JP2013010343A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドタンクの液体残量に応じて変位する変位部材を装置本体側の検知手段で検知して満タン検知を行なうようにした場合でも、印字動作中のヘッドタンクへの充填動作を高い精度で、印字効率を損なうことなく行うことができるようにする。
【解決手段】現在の湿度を検出し、記憶している湿度に対する変化量を算出し、算出した湿度変化量が第1環境湿度変化量以上か否かを判別し、第1環境湿度変化量であれば、算出した湿度変化量が第2環境湿度変化量以下か否かを判別し、算出した湿度変化量が第2環境湿度変化量以下であるときには、変位差分量補正することで補正変位差分量を得て記憶保持し、算出した湿度変化量が第2環境湿度変化量を越えているときには、再度変位差分量を検出して記憶保持する処理を行う。
【選択図】図23

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する記録ヘッド及び記録ヘッドに液体を供給するヘッドタンクを備える画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてのインクジェット記録装置が知られている。
このような画像形成装置において、記録ヘッドにインクを供給するヘッドタンク(サブタンク、バッファタンクとも称される。)を備え、記録ヘッドのノズルからのインクの染み出しやダレを防止するために負圧を発生する負圧形成機能(機構)をヘッドタンクに持たせたものが知られている。このヘッドタンクは、インクを収容するインク収容部の一面を形成する可撓性部材(フィルム部材)と、可撓性部材を外方に付勢する弾性部材とを含む負圧形成手段を有し、インク収容部内を大気に開放する開閉可能な大気開放機構を有して、インク収容部から記録ヘッドにインクを供給する構成となっている。
そして、このヘッドタンクには可撓性部材の変位に応じて変位する変位部材(検知部材、検知フィラともいう。)を設け、ヘッドタンクの大気開放機構を開放してメインタンクからヘッドタンクにインクを供給する大気開放充填を行なうときには、キャリッジを所定の検知位置(満タン充填位置)に移動し、装置本体側に設けた大気開放機構の駆動手段を作動させてヘッドタンクを大気開放した状態で、キャリッジを予め定めたキャリッジ位置に移動させた状態からインク充填を行なって、装置本体側の検知手段が変位部材を検知したときを満タン充填位置とするようにしている(特許文献1ないし9)。
この場合、印字動作中でもインクの補充供給を行えるようにするため、印刷中のインク消費量が予め定めた第1の所定値以上のとき、印刷中にメインタンクからヘッドタンクに対して供給したインク供給量に相関する情報に基づき、供給量が予め定めた第2の所定値以下のときにはメインタンクからヘッドタンクに対してインク供給を行い、供給量が第2の所定値を超えているときにはメインタンクからヘッドタンクに対してインク供給を行わないようにしている(上記特許文献9)。
なお、上述したようなヘッドタンク構成ではなく、ヘッドタンクにインク残量検出手段を設けて印字動作中もインク供給を行なうものもある(特許文献10)。
特許第4298474号公報 特許第4190001号公報 特許第4155879号公報 特開2007−015153号公報 特開2007−130979号公報 特開2008−132638号公報 特開2009−023329号公報 特開2009−274325号公報 特開2009−023092号公報 特許第3219326号公報
上述したように、ヘッドタンクにインク残量に応じて変位する変位部材を有し、装置本体側でヘッドタンクの満タン検知を行なうようにした場合、メインタンクからヘッドタンクにインクを供給するときに、キャリッジを所定の充填満タン位置まで移動しなければならず、印字動作中にヘッドタンク内のインク残量が少なくなると供給動作を行なうために印字動作を中断しなければならなくなり、印字速度が低下するという課題がある。
この場合、ヘッドタンクのインク消費量を吐出滴数のカウントなどによって算出し、消費量に相当する供給量でメインタンクからインク供給を行なうこともできるが、正確に充填満タン位置の検知を行なっていないために、供給不足による過剰負圧、あるいは、供給過剰による過小負圧になるおそれがあり、必ず、定期的にキャリッジを充填満タン検知位置にして大気開放充填を行なう必要があり、印字動作を中断しなければならなり、印字速度が低下するという課題は残る。
また、キャリッジ側にヘッドタンクのインク残量を検出する手段やヘッドタンクの大気開放機構を駆動する手段を備えて、ヘッドタンクに対するインク供給を制御するために必要な部材や手段をキャリッジに搭載することも考えられるが、このような構成を採用すると、キャリッジ重量が増加するという課題や、キャリッジサイズが大きくなり、装置全体が大型化するという課題が生じることになる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、ヘッドタンクの液体残量に応じて変位する変位部材を装置本体側の検知手段で検知して満タン検知を行なうようにした場合でも、印字動作中のヘッドタンクへの充填動作を高い精度で、印字効率を損なうことなく行うことができるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに供給する液体を収容するヘッドタンクと、
前記記録ヘッド及び前記ヘッドタンクを搭載したキャリッジと、
前記ヘッドタンクに供給する液体を収容するメインタンクと、
前記メインタンクから前記ヘッドタンクへの液体供給を行なう送液手段と、を備え、
前記ヘッドタンクは液体残量に応じて変位する変位部材を有し、
前記キャリッジには前記変位部材が所定の第1位置になったことを検知する第1検知手段が設けられ、
装置本体側には、前記変位部材が所定の第2位置になったことを検知する第2検知手段が設けられ、
前記第1位置は前記第2位置よりも前記ヘッドタンクの液体残量が少ない位置であり、
前記第1検知手段で検知される位置と前記第2検知手段で検知される位置との間の前記変位部材の変位量に対応する変位差分量を検出して保持し、
前記第2検知手段を使用しないで前記メインタンクから前記ヘッドタンクに液体を供給するとき、前記第1検知手段が前記変位部材を検知した後、前記変位差分量に相当する液体を前記ヘッドタンクに供給する制御を行なう制御手段を備え、
更に、装置の置かれた環境条件を検出する環境条件検出手段を有し、
前記制御手段は、
前記変位差分量を保持したときの環境条件を記憶し、
前記記憶した前記環境条件に対する現在の環境条件の変化量が予め定めた第1環境変化量以上で、前記第1環境変化量より大きな予め定めた第2環境変化量以下であるときには、前記記憶した変位差分量を補正し、
前記記憶した前記環境条件に対する現在の環境条件の変化量が前記第2環境変化量を越えたときには、前記変位差分量を検出して保持する動作の制御を行う
構成とした。
本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに供給する液体を収容するヘッドタンクと、
前記記録ヘッド及び前記ヘッドタンクを搭載したキャリッジと、
前記ヘッドタンクに供給する液体を収容するメインタンクと、
前記メインタンクから前記ヘッドタンクへの液体供給を行なう送液手段と、
前記送液手段を駆動して前記メインタンクから前記ヘッドタンクへの液体供給を制御する供給制御手段と、を備え、
前記ヘッドタンクは液体残量に応じて変位する変位部材を有し、
前記キャリッジには前記変位部材が所定の第1位置になったことを検知する第1検知手段が設けられ、
装置本体側には、前記変位部材が所定の第2位置になったことを検知する第2検知手段が設けられ、
前記第1位置は前記第2位置よりも前記ヘッドタンクの液体残量が少ない位置であり、
前記供給制御手段は、
前記第1検知手段で検知される位置と前記第2検知手段で検知される位置との間の前記変位部材の変位量に対応する変位差分量を検出して保持し、
前記第2検知手段を使用しないで前記メインタンクから前記ヘッドタンクに液体を供給するとき、前記第1検知手段が前記変位部材を検知した後、前記変位差分量に相当する液体を前記ヘッドタンクに供給する制御を行い、
更に、前記供給制御手段は、
ジャムが発生した後装置の電源がオン状態になったとき、前記変位差分量を検出して保持した後の経過時間が所定時間になったとき、前記メインタクが交換されたとき、現在の環境湿度が前記変位差分量を検出して保持したときの環境湿度に対して予め定めた所定値以上ずれたとき、の少なくともいずれかで、再度、前記変位差分量を検出して保持する
構成とした。
本発明に係る画像形成装置によれば、キャリッジの移動中でもヘッドタンクにメインタンクから適切な量の液体を供給することができ、印刷速度の向上を図れる。
本発明の第1実施形態の説明に供する画像形成装置の機構部の側面概略構成図である。 同機構部の要部平面説明図である。 ヘッドタンクの一例を示す模式的平面説明図である。 同じく図3の模式的正断面説明図である。 インク供給排出系の説明に供する模式的説明図である。 制御部の概要を説明するブロック説明図である。 ヘッドタンクの負圧形成動作の説明に供する説明図である。 ヘッドタンク内の負圧とインク量の関係の説明に供する説明図である。 ヘッドタンク内のインク量を満タンに設定する方法の説明に供する説明図である。 第2センサのみを用いてヘッドタンク内のインク量を満タンに設定する方法の説明に供する説明図である。 第1、第2センサのみを用いてヘッドタンク内のインク量を満タンに設定する方法の説明に供する説明図である。 第1センサ及び第2センサの配置例の一例を説明する説明図である。 第1センサ及び第2センサの配置例の他の例を説明する説明図である。 制御部による変位差分量の検出処理の説明に供するフロー図である。 同じく印字中充填の説明に供するフロー図である。 湿度と変位部材の変位量の関係の説明に供するヘッドタンクの模式的平断面説明図である。 湿度と変位部材の変位量の関係の一例を示す説明図である。 湿度と変位部材の変位量の関係の説明に供する説明図である。 本発明の第1実施形態における環境条件変化に応じた変位差分量の補正又は変位差分量の再検出及び記憶保持動作の説明に供する説明図である。 本発明の第2実施形態における環境条件変化に応じた変位差分量の補正又は変位差分量の再検出及び記憶保持動作の説明に供する説明図である。 本発明の第3実施形態における環境条件変化に応じた変位差分量の補正又は変位差分量の再検出及び記憶保持動作の説明に供する説明図である。 制御部による環境条件の変化に対する変位差分量補正等を含む差分量の検出処理の説明に供するフロー図である。 同じく差分量補正処理の説明に供するフロー図である。 同じく印字中充填の説明に供するフロー図である。 本発明の第5実施形態の説明に供するヘッドタンク内負圧とヘッドタンクからの排インク量の関係を説明する説明図である。 同じくヘッドタンク内液体変位量(変化量)と変位部材の変位量の関係を説明する説明図である。 同じくヘッドタンク内排インク量と変位部材の各位置との関係を説明する説明図である。 同じく印字命令後の画像形成動作の説明に供するフロー図である。 同じく印字中充填処理の説明に供するフロー図である。 同じく通常充填処理の説明に供するフロー図である。 同じくカートリッジエンド判定処理の説明に供するフロー図である。 同じく再学習動作の全体の流れの説明に供するフロー図である。 学習1動作の説明に供するフロー図である。 学習2動作の説明に供するフロー図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図2は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型インクジェット記録装置であり、装置本体1の左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド31、32でキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、後述する主走査モータによってタイミングベルトを介してキャリッジ主走査方向に移動走査する。
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク35a、35b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このヘッドタンク35には、カートリッジ装填部4に着脱自在に装着される各色のメインタンクであるインクカートリッジ10y、10m、10c、10kから、供給ポンプユニット24によって各色の供給チューブ36を介して、各色の記録液が補充供給される。
また、キャリッジ33の主走査方向に沿ってエンコーダスケール91が配設され、キャリッジ33にはエンコーダスケール91を読み取るエンコーダセンサ92が設けられて、これらのエンコーダスケール91とエンコーダセンサ92によってリニアエンコーダ90を構成し、このリニアエンコーダ90の検出信号によってキャリッジ33の主走査方向位置(キャリッジ位置)や移動量を検出するようにしている。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、後述する副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロである拍車63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのワイパ部材(ワイパブレード)83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84と、キャリッジ33をロックするキャリッジロック87などとを備えている。また、このヘッドの維持回復機構81の下方側には維持回復動作によって生じる廃液を収容するための廃液タンク100が装置本体に対して交換可能に装着される。
また、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
そして、記録ヘッド34のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ33をホーム位置である維持回復機構81に対向する位置に移動して、キャップ部材82によるキャッピングを行ってノズルからの吸引を行うノズル吸引、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
次に、ヘッドタンク35の一例について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドタンク35の1つのノズル列分の模式的上面説明図、図4は同じく模式的正面説明図である。
ヘッドタンク35は、インクを保持するための一側部が開口したインク収容部202を形成するタンクケース201を有し、このタンクケース201の開口部は可撓性部材であるフィルム部材203で密閉してインク収容部202を形成し、タンクケース201内に配置した弾性部材としてバネ204によってフィルム部材203を常時外方へ付勢している。これにより、タンクケース201のフィルム203がバネ204によって外方への付勢力が作用しているので、タンクケース201のインク収容部202内のインク残量が減少することによって負圧が発生する。
また、タンクケース201の外側には、一端部側を支軸206で揺動可能に支持され、スプリング210によってタンクケース201側に向けて付勢されているフィラからなる変位部材(以下、単に「フィラ」とも表記することがある。)205がフィルム203に押圧接触され、フィルム部材203の動きに連動して変位部材205が変位する。この変位部材205をキャリッジ33に設ける後述する第2検知手段(第2センサ)301や装置本体側に配置された後述する第1検知手段(第1センサ、満タン検知センサ)251などで検知することでヘッドタンク35内のインク残量や負圧などを検知することができる。
また、タンクケース201の上部には、インクカートリッジ10からインクを供給するための供給口部209があり、インク供給チューブ36に接続されている。また、タンクケース201の側部には、ヘッドタンク35内を大気に開放する大気開放機構207が設けられている。この大気開放機構207は、ヘッドタンク35内に連通する大気開放路207aを開閉する弁体207b及びこの弁体207bを閉弁状態に付勢するスプリング207cなどを備え、装置本体側の大気開放ソレノイド302によって弁体207bを押すことで開弁されて、ヘッドタンク35内に大気開放状態(大気に連通した状態)になる。
また、ヘッドタンク35内のインク液面高さを検出するための電極ピン208aと208bが取り付けられている。インクは電導性を持っており、電極ピン208aと208bの所までインクが到達すると、電極ピン208aと208b間に電流が流れて両者の抵抗値が変化するため、インク液面高さが所定高さ以下になった、すなわち、ヘッドタンク35の空気量が所定量以上になったことを検出することができる。
次に、この画像形成装置におけるインク供給排出系について図5を参照して説明する。
まず、インクカートリッジ(以下、「メインタンク」という。)10からヘッドタンク35に対するインク供給は、供給ポンプユニット24の送液手段である送液ポンプ241によって供給チューブ36を介して行なわれる。なお、送液ポンプ241は、チューブポンプなどで構成した可逆ポンプであり、インクカートリッジ10からヘッドタンク35にインクを供給する動作と、ヘッドタンク35からインクカートリッジ10にインクを戻す動作とを行なえるようにしている。
また、維持回復機構81は、前述したように記録ヘッド34のノズル面をキャッピングする吸引キャップ82aと、吸引キャップ82aに接続された吸引ポンプ812を有し、キャップ82aでキャッピングした状態で吸引ポンプ812を駆動することで吸引チューブ811を介してノズルからインクを吸引することによってヘッドタンク35内のインクを吸引することができる。なお、吸引された廃インクは廃液タンク100に排出される。
また、装置本体側にはヘッドタンク35の大気開放機構207を開閉する押圧部材である大気開放ソレノイド302が配設され、この大気開放ソレノイド302を作動させることで大気開放機構207を開放することができる。
さらに、キャリッジ33には変位部材205を検知する第1検知手段である光学センサからなる第1センサ251が設けられ、装置本体側には変位部材205を検知する光学センサからなる第2検知手段である第2センサ301が設けられている。後述するように、これらの第1、第2センサ251、301の検知結果を使用してヘッドタンク35に対するインク供給動作を制御する。
なお、上述した送液ポンプ241、大気開放ソレノイド302、吸引ポンプ812の駆動制御、本発明に係るインク供給動作は、制御部500によって行なわれる。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部500は、この装置全体の制御を司り、本発明に係る制御手段などを兼ねるCPU501と、CPU501が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための本発明における記憶保持手段を兼ねる書き換え可能な不揮発性メモリ504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505とを備えている。
また、記録ヘッド34を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含む印刷制御部508と、キャリッジ33側に設けた記録ヘッド34を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509と、キャリッジ33を移動走査する主走査モータ554、搬送ベルト51を周回移動させる副走査モータ555、維持回復機構81の維持回復モータ556を駆動するためのモータ駆動部510と、帯電ローラ56にACバイアスを供給するACバイアス供給部511と、ヘッドタンク35の大気開放機構207を開閉する装置本体側に設けられた大気開放ソレノイド302、送液ポンプ241を駆動する供給系駆動部512などを備えている。
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F506を持っていて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してI/F506で受信する。
そして、制御部500のCPU501は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含み、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド7の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド7を駆動する。このとき、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O部513は、装置の置かれている環境条件としての周囲温度、周囲湿度などを検出する環境条件検出手段としての環境センサ520、その他装置に装着されている各種のセンサ群515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ駆動部510、ACバイアス供給部511の制御、ヘッドタンク35に対するインク供給の制御などに使用する。
センサ群515は、前述した第1センサ251、第2センサ301、検知電極ピン208a、208bのほか、用紙の位置を検出するための光学センサや、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O部513は様々のセンサ情報を処理することができる。
次に、このように構成した画像形成装置におけるヘッドタンク35の負圧形成動作について図7を参照して説明する。
図7(a)に示すように、ヘッドタンク35にメインタンク10からインクを供給した後、上述したようにしてヘッドタンク35からインクを吸引し、あるいは、記録ヘッド34を駆動して滴吐出(画像形成に寄与しない液滴の吐出:空吐出)を行ない、ヘッドタンク35内のインク量を減少させることで、同図(b)に示すように、バネ204の付勢力に抗してフィルム部材203が内側に変位しようとし、バネ204の付勢力でヘッドタンク35内に負圧が発生する。
さらに、送液ポンプ241にてヘッドタンク35内を吸引することで、フィルム部材203がヘッドタンク35の内方に引き込まれ、バネ204が更に圧縮されて負圧が高まる。
この状態からヘッドタンク35内へインクを供給すると、フィルム部材203がヘッドタンク35の外方向に押し出されるので、バネ204が伸びて負圧が低下する。
これらの動作を繰り返すことで、ヘッドタンク35内の負圧を一定内に保つよう制御することができる。
ここで、ヘッドタンク35内の負圧とヘッドタンク35内のインク量との関係について図8を参照して説明する。
ヘッドタンク35内の負圧はヘッドタンク35内のインク量と相関関係にあり、ヘッドタンク35内のインク量が多いとき、ヘッドタンク35内の負圧は小さく弱い状態であり、インク量が少ないとき、ヘッドタンク35内の負圧は大きく強くなる。そして、ヘッドタンク35内の負圧が弱すぎると記録ヘッド34からインクが漏液することになり、負圧が強すぎると記録ヘッド34から空気や塵を混入してしまい、吐出不良が生じやすくなる。
そこで、ヘッドタンク35内の負圧が所定の負圧制御範囲A内に収まるヘッドタンク35内のインク量Bの範囲内になるように、ヘッドタンク35に対するインク供給を制御するようにしている。なお、以下では、この負圧制御範囲Aの下限値(負圧が小さい値、インク量が多い値)に対応するヘッドタンク35のインク量を変位部材205の変位位置で「充填満タン位置」と表記し、負圧制御範囲Aの上限値(負圧が大きい値、インク量が少ない値)に対応するインク量を変位部材205の変位位置で「インク空位置」(インク残量なしとして設定する位置)と表記する。
次に、ヘッドタンク35内のインク量を充填満タン位置に設定する方法について図9を参照して説明する。なお、以下の図ではヘッドタンク35は図3及び図4と異なり模式的に示している。
まず、図9(a)に示す状態から、大気開放機構207を開いてヘッドタンク35内の負圧を開放することで、図9(b)に示すようにヘッドタンク35内の液面が低下する。なお、このとき、供給口部209の供給口209aは液面下にあることが好ましい。すなわち、供給口209aが液面上になると、供給口209aか供給口部209を介して供給チューブ36に空気が混入し、次にインクを供給したとき、供給口209aからインクと共に気泡が排出されることがあり、そのまま供給を続けると、気泡が大気開放機構207内に付着して、弁の固着や液漏れを生じるおそれがある。
そして、ヘッドタンク35の負圧が開放され、液面が下がった後、図9(c)に示すように、インク300を供給する。インク300を供給することで液面が上昇し、電極ピン208a、208bが所定高さの液面を検知するまで、つまり所定の位置までインク300を供給する。その後、大気開放機構207を閉じて、例えば所定量インクを吸引排出することで、所定の負圧値となり、ヘッドタンク35のインク量を所定の負圧値が得られる充填満タン位置(負圧を考慮した充填満タン位置)にすることができる。
次に、ヘッドタンク35の変位部材205の変位量の検知について図10及び図11を参照して説明する。
まず、図10を参照して、装置本体側に設けられた第2センサ(満タン検知センサ)301のみを使用して変位量を検知する場合について説明すると、図5(a)に示すように、第2センサ301がヘッドタンク35の変位部材205を検知しているときのキャリッジ33の位置(キャリッジ位置:リニアエンコーダ90によって得られる。)を記憶しておき、図10(b)に示すように変位部材205が実線図示の位置から破線図示の位置まで変位した場合に、第2センサ301が変位部材205を検知するまでキャリッジ33を移動することで、記憶したキャリッジ位置との差分(キャリッジ移動量)を変位量として得ることができる。
ここで、ヘッドタンク35のインク量を前述した充填満タン位置に設定する場合、例えば、前述したように、大気開放機構207を開放状態にしてヘッドタンク35内を大気圧にした後、電極ピン208が液面を検知する所定の位置までインク供給して大気開放機構207を閉じる。このとき、キャリッジ33を走査することで、変位部材205を第2センサ301で検知させ、第2センサ301が検知したときのキャリッジ位置を大気開放位置として記憶する。そして、記録ヘッド34からインクを所定量吸引排出してヘッドタンク35から所定量を吸引することで負圧を発生させ、このときの変位部材205の位置を充填満タン位置として設定する。大気開放位置から所定量を吸引するので、充填満タン位置の変位部材205の位置は大気開放位置よりも内側の位置になる。
ただし、この方法では、大気開放位置から所定量吸引したときの吸引量バラツキと、更に吸引量と変位部材205の変位量の相関関係のバラツキから、変位部材205の大気開放位置から充填満タン位置までの変位量には多量のバラツキを生じることがある。
そこで、本発明では、充填満タン位置の設定は、大気開放位置から所定の変位量分だけ変位部材205を変位させることで、負圧を考慮した充填満タン位置を設定し、大気開放位置から充填満タン位置までの変位部材205の変位量のバラツキを一切無くし、変位部材205の変位量にて制御を行う動作に対して高精度の制御を行うことができるようにしている。
ところで、上述した第2センサのみの構成では、ヘッドタンク35に充填満タン位置までインクを充填する動作を行うときには、ヘッドタンク35の変位部材205の変位量を検知する必要があるので、その度に変位部材205を第2センサ301による検知可能位置に合わせてキャリッジ33を移動させる必要がある。
そこで、本発明では、装置本体側の第2センサ301とともに、キャリッジ33にヘッドタンク35の変位部材205を検知する第1センサ251を備えている。
つまり、装置本体1側の第2センサ301が変位部材205を検知する位置を第2位置とし、この第2位置を充填満タン位置とする。また、キャリッジ33側の第1センサ251が変位部材205を検知する位置を第1位置とし、この第1位置は第2位置よりもヘッドタンク35内のインク残量が少ない位置とする。
言い換えれば、ここでは、キャリッジ33には変位部材205が所定の第1位置になったことを検知する第1検知手段(第1センサ)251が設けられ、装置本体1側には、キャリッジ33を所定の検知位置(満タン検知位置)に停止させてメインタンク10からヘッドタンク35に液体を充填するときに変位部材205が所定の第2位置(充填満タン位置)になったことを検知する第2検知手段(第2センサ)301が設けられ、第1位置は第2位置よりもヘッドタンク35の液体残量が少ない位置としている。
次に、変位部材205の第1センサ251で検知される位置と第2センサ301で検知される位置との間の変位量に対応する変位差分量を検出する方法について図11を参照して説明する。
図11(a)に示すように、第2センサ301が変位部材205を検知可能な位置にキャリッジ33を移動させ、図11(b)に示すように、変位部材205が大気開放位置又は充填満タン位置にある状態から送液ポンプ241の逆転動作にて、第1センサ251が変位部材205を検知するまでインク吸引してから逆転動作を停止し、図11(c)に示すように、第1センサ251を変位部材205が検知している状態で、キャリッジ33を第2センサ301が変位部材205を検知するまで移動し、その移動距離をリニアエンコーダ90で測定することで、大気開放位置又は充填満タン検出位置から第1センサ251が変位部材205を検知するまでのフィルム部材203又は変位部材205の変位差分量Cを検知し、変位差分量Cを検出(測定)している。この検出した変位差分量CをNVRAM504などの不揮発性記憶手段に記憶保持する。
このようにして、変位差分量Cを得て記憶しておき、キャリッジ33の走査中にインクが所定量吐出されたことを検出したとき(インク消費量が所定量以上になったとき)に、メインタンク10からヘッドタンク35にインクを供給充填し、第1センサ251でヘッドタンク35の変位部材205を検知した後、更に変位差分量C分に相当するインクを供給することで、ヘッドタンク35内に充填満タン位置までインクを供給することができる。
この場合、第1センサ251による検知は位置検知であるので、インクの吐出量の検知誤差や、送液ポンプ241の送液量の検知誤差など、検知誤差の積み上がりは、第1センサ251が検知した時点でなくなり、検知誤差が積み上がることなく、キャリッジ33を走査中でも、インク吐出及びインク供給を繰返し行うことができるようになる。
これら一連の動作を繰り返すことにより、印刷動作を途中で中断することなく、常にヘッドタンク35に充填満タン位置までインクを供給することができ、印刷速度や印刷効率の向上を図ることができる。
ここで、第1センサ及び第2センサの配置例の異なる例について図12及び図13を参照して説明する。
図12に示す例は、ヘッドタンク35の変位部材205に支軸206(揺動支点)からの長さの異なる検知部205a、205bを設けて、キャリッジ33の第1センサ251で検知部205aを、装置本体側の第2センサ301で検知部205bを検知する構成としている。
図13に示す例は、ヘッドタンク35の変位部材205に支軸206(揺動支点)からの長さが同じ検知部205a、205bを設けて、キャリッジ33の第1センサ251で検知部205aを、装置本体側の第2センサ301で検知部205bを検知する構成としている。
そこで、制御部による上述した動作の制御について図14及び図15のフロー図を参照して説明する。
まず、図14に示す変位差分量検出処理では、第2センサ301で変位部材205(以下、図中では「フィラ」と表記する。)を検知する位置にキャリッジ33を移動する。そして、変位部材205が大気開放位置又は充填満タン位置にある状態から送液ポンプ241の逆転動作にて、第1センサ251が変位部材205を検知するまでインク吸引してから逆転動作を停止する。
次いで、第2センサ301が変位部材205を検知する位置までキャリッジ33の移動を開始し、エンコーダ90によるカウントを開始して、第2センサ301が変位部材205を検知したときにカウントを停止し、カウント値を変位差分量Cとして記憶保持する。
次に、図15を参照して、印字動作中充填処理では、ヘッドタンク35のインク消費量を算出する。このインク消費量の算出は、例えば画像形成のために吐出された滴数や印字動作中の空吐出動作で吐出された滴数をカウントし、そのカウント値に当該滴の滴量を乗じることで計算上得ることができる(ソフトカウントという。)。また、記録ヘッド34からインクを吸引するクリーニング動作を行なったときには、当該吸引による消費量(吸引量)は予め定められているので、当該吸引量を加算すればよい。
そして、充填満タン位置のインク量とインク消費量からヘッドタンク35の計算上のインク残量が所定値になったか否かを判別し、インク残量が所定値になったときには、送液ポンプ241を正転駆動してメインタンク10からヘッドタンク35へのインク充填を行なう。このとき、第1センサ251がヘッドタンク35の変位部材205を検知したか否かを判別し、第1センサ251がヘッドタンク35の変位部材205を検知したときには、そのときから更に変位差分量Cに相当するインクをヘッドタンク35に充填する。これにより、ヘッドタンク35には充填満タン位置までインクが充填される。
その後、送液ポンプ241を停止し、インク消費量の計算値をリセットする。
このようにして、印字動作中でも、キャリッジ33をホーム位置に戻すことなく、充填満タン位置までヘッドタンク35にインクを充填することができる。
このように、ヘッドタンクは液体残量に応じて変位する変位部材を有し、キャリッジには変位部材が所定の第1位置になったことを検知する第1検知手段が設けられ、装置本体側には、変位部材が所定の第2位置になったことを検知する第2検知手段が設けられ、第1位置は第2位置よりもヘッドタンクの液体残量が少ない位置であり、第1検知手段で検知される位置と第2検知手段で検知される位置との間の変位部材の変位量に対応する変位差分量を検出して保持し、第2検知手段を使用しないでメインタンクからヘッドタンクに液体を供給するとき、第1検知手段が変位部材を検知した後変位差分量相当の液体をヘッドタンクに供給する制御を行なう手段を備えている構成とすることで、キャリッジの移動中でもヘッドタンクにメインタンクから適切な量の液体を供給することができ、印刷速度の向上を図れる。
ここで、キャリッジ33側の第1センサ251のみで検知を行わないで装置本体側にも第2センサ301を設ける理由について説明しておく。
まず、ヘッドタンク35が満タンになる位置は環境によって変化し、その変化量はキャリッジ33に搭載した第1センサ251では一点の位置しか検知できないために把握することができない。そこで、装置本体側に第2センサ301を設けることで、環境によって変化する大気開放位置や満タン検知位置にキャリッジ33を移動することで検出することができるようになる。
つまり、キャリッジ33上の固定された検知点とキャリッジ33を移動することで検知位置を移動可能な検知点の2点間をポンプ駆動時間や駆動回転数、またはキャリッジ移動によるエンコーダカウントにより2点間距離を検出することができ、環境に応じた供給量制御を行なうことができるようになる。
また、キャリッジ33上のみで全ての変位を確認できるセンサやエンコーダを搭載することは、検出手段のコストが高くなり、更にキャリッジサイズが大きくなることで装置が大型化するという問題を生じることになる。
また、送液ポンプの送液量(供給量や吸引量)は環境や経年度合い、各ポンプの部品ばらつきなどによってバラツキが生じる。そのため、環境によって変化する装置本体側の第2センサ301による検知位置までのポンプ供給量をセンサによる位置検知にて確認する必要がある。これを、装置本体側に第2センサ301を設けないで、送液ポンプの駆動量だけで制御すると、供給過多や不足による障害が発生することになるので、装置本体側にも第2センサ301を設けて制御の安全性を確保している。
次に、環境湿度と変位部材の変位量の関係の関係について図16ないし図18を参照して説明する。なお、図16は湿度と変位部材の変位量の関係の説明に供するヘッドタンクの模式的平断面説明図、図17は湿度と変位部材の変位量の関係の一例を示す説明図、図18は湿度と変位部材の変位量の関係の説明に供する説明図である。
画像形成装置の周囲環境によってサブタンク35のフィルム部材203は変位する。環境条件の変化、例えば湿度の変化によりフィルム部材203は伸縮するので、図16に示すように、低湿度10%RHの時の充填満タン位置である変位部材205の位置をDとした場合、そのまま湿度を高湿度80%RHまで上昇させると、フィルム部材203が伸びることで、変位部材205も同様に位置Eに変位する。
つまり、周囲環境の変化によって、図18に示す変位部材205の大気開放位置Fや充填満タン位置Gが変化することとなる。
そこで、第1センサ251は、フィルム部材203が所定の環境下で最も収縮するときの所定の検知位置に設置する。例えば、第1センサ251を最低湿環境時でも変位部材205を充填満タン位置Dにて検知可能な位置に設置する。
このようにすることで、最低湿環境時に充填満タン位置Dに設定するとき、インク供給により変位する変位部材205が充填満タン位置Dまで変位したとき、第1センサ251にて変位部材205を検知するとともに、第2センサ301も変位部材205を検知し(変位差分量C=0となる。)、高湿環境時に充填満タン位置Eに設定するとき、第1センサ251が必ず先に変位部材205を検知し、その後、第2センサ301が変位部材205を検知するようになる。
このとき、第1センサ251による検知から第2センサ301による検知までの変位差分量C(max)を記憶することで、印字動作中でも第1センサ251の検知位置H(図18)から変位差分量C分をインク供給することで、各環境に適した充填満タン位置を設定することが可能となる。
次に、本発明の第1実施形態における環境条件変化に応じた変位差分量の補正又は変位差分量の再検出及び記憶保持(以下、これらを「変位差分量の補正等」という。)動作について図19を参照して説明する。
上述したように変位差分量Cを検出して記憶した時点から環境条件が変化したとき、再度変位差分量Cを検出して記憶する動作を行なう必要がある。また、印字中などで環境条件が変化した場合に変位差分量Cの再検出及び記憶保持動作を行なうと、印字動作を一時中断することとなり、印字効率の低下、画像品質の低下などの問題が発生するおそれがある。
そこで、装置の置かれた環境条件(周囲環境)を検出する環境センサ520を備え、環境条件が変化したときに、印字動作を中断することなく、環境変化に対応するようにしている。
すなわち、図19に示すように変位差分量Cを検出したときの環境湿度を検知して記憶保持し、その後、検出した現在の環境湿度と記憶保持している湿度との差が、所定の第1環境変化量である第1湿度変化量以上で、所定の第2環境変化量である第2湿度変化量以下であるときには、その湿度変化量に応じた予め定めた補正係数にて、記憶している変位差分量Cを補正し、補正後の変位差分量Cを補正変位差分量C1として記憶保持する。このときの補正変位差分量C1は、C1=変位差分量C+温度変化量×補正係数、で算出できる。なお、補正係数は予め定めた値である。そして、その後のインク供給制御は補正変位差分量C1にて行う。
ここで、前述したように、変位差分量Cを検出するときの一方である充填満タン位置の設定は、大気開放位置から所定の変位量に変位部材205を変位させることで、負圧を考慮した充填満タン位置を設定し、大気開放位置から充填満タン位置までの変位部材205の変位量のバラツキを一切無くすることで、変位部材205の変位量にて制御を行う動作に対して高精度の制御を行うことを可能とし、更に変位差分量Cへの環境変化に対する補正は変位部材205の変位量に対する補正であることから、補正に対するバラツキも最小限に抑えることができる。
また、第1湿度変化量よりも湿度変化が大きい所定の第2湿度変化量を越えたときには、再度、変位差分量Cを検出して記憶する動作を行なう。
これは、所定以上の湿度変化量に対する補正では、補正バラツキが大きく、その環境湿度に対しての適正な変位差分量Cとの乖離が大きくなり、インク充填満タン位置でのヘッドタンク35内の負圧が適正ではなくなることで、インク垂れの原因や、ヘッドタンク35の破損の原因となるおそれ回避するためで、補正制御を行わず再度変位差分量Cの検出にて、その時点での環境に合った適正なインク供給制御を可能としている。
また、環境湿度に代えて環境温度を検出して同様な補正及び制御を行うこともできる。
このように、装置の置かれた環境条件を検出する環境条件検出手段を有し、制御手段は、変位差分量を保持したときの環境条件を記憶し、記憶した環境条件に対する現在の環境条件の変化量が予め定めた第1環境変化量以上で、第1環境変化量より大きな予め定めた第2環境変化量以下であるときには、記憶した変位差分量を補正し、記憶した環境条件に対する現在の環境条件の変化量が第2環境変化量を越えたときには、変位差分量を検出して保持する動作の制御を行う構成とすることで、環境条件の変化に対しても印字効率を損なうことなく、高い精度で液体供給を行うことができる。
次に、本発明の第2実施形態における環境条件変化に応じた変位差分量の補正等動作について図20を参照して説明する。
ここでは、変位差分量Cを検出したときの環境温度を検知して記憶保持し、その後、検出した現在の環境温度と記憶保持している湿度との差が、所定の第1環境変化量である第1温度変化量以上で、所定の第2環境変化量である第2温度変化量以下であるときには、その温度変化量に応じた予め定めた補正係数にて、記憶している変位差分量Cを補正し、補正後の変位差分量Cを補正変位差分量C1として記憶保持する。そして、その後のインク供給制御は補正変位差分量C1にて行う。
このとき、環境温度を例えば低温、常温、高温など所定の温度領域に分けて、各温度領域ごとに、ヘッドタンク35内の負圧を適正に保つために必要な補正係数を定めおき、現在の環境温度が属する領域の補正係数を用いて変位差分量Cを補正する。
これにより、環境条件に応じたより適切な補正を行うことができる。なお、環境湿度についても同様な補正を行うことができる。
次に、本発明の第3実施形態における環境条件変化に応じた変位差分量の補正等動作について図21を参照して説明する。
ここでは、現在の環境湿度が変位差分量Cを検出したときの環境湿度よりも上昇方向で変化しているときと、下降方向で変位しているときとで、現在の環境湿度に適するように変位差分量Cを補正、算出するための補正係数を異ならせた例である。
つまり、環境湿度変化において、フィルム部材203の形状や特性により、同じ環境湿度変化量でも、高湿から下降して変化するときと、低湿から上昇して変化するときとでは、フィルム部材203の変形量、及び変位部材205の変位量が異なるような、環境変化に対して、適正な補正変位差分量にヒステリシスを有する場合、環境湿度が上昇方向で変位したときの補正係数と下降方向で変位したときの補正係数が異なるように設定する。
この例では、湿度上昇時の補正係数を、湿度下降時の補正係数以下にしている。また、実際の補正量は、変位部材の変位量[mm]で行なっている。例えば、湿度上昇時の補正量は0mm/RH10%とし、湿度下降時の補正量は0.24mm/RH10%としている。これにより、図21に示すように、変位差分量Cの検出時湿度に対して同じ湿度変化量であっても、湿度上昇時には補正変化差分量C2となり、湿度下降時には補正変化差分量C3となる補正量が異なる。なお、評価試験によると、湿度上昇時の補正量≦湿度下降時の補正量の関係とすることが好ましい。
次に、補正等動作(処理)を行うタイミングの異なる例について説明する。
まず、環境条件の変化の検出を常時行うと、常に監視のための無駄な消費電力が必要になったり、あらゆる制御動作内に環境条件変化の検出動作を組み込む必要があり、複雑な制御が必要になる。
そこで、第1例では、環境変化量の検出、変位差分量Cの補正記憶は、環境条件に適応するヘッドタンク35内の負圧に適した充填満タン位置が液体供給動作の時に検出できていればよいので、液体供給動作を行う前のみに行うようにする。これにより、制御を簡単にすることができる。
また、充填満タン位置の設定位置が微少な負圧であり、環境変位量に応じた変位差分量への補正量のバラツキを考慮した場合、補正差分量分のインク充填を行ったときにヘッドタンク35内が所定の負圧値以上、または正圧になり、ヘッド34のノズルからインク漏れが発生する可能性がある。
そこで、第2例では、環境変化量に応じた変位差分量Cへの補正は、変位差分量Cよりも補正変位差分量C1の液体供給をしたとき、ヘッドタンク35内の負圧が強くになる方向に補正されるような環境条件の検出結果であるときにのみ行うようにする。このようにすることで、ヘッドタンク35内の負圧が大気圧以上の圧力や、所定の負圧上限値以上になることを防止できる。
また、急速な環境条件変化の場合、環境条件の変化を検出したとしても、フィルム部材203に対する影響が十分ではなく、変化量もほとんど無く、変わらない場合がある。また、フィルム部材203が環境条件の変化の影響を十分に受けるまでの時間は、フィルム部材203の形状や特性により異なる。
そこで、第3例では、環境条件の変化を検出したとき、その時点の環境条件の検出結果、または環境条件の変化量が、所定の時間以上、所定の範囲内で一定に保たれたときにのみ、環境条件の変化量に応じた変位差分量Cの補正等を行うようにすることもできる。
また、フィルム部材203が、液体供給するときにかかるストレスや、経時によりその特性や形状が変化することで、それまでの補正制御閾値である第1環境変化量、第2環境変化量や補正係数にて算出した補正変位差分量では所定の負圧範囲から外れてしまうことがある。
そこで、第4例では、ヘッドタンク35に対する液体供給回数を検出する手段を備え、ヘッドタンク35への液体供給回数が所定回数検知したとき、それ以前に変位差分量を補正する閾値である第1環境変化量、第2環境変化量や補正係数の少なくともいずれかの値を所定の値へ変更する形態とすることもできる。
このように、所定の液体供給回数を検知したときの前と後で第1環境変化量、第2環境変化量や補正係数を変更することにより、長期間安定して環境条件の変化に対応する負圧制御の管理を行うことができる。
次に、制御部による上述した環境条件の変化に対する変位差分量補正等を含む制御の一例について図22ないし図24のフロー図を参照して説明する。
まず、図22に示す変位差分量検出処理では、前述した図14で説明したと同様の処理をして変位差分量Cを記憶保持した後、環境センサ520によって環境湿度を検出して記憶保持する。
また、図23に示す差分量補正処理では、現在の湿度を検出し、記憶している湿度に対する変化量を算出し、算出した湿度変化量が第1環境湿度変化量以上か否かを判別し、第1環境湿度変化量であれば、算出した湿度変化量が第2環境湿度変化量以下か否かを判別する。
そして、算出した湿度変化量が第2環境湿度変化量以下であるときには、変位差分量C補正して補正変位差分量を算出して記憶保持する。これに対し、算出した湿度変化量が第2環境湿度変化量を越えているときには、変位差分量Cを検出して記憶保持する図22の処理に移行する。
次に、図24に示す印字中充填処理では、所定量以上のインクが消費されてインクカートリッジ10からヘッドタンク35に対するインク供給が必要になったときに、前述した図23で説明した差分量補正処理を行い、変位差分量C或いは算出した変位差分量C1相当分の充填を継続した後送液ポンプ241を停止する。なお、差分量補正処理で第2環境湿度変化量以上であれば、前述した変位差分量Cを検出して記憶保持する図22の処理に移行する。
なお、環境条件の変化に対する変位差分量の補正等の制御は前記第1ないし第3実施形態のいずれでもよく、また、変位差分量の補正等の制御は前述したように、第1ないし第4例のいずれでもよい。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は所定の条件が発生したときに変位部材の位置を再学習するものである。
まず、本実施形態で使用するヘッドタンク内負圧とヘッドタンクからの排インク量の関係について図25を参照して説明する。
前述した図8で説明したと同様に、ヘッドタンク35内の負圧はヘッドタンク35内のインク量と相関関係にあり、ヘッドタンク35内のインク量が多いとき(排インク量が少ないとき)、ヘッドタンク35内の負圧は小さく弱い状態であり、インク量が少ないとき(排インク量が多いとき)、ヘッドタンク5内の負圧は大きく強くなる。
そこで、ヘッドタンク35内からの排出されるインク量を、ヘッドタンク35内の負圧が所定の負圧管理範囲(負圧制御範囲、負圧範囲ともいう。)A内に収まる排インク量Bの範囲内になるように、ヘッドタンク35に対するインク供給を制御する。
この負圧管理範囲Aの下限値(負圧が小さい値、排インク量が少ない値)に対応するヘッドタンク35の排インク量を変位部材205の変位位置で「インク供給上限位置」(インク量で「インク供給上限値」)とし、上限値(負圧が大きい値、排インク量が多い値)に対応するヘッドタンク5の排インク量を変位部材205の変位位置で「インク消費下限位置」(インク量で「インク消費下限値」)とする。
次に、同じくヘッドタンク内液体変位量(変化量)と変位部材の変位量の関係について図26を参照して説明する。
ヘッドタンク35内の液体量が変化すると、変位部材205が変位することになる。ここで、ヘッドタンク35の特性上変位部材205の変位量(変位距離)は一定ではないので、最小限の変位距離Rminと最大限の変位距離Rmaxとは事前に設定しておく。
なお、このようにヘッドタンク35内の液体量、言い換えればヘッドタンク35からの排インク量に応じて変位部材205が変位するので、前記図25の排インク量は「フィラ変位距離」と置き換えることもできる。
次に、同じくヘッドタンク内排インク量と変位部材の各位置との関係について図27を参照して説明する。
大気開放満タン位置(G1):ヘッドタンク35を大気開放するとヘッドタンク35はフィルム部材203が外方に膨らむ方向へ変位する。そこで、大気開放しながらインク充填して、電極ピン208で満タンになった状態の変位部材205の位置(フィラ位置)を大気開放充填満タン位置「G1」として、後述するように、必要なタイミングにて学習するようにしている。必要なタイミングとは、例えば「主走査ジャム(JAM)発生後」「長期時間経過後」、「カートリッジエンド後」、「湿度大幅変動後」とする。
ヘッドタンク内排インク量[cc]:ヘッドタンク35を満タン充填後に大気と遮断した状態からの排出インク量を「圧力換算できるヘッドタンク内排インク量」とする。大気開放すると、圧力としてのヘッドタンク内排インク量は0[cc]相当となり、変位部材205も大気開放充填満タン位置相当に変位する。
通常充填満タン位置と所定距離a[mm]:大気開放充填満タン位置から、所定距離a[mm]分離れた位置を、通常充填満タン位置とする。所定距離a[mm]は、例えば、予め定められた値を用いる(あるいは、目標とする負圧分量をヘッド吸引して、それの変位部材205の変動分の学習値として見ることも可能である。
所定距離a[mm]は、以下のバラツキ等を考慮しても、ヘッドタンク35内負圧が所定の負圧管理範囲(圧力範囲)A内に収まる値に設定することが好ましい。
バラツキとしては、湿度変動による変位部材205の変位量、温度変動によるヘッドタンク内圧力変動、外気圧変動による変位部材205の変位誤差、第1センサ251の検知誤差、変位部材205の振動(バタツキ)、送液ポンプ241を停止した後の惰性送液、送液ポンプ241の送液遅延時間、本体側第2センサ301の検知誤差、インク消費量のソフトカウント値のバラツキによるヘッドタンク内排インク量誤差、などを挙げることができる。
第1センサ251の検知位置(第1センサ位置(G2)と差分量L[mm]:第1センサ251が変位部材205を検知した瞬間の状態で、本体側第2センサ301で見たときの位置を第1センサ位置「G2」として学習する。また、「G1とG2の差分」を「L[mm]値]として記憶保持する。
排インク量の最大(Max)量E[cc]:排インク量の最大(Max)量Eは、前記図25の圧力範囲Aの下限値」あるいは、「圧力範囲Aの下限値よりも少しマージンを持った値」、すなわち、大気開放充填満タン位置のインク量からインク消費下限値までの排出インク量とする。
液体消費量(閾値)W[cc]とMax量E[cc]:印字動作中にヘッドタンク35内のインク量の減少に伴って変位部材205がヘッドタンク35内のインク量が少なくなる方向に変位するとき、第1センサ251が変位部材205を検知したときからの消費インク量をソフトカウントで算出して計測し、消費インク量が液体消費量(閾値)W「cc」に到達した時点で、印字中充填を開始する。この閾値W「cc」は、前述したL値を記憶したときに算出される値であり、例えば、次の(1)式で算出する。
Figure 2013010343
なお、(1)式中、△2:上記バラツキから算出した固定値である。
このように、(1)式はバラツキ要因を考慮しているので、閾値W「cc」までインクが消費された時点におけるヘッドタンク内圧力は、図25の圧力範囲Aに収まるような値に設定される。また、(1)式の一部を取り出すと、「E=L+W」の形になるので、なるべくE値に状態(かつ、図25の圧力範囲Aの下限値(インク消費下限値)に近い状態)で、インク供給を開始することができる。
駆動時間(差分供給時間)t[sec]:印字中の供給開始後、供給中に第1センサ251が変位部材205を検知した時から、駆動時間t[sec]間供給する。駆動時間t[sec]は、L値を記憶した時に算出される差分量に対応する送液ポンプ241の供給時間であり、例えば、次の(2)式で算出する。
Figure 2013010343
なお、(2)式中、△1:上記バラツキから算出した値(固定値)、Qmax:送液速度最大実力値(固定値)である。
このように、(2)式はバラツキ要因を考慮しているので、駆動時間t[sec]の供給を行った後におけるヘッドタンク内内圧力は、図25の圧力範囲Aに収まるような値に設定される。また、(2)式の一部を取り出すと、「L−a」の形になるので、なるべく通常充填満タン位置(インク供給上限値)に近い充填量で印字中の充填を終了できる。
次に、本実施形態における印字命令後の画像形成動作について図28のフロー図を参照して説明する。
印字命令を受領すると、維持回復機構81のキャップ82を記録ヘッド34のノズル面から離間(キャップオープン)し、画像形成を開始し、画像形成が終了したか否かを判別する。
ここで、画像形成が終了していなければ、キャリッジ33の主走査動作中にジャム(主走査ジャム)が発生したかを判別する。このとき、ジャムが発生していれば、画像形成を中断し、ジャム発生後フラグを立てる。
また、ジャム発生でなければ、第1センサ251が変位部材205を検知(第1センサフィラ検知)したか否かを判別する。そして、第1センサフィラ検知であれば、フィラ検知後のインク消費量のソフトカウント値が閾値Wを越えたか否かを判別する。そして、フィラ検知後のインク消費量が閾値Wを越えたときには印字中充填を実施する。これにより、画像形成を継続しながらヘッドタンク35への充填を行う。
これに対し、画像形成が終了したときには、通常充填(第2センサ301を使用した充填)を行う。
その後、記録ヘッド34のノズル面をキャップ82でキャッピング(キャップクローズ)する。
次に、本実施形態における印字中充填処理について図29のフロー図を参照して説明する。
まず、送液ポンプ241の正転駆動を開始してヘッドタンク35にインクを送液する。その後、第1センサ251が変位部材205を検知したか否かを判別する。
そして、第1センサ251が変位部材205を検知したときには、タイマ1のカウントを開始する。そして、タイマ1のカウント値が駆動時間t[sec]を越えたか否かを判別する。
ここで、タイマ1のカウント値が駆動時間t[sec]を越えたときに、送液ポンプ241の駆動を停止し、タイマ1のカウントを終了する。このときの変位部材205の位置は通常充填満タン位置に近い状態となる。
次に、本実施形態における通常充填処理について図30のフロー図を参照して説明する。
まず、キャリッジ33を「G1(大気開放充填満タン位置)−a(所定距離)」の位置まで移動し、送液ポンプ241でヘッドタンク35にインクを送液する。
そして、第2センサ301が変位部材205を検知したところで送液ポンプ241を停止する。これにより、変位部材205は通常充填満タン位置になる。
また、上述した印字中充填処理及び通常充填処理では、メインタンク10のエンドを判定するため、図31に示すように、送液ポンプ241の駆動を開始してから所定時間以上経過しても第1センサ251又は第2センサ301が変位部材205を検知しないときには、メインタンク10が空(インクエンド)と判断して、カートリッジエンドフラグを立て、画像形成を中断して、カートリッジ交換待ち状態へ移行する。
ところで、上述したように、印字中にヘッドタンク35の変位部材205とキャリッジが第1センサ251を使用して充填制御を行う場合、変位部材205の変位量とヘッドタンク内負圧との関係がずれると、負圧制御が不安定になる。
例えば、前述したように、環境温度や湿度の環境変化により、ヘッドタンク35のフィルム部材203が膨張・収縮し変形することで、ヘッドタンク内負圧と変位部材205の変位量の関係が変化する。また、印字中に主走査JAM(キャリッジが用紙と干渉して発生するジャム)が発生し、ヘッドタンク35の変位部材205にダメージが及んで変位部材205の変位量が変化し、ヘッドタンク内負圧と変位部材205の変位量の関係が変化する。
また、経過時間による変位部材205やフィルム部材203の劣化、外部振動の積み重ね等の要因より、ヘッドタンク内負圧と変位部材205の変位量の関係が変化する。また、インクカートリッジ空状態(メインタンクエンド状態)でヘッドタンク35への送液を行うときに、ヘッドタンク35内は大量のインク消費した状態となることがあり、ヘッドタンク内負圧と変位部材205の変位量の関係が変化する。
このようにヘッドタンク内負圧と変位部材205の変位量の関係が変化すると、変位部材205を使用して印字中充填動作を行っても適切なインク供給を行うことができず、ヘッドタンク35内の負圧制御が不安定になる(負圧管理範囲A内での負圧管理ができなくなる)ことがある。
そこで、本実施形態では、このようなヘッドタンク内負圧制御が不安定になる条件が発生したときには、変位部材の位置を再学習(フィラ位置再学習)する、つまり、印字中充填制御を行うために必要なインク消費量の閾値Wや差分変位量に相当する送液ポンプ241の駆動時間tを再度設定して記憶する制御を行うようにしている。
まず、フィラ位置再学習の全体的な流れについて図32のフロー図を参照して説明する。
電源がオン状態にされたとき、前述したJAM発生フラグをチェックして、ジャム発生後の電源ONか否かを判別する。このとき、ジャム発生後の電源ONであれば、後述する学習1動作を実施してフィラ位置(変位部材205の位置)を再学習して駆動時間t[sec]を再設定した後、JAM発生フラグをリセットする。
また、ジャム発生後の電源ONでなければ、前述したカートリッジエンドフラグをチェックして、カートリッジエンド後の電源ONか否かを判別する。このとき、カートリッジエンド後の電源ONであれば、後述する学習2動作を実施してフィラ位置(変位部材205の位置)を再学習して駆動時間t[sec]を再設定した後、カートリッジエンドフラグをリセットする。
また、カートリッジエンド後の電源ONでなければ、学習1動作を実施してからの経過時間が所定時間以上になっているか否かを判別する。このとき、学習1動作を実施してからの経過時間が所定時間以上であれば、後述する学習2動作を実施してフィラ位置(変位部材205の位置)を再学習して駆動時間t[sec]を再設定する。なお、図中ではこのときもカートリッジエンドフラグのリセットを行うことになっているが、この場合は省略することができる。
また、学習1動作を実施してからの経過時間が所定時間以上になっていなければ、現在湿度が前回の学習1動作又は学習2動作を実施したときの湿度(前回学習時湿度)に対して所定値以上ずれているか否かを判別する。このとき、現在湿度が前回学習時湿度に対して所定値以上ずれていれば、後述する学習2動作を実施してフィラ位置(変位部材205の位置)を再学習して駆動時間t[sec]を再設定する。なお、図中ではこのときもカートリッジエンドフラグのリセットを行うことになっているが、この場合は省略することができる。
次に、学習1動作について図33のフロー図を参照して説明する。
まず、ヘッドタンク35を大気開放状態にし、電極ピン208で満タンになるまでヘッドタンク35にインクを充填した後、ヘッドタンク35を大気と遮断する。
そして、キャリッジ33を移動して、第2センサ301が変位部材205を検知した時のキャリッジ位置をフィラ位置として読み取り、大気開放充填満タン位置G1を記憶する。
その後、送液ポンプ241を逆転駆動してヘッドタンク35からメインタンク10にインクを逆送し、第1センサ251が変位部材205を検知したか否かを判別し、第1センサ251が変位部材205を検知したときには送液ポンプ241を停止する。
そして、キャリッジ33を移動して、第2センサ301が変位部材205を検知した時のキャリッジ位置をフィラ位置として読み取り、第1センサ位置G2として記憶する。
その後、これらの大気開放充填満タン位置G1と第1センサ位置G2との差分量L(L値)[mm]を記憶する。
そして、L値を元に閾値W[cc]と算出し、L値を元に駆動時間t[sec]を算出して、それぞれ記憶保持する。
次に、学習2動作について図34フロー図を参照して説明する。
まず、ヘッドタンク35を大気開放状態にし、電極ピン208で満タンになるまでヘッドタンク35にインクを充填した後、ヘッドタンク35を大気と遮断する。
そして、キャリッジ33を移動して、第2センサ301が変位部材205を検知した時のキャリッジ位置をフィラ位置として読み取り、大気開放充填満タン位置G1を記憶する。
その後、送液ポンプ241を逆転駆動してヘッドタンク35からメインタンク10にインクを逆送し、第1センサ251が変位部材205を検知したか否かを判別し、第1センサ251が変位部材205を検知したときには送液ポンプ241を停止する。
そして、前回記憶している大気開放充填満タン位置G1と今回記憶した大気開放充填満タン位置G1との差分を算出して、算出した差分によって、前回記憶している差分量L(L値)[mm]を補正して記憶する。
そして、L値を元に閾値W[cc]と算出し、L値を元に駆動時間t[sec]を算出して、それぞれ記憶保持する。
つまり、学習2動作では、学習1動作で第1センサ251が変位部材205を検知した後のキャリッジ33の移動を行うことなく、L値を算出(補正)して記憶しているで点で学習1動作と異なっている。これにより、学習2動作では、学習1動作よりも再学習に要する時間を短縮することができる。
このように、本実施形態において、上記の再学習発生条件である「JAM発生後」、「カートリッジエンド後」、「所定時間以上経過」、「湿度変化」に応じて「学習1動作」と「学習2動作」とを使い分けている理由は、次のとおである。
(1)JAM発生後(ジャム解除後)
JAM発生時、変位部材205に用紙等の障害物が当たり、フィラ位置(大気開放充填満タン位置G1を含む)がずれていることが想定される。また、キャリッジ33上の第1センサ251に障害物があたり、第1センサ位置G2もずれていることが想定される。そこで、これらの大気開放充填満タン位置G1、第1センサ位置G2のいずれも再学習を行うために学習動作1を実施している。
(2)カートリッジエンド後
印字中充填を行っているときに、空のメインタンク10からインク供給を行っても、実際にはインク供給されないため、ヘッドタンク35内は印字等によるインク消費によって過負圧状態になる可能性がある。ヘッドタンク35が過負圧状態のまま、大気と遮断した状態で新たなメインタンク10からインク供給を行っても、メインタンク10のエンド前後で変位部材205のフィラ特性(変位特性)が変化し、大気開放充填満タン位置G1がずれていることが想定される。これに対し、第1センサ位置G2は固定位置であり、影響を受けていないので、変化していないと想定される。そこで、大気開放充填満タン位置G1の再学習で足りるので学習動作2を実施している。
(3)所定時間以上経過後
経過時間による変位部材205やフィルム部材203の劣化や外部振動の積み重ね等で、変位部材205の変位特性が変化し、大気開放充填満タン位置G1がずれていることが想定される。これに対し、第1センサ位置G2は固定位置であり、影響を受けていないので、変化していないと想定される。そこで、大気開放充填満タン位置G1の再学習で足りるので学習動作2を実施している。
(4)湿度変化
環境湿度が変化することで、フィルム部材203が膨張、伸縮し、変位部材205の変位特性が変化し、大気開放充填満タン位置G1がずれていることが想定される。これに対し、第1センサ位置G2は固定位置であり、影響を受けていないので、変化していないと想定される。そこで、大気開放充填満タン位置G1の再学習で足りるので学習動作2を実施している。
以上のように、変位部材205の変位量の変化が生じる可能性があるときには、再学習を行うことで、ヘッドタンク内負圧を安定して制御することができるによる。
なお、本実施形態では、再学習必要条件に応じて前記のとおり学習1動作と学習2動作とを分けているが、再学習必要条件が発生したときには、いずれも同じ再学習動作(例えば、学習1動作又は学習2動作のいずれか)を行う構成とすることもできる。
以上のヘッドタンクに対するインク供給動作に関する制御(処理)は、ROM502に格納されているプログラムによってコンピュータに実行させる。このプログラムは、情報処理装置(ホスト600)側にダウンロードして画像形成装置にインストールすることができる。また、本発明に係る画像形成装置と情報処理装置又は画像形成装置と本発明に係る処理を行うプログラムを有する情報処理装置とを組み合わせて画像形成システムとして構成することもできる。
なお、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
また、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。
10 インクカートリッジ(メインタンク)
33 キャリッジ
34、34a、34b 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
35 ヘッドタンク
81 維持回復機構
201 タンクケース
203 フィルム部材
205 変位部材(フィラ)
251 第1センサ(第1検知手段)
301…第2センサ(第2検知手段)
500…制御部

Claims (11)

  1. 液滴を吐出する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに供給する液体を収容するヘッドタンクと、
    前記記録ヘッド及び前記ヘッドタンクを搭載したキャリッジと、
    前記ヘッドタンクに供給する液体を収容するメインタンクと、
    前記メインタンクから前記ヘッドタンクへの液体供給を行なう送液手段と、を備え、
    前記ヘッドタンクは液体残量に応じて変位する変位部材を有し、
    前記キャリッジには前記変位部材が所定の第1位置になったことを検知する第1検知手段が設けられ、
    装置本体側には、前記変位部材が所定の第2位置になったことを検知する第2検知手段が設けられ、
    前記第1位置は前記第2位置よりも前記ヘッドタンクの液体残量が少ない位置であり、
    前記第1検知手段で検知される位置と前記第2検知手段で検知される位置との間の前記変位部材の変位量に対応する変位差分量を検出して保持し、
    前記第2検知手段を使用しないで前記メインタンクから前記ヘッドタンクに液体を供給するとき、前記第1検知手段が前記変位部材を検知した後、前記変位差分量に相当する液体を前記ヘッドタンクに供給する制御を行なう制御手段を備え、
    更に、装置の置かれた環境条件を検出する環境条件検出手段を有し、
    前記制御手段は、
    前記変位差分量を保持したときの環境条件を記憶し、
    前記記憶した前記環境条件に対する現在の環境条件の変化量が予め定めた第1環境変化量以上で、前記第1環境変化量より大きな予め定めた第2環境変化量以下であるときには、前記記憶した変位差分量を補正し、
    前記記憶した前記環境条件に対する現在の環境条件の変化量が前記第2環境変化量を越えたときには、前記変位差分量を検出して保持する動作の制御を行う
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記変位差分量の補正は、現在の環境条件に応じて行うことを特徴とする請求項1に記載に画像形成装置。
  3. 前記変位差分量の補正は、前記記憶した環境条件に対して現在の環境条件が高いときと低いときとで異なる補正係数で補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記変位差分量の補正は、前記メインタンクから前記ヘッドタンクへの前記変位差分量の液体供給動作を行う前にのみ行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記変位差分量の補正は、前記メインタンクから前記ヘッドタンクへの前記変位差分量の液体供給動作中であって、かつ、前記記憶した変位差分量よりも補正後の変位差分量の供給を行ったときに前記ヘッドタンク内の負圧が高くなる環境条件であるときにのみ行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記変位差分量の補正は、前記環境条件の変化が所定時間以上継続し、かつ、前記環境条件の変化が所定の範囲内で継続したときに行うことを特徴とする請求項1ないし5に記載の画像形成装置。
  7. 前記ヘッドタンクへの液体供給回数を検出する手段と、
    前記液体供給回数が所定回数以上になったときには、前記第1環境変化量、前記第2環境変化量及び前記変位差分量を補正する補正係数の少なくともいずれかを変更する手段と、を有している
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 液滴を吐出する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに供給する液体を収容するヘッドタンクと、
    前記記録ヘッド及び前記ヘッドタンクを搭載したキャリッジと、
    前記ヘッドタンクに供給する液体を収容するメインタンクと、
    前記メインタンクから前記ヘッドタンクへの液体供給を行なう送液手段と、
    前記送液手段を駆動して前記メインタンクから前記ヘッドタンクへの液体供給を制御する供給制御手段と、を備え、
    前記ヘッドタンクは液体残量に応じて変位する変位部材を有し、
    前記キャリッジには前記変位部材が所定の第1位置になったことを検知する第1検知手段が設けられ、
    装置本体側には、前記変位部材が所定の第2位置になったことを検知する第2検知手段が設けられ、
    前記第1位置は前記第2位置よりも前記ヘッドタンクの液体残量が少ない位置であり、
    前記供給制御手段は、
    前記第1検知手段で検知される位置と前記第2検知手段で検知される位置との間の前記変位部材の変位量に対応する変位差分量を検出して保持し、
    前記第2検知手段を使用しないで前記メインタンクから前記ヘッドタンクに液体を供給するとき、前記第1検知手段が前記変位部材を検知した後、前記変位差分量に相当する液体を前記ヘッドタンクに供給する制御を行い、
    更に、前記供給制御手段は、
    ジャムが発生した後装置の電源がオン状態になったとき、前記変位差分量を検出して保持した後の経過時間が所定時間になったとき、前記メインタンクが交換されたとき、現在の環境湿度が前記変位差分量を検出して保持したときの環境湿度に対して予め定めた所定値以上ずれたとき、の少なくともいずれかで、再度、前記変位差分量を検出して保持する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記ジャムが発生した後装置の電源がオン状態になったときには、前記ヘッドタンクを大気開放状態にして前記液体を満タンに充填したときの前記変位部材の大気開放充填満タン位置と、前記満タン状態の前記ヘッドタンクから前記液体を排出させて前記第1検知手段が前記変位部材を検知した位置とを、それぞれ検出して、前記差分変位量を検出することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記変位差分量を検出して保持した後の経過時間が所定時間になったとき、前記メインタクが交換されたとき、現在の環境湿度が前記変位差分量を検出して保持したときの環境湿度に対して予め定めた所定値以上ずれたときには、前記ヘッドタンクを大気開放状態にして前記液体を満タンに充填したときの前記変位部材の大気開放充填満タン位置を検出し、記憶保持している大気開放満タン充填位置との差分で前記差分変位量を補正することを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
  11. 前記変位差分量は、差分変位量自体、前記差分変位量に相当する送液量、前記差分変位量に相当する前記送液手段の駆動時間のいずれかで記憶保持することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置。
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