JP2006002559A - 免震構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 平常時に生じる微振動に対しても要求される振動許容値を超える虞が無く、よって安定的な操業を確保することができるとともに、地震時には、免震効果を発揮して大きな被害が発生することを未然に防止することができ、よって半導体製造工場等の嫌振機器が配置された構造物を効果的に免震化することが可能となる免震構造を提供する。
【解決手段】 微振動を嫌う機器類が配置された構造物1とその基礎3との間に、構造物1に伝達される微振動が機器類の嫌振程度に起因する振動許容値よりも小さくなるような鉛直方向および水平方向の剛性を有する剛すべり支承による免震装置4を配置したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に半導体製造工場等の多数の嫌振機器が配置された構造物を免震化する際に用いて好適な免震構造に関するものである。
従来より、各種の構造物において、その基礎部分に免震装置を介装することにより、地震等によって地盤から構造物に伝播しようとする振動を減衰させて、構造物の躯体に生じる応力や変形を少なくする基礎免震構造が採用されている。
下記特許文献1は、従来のこの種の免震構造を示すもので、基礎とその上方に位置する建物との間に、当該建物を弾性支持しつつ、基礎との間の水平方向への相対移動に所定の弾発力をもって復元力を与える積層ゴムを用いた免震装置と、これら基礎と建物との間に鉛直方向に設けられて減衰力の発生主軸が軸方向となる鉛直ダンパと、上記基礎と建物との間に水平方向に設けられて減衰主軸が水平方向となる水平ダンパとを設けたものである。
上記構成からなる免震構造によれば、積層ゴムを用いた免震装置によって、建物の固有周期を長周期化させることにより、地震等の振動外力を基礎に対して効果的に遮断することができる。また、鉛直ダンパによって、積層ゴムの圧縮変形による建物の上下振動を減衰させることができ、かつ水平ダンパによって建物と基礎との間に生じる水平方向の相対変位を減衰させることができる。
特開平11−36657号公報
ところで、上記構造物のうちには、半導体製造工場や精密機械工場などのように、振動を極端に嫌う多数の生産装置が設置されているものがある。
このような構造物にあっては、地震により上記生産装置が損傷したり、操業がストップしたりすると、当該生産装置が高価であり、かつ付加価値の高い製品を生産していることから、多大な損害が発生する。
そこで、上記半導体製造工場等の構造物に対しても、上述した積層ゴムを用いた免震装置等によって免震化を図ることが考えられるが、上記積層ゴムによる免震装置は、もともと地震時に発生する水平方向の相対変位を上記ゴムの弾性によって吸収し、構造物の固有周期を長周期化させることにより地震力の影響を低減化させるものであることから、その剛性が低いほど、地盤に対する建物の固有周期を長周期化することができるものである。
一方、上記構造物とその基礎との間に上述したような積層ゴムによる免震装置を介装すると、上記免震装置の水平剛性が低いため、平常時に発生する微細な振動により水平方向の変位が上記免震装置によって増幅されてしまうことになる。
ところが、この種の構造物においては、微細加工を行う生産機器類等が床の微細な振動でも生産に支障を来すことから、床の振動許容値が厳しく制限されており、よって上記半導体製造工場等の構造物に対しては、上述したような免震構造を採用することができないという問題点があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされてもので、平常時に生じる微振動に対しても要求される振動許容値を超えることが無く、安定的な操業を確保することができるとともに、地震時には、免震効果を発揮して構造物に大きな被害が発生することを未然に防止することができ、よって半導体製造工場等の嫌振機器が配置された構造物を効果的に免震化することが可能となる免震構造を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、微振動を嫌う機器類が配置された構造物とその基礎との間に、上記構造物に伝達される微振動が上記機器類の嫌振程度に起因する振動許容値よりも小さくなるような鉛直方向および水平方向の剛性を有する剛すべり支承による免震装置を配置したことを特徴とするものである。ここで、伝達される微振動とは、基礎側から免震装置を介して上記構造物に伝達される微振動、および構造物内部で空調機器等により発生する微振動をいう。
なお、上記免震装置の微振動時における剛性(K1)が既知でない場合には、床上に当該免震装置を介して質量(M1)の重りを支承し、上記床上および重り上に設置した加速度センサー等によって、これら床および重りの常時微振動を測定し、両者の比から固有振動数(f1)を求めることにより、下式を用いて上記剛性(K1)を求めることができる。
1=(2πf121
ここで、請求項2に記載の発明は、上記振動許容値が1.0μm以下であり、かつ上記免震装置によって構成される免震層の水平方向固有振動数を3Hz以上としたことを特徴とするものであり、さらに請求項3に記載の発明は、上記振動許容値が0.5μm以下であり、かつ上記免震装置によって構成される免震層の水平方向固有振動数を4Hz以上としたことを特徴とするものである。
上記請求項2または3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、剛すべり支承による免震装置等を配置することによって構成された免震層の、平常時における水平方向固有振動数と構造物の変位応答との関係に着目して、構造物の共振現象による変位応答を小さく抑えることにより、上記振動許容値を満足させようとするものである。
すなわち、免震層の固有振動数f0(Hz)は、f0=1/(2π)×(K0・g/M01/2で表される。ここで、K0は、免震層の平常時における剛性(tf/cm)であり、M0は構造物の質量(t)、gは重力加速度(980cm/s2)である。
そして、免震層の減衰定数をh、免震層下の加速度をA1(gal)、免震層上部の加速度をA2(gal)、免震層上部の変位をD2(μm)とすると、構造物における共振点での加速度応答は下式で算定することができる。
Figure 2006002559
上記(1)式によって得られる構造物の共振点での加速度応答は、免震層の固有振動数に関わらず一定となり、これを下記(2)式により変位応答に換算すると、構造物の共振点での応答変位は振動数の2乗に反比例する。
Figure 2006002559
したがって、免震層の水平方向固有振動数を一定値以上に設定すれば、構造物の共振点での応答変位を抑制することができ、この結果構造物において要求される振動許容値以下とすることができる。
そこで次に、請求項2に記載の発明において、上記振動許容値が1.0μm以下である場合に上記免震層の水平方向固有振動数を3Hz以上とし、請求項3に記載の発明において、上記振動許容値が0.5μm以下である場合に上記免震層の水平方向固有振動数を4Hz以上としたことの限定理由を説明する。
過去の振動調査結果の蓄積データから、免震層下部の一般的な地盤の加速度A1を0.002galに、また免震層の減衰定数hを5%にそれぞれ設定した。
次いで、これらの値により、上記(1)式から免震層上部の加速度A2を求め、さらに得られた加速度A2と上記(2)とから、免震層の水平方向固有振動数f0(Hz)と免震層上部(構造物)の変位D2(μm)との関係を求めた結果、図8に示すグラフが得られた。
図8に見られるように、免震層の水平方向固有振動数f0をそれぞれ3.0Hz以上、4.0Hz以上とすれば、構造物における振動許容値がそれぞれ1.0μm、0.5μmである場合に、上記微振動に起因する応答変位が十分に上記振動許容値以下になることから、上記数値範囲に限定した。
なお、上記免震層の水平方向固有振動数f0は、主として構造物の重量に対して剛すべり支承による免震装置の台数と、その面積を適宜値に設定することにより、上述した値以上にすることができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、上記剛すべり支承による免震装置の摩擦係数が0.02以下であるとともに、上記構造物と上記基礎との間に、水平方向の相対移動を減衰させる減衰装置を設けたことを特徴とするものである。
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の剛すべり支承による免震装置における互いのすべり面が、それぞれポリテトラフルオロエチレンによって構成されていることを特徴とするものである。
一般に、図7に示すように、免震装置は、その剛性が高くなると伝達する振動の振幅が小さくなり、逆に剛性が低くなると伝達する振動の振幅が大きくなる。
そこで、請求項1〜5のいずれかに記載の発明によれば、構造物と基礎との間に、当該構造物に伝達される微振動が嫌振機器類に起因する振動許容値よりも小さくなるような鉛直方向および水平方向の剛性を有する剛すべり支承による免震装置を配置しているので、平常時においては、基礎側から上記免震装置を介して構造物に伝達される微振動や構造物内部で発生する微振動を、上記振動許容値以下に保持することができる。
この結果、平常時に生じる微振動に対して、免震装置が弊害となることが無く、安定的な操業を確保することができる。
他方、地震時には、上記剛すべり支承による免震装置にすべりが生じて免震効果を発揮することにより、例えば上記機器類の転倒や、あるいは構造物の損傷等を防いで、当該構造物に大きな被害が発生することを未然に防止することができる。
さらに、請求項2または3に記載の発明によれば、構造物における上記振動許容値が1.0μm以下あるいは0.5μm以下である場合に、上記剛すべり支承による免震装置の台数やその面積を選択して、それぞれ免震層の水平方向固有振動数を3Hz以上あるいは4以上とすることにより、構造物の共振現象による変位応答を小さく抑えて、確実に上記振動許容値以下にすることができる。
ところで、一般の構造物における免震構造においては、弾性すべり支承による免震装置が多用されている。これは、図9の上段のグラフにおいて点線で示すように、地震時に作用する水平力に対して、すべりが生じる前に先ず弾性体が弾性変形することにより、免震層におけるすべり発生時の急激な剛性変化を和らげて、構造物に作用する加速度を低減させるためである。
これに対して、請求項1〜3に記載の発明のように、すべり支承による免震装置として、剛すべり支承による免震装置のみで免震層を構成した場合には、同図に実線で示すように、初期剛性が非常に大きくなり、すべりが発生する時の急激な剛性の変化により、構造物に生じる加速度応答が大きくなり過ぎる虞がある。
この点、請求項4に記載の発明によれば、一般的なすべり支承による免震装置で使用されているステンレス板とポリテトラフルオロエチレン板とによるすべり面の摩擦係数が約0.1であるのに対して、当該すべり面における摩擦係数を0.02以下にしているので、図9の下段のグラフに示すように、地震時に作用する小さな水平力によってすべりを生じる結果、上記免震装置上の構造物への入力そのものを小さくすることができ、よって構造物に生じる加速度応答を低減化することができる。加えて、上記構造物と基礎との間に、水平方向の相対移動を減衰させる減衰装置を設けているので、早期にすべりを生じた場合においても、その相対変位を小さくすることができる。
この結果、剛すべり支承を用いることによって得られる平常時の高い剛性と、地震時における小さな剛性とを両立させることができるために、平常時の微振動時に対する構造物の変形を確実にその振動許容値以下にすることができるとともに、併せて地震時における当該構造物の加速度応答も小さく抑えることが可能になる。
特に、請求項5に記載の発明のように、上記剛すべり支承による免震装置における互いのすべり面を、それぞれポリテトラフルオロエチレンによって構成すれば、汎用の材料によって上記すべり面における摩擦係数を約0.013程度の低摩擦にすることができて好適である。
図1〜図9は、本発明に係る免震構造を半導体製造工場の免震構造に適用した一実施形態を示すもので、図中符号1が半導体製造工場(構造物)である。
この工場1は、建屋1aの内部に設けられた支持躯体2b上に、半導体製造用の微振動を極端に嫌う各種の機器類が配置され、支持躯体2a上には補機が配設されている。また、当該建屋1aに隣接する建屋1b内の支持躯体2d上に、比較的振動許容値の大きな機器類が配設され、支持躯体2c上には原動機等の補機類が配設されている。
これにより、工場1は、振動許容値の小さい上記支持躯体2a、2bによって画成される嫌振エリアA1と、これよりも振動許容値が大きな支持躯体2c、2dによって画成される他のエリアA2とに区分されている。
そして、上記嫌振エリアA1における支持躯体2aと基礎3との間に、剛すべり支承による免震装置4が介装されている。
この剛すべり支承による免震装置4は、図2に示すように、基礎3上にポリテトラフルオロエチレン(=テフロン;登録商標)コーティング板からなるすべり板5が固定され、他方支持躯体2aの下面にベースポット6が固定されるとともに、このベースポット6の下面凹部に、基礎3の回転角を吸収する内部ゴム7を介して、下面のすべり面8aにポリテトラフルオロエチレン加工が施された鋼板からなるベース8が嵌合されることによって構成されたものである。
この免震装置4は、すべり板5およびすべり面8aに共にポリテトラフルオロエチレンを使用している結果、摩擦係数が約0.013と低摩擦に設定されており、この結果地震時にすべり板5とすべり面8aとの間の上記摩擦力よりも大きな水平力が作用した際に、これらすべり板5とベース8との間にすべりが生じることにより、基礎3から支持躯体2aに伝達する振動を緩和するものである。
したがって、図3および図9に示すように、両者間にすべりが生じない微振動に対しては、鉛直方向および水平方向ともに、極めて大きな剛性を示すものであり、各構成部材の諸元は、平常時の微振動に対して、支持躯体2aに伝達される振動が、嫌振エリアA1における振動許容値以下になるように設計されている。
加えて、上記免震装置4の設置台数やその支承面積(=すべり面8aの面積)は、工場1における上記振動許容値が1.0μm以下である場合には、当該免震装置4等によって構成される免震層の水平方向固有振動数が3Hz以上となるように、また上記振動許容値が0.5μm以下である場合には、4Hz以上となるように設定されている。
また、その他のエリアA2においては、支持躯体2cと基礎3との間に、鉛プラグ入り積層ゴム支承による免震装置10が介装されている。
この免震装置10は、図4に示すように、ゴム11と鋼板12とを交互に積層状に一体化するとともに中心部に形成した穴に鉛プラグ13を詰め込んだものである。
上記免震装置10においては、ゴム11と鋼板12とからなる積層ゴム支承による免震装置と比較して、鉛プラグ13が充分に塑性化するまでは、極めて高い剛性を発現する。このため、図5(a)、(b)に示すように、鉛直方向に対して高い剛性を有するとともに、水平方向についても、上記鉛プラグ13が大きな抵抗になるとともに、積層ゴムも歪依存性があるために、微振動に対しては高い剛性を得ることができる。
そして、この免震装置10においても、各構成部材の諸元は、平常時の微振動に対して、支持躯体2cに伝達される振動が、嫌振エリアA2における振動許容値以下になるように設計されている。なお、この免震装置10においては、地震時に鉛プラグ13が塑性変形し、ゴム11が水平方向に柔らかく変形することにより、振動エネルギーを吸収する。
そしてさらに、上記嫌振エリアA1における支持躯体2aと基礎3との間には、オイルの粘性によって水平方向の相対移動を減衰させるオイルダンパー(減衰装置)15が介装されている。
このオイルダンパー15は、図6に示すように、シリンダー16の内部にピストン17が移動自在に設けられるとともに、これらの間にオイルが充填されたもので、シリンダー16の端部が基礎3側に固定され、ピストン17の出力軸端が支持躯体2a側に固定されている。
また、振動許容値の小さい支持躯体2a、2bと、これよりも振動許容値の大きな2c、2dとは、図1に示すように、下部の支持躯体2a、2c部分は連続しているものの、互いの上部構造となる支持躯体2b、2dは分離されている。
以上の構成からなる免震構造によれば、当該半導体製造工場1を、嫌振装置が配置されて振動許容値が極めて小さい嫌振エリアA1と、これよりも振動許容値が大きなその他のエリアA2とに区分し、各々のエリアA1、A2に、伝達される微振動がエリアA1、A2における上記振動許容値よりも小さくなるような鉛直方向および水平方向の剛性を有する免震装置4、10を配置しているので、平常時においては、免震装置4、10を介して支持躯体2a〜2d側に伝達される微振動を、当該エリアA1、A2における振動許容値以下に保持することができる。
また、特にエリアA1においては、当該エリアA1における振動許容値が1.0μm以下である場合に、免震装置4等によって構成される免震層の水平方向固有振動数が3Hz以上になるように、さらに上記振動許容値が0.5μm以下である場合に、上記水平方向固有振動数が4Hz以上となるように、免震装置4等の台数やその面積を選択しているので、工場1の共振現象に起因する変位応答を小さく抑えることができ、よって確実に平常時に発生する微振動に対して、上記振動許容値以下にすることができる。
この結果、平常時に発生する微振動が、免震装置4、10によって増幅されて各々のエリアA1、A2における上記振動許容値を超える等の弊害を生じることが無く、安定的な操業を確保することができる。
また、地震時には、これらのエリアA1、A2に介装された剛すべり支承による免震装置4と、鉛プラグ入り積層ゴム支承による免震装置10との協働により、支持躯体2a〜2d等に生じる応力や変形を少なくして、工場1全体に対する高い免震効果を発揮することができる。
加えて、免震装置4のすべり板5およびすべり面8aに、共に摩擦係数が約0.013と低摩擦のポリテトラフルオロエチレンを使用しているために、図9の下段のグラフに示すように、地震時に小さな水平力が作用した際にすべりを生じる結果、工場1への入力そのものを小さくすることができ、よって工場1に生じる加速度応答を低減化することができる。
加えて、工場1と基礎3との間に、水平方向の相対移動を減衰させるオイルダンパー15を設けているので、早期にすべりを生じた場合においても、オイルダンパー15が減衰効果を発揮することにより、基礎3から支持躯体2a〜2dを介して工場1全体に伝播しようとする振動を減衰させて、工場1全体の水平方向変位を小さくすることができる。
したがって、剛すべり支承を用いることによって得られる平常時の高い剛性と、地震時における小さな剛性とを両立させることができるために、平常時の微振動時に対する工場1の変位を確実にその振動許容値以下にすることができるとともに、併せて地震時における工場1の加速度応答も小さく抑えることができる。この結果、例えば支持躯体2a〜2d上の機器類等が転倒したり、あるいは建屋1a、1bが大きな損傷を受けたりすることを未然に防止することができる。
この際に、剛すべり支承による免震装置4と鉛プラグ入り積層ゴム支承による免震装置10とでは、微振動時の剛性が異なるために、支持躯体2a、2bと支持躯体2c、2dとは異なった大きさの振動を呈するが、振幅差が大きくなる互いの上部構造2b、2dが分離されているために、相互の干渉を防ぐことができる。
なお、上記実施の形態においては、本発明を、振動許容値が小さいことからこれまで免震化が難しかった半導体製造工場に適用した場合について説明したため、嫌振エリアA1よりも振動許容値の大きい他のエリアA2についても、比較的剛性の高い鉛プラグ入り積層ゴム支承による免震装置10を介装したが、これに限るものではなく、上記建屋1bの支持躯体2cにおける振動許容値が充分に大きい値である場合等には、積層ゴム支承あるいは高減衰積層ゴム支承による免震装置や、弾性すべり支承による免震装置等の他の免震装置を介装することも可能である。
また、減衰装置としては、上述したオイルダンパー15に代えて粘弾性ダンパーやスプリング等を用いることも可能である。さらに、構造物の変位が大きくならない場合や、すべり支承による免震装置におけるすべり係数を上げる等によって変形を抑えることができる場合には、上記オイルダンパー等の減衰装置を省略することも可能である。
また、上記免震装置4のすべり板5については、上述したポリテトラフルオロエチレンコーティング板に限定されるものではなく、加速度応答性能の見地から可能であれば、これに代えてステンレス板を用いてもよい。
(実施例)
重量Mが10,000tonであって、かつ振動許容値が0.5μmである構造物に対して、免震層の水平方向固有振動数を4Hz以上とするための免震装置の構成例を検討した。
先ず、水平方向の剛性が300.0tonf/cmである剛すべり支承による免震装置を40台設置するとともに、水平方向の剛性が1.0tonf/cmである積層ゴム支承による免震装置を20台設置した。
この結果、免震層の水平方向の剛性Kは、
K=(300.0×40)+(1.0×20)=12,020tonf/cm
になる。
したがって、上記免震層における水平方向固有振動数fは、重力加速度g=980cm/s2から、
f=1/(2π)×(K・g/M)1/2=5.4Hzとなり、上記4Hz以上とすることができる。
本発明の一実施形態を示す縦断面である。 図1の剛すべり支承による免震装置を示す縦断面図である。 図2の免震装置に作用する力と鉛直変形(a)および水平変形(b)との関係を示すグラフである。 図1の鉛プラグ入り積層ゴム支承による免震装置を示す縦断面図である。 図4の免震装置に作用する力と鉛直変形(a)および水平変形(b)との関係を示すグラフである。 図1のオイルダンパーの取付部分の拡大図である。 免震装置における剛性と微振動の大きさとの関係を示すグラフである。 免震層の水平方向固有振動数と免震層上の構造物の変位との関係を示すグラフである。 弾性すべり支承、剛すべり支承による免震装置に作用する力と水平変形との関係、およびオイルダンパー等の減衰装置に作用する力と水平速度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 半導体製造工場(構造物)
2a、2b、2c、2d 支持躯体
3 基礎
4 剛すべり支承による免震装置
5 すべり板
8a すべり面
10 鉛プラグ入り積層ゴム支承による免震装置
11 ゴム
12 鋼板
13 鉛プラグ
15 オイルダンパー(減衰装置)
1 嫌振エリア
2 他のエリア

Claims (5)

  1. 微振動を嫌う機器類が配置された構造物とその基礎との間に、上記構造物に伝達される微振動が上記機器類の嫌振程度に起因する振動許容値よりも小さくなるような鉛直方向および水平方向の剛性を有する剛すべり支承による免震装置を配置したことを特徴とする免震構造。
  2. 上記振動許容値が1.0μm以下であり、かつ上記免震装置によって構成される免震層の水平方向固有振動数を3Hz以上としたことを特徴とする請求項1に記載の免震構造。
  3. 上記振動許容値が0.5μm以下であり、かつ上記免震装置によって構成される免震層の水平方向固有振動数を4Hz以上としたことを特徴とする請求項1に記載の免震構造。
  4. 上記剛すべり支承による免震装置は、その摩擦係数が0.02以下であるとともに、上記構造物と上記基礎との間に、水平方向の相対移動を減衰させる減衰装置を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の免震構造。
  5. 上記剛すべり支承による免震装置は、互いのすべり面が、それぞれポリテトラフルオロエチレンによって構成されていることを特徴とする請求項4に記載の免震構造。
JP2005137100A 2004-05-17 2005-05-10 免震構造 Pending JP2006002559A (ja)

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