JP2013018366A - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】図(a)に示すスポーツモードでは、乗員79は前傾姿勢で乗車する。第1・第2リンクプレート64、65は広がっている。第1線分82と第2線分83とのなす屈曲角θ1は、180°弱になる。この状態から、第1・第2リンクプレート64、65をV字状に折り畳むと、後部構造体40が図面反時計方向へ回転する。また、前部構造体20は図面時計方向へ回転する。すると、図(b)での屈曲角θ2は小さくなる。図(a)に比較して、図(b)は駆動源支持ケース44の地上高さH2が小さくなり(H2<H1)、重心位置が下がる。同時に、シート26のポジションが低くなる。結果、図(b)は、クルージングモードとなる。
【効果】一台の車両でありながら、重心位置が変更でき、車体形状が変更できる。
【選択図】図10
Description
スポーツモードは、高速走行可能なモードであって、車両の重心位置(車両全体の重心位置もしくは、駆動源の重心位置、以下同意味とする。)やシート位置が高く、乗員は前屈みになることができ、風の抵抗を下げ俊敏な運動性を持つモードである。
一方、クルーザモードは、中速走行を得意とするモードであって、車両の重心位置やシート位置も低く、乗員は上半身を比較的起こしリラックスした乗車姿勢での安定した運動性能を持つモードである。
前記前部構造体は、前部にヘッドパイプを備え車両前後方向に延びる車体フレームと、この車体フレームの後部から延びるシートフレームと、このシートフレームに支えられるシートと、前記ヘッドパイプに操向可能に取付けられるフロントフォークと、このフロントフォークの上端に取付けられる操向ハンドルと、前記フロントフォークの下端に取付けられる前輪と、からなり、
前記後部構造体は、前記前輪の後方に配置される後輪と、この後輪より車両前方に配置され前記後輪を駆動する駆動源と、この駆動源及び前記後輪を支える支持体と、からなり、
前記前部構造体と前記後部構造体は、ヒンジ部を介して車両側面視で屈曲可能に連結され、
前記ヒンジ部を軸に前記前部構造体と前記後部構造体を車両側面視で任意の角度で屈曲設定することで車体形状を調節する車体形状調節機構を設けることを特徴とする。
本発明によれば、一台の車両でありながら、車両を前部構造体と後部構造体とにそれぞれモジュール化し、ヒンジ部を中心に車両側面視で前部構造体と後部構造体が屈曲することで、シート高さだけでなく、最低地上高、車両の重心位置及び、キャスター角を同時に変更でき、車体形状が変更できるため、乗員の好みに合わせて多様の形態を造り出すことができる鞍乗型車両が提供される。
ステアリング軸に直交する第1線分と後輪の中心を通る第2線分とのなす角を変更することができるため、前輪のキャスター角を確実に変更することができる。
図1に示すように、鞍乗型車両10は、前輪21を含む前部構造体20と、後輪41を含む後部構造体40とを主要素とし、前部構造体20と後部構造体40はヒンジ部52を介して、車両側面視で屈曲可能に連結される。屈曲調節は、後部構造体40と前部構造体20に掛け渡す車体形状調節機構60で実施される。
さらに、駆動源支持ケース44の前壁48がくり抜かれそこに、電動モータ42を冷却するラジエータ49が配置される。
前部構造体20と後部構造体40はヒンジ部52で連結するとともに、後部構造体40に設けた車体形状調節機構60を前部構造体20に渡すことで、鞍乗型車両が完成する。
図4に示すように、車体形状調節機構60は、駆動源支持ケース44に取付けられるアクチュエータ61と、このアクチュエータ61から延ばされアクチュエータ61により回されるねじ軸62と、このねじ軸62にねじ込まれるナット63と、このナット63に揺動可能に連結され先端が駆動源支持ケース44に連結される第1リンクプレート64及び先端が車体フレーム24に連結される第2リンクプレート65とからなるトグル機構である。
アクチュエータ61は、電動機66と、この電動機66の回転速度を減速する減速機67とからなる。アクチュエータ61は、減速機を電動機ケースに内蔵した減速機付き電動機であっても良い。また、油圧モータを主要素とする油圧アクチュエータであってもよい。
図8(a)にスポーツモードに対応したナット63の位置が示される。第1・第2リンクプレート64、65は広がっている。
アクチュエータによりナット63を上へ移動すると、広がっていた第1・第2リンクプレート64、65は、図8(b)に示すように、V字形に折り畳まれ、結果、車体フレーム24にブラケット75が接近する。
図4に示す減速機67が支軸68を中心に図時計方向に回転する。減速機67の近傍にて駆動源支持ケース44にポケット部78が設けられている。このポケット部78は、駆動源支持ケース44を局部的に外側へ膨出させることで形成される。
駆動源支持ケース44を全体的に拡げることなく、局部的に膨出することで、揺動するアクチュエータ61を収納することができ、駆動源支持ケース44のコンパクト化が達成される。
第1・第2リンクプレート64、65は広がっている。ヒンジ部52の中心を通りステアリング軸81に直交する第1線分82と、ヒンジ部52の中心を通り後輪41の中心を通る第2線分83とのなす屈曲角θ1は、180°弱になる。
結果、(a)のホイールベースW1に対して、(b)のホイールベースW2は大きくなる。
すなわち、車体形状調節機構にて、車体形状をクルーザモードとスポーツモードの一方から他方へ任意に変更することができる。
さらに、駆動源支持ケース44の前壁48がくり抜かれそこに、内燃機関42を冷却するラジエータ49が配置される。
また、車体形状調節機構は、液圧シリンダを駆動ケースと車体フレームの間に直接掛け渡すようにしてもよく、トグル機構に限定するものではない。ただし、トグル機構は、ねじ軸とナットが減速作用を発揮するため、電動機の容量(キャパシティ)を小さくすることができる。結果、安価で小型の電動機が採用できる。
電動機を操作する操作子は、操作ハンドルに付設する他、メータ類近傍に設けてもよく設置位置は任意である。ただし、操作子を操作ハンドルに付設した場合は、より迅速に且つ容易に操作ができ、モード変更を容易に行うことができる。
Claims (8)
- 前部構造体(20)と後部構造体(40)を主要素とする鞍乗型車両であって、
前記前部構造体(20)は、前部にヘッドパイプ(23)を備え車両前後方向に延びる車体フレーム(24)と、この車体フレーム(24)の後部から延びるシートフレーム(25)と、このシートフレーム(25)に支えられるシート(26)と、前記ヘッドパイプ(23)に操向可能に取付けられるフロントフォーク(22)と、このフロントフォーク(22)の上端に取付けられる操向ハンドル(34)と、前記フロントフォーク(22)の下端に取付けられる前輪(21)と、からなり、
前記後部構造体(40)は、前記前輪(21)の後方に配置される後輪(41)と、この後輪(41)より車両前方に配置され前記後輪(41)を駆動する駆動源(42)と、この駆動源(42)及び前記後輪(41)を支える支持体(43)と、からなり、
前記前部構造体(20)と前記後部構造体(40)は、ヒンジ部(52)を介して車両側面視で屈曲可能に連結され、
前記ヒンジ部(52)を軸に前記前部構造体(20)と前記後部構造体(40)を車両側面視で任意の角度で屈曲設定することで車体形状を調節する車体形状調節機構(60)を設けることを特徴とする鞍乗型車両。 - 前記車体形状調節機構(60)は、車両側面視で、前記ヒンジ部(52)の中心を通りステアリング軸(81)に直交する第1線分(82)と、前記ヒンジ部(52)の中心を通り後輪(41)の中心を通る第2線分(83)とのなす角(θ1)を変更するように、前記ヒンジ部(52)を軸に前記前部構造体(20)と前記後部構造体(40)を屈曲させるものであることを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両。
- 前記支持体(43)は、前記駆動源(42)を支える駆動源支持ケース(44)と、この駆動源支持ケース(44)にピボット軸(45)を介して上下揺動可能に取付けられ前記後輪(41)を支えるスイングアーム(46)と、このスイングアーム(46)と前記駆動源支持ケース(44)に渡されるリヤクッション(47)と、からなることを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両。
- 前記車体形状調節機構(60)は、前記駆動源(42)を支える駆動源支持ケース(44)又は前記車体フレーム(24)に取付けられるアクチュエータ(61)と、このアクチュエータ(61)から延ばされ前記アクチュエータ(61)により回されるねじ軸(62)と、このねじ軸(62)にねじ込まれるナット(63)と、このナット(63)に揺動可能に連結され先端が前記駆動源支持ケース(44)に連結される第1リンクプレート(64)及び先端が前記車体フレーム(24)に連結される第2リンクプレート(65)と、からなるトグル機構であることを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両。
- 前記駆動源(42)は電動モータであり、前記駆動源支持ケース(44)は前記電動モータへ供給する電気エネルギーを蓄える走行用バッテリ(53)を備えることを特徴とする請求項2記載の鞍乗型車両。
- 前記駆動源(42)は内燃機関であり、前記駆動源支持ケース(44)は前記内燃機関へ供給する燃料を蓄える燃料タンク(84)を備えることを特徴とする請求項2記載の鞍乗型車両。
- 前記アクチュエータ(61)は、電動機(66)を主要素とし、前記駆動源支持ケース(44)に取付けられることを特徴とする請求項4記載の鞍乗型車両。
- 前記電動機(66)を制御する制御部(72)へ、正逆転命令を送る操作子(71)が、前記操作ハンドル(34)に付設されていることを特徴とする請求項7記載の鞍乗型車両。
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