JP2013020248A - ライナーレスラベルおよびその積層ラベル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、筆記性および捺印性に優れたライナーレスラベルおよびその積層ラベルを提供する。
【解決手段】紙基材の一方の面に、シリコーン系剥離剤を主成分とする剥離層が設けてあり、該剥離層を設けていないもう一方の裏面上に感圧粘着剤層を設けてあるライナーレスラベルであって、前記剥離層の表面の平滑度が30秒以上200秒以下であるライナーレスラベル。また、該ライナーレスラベルが積層された積層ラベル。
【選択図】なし

Description

本発明は、ライナーレスラベルおよびその積層ラベルである。さらに詳しくは、筆記性および捺印性に優れたライナーレスラベルおよびその積層ラベルに関するものである。
従来のラベルは、基材/感圧粘着剤層/剥離紙という構成をとっており、剥離紙を剥がしてラベル裏面の感圧粘着剤により被貼付物品に貼り付ける。またラベルは、必要に応じて文字や絵柄といった表示情報を基材表面に印刷等で施してある。
一方、ライナーレスラベルは、基材片面の表面上に必要に応じて文字や絵柄の印刷を施し、その上に剥離層を形成し、基材裏面に感圧粘着剤層を設けて、自背面接着してテープ状に巻きつけてある。このテープ状に巻きつけられたものを巻き返しながら剥がして、適当な大きさに切断し、被貼付物品に貼り付ける。
このようにライナーレスラベルは従来のラベルと異なり、最終的にゴミとなる剥離紙を用いないので、近年の環境問題の高まりから注目されている。
しかし、テープ状に巻きつけたライナーレスラベルを使用時に巻き出せるようにするためには、自背面接着した剥離層−感圧粘着剤層間の剥離を軽くする必要がある。そのためには、平滑度の高い基材(例えば、グラシン紙、ポリエチレンラミネート紙、コート紙[剥離層が基材内部に染込まないように目止め層を設けたものも含む])上に剥離層を設ける構成として、剥離剤を基材に染込ませずに充分な厚みの剥離層を形成する必要がある。このような剥離層の表面は筆記性および捺印性に著しく劣っていることから、従来はライナーレスラベルにおける剥離層形成部分に筆記性や捺印性を持たせることができなかった。
そこで、従来では、ライナーレスラベルに筆記性や捺印性を持たせる場合、筆記部や押印部のみに剥離層を設けない方法が用いられていた。しかし、この場合は、剥離層を設けていない部分と接する基材の裏面も感圧粘着剤層を部分的に設けないようにする必要がある。それ故、剥離層と感圧粘着剤層を設ける加工工程が非常に複雑であった。
このような問題に対して、例えば、特許文献1では、感熱記録紙上の全面に剥離層を設け、更に剥離層上の押印領域部分に、剥離ニスにシリカを含有させた押印部を部分的に設けることが提案されている。シリカを含有させた剥離ニスからなる押印部の剥離は重いが、該押印部以外の部分は剥離層となっているため剥離が軽い。そのため、ライナーレスラベル全体としては難なく剥離可能となり、使用時に巻き出すことが可能となる。
しかし、特許文献1の押印部は限定された狭い領域にしか設けることができない。用途に応じて筆記性や捺印性を持つ領域を広げようとすると、前記方法ではライナーレスラベル全体としての剥離が重くなるという問題があった。
特許第4611092号公報
本発明の課題は、筆記性および捺印性に優れたライナーレスラベルおよびその積層ラベルの提供にある。更に詳しく述べるならば、表面に剥離層が設けてあるにも関わらず、表面の筆記性および捺印性が優れたライナーレスラベルおよびその積層ラベルの提供にある。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]紙基材の一方の面に、シリコーン系剥離剤を主成分とする剥離層が設けてあり、該剥離層を設けていないもう一方の裏面上に感圧粘着剤層を設けてあるライナーレスラベルであって、前記剥離層の表面の平滑度が30秒以上200秒以下であることを特徴とするライナーレスラベル。
[2]上記紙基材は離解後のフリーネスが80〜650mlのパルプからなる未塗工紙または片面塗工紙であり、かつ上記紙基材の塗工層を設けていない面上に上記剥離層が設けてあることを特徴とする[1]に記載のライナーレスラベル。
[3]上記紙基材中に、顔料が5〜30質量%含有されていることを特徴とする[1]または[2]に記載のライナーレスラベル。
[4]上記顔料の主成分が軽質炭酸カルシウムであることを特徴とする[3]に記載のライナーレスラベル。
[5]上記剥離層を形成する剥離剤の塗工量が、乾燥質量で0.2〜2.0g/mであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のライナーレスラベル。
[6]上記剥離層が紫外線硬化型シリコーン系剥離剤により形成されていることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のライナーレスラベル。
[7]上記感圧粘着剤層がホットメルト型粘着剤により形成されていることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のライナーレスラベル。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載のライナーレスラベルが積層されたことを特徴とする積層ラベル。
[9][8]に記載の積層ラベルの少なくとも1つの辺または角に、感圧粘着剤層が設けられていない部分があることを特徴とする積層ラベル。
本発明のライナーレスラベルおよびその積層ラベルは、筆記性および捺印性に優れている。
本発明のライナーレスラベルについて説明する。
本発明のライナーレスラベルは、紙基材の一方の面に、シリコーン系剥離剤を主成分とする剥離層が設けてあり、該剥離層を設けていないもう一方の裏面上に感圧粘着剤層を設けてあるライナーレスラベルである。帯状のライナーレスラベルをテープ状に巻きつけ、使用時に巻き出すテープ状ラベルと、枚葉のライナーレスラベルを積層し、使用時に1枚ずつ剥離する積層ラベルの態様がある。本発明のライナーレスラベルは、剥離層の表面の平滑度が30秒以上200秒以下である。前記平滑度は、50秒以上150秒以下であることが好ましい。平滑度が低すぎると剥離層−感圧粘着剤層間の剥離が重くなり、テープ状に巻きつけたライナーレスラベルの場合は使用時に巻き出し難くなることがある。また、枚葉のライナーレスラベルを積層した場合は1枚ごとの分離が困難となることがある。
ここで、平滑度は、「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.5−2に基づく王研式平滑度」にて規定する。
《紙基材》
本発明の紙基材は、木材パルプを主成分として構成され、必要に応じて顔料、各種助剤等の添加剤を含有するものである。
木材パルプとしては、広葉樹材(L材)、針葉樹材(N材)のどちらを使用してもよく、各種化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができる。
化学パルプとしては、クラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等が挙げられる。半化学パルプとしては、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドウッドパルプ(CGP)等が挙げられる。機械パルプとしては、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、漂白ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)等が挙げられる。再生パルプとしては、古紙を原料とする脱墨パルプ(DIP)等が挙げられる。
また、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプを使用してもよい。
また、高白色度の紙基材を必要とする場合は、塩素、二酸化塩素、酸素、オゾン、過酸化水素、次亜塩素酸等を使用する各種漂白法を組み合わせて漂白したパルプが使用できる。中でも、塩素を使用しない工程で製造される、無塩素漂白(ECF)や完全無塩素漂白(TCF)により得られたパルプは、黄変を起こし難く好ましく使用される。これらの漂白法で得られたパルプは、単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
また、パルプは、抄紙適性や出来上がった紙基材の紙質等を調整するために、パルプのフリーネス(叩解度)を適宜調整することができる。本発明に用いるパルプは、JIS−P−8121によって規定されるカナディアンスタンダードフリーネス(ろ水度;CSF)に基づく、離解後のフリーネスが80〜650mlであることが好ましく、より好ましくは200〜600mlである。フリーネスが大きすぎる場合は、紙基材の表面性が粗くなるばかりでなく、紙基材の紙力が低下するおそれがある。フリーネスが低すぎると、ろ水性が悪く抄紙速度が上げられない等、抄紙適性が悪くなるおそれがある。
本発明に用いるパルプは、フリーネス350〜550mlの広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を50質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。
また、紙基材中の顔料は、ライナーレスラベルに不透明性等を付与する、あるいは筆記性および捺印性を付与する目的で配合する。顔料としては、軽質炭酸カルシウム、焼成カオリン、ホワイトカーボン、タルク、酸化チタン等が使用できる。中でも、タルク、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボンが好ましく、抄紙適性(ワイヤーの磨耗適性)が好ましく、かつ抄紙時に留まり易いため、タルク、軽質炭酸カルシウムがより好ましい。顔料としては、軽質炭酸カルシウムを主成分とすることがさらに好ましく、顔料全体に対して軽質炭酸カルシウムが75質量%以上であることが特に好ましい。
紙基材に顔料を配合する場合、紙基材中の顔料の含有率(灰分)は、5〜30質量%が好ましく、15〜25質量%がより好ましい。灰分が多すぎると紙力が低下するおそれがある。少ないと筆記性および捺印性が低下するおそれがある。
また、紙基材には、種々の助剤を添加することも差しつかえない。例えば、高級脂肪酸やアルキルケテンダイマー等の内添サイズ剤、硫酸バンドやカチオン性高分子電解質等の定着剤、澱粉、ポリアクリルアミドや、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、カチオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤、防黴剤等を添加することができる。
抄紙を行う手段としては、長網抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機、ツインワイヤーフォーマー、傾斜ワイヤーフォーマー等や、ヤンキードライヤー、多筒式ドライヤー等のドライヤー等、公知の抄紙機が使用できる。
また、紙基材は、カレンダー処理等の公知の処理を施したものでもよい。
また、紙基材は、表面強度やサイズ性等を調整する目的で、サイズプレスあるいはゲートロールによりサイズ処理を施したものでもよい。
サイズ処理液としては、例えば、澱粉類、ポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド類、表面サイズ剤、カチオン樹脂等を適宜配合した処理液が挙げられる。表面サイズ剤としては、例えばスチレンマレイン酸共重合物、オレフィン系共重合物、アルキルケテンダイマー系化合物、アルケニル無水コハク酸系化合物、スチレン−アクリル系共重合物、高級脂肪酸系化合物、石油樹脂系サイズ剤、ロジン系サイズ剤を例示することができる。
サイズ処理液の塗工量は、乾燥質量で0.3〜5.0g/mであることが好ましい。0.3g/m未満ではサイズ処理の効果が得られず、5.0g/mを超えるとサイズ処理の効果は頭打ちになり、コストアップにつながるため好ましくない。より好ましい範囲は0.5〜3.0g/mである。
サイズ処理を両面に施す場合、サイズ処理液の塗工量は、両面合計で前記範囲内となるようにすることが好ましい。
紙基材の坪量は、40〜210g/mの範囲であることが好ましく、より好ましくは60〜120g/mである。坪量が小さすぎるとライナーレスラベルとした際に紙力が足りず、紙切れ等を起こすことがある。逆に坪量が大きすぎると紙厚が厚すぎて適さない。
紙基材の密度は、0.55〜1.00g/mであることが好ましい。密度が小さすぎると紙切れ等の問題が発生しやすく、また、1.00g/mを超えると筆記性および捺印性が悪くなることがあるため好ましくない。
本発明の紙基材は、未塗工紙、または片面に塗工層を設けた片面塗工紙を用いることが好ましい。
未塗工紙としては、例えば上質紙、中質紙、片艶紙等が挙げられる。中でも、印刷インキ剥離強度の点で、上質紙が好ましい。
片面塗工紙としては、従来公知の如何なるものでも構わず、例えば、一般の印刷用紙、感熱記録紙等が挙げられる。また、塗工層として、感圧粘着剤の紙基材への染込みを抑える目止め層、ポリエチレンラミネート層等を片面に設けたものも挙げられる。
これら塗工層を設ける方法は、ブレードコーター、ナイフコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター等を用いるのが良い。
また、片面塗工紙を使用する場合、片面塗工紙における塗工層を設けていない面上に剥離層を設けることが好ましい。塗工層上に剥離層を設けると全面に均一な剥離層が形成され易いので、剥離層の表面の平滑度が高くなりすぎて筆記性および捺印性が不良となる場合がある。
《剥離層》
本発明の剥離層は、シリコーン系剥離剤が主成分であることが好ましい。
シリコーン系剥離剤としては、例えば、付加硬化型シリコーン系剥離剤、縮合硬化型シリコーン系剥離剤のような熱硬化型剥離剤、ラジカル硬化型シリコーン系剥離剤、カチオン硬化型シリコーン系剥離剤、メルカプト硬化型シリコーン系剥離剤等の電子線硬化型シリコーン系剥離剤、紫外線硬化型シリコーン系剥離剤を挙げることができる。中でも、紫外線硬化型シリコーン系剥離剤または電子線硬化型シリコーン系剥離剤が好ましい。
付加硬化型シリコーン系剥離剤あるいは縮合硬化型シリコーン系剥離剤は熱により硬化させるが、その硬化速度が遅く、剥離剤の塗工後に硬化までに時間が掛かる。そのため、硬化までに紙基材中に剥離剤が染込んでしまうことがあり、剥離層−感圧粘着剤層間の剥離が重くなる。一方、硬化型シリコーン系剥離剤または電子線硬化型シリコーン系剥離剤は、硬化速度が速いので、剥離剤の塗工後に直ぐに紫外線または電子線を照射することにより、紙基材中に剥離剤が染込む前に硬化させることできる。
また、紫外線硬化型シリコーン系剥離剤と電子線硬化型シリコーン系剥離剤の中でも、設備投資が小さくて済む点から、紫外線硬化型シリコーン系剥離剤がより好ましく、カチオン硬化型シリコーン系剥離剤が特に好ましい。
これらの剥離剤の具体例としては、メルカプト基含有オルガノポリシロキサンとビニル基含有オルガノポリシロキサンとの混合組成物;アクリル基、メタクリル基またはシンナモイル基含有オルガノポリシロキサン組成物;マレイミド基またはフェニルマレイミド基含有オルガノポリシロキサン組成物;アジド基含有オルガノポリシロキサンとビニル基含有オルガノポリシロキサンとの混合組成物;チオアクリル基、チオメタクリル基またはチオシンナモイル基含有オルガノポリシロキサン組成物;アクリルアミド基、メタクリルアミド基またはシンナモイルアミド基含有オルガノポリシロキサン組成物等が挙げられる。カチオン硬化型シリコーン系剥離剤としては、エポキシ基含有オルガノポリシロキサンとオニウム塩系光開始剤の混合組成物が好ましい。
オニウム塩系光開始剤としては、公知のものを使用できる。その具体例としては、(R、ArN 、(Rで表される化合物が挙げられる。但し、Rはアルキル基またはアリール基を、Arはアリール基を示す。Xとしては[B(C、[B(C、[B(CCF、[(CBF、[CBF、[B(C、BF 、PF 、AsF 、SbF 、SbCl 、HSO 、またはClO 等が挙げられる。
オニウム塩系光開始剤の使用量は、特に制限されるものではなく、適宜使用量を調整できる。ただし、経済性や生産操業性の観点からすると、エポキシ基含有オルガノポリシロキサン100質量部に対して、1〜20質量部とするのが望ましい。
また、剥離剤の粘度は、5000cps以下であることが好ましく、より好ましくは1000cps以下である。粘度が高すぎると、筆記性および捺印性が不良になる場合がある。
さらに、剥離剤には、必要に応じて、補助添加成分として他の紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、光重合開始剤、架橋剤、染料、顔料、湿潤剤、消泡剤、分散剤、帯電防止剤、レベリング剤、潤滑剤等の各種助剤を、所望の効果を阻害しない範囲で適宜添加してもよい。
前記助剤の添加量は、剥離剤層の全質量に対して10質量%以下が好ましい。顔料に関しては、無配合(0質量%)とすることが特に好ましい。剥離剤層に顔料を配合すると、ライナーレスラベルとした際に剥離が重くなることがあるためである。
剥離剤を塗工する方法としては、特に限定されず、例えばバーコーター、多段ロールコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、オフセットグラビアコーター等を挙げることができ、好ましくはフレキソ印刷である。剥離剤を硬化させる装置としては、熱風ドライヤー、遠赤外線ドライヤー、紫外線照射装置、電子線照射装置を好ましく用いることができ、更に好ましくは紫外線照射装置である。
剥離層を設ける特に好ましい方法は、紫外線硬化方式のフレキソ印刷と紫外線照射装置を組み合わせた方法である。その理由は、ライナーレスラベルの絵柄・文字を印刷する印刷機上に、フレキソ印刷ユニットと紫外線照射装置を設けることができ、更に感圧粘着剤層を設けるホットメルトダイコーターを印刷機上に設けると、1パスにてライナーレスラベルが製造できる利点があるためである。
紫外線照射装置としては、例えば、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ等が挙げられる。また、オゾンの少ないオゾンレスタイプもあり、如何なるものを用いてもよい。一般には出力30W/cm以上のランプが複数本並列されて使用されることが多い。
剥離層を形成する剥離剤の塗工量は、乾燥質量で0.2〜2.0g/mが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5g/mの範囲である。剥離剤の塗工量が少なすぎると剥離層−感圧粘着剤層間の剥離が重くなる場合があり、塗工量が多すぎると筆記性および捺印性が不良となる場合がある。
《感圧粘着剤》
本発明に用いる感圧粘着剤は特に制約はなく、溶剤型粘着剤、エマルション型粘着剤、ホットメルト型粘着剤等の各種粘着剤を用いることができる。特に好ましくはホットメルト型粘着剤を用いることである。例えば、ホットメルト型粘着剤を常法にしたがって加熱溶融させてホットメルトダイコーターにて押し出し、紙基材の裏面(剥離層形成面の反対面)に感圧粘着剤層を設ける。この方法を用いると、剥離層と感圧粘着剤層の接触面において、剥離層中にホットメルト型粘着剤が染込み難いため、結果として剥離層−感圧粘着剤層間の剥離が軽くなる。溶剤型粘着剤、エマルション型粘着剤を、常法に従ってロールコーター、リバースロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター、スロットダイコーター、ギアインダイコーター等を用いて設けると、剥離層−感圧粘着剤層間の剥離が重くなる場合があり好ましくない。
本発明で用いるホットメルト型粘着剤は公知のものを使用できる。例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、スチレン系ポリマー等の熱可塑性ポリマーを用いることができる。中でも、スチレン系ポリマー等の熱可塑性ポリマーが粘着力の安定性、ブリード、コストの点で好ましい。更に、ホットメルト型粘着剤には、粘着性等を向上させる目的で、粘着付与剤を添加してもよく、また、装置適合性を考慮して軟化剤を添加してもよい。
スチレン系ポリマーの具体的なものとしては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等を挙げることができる。
粘着付与剤に用いられる樹脂としては、ロジン、エステルガム、エステルガムH、ポリテルペン樹脂、C系石油樹脂、C系石油樹脂、DCPD系石油樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、およびこれらの水添物等が使用でき、好ましくは、ポリテルペン樹脂の水添物、C系石油樹脂の水添物、およびC系石油樹脂の水添物が使用できる。粘着付与剤は、ライナーレスラベルの使用目的に応じて、すなわち被貼付物品の種類に応じて、ホットメルト型粘着剤に適宜添加することができる。
軟化剤としては、各種可塑剤、ポリブテン、液状粘着付与剤樹脂、ポリイソブチレン低重合体、ポリビニルイソブチルエーテル低重合体、ラノリン、塊重合ゴム、プロセスオイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、加硫オイル等が使用できる。
感圧粘着剤の塗工量は、乾燥質量で5〜100g/mが好ましく、より好ましくは15〜65g/mである。因みに、感圧粘着剤の塗布量が5g/m未満になると、接着性能が低下し過ぎるおそれがあり、100g/mを超えると、ウーズが悪くなることがあり、また経済的な理由から必要性に乏しくなる。
JIS Z 0237に基づいて測定される感圧粘着剤層の粘着力は、3〜20N/10mmが好ましく、4〜16N/10mmがより好ましく、5〜14N/10mmがさらに好ましい。感圧粘着剤層の前記粘着力が下限値以上であれば、ライナーレスラベルを被貼付物品に貼付したときに剥がれ難くなる。感圧粘着剤層の前記粘着力が上限値以下であれば、ライナーレスラベルにおける剥離層−感圧粘着剤層間の剥離が軽くなる。
《テープ状ラベル》
テープ状ラベルは、帯状の本発明のライナーレスラベルを自背面接着させてテープ状に巻きつけたものである。テープ状ラベルを使用する際は、巻きつけたライナーレスラベルを巻き出し、使用する部分ごとに適宜切断することで使用できる。
《積層ラベル》
本発明の積層ラベルとは、枚葉にしたライナーレスラベルを積層したものである。
積層ラベルの一番下の枚葉のライナーレスラベルの感圧粘着剤層側には剥離紙を積層してあることが好ましい。
また、本発明の積層ラベルは、積層したライナーレスラベル1枚1枚を剥がし易くすることができる点で、めくり代として、少なくとも1つの辺または角に、感圧粘着剤層が設けられていない部分があることが好ましい。具体的には、積層ラベルの少なくとも1辺に感圧粘着剤層が設けられていないめくり代が形成されているか、積層ラベルの少なくとも1つの角に感圧粘着剤層が設けられていないめくり代が形成されていることが好ましい。
また、前記のようなめくり代は、紙基材の裏側の全面に感圧粘着剤層を設け、その上のめくり代とする部分に糊殺し層を設けることで形成してもよい。
糊殺し層を形成する方法としては、オフセット印刷、フレキソ印刷、レータープレス印刷(凸版印刷)が好ましく、速乾性の観点から、紫外線硬化方式のオフセット印刷、紫外線硬化方式のフレキソ印刷、紫外線硬化方式のレータープレス印刷(凸版印刷)がより好ましく、糊殺し層の厚さを厚くできる観点から、紫外線硬化方式のフレキソ印刷が特に好ましい。糊殺し剤としては、感圧粘着剤層の粘着を防止できるものであれば、如何なるものも使用でき、オフセット印刷、フレキソ印刷、レータープレス印刷(凸版印刷)用の夫々の印刷に使用する印刷用インキ、メジウムインキ、糊殺し専用インキを好ましく挙げることができ、紫外線硬化型のインキが特に好ましい。
糊殺し層を形成する際の糊殺し剤の塗工量は、乾燥質量で0.01〜20g/mが好ましく、0.1〜10g/mがより好ましい。前記塗工量が下限値未満であると、感圧粘着剤層の粘着を防止できなくなることがある。前記塗工量が上限値より大きいと、糊殺し層を施した部分のみが厚すぎるため、積層ラベルとした場合にその部分のみが膨らんでしまい見た目が良くないという問題を起こすことがある。
本発明の積層ラベルの用途としては、特に限定されず、例えば、荷札ラベルや、割れ物注意等の注意喚起用のラベル等の物流用途、管理ラベル等の工程管理用途等、被貼付物品に貼付して使用する用途が挙げられる。
また、積層ラベルは、被貼付物品に貼付して使用する用途以外の用途に使用してもよい。例えば、本発明の積層ラベルはゴミ・ホコリ取り等としてもよい。本発明の積層ラベルからなるゴミ・ホコリ取り等は、使用によって表面が汚れたときに上から1枚ずつ剥がすことで、表面の清浄度を容易に維持することができる。また、メモ用紙として兼用することもできる。
《適用形態》
本発明のライナーレスラベルおよびその積層ラベルは、必要に応じて、ライナーレスラベルの表裏に絵柄・文字・アイマーク等を印刷することができる。ライナーレスラベルの表側に印刷する場合は、紙基材における剥離層を形成する側の面に印刷することが好ましい。ライナーレスラベルの裏側に印刷する場合は、紙基材における感圧粘着剤層を形成する側の面に印刷することが好ましい。絵柄・文字・アイマーク等を印刷する方式としては、凸版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷が好ましい。使用するインキは、紫外線硬化型のインキが好ましく、より好ましくはアミン類の配合量が少ない紫外線硬化型インキ、あるいはアミン類を含有していないアミンレス紫外線硬化型インキである。
また、必要に応じて紙基材における剥離層を形成する側の全面にメジウムインキを印刷することができる。メジウムインキを印刷する方式は、凸版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷が好ましい。使用するインキは、紫外線硬化型のインキが好ましく、より好ましくはアミン類の配合量が少ない紫外線硬化型インキ、あるいはアミン類を含有していないアミンレス紫外線硬化型インキである。
本発明の産業上の利用分野としては、筆記性または捺印性を必要とするラベルに利用することができ、例えば、物流用、工程管理用、家庭用と様々な分野を挙げることができる。
なお、本発明のライナーレスラベルおよび積層ラベルは、紙基材の全面に剥離層と感圧粘着剤層を設ける形態には限定されない。例えば、紙基材における表面の辺部分に帯状に剥離層を設けてその部分を非粘着部分とし、該紙基材の裏面における前記非粘着部分と対応する部分に感圧粘着剤層を設ける態様としてもよい。該態様は、感圧粘着剤の種類や、非粘着部分を設ける位置および形状を調節することで、ラベルの粘着力を強粘着から弱粘着まで幅広く制御できる点で好ましい。この場合、非粘着部分とそれに対応する感圧粘着剤層の形態は、それらが紙基材の少なくとも一辺に設けられる形態であればよく、被貼付物品に貼付したラベルの剥がれ防止の点から、紙基材の四辺に該紙基材の全周にわたって設けられる形態が好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定される
ものではない。なお、例中の「%」は、特に断わらない限り質量%を示す。また、「部」は質量部を示す。
<実施例1>
(紙基材)
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を、それぞれフリーネス400mlになるまで叩解し、質量比1:9の割合で混合して、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。
このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%、顔料として軽質炭酸カルシウム(商品名「カールライトSA」、白石カルシウム社製)を添加して、十分に撹拌して分散させた。なお軽質炭酸カルシウムの添加量は、後述する抄紙後でサイズ処理前の原紙の乾燥質量に対して5%になるように調整した。次に、酸化澱粉(商品名「エースA」、王子コーンスターチ社製)に水を加えて加熱溶解し、濃度を5.0%に調整してサイズプレス液とした。上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、この抄紙機に付帯してあるサイズプレスにて前記サイズプレス液によるサイズ処理を行った。サイズプレス液の紙基材への吸収量は両面合計で50ml/mであった。最後に抄紙機エンドのマシンカレンダーにて処理を行い、坪量100g/m、密度0.85g/cm、ステキヒトサイズ度40秒の帯状の紙基材を得た。この紙基材の離解後のフリーネスを測定したところ、400mlであった。
(ライナーレスラベル)
得られた帯状の紙基材の片面上に、10cm角の格子状における半分の5cm×10cmの部分が白紙部となるように、TOKA社製アミンレスUVインキを用いて縦横に連続的に繰り返される複数の絵・文字柄を印刷し、更にこの上の全面に、フレキソ印刷機にて、ポリオルガノシロキサン(商品名「シリコリースPOLY201」、ローディア社製)100部にオニウム塩系光開始剤(商品名「シリコリースCATA211」、ローディア社製)5部を混合した剥離剤を塗工し、紫外線照射量100mJ/cmで高圧水銀紫外線照射装置にて硬化させて剥離層を設けた。この剥離剤の塗工量は乾燥質量で1.5g/mであった。次に、ホットメルトダイコーターにて、ホットメルト型粘着剤(商品名「LT−350Z」モレスコ社製)を紙基材裏面に厚さ30μmになるように塗工することで感圧粘着剤層を設け、巻き取ってライナーレスラベルを得た。但し、感圧粘着剤層は、後述のようにライナーレスラベルを積層体とした際に、長方形の積層体4辺の内の1辺について1cmの幅の領域に設けられないように間欠的に設けた。得られたライナーレスラベルの絵・文字柄のない白紙部の平滑度を「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.5−2に基づく王研式平滑度」にて測定したところ、90秒であった。
得られたライナーレスラベルの巻取りを繰り出したところ、難なく巻き出すことができた。得られたライナーレスラベルの巻取りを繰り出し、A4判の大きさに断裁した後、一番下に剥離紙を置き、その上に一枚一枚A4判のラベルを手で50枚積層し、次にA7判の大きさに断裁して積層ラベルを作成した。得られた積層ラベルは、各々のラベルにそれぞれ絵・文字柄が印刷され、またその1辺の幅1cmの部分に感圧粘着剤層がないようにした。得られた積層ラベルでは、前記感圧粘着剤層がない部分から剥離することで、各々のラベルを1枚1枚簡単に剥がすことができた。また、積層ラベルから剥がしたラベルをダンボールに貼り付け、翌日に剥がしたところ、ダンボール自体の表面を引きちぎりながら剥がれた(材破)ことから、ラベルとして十分な粘着力があることが判った。
《評価方法》
(筆記性評価)
ラベルの絵・文字柄を印刷していない白紙部に、油性ペン(商品名:マジックインキ細書き用−黒)、水性ペン(商品名:ゼブラ紙用マッキー:細字−赤)、蛍光ペン(商品名:ゼブラオプティクスケア−緑)により「あ」の文字を筆記し、筆記10秒後に指先で摩擦した。結果を表1に示す。
○:インキが流れることがなく残っているもの。
△:インキに流れが発生したが文字の判読が可能になっているもの。
×:インキに流れが発生して文字の判読が不可能になっているもの。
(捺印性評価)
ラベルの絵・文字柄を印刷していない白紙部に、印鑑(朱肉:速乾シャチハタ朱肉 30号使用)、およびシャチハタ印(商品名:ネーム9)を押印し、押印10秒後に指先で摩擦した。結果を表1に示す。
○:文字が流れることがなく残っているもの。
△:文字に流れが発生したが判読が可能になっているもの。
×:文字に流れが発生して判読不可能になっているもの。
<実施例2>
(紙基材)
フリーネス430ml(CSF)の広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)70部に古紙パルプ30部を配合した濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%、顔料として軽質炭酸カルシウム(商品名「カールライトSA」、白石カルシウム社製)を添加して、十分に撹拌して分散させた。なお軽質炭酸カルシウムの添加量は、後述する抄紙後でサイズ処理前の原紙の乾燥質量に対して22%になるように調整した。次に酸化澱粉(商品名「エースA」、王子コーンスターチ社製)に水を加えて加熱溶解し、濃度を5.0%に調整してサイズプレス液とした。上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、この抄紙機に付帯してあるサイズプレスにて前記サイズプレス液によるサイズ処理を行った。サイズプレス液の紙基材への吸収量は両面合計で50ml/mであった。最後に抄紙機エンドのマシンカレンダーにて処理を行い、坪量100g/m、密度0.85g/cm、ステキヒトサイズ度40秒の帯状の紙基材を得た。この紙基材の離解後のフリーネスを測定したところ、300mlであった。
(ライナーレスラベル)
この紙基材を使用する以外、実施例1と同様な操作を行いライナーレスラベルを得た。得られたライナーレスラベルの絵・文字柄のない白紙部の平滑度を「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.5−2に基づく王研式平滑度」にて測定したところ、60秒であった。
得られたライナーレスラベルの巻取りを繰り出したところ、難なく巻き出すことができた。その後、実施例1と同様にして積層ラベルを得た。得られた積層ラベルは、各々のラベルにそれぞれ絵・文字柄が印刷され、その1辺の幅1cmの部分には感圧粘着剤層がないようにした。得られた積層ラベルでは、前記感圧粘着剤層がない部分から剥離することで、各々のラベルを1枚1枚簡単に剥がすことができた。また、積層ラベルから剥がしたラベルをダンボールに貼り付け、翌日に剥がしたところ、ダンボール自体の表面を引きちぎりながら剥がれた(材破)ことから、ラベルとして十分な粘着力があることが判った。得られたライナーレスラベルの筆記性および捺印性の評価は実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
(紙基材)
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をフリーネス430ml(CSF)になるまで叩解し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%、顔料としてタルクを添加して、十分に撹拌して分散させた。なおタルクの添加量は、後述する抄紙後でサイズ処理前の原紙の乾燥質量に対して2%になるように調整した。次に酸化澱粉(商品名「エースA」、王子コーンスターチ社製)に水を加え、加熱溶解して、濃度5.0%に調整してサイズプレス液とした。上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、この抄紙機に付帯してあるサイズプレスにて前記サイズプレス液によるサイズ処理を行った。サイズプレス液の紙基材への吸収量は両面合計で50ml/mであった。最後に抄紙機エンドのマシンカレンダーにて処理を行い、坪量100g/m、密度0.85g/cm、ステキヒトサイズ度35秒の帯状の紙基材を得た。この紙基材の離解後のフリーネスを測定したところ、350mlであった。
(ライナーレスラベル)
この紙基材を使用する以外、実施例1と同様な操作を行いライナーレスラベルを得た。得られたライナーレスラベルの絵・文字柄のない白紙部の平滑度を「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.5−2に基づく王研式平滑度」にて測定したところ、130秒であった。
得られたライナーレスラベルの巻取りを繰り出したところ、難なく巻き出すことができた。その後、実施例1と同様にして積層ラベルを得た。得られた積層ラベルは、各々のラベルにそれぞれ絵・文字柄が印刷され、その1辺の幅1cmの部分には感圧粘着剤層がないようにした。得られた積層ラベルでは、前記感圧粘着剤層がない部分から剥離することで、各々のラベルを1枚1枚簡単に剥がすことができた。また、積層ラベルから剥がしたラベルをダンボールに貼り付け、翌日に剥がしたところ、ダンボール自体の表面を引きちぎりながら剥がれた(材破)ことから、ラベルとして十分な粘着力があることが判った。
得られたライナーレスラベルの筆記性および捺印性の評価は実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
(紙基材)
フリーネス750mlの広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%、顔料として軽質炭酸カルシウム(商品名「カールライトSA」、白石カルシウム社製)を添加して、十分に撹拌して分散させた。なお軽質炭酸カルシウムの添加量は、後述する抄紙後でサイズ処理前の原紙の乾燥質量に対して40%になるように調整した。次に酸化澱粉(商品名「エースA」、王子コーンスターチ社製)に水を加えて加熱溶解し、濃度を5.0%に調整してサイズプレス液とした。上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、この抄紙機に付帯してあるサイズプレスにて前記サイズプレス液によるサイズ処理を行った。サイズプレス液の紙基材への吸収量は両面合計で50ml/mであった。最後に抄紙機エンドのマシンカレンダーにて処理を行い、坪量100g/m、密度0.80g/cm、ステキヒトサイズ度25秒の帯状の紙基材を得た。この紙基材の離解後のフリーネスを測定したところ、720mlであった。
(ライナーレスラベル)
この紙基材を使用する以外、実施例1と同様な操作を行いライナーレスラベルを得た。得られたライナーレスラベルの絵・文字柄のない白紙部の平滑度を「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.5−2に基づく王研式平滑度」にて測定したところ、15秒であった。
得られたライナーレスラベルの巻取りを繰り出したところ、剥離が重くブロッキングしていた。このため積層ラベルを作成するのをあきらめた。
<比較例2>
(紙基材)
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をフリーネス70ml(CSF)になるまで叩解し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%、顔料としてタルクを添加して、十分に撹拌して分散させた。なおタルクの添加量は、後述する抄紙後でサイズ処理前の原紙の乾燥質量に対して2%になるように調整した。次に酸化澱粉(商品名「エースA」、王子コーンスターチ社製)に水を加えて加熱溶解し、濃度を5.0%に調整してサイズプレス液とした。上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、この抄紙機に付帯してあるサイズプレスにて前記サイズプレス液によるサイズ処理を行った。サイズプレス液の紙基材への吸収量は両面合計で50ml/mであった。最後に抄紙機エンドのマシンカレンダーにて処理を行い、坪量100g/m、密度0.90g/cm、ステキヒトサイズ度30秒の紙基材を得た。この紙基材の離解後のフリーネスを測定したところ、50mlであった。
(ライナーレスラベル)
この紙基材を使用する以外、実施例1と同様な操作を行いライナーレスラベルを得た。得られたライナーレスラベルの絵・文字柄のない白紙部の平滑度を「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.5−2に基づく王研式平滑度」にて測定したところ、300秒であった。
得られたライナーレスラベルの巻取りを繰り出したところ、難なく巻き出すことができた。その後、実施例1と同様にして積層ラベルを得た。得られた積層ラベルは、各々のラベルにそれぞれ絵・文字柄が印刷され、その1辺についての幅1cmの部分には感圧粘着剤層がないようにした。得られた積層ラベルでは、前記感圧粘着剤層がない部分から剥離することで、各々のラベルを1枚1枚簡単に剥がすことができた。また、積層ラベルから剥がしたラベルをダンボールに貼り付け、翌日に剥がしたところ、ダンボール自体の表面を引きちぎりながら剥がれた(材破)ことから、ラベルとして十分な粘着力があることが判った。得られたライナーレスラベルの筆記性および捺印性の評価は実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
<比較例3>
(紙基材およびライナーレスラベル)
紙基材として片面塗工紙(商品名:OKトップコート+、坪量84.9g/m原紙)を用い、この紙基材の原紙面に印刷および剥離層を形成する以外、実施例1と同様な操作を行いライナーレスラベルを得た。得られたライナーレスラベルの絵・文字柄のない白紙部の平滑度を「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.5−2に基づく王研式平滑度」にて測定したところ、800秒であった。
得られたライナーレスラベルの巻取りを繰り出したところ、難なく巻き出すことができた。その後、実施例1と同様にして積層ラベルを得た。得られた積層ラベルは、各々のラベルにそれぞれ絵・文字柄が印刷され、その1辺の幅1cmの部分には感圧粘着剤層がないようにした。得られた積層ラベルでは、前記感圧粘着剤層がない部分から剥離することで、各々のラベルを1枚1枚簡単に剥がすことができた。また、積層ラベルから剥がしたラベルをダンボールに貼り付け、翌日に剥がしたところ、ダンボール自体の表面を引きちぎりながら剥がれた(材破)ことから、ラベルとして十分な粘着力があることが判った。得られたライナーレスラベルの筆記性および捺印性の評価は実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
<比較例4>
(紙基材およびライナーレスラベル)
紙基材として片面塗工紙(商品名:OKトップコート+、坪量84.9g/m原紙)を用い、この紙基材の塗工面に印刷および剥離層を形成する以外、実施例1と同様な操作を行ないライナーレスラベルを得た。得られたライナーレスラベルの絵・文字柄のない白紙部の平滑度を「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.5−2に基づく王研式平滑度」にて測定したところ、4000秒であった。
得られたライナーレスラベルの巻取りを繰り出したところ、難なく巻き出すことができた。その後、実施例1と同様にして積層ラベルを得た。得られた積層ラベルは、各々のラベルにそれぞれ絵・文字柄が印刷され、その1辺の幅1cmの部分には感圧粘着剤層がないようにした。得られた積層ラベルでは、前記感圧粘着剤層がない部分から剥離することで、各々のラベルを1枚1枚簡単に剥がすことができた。また、積層ラベルから剥がしたラベルをダンボールに貼り付け、翌日に剥がしたところ、ダンボール自体の表面を引きちぎりながら剥がれた(材破)ことから、ラベルとして十分な粘着力があることが判った。得られたライナーレスラベルの筆記性および捺印性の評価は実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
Figure 2013020248

Claims (9)

  1. 紙基材の一方の面に、シリコーン系剥離剤を主成分とする剥離層が設けてあり、該剥離層を設けていないもう一方の裏面上に感圧粘着剤層を設けてあるライナーレスラベルであって、前記剥離層の表面の平滑度が30秒以上200秒以下であることを特徴とするライナーレスラベル。
  2. 前記紙基材は離解後のフリーネスが80〜650mlのパルプからなる未塗工紙または片面塗工紙であり、かつ前記紙基材の塗工層を設けていない面上に前記剥離層が設けてあることを特徴とする請求項1に記載のライナーレスラベル。
  3. 前記紙基材中に、顔料が5〜30質量%含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載のライナーレスラベル。
  4. 前記顔料の主成分が軽質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項3に記載のライナーレスラベル。
  5. 前記剥離層を形成する剥離剤の塗工量が、乾燥質量で0.2〜2.0g/mであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のライナーレスラベル。
  6. 前記剥離層が紫外線硬化型シリコーン系剥離剤により形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のライナーレスラベル。
  7. 前記感圧粘着剤層がホットメルト型粘着剤により形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のライナーレスラベル。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のライナーレスラベルが積層されたことを特徴とする積層ラベル。
  9. 請求項8に記載の積層ラベルの少なくとも1つの辺または角に、感圧粘着剤層が設けられていない部分があることを特徴とする積層ラベル。
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