JP2013014911A - 免震構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震時等において、上部構造物の外周領域に作用する鉛直変動荷重の影響を受けることなく上部構造物への免震性を発揮させることができる免震構造を提供する。
【解決手段】上部構造物16の外周領域30を支持する荷重支持装置24と、荷重支持装置24と上部構造物16とを滑り可能とする第2滑り手段26と、地震時に荷重支持装置24に生じる水平せん断変形量を規制する変形規制手段と、を有する免震構造18により、地震時等において、上部構造物16の外周領域30に作用する鉛直変動荷重の影響を受けることなく上部構造物16への免震性を発揮させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、下部構造物上に上部構造物を免震支持する免震構造に関する。
特許文献1には、基礎上に固定された積層ゴム体と、積層ゴム体の上端面に取り付けられた滑り材と、上部構造物の下面に固定され、滑り材が滑り変形する滑り面を下面に有する介在体と、を備えた免震支承装置が開示されている。
このような滑り型の免震支承装置(以下、「滑り免震装置」とする)は、積層ゴム体が基礎上に上部構造物を免震支持して、地震等の振動の上部構造物への伝達を低減するとともに、積層ゴム体を構成するゴム層に過大な変形が生じてハードニングを起こす前に滑り材が滑り出すように滑り材の滑り出し荷重(滑り材の上面と、介在体の滑り面との間に生じる静止摩擦力)を設定することによって、大地震時においても上部構造物への免震性を発揮させることができる。
ここで、上部構造物を、平面視にて内側の中央領域と外側の外周領域とに分けて考えると、地震等によりロッキングが生じた上部構造物の外周領域に作用する鉛直荷重は、静止状態にある上部構造物の外周領域に作用する鉛直荷重(以下、「標準鉛直荷重」とする)に対して大きく変動する。
滑り材の上面と介在体の滑り面との間に生じる静止摩擦力は、滑り材の上面と介在体の滑り面との間の静止摩擦係数に、滑り材の上面に作用する鉛直荷重を掛けた値になるので、滑り材の上面と介在体の滑り面との間の静止摩擦係数に標準鉛直荷重を掛けた値を滑り免震装置の滑り出し荷重として設定した場合、上部構造物の外周領域に作用する鉛直荷重が標準鉛直荷重よりも大きくなると、実際の滑り出し荷重は、設定した滑り出し荷重よりも大きくなってしてしまう。これにより、滑り出し時における積層ゴム体の水平せん断変形量が過大になり、積層ゴム体を構成するゴム層の水平せん断歪みも過大になってゴム層がハードニングを起こし、上部構造物への免震性が低下してしまうことが考えられる。
特開平9−310408号公報
本発明は係る事実を考慮し、地震時等において、上部構造物の外周領域に作用する鉛直変動荷重の影響を受けることなく上部構造物への免震性を発揮させることができる免震構造を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、下部構造物上に設置され、上部構造物の中央領域を支持する第1積層ゴム体と、前記第1積層ゴム体と前記上部構造物、又は前記第1積層ゴム体と前記下部構造物とを滑り可能とする第1滑り手段と、前記下部構造物上に設置され、前記上部構造物の外周領域を支持する荷重支持装置と、前記荷重支持装置と前記上部構造物、又は前記荷重支持装置と前記下部構造物とを滑り可能とする第2滑り手段と、地震時に前記荷重支持装置に生じる水平せん断変形量を規制する変形規制手段と、を有する免震構造である。
請求項1に記載の発明では、第1積層ゴム体、第1滑り手段、及び第2滑り手段によって、上部構造物を免震支持することにより、地震等の振動の上部構造物への伝達を低減することができる。また、地震時等において、上部構造物の外周領域に作用する鉛直変動荷重の影響を受けることなく上部構造物への免震性を発揮させることができる。
請求項2に記載の発明は、前記変形規制手段は、前記荷重支持装置の水平せん断剛性の大きさを前記第1積層ゴム体の水平せん断剛性の大きさよりも大きくしている。
請求項2に記載の発明では、荷重支持装置の水平せん断剛性の大きさを第1積層ゴム体の水平せん断剛性の大きさよりも大きくすることにより、荷重支持装置に生じる水平せん断変形量を所定値よりも小さくすることができる。
請求項3に記載の発明は、前記変形規制手段は、前記荷重支持装置を、積層ゴム体を備えていない荷重支持部材にしている。
請求項3に記載の発明では、荷重支持装置を、積層ゴム体を備えていない荷重支持部材によって構成することにより、荷重支持装置を積層ゴム体とした場合に考えられる「積層ゴム体を構成するゴム体がハードニングを起こすことにより、上部構造物への免震性が低下する。」といった問題が発生しない。
請求項4に記載の発明は、前記荷重支持装置は、第2積層ゴム体であり、前記変形規制手段は、前記第2積層ゴム体の水平せん断変形量を規制するストッパー部材である。
請求項4に記載の発明では、第1積層ゴム体と第2積層ゴム体とにより、下部構造物上に上部構造物を免震支持して、地震等の振動の上部構造物への伝達を低減することができる。また、ストッパー部材により第2積層ゴム体に生じる水平せん断変形量を規制し、第2積層ゴム体の水平せん断変形量を所定値よりも小さくすることができる。
本発明は上記構成としたので、地震時等において、上部構造物の外周領域に作用する鉛直変動荷重の影響を受けることなく上部構造物への免震性を発揮させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る建築物を示す立面図である。 本発明の第1の実施形態に係る免震構造を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態に係る免震構造を示す正面図である。 本発明の第3の実施形態に係る免震構造を示す正面図である。 本発明の第3の実施形態に係るストッパー部材を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るストッパー部材の変形例を示す正面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る鉛プラグ入り積層ゴム体の設置変形例を示す正面図である。
図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、本発明の実施形態では、鉄筋コンクリート造の建築物に本発明を適用した例を示すが、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、CFT造(Concrete-Filled Steel Tube:充填形鋼管コンクリート構造)、それらの混合構造など、さまざまな構造や規模の建築物に対して適用することができる。
まず、本発明の第1の実施形態に係る免震構造について説明する。
図1の立面図に示すように、建築物10は、地盤12上に設けられた下部構造物としての鉄筋コンクリート造の基礎14と、上部構造物としての鉄筋コンクリート造の上部建物16と、基礎14と上部建物16との間に配置された免震構造18とを有している。
図2の正面図に示すように、免震構造18は、第1積層ゴム体としての鉛プラグ入り積層ゴム体20、第1滑り手段としての滑り支承22、荷重支持装置となる第2積層ゴム体としての鉛プラグ入り積層ゴム体24、第2滑り手段としての滑り支承26、及び変形規制手段を有している。
鉛プラグ入り積層ゴム体20は、基礎14上に設置され、上部建物16の平面視における中央領域28を支持している。鉛プラグ入り積層ゴム体24は、基礎14上に設置され、上部建物16の平面視における外周領域30(上部建物16の平面視における中央領域28以外の領域)を支持している。
鉛プラグ入り積層ゴム20は、円盤状のゴム体32と円盤状の鋼製の板部材34とを交互に複数積層して形成されており、平面視にてゴム体32及び板部材34の略中央に形成された孔に圧入された円柱状の鉛プラグの塑性変形によって減衰機能を発揮する。
鉛プラグ入り積層ゴム24は、円盤状のゴム体36と円盤状の鋼製の板部材38とを交互に複数積層して形成されており、平面視にてゴム体36及び板部材38の略中央に形成された孔に圧入された円柱状の鉛プラグの塑性変形によって減衰機能を発揮する。
滑り支承22は、滑り板40及び滑り材42によって構成されている。滑り板40は、下面に滑り面44が形成されており、上部建物16の下面に取り付けられている。滑り材42は、鉛プラグ入り積層ゴム体20の上部フランジ46上面に取り付けられており、上面が滑り板40の滑り面44に摺動可能に接触している。これにより、鉛プラグ入り積層ゴム体20と、上部建物16とを滑り変形可能としている。
滑り支承26は、滑り板48及び滑り材50によって構成されている。滑り板48は、下面に滑り面52が形成されており、上部建物16の下面に取り付けられている。滑り材50は、鉛プラグ入り積層ゴム体24の上部フランジ54上面に取り付けられており、上面が滑り板48の滑り面52に摺動可能に接触している。これにより、鉛プラグ入り積層ゴム体24と、上部建物16とを滑り変形可能としている。
滑り面44、52は、例えば、ステンレス鋼によって形成され、滑り材42、50は、例えば、四フッ化エチレン(PTFE)によって形成されている。
そして、これらの構成により、滑り支承22、26は、滑り出し荷重以上の水平力が上部建物16に作用したときに滑り変形し、基礎14と上部建物16とを水平方向へ相対移動させる。
また、免震構造18では、式(1)に示すように、鉛プラグ入り積層ゴム体24を構成するゴム体36のせん断弾性係数Goutを、鉛プラグ入り積層ゴム体20を構成するゴム体32のせん断弾性係数Ginよりも大きくすることによって、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断剛性の大きさを鉛プラグ入り積層ゴム体20の水平せん断剛性の大きさよりも大きくしており、この構成を変形規制手段としている。そして、この変形規制手段により、地震時に鉛プラグ入り積層ゴム体24に生じる水平せん断変形量を規制する。
Figure 2013014911
次に、本発明の第1の実施形態に係る免震構造の作用と効果について説明する。
本発明の第1の実施形態の免震構造18では、鉛プラグ入り積層ゴム体20、24、及び滑り支承22、26が、基礎14上に上部建物16を免震支持して上部建物16を免震化することにより、地震等の振動の上部建物16への伝達を低減することができる。
また、変形規制手段によって、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断剛性の大きさを鉛プラグ入り積層ゴム体20の水平せん断剛性の大きさよりも大きくすることにより、滑り支承26が滑り出す(滑り50の上面に対して、滑り板48の滑り面52が摺動し始める)前の状態において、鉛プラグ入り積層ゴム体24により基礎14上に上部建物16を確実に支持することができる。
また、変形規制手段により鉛プラグ入り積層ゴム体24に生じる水平せん断変形量が規制されるので、地震時等に生じる上部建物16のロッキング等によって標準鉛直荷重(静止状態にある上部建物16の外周領域30に作用する鉛直荷重)よりも大きな鉛直荷重が上部建物16の外周領域30に作用し、標準鉛直荷重に基づいて設定した(滑り支承26の静止摩擦係数に標準鉛直荷重を掛けて求めた)滑り出し荷重よりも実際の滑り出し荷重が大きくなってしまった場合においても、上部建物16に所定の免震性を与えることができる。
具体的には、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断剛性の大きさを鉛プラグ入り積層ゴム体20の水平せん断剛性の大きさよりも大きくすることにより、滑り支承26が滑り出す(滑り50の上面に対して、滑り板48の滑り面52が摺動し始める)時の鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断変形量を、鉛プラグ入り積層ゴム体24を構成するゴム体36がハードニングを起こす所定値よりも小さくすることができる。
すなわち、地震時等において、上部建物16の外周領域30に作用する鉛直変動荷重の影響を受けることなく上部建物16への免震性を発揮させることができる。
ここで、ハードニングとは、地震等により積層ゴム体が大変形を生じたときに、積層ゴム体を構成するゴム体が急激に硬化する現象のことを意味する。積層ゴム体を構成するゴム体にハードニングが発生すると、下部構造物(第1の実施形態では、基礎14)から上部構造物(第1の実施形態では、上部建物16)へ伝達される荷重が急増して免震効果が大きく損なわれる。
以上、本発明の第1の実施形態に係る免震構造について説明した。
なお、本発明の第1の実施形態では、鉛プラグ入り積層ゴム体24を構成するゴム体36のせん断弾性係数Goutを、鉛プラグ入り積層ゴム体20を構成するゴム体32のせん断弾性係数Ginよりも大きくすることによって、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断剛性の大きさを鉛プラグ入り積層ゴム体20の水平せん断剛性の大きさよりも大きくした例を示したが、式(2)に示すように、鉛プラグ入り積層ゴム体24を構成するゴム体36の総厚さHoutを、鉛プラグ入り積層ゴム体20を構成するゴム体32の総厚さHinよりも小さくすることによって、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断剛性の大きさを鉛プラグ入り積層ゴム体20の水平せん断剛性の大きさよりも大きくしてもよいし、式(3)に示すように、鉛プラグ入り積層ゴム体24を構成するゴム体36の受圧面積Aoutを、鉛プラグ入り積層ゴム体20を構成するゴム体32の受圧面積Ainよりも大きくすることによって、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断剛性の大きさを鉛プラグ入り積層ゴム体20の水平せん断剛性の大きさよりも大きくしてもよい。
Figure 2013014911
Figure 2013014911
次に、本発明の第2の実施形態に係る免震構造について説明する。
第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。第2の実施形態の免震構造56では、図3の正面図に示すように、上部建物16の平面視における外周領域30(上部建物16の平面視における中央領域28以外の領域)を支持する荷重支持装置を、積層ゴム体を備えていない荷重支持部材58とし、この構成を変形規制手段としている。そして、この変形規制手段により、地震時に荷重支持装置に生じる水平せん断変形量を規制する。なお、荷重支持部材58は、地震時に荷重支持装置に生じる水平せん断変形量を規制することが可能な水平せん断剛性を有する部材であればよく、例えば、荷重支持部材58を、鉄筋コンクリートにより形成された柱状部材や鋼管としてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る免震構造の作用と効果について説明する。
本発明の第2の実施形態の免震構造56では、荷重支持装置を、積層ゴム体を備えていない荷重支持部材58により構成することにより、荷重支持装置を積層ゴム体とした場合に考えられる「積層ゴム体を構成するゴム体がハードニングを起こすことにより、上部建物16への免震性が低下する。」といった問題が発生しない。
また、荷重支持部材58の鉛直剛性を、鉛プラグ入り積層ゴム体20よりも大きくすることにより、上部建物16から生じる鉛直荷重は、鉛直剛性の小さい鉛プラグ入り積層ゴム体20に支持された中央領域28の方が、鉛直剛性の大きい荷重支持部材58に支持された外周領域30よりも小さくなる。よって、滑り支承22の静止摩擦力は大きくならないので、鉛プラグ入り積層ゴム体20を構成するゴム体32がハードニング起こすことを懸念する必要が無くなる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る免震構造について説明する。
第3の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。第3の実施形態の免震構造60では、図4の正面図に示すように、変形規制手段を、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断変形量を規制するストッパー部材62としている。
ストッパー部材62は、図4のA−A矢視図である図5(a)に示すように、鋼製の底部64と、底部64上に一体に設けられた鋼製の円筒部66とによって構成され、基礎14上に設置されている。そして、鉛プラグ入り積層ゴム体24は、底部64上に設置されている。また、ストッパー部材62の円筒部66は、正面視にて上部フランジ54の全部又は一部が円筒部66内に配置される高さを有している。
ここで、図5(a)に示すように、上部建物16の静止状態における、鉛プラグ入り積層ゴム体24の上部フランジ54の外周面と、ストッパー部材62の円筒部66の内周面との間の水平距離を所定値としての値dとすると、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断変形量が値dに達したときに、鉛プラグ入り積層ゴム体24の上部フランジ54の外周面が、ストッパー部材62の円筒部66の内周面に接触し、それ以上の変形を阻止する。
次に、本発明の第3の実施形態に係る免震構造の作用と効果について説明する。
本発明の第3の実施形態の免震構造60では、ストッパー部材62により鉛プラグ入り積層ゴム体24に生じる水平せん断変形量を規制し、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断変形量を値dよりも小さくすることができる。
例えば、免震性能を発揮させることが可能な(鉛プラグ入り積層ゴム体24を構成するゴム体36がハードニングを起こさない)鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断変形量の最大値を値dとすれば、地震時等に生じる上部建物16のロッキング等によって標準鉛直荷重(静止状態にある上部建物16の外周領域30に作用する鉛直荷重)よりも大きな鉛直荷重が上部建物16の外周領域30に作用し、標準鉛直荷重に基づいて設定した(滑り支承26の静止摩擦係数に標準鉛直荷重を掛けて求めた)滑り支承26の滑り出し荷重よりも実際の滑り出し荷重が大きくなってしまったときにおいても、鉛プラグ入り積層ゴム体24に所定の免震性を発揮させることができる。
すなわち、地震時等において、上部建物16の外周領域30に作用する鉛直変動荷重の影響を受けることなく上部建物16への免震性を発揮させることができる。
以上、本発明の第3の実施形態に係る免震構造について説明した。
なお、本発明の第3の実施形態では、鉛プラグ入り積層ゴム体24を構成するゴム体36がハードニングを起こさない、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断変形量の最大値を値dとした一例を示したが、積層ゴム体を構成するゴム体は、一般的に、積層ゴム体の水平せん断歪が250%(水平せん断変形量がゴム体の総厚さの2.5倍)になったときにハードニングを起こすので、この水平せん断変形量(=ゴム体の総厚さ×2.5)よりも値dを小さくするのが好ましい。
また、本発明の第3の実施形態では、底部64と円筒部66とによってストッパー部材62を構成した例を示したが、ストッパー部材は、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断変形量を規制することができれば、どのような形状でもよいし、どのような材料によって形成してもよい。
例えば、図5(b)の平面図に示すストッパー部材68のように、鋼製の底部70と、底部70上に一体に設けられた鋼製の角筒部72とによって構成してもよいし、図5(c)の平面図に示すストッパー部材74のように、鉛プラグ入り積層ゴム体24の上部フランジ54の周囲を取り囲むように等間隔に配置された複数の鋼製の棒状部材76によって構成してもよい。なお、図5(b)には、上部フランジ54の平面形状を正方形にした例が示されている。
また、例えば、図6の正面断面図に示すように、基礎14上に設置した高減衰積層ゴム体78を荷重支持装置にして、平面視にて高減衰積層ゴム体78の略中央に略鉛直に形成された孔82へ、周囲に隙間を有するようにして挿入され、基礎14上に設置された下部フランジ84に下端部が固定された鋼製の円柱部材80をストッパー部材としてもよい。
以上、本発明の第1〜第3の実施形態について説明した。
なお、本発明の第1〜第3の実施形態では、第1積層ゴム体20、及び第2積層ゴム体24を、鉛プラグ入り積層ゴム体とした例を示したが、他の構成の積層ゴム体としてもよい。例えば、第1積層ゴム体、及び第2積層ゴム体を、高減衰積層ゴム体や天然ゴム系積層ゴム体としてもよい。
また、本発明の第1〜第3の実施形態では、変形規制手段により第2積層ゴム体24の水平せん断剛性を大きくすることによって、上部建物16の外周領域30に作用する鉛直変動荷重の影響を受けることなく上部建物16への免震性を発揮させる例を示したが、式(4)に示すように、第2滑り手段としての滑り支承26(滑り材50の上面と、滑り板48の滑り面52との間)の静止摩擦係数μoutの大きさを、第1滑り手段としての滑り支承22(滑り材42の上面と、滑り板40の滑り面44との間)の静止摩擦係数μinの大きさよりも小さくしてもよい。
Figure 2013014911
また、滑り材42、50の上面と、滑り面44、52との間の静止摩擦係数が、滑り材42、50の上面の面圧に反比例するように、滑り支承22、26を構成してもよい。このようにすれば、滑り材42、50の上面の面圧が変化しても、滑り材42、50の上面と、滑り面44、52との間の静止摩擦力は常に同じ値になる。これにより、標準鉛直荷重よりも大きな鉛直荷重が上部建物16の外周領域30に作用した場合の滑り出し荷重は、標準鉛直荷重に基づいて設定した滑り出し荷重と同じになるので、上部建物16に所定の免震性を与えることができる。
また、本発明の第1〜第3の実施形態では、鉛プラグ入り積層ゴム体20と上部建物16との間に第1滑り手段としての滑り支承22を配置して、鉛プラグ入り積層ゴム体20と上部建物16とを滑り可能とし、鉛プラグ入り積層ゴム体24と上部建物16との間に第2滑り手段としての滑り支承26を配置して、鉛プラグ入り積層ゴム体24と上部建物16とを滑り可能とした例を示したが、これに限らない。
例えば、図7の正面図に示すように、鉛プラグ入り積層ゴム体20と基礎14との間に第1滑り手段としての滑り支承22を配置して、鉛プラグ入り積層ゴム体20と基礎14とを滑り可能とし、鉛プラグ入り積層ゴム体24と基礎14との間に第2滑り手段としての滑り支承26を配置して、鉛プラグ入り積層ゴム体24と基礎14とを滑り可能としてもよい。
また、本発明の第1〜第3の実施形態で示した中央領域28や外周領域30の範囲は、あくまでも一例であり、中央領域28や外周領域30の範囲は、適宜設定すればよい。中央領域28や外周領域30の範囲の設定方法は、地震等によりロッキングが生じた上部建物16の外周領域30に作用する鉛直荷重が、変動して、標準鉛直荷重よりも大きくなり、滑り支承26の滑り出し時における鉛プラグ入り積層ゴム体24のゴム体36の水平せん断歪みが過大になってゴム体36がハードニングを起こしてしまう領域を外周領域30とし、上部建物16における平面視にて外周領域30以外の領域を中央領域28とする。
以上、本発明の第1〜第3の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、第1〜第3の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
(実施例)
本実施例では、数式を用いて、式(1)〜(4)の場合に、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断変形量を、鉛プラグ入り積層ゴム体20の水平せん断変形量よりも小さくできることについて説明する。
まず、滑り支承において、係数をα、β、面圧(滑り材の上面に生じる圧力)をσ、受圧面積(滑り材の上面の面積)をAとし、0≦β≦1とすると、摩擦係数(滑り材の上面と、滑り板の滑り面との間の摩擦係数)μは式(5)、軸力Nは式(6)、滑り出し荷重(滑り材の上面に対して滑り板の滑り面が滑り始める水平荷重)Qは式(7)によって求めることができる。
Figure 2013014911
Figure 2013014911
Figure 2013014911
そして、式(7)に式(5)、(6)を代入することにより、式(8)が得られる。
Figure 2013014911
次に、鉛プラグ入り積層ゴム体を構成するゴム体において、ゴム体のせん断弾性係数をG、ゴム体の総厚さをH、鉛プラグ入り積層ゴム体の水平せん断変形量をδとすると、せん断力Qは式(9)により求められる。ここで、Q=Qなので、式(8)、(9)より、式(10)が得られる。
Figure 2013014911
Figure 2013014911
次に、中央領域28を支持する鉛プラグ入り積層ゴム体20(図2を参照のこと)のα、β、G、H、σを、αin、β、Gin、Hin、σinとし、外周領域30を支持する鉛プラグ入り積層ゴム体24(図2を参照のこと)のα、β、G、H、σを、αout、β、Gout、Hout、σoutとし、地震等によりロッキングが生じた上部建物16の外周領域30に作用する鉛直荷重が、中央領域28に作用する鉛直荷重よりも大きくなった状態を想定して、σin<σoutとすると、式(10)は、式(11)、(12)になる。
Figure 2013014911
Figure 2013014911
ここで、δin=δoutとすると、式(11)、(12)より式(13)が成り立つ。そして、σin<σout、かつ、0≦β≦1の条件下では、式(14)が成り立つので、式(15)が求められる。なお、β=1の場合にのみ、式(14)、(15)において等号が成り立つ。
Figure 2013014911
Figure 2013014911
Figure 2013014911
以下、β≒1の場合を考えると、αin=αoutとしたときには、式(15)は式(16)となるので、式(1)及び式(2)の場合に、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断変形量を、鉛プラグ入り積層ゴム体20の水平せん断変形量よりも小さくできることがわかる。
また、Gin/Hin=Gout/Houtとしたときには、式(15)は式(17)となるので、式(4)の場合に、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断変形量を、鉛プラグ入り積層ゴム体20の水平せん断変形量よりも小さくできることがわかる。
Figure 2013014911
Figure 2013014911
また、式(9)より、受圧面積Aが大きいほどせん断力Qが大きくなることがわかるので、式(3)の場合に、鉛プラグ入り積層ゴム体24の水平せん断変形量を、鉛プラグ入り積層ゴム体20の水平せん断変形量よりも小さくできることがわかる。
なお、β=1の場合に、滑り材42、50の上面と、滑り面44、52との間の静止摩擦係数が、滑り材42、50の上面の面圧に反比例する構成になる。
14 基礎(下部構造物)
16 上部建物(上部構造物)
18、56、60 免震構造
20 鉛プラグ入り積層ゴム体(第1積層ゴム体)
22 滑り支承(第1滑り手段)
24 鉛プラグ入り積層ゴム体(第2積層ゴム体、荷重支持装置)
26 滑り支承(第2滑り手段)
28 中央領域
30 外周領域
58 荷重支持部材(荷重支持装置)
62、68、74 ストッパー部材(変形規制手段)
78 高減衰積層ゴム体(第2積層ゴム体、荷重支持装置)

Claims (4)

  1. 下部構造物上に設置され、上部構造物の中央領域を支持する第1積層ゴム体と、
    前記第1積層ゴム体と前記上部構造物、又は前記第1積層ゴム体と前記下部構造物とを滑り可能とする第1滑り手段と、
    前記下部構造物上に設置され、前記上部構造物の外周領域を支持する荷重支持装置と、
    前記荷重支持装置と前記上部構造物、又は前記荷重支持装置と前記下部構造物とを滑り可能とする第2滑り手段と、
    地震時に前記荷重支持装置に生じる水平せん断変形量を規制する変形規制手段と、
    を有する免震構造。
  2. 前記変形規制手段は、前記荷重支持装置の水平せん断剛性の大きさを前記第1積層ゴム体の水平せん断剛性の大きさよりも大きくしている請求項1に記載の免震構造。
  3. 前記変形規制手段は、前記荷重支持装置を、積層ゴム体を備えていない荷重支持部材にしている請求項1に記載の免震構造。
  4. 前記荷重支持装置は、第2積層ゴム体であり、
    前記変形規制手段は、前記第2積層ゴム体の水平せん断変形量を規制するストッパー部材である請求項1に記載の免震構造。




























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