型する工程はパンチを介して粉末に加えられる圧力が減圧される過程で行われる様にすることができる。
また以上の課題を達成する本発明の通電加熱焼結装置では、ダイスには前記成形空間で成形された焼結体を保持するための保持機構が設けられ、前記保持機構は、前記成形空間に突出する態様で離型補助孔に装着される離型補助ピンとより構成され、またはダイスには前記成形空間に開口する離型補助穴が設けられてなり、離型補助ピンまたは離型補助穴に勘合した焼結体によって、パンチと焼結体とを離型する工程において焼結体がダイスに保持される。
以上説明したように、本発明によれば、抵抗の大きな発熱体によって発熱量を増加させることができ、しかもグラファイトマスタとして構成されるパンチを反復使用可能にして経済的に通電加熱焼結方法を適用して精密な表面形状を有する製品を造型することができる。
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1の通電加熱焼結装置を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の実施の形態に係る通電加熱焼結装置の概略構成図である。
図1に示すように、通電加熱焼結装置1はグラファイトによって構成されている円筒状のダイス2を備え、このダイス2は材料粉末3を加圧成形するための成形空間4を有する。このダイス2の成型空間4に材料粉末3が充填された状態でダイス2内側には上下方向からパンチ5a,5bがはまり込んでいる。また、ダイス2には測温用の温度センサ6が取り付けられ、この温度に基づき制御装置7によって電源装置8が制御される。
さらにパンチ5a,5bの上下には円柱形状の発熱体9が設けられている。すなわちパンチ5aの上側面に伝熱可能に接して上側発熱体9aが配置され、パンチ5aとの間でこの上側発熱体9aを狭持する様に電極10aが配置される。一方、パンチ5bの下側面に伝熱可能に接して下側発熱体9bが配置され、パンチ5bとの間でこの下側発熱体9bを狭持する様に電極10bが設けられる。発熱体9の外周は円筒状断熱材11で拘束されこれによって外部への熱放射が防止される。
前記電極10aと電極10bは共に良導体であり、また電極10a,10bには油圧装置(図示せず)が取り付けられており、この油圧装置によって電極10a,10b、発熱体9a,9b、パンチ5a,5bを介して材料粉末3が上下方向から加圧される。また、電極10a,10bには電源装置8と制御装置7が接続されており、電源装置8には、商用電源、或いは直流電源を用いることができる。
制御装置7の制御に応じて電源装置8から電極10a,10bに通電され、これにより電極10a,10bの端面に接触して配置された上側発熱体9a及び下側発熱体9bを介して、パンチ5a,5b、ダイス2、材料粉末3という通電回路が形成される。これによりその回路上の上側発熱体9a及び下側発熱体9bから発生するジュール熱によってパンチ5a,5bを介してダイス2、材料粉末3が加熱されて焼結が進行する。なお、上述した様にダイス2には温度センサ6が取り付けられており、この温度センサ6によって検知される温度に基づき制御装置7によって電源装置8をコントロールして、ダイス2、材料粉末3に加えられる熱量が制御される。
ダイス2の外側には断熱材12、金属サポート13が設けられる。金属サポート13はダイス2外径よりも大なる内側部直径を有する2つ割りの円筒状に形成される。断熱材12をダイス2外側を取り巻く様に配置した状態でその断熱材12外側に金属サポート13が配置されると共に2つ割りの各部が締結されて、内側の断熱材12を介してダイス2が外部から均一に加圧されて、焼結中のダイス2の破損が防止される。
また、断熱材12は金属サポート13とダイス2間に配置されて、焼結時にダイス2から発生する熱の放出を遮断して金属サポート13が熱により軟化するのを防止する。このように、断熱材12を介して金属サポート13によってダイス2を外部から均一に加圧保持して強度を補完することにより、ダイス2自体を薄肉化その熱容量を低減することができるため、焼結に必要な熱量を減らすことができる。換言すれば発熱体9によって発生される熱が効率的に材料粉末3に加えられる様にすることができる。
なお、図示される様に電極10a,10b、上側発熱体9a及び下側発熱体9b、パンチ5a,5b、ダイス2は、真空チャンバ14内に収容される。
前記ダイス2の材料としては、高温時の強度が高く、且つ材料粉末3等が付着し難いグラファイトが一般に用いられている。
一方、前記上側発熱体9a及び下側発熱体9bには、前記ダイス2を構成している黒鉛に対して高い電気抵抗を有する炭化珪素(SiC)発熱体が用いられる。この上側発熱体9a及び下側発熱体9bは大きな電気抵抗を有し、大型の焼結体を製造するために径を大きくしたパンチ5aとパンチ5bを用いても、材料粉末3を速やかに昇温させるに足る十分なジュール熱を得ることができる。
ここで、上側発熱体9a及び下側発熱体9bにおける発熱量は、電源装置8からの電流値が等しければ、直列回路全体の抵抗を高くすることによって総発熱量を高くすることができる。したがって炭化珪素(SiC)を用いることによって抵抗値を大きくした上側発熱体9a及び下側発熱体9bからの発熱量は高電圧を印加して低電流値を維持することによって高くすることができる。換言すれば抵抗値を大きくした炭化珪素発熱体を用いることによって高電圧・低電流によって高い発熱量を得ることが可能となる。すなわち、一般的な放電プラズマ焼結装置を用いるよりも、本実施形態の炭化珪素発熱体9a,9bを用いる方が高電圧・低電流によって発熱量を大きくすることができる。
したがって発熱体9a,9bは、パンチ5a及びパンチ5b以上の電気抵抗を有している必要があり、上述した炭化珪素の他に窒化珪素、アルミナ、ジルコニア、ムライト等の材料が用いられる。
また、前記発熱体9a,9bによって発生される熱は、パンチ5a,5bの伝熱により材料粉末3に伝えられ、材料粉末3を均一に加熱することができる。
更に、上記パンチ5a,5bは、ダイス2の成形空間4に密に嵌合する形状を有していて、材料粉末3が上側発熱体9a及び下側発熱体9bとダイス2との間に材料粉末3が侵入するのを防止するようにしており、このために、前記パンチ5a,5bは黒鉛にて形成されているダイスと略同等の熱膨張率を有する構成にする。
次に本発明の通電加熱焼結装置における離型機構について説明する。
図2〜図4は材料粉末3を焼結後に得られる焼結体15からパンチ5a,5bをばねを利用して押し離す仕組みの離型機構の詳細を示す。
図2〜図4に示される方式では、パンチ5a,5b、発熱体9、電極10a,10bは連結されておらず、電極10a,10bによる加圧によって接触状態を保っている。パンチ5a,5bには発熱体9に接触する部分にそれぞれパンチ鍔部16a,16bが設けられている。
離型機構はフランジ17a,17bと金属サポート13の外側に金属サポート13から張りだす態様で設けられたサポート部13aとフランジ17a,17b−サポート部13a間に設けられたスプリング23とより構成される。
フランジ17a,17b内側には、パンチ5a,5bを挿通するパンチ孔部18a,18bが設けられ、そのパンチ孔部18a,18b内側にはパンチ係合段部19a,19bが設けられて、そのパンチ係合段部19a,19bにパンチ5a,5bのパンチ鍔部16a,16bが係合する。
フランジ17a,17bとサポート部13aには相互に対応する位置に中心を共通にしてフランジ孔部20a,20b及びサポート部孔部21a,21bが設けられる。このフランジ孔部20aにはストッパー22の軸部22aが挿通され、ストッパー22はその先端22bがサポート部孔部21aに螺合されると共に基端部22cがフランジ17a外側面に保持される。
このようにストッパー22で連結することでフランジ17a,17b−サポート部13aすなわち金属サポート13間の最大幅を制限している。また、フランジ17a,17b−金属サポート13のサポート部13a間にはスプリング23が設けられており、フランジ17a,17bと金属サポート13のサポート部13a間がスプリング23の長さよりも狭くなった場合、フランジ17a,17bは常にスプリング23によって型開き方向へ加圧される。このとき、スプリング23はストッパー22をガイドとしてストッパー22の軸方向のみに弾性的に伸縮し、したがって金属サポート13のサポート部13aとフランジ17a,17bとの間隔を増減させる方向にのみスプリング23による弾性的付勢が行われる。
図2〜図4に示されるように、フランジ17aの両側面のフランジ孔部20aの開口部周縁及びフランジ17bの両側面のフランジ孔部20bの開口部周縁には絶縁体25が設けられ、これによって上下のフランジ17a,17bとストッパー22及びスプリング23間が絶縁される。これによりフランジ17a,17bとストッパー22、スプリング23間での直接的な通電及び放電が防止され、フランジ17a,17bと金属サポート13とは電気的に絶縁される。
絶縁体25は留め金24によってフランジ20に固定される。具体的には絶縁体25はワッシャー形状をしたマイカ板で、ストッパー22基端部22cの首下(下面)とフランジ孔部20aの間に狭持される。したがって留め金24によって絶縁体25はフランジ17a外側面に保持され、フランジ17aが下方に位置してその外側面がストッパー22の基端部22cから離隔している状態でもストッパー22の軸部22aをフランジ孔部20a,20bの中心付近に拘束して位置決めする。
なお、フランジ17a,17b、ストッパー22及び金属サポート13間の抵抗はパンチ5a,5b、ダイス2の電気抵抗値と同等、あるいはそれ以下であり、抵抗値に大きな差異がないことから、上下のフランジ17a,17bとストッパー22及びスプリング23間が短絡し若しくは通電が発生した場合、パンチ5a,5b、ダイス2によって構成される通電回路の電流が不足し、上側発熱体9aと下側発熱体9bにおける発熱量が不十分となり、焼結に必要な熱量が不足して焼結不良が発生する原因となる。
ダイス2のパンチ5a,5bによる加圧方向の中心付近であってパンチ5a,5bが挿入されて材料粉末3を加圧成形するための成形空間4を形成する領域には離型補助孔26が設けられる。この離型補助孔26はダイス2の内側から外側に向けてパンチ5a,5bによる加圧方向と垂直方向に延出して開口し、さらに断熱材12に設けられる貫通孔26aと連通する。また金属サポート13にはその内側からサポート部13aに向けて貫通する貫通孔26bが設けられ、ダイス2、断熱材12及び金属サポート13は離型補助孔26、貫通孔26a及び貫通孔26bが連通する位置関係で配置されて組み付けられる。
そのように離型補助孔26、貫通孔26a及び貫通孔26bが連通する位置関係でダイス2、断熱材12及び金属サポート13を配置した状態で離型補助孔26、貫通孔26a及び貫通孔26bには離型補助ピン27が挿通される。その離型補助ピン27の補助ピン先端27aはダイス2内側にパンチ5a,5bが挿入されて形成される成形空間4に突出する。
次に図6〜図を参照して以上の本発明の実施の形態1の通電加熱焼結装置を用いて行われる通電加熱焼結方法につき説明する。
まず、ダイス2の成形空間4に下側発熱体9bを挿入してパンチ5b及び下側発熱体9bを電極10bによって支持した状態において、金属やセラミック等の材料粉末3を上方から前記成形空間4内に供給する(Step1)。そして、成形空間4に上方からパンチ5a及び上側発熱体9aを挿入する(Step2)。
この状態において上側発熱体9a及び下側発熱体9b、パンチ5a,5b及びダイス2を収納した真空チャンバ14内を真空状態、または不活性ガス雰囲気、あるいは水素ガス等の還元ガス雰囲気とする(Step3)。
この状態で、電極10a,10b、上側発熱体9a及び下側発熱体9b、パンチ5a,5bを図示しない油圧装置によって材料粉末3の加圧方向に図上矢印で示す方向に移動して材料粉末3に対する加圧を行う(Step4)。
さらに、電源装置8を用いて、上側発熱体9aと下側発熱体9bの間に電圧を印加することにより、上側発熱体9aと下側発熱体9bを通してパンチ5a,5b及びダイス2内の材料粉末3に電流を流し、該電流によって、上側発熱体9a及び下側発熱体9bのジュール発熱、更には材料粉末3自身のジュール発熱により、材料粉末3を高温に加熱する(Step5)。これにより、加圧下にある材料粉末3は加圧され、高温に加熱されて結合し易い状態となり、焼結されて加圧焼結体となる
前記したような構成において、前述の如く、電源装置8により電極10a,10bに電圧を印加すると、上側発熱体9a、パンチ5a、材料粉末3、ダイス2、パンチ5b、下側発熱体9bという経路で電流が流れる。
このとき上述したように、大きなジュール熱が上側発熱体9a及び下側発熱体9bで得られるので、材料粉末3の容積が大きくても十分にこの材料粉末3を加熱することができる。また、前記上側発熱体9a及び下側発熱体9bからの熱がパンチ5a,5bによって径方向に分散されることにより、材料粉末3を均一に加熱することができる。
またその際、パンチ5a,5bの材料粉末3を直接加圧する表面には金型としての表面形状が造型されており、その表面形状が材料粉末3の加熱加圧焼結よって得られる焼結体15に転写され、焼結体15はパンチ5a,5bの金型としての表面形状が転写された精密形状を有する焼結体となる(Step6)。
以上の焼結過程では電極10a,10bによって上下方向からの加圧、通電が行われて、電極10a,10bにより発熱体9a,9bを介してパンチ5a,5bが加圧され、それと同時にパンチ5a,5bのパンチ鍔部16a,16bに係合するパンチ係合段部19a,19bを介してフランジ17a,17bも材料粉末3の加圧方向に加圧される。
その様にフランジ17a,17bが加圧される結果、フランジ17a,17bとサポート部13a間に配設されるスプリング23が圧縮され、スプリング23によってフランジ17a,17bとサポート部13a間を広げる方向の反発力が生じる。しかし、このスプリング23の反発力に上回る加圧力が油圧装置によって電極10a,10b、上側発熱体9a及び下側発熱体9b、パンチ5a,5bに加えられて材料粉末3に十分な圧力を加えることができ、十分な加圧焼結を行うことができる。
焼結終了後の冷却過程では、油圧装置によって電極10a,10b、上側発熱体9a及び下側発熱体9b、パンチ5a,5bに加えられる加圧力を下げて行き、この加圧力がスプリング23の反発力よりも小さくなった時点で、フランジ17a,17b、パンチ5a,5b、発熱体9a,9b、電極10a,10bがスプリング23の反発力によって材料粉末3に対する加圧方向とは逆方向である型開き方向へ加圧される(Step7)。次に、焼結体15とパンチ5a,5bとの離型の際の離型抵抗及び油圧装置によって電極10a,10bに加えられる加圧力よりもスプリング23の反発力が大きくなった時点で、焼結体15とパンチ5a,5bの離型が行われる(Step8)。
なお、スプリング23の反発力はフランジ17a,17bとサポート部13a間における圧縮量によって変化するため、焼結時のスプリング23圧縮量と電極10a,10bの加圧力及び焼結体15とパンチ5a,5bとの離型抵抗に応じてスプリング23の反発力すなわち弾性係数等の弾性的性質は適切に設定する必要がある。
以上の焼結後の離型過程において本発明の通電加熱焼結装置によれば上述した様に、離型補助孔26、断熱材12に設けられる貫通孔26a、貫通孔26b、離型補助ピン27によって構成される焼結体15の保持機構によって離型過程における焼結体15の保持が行われる。
具体的には、上述した様に材料粉末3の焼結過程において離型補助ピン27の補助ピン先端27aはダイス2内側にパンチ5a,5bが挿入されて形成される成形空間4に突出しており、その結果、材料粉末3の焼結過程において補助ピン先端27aが焼結体15中に突設して配置された状態となり、離型補助ピン27の補助ピン先端27aによって焼結体15がダイス2内側に保持された状態となる。その様に焼結体15をダイス2内側に保持することで焼結体15とパンチ5a,5bとの離型を確実に行うことができる。また図5に模式的に示す様に離型後は離型補助ピン27を離型補助孔26から引き抜いて焼結体15をダイス2から簡単に取り外すことができる。
このように焼結体15がダイス2内側に固定されていない場合、焼結体15からの離型の際に上側パンチ5aと下側パンチ5bのうちで離型抵抗のより大きい側に焼結体15が付着した状態で焼結後の離型過程が進行し、上側パンチ5aと下側パンチ5bのうちいずれか一方の離型ができなくなる。
次いで以上の様に焼結体15とパンチ5a,5bの離型が行われるた状態で必要に応じて焼結体15を取り出し、さらに真空チャンバ14内の真空状態を解除し(Step9)、上側パンチ5aを引き出し(Step10)、焼結工程を終了する。
図7は以上の焼結過程におけるダイス2内側における温度を上側パンチ5aと下側パンチ5bに加わる加圧力と真空チャンバ14内の真空度の変化を示すタイムチャートである。図7に示される様にダイス2の成形空間4に下側発熱体9bを挿入してパンチ5b及び下側発熱体9bを電極10bによって支持した状態において、金属やセラミック等の材料粉末3を上方から前記成形空間4内に供給し(Step1)、成形空間4に上方からパンチ5a及び上側発熱体9aを挿入した(Step2)状態で真空チャンバ14が減圧されて真空チャンバ14内の真空度が上昇し、十分な真空度が得られた状態で材料粉末3に対する加圧が開始される(Step4)。
次に材料粉末3に対して十分な加圧が行われた状態で、電源装置8による上側発熱体9aと下側発熱体9b間の電圧印加を開始し、上側発熱体9a及び下側発熱体9bのジュール発熱により、材料粉末3を高温に加熱して(Step5)一定時間保持し、焼結が終了して冷却が開始すると共に離型機構が作動して(Step7)焼結体15に対するパンチ5a,5bによる加圧力が解除される。
次に、焼結体15とパンチ5a,5bとの離型の際の離型抵抗及び油圧装置によって電極10a,10bに加えられる加圧力よりもスプリング23の反発力が大きくなった時点で、焼結体15とパンチ5a,5bの離型が行われる(Step9、Step10)。その後ダイス2内側温度が250〜300℃程度に降下した時点で、真空チャンバ14内の真空状態が解除されパンチ5a,5b(グラファイト型)と共に焼結体15が取り出されて所定の熱処理工程に供される。
以上の図7に示されるタイムチャートの態様では焼結体15とパンチ5a,5b等の取り扱い上の安全性の観点と高温状態で真空チャンバ14内の真空解除を行うと、パンチ5a,5b(グラファイト型)の酸化、真空チャンバ14の熱による劣化が発生し、これを防止する必要があることから焼結体15とパンチ5a,5bの取り出し温度が250〜300℃とされている。
従って、焼結体15の劣化の防止と高精度化を実現するという目的で焼結直後に焼結体15に熱処理を行う場合には図8のタイムチャートに示される焼結工程が実施される。
図8のタイムチャートに示される焼結工程では前述の図7に示されるタイムチャートの態様とは異なり、焼結体15に対するパンチ5a,5bによる加圧力が解除されると同時にダイス2内側温度が800〜900℃程度の高温である時点で焼結体15の取り出し及び設処理工程への移送が行われ、一方、真空チャンバ14内の真空状態は可能な範囲で維持されて、その後ダイス2内側温度が250〜300℃程度に降下した時点で、真空チャンバ14内の真空状態が解除される。
これにより焼結体15が真空チャンバ14内にダイス2内側温度が250〜300℃程度まで降下するまで保持されることによる特性の劣化を可及的に防止すると共に高温状態で真空チャンバ14内の真空が解除されることによるパンチ5a,5b(グラファイト型)の酸化、真空チャンバ14の熱による劣化が防止される。
[実施の形態2]
図9は本発明の実施の形態2としてダイス2内側にパンチ5a,5bが挿入されて形成される成形空間4の領域でダイス2が上下の部分に分割される様にすると共に、その分割部分のダイス2の内側部に保持凹部28が形成される様にした焼結体15の保持機構についての概念図を示す。
この保持機構によれば、焼結体15に保持凹部28に突出する保持突部15aが形成され、この保持突部15aがダイス2の保持凹部28に係合した状態で焼結体15からのパンチ5a,5bの離型が行われるので、焼結体15からのパンチ5a,5bの離型を確実に行うことができる。また離型後はダイス2を上下の部分に分割して焼結体15をダイス2から取り外すことができる。
[実施の形態3]
図10乃至図15は本発明の実施の形態3の通電加熱焼結装置を示す。この実施の形態3の通電加熱焼結装置は、上下電極10a,10bとパンチ5a,5bをカップリング29によって組み付けることにより、焼結体15とパンチ5a,5bの離型を可能としている。
実施の形態3の通電加熱焼結装置では、図に示す様に電極10a,10bの端部に電極鍔部30a,30bが設けられ、一方パンチ5a,5bの端部には電極鍔部30a,30bとほぼ同径のパンチ鍔部31a,31bが設けられる。その電極鍔部30a,30bとパンチ鍔部31a,31bとの間に発熱体9a,9bを配置し、電極鍔部30a,30bとパンチ鍔部31a,31bをカップリング29によって挟み込み、電極鍔部30a,30bとパンチ鍔部31a,31bとの間に発熱体9a,9bを挟持した状態で電極10a,10bと発熱体9a,9bとパンチ5a,5bとがカップリング29によって組み付けられて一体化される。
従ってその様に組み付けられた状態では、油圧装置によって電極10a,10bが昇降されると電極10a,10bと一体となって発熱体9a,9bとパンチ5a,5bとが昇降し、油圧装置による電極10a,10bの昇降によって材料粉末3の加圧焼結及び焼結体15からのパンチ5a,5bの離型が行われる。すなわち電極10a,10bを油圧装置によって型開き方向に引き離す動きに伴い上側発熱体9a及び下側発熱体9b、パンチ5a,5bを型開き方向に移動させ、これによってパンチ5a,5bを焼結体15から離型させることができる。
以上の実施の形態3の通電加熱焼結装置では電極10a,10bとカップリング29、パンチ5a,5bとカップリング29との間には絶縁体25が配置されて、その間が短絡して発熱体9a,9bへの通電が阻害されることを防止している。この場合に絶縁処理したカップリング29を設ける様にすることもできる。
なおこの実施の形態3の通電加熱焼結装置でも実施の形態1、実施の形態2の通電加熱焼結装置と同様に、離型補助孔26、断熱材12に設けられる貫通孔26a、貫通孔26b、離型補助ピン27によって構成される焼結体15の保持機構によって離型過程における焼結体15の保持が行われる。
具体的には、上述した様に材料粉末3の焼結過程において離型補助ピン27の補助ピン先端27aはダイス2内側にパンチ5a,5bが挿入されて形成される成形空間4に突出しており、その結果、材料粉末3の焼結過程において補助ピン先端27aが焼結体15中に突設して配置された状態となり、離型補助ピン27の補助ピン先端27aによって焼結体15がダイス2内側に保持された状態となる。その様に焼結体15をダイス2内側に保持することで焼結体15とパンチ5a,5bとの離型を確実に行うことができる。また図9に模式的に示す様に離型後は離型補助ピン27を離型補助孔26から引き抜いて焼結体15をダイス2から簡単に取り外すことができる。
本発明の通電加熱焼結方法及び通電加熱焼結装置は例えばアルミニウムダイカスト金型の通電加熱焼結に好適に適用できる。
本発明の実施の形態に係る通電加熱焼結装置の概略構成図である。 図1B−B断面図である。 図1A−A断面図である。 図1に示す通電加熱焼結装置の部分拡大図である。 図1に示す通電加熱焼結装置の動作を示す模式図である。 図1に示す通電加熱焼結装置を用いて行う本発明の実施の形態に係る通電加熱焼結方法のフローチャートである。 図1に示す通電加熱焼結装置を用いて行う本発明の実施の形態に係る通電加熱焼結方法のタイムチャートである。 図1に示す通電加熱焼結装置を用いて行う本発明の実施の形態に係る通電加熱焼結方法の他のタイムチャートである。 本発明の他の実施の形態に係る通電加熱焼結装置の模式図である。 本発明の他の実施の形態に係る通電加熱焼結装置の概略構成図である。 図10に示す通電加熱焼結装置の部分拡大図である。 従来の通電加熱焼結装置の概略構成図である。 従来の通電加熱焼結装置の概略構成図である。 従来の通電加熱焼結装置の概略構成図である。 従来の通電加熱焼結装置の概略構成図である。
符号の説明
1・・・通電加熱焼結装置、2・・・ダイス、3・・・材料粉末、4・・・成形空間、5・・・パンチ、6・・・温度センサ、7・・・制御装置 、8・・・電源装置、9・・・発熱体、10・・・電極、11・・・円筒状断熱材、12・・・断熱材、13・・・金属サポート、14・・・真空チャンバ、15・・・焼結体、16・・・パンチ鍔部、17・・・フランジ、18・・・パンチ孔部、19・・・パンチ係合段部段部、20・・・フランジ孔部、21・・・サポート部孔部、22・・・ストッパー、23・・・スプリング・・・、24・・・留め金、25・・・絶縁体 、26・・・離型補助孔、27・・・離型補助ピン、28・・・保持凹部、29・・・カップリング、30・・・電極鍔部、31・・・パンチ鍔部。

Claims (15)

  1. 以下の工程より成ることを特徴とする通電加熱焼結方法。
    (1)ダイスの成形空間に収納された粉末及びパンチよりも大きな抵抗の発熱体に通電して発熱させる第1工程
    (2)ダイスの成形空間に収納された粉末に転写する表面形状の成形表面を備えたパンチによって当該成形表面を介して粉末に加圧する第2工程
    (3)発熱体の発熱とパンチの加圧によってダイスの成形空間に収納された粉末を加圧し、焼結して焼結体となすと共にパンチの成形表面の表面形状を焼結体に形状転写する第3工程
    (4)第3工程後にパンチと焼結体とを離型する第4工程
  2. パンチと焼結体とを離型する第4工程が第3工程完了直後に行われる請求項1記載の通電加熱焼結方法。
  3. パンチと焼結体とを離型する第4工程が第3工程後の焼結体の温度降下に伴う焼結体の熱収縮力がパンチの成形表面の強度限界以内である時間内に行われる請求項1記載の通電加熱焼結方法。
  4. パンチと焼結体とを離型する第4工程が第3工程後の焼結体の温度降下に伴う収縮率が製造目標となる製品形状と焼結体形状の寸法誤差が0.2%以内である時間内に行われる請求項1記載の通電加熱焼結方法。
  5. 第2工程でパンチを介して粉末に加えられる圧力が減圧される過程でパンチと焼結体とを離型する第4工程が行われる請求項1記載の通電加熱焼結方法。
  6. パンチと焼結体とを離型する第4工程において焼結体がダイスに保持される請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の通電加熱焼結方法。
  7. 内部に粉末を加圧成形するための成形空間を有するダイスと、ダイスの成形空間に嵌合されるパンチと、パンチに伝熱可能に配置される発熱体と、発熱体に通電するための電極装置とパンチに加圧力を与える加圧手段とを備え、前記成形空間で成形された焼結体と前記パンチとを離型するための離型機構が設けられてなることを特徴とする通電加熱焼結装置。
  8. 前記離型機構は、電極と発熱体とパンチを着脱可能に相互に取り付けるカップリングを有して成り、そのカップリングによって電極を引き離すと共に発熱体及びパンチを焼結体から離型させる請求項7に記載の通電加熱焼結装置。
  9. 前記離型機構は、パンチに対して加圧手段よって加えられる加圧力に抗して型開き方向へ付勢する離型付勢手段を有してなり、粉末を加圧し、焼結して焼結体となす過程では前記加圧手段によってパンチに加えられる加圧力が前記離型付勢手段による付勢力よりも大なる加圧力に設定されてなる請求項7または請求項8に記載の通電加熱焼結装置。
  10. 内部に粉末を加圧成形するための成形空間を有するダイスと、ダイスの成形空間に嵌合されるパンチと、パンチに伝熱可能に配置される発熱体と、発熱体に通電するための電極装置とパンチに加圧力を与える加圧手段とを備え、前記ダイスには前記成形空間で成形された焼結体を保持するための保持機構が設けられてなることを特徴とする通電加熱焼結装置。
  11. 前記保持機構は、前記ダイスに前記成形空間に開口するように設けられた離型補助孔と、前記成形空間に突出する態様で離型補助孔に装着される離型補助ピンとよりなる請求項10に記載の通電加熱焼結装置。
  12. 内部に粉末を加圧成形するための成形空間を有するダイスと、ダイスの成形空間に嵌合されるパンチと、パンチに伝熱可能に配置される発熱体と、発熱体に通電するための電極とパンチに加圧力を与える加圧手段とを備え、前記ダイスは複数のダイス要素を組み合わせて成り、複数のダイス要素を組み合わせてダイスの粉末成形空間に形成される接合線が通過するように粉末成形空間に開口する離型穴が設けられてなることを特徴とする通電加熱焼結装置。
  13. 内部に粉末を加圧成形するための成形空間を有するダイスと、ダイスの成形空間に嵌合されるパンチと、パンチに伝熱可能に配置される発熱体と、発熱体に通電するための電極装置とパンチに加圧力を与える加圧手段とを備え、前記ダイスには前記成形空間に開口する離型補助穴が設けられ、この離型補助穴を通過する分離線によって前記ダイスが分離可能にされてなることを特徴とする通電加熱焼結装置。
  14. ダイスの成形空間を介して加圧方向に沿って対抗する様に前記パンチを複数配置し、前記発熱体が複数配置されたそれぞれのパンチに対して伝熱可能に配置される請求項7ないし請求項13のいずれか一に記載の通電加熱焼結装置。
  15. 前記パンチが成形空間に収納された粉末に転写する表面形状の成形表面を備えたグラファイトマスタである請求項7ないし請求項14のいずれか一に記載の通電加熱焼結装置。
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