JP2013023521A - ウレタン(メタ)アクリレート - Google Patents

ウレタン(メタ)アクリレート Download PDF

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俊介 高瀬
Tetsuo Masubuchi
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Abstract

【課題】優れた耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性を示す、ウレタン(メタ)アクリレートを提供する。
【解決手段】2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(a)と、下記式(A)と下記式(B)の繰り返し単位を含み、末端基が水酸基のポリカーボネートジオール(b)と、分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個以上有する水酸基含有(メタ)アクリレート(c)との反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレート。
Figure 2013023521

(式中、Rは、2−メチル−1,3−プロパンジオールに由来するアルキレン基以外の、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネートジオールを原料として得られる耐水性、柔軟性、密着性など各種物性バランスに優れ、コーティング用途や成型物用途に用いた際にこれまでより優れた耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性を示す新規なウレタン(メタ)アクリレートに関する。
従来から、紫外線や電子線の照射によって硬化するエネルギー線硬化性樹脂や、熱により硬化する熱硬化性樹脂が多数開発され、塗料、インキ、接着剤、粘着剤、成型材料等に広く利用されている。
中でも、ウレタン(メタ)アクリレートは、構成原料の多様性による設計自由度の高さから、目的に応じ強靭性、耐薬品性、柔軟性などの特長を持つ様々なタイプのウレタン(メタ)アクリレートが製造されている。
ポリカーボネートジオールを原料とするウレタン(メタ)アクリレートは、その構造に起因する特長より、耐加水分解性、耐候性、耐薬品性を有し、かつ柔軟性も有する材料として各種特許文献により多数紹介されている。
代表的な例を挙げると、特許文献1は数平均分子量250〜850のポリカーボネートジオールとジイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートを含有する硬化性組成物が開示されている。また、特許文献2では、特定のポリカーボネートジオールと、一分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物と、水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応物である硬化性組成物が紹介されている。
しかしながら、上記に示す化合物は、様々な物性に関して必ずしも満足のできる化合物とは言えなかった。
特開2005−171154号公報 特開2008−37989号公報
本発明は、ポリカーボネートジオールを原料として得られる耐水性、柔軟性、密着性など各種物性バランスに優れ、コーティング用途や成型物用途に用いた際にこれまでより優れた耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性を示す、新規なウレタン(メタ)アクリレートを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のポリカーボネートジオールと特定の水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることにより上記の問題点を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、
(1)少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(a)と、ポリカーボネートジオール(b)と、分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個以上有する水酸基含有(メタ)アクリレート(c)との反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートであって、ポリカーボネートジオール(b)が、下記式(A)と下記式(B)の繰り返し単位を含み、末端基が水酸基であり、(A)と(B)の割合がモル比率で99:1〜1:99であるウレタン(メタ)アクリレート。
Figure 2013023521

(式中、Rは、2−メチル−1,3−プロパンジオールに由来するアルキレン基以外の、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。)
(2)上記式(B)中のRが下記式(C)で表される、上記(1)に記載のウレタン(メタ)アクリレート。
Figure 2013023521

(式中、nは、2〜10の整数を表す。)
(3)nが4〜6の整数を表す、上記(2)に記載のウレタン(メタ)アクリレート。
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載のウレタン(メタ)アクリレートと、それ以外の(メタ)アクリル酸エステルとを含む、配合組成物。
(5)上記(4)に記載の配合組成物からなる、コーティング剤。
(6)上記(4)に記載の配合組成物からなる、成型材料。
に関するものである。
本発明のポリカーボネートジオール原料ウレタン(メタ)アクリレートは、高い耐水性、柔軟性、密着性などの物性のバランスに優れ、かつコーティング用途や成型物用途に用いた際にこれまでより優れた耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性を示すという効果を有する。
以下、本願発明について具体的に説明する。
(1)イソシアネート化合物(a)について
本発明で用いるイソシアネート化合物(a)としては、2,4−トリレジンジイソシアネート、2,6−トリレジンジイソシアネート及びその混合物、粗製トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3´−ジメチル−4,4´ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(PMDI)、ジアニジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、p−フェニレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート、4,4´−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート(水添MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)などの脂環式ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートおよびその混合物(TMDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、リジンイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートを挙げることができる。耐光性、耐候性などの観点から、脂環式ジイソシアネート又は脂肪族ジイソシアネートを用いることが好ましい。上記のイソシアネート化合物(a)は、カルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性、アロファネート変性、ウレトジオン変性などの変性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によりブロックされたブロックドイソシアネートとして用いてもよい。通常は1種のイソシアネート化合物(a)を選択して用いるが、上記イソシアネート化合物(a)から2種類以上を選択しそれらを混合して、または逐次追加して用いることもできる。さらに、反応中にゲル化させない範囲で1分子中にイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートを用いることもできる。1分子中にイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物としては、上記のイソシアネート化合物(a)のイソシアヌレート三量体、ビウレット三量体、トリメチロールプロパンアダクト化合物などに加え、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネートなどが挙げられる。さらに、これらのイソシアヌレート変性やビウレット変性などの変性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によりブロックされたブロックドイソシアネートの形で用いてもよい。
(2)ポリカーボネートジオール(b)について
本発明で用いるポリカーボネートジオール(b)は、ジオールモノマーとカーボネートモノマーを原料に用い、エステル交換に付することで合成することができる。
本発明で用いるポリカーボネートジオール(b)の合成に使用するジオールモノマーは少なくとも2種使用され、それぞれ、下記式(D)と下記式(E)で表される。
Figure 2013023521

(式中、Rは、2−メチル−1,3−プロパンジオールに由来するアルキレン基以外の、炭素数2〜20のアルキレン基を示す。)
上記式(E)で表されるジオールモノマーは、2−メチル−1,3−プロパンジオールを除くジオールモノマーであって、その例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−イソプロピル−1,4−ブタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパンなどを挙げることができる。なかでも、炭素数2〜10の直鎖アルキレンジオールを用いるのが好ましく、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールがより好ましい。1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールがさらに好ましい。1,4−ブタンジオールが最も好ましい。上記式(E)で表されるジオールモノマーは、1種類のみを用いても2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるポリカーボネートジオール(b)は、上記式(A)の繰り返し単位と上記式(B)の繰り返し単位との割合がモル比率で通常99:1〜1:99であり、好ましくは、80:20〜20:80であり、より好ましくは、70:30〜30:70である。また、ポリカーボネートジオール(b)は、末端が水酸基であることが好ましい。
また、本発明で用いられるポリカーボネートジオール(b)には、原料である(D)と(E)のジオールモノマーの他に、1分子に3個以上のヒドロキシル基を持つ化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを少量用いることにより、多官能化したポリカーボネートも含まれる。1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物の使用量が多すぎると、架橋してゲル化が起きてしまう。したがって、使用する場合であってもジオールモノマーの合計モル数に対して、5モル%以下にするのが好ましく、2モル%以下にするのがより好ましい。
本発明で用いられるポリカーボネートジオール(b)の平均分子量の範囲は、数平均分子量で300〜10000であることが好ましく、より好ましくは400〜5000である。しかし、用途によっては樹脂組成物の粘度を低く抑えることが要求されるため、その場合は、ポリカーボネートジオール(b)の平均分子量を400〜2500、更に好ましくは500〜1000とすると、樹脂組成物の設計が容易となる。
本発明で用いるポリカーボネートジオール(b)には、アルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカーボネートモノマーを原料に用いることができる。アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネートなどが挙げられる。また、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネートなどが挙げられる、ジアルキレンカーボネートとしては、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。そのなかでも、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネートが好ましく、エチレンカーボネートを用いるのがより好ましい。
本発明におけるポリカーボネートジオール(b)は、上記ジオールモノマーおよびカーボネートモノマーを反応器に仕込み、エステル交換反応により合成することができる。本発明のポリカーボネートジオール(b)は、エステル交換反応時に、生成するカーボネートモノマー由来のアルコール類、および縮合反応により生成するジオールモノマー類を真空下にて除去することにより所望の分子量に調整することができる。エステル交換の反応温度は、通常120℃〜280℃にする。好ましくは、140℃〜230℃である。
本発明で用いるポリカーボネートジオール(b)は、エステル交換反応の際、反応を速めたい場合に触媒を用いることが望ましい。触媒としては、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタンなどのチタン化合物、ジ−n−ブチルスズジラウレート、ジ−n−ブチルスズオキサイド、ジブチルスズジアセテートなどのスズ化合物、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛などの酢酸の金属塩などがある。なかでもチタン化合物を用いるのが好ましい。これらの触媒は、反応物に対し1〜300ppmとなるように用いるのが好ましく、30〜200ppmとなるように用いるのがより好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリカーボネートジオール(b)と併せて、
ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールを使用することもできる。
(3)水酸基含有(メタ)アクリレート(c)について
本発明で用いる水酸基含有(メタ)アクリレート(c)としては、分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個以上有するものを用いることができる。具体的には、トリメチロールプロパンジアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、並びにこれらのアクリレートに対応するメタアクリレート、グリセリンジアクリレート等が挙げられ、水酸基を含有する(メタ)アクリレートモノマーで、分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個以上有するものであれば原料として使用することができる。これらは、単独で用いることもできるし、2種以上を併用することもできる。
(4)ポリカーボネートジオール原料ウレタン(メタ)アクリレート及びその合成について
本発明において、ウレタン(メタ)アクリレートは、イソシアネート化合物(a)と、ポリカーボネートジオール(b)と、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)との反応生成物である。ウレタン(メタ)アクリレートは、公知の方法により得ることができる。例えば、イソシアネート化合物(a)と、ポリカーボネートジオール(b)とを反応させて、末端がイソシアネート基となったプレポリマーを合成した後、これに水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を反応させる方法等がある。
本発明において、前記反応の際のイソシアネート化合物(a)の配合量は、ポリカーボネートジオール(b)の水酸基の合計に対し、イソシアネート基/水酸基比率で通常1.5〜5.0であり、1.8〜3.0とするのが好ましく、1.9〜2.1とするのがさらに好ましい。イソシアネート化合物(a)の配合量がイソシアネート基/水酸基比率1.5当量より少ない場合は、高分子量化が進行し高粘度化するため本発明の目的から外れたものとなる可能性がある。一方、イソシアネート基/水酸基比率を5.0以内であれば、未反応のイソシアネート化合物分子を減らすことができるので、本発明のウレタン(メタ)アクリレート以外のものを少量に抑えることができるため好ましい。
本発明において、前記反応の際の水酸基含有(メタ)アクリレート(c)の配合量は、その水酸基当量に基づいて決定される。イソシアネート化合物(a)とポリカーボネートジオール(b)の反応で得られた末端イソシアネート基重合物のイソシアネート基当量と、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)の水酸基当量との好ましい範囲は、水酸基/イソシアネート基比率で0.8〜1.5であり、より好ましくは1.0〜1.3である。水酸基/イソシアネート基比率が1.5を超える場合、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)は本発明の構造に取り込まれずアクリルモノマーとしてそのまま存在することになり、配合設計の自由度を損なう可能性がある。ただし、コーティング組成物や成型用組成物の配合構成原料として本発明の構造に取り込まれない水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を意図的に利用する場合はこの限りでない。また、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基/イソシアネート基比率が0.8以上では、重合物の末端にイソシアネート基が多数残存することにならず、好ましい。
これらイソシアネート基と水酸基との反応、いわゆるウレタン反応時の温度は、通常120℃以下である。反応温度が高すぎると、反応速度制御が困難になるため高分子量化が必要以上に進行し、反応生成物が増粘したり、ゲル状物を生成したり、あるいは変質による着色の原因となる可能性がある。反応温度は40〜110℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。なお、反応温度が低すぎると、反応速度が非常に遅くなったり、反応物の粘度が高くなり分散・混合が不十分となって均一な生成物を得ることが難しくなる可能性がある。
ウレタン反応において、必要に応じてウレタン反応触媒を添加することができる。触媒としては、トリエチルアミンなどの三級アミン、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸スズなどの金属塩、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートなどの有機金属化合物が挙げられる。触媒を使用する場合、その添加量は、反応物に対して通常0.5〜2000ppmである。
また必要に応じて、ウレタン反応の際に有機溶媒を使用できる。有機溶媒としては、例えば、酢酸ブチルや酢酸エチルなどのエステル系、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン系、トルエン、キシレンなどの芳香族系の有機溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。有機溶媒を使用する場合は、VOC削減による環境対応のため必要以上に使用しないことが望ましい。好ましい範囲は、組成物全体に対し5〜150%である。また、さらにラジカル重合禁止剤を用いることもできる。ラジカル重合禁止剤としては、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジンなどを挙げることができる。これらの重合禁止剤は、硬化反応時に影響を与えない程度添加され、好ましくは1000ppm以下である。
本発明のウレタン(メタ)アクリレートは単独でも使用できるが、用途に応じた粘度に調整するため、さらには得られる樹脂の架橋密度などの物性を調整する目的で、本発明のウレタン(メタ)アクリレートに、本発明のウレタン(メタ)アクリレート以外の適当な(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリレート)を配合し、配合組成物を調製することもできる。本発明のウレタン(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリル酸エステルとしては、ジアクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸プロピレングリコール、ジアクリル酸1,4−ブタンジオール、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジアクリル酸1,9−ノナンジオール、ジアクリル酸ネオペンチルグリコール、ジアクリル酸メチルペンタンジオール、ジアクリル酸テトラエチレングリコール、ジアクリル酸シクロヘキサンジメタノール、ジアクリル酸ポリエトキシレートビスフェノールA、ジアクリル酸ポリプロキシ水添ビスフェノールAなどのジアクリル酸エステル及びこれらに対応するジメタアクリル酸エステル、トリメチロールプロパントリアクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリアクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラアクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタアクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサアクリル酸エステルなどの多官能アクリル酸エステル及びこれらに対応する多官能メタアクリル酸エステル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル及びこれらに対応するメタアクリル酸エステル酢酸ビニル、酪酸ビニル、アジピン酸ジビニルなどのビニルエステルモノマー類、アクリルアミド、N−ビニルホルムアルデヒド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−t−ブチルアクリルアミドなどのアクリルアミドなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルの添加量は、本発明のウレタン(メタ)アクリレートの特性が損なわれない限り特に限定されないが、使用する場合は本発明のウレタン(メタ)アクリレートとの合計の5〜90重量%であることが好ましい。さらに好ましくは10〜80重量%である。5重量%以上の場合希釈の効果が得られ、90重量%以下では本発明のウレタン(メタ)アクリレートの特性を得ることができるため好ましい。これら(メタ)アクリル酸エステルを使用する場合、本発明のウレタン(メタ)アクリレートを得るための合成時に添加してもよく、配合組成物とする際に添加してもよい。
本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基の二重結合を有するため、配合組成物に熱重合開始剤を含有させれば、加熱により硬化させることができる。また、光重合開始剤を含有させれば、紫外線蛍光ランプや高圧水銀灯などを用いた紫外線照射により、容易に短時間で硬化させることも可能である。これら重合開始剤の濃度は、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)とポリカーボネートジオール(b)とイソシアネート化合物(a)の合計の0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは3〜5重量%である。重合開始剤が0.1重量%以上の場合、硬化できるようになり、20重量%以下であれば、得られる硬化物の特性が良好になる。
熱重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキサイド類、及び2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。これら熱重合開始剤を、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。加熱温度は、接着や塗布する基材によっても異なるが、通常は常温〜90℃で、好ましくは40〜80℃である。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ω−ブロモアセトフェノン、クロロアセトン、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルホルメート、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−N,N´−ジメチルアセトフェノン等のカルボニル系光重合開始剤が挙げられる。さらに、ジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、テトラエチルメチルアンモニウムスルフィドなどのスルフィド系光重合開始剤、ベンゾキノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノンなどのキノン系光重合開始剤、2,2’−アゾビスプロパン、ヒドラジンなどのアゾ系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルペルオキシドなどの過酸化物系光重合開始剤などが挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
さらに、必要に応じて、光重合開始剤と公知の光増感剤を併用することもできる。光増感剤としては、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられ、配合組成物の特性を損なわない範囲でその添加量を決めることができる。
なお、本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、重合開始剤を使用しなくても電子線の照射により硬化物を得ることができる。
本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、貯蔵安定性向上の目的で、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類、ベンゾトリアゾール類等の酸化防止剤や光安定剤を添加することもできる。これらの例としては、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30,アデカスタブAO−40,アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8,アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36,アデカスタブHP−10,アデカスタブ2112,アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ329A、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010(以上、旭電化工業株式会社製)スミライザーBHT、スミライザーS、スミライザーBP−76、スミライザーMDP−S、スミライザーGM、スミライザーBBM−S、スミライザーWX−R、スミライザーNW、スミライザーBP−101、スミライザーGA−80、スミライザーTNP、スミライザーBP−179、スミライザーTPP−R、スミライザーP−16(以上、住友化学株式会社製)チヌビン770、チヌビン765、チヌビン144、チヌビン622、チヌビン111,チヌビン123、チヌビン292(以上、BASFジャパン株式会社製)などが挙げられる。これらの酸化防止剤や光安定剤の添加量は特に限定しないが、通常は組成物全体に対し0.001〜5重量%の量を用いることができる。
その他にも、必要に応じて、天然又は合成高分子物質、充填剤、顔料、レベリング剤、改質剤、可塑剤、チクソトロピー剤、増粘剤、増量剤などの各種物質を添加することができる。これらの配合量は、本発明の性能を損なわない範囲で、用途に応じて適宜決めることができる。
本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、コーティング用途に用いる場合、目的とする被コーティング物に対しスプレーやコーターなどの一般的に使用される手法を用いて塗布することができ、成型用途に用いる場合は主に型枠に流し込むことで、成型材料として得ることができる。
次に、実施例及び比較例によって、本発明を説明するが、これらの例は何ら本発明を限定するものではない。
(1)水酸基価の測定
ポリカーボネートジオール(b)の水酸基価は、以下の方法で測定した。メスフラスコを用い、無水酢酸12.5gにピリジンを加えて50mlのアセチル化試薬を調製した。測定するサンプルを2.5〜5.0g精秤し、100mlのナス型フラスコに加えた。アセチル化試薬5mlとトルエン10mlとをホールピペットでこのナス型フラスコに添加した後、冷却管を取り付けて、100℃で1時間加熱撹拌した。蒸留水2.5mlをホールピペットでここに添加し、さらに10分間加熱撹拌した。2〜3分間冷却した後、エタノールを12.5ml添加し、指示薬としてフェノールフタレインを2〜3滴入れた後に、0.5mol/lエタノール性水酸化カリウムで滴定した。一方、空試験として、アセチル化試薬5ml、トルエン10ml、蒸留水2.5mlを100mlナスフラスコに入れ、10分間加熱撹拌した後、同様に滴定を行った。この結果をもとに、下記式(1)で水酸基価を計算した。
水酸基価(mg−KOH/g)={(B−A)×28.05×f}/C (1)
A:サンプルの滴定量(ml)
B:空試験の滴定量(ml)
C:サンプル重量(g)
f:滴定液のファクター
実施例、比較例中のポリマーの末端は、13C−NMR(270MHz)の測定により、実質的に全てがヒドロキシル基であった。さらに、ポリマー中の酸価をKOHによる滴定で測定したが、実施例、比較例のポリマー全てが0.01以下であった。したがって、得られたポリマーの数平均分子量は、上記の水酸基価を用い、下記式(2)により求めることができた。
数平均分子量=2/(水酸基価×10−3/56.11) (2)
(2)組成比の測定
100mlのナスフラスコにサンプルを1g取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、100℃で1時間反応させた。室温まで冷却後、指示薬にフェノールフタレインを2〜3滴添加し、塩酸で中和した。冷蔵庫で1時間冷却後、沈殿した塩を濾過で除去し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った。分析は、カラムとしてDB−WAX(J&W製)をつけたガスクロマトグラフィーGC−14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内標として、検出器をFIDとして行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。得られた結果をもとに、下記式(3)を用いて、2−メチル−1,3−プロパンジオールの組成を求めた。
組成(mol%)= (D/E)×100 (3)
D:2−メチル−1,3−プロパンジオールのモル数
E:全てのジオールのモル数
[ポリカーボネートジオール(b)の合成例1]
攪拌機、温度計、頭頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウを備えた2lのセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール350g、1,4−ブタンジオール300g、エチレンカーボネート640gを仕込み、70℃で撹拌溶解した後、触媒としてチタンテトラブトキシドを0.064g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温130℃、真空度1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、20時間反応させた。その後、オルダーショウを単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、真空度を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残ったジオールとエチレンカーボネートを除去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温155〜160℃で、生成するジオールを除去しながら、さらに7時間反応させた。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物の水酸基価は112.7であり、2−メチル−1.3−プロパンジオールの割合は52mol%であった。該ポリカーボネートジオールをPC−1と称する。
[ポリカーボネートジオールの合成例2]
合成例1の装置を用いて、1,6−ヘキサンジオール178g、2−メチル−1,3−プロパンジオール385g、エチレンカーボネート510g、チタンテトラブトキシド0.043gを仕込んだ。190℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温150℃、真空度3.0〜4.2kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、15時間反応させた。その後、オルダーショウを単蒸留装置に取り替えた後、190℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温150〜160℃、真空度を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残ったジオールとエチレンカーボネートを除去した。その後、オイルバスの設定を200℃に上げ、フラスコの内温160〜190℃で、生成するジオールを除去しながら、さらに6時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物の水酸基価は141.2であり、2−メチル−1,3−プロパンジオールの割合は71mol%であった。該ポリカーボネートジオールをPC−2と称する。
[ポリカーボネートジオールの合成例3]
1,5−ペンタンジオール338g、2−メチル−1,3−プロパンジオール128g、エチレンカーボネート410g、チタンテトラブトキシド0.035gとした以外は、合成例2の条件で反応を行った。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物の水酸基価は120.4であり、2−メチル−1,3−プロパンジオールの割合は29mol%であった。該ポリカーボネートジオールをPC−3と称する。
[ポリカーボネートジオールの合成比較例1]
合成例1の装置を用い、1,6ヘキサンジオール702g、エチレンカーボネート520g、チタンテトラブトキシド0.061gとした以外は、合成例2の条件で反応を行った。この反応により、常温で白色の固体が得られた。得られた反応物の水酸基価は115.1であった。該ポリカーボネートジオールをPC−4と称する。
[ポリカーボネートジオールの合成比較例2]
1,6ヘキサンジオール540g、1,5−ペンタンジオール189g、エチレンカーボネート504g、チタンテトラブトキシド0.062gとした以外は、合成例2の条件で反応を行った。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物の水酸基価は110.8であった。該ポリカーボネートジオールをPC−5と称する。
以下に本発明のウレタン(メタ)アクリレートの合成例を示す。
[実施例1]
攪拌機、冷却管、窒素流入管、温度計を備えた500mlの4口フラスコに、イソホロンジイソシアネート44.6gを入れた。フラスコ中に窒素を0.1cc/分の量で流入させ、攪拌しながらオイルバスを用い50℃に加熱した後、触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.05g入れ、滴下ロートを用い100gのポリカーボネートジオールPC−1と酢酸n−ブチル98.7gの混合溶液を1時間掛けて滴下し、さらに3時間撹拌して反応させた。反応液を滴定し、その時点でのPC−1の各分子末端が全てイソシアネート基となっているかどうか、計算上のイソシアネート基量と比較して確認した。滴定の結果、末端が全てイソシアネート基であると判断されたため、反応液を70℃に加熱した後、窒素流入を止め、ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリエステル含有量70%)85.6g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.02gを均一に混合した溶液を、別の滴下ロートを用いて1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌して反応させた。イソシアネートの反応率が99%以上となったことを、残存イソシアネート量を滴定することにより確認した。該ウレタンアクリレートをUAP−1と称する。
得られたウレタンアクリレートの評価のため、光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを配合し光重合硬化性組成物を調製した。その組成を表2に示し、評価の結果を表4に示す。
また、配合組成物としての評価を行うため、合成したウレタンアクリレートと、別の(メタ)アクリル酸エステルとしてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)とを使用し、また、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを用いて、配合組成物を調製した。この配合組成物の塗装表面仕上がりを良くする目的で粘度調整のため、固形分が70%となるように酢酸n−ブチルを添加した。評価に用いた配合割合を表3に示し、評価の結果を表5に示す(配合実施例1を参照)。
[実施例2]
ポリカーボネートジオールをPC−2に代え、イソホロンジイソシアネートを55.9g、酢酸n−ブチルを112.8g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリエステル含有量70%)を107.2gとした以外は装置、その他の原料、反応条件とも実施例1と同様に操作し、ウレタンアクリレートを得た。該ウレタンアクリレートをUAP−2と称する。また、得られたウレタンアクリレートの評価と、配合組成物としての評価に用いたそれぞれの組成物は、表2及び表3の配合割合で、実施例1と同様の操作により調製した。結果を表4及び表5に示す(配合組成物としての評価は配合実施例2を参照)。
[実施例3]
ポリカーボネートジオールをPC−3に代え、イソホロンジイソシアネートを47.7g、酢酸n−ブチルを102.5g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリエステル含有量70%)を91.5gとした以外は装置、その他の原料、反応条件とも実施例1と同様に操作し、ウレタンアクリレートを得た。該ウレタンアクリレートをUAP−3と称する。また配合組成物としての評価を行うための組成物は、表3の配合割合で実施例1と同様の操作により調製した。結果を表5に示す(配合実施例3を参照)。
[実施例4]
ポリカーボネートジオールPC−1を用い、ヘキサメチレンジイソシアネートを33.8g、酢酸n−ブチルを92.8g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリエステル含有量70%)を82.9gとした以外は装置、その他の原料、反応条件とも実施例1と同様に操作し、ウレタンアクリレートを得た。該ウレタンアクリレートをUAP−4と称する。また配合組成物としての評価を行うための組成物は、表3の配合割合で実施例1と同様の操作により調製した。結果を表5に示す(配合実施例4を参照)。
[比較例1]
ポリカーボネートジオールをPC−4に変え、イソホロンジイソシアネートを45.6g、酢酸n−ブチルを99.9g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリエステル含有量70%)を87.4gとした以外は装置、その他の原料、反応条件とも実施例1と同様に操作し、ウレタンアクリレートを得た。該ウレタンアクリレートをUAP−5と称する。また得られたウレタンアクリレートの評価と、配合組成物としての評価に用いたそれぞれの組成物は、表2及び表3の配合割合で、実施例1と同様の操作により調製した。結果を表4及び表5に示す(配合組成物としての評価は配合比較例1を参照)。
[比較例2]
ポリカーボネートジオールをPC−5に代え、イソホロンジイソシアネートを43.9g、酢酸n−ブチルを97.7g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリエステル含有量70%)を84.2gとした以外は装置、その他の原料、反応条件とも実施例1と同様に操作し、ウレタンアクリレートを得た。該ウレタンアクリレートをUAP−6と称する。また評価に用いる配合組成物は、表3の配合割合で実施例1と同様の操作により調製した。結果を表5に示す(配合比較例2を参照)。
[比較例3]
ポリカーボネートジオールPC−1を用い、イソホロンジイソシアネートを44.6g、酢酸n−ブチルを78.0g、2−ヒドロキシプロピルアクリレートを37.3gとした以外は装置、その他の原料、反応条件とも実施例1と同様に操作し、ウレタンアクリレートを得た。該ウレタンアクリレートをUAP−7と称する。また得られたウレタンアクリレートの評価と、配合組成物としての評価に用いたそれぞれの組成物は、表2及び表3の配合割合で、実施例1と同様の操作により調製した。結果を表4及び表5に示す(配合組成物としての評価は配合比較例3を参照)。
[塗膜評価例]
1)耐水性
まず得られたウレタンアクリレートそのものの耐水性を評価した。表2の組成物を用い、アプリケーターでポリカーボネート板(厚み2mm)に硬化後膜厚が約30μmとなるように塗装し、UV照射機(株式会社オーク製作所、ハンディUV−300)を用いて1000mJ/WのエネルギーでUV光重合させ、硬化性コーティング膜を得た。基板のポリカーボネートに付着している塗膜を、その状態のまま98℃の水中に4時間浸漬させた。耐水性の判断は、浸漬後の塗膜の外観変化および塗膜の軟化有無で判断した。外観変化および軟化が認められないものを○、外観変化および軟化のどちらか一方でも認められたものを×として評価した。評価結果を表4に示す。
2)柔軟性
柔軟性の評価として、デュポン式耐衝撃性試験機を用いた。上記1)と同様の操作で得られた塗膜上に、1/4インチの撃芯をセットし、500gの重りを所定の高さから落下させ、塗膜の割れが認められない最大高さ(cm)を耐衝撃性、すなわち柔軟性の指標として示した。評価結果を表4に示す。
3)密着性
上記1)と同様の操作で得られた塗膜を用い、JIS K5600のクロスカット法で評価した。判定もJIS K5600に従い、剥離が全く認められないものを0とし、0〜5の6段階で評価した。評価結果を表4に示す。
4)耐薬品性
配合組成物から得られた硬化物について耐薬品性を測定した。まず表3の配合組成物を用いアプリケーターでブリキ板上に硬化後膜厚が約30μmとなるように塗装し、UV照射機(株式会社オーク製作所、ハンディUV−300)を用いて800mJ/WのエネルギーでUV光重合させ硬化性コーティング膜を得た。上記のフィルムを10mm×80mmの短冊型に切り取り、23℃、50%RHの恒温室にて1日養生したものを試験体とした。
上記のフィルムを45℃のオレイン酸(試薬1級)中に1週間浸漬後、下記式(4)でオレイン酸による膨潤率を求め、耐薬品性の指標とした。
膨潤率(%)=(試験後の重量−試験前の重量)/試験前の重量×100 (4)
硬化物耐薬品性の評価結果を表5に示す。
5)耐摩耗性試験
上記4)のブリキ板をポリカーボネート板に代えた以外は硬化性コーティング膜を得る操作まで4)と同様に行い、得られた硬化物をJIS K5600摩耗輪法に従い評価した(摩耗輪CS−10、重り500g、500回転)。試験での減少重量測定結果を表5に示す。
6)耐汚染性試験
上記5)と同様にコーティング膜を作製し、耐汚染性の評価に供した。耐汚染性の評価として、市販の油性マーカー(マジックインキ、登録商標)のイソプロピルアルコール(IPA)による除去試験を用いた。まずコーティング膜上に太字タイプの油性マーカーで1cm以上のラインを描き、1分間静置後ライン上にIPAを垂らし、マーカーのインキを溶解させた後ティッシュで静かに拭き取った。IPAによる除去後の状態を目視で下記の4段階に評価した。耐汚染性試験の評価結果を表5に示す。
インキの痕跡なし=0、
インキの痕跡僅かに認められる=1、
インキは薄くなるものの痕跡が明確に認められる=2、
インキが除去されない=3
[成型物評価例]
配合組成物の塗膜評価と同様に、合成したウレタンアクリレートと、別の(メタ)アクリル酸エステルとして、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)とを用い、また光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを用いて、配合組成物を調製した。成型は直径10cmのガラスシャーレで行い、硬化厚みが2mmとなるようにこの配合組成物を流し込み、1500mJ/WのエネルギーでUV光重合させ硬化性成型物を得た。この評価に用いた配合割合を表6に示す。
1)成型物耐薬品性
得られた成型物をガラスシャーレから取り出し、上記硬化物耐薬品性の評価と同じ手法でオレイン酸による膨潤率を測定した。測定結果を表7に示す。
Figure 2013023521
Figure 2013023521
Figure 2013023521
Figure 2013023521
Figure 2013023521
Figure 2013023521
Figure 2013023521

Claims (6)

  1. 少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(a)と、ポリカーボネートジオール(b)と、分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個以上有する水酸基含有(メタ)アクリレート(c)との反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートであって、ポリカーボネートジオール(b)が、下記式(A)と下記式(B)の繰り返し単位を含み、末端基が水酸基であり、(A)と(B)の割合がモル比率で99:1〜1:99であるウレタン(メタ)アクリレート。
    Figure 2013023521

    (式中、Rは、2−メチル−1,3−プロパンジオールに由来するアルキレン基以外の、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。)
  2. 上記式(B)中のRが下記式(C)で表される、請求項1に記載のウレタン(メタ)アクリレート。
    Figure 2013023521

    (式中、nは、2〜10の整数を表す。)
  3. nが4〜6の整数を表す、請求項2に記載のウレタン(メタ)アクリレート。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のウレタン(メタ)アクリレートと、それ以外の(メタ)アクリル酸エステルとを含む、配合組成物。
  5. 請求項4に記載の配合組成物からなる、コーティング剤。
  6. 請求項4に記載の配合組成物からなる、成型材料。
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