JP2011122404A - 免震システム - Google Patents

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孝 辻井
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
Yoshihiro Tatsumi
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Jun Oka
潤 岡
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Abstract

【課題】基礎または下部建物の水平方向の揺れと垂直方向の揺れとを上部建物に伝わりにくくした免震システムを提供すること。
【解決手段】下部建物2と下部建物2の上方に構築された上部建物3との間に設置される免震システムであって、上部建物3を構成する柱31の直下に設置され、上部建物3を支持するとともに、水平方向の揺れには変形するように、ゴムシートと鋼板とを交互に貼り合わせた積層支承5と、上部建物3を構成する柱31の直下に設置され、上部建物3を支持するとともに、水平方向の揺れが予め設定された閾値に満たない場合に変形し、水平方向の揺れが予め設定された閾値を超える場合に滑動する一方、垂直方向の揺れには変形しやすいように、厚肉のゴムシートと鋼板とを交互に貼り合わせ、かつ、すべり材とすべり板とを組み合わせた弾性すべり支承6とを備えるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、基礎または下部建物とこれらの上方に構築された上部建物との間に設置される免震システムに関する。
基礎または下部建物とこれらの上方に構築された上部建物との間に積層ゴム等の免震装置を設置することにより、地震等による基礎または下部建物の揺れを上部建物に伝わりにくくした免震システムが広く知られるようになっている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、上述した免震装置は、薄いゴムシートと鋼板とを交互に貼り合わせて積層したために、水平方向に大きな力が作用すると水平方向に大きく変形するが、垂直方向に大きな力が作用しても垂直方向に変形しにくいという性質を有している。すなわち、基礎または下部建物の水平方向の揺れは上部建物に伝わりにくいが、基礎または下部建物の垂直方向の揺れは上部建物に伝わりやすいという性質を有している。このため、薄いゴムシートと鋼板とを交互に積層した免震装置(以下、積層支承の免震装置という)だけでは、基礎または下部建物の垂直方向の揺れが上部建物に伝わりにくい免震システムを構築することができない。
一方、上述したゴムシートよりも厚肉のゴムシートと鋼板とを交互に貼り合わせた免震装置(以下、厚肉積層支承の免震装置という)によれば、垂直方向に大きな力が作用すれば垂直方向にも変形しやすいことになる。したがって、たとえば、基礎または下部建物とこれらの上方に構築された上部建物との間に上下方向の固有振動数が10Hz未満となるように肉厚を設定したゴムシートと鋼板とを交互に貼り合わせた免震装置を設置すれば、基礎または下部建物の垂直方向の揺れは上部建物に伝わりにくくなる(たとえば、特許文献2参照)。
特開2002−188315号公報 特開2000−64659号公報
しかしながら、厚肉積層支承の免震装置は、積層支承の免震装置よりもゴムシート一層当たりの厚みがあるため、垂直方向の荷重を負担する際の変形量は、厚肉積層支承の免震装置のほうが積層支承の免震装置よりも大きく、水平方向の変形を受けている状態では座屈しやすくなる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、免震装置の座屈を回避しつつ、基礎または下部建物の水平方向の揺れと垂直方向の揺れとを上部建物に伝わりにくくした免震システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、基礎または下部建物とこれらの上方に構築された上部建物との間に設置される免震システムであって、上部建物を構成する柱の直下に設置され、上部建物を支持するとともに、水平方向の揺れには大きく変形するように、ゴムシートと鋼板とを交互に貼り合わせた積層支承と、上部建物を構成する柱のうち上下方向の揺れを低減させたい柱の直下に設置され、上部建物を支持するとともに、水平方向の揺れが予め設定された閾値に満たない場合に変形し、水平方向の揺れが予め設定された閾値を超えた場合に滑動する一方、垂直方向の揺れには変形しやすいように、前記ゴムシートよりも厚肉のゴムシートと鋼板とを交互に貼り合わせ、かつ、すべり材とすべり板とを組み合わせた弾性すべり支承とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、基礎または下部建物とこれらの上方に構築された上部建物との間に設置される免震システムであって、上部建物を構成する柱の直下に設置され、上部建物を支持するとともに、水平方向の揺れが予め設定された閾値に満たない場合に変形し、水平方向の揺れが前記閾値を超える場合に滑動する一方、垂直方向の揺れには変形しやすいように、厚肉のゴムシートと鋼板とを交互に貼り合わせ、かつ、すべり材とすべり板とを組み合わせた弾性すべり支承と、基礎または下部建物と上部建物との間に基礎または下部建物と上部建物のいずれか一方から離隔するとともに他の一方を拘束して設置され、水平方向の揺れに変形する水平動用免震デバイスとを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、基礎または下部建物と上部建物との間に設けられ、上部建物の変位を抑制するダンパーを備えたことを特徴とする。
本発明にかかる免震システムは、垂直方向の揺れには、弾性すべり支承が変形することで揺れを吸収し、垂直方向の揺れを上部建物に伝わりにくくする。水平方向の揺れが閾値に満たない場合には、積層支承と弾性すべり支承、あるいは弾性すべり支承と水平動用免震デバイスとが変形する一方、水平方向の揺れが閾値を超えた場合には、積層支承が変形するとともに弾性すべり支承が滑動し、あるいは弾性すべり支承が滑動するとともに変形することにより、水平方向の揺れを上部建物に伝わりにくくする。弾性すべり支承は、水平方向の揺れが閾値に満たない場合、閾値を超えた場合のいずれの場合にも座屈することはない。したがって、弾性すべり支承(免震装置)の座屈を回避しつつ、基礎または下部建物の水平方向の揺れと垂直方向の揺れとを上部建物に伝わりにくくした免震システムを提供できる。
図1は、本発明の実施の形態1である免震システムを示す概念図である。 図2は、図1に示した積層支承を説明するための概念図であって、一部を切り欠いた状態を示す図である。 図3は、図1に示した弾性すべり支承を説明するための概念図であって、一部を切り欠いた状態を示す図である。 図4−1は、免震層に取り付けた弾性すべり支承を示す図である。 図4−2は、免震層に取り付けた弾性すべり支承とストッパを示す図である。 図5は、本発明の実施の形態2である免震システムを示す概念図である。 図6は、図5に示した水平動用免震デバイスを説明する概念図である。
以下に、本発明にかかる免震建物の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1である免震システムを示す概念図、図2は図1に示した積層支承を説明するための概念図であって、一部を切り欠いた状態を示す図、図3は図1に示した弾性すべり支承を説明するための概念図であって、一部を切り欠いた状態を示す図である。
実施の形態1である免震システム1は、下部建物2と下部建物2の上方に構築された上部建物3との間に免震装置4を設置したものである。ここで説明する免震システム1は、下部建物2から上部建物3に水平方向の揺れと垂直方向の揺れとを伝わりにくくしたものであるが、下部建物2と上部建物3との間に免震装置4を設置したものに限られるものではなく、基礎と上部建物3との間に免震装置4を設置したものであってもよい。
下部建物2と上部建物3との間に設置する免震装置4は、積層支承5、弾性すべり支承6、ダンパー7により構成されている。
積層支承5は、上部建物3を構成する柱31の直下であって、下部建物2を構成する柱頭21との間に設置され、上部建物3を支持するとともに、水平方向の揺れには変形するようになっている。
図2に示すように、積層支承5は、薄肉の天然ゴムのゴムシート51と鋼板52とを交互に貼り合わせた積層ゴム50であって、積層ゴム50の上面と下面とにはフランジ53が取り付けられている。そして、一方のフランジ53は下部建物2を構成する柱頭21に取り付けられ、他方のフランジ53は上部建物3の下面に取り付けられている。また、積層ゴム50の周囲は、被覆ゴム54で覆われており、対候性が確保されている。積層支承5は、薄いゴムシート51と鋼板52とを交互に貼り合わせているために、垂直方向に大きな力が作用しても垂直方向にほとんど変形することがなく、水平方向に大きな力が作用すると水平方向に大きく変形するようになっている。このため、地震等による水平方向の揺れには積層ゴム50が変形することにより、水平方向の揺れを伝わりにくくしている。
弾性すべり支承6は、上部建物3を構成する柱31の直下であって、下部建物2を構成する柱頭21との間に設置され、上部建物3を支持するとともに、水平方向の揺れが予め設定された閾値に満たない場合には変形し、水平方向の揺れが予め設定された閾値を超えた場合には滑動するようになっている。
図3に示すように、弾性すべり支承6は、積層ゴム60とすべり板65とを備えている。積層ゴム60は、上述したゴムシート51よりも厚肉のゴムシート61と鋼板62とを交互に貼り合わせたもので、一方の端部にフランジ63が取り付けられ、他方の端部にすべり材(PTFE系材料)64が装着されている。積層ゴム60は、厚肉のゴムシート61と鋼板62とを貼り合わせているために、垂直方向に大きな力が作用した場合にも垂直方向に変形するようになっている。
ゴムシート61は、クリープ量が小さいものが好ましい。また、ゴムシート61の受圧面積と自由面積との比で定義される一次形状係数が十分に小さくなるように設計され、適正面圧に対して上下方向の振動数を上述した積層支承5の2分の1程度以下、具体的には、5〜6Hz程度以下となるように設計されている。
すべり板65は、ステンレス材を主体とした板状体であって、すべり材64と対向するように設置されている。この弾性すべり支承6に水平方向の力が作用すると、予め設定された閾値を満たすまで積層ゴム60が変形し、予め設定された閾値を超えた場合にすべり材64とすべり板65との間で滑動するようになっている。
このため、柱31の直下における上部建物3の支持に好適であって、地震等による垂直方向の揺れにも積層ゴム60が変形し、垂直方向の揺れを伝わりにくくしている。また、地震等による水平方向の揺れが予め設定された閾値に満たない場合には積層ゴム60が変形し、地震等による水平方向の揺れが予め設定された閾値を超える場合にはすべり材64とすべり板65との間で滑動し、水平方向の揺れを伝わりにくくしている。
図4は、免震層に取り付けた弾性すべり支承を示す図である。弾性すべり支承6は、すべり材64が上側となるように、フランジ63が基礎または下部建物2を構成する柱頭21に取り付けてあり、上部建物3の下面にすべり板65が取り付けてある。なお、すべり材64が下側となるように、フランジ63を上部建物の下面に取り付け、すべり板65を基礎または下部建物2を構成する柱頭21に取り付けてもよい。
ところで、上述したように、弾性すべり支承6は、予め設定された閾値を満たすまで積層ゴム60が変形し、予め設定された閾値を超えた場合にすべり材64とすべり板65との間で滑動するようになっているが、ゴムシート61の回転変形による面圧の局部的上昇、すべり材64の経年劣化による摩擦係数の上昇などに起因して十分に滑動せずに、地震時に積層ゴム60に過大なせん断変形が生じる可能性がある。このような場合に対応すべく、図4−2示すように、ストッパ66を設けてもよい。図4−2に示すように、ストッパ66は、積層ゴム60の水平方向の変形を規制し、積層ゴム60の座屈を防止するものであって、積層ゴム60が弾性限界近くまで変形した場合にすべり材64の縁部が当接し、積層ゴム60が座屈しないようになっている。
ダンパー7は、下部建物2と上部建物3との間に設けられ、上部建物3の垂直方向の変位を抑制することにより、上部建物3の垂直方向の揺れを抑制するようになっている。より具体的には、ダンパー7は、一端と他端とに回動可能なジョイントを備えており、上部建物3が水平方向に揺れつつ上下方向にも揺れた場合であっても、上部建物3の変位を抑制するようになっている。ここで用いるダンパー7は、オイルダンパーのように、鉛直剛性に影響を与えない粘性系のものである。なお、ダンパー7は、下部建物2と上部建物3との間に設置するものであれば、伸縮方向が垂直となるように取り付けても良いし、伸縮方向が傾くように取り付けてもよい。ダンパー7の伸縮方向が傾くように取り付ければ、上部建物3の垂直方向の変位を抑制するとともに水平方向の変位を抑制することもできる。
上述した実施の形態1である免震システム1は、地震等により下部建物2が垂直方向に揺れると、弾性すべり支承6、より具体的には、積層ゴム60が変形することにより、下部建物2の垂直方向の揺れを上部建物3に伝わりにくくするとともに、ダンパー7が上部建物3の垂直方向の変位を抑制することにより、上部建物3の垂直方向の揺れを抑制する。
一方、地震等により下部建物2が水平方向に揺れると、積層支承5と弾性すべり支承6とが下部建物2の水平方向の揺れを上部建物3に伝わりにくくする。具体的には、水平方向の揺れが予め設定された閾値に満たない場合には、積層支承5と弾性すべり支承6とが変形する一方、水平方向の揺れが閾値を超えた場合には、積層支承5が変形するとともに弾性すべり支承6が滑動することにより、下部建物2の水平方向の揺れを上部建物3に伝わりにくくする。
言いかえると、下部建物2の水平方向の揺れが予め設定された閾値に満たない場合には、積層ゴム50と積層ゴム60とが変形する一方、下部建物2の水平方向の揺れが閾値を超えた場合には、積層ゴム50が変形するとともに、すべり材64とすべり板65との間で滑動することにより、下部建物2の水平方向の揺れを上部建物3に伝わりにくくする。
上述した実施の形態1である免震システム1によれば、弾性すべり支承6が下部建物2の垂直方向の揺れを上部建物3に伝わりにくくする一方、積層支承5および弾性すべり支承6が下部建物2の水平方向の揺れを上部建物3に伝わりにくくする。弾性すべり支承6は、下部建物2の水平方向の揺れが閾値に満たない場合には変形し、下部建物2の水平方向の揺れが閾値を超える場合にすべり材64とすべり板65との間で滑動するので、弾性すべり支承6は、下部建物2の水平方向の揺れが閾値に満たない場合、閾値を超えた場合のいずれの場合にも座屈することはない。したがって、免震装置である弾性すべり支承6の座屈を回避しつつ、下部建物2の水平方向の揺れと垂直方向の揺れとを上部建物3に伝わりにくくした免震システム1を提供できる。また、ダンパー7が上部建物3の揺れを抑制するので、免震システム1は上部建物の揺れを早期に収束することができる。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2である免震システムを示す概念図、図6は図5に示した水平動用免震デバイスを説明する概念図である。
実施の形態2である免震システムは、実施の形態1に示した免震システムと同様に、下部建物2と下部建物2の上方に構築された上部建物3との間に免震装置4を設置したものである。ここで、免震システム1は、実施の形態1に示した免震システムと同様に、下部建物2から上部建物3に水平方向の揺れと垂直方向の揺れとを伝わりにくくするものであるが、下部建物2と上部建物3との間に免震装置4を設置したものに限られるものではなく、基礎と上部建物3との間に免震装置4を設置したものであってもよい。
下部建物2と上部建物3との間に設置する免震装置4は、弾性すべり支承6、ダンパー7、水平動用免震デバイス8により構成されている。
弾性すべり支承6は、上部建物3を構成する柱31の直下であって、下部建物2を構成する柱頭21との間に設置され、上部建物3を支持するととともに、水平方向の揺れが予め設定された閾値に満たない場合には変形し、水平方向の揺れが予め設定された閾値を超えた場合には滑動するようになっている。
なお、弾性すべり支承6の具体的構成は、実施の形態1で説明した弾性すべり支承6と異なるところはないので、同一の符号を付して説明を省略する。また、ダンパー7も同様に、実施の形態1で説明したダンパー7と異なるところはないので、同一の符号を付して説明を省略する。
水平動用免震デバイス8は、上述した弾性すべり支承6、ダンパー7と同様に、下部建物2と上部建物3の間に設置される免震装置であって、下部建物2の垂直方向の揺れを上部建物3に伝えないようになっている。水平動用免震デバイス8は、積層ゴム80と上部建物3との間にクリアランスを有するため、下部建物2の垂直方向の揺れを上部建物3に伝えることはない。
水平動用免震デバイス8は、上部建物3を構成する梁の直下であって、下部建物2を構成する柱頭21との間に設置され、水平方向の揺れには変形し、垂直方向の揺れは伝わらないようになっている。図6に示すように、水平動用免震デバイス8は、積層ゴム80と水平拘束部材86とを備えている。積層ゴム80は、上述したゴムシート51と同等の厚みを有するゴムシート81と鋼板82とを交互に貼り合わせたもので、一方の端部に取り付け用の大径のフランジ83が取り付けられ、他方の端部に小径のフランジ84が取り付けられている。そして、大径のフランジ83は下部建物2を構成する柱頭21に取り付けられ、小径のフランジ84は水平拘束部材86に収容されている。なお、大径のフランジ83を上部建物3を構成する梁の直下に取り付け、小径のフランジ84を収容する水平拘束部材86を下部建物を構成する柱頭21に取り付けてもよい。
水平拘束部材86は、小径のフランジ84が収容される円筒状の部材であって、フランジ84の上面との間にクリアランスが設けられた状態で、小径のフランジ84が収容されている。また、小径のフランジ84の外周面には、すべり材85が配設してあり、フランジ84が水平拘束部材86の内部をスムースに移動できるようになっている。
上述した実施の形態2である免震システム1は、実施の形態1である免震システムと同様に、地震等により下部建物2が垂直方向に揺れると、弾性すべり支承6、より具体的には、積層ゴム60が変形することにより、下部建物2の垂直方向の揺れを上部建物3に伝わりにくくするとともに、ダンパー7が垂直方向の変位を抑制することにより、上部建物3の垂直方向の揺れを抑制する。
一方、地震等により下部建物2が水平方向に揺れると、弾性すべり支承6と水平動用免震デバイス8とが下部建物2の水平方向の揺れを上部建物3に伝わりにくくする。具体的には、水平方向の揺れが予め設定された閾値に満たない場合には、弾性すべり支承6と水平動用免震デバイス8とが変形する一方、水平方向の揺れが閾値を超えた場合には、弾性すべり支承6が滑動するとともに、水平動用免震デバイス8が変形することにより、下部建物2の水平方向の揺れを上部建物3に伝わりにくくする。
言いかえると、下部建物2の水平方向の揺れが予め設定された閾値に満たない場合には、積層ゴム60と積層ゴム80とが変形する一方、下部建物2の水平方向の揺れが閾値を超えた場合には、すべり材64とすべり板65との間で滑動するとともに、積層ゴム80が変形することにより、下部建物2の水平方向の揺れを上部建物3に伝わりにくくする。
上述した実施の形態2である免震システム1によれば、弾性すべり支承6が下部建物2の垂直方向の揺れを上部建物3に伝わりにくくする一方、弾性すべり支承6および水平動用免震デバイス8が下部建物2の水平方向の揺れを上部建物3に伝わりにくくする。弾性すべり支承6は、下部建物2の水平方向の揺れが閾値に満たない場合には変形し、下部建物2の水平方向の揺れが閾値を超える場合にすべり材64とすべり板65との間で滑動するので、弾性すべり支承6は、下部建物2の水平方向の揺れが閾値に満たない場合、閾値を超えた場合のいずれの場合にも座屈することはない。したがって、免震装置である弾性すべり支承6の座屈を回避しつつ、下部建物2の水平方向の揺れと垂直方向の揺れとを上部建物3に伝わりにくくした免震システム1を提供できる。また、ダンパー7が上部建物3の垂直方向の揺れを抑制するので、免震システム1は上部建物の揺れを早期に収束することができる。
1 免震システム
2 下部建物
21 柱頭
3 上部建物
31 柱
4 免震装置
5 積層支承
50 積層ゴム
51 ゴムシート
52 鋼板
53 フランジ
54 被覆ゴム
6 弾性すべり支承
60 積層ゴム
61 ゴムシート
62 鋼板
63 フランジ
64 すべり材
65 すべり板
66 ストッパ
7 ダンパー
8 水平動用免震デバイス
80 積層ゴム
81 ゴムシート
82 鋼板
83,84 フランジ
85 すべり材
86 水平拘束部材

Claims (3)

  1. 基礎または下部建物とこれらの上方に構築された上部建物との間に設置される免震システムであって、
    上部建物を構成する柱の直下に設置され、上部建物を支持するとともに、水平方向の揺れには大きく変形するように、ゴムシートと鋼板とを交互に貼り合わせた積層支承と、
    上部建物を構成する柱のうち上下方向の揺れを低減させたい柱の直下に設置され、上部建物を支持するとともに、水平方向の揺れが予め設定された閾値に満たない場合に変形し、水平方向の揺れが予め設定された閾値を超えた場合に滑動する一方、垂直方向の揺れには変形しやすいように、前記ゴムシートよりも厚肉のゴムシートと鋼板とを交互に貼り合わせ、かつ、すべり材とすべり板とを組み合わせた弾性すべり支承と
    を備えたことを特徴とする免震システム。
  2. 基礎または下部建物とこれらの上方に構築された上部建物との間に設置される免震システムであって、
    上部建物を構成する柱の直下に設置され、上部建物を支持するとともに、水平方向の揺れが予め設定された閾値に満たない場合に変形し、水平方向の揺れが前記閾値を超える場合に滑動する一方、垂直方向の揺れには変形しやすいように、ゴムシートと鋼板とを交互に貼り合わせ、かつ、すべり材とすべり板とを組み合わせた弾性すべり支承と、
    基礎または下部建物と上部建物との間に基礎または下部建物と上部建物のいずれか一方から離隔するとともに他の一方を拘束して設置され、水平方向の揺れには変形する水平動用免震デバイスと
    を備えたことを特徴とする免震建物。
  3. 基礎または下部建物と上部建物との間に設けられ、上部建物の変位を抑制するダンパーを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の免震システム。
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