JP2010133492A - 3次元免震装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉛直免震装置の鉛直方向の作動を保証しつつ水平変形や回転を確実に拘束することができる3次元免震装置を提供する。
【解決手段】水平免震装置(積層ゴム3)と鉛直免震装置(空気ばね4)とを上下方向に直列に設置し、それらの間に鉛直免震装置の水平方向の変形や回転を拘束するための水平変形拘束機構5を備える。水平変形拘束機構5を、水平免震装置に作用する水平せん断力が伝達されるせん断力伝達ブロック6と、その水平変位を拘束するせん断力支持ブロック7と、それらの間に上下方向に多段に介装されてそれらの間の水平方向の相対変位を拘束しつつ上下方向の相対変位を許容する多数のローラーベアリング8とにより構成する。
【選択図】図1
【解決手段】水平免震装置(積層ゴム3)と鉛直免震装置(空気ばね4)とを上下方向に直列に設置し、それらの間に鉛直免震装置の水平方向の変形や回転を拘束するための水平変形拘束機構5を備える。水平変形拘束機構5を、水平免震装置に作用する水平せん断力が伝達されるせん断力伝達ブロック6と、その水平変位を拘束するせん断力支持ブロック7と、それらの間に上下方向に多段に介装されてそれらの間の水平方向の相対変位を拘束しつつ上下方向の相対変位を許容する多数のローラーベアリング8とにより構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は水平方向と鉛直方向の双方の震動に対する免震効果を得る3次元免震装置に関する。
この種の3次元免震装置としては、たとえば特許文献1〜4に示すように、水平免震装置としての積層ゴムと鉛直免震装置としての空気ばねとを上下方向に直列に連結して一体化した構造のものが一般的である。
この種の3次元免震装置では、積層ゴムに対して空気ばねを直列に連結していることから空気ばねが鉛直方向以外の水平方向や回転方向に対しても変形してしまう問題があるので、積層ゴムによる水平免震効果を充分に発揮させるためには空気ばねの水平と回転の自由度を拘束する必要がある。
そのため、特許文献2では直交する2方向に設けたアンカーロッドにより空気ばねの水平変形を拘束するようにしており、特許文献3では空気ばねを鋼製の外筒内に収めてその上部に作動体を上下方向にのみ摺動可能に設けるようにしており、特許文献4では空気ばねの周囲に設置した支柱により空気ばねの水平変形を拘束するようにしている。
特開平8−177969号公報
特開平9−302984号公報
特開2005−16633号公報
特開2008−121328号公報
そのため、特許文献2では直交する2方向に設けたアンカーロッドにより空気ばねの水平変形を拘束するようにしており、特許文献3では空気ばねを鋼製の外筒内に収めてその上部に作動体を上下方向にのみ摺動可能に設けるようにしており、特許文献4では空気ばねの周囲に設置した支柱により空気ばねの水平変形を拘束するようにしている。
しかし、特許文献2〜4に示されるような従来の変形拘束手段では空気ばねの水平変形や回転を必ずしも充分には拘束できないばかりでなく、従来の変形拘束手段では積層ゴムの水平変位に伴う反力としての水平せん断力や曲げモーメントが作用して大きな摩擦抵抗力が生じ、それにより空気ばねの鉛直方向の作動が阻害されてしまって鉛直免震効果を充分に発揮できない場合もある。
なお、一般に空気ばねの単位面積当たりの支持能力は積層ゴムの1/10以下と低いことから、空気ばねと積層ゴムとを単に直列に組み合わせる従来一般の3次元免震装置では双方の支持能力に大きなアンバランスが生じてしまうという別の問題もある。そのようなアンバランスを改善するためには空気ばねの使用圧力を高めるか、空気ばねを大型化する必要があるが、前者は高圧ガス規制による限界があり、後者は設置スペースの増大やコストアップが不可避であるので、いずれも好ましくない。
上記事情に鑑み、本発明は空気ばね等の鉛直免震装置の鉛直方向の作動を阻害することなくその水平変形や回転を確実に拘束することができ、併せて鉛直免震装置と水平免震装置とのアンバランスを改善することも可能な有効適切な3次元免震装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、上部構造とそれを支持する下部構造との間に水平免震装置と鉛直免震装置とを上下方向に直列に設置するとともに、前記水平免震装置と前記鉛直免震装置の間に前記鉛直免震装置の水平方向の変形や回転を拘束するための水平変形拘束機構を備えた3次元免震装置であって、前記水平変形拘束機構は、前記水平免震装置に作用する水平せん断力が伝達されるせん断力伝達ブロックと、該せん断力伝達ブロックの周囲に固定されて該せん断力伝達ブロックの水平変位を拘束するせん断力支持ブロックと、前記せん断力伝達ブロックと前記せん断力支持ブロックとの間に上下方向に多段に介装されてそれらの間の水平方向の相対変位を拘束しつつ上下方向の相対変位を許容する多数のローラーベアリングとからなることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の3次元免震装置であって、前記水平免震装置としての積層ゴムを前記上部構造に対して固定するとともに、前記鉛直免震装置としての空気ばねを前記下部構造に対して固定し、前記せん断力伝達ブロックを前記積層ゴムと前記空気ばねとの間に介装して、前記せん断力支持ブロックを前記下部構造に対して固定して前記せん断力伝達ブロックの周囲に配置してなることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の3次元免震装置であって、前記せん断力伝達ブロックを気密容器としてその内部空間と前記空気ばねの内部空間とを連通せしめるとともにそれらの間にオリフィスを設置して、前記せん断力伝達ブロックを前記空気ばねの補助タンクとして機能せしめてなることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の3次元免震装置であって、前記水平免震装置としての単一の積層ゴムを前記上部構造に対して固定し、前記せん断力伝達ブロックを、前記積層ゴムの下部に連結された上部ブロックと、該上部ブロックの下部中心に連結された下部ブロックとにより構成し、前記せん断力支持ブロックを前記下部構造に対して固定して前記下部ブロックの周囲に配置し、複数の支持架台を前記せん断力支持ブロックの周囲に配置して前記下部構造上に立設し、各支持架台と前記下部ブロックとの間にそれぞれ前記鉛直免震装置としての空気ばねを介装してなることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の3次元免震装置であって、前記支持架台を気密容器としてその内部空間と前記空気ばねの内部空間とを連通せしめるとともにそれらの間にオリフィスを設置して、前記支持架台を前記空気ばねの補助タンクとして機能せしめてなることを特徴とする。
本発明の3次元免震装置によれば、鉛直免震装置の水平変形や回転を拘束するための水平変形拘束機構をせん断力伝達ブロックとせん断力支持ブロックとローラーベアリングとにより構成したので、水平変形拘束機構が大きな水平せん断力を受けてもそれ自体に曲げ変形が生じたり大きな摩擦力が生じることがなく、したがって鉛直免震装置の水平方向の相対変位や回転を確実に拘束しつつ鉛直方向の作動を確実に保証でき、優れた3次元免震効果を得ることができる。
特に、水平免震装置として単一の積層ゴムを用い、鉛直免震装置として複数の空気ばねを用いることによって、それらの支持能力を好適にバランスさせることができる。
また、せん断力支持ブロックや支持架台を鉛直免震装置としての空気ばねの補助タンクとして利用して空気ばねの剛性や減衰性能の調節を行うことも可能である。
特に、水平免震装置として単一の積層ゴムを用い、鉛直免震装置として複数の空気ばねを用いることによって、それらの支持能力を好適にバランスさせることができる。
また、せん断力支持ブロックや支持架台を鉛直免震装置としての空気ばねの補助タンクとして利用して空気ばねの剛性や減衰性能の調節を行うことも可能である。
本発明の第1実施形態である3次元免震装置を図1〜図2に示す。
本実施形態の3次元免震装置は、上部構造としての建屋1とそれを支持する下部構造としての基礎2との間に介装されて建屋1の水平方向と鉛直(上下)方向の双方の震動に対する免震効果を得るものであり、その基本構成は水平免震装置としての積層ゴム3と、鉛直免震装置としての空気ばね4とを上下方向に直列に配置し、かつそれら積層ゴム3と空気ばね4との間に水平変形拘束機構5を介装して空気ばね4の水平方向の変形や回転を拘束するようにしたものであるが、本実施形態では特にその水平変形拘束機構5の構成に特徴を有するものである。
本実施形態の3次元免震装置は、上部構造としての建屋1とそれを支持する下部構造としての基礎2との間に介装されて建屋1の水平方向と鉛直(上下)方向の双方の震動に対する免震効果を得るものであり、その基本構成は水平免震装置としての積層ゴム3と、鉛直免震装置としての空気ばね4とを上下方向に直列に配置し、かつそれら積層ゴム3と空気ばね4との間に水平変形拘束機構5を介装して空気ばね4の水平方向の変形や回転を拘束するようにしたものであるが、本実施形態では特にその水平変形拘束機構5の構成に特徴を有するものである。
本実施形態における水平変形拘束機構5は、積層ゴム3の下部に固定されかつ空気ばね4の上部に配置されてそれらを連結しているせん断力伝達ブロック6と、そのせん断力伝達ブロック6の周囲に配置されて基礎2上に立設固定された4台のせん断力支持ブロック7と、それらせん断力伝達ブロック6とせん断力支持ブロック7との間に介装された多数のローラーベアリング8とにより構成されている。
せん断力伝達ブロック6は鋼材を矩形筒状に組み立てた高剛性のフレーム体であって、積層ゴム3の下部に一体に固定されていることから積層ゴム3が水平変形した際にはそれに作用する水平せん断力がそのままこのせん断力伝達ブロック6に伝達されるようになっている。
せん断力支持ブロック7も補強リブにより補剛された鋼材からなる高剛性のフレーム体であって、せん断力伝達ブロック6の各周面に対向するようにその周囲にそれぞれ配置されて多数のアンカーボルト9により基礎2上に頑強に固定されており、積層ゴム3からせん断力伝達ブロック6に伝達された水平せん断力をローラーベアリング8を介して確実に支持し得るものとされている。
せん断力支持ブロック7も補強リブにより補剛された鋼材からなる高剛性のフレーム体であって、せん断力伝達ブロック6の各周面に対向するようにその周囲にそれぞれ配置されて多数のアンカーボルト9により基礎2上に頑強に固定されており、積層ゴム3からせん断力伝達ブロック6に伝達された水平せん断力をローラーベアリング8を介して確実に支持し得るものとされている。
せん断力伝達ブロック6とせん断力支持ブロック7の対向面には若干のクリアランスが確保されていて、そこには多数(図示例では各面に4段ずつ全16台)のローラーベアリング8が水平方向に設置されており、それらローラーベアリング8によりせん断力伝達ブロック6とせん断力支持ブロック7との間の水平方向の相対変位が拘束されつつ上下方向の相対変位は許容されるようになっている。
すなわち、せん断力伝達ブロック6の各面に対向しているせん断力支持ブロック7の各前面には、4段のローラーベアリング8がそれぞれの両端部が連結フレーム10に回転自在に支持されて水平に配設され、それらローラーベアリング8の周面はせん断力支持ブロック7およびせん断力伝達ブロック6の表面にそれぞれ取り付けられている平坦なレールプレート11の表面に当接して滑らかに転動可能とされている。
これにより、せん断力伝達ブロック6がせん断力支持ブロック7に対して上下方向に相対変位した際にはローラーベアリング8が転動してそれらの上下方向の相対変位は支障なく許容されるが、せん断力伝達ブロック6がせん断力支持ブロック7に対して水平方向に相対変位しようとしてもその水平変位はローラーベアリング8を介してせん断力支持ブロック7により確実に拘束されるようになっている。
すなわち、せん断力伝達ブロック6の各面に対向しているせん断力支持ブロック7の各前面には、4段のローラーベアリング8がそれぞれの両端部が連結フレーム10に回転自在に支持されて水平に配設され、それらローラーベアリング8の周面はせん断力支持ブロック7およびせん断力伝達ブロック6の表面にそれぞれ取り付けられている平坦なレールプレート11の表面に当接して滑らかに転動可能とされている。
これにより、せん断力伝達ブロック6がせん断力支持ブロック7に対して上下方向に相対変位した際にはローラーベアリング8が転動してそれらの上下方向の相対変位は支障なく許容されるが、せん断力伝達ブロック6がせん断力支持ブロック7に対して水平方向に相対変位しようとしてもその水平変位はローラーベアリング8を介してせん断力支持ブロック7により確実に拘束されるようになっている。
本実施形態の3次元免震装置によれば、建屋1が基礎2に対して水平方向に相対震動した際には積層ゴム3が水平変形し、その際にはその反力として水平せん断力がせん断力伝達ブロック6に伝達されるが、その水平せん断力はローラーベアリング8を介してせん断力支持ブロック7によって確実に支持され、したがってせん断力伝達ブロック6の水平変位は確実に拘束される。つまり、積層ゴム3が水平変形してもせん断力伝達ブロック6は水平変位し得ずにその位置に留まり、したがって積層ゴム3が確実に作動するとともに空気ばね4には水平せん断力が作用することはない。
また、建屋1が基礎2に対して上下方向に相対震動した際には、せん断力伝達ブロック6および積層ゴム3を介して建屋1を支持している空気ばね4が上下方向に変形し、その際には積層ゴム3もせん断力伝達ブロック6も建屋1とともに上下方向に変位してせん断力支持ブロック7に対して上下方向に相対震動するが、その際にはローラーベアリング8が殆ど摩擦力が生じることなく滑らかに転動してそれらの相対変位は支障なく許容され、したがって空気ばね4の作動は水平変形拘束機構5によって阻害されることなく確実に保証される。
また、建屋1が基礎2に対して上下方向に相対震動した際には、せん断力伝達ブロック6および積層ゴム3を介して建屋1を支持している空気ばね4が上下方向に変形し、その際には積層ゴム3もせん断力伝達ブロック6も建屋1とともに上下方向に変位してせん断力支持ブロック7に対して上下方向に相対震動するが、その際にはローラーベアリング8が殆ど摩擦力が生じることなく滑らかに転動してそれらの相対変位は支障なく許容され、したがって空気ばね4の作動は水平変形拘束機構5によって阻害されることなく確実に保証される。
したがって本実施形態の3次元免震装置によれば、水平変形拘束機構5により空気ばね4の水平変形や回転が拘束されることにより積層ゴム3による水平免震効果が確実に得られることはもとより、水平変形拘束機構5により空気ばね4の鉛直方向の作動が保証されることにより空気ばね4による鉛直免震効果も確実に得られ、優れた3次元免震効果が得られる。
特に本実施形態では水平変形拘束機構5をせん断力伝達ブロック6とせん断力支持ブロック7との間に多数のローラーベアリング8を介装した構成としたことから、積層ゴム3に大きなせん断力が作用しても水平変形拘束機構5自体が曲げ変形を生じたり大きな摩擦力が生じることがなく、したがって特許文献2〜4に示される従来の変形拘束機構のように空気ばね4の上下方向の作動を阻害してしまう懸念はなく、従来のものに比較して遙かに合理的であり有効である。
特に本実施形態では水平変形拘束機構5をせん断力伝達ブロック6とせん断力支持ブロック7との間に多数のローラーベアリング8を介装した構成としたことから、積層ゴム3に大きなせん断力が作用しても水平変形拘束機構5自体が曲げ変形を生じたり大きな摩擦力が生じることがなく、したがって特許文献2〜4に示される従来の変形拘束機構のように空気ばね4の上下方向の作動を阻害してしまう懸念はなく、従来のものに比較して遙かに合理的であり有効である。
なお、本実施形態ではせん断力伝達ブロック6の下部に空気ばね4を設置していることから、そのせん断力伝達ブロック6を空気ばね4の補助タンクとして利用することも可能である。すなわち、せん断力伝達ブロック6を気密容器としてその内部空間と空気ばね4の内部空間とを連通せしめるとともに、それらの間に適宜径寸法のオリフィス(図示略)を設置することにより、空気ばね4の作動時の内部空気の流通をオリフィスにより制御しつつ許容することにより、せん断力伝達ブロック6を空気ばね4の補助タンクとして機能せしめて空気ばね4の剛性や減衰性能を最適に調整することが可能である。
また、図示例のように各段のローラーベアリング8を連結フレーム10に組み込んでその連結フレーム10をせん断力支持ブロック7に対して取り付ければ良く、特に連結フレーム10をばね12を介して上下方向に相対変位可能に取り付けることが好ましく、それにより各ローラーベアリング8自体がせん断力支持ブロック7に対して上下方向に相対変位可能となって上下方向の摺動抵抗をより軽減し得るものとなる。
但し、必ずしもそのように構成することはなく、ローラーベアリング8はせん断力伝達ブロック6とせん断力支持ブロック7との間の上下方向の相対震動により滑らかに自転可能な状態でそれらの間に水平に設置すれば良いのであって、その限りにおいてローラーベアリング8の設置形態は任意であり、たとえば各ローラーベアリング8をせん断力支持ブロック7あるいはせん断力伝達ブロック6に対して個々に取り付けることでも良い。
いずれにしても、ローラーベアリング8が軸線方向の力を受けたときにも滑らかに回転し得るようにその両端部はスラストベアリング13を介して軸支することが好ましい。
但し、必ずしもそのように構成することはなく、ローラーベアリング8はせん断力伝達ブロック6とせん断力支持ブロック7との間の上下方向の相対震動により滑らかに自転可能な状態でそれらの間に水平に設置すれば良いのであって、その限りにおいてローラーベアリング8の設置形態は任意であり、たとえば各ローラーベアリング8をせん断力支持ブロック7あるいはせん断力伝達ブロック6に対して個々に取り付けることでも良い。
いずれにしても、ローラーベアリング8が軸線方向の力を受けたときにも滑らかに回転し得るようにその両端部はスラストベアリング13を介して軸支することが好ましい。
次に、本発明の第2実施形態である3次元免震装置を図3〜図5を参照して説明する。
上記第1実施形態は単一の積層ゴム3と単一の空気ばね4とを組み合わせた構成としているので、それら積層ゴム3と空気ばね4の支持能力をバランスさせる必要があり、そのためには空気ばね4の空気圧を大きくするか空気ばね4を大型化する必要があるが、本第2実施形態では単一の積層ゴム3と複数(図示例では4台)の空気ばね4とを組み合わせることでそれらの支持能力のアンバランスを改善し、以て各空気ばね4の使用圧を軽減しかつ小型化するようにしたものである。
上記第1実施形態は単一の積層ゴム3と単一の空気ばね4とを組み合わせた構成としているので、それら積層ゴム3と空気ばね4の支持能力をバランスさせる必要があり、そのためには空気ばね4の空気圧を大きくするか空気ばね4を大型化する必要があるが、本第2実施形態では単一の積層ゴム3と複数(図示例では4台)の空気ばね4とを組み合わせることでそれらの支持能力のアンバランスを改善し、以て各空気ばね4の使用圧を軽減しかつ小型化するようにしたものである。
すなわち、本実施形態においては図3に示すようにせん断力伝達ブロック6を上部ブロック6Aとその下部中心に一体に連結した下部ブロック6Bとにより構成し、下部ブロック6Bの周囲にせん断力支持ブロック7を配置してそれらの間にローラーベアリング8を介装している。
また、図5に示すようにせん断力支持ブロック7の周囲には4台の支持架台14を設置して、それら支持架台14と上部ブロック6Aの4隅部との間にそれぞれ空気ばね4を分散配置し、それら4台の空気ばね4の支持能力を1台の積層ゴム3の支持能力とバランスさせるようにしている。
また、図5に示すようにせん断力支持ブロック7の周囲には4台の支持架台14を設置して、それら支持架台14と上部ブロック6Aの4隅部との間にそれぞれ空気ばね4を分散配置し、それら4台の空気ばね4の支持能力を1台の積層ゴム3の支持能力とバランスさせるようにしている。
本第2実施形態においては、せん断力支持ブロック7により下部ブロック6Bの水平変位が拘束されることによりせん断力伝達ブロック6全体の水平変位が確実に拘束され、したがって上部ブロック6Aと支持架台13との間に設置されている空気ばね4の水平変形や回転が確実に防止される。
勿論、せん断力伝達ブロック6全体の上下方向の相対変位は第1実施形態の場合と同様にローラーベアリング8により支障なく許容されるから、空気ばね4の上下方向の作動は支障なく許容されて第1実施形態の場合と同様に優れた3次元免震効果が得られる。
勿論、せん断力伝達ブロック6全体の上下方向の相対変位は第1実施形態の場合と同様にローラーベアリング8により支障なく許容されるから、空気ばね4の上下方向の作動は支障なく許容されて第1実施形態の場合と同様に優れた3次元免震効果が得られる。
なお、本実施形態では空気ばね4を支持架台14上に設置していることから、その支持架台14を空気ばね4の補助タンクとして利用することが可能である。その場合は支持架台14を気密容器としてその内部空間と空気ばね4の内部空間とを連通せしめるとともに、それらの間に適宜径寸法のオリフィス(図示略)を設置すれば良い。
以上で本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、要は高剛性の頑強なせん断力伝達ブロック6とせん断力支持ブロック7との間に多数のローラーベアリング8を介装してそれらの水平方向の相対変位を確実に拘束しつつ上下方向の相対変位を確実に許容するように構成すれば良いのであって、その限りにおいて水平免震装置や垂直免震装置の形式や構成はもとより、水平変形拘束機構の具体的な構成も適宜の設計的変更や応用が可能であることは当然であるし、上部構造と下部構造との間への設置形態も任意である。
1 建屋(上部構造)
2 基礎(下部構造)
3 積層ゴム(水平免震装置)
4 空気ばね(鉛直免震装置)
5 水平変形拘束機構
6 せん断力伝達ブロック
6A 上部ブロック
6B 下部ブロック
7 せん断力支持ブロック
8 ローラーベアリング
9 アンカーボルト
10 連結フレーム
11 レールプレート
12 ばね
13 スラストベアリング
14 支持架台
2 基礎(下部構造)
3 積層ゴム(水平免震装置)
4 空気ばね(鉛直免震装置)
5 水平変形拘束機構
6 せん断力伝達ブロック
6A 上部ブロック
6B 下部ブロック
7 せん断力支持ブロック
8 ローラーベアリング
9 アンカーボルト
10 連結フレーム
11 レールプレート
12 ばね
13 スラストベアリング
14 支持架台
Claims (5)
- 上部構造とそれを支持する下部構造との間に水平免震装置と鉛直免震装置とを上下方向に直列に設置するとともに、前記水平免震装置と前記鉛直免震装置の間に前記鉛直免震装置の水平方向の変形や回転を拘束するための水平変形拘束機構を備えた3次元免震装置であって、
前記水平変形拘束機構は、前記水平免震装置に作用する水平せん断力が伝達されるせん断力伝達ブロックと、該せん断力伝達ブロックの周囲に固定されて該せん断力伝達ブロックの水平変位を拘束するせん断力支持ブロックと、前記せん断力伝達ブロックと前記せん断力支持ブロックとの間に上下方向に多段に介装されてそれらの間の水平方向の相対変位を拘束しつつ上下方向の相対変位を許容する多数のローラーベアリングとからなることを特徴とする3次元免震装置。 - 請求項1記載の3次元免震装置であって、
前記水平免震装置としての積層ゴムを前記上部構造に対して固定するとともに、前記鉛直免震装置としての空気ばねを前記下部構造に対して固定し、
前記せん断力伝達ブロックを前記積層ゴムと前記空気ばねとの間に介装して、前記せん断力支持ブロックを前記下部構造に対して固定して前記せん断力伝達ブロックの周囲に配置してなることを特徴とする3次元免震装置。 - 請求項2記載の3次元免震装置であって、
前記せん断力伝達ブロックを気密容器としてその内部空間と前記空気ばねの内部空間とを連通せしめるとともにそれらの間にオリフィスを設置して、前記せん断力伝達ブロックを前記空気ばねの補助タンクとして機能せしめてなることを特徴とする3次元免震装置。 - 請求項1記載の3次元免震装置であって、
前記水平免震装置としての単一の積層ゴムを前記上部構造に対して固定し、
前記せん断力伝達ブロックを、前記積層ゴムの下部に連結された上部ブロックと、該上部ブロックの下部中心に連結された下部ブロックとにより構成し、
前記せん断力支持ブロックを前記下部構造に対して固定して前記下部ブロックの周囲に配置し、
複数の支持架台を前記せん断力支持ブロックの周囲に配置して前記下部構造上に立設し、各支持架台と前記下部ブロックとの間にそれぞれ前記鉛直免震装置としての空気ばねを介装してなることを特徴とする3次元免震装置。 - 請求項4記載の3次元免震装置であって、
前記支持架台を気密容器としてその内部空間と前記空気ばねの内部空間とを連通せしめるとともにそれらの間にオリフィスを設置して、前記支持架台を前記空気ばねの補助タンクとして機能せしめてなることを特徴とする3次元免震装置。
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