JP2013004535A - 光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストを抑えながら、光電変換素子の光吸収率を高め、光電変換効率を向上させる。
【解決手段】光電変換素子10は、反射防止層20、光電変換層30、透明薄膜層40、光反射層50、および誘電体層60を含む。反射防止層20は、光電変換層30の受光面側に設けられている。透明薄膜層40は、光電変換層30の裏面側に設けられている。光反射層50は、透明薄膜層40に積層されており、一方の主表面から他方の主表面に貫通する貫通部54が設けられた金属膜52を含む。誘電体層60は、光反射層50を被覆するように積層されている。
【選択図】図1
【解決手段】光電変換素子10は、反射防止層20、光電変換層30、透明薄膜層40、光反射層50、および誘電体層60を含む。反射防止層20は、光電変換層30の受光面側に設けられている。透明薄膜層40は、光電変換層30の裏面側に設けられている。光反射層50は、透明薄膜層40に積層されており、一方の主表面から他方の主表面に貫通する貫通部54が設けられた金属膜52を含む。誘電体層60は、光反射層50を被覆するように積層されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、光電変換により光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子に関する。
太陽電池などの光電変換素子は、省資源化や低コスト化を図るために光電変換層のさらなる薄膜化が望まれている。しかしながら、単純に光電変換層を薄膜化しただけでは光電変換層における光吸収量が減少し、光電変換効率が低下してしまう。そのため、光電変換層における吸収量を増加させる技術の開発が不可欠である。
このような技術として、光電変換層の表面および/または裏面にテクスチャ構造を作製し、光電変換層の表面、裏面において、それぞれ入射光、反射光を散乱させて、光電変換層での光路長を増大させる方法がある。また、光電変換素子に周期的な微細構造を加工する技術が知られている。この場合には、光電変換層を透過しようとする光が周期的な微細パターンによって回折し、反射した光が光電変換層において全反射する条件を設定することで光が光電変換層内に閉じ込められ、光電変換効率の向上が図られる。
しかしながら、従来のように光電変換層の表面および/または裏面にテクスチャ構造を作製する構成では、比較的多くの光が光電変換層に向けて反射されずに光電変換素子の外部に漏れていた。この外部に漏れる光を低減する方法としては、テクスチャ構造を周期的に配列することが考えられるが、周期配列されたテクスチャ構造の作製はコスト高であり、光電変換素子の低コスト化を図ることが難しくなる。また、光電変換素子に周期的な微細構造を加工する場合も、同様にコスト高であり、光電変換素子の低コスト化を図ることが難しくなる。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストを抑えながら、光電変換素子の光吸収率を高め、光電変換効率を向上させることのできる技術の提供にある。
本発明のある態様は、光電変換素子である。当該光電変換素子は、光電変換層と、光電変換層の一方の主表面側に設けられた金属膜を含む光反射層と、を備え、金属膜の複数箇所に当該膜の一方の主表面から他方の主表面に貫通する貫通部が設けられていることを特徴とする。
上記態様の光電変換素子によれば、光電変換層で吸収しきれなかった入射光が、光反射層によって散乱反射されるため、光電変換層内での入射光の光路長が増大し、入射光を効率的に光吸収することができる。
上記態様の光電変換素子において、任意の貫通部の光電変換層側の開口における重心と任意の貫通部に隣接する他の貫通部の光電変換層側の開口における重心との距離が200〜400nmであってもよい。貫通部の光電変換層側の開口において、貫通部の内壁の2点間の最大距離が10〜250nmであってもよい。光電変換層側の金属膜の主表面において、隣接する貫通部間の最短距離が200〜400nmであってもよい。光反射層は、400nmから光電変換層が発電に利用可能な最大波長の範囲における平均反射率が、40%以上であってもよい。
また、光反射層が、光電変換層に対して光受光面とは反対側に備えられていてもよい。金属膜が、Au、Ag、Al、Cuまたはこれらの金属を含む合金からなっていてもよい。光反射層が、金属膜の形成用のマスクを含有してもよい。光反射層が、集電のための裏面電極を兼ねてもよい。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明の光電変換素子によれば、製造コストを抑えながら、光吸収率を高め、光電変換効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、実施の形態に係る光電変換素子10の構成を示す概略断面図である。図2は、光電変換素子10を受光面側から平面視したときの、金属膜52の形態を示す平面図である。図1は、図2のE−E線上の断面図に相当する。また、図2では、金属膜52以外の光電変換層30等の構成が省略されている。図1に示すように、光電変換素子は、反射防止層20、光電変換層30、透明薄膜層40、光反射層50、誘電体層60、反射防止層20の受光面側に形成されている集電のための表面電極(図示せず)および、場合によっては誘電体層60の受光面側とは反対側に形成されている集電のため裏面電極(図示せず)を備える。本実施の形態では、光電変換素子は太陽電池である。
反射防止層20は、光電変換層30の受光面側に設けられている。反射防止層20は、光電変換層30が受光する光の波長領域での透明性と、光電変換層30が受光する光の反射を防止する機能を兼ね備えていればよく、SiO2、SiNx、TiO2、ITOなどが好ましいがこの限りではない。
反射防止層20の厚みは、好ましくは0〜500nm、より好ましくは0〜300nm、さらに好ましく50〜200nmであるが、この限りではない。
また、反射防止層20の受光面側に形成されている表面電極としては、Au、Ag、AlCuまたはこれらの金属を含む合金を用いることが好ましいが、この限りではない。また集電性向上のため、前記表面電極は反射防止層20を貫通して、光電変換層30と直接接触していてもよい。
光電変換層30は、p型半導体とn型半導体が接合したpn接合を有していることが好ましく、pn接合の光起電力効果により太陽からの光エネルギーを電気エネルギーに変することができる。光電変換層30としては、単結晶シリコンもしくは多結晶シリコン、IV族半導体などを用いることが好ましいが、この限りではない。
また、光電変換層30の表面および/または裏面は、入射光、反射光を散乱させて、光変換層での光路長を増大させるためのテクスチャ構造を有していてもよい。
透明薄膜層40は、光電変換層30の受光面側と反対側に設けられており、光電変換層30が受光する光の波長領域で透明性を有している、すなわち透明薄膜層40のバンドギャップが光電変換層30のバンドギャップよりも大きいことが望まれる。また、集電性向上の観点から、透明薄膜層40は導電性を有することが好ましい。透明薄膜層40の材料として、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、サファイア、アルミナ、水晶、フッ素樹脂、SnO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ITO、ZnO、SiO2、TiO2、ZrO2、Mn3O4、Y2O3、WO3、Nb2O5、La2O3、Ga2O3、Ag2O、CuO、a−Si:H、μc−Si:H、SiOx:H、SiC、SiNx、AlOx:H、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、トリアセチルセルロース、ポリウレタン、シクロオレフィンポリマーなどが挙げられるが、この限りではない。透明薄膜層40の厚さは200nm以下が好ましい。なお、透明薄膜層40は任意の構成であり、透明薄膜層40を設けない構成も採用されうる。
光反射層50は、透明薄膜層40に積層された金属膜52を含む。金属膜52の複数箇所に当該膜の一方の主表面から他方の主表面に貫通する貫通部54が設けられている。金属膜52を平面視した際の貫通部54の開口形状は円形であるが、貫通部54の開口形状はこれに限られず、楕円形、三角形、四角形などであってもよい。
また、光反射層50は、光電変換層30によって吸収されなかった光を散乱反射させ、光電変換層30に再度吸収させる機能を有する。そのため、光反射層50の平均反射率は、可視光領域に含まれる、400nmから光電変換層30が発電に利用可能な最大の波長において、好ましくは40%以上、より好ましくは45%以上、さらに好ましくは50%以上である。
光反射層50を構成する金属膜52の材料は、金属材料であれば特に限定されないが、Frohlichモード(Bohren and Huffman, Absorption and Scattering of Light by Small Particles, Wiley, 1983 を参照)の共鳴波長が光電変換を行う光の波長と近い材料が望ましい。この条件に合う材料として、例えば、Au、Ag、Al、Cu、やこれらの金属を含む合金が挙げられる。
光反射層50の厚みDは特に限定されないが、好ましくは、5〜1000nm、より好ましくは5〜500nm、さらに好ましくは5〜300nmである。さらに、光反射層50の厚みDは、後述する最大距離Bに対して、D≦Bであることが好ましい。
また、実施の形態の一つにおいて、任意の貫通部54の光電変換層側の開口における重心と当該任意の貫通部54に隣接する他の貫通部54の光電変換層側の開口における重心との距離Pは、好ましくは200〜400nm、より好ましくは250〜400nm、さらに好ましくは250〜350nmである。
上述した距離Pに関して、200〜400nmの範囲に入っている数の割合は、好ましくは30%〜100%、より好ましくは50%〜100%、さらに好ましくは70%〜100%である。
光電変換層側の金属膜52の主表面において、隣接する貫通部54間の最短距離は200〜400nmであることが好ましい。
さらに、実施の形態の一つにおいて、貫通部54の光電変換層側の開口において、貫通部54の内壁の2点間の最大距離Bは、好ましくは10〜250nm、より好ましくは10〜200nm、さらに好ましくは50〜200nmである。最大距離Bは、貫通部54の貫通方向と直交する方向の断面の形状が真円である場合は直径の長さ、楕円の場合は長径の長さ、正方形の場合は対角線の長さとなる。
複数の貫通部54に関し、最大距離Bが10〜250nmの範囲に入っている数の割合は、好ましくは30%〜100%、より好ましくは50%〜100%、さらに好ましくは70%〜100%である。
光反射層50の全面積をF、貫通部54部分の面積をGとすると、光反射層50中の貫通部54部分の含有率は、以下の式(ア)で定義される。
貫通部54部分の含有率(%)=G/F×100…………(ア)
貫通部54部分の含有率は、好ましくは30%〜80%、より好ましくは50%〜80%、さらに好ましくは60%〜80%である。
貫通部54部分の含有率(%)=G/F×100…………(ア)
貫通部54部分の含有率は、好ましくは30%〜80%、より好ましくは50%〜80%、さらに好ましくは60%〜80%である。
貫通部54が形成された金属膜52を形成手法する手法としては、ナノスフィアリソグラフィー(Nanosphere Lithography)法、電子ビームリソグラフィー(Electron Beam Lithography)法、ナノインプリントリソグラフィー(Nanoimprint Lithography)法、集積イオンビーム(Focused Ion Beam)による金属膜の加工などが挙げられる。
さらに、実施の形態の一つにおいて、貫通部54が形成された金属膜52を形成するためにマスクを用いた場合、そのマスクを取り除かず、光電変換素子の中に残したままにしておいてもよい。このマスクとは、例えば、ナノスフィアリソグラフィー法においては粒子から形成されている膜、電子ビームリソグラフィー法、ナノインプリントリソグラフィー法においてはレジスト材からなる膜が挙げられる。マスクを取り除かないことで、光電変換素子の製造工程を簡素化することができ、さらなる光電変換素子の製造コストの削減が期待できる。
誘電体層60は、光反射層50の受光面側と反対側に設けられており、光電変換層30が受光する光の波長領域で透明性を有している、すなわち誘電体層60のバンドギャップが、光電変換層30のバンドギャップよりも大きいことが望まれる。集電性向上の観点から、誘電体層60は導電性を有することが好ましい。誘電体層60の材料としては、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、サファイア、アルミナ、水晶、フッ素樹脂、SnO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ITO、ZnO、SiO2、TiO2、ZrO2、Mn3O4、Y2O3、WO3、Nb2O5、La2O3、Ga2O3、Ag2O、CuO、a−Si:H、μc−Si:H、SiOx:H、SiC、SiNx、AlOx:H、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、トリアセチルセルロース、ポリウレタン、シクロオレフィンポリマーなどが挙げられるが、この限りではない。誘電体層60の厚さは特に限定されないが、好ましくは0〜2000nm、より好ましくは0〜1000nm、さらに好ましくは0〜500nmである。なお、誘電体層60は任意の構成であり、誘電体層60を設けない構成も採用されうる。
誘電体層60で光反射層50を被覆することにより、光反射層50が大気や水に曝されることが抑制されるため、結果として光反射層50の安定性を高めることができる。
誘電体層60の受光面側とは反対側に形成されている裏面電極としては、Au、Ag、Al、Cuまたはこれらの金属を含む合金を用いることが好ましく、またこれら前記金属もしくは合金が多層に重ね合わせられていてもよい。
また、実施の形態の一つにおいて、光反射層50が集電のための裏面電極を兼ねてもよい。この場合、誘電体層60および誘電体層60の受光面側とは反対側に形成される裏面電極が不要となるため、光電変換素子の製造工程を簡素化することができ、さらなる光電変換素子の製造コストの削減が期待できる。
上記説明した光電変換素子10では、光電変換層30で吸収しきれなかった入射光が、光電変換層30の受光側と反対側に設けられた光反射層50によって散乱反射されるため、光電変換層30内での入射光の光路長が増大し、入射光を効率的に光吸収することができる。
(光電変換素子の作製方法)
図3および図4は、実施の形態に係る光電変換素子の作製方法を示す工程断面図である。以下、図3および図4を参照にして光電変換素子の作製方法を説明する。
図3および図4は、実施の形態に係る光電変換素子の作製方法を示す工程断面図である。以下、図3および図4を参照にして光電変換素子の作製方法を説明する。
光電変換層30は、p型単結晶Si基板を含み、周知の熱拡散法、イオン注入法、真空成膜法などを用いて予めp−n接合が形成されている。まず、図3(A)に示すように、光電変換層30の受光面側に膜厚50〜200nmの反射防止層20を積層する。反射防止層20の積層方法は特に限定されないが、例えば、真空成膜法によりSiNxやITOなどの透明材料を成膜する方法が挙げられる。
次に、図3(B)に示すように、光電変換層30の受光面とは反対側に膜厚200nm以下の透明薄膜層40を積層する。透明薄膜層40の積層方法は特に限定されないが、例えば、真空成膜法によってSiO2、a−Si:H、μc−Si:H、SiOx:H、SiCなどの透明材料を成膜する方法が挙げられる。
以下、光反射層50(金属膜52)の形成工程を示す。具体的には、実施形態の一つとしてナノスフィアリソグラフィー法を用いて金属膜52を形成する手法を示す。図3(C)に示すように、透明薄膜層40の受光面とは反対側に、例えばポリスチレン(以下、PSと表記する)ビーズやシリカビーズ、アクリルビーズなどの粒子90の単層膜を形成する。
次に、図3(D)に示すように、図3(C)において形成した粒子90の単層膜を、例えば酸素や水素ガスやこれらを含む含有ガスなどによるエッチング処理やUV処理によって、粒子の大きさを所望する大きさに整える。このエッチングされた粒子の単層膜が、上述した金属膜52を形成する際のマスク100となる。隣接するマスク100間に、透明薄膜層40が露出する開口部102が形成される。
次に、図4(A)に示すように、マスク100を介して透明薄膜層40の受光面とは反対側に、Ag、Al、Au、Cuなどの金属またはこれらの金属を含む合金を真空蒸着法により堆積させる。金属が開口部102を通過し、透明薄膜層40の受光面とは反対側に堆積することで、金属膜52が形成される。その後、図4(B)に示すように、マスク100を除去すると、金属膜52に貫通部54が形成される。透明薄膜層40を平面視したときの、貫通部54の重心と隣接する貫通部54の重心の距離Aは、図3(C)において単層膜を形成する粒子の直径で、貫通部54の最大距離Bは、図3(D)においてエッチングされた粒子の直径でそれぞれ規定される。
次に、図4(C)に示すように、光反射層50の表面を被覆するように、誘電体層60を積層する。誘電体層60の積層方法は特に限定されないが、反射防止層20の作製方法と同様に、例えば、真空成膜法よりZnO、ITOなどの誘電材料を成膜する方法が挙げられる。
以上説明した工程により、本発明を実施するための光電変換素子10を簡便に形成することができ、さらには光電変換素子の製造コストを低減することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
(光電変換層の作製)
厚さ100μmのp型シリコンウェハー(抵抗率0.5〜5Ωcm)の受光面側に、i層として厚さ5nmのa−Si:Hを積層し、さらにi層の上に厚さ7.5nmのn型のa−Si:Hを積層し、光電変換層を作製した。
(光電変換層の作製)
厚さ100μmのp型シリコンウェハー(抵抗率0.5〜5Ωcm)の受光面側に、i層として厚さ5nmのa−Si:Hを積層し、さらにi層の上に厚さ7.5nmのn型のa−Si:Hを積層し、光電変換層を作製した。
(反射防止層の作製)
光電変換層30のn型のa−Si:H上に、反射防止層として厚さ75nmのITOを成膜した。
光電変換層30のn型のa−Si:H上に、反射防止層として厚さ75nmのITOを成膜した。
(透明薄膜層の作製)
光電変換層30のn型のa−Si:H層と反対側に、透明薄膜層としてp型の微結晶SiOx:Hを30nm成膜した。
光電変換層30のn型のa−Si:H層と反対側に、透明薄膜層としてp型の微結晶SiOx:Hを30nm成膜した。
(光反射層の作製)
透明薄膜層40の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを250nmにし、マスク7を作製した。その後、マスク7を介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスク7を除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層40の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを250nmにし、マスク7を作製した。その後、マスク7を介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスク7を除去し、光反射層を作製した。
(誘電体層の作製)
光反射層50の受光面側とは反対側に誘電体層として、厚さ200nmのZnOを成膜した。
光反射層50の受光面側とは反対側に誘電体層として、厚さ200nmのZnOを成膜した。
(電極の作製)
反射防止層の受光面側にAgを用いて細線電極を形成した。また、誘電体層60の受光面側とは反対側にAgを用いて全面電極を形成した。
反射防止層の受光面側にAgを用いて細線電極を形成した。また、誘電体層60の受光面側とは反対側にAgを用いて全面電極を形成した。
以上の工程により、実施例1の光電変換素子(太陽電池)を作製した。
(実施例2)
実施例2の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
実施例2の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを200nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層40の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層50を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを200nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層40の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層50を作製した。
(実施例3)
実施例3の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
実施例3の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを100nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを100nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
(実施例4)
実施例4の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
実施例4の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを10nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを10nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
(実施例5)
実施例5の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
実施例5の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを30nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを30nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
(実施例6)
実施例6の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
実施例6の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを50nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを50nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
(実施例7)
実施例7の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
実施例7の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径200nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを100nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径200nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを100nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
(実施例8)
実施例8の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
実施例8の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径400nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを200nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径400nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを200nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
(実施例9)
実施例9の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
実施例9の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを200nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Auを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを200nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Auを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
(実施例10)
実施例10の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
実施例10の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを200nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Alを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを200nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Alを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
(実施例11)
実施例11の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
実施例11の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを200nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Cuを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを200nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Cuを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
(実施例12)
実施例12の太陽電池は、光反射層が裏面電極を兼ねる素子構造であり、実施例1の素子構造から誘電体層を削除した構造を有する。素子作製手順は、誘電体層を形成しない以外は、実施例1と同様である。
実施例12の太陽電池は、光反射層が裏面電極を兼ねる素子構造であり、実施例1の素子構造から誘電体層を削除した構造を有する。素子作製手順は、誘電体層を形成しない以外は、実施例1と同様である。
(比較例1)
比較例1の太陽電池は、光反射層としてAg膜を用い、かつ光反射層が裏面電極を兼ねる素子構造である。透明薄膜層までの作製手順は、実施例1と同様である。
比較例1の太陽電池は、光反射層としてAg膜を用い、かつ光反射層が裏面電極を兼ねる素子構造である。透明薄膜層までの作製手順は、実施例1と同様である。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、マスクを作製することなくAgを100nm堆積させ、光反射層を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、マスクを作製することなくAgを100nm堆積させ、光反射層を作製した。
(比較例2)
比較例2の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
比較例2の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径300nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
(比較例3)
比較例3の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
比較例3の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層40の受光面とは反対側に、直径150nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを100nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層40の受光面とは反対側に、直径150nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを100nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
(比較例4)
比較例4の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
比較例4の太陽電池は、光反射層の作製方法を除き、実施例1と同様な手順にて作製された。
(光反射層の作製)
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径450nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを200nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
透明薄膜層の受光面とは反対側に、直径450nmのPSビーズからなる単層膜を形成し、O2ガスによるエッチングによってPSビーズの大きさを200nmにし、マスクを作製した。その後、マスクを介して透明薄膜層の受光面とは反対側に、Agを100nm堆積させ、マスクを除去し、光反射層を作製した。
(反射率の測定)
光反射層の反射率を測定するために、単結晶シリコンウエハー上に実施例1〜12および比較例1〜4に用いた光反射層を形成した。光反射層の反射率は、400nmから単結晶シリコンの吸収末端である1200nmの波長を有する光をシリコンウエハーの光反射層側から照射することで測定した。表1に、400〜1200nmの波長における平均反射率を示した。
光反射層の反射率を測定するために、単結晶シリコンウエハー上に実施例1〜12および比較例1〜4に用いた光反射層を形成した。光反射層の反射率は、400nmから単結晶シリコンの吸収末端である1200nmの波長を有する光をシリコンウエハーの光反射層側から照射することで測定した。表1に、400〜1200nmの波長における平均反射率を示した。
(太陽電池性能の評価)
実施例1〜12および比較例1〜4の太陽電池について、擬似太陽光(100mW/cm2)を照射しながら、電流−電位特性を評価した。比較例1を基準となる試料とし、実施例1〜12および比較例1〜4の太陽電池について、基準となる試料に対する相対的な短絡電流密度を算出した結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1〜12の太陽電池では、比較例1〜4の太陽電池に対して短絡電流密度が顕著に増大しており、実施例1〜12の太陽電池では、光吸収が増大する効果が確認された。
実施例1〜12および比較例1〜4の太陽電池について、擬似太陽光(100mW/cm2)を照射しながら、電流−電位特性を評価した。比較例1を基準となる試料とし、実施例1〜12および比較例1〜4の太陽電池について、基準となる試料に対する相対的な短絡電流密度を算出した結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1〜12の太陽電池では、比較例1〜4の太陽電池に対して短絡電流密度が顕著に増大しており、実施例1〜12の太陽電池では、光吸収が増大する効果が確認された。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
たとえば、上述した実施の形態では、光電変換層30にp−n接合が形成されているが、光電変換層30は、光電変換が可能な構造であればよく、光電変換層30にp−i−n接合が形成されていてもよい。
10 光電変換素子、20 反射防止層、30 光電変換層、40 透明薄膜層、50 光反射層、52 金属膜、54 貫通部、60 誘電体層、100 マスク、102 開口部
Claims (9)
- 光電変換層と、
前記光電変換層の一方の主表面側に設けられた金属膜を含む光反射層と、
を備え、
前記金属膜の複数箇所に当該膜の一方の主表面から他方の主表面に貫通する貫通部が設けられていることを特徴とする光電変換素子。 - 任意の前記貫通部の前記光電変換層側の開口における重心と前記任意の前記貫通部に隣接する他の前記貫通部の前記光電変換層側の開口における重心との距離が200〜400nmであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記貫通部の前記光電変換層側の開口において、前記貫通部の内壁の2点間の最大距離が10〜250nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
- 前記光電変換層側の前記金属膜の主表面において、隣接する貫通部間の最短距離が200〜400nmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記光反射層は、400nmから前記光電変換層が発電に利用可能な最大波長の範囲における平均反射率が、40%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記光反射層が、前記光電変換層に対して光受光面とは反対側に備えられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記金属膜が、Au、Ag、Al、Cuまたはこれらの金属を含む合金からなる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記光反射層が、前記金属膜の形成用のマスクを含有する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記光反射層が、集電のための裏面電極を兼ねることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光電変換素子。
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