JP2004060437A - 三次元免震構造 - Google Patents

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Katsuhisa Nishimura
西村 勝尚
Yoshiyuki Fukumoto
福本 義之
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Abstract

【課題】鉛直方向免震機構と水平方向免震機構に作用する構造物の重量および水平力に応じて、それぞれのばね剛性を設定可能として、水平方向および鉛直方向の免震機能を向上させることができる三次元免震構造を提供する。
【解決手段】最下層梁10と基礎12との間に、該最下層梁10上方の構造物重量を支持する鉛直方向免震機構16と、該鉛直方向免震機構16から水平方向に適宜間隔を設けて配置される水平方向免震機構18とを設け、かつ、該水平方向免震機構18と最下層梁10との間に、両者の鉛直方向相対移動を許容しつつ水平方向相対移動を阻止するガイド手段20を設けるとともに、上記鉛直方向免震機構16と基礎12との間に、両者の水平方向の相対移動を許容する滑り機構50を設ける。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基礎上に柱・梁を備えて構築される構造物を水平および鉛直方向に免震する三次元免震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の三次元免震構造は、例えば特許第2713100号(平成9年10月31日登録 Int.Cl.E04H 9/02)で知られているように、鉛直方向免震機構と水平方向免震機構とを備え、鉛直方向免震機構によって上下振動を吸収し、水平方向免震機構によって水平振動を吸収することにより、三次元免震を行うようになっている。
【0003】
ところで、上記水平方向免震機構としては積層ゴムが用いられるが、この積層ゴムはゴム層と鋼板層とを交互に積層して構成され、ばね上構造物の鉛直荷重を支持しつつ水平方向の変位を許容する。該積層ゴムは、水平方向の小さい剛性を利用して、構造物の水平方向固有周期を長周期化して地震に対する水平方向免震を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の三次元免震構造にあっては、水平方向免震機構として用いられる積層ゴムには構造物の重量がそのまま作用するようになっているため、構造物の重量に対応して必然的に積層ゴム自体のばね剛性が大きなものになってしまう。また、水平方向の変形量に応じて、径の大きな積層ゴムを使用する必要があるため、この面からも積層ゴム自体のばね剛性が大きなものになってしまう。このように、ばね剛性が大きくなった積層ゴムを用いた場合、該積層ゴムの水平ばね成分に対して構造物が比較的軽量である場合は、構造物の重量と積層ゴムのばね定数との関係から固有周期が短く設定されてしまう。このため、効果的な免震機能を得るためには、構造物の重量を重くして長周期化を確保する必要がある。
【0005】
一方、鉛直方向免震機構としては上下方向の変位を許容しつつ構造物の過大重量を支持する必要があり、一般にはコイルスプリングを用いることが考えられる。この場合、該コイルスプリングには所定の上下変形量が要求されることから、構造物の重量が小さい程その変形量を確保し易く、長周期化しやすくなる。
つまり、上記積層ゴムは長周期化するためにある程度大きな支持荷重を必要とする反面、上記コイルスプリングについてはこれに過剰な重量を作用させることなく適切にその機能を発揮させるためには支持荷重が比較的小さい方が良い。
【0006】
これに対して上記従来の三次元免震構造では、積層ゴムおよびコイルスプリングに作用させるべき重量を適切に考慮したものではなく、単に2個の積層ゴムをコイルスプリングの上下に配置したに過ぎない。このように積層ゴムとコイルスプリングとを直接に結合して直列配置した場合には、積層ゴムおよびコイルスプリングにそれぞれ等しい構造物重量が作用することになる。このため、構造物重量を積層ゴムに対応させて設定した場合には、コイルスプリングを適切に機能させ得ないおそれがある一方、構造物重量をコイルスプリングに対応させて設定した場合には、積層ゴムによる水平方向の長周期化が十分に達成されなくなってしまうという課題があった。
【0007】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、鉛直方向免震機構と水平方向免震機構に作用する構造物の重量および水平力に応じて、それぞれのばね剛性を設定可能として、水平方向および鉛直方向の免震機能を向上させることができる三次元免震構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明の請求項1に示す三次元免震構造は、最下層梁と基礎との間に、該最下層梁上方の構造物重量を支持しつつ上下方向振動を免震する鉛直方向免震機構と、該鉛直方向免震機構と並列に配置されて水平方向振動を免震する水平方向免震機構とを設け、かつ、上記最下層梁および上記基礎の少なくともいずれか一方と上記水平方向免震機構との間に、これら最下層梁と基礎両者の鉛直方向相対移動を許容しつつ水平方向相対移動を阻止するガイド手段を設けるとともに、上記最下層梁および上記基礎の少なくともいずれか一方と上記鉛直方向免震機構との間に、これら最下層梁と基礎両者の水平方向相対移動を許容する滑り手段を設ける。
【0009】
また、本発明の請求項2に示す三次元免震構造は、上記鉛直方向免震機構は、上記構造物の柱の直下に配置する。
【0010】
以上の構成により本発明の作用を以下述べると、請求項1では、最下層梁と基礎との間に、該最下層梁上方の構造物重量を支持する鉛直方向免震機構と、該鉛直方向免震機構と並列に配置される水平方向免震機構とを設けたので、鉛直方向免震機構によって上下方向に免震するとともに、水平方向免震機構によって水平方向に免震することができる。このとき、上記鉛直方向免震機構と上記水平方向免震機構は最下層梁と基礎との間に並列配置されるため、三次元免震構造を構成するための最下層梁下のスペースが小さくて済む。
【0011】
また、鉛直方向免震機構と水平方向免震機構とが並列配置されることにより、構造物の上下荷重は専ら鉛直方向免震機構によって支持して基礎へ流すことができる。このため、水平方向免震機構には上下荷重が作用しないため、該水平方向免震機構は水平方向のばね剛性のみを考慮して設計することができ、構造物の長周期化を容易に確保することができるとともに、水平方向免震機構の性能も大変形領域まで安定化することができる。
【0012】
更に、上記最下層梁および上記基礎の少なくともいずれか一方と上記水平方向免震機構との間に、これら最下層梁と基礎両者の鉛直方向相対移動を許容しつつ水平方向相対移動を阻止するガイド手段を設けるとともに、上記最下層梁および上記基礎の少なくともいずれか一方と上記鉛直方向免震機構との間に、これら最下層梁と基礎両者の水平方向相対移動を許容する滑り手段を設けることによって、鉛直方向免震機構には専ら上下方向の変位が入力され、該鉛直方向免震機構が破損されるのを防止できる。従って、過大振動の入力により水平方向免震機構が破断した場合であっても、最下層梁と基礎との間は上記鉛直方向免震機構によって確実に間隔保持できて、いわゆるフェールセーフ機能を発揮させることができる。
【0013】
また、請求項2では、上記鉛直方向免震機構を、上記構造物の柱の直下に配置したので、柱を介して作用する構造物の重量を直接に鉛直方向免震機構で支持することができる。このため、最下層梁に不要な曲げモーメントが発生するのを防止でき、鉛直方向免震機構上の構造の軽量化を達成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1から図3は本発明の三次元免震構造の一実施形態を示し、図1は三次元免震構造の要部を示す正面断面図、図2は図1中A部の拡大正面図、図3は図2中B−B線断面図である。
【0015】
本実施形態の三次元免震構造の基本構成は、図1に示すように最下層梁10と基礎12との間に中間梁14を設け、該最下層梁10と該中間梁14との間に、該最下層梁10上方の図外の構造物重量を支持する鉛直方向免震機構16を設けるとともに、上記中間梁14と上記基礎12との間に、上記構造物重量および上記中間梁14重量を支持する水平方向免震機構18を設け、かつ、上記最下層梁10と上記中間梁14との間に、両者の鉛直方向相対移動を許容しつつ水平方向相対移動を阻止するガイド手段20を設ける。
【0016】
上記最下層梁10はH型鋼を用いたS造梁として構成され、この最下層梁10の上側に柱22が立設される。また、上記基礎12はコンクリートを打設してRC造として構築される。更に、上記中間梁14はRC造梁として構成されるが、この中間梁14は躯体側に固定されることなく浮動状態として設けられる。
【0017】
上記鉛直方向免震機構16は上記柱22の直下に配置され、最下層梁10の下側フランジ10aに取り付けられる変形調整用のライナープレート24と、中間梁14の上面に取り付けられる取付けプレート26との間に、同心状に内,外コイルスプリング28,30が縮設されることにより構成される。内,外コイルスプリング28,30は、内方コイルスプリング28は小径に形成される一方、外方コイルスプリング30は大径に形成され、これら両コイルスプリング28,30のばね剛性のトータルで、1つの鉛直方向免震機構16に作用する構造物の重量に対抗するように設定される。
【0018】
上記ライナープレート24から外方コイルスプリング30の外側を囲繞する筒状のカバー32が垂設される一方、上記取付けプレート26から仮止めボルト34が立設され、この仮止めボルト34にカバー32から突設するアーム32aを挿通してナット止めできるようになっている。そして、上記鉛直方向免震機構16の取り付け時に、内,外コイルスプリング28,30を押し縮めた状態で上記カバー32を仮止めボルト34にナット止めしておき、取り付け完了後にナットを外すことで、カバー32は仮止めボルト34に対し自由に昇降移動できるようになっている。
【0019】
上記水平方向免震機構18は、上,下フランジ36,36a間に内部ゴム層38と内部鋼板40とを積層し、その外周に被覆ゴム42を設けた積層ゴムとして構成される。上方フランジ36は、上記鉛直方向免震機構16の直下位置に対応して中間梁14の下面から突設される突起部14aの下面に固定されるとともに、下方フランジ36aは基礎12の上面に固定される。
【0020】
ところで、この水平方向免震機構18は場合によっては、中間梁14と基礎12との間で任意の位置にかつ複数設けるようにしてもよい。すなわち、中間梁14の存在により、要求される水平剛性を有する水平方向免震機構18を任意に選択することができるとともに、またそれらの設置位置や設置個数も任意に選択できるため、水平方向の免震性能について、偏心や変形を自由に調整することができる。
【0021】
上記ガイド手段20は、上記鉛直方向免震機構16から水平方向に適宜距離L1だけ離れた位置に設けられ、最下層梁10の長さ方向に対峙して該最下層梁10の下面に固定される1対のガイド板44,44aと、中間梁14の上面から突設される突起部14bの上面に固定され、上記ガイド板44,44aにそれぞれ接触して転動するローラ46,46aとによって構成される。
【0022】
上記ガイド板44,44aは図2,図3に示すようにアングル材が用いられ、それぞれの一辺をガイド面として互いに平行関係をもって対向させるとともに、それぞれの他辺を取付け部として上記最下層梁10の下面に図外のボルト,ナットまたは溶接により固定される。
【0023】
一方、上記ローラ46,46aは上記突起部14bに固定される取付けプレート47から突設する取付け壁48,48aに設けられる。これら取付け壁48,48aは、図3に示すように上記ガイド板44,44aに平行に対峙され、これら取付け壁48,48aに上記ローラ46,46aがそれぞれ2個づつ設けられて安定性が確保される。
【0024】
上記ガイド手段20は図示しないけれども、上記1対のガイド板44,44aに代えて、最下層梁10の下面に筒状のガイドを取り付けるようにし、その内周面に沿って複数のローラを配置する構成としてもよい。
【0025】
以上の構成により本実施形態の三次元免震構造にあっては、鉛直方向免震機構16と水平方向免震機構18とは、中間梁14を介在して柱22の延長方向に直列配置され、最下層梁10と中間梁14との間に設けた鉛直方向免震機構16によって上下方向に免震するとともに、中間梁14と基礎12との間に設けた水平方向免震機構18によって水平方向に免震することにより、謂わゆる三次元免震が可能となる。
【0026】
このとき、最下層梁10と中間梁14との間に設けたガイド手段20は、最下層梁10に固定したガイド板44,44aに、中間梁14に取り付けたローラ46,46aが当接して、最下層梁10と中間梁14との水平方向の相対移動を阻止することができる。また、上下方向にはローラ46,46aがガイド板44,44aを転動して、最下層梁10と中間梁14との上下相対変位を許容し、鉛直方向免震機構16の内,外コイルスプリング28,30が上下方向に弾性変形するのを可能とし、これによって上下振動が免震される。
【0027】
このように、上記ガイド手段20によって上記内,外コイルスプリング28,30に水平方向の荷重が作用するのを防止できるため、該内,外コイルスプリング28,30が大きな水平変位によって破損したり、鉛直免震の性能が低下したりするのを防止できる。
【0028】
ここで、上記鉛直方向免震機構16は中間梁14の上側に配置されるため、該鉛直方向免震機構16には最下層梁10までの構造物重量が作用する一方、上記水平方向免震機構18には該鉛直方向免震機構16に作用する構造物重量に、更に中間梁14の重量が付加されることになる。該中間梁14はRC造梁として構成されており、その重量は調整可能である。
【0029】
従って、最下層梁10上に構築される構造物が軽量である場合にも、水平方向免震機構18に作用する重量を上記中間梁14によって大きくでき、延いては、該水平方向免震機構18による支持によって中間梁14を含む上方の構造物を適切に長周期化し、水平方向の免震機能を向上することができる。
【0030】
一方、このように中間梁14によって上記水平方向免震機構18に作用する重量を増大して長周期化が可能となるが、上記鉛直方向免震機構16は中間梁14の重量が作用することがないため、この鉛直方向免震機構16の内,外スプリング28,30に作用する重量を比較的に小さくして適切にその機能を発揮させることができ、延いては、上下振動に対する免震機能を十分に確保できる。
【0031】
また、上記水平方向免震機構18は上記鉛直方向免震機構16に対応して同数を設ける必要が無く、中間梁14に作用する重量を支持する個数を備えておれば良い。従って、該水平方向免震機構18は上記鉛直方向免震機構16より少数とすることにより、個々の水平方向免震機構18に作用する重量を大きくできるため、中間梁14の重量を大きくすることなく、つまり、該中間梁14に用いるコンクリート量を減少しつつ長周期化を達成することができる。勿論、コンクリート量を減少した場合にも、中間梁14に所定の剛性を備えることはいうまでもない。
【0032】
更に、本実施形態では水平方向免震機構18を鉛直方向免震機構16と同数設けた場合、または、数を減少した場合にかかわらず、水平方向免震機構18を鉛直方向免震機構16の直下に配置したので、該鉛直方向免震機構16に作用する構造物の重量を、その鉛直下方で水平方向免震機構18に支持させることができる。つまり、鉛直方向免震機構16と水平方向免震機構18とを水平方向に位置ずれさせると、中間梁14には鉛直方向免震機構16と水平方向免震機構18との水平距離をスパンとする曲げモーメントが発生するが、上記構成によればこのような曲げモーメントが生じることはない。このため、上記中間梁14の強度を特段増大する必要はなく、該中間梁14の構築コストを低減することができる。
【0033】
更にまた、上記鉛直方向免震機構16を、最下層梁10に接続される柱22の直下に配置したので、該柱22を介して作用する構造物の重量を直接に鉛直方向免震機構16で支持することができる。このため、最下層梁10に不要な曲げモーメントが発生するのを防止でき、鉛直方向免震機構16上の構造の軽量化を達成することができる。
【0034】
また、上記最下層梁10をS造梁として構成したが、これに限ることなくRC造梁またはSRC造梁として構成することができる。また、上記中間梁14はRC造梁としたが、これにあってもS造梁またはSRC造梁とすることができる。
【0035】
図4は他の実施形態の三次元免震構造の要部を示す正面断面図で、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
同図に示すように、この実施形態の三次元免震構造の基本構成は、最下層梁10と基礎12との間に、該最下層梁10上方の構造物重量を支持する鉛直方向免震機構16と、該鉛直方向免震機構16から水平方向に適宜間隔を設けて配置される水平方向免震機構18とを設け、かつ、該水平方向免震機構18と最下層梁10との間に、両者の鉛直方向相対移動を許容しつつ水平方向相対移動を阻止するガイド手段20を設けるとともに、上記鉛直方向免震機構16と基礎12との間に、両者の水平方向の相対移動を許容する滑り機構50を設ける。
【0036】
上記最下層梁10および上記基礎12は上記実施形態と同様に、該最下層梁10がH型鋼を用いたS造梁として構成されるとともに、基礎12がコンクリートを打設してRC造として構築される。また、上記最下層梁10の上側に柱22が立設される。更に、上記鉛直方向免震機構16,上記水平方向免震機構18および上記ガイド手段20にあっても上記実施形態と同様の構造をもって構成されるので、その詳細な説明は省略する。
【0037】
また、上記滑り機構50は、鉛直方向免震機構16の配置部位に対応して基礎12の上面にステンレスなどの滑り板プレート52を取り付ける一方、鉛直方向免震機構16の取付けプレート26下面にテフロン滑り面を設けたバックプレート54を取り付け、このバックプレート54を上記滑り板プレート52上面に摺動自在に載置することにより構成される。勿論、滑り板プレート52はバックプレート54の移動を十分にカバーできる面積をもって形成される。
【0038】
即ち、この実施形態の三次元免震構造では、最下層梁10と基礎12との間に、鉛直方向免震機構16と水平方向免震機構18とを水平方向に適宜間隔L2を設けて並列配置してあり、鉛直方向免震機構16の内,外コイルスプリング28,30が上下変形されることによって上下免震するとともに、上記滑り機構50により鉛直方向免震機構16と基礎12との相対移動を許容しつつ、水平方向免震機構18が水平変形することによって水平免震することができる。
【0039】
そして、上記鉛直方向免震機構16と上記水平方向免震機構18は、最下層梁10と基礎12との間に同一レベルとして並列配置されるため、三次元免震構造を構成するための最下層梁10下のスペースが上記実施形態と比較して小さくて済む。
【0040】
また、鉛直方向免震機構16と水平方向免震機構18とが並列配置されることにより、構造物の上下荷重は専ら鉛直方向免震機構16によって支持して基礎12へ流すことができる。このため、水平方向免震機構18には上下荷重が作用しないため、該水平方向免震機構18は水平方向のばね剛性のみを考慮して設計することができ、構造物の長周期化を容易に確保することができる。
【0041】
更に、このように水平方向免震機構18に上下荷重を作用させない場合には、該水平方向免震機構18を図示した積層ゴムによって構成することなく、所定の水平方向のばね剛性を備えた装置、例えば単なるゴム体としても構成でき、水平免震効果を更に向上することができる。そして、この実施形態のように積層ゴムを用いた場合でも、上下荷重が作用しないことから積層ゴムの変形性能が拡大する。
【0042】
また、水平方向免震機構18と最下層梁10との間に設けたガイド手段20および鉛直方向免震機構16と基礎12との間に設けた滑り機構50によって、鉛直方向免震機構16には専ら上下方向の変位を入力させることができるため、該鉛直方向免震機構16、つまり、内,外コイルスプリング28,30は常時直立状態を保持して、これが破損されるのを防止できる。従って、過大振動の入力により水平方向免震機構18が大きく変形して破断した場合にも、最下層梁10と基礎12との間は上記鉛直方向免震機構16によって確実に間隔保持できるため、いわゆるフェールセーフ機能を発揮させることができる。
【0043】
ところで、この実施形態にあっても鉛直方向免震機構16を、最下層梁10に接続される柱22の直下に配置したので、該最下層梁10に曲げモーメントが発生するのを防止して、該最下層梁10の軽量化を達成することができる。
【0044】
また、この実施形態ではガイド手段20を、水平方向免震機構18と基礎12との間に配置し、かつ、滑り機構50を、鉛直方向免震機構16と最下層梁10との間に配置しても同様の機能を達成することができる。更に、上記実施形態と同様に最下層梁10をS造としたが、これに限ることなくRC造梁またはSRC造梁として構成することができる。
【0045】
そして上記いずれの実施形態にあっても、当該三次元免震構造は、水平面に沿ったあらゆる方向に対して効果的に三次元免震することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に示す三次元免震構造にあっては、最下層梁と基礎との間に、該最下層梁上方の構造物重量を支持する鉛直方向免震機構と、該鉛直方向免震機構と並列に配置される水平方向免震機構とを設けたので、鉛直方向免震機構によって上下方向に免震するとともに、水平方向免震機構によって水平方向に免震することができる。このとき、上記鉛直方向免震機構と上記水平方向免震機構は最下層梁と基礎との間に並列配置されるため、三次元免震構造を構成するための最下層梁下のスペースが小さくて済む。
【0047】
また、鉛直方向免震機構と水平方向免震機構とが並列配置されることにより、構造物の上下荷重は専ら鉛直方向免震機構によって支持して基礎へ流すことができる。このため、水平方向免震機構には上下荷重が作用しないため、該水平方向免震機構は水平方向のばね剛性のみを考慮して設計することができ、構造物の長周期化を容易に確保することができるとともに、水平方向免震機構の性能も大変形領域まで安定化することができる。
【0048】
更に、上記最下層梁および上記基礎の少なくともいずれか一方と上記水平方向免震機構との間に、これら最下層梁と基礎両者の鉛直方向相対移動を許容しつつ水平方向相対移動を阻止するガイド手段を設けるとともに、上記最下層梁および上記基礎の少なくともいずれか一方と上記鉛直方向免震機構との間に、これら最下層梁と基礎両者の水平方向相対移動を許容する滑り手段を設けることによって、鉛直方向免震機構には専ら上下方向の変位が入力され、該鉛直方向免震機構が破損されるのを防止できる。従って、過大振動の入力により水平方向免震機構が破断した場合であっても、最下層梁と基礎との間は上記鉛直方向免震機構によって確実に間隔保持できて、いわゆるフェールセーフ機能を発揮させることができる。
【0049】
また、本発明の請求項2に示す三次元免震構造にあっては、上記鉛直方向免震機構を、上記構造物の柱の直下に配置したので、柱を介して作用する構造物の重量を直接に鉛直方向免震機構で支持することができる。このため、最下層梁に不要な曲げモーメントが発生するのを防止でき、鉛直方向免震機構上の構造の軽量化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の三次元免震構造の一実施形態を示す要部の正面断面図である。
【図2】図1中A部の拡大正面図である。
【図3】図2中B−B線断面図である。
【図4】本発明の三次元免震構造の他の実施形態を示す要部の正面断面図である。
【符号の説明】
10 最下層梁
12 基礎
14 中間梁
16 鉛直方向免震機構
18 水平方向免震機構
20 ガイド手段
22 柱
50 滑り機構

Claims (2)

  1. 最下層梁と基礎との間に、該最下層梁上方の構造物重量を支持しつつ上下方向振動を免震する鉛直方向免震機構と、該鉛直方向免震機構と並列に配置されて水平方向振動を免震する水平方向免震機構とを設け、かつ、上記最下層梁および上記基礎の少なくともいずれか一方と上記水平方向免震機構との間に、これら最下層梁と基礎両者の鉛直方向相対移動を許容しつつ水平方向相対移動を阻止するガイド手段を設けるとともに、上記最下層梁および上記基礎の少なくともいずれか一方と上記鉛直方向免震機構との間に、これら最下層梁と基礎両者の水平方向相対移動を許容する滑り手段を設けたことを特徴とする三次元免震構造。
  2. 上記鉛直方向免震機構は、上記構造物の柱の直下に配置したことを特徴とする請求項1に記載の三次元免震構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102912887A (zh) * 2012-11-19 2013-02-06 佛山科学技术学院 一种三向隔震控制方法及装置
CN110848307A (zh) * 2019-07-18 2020-02-28 常州大学 一维线刚度倍增抗压金属隔振器

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