JP2013219073A - 光電変換素子 - Google Patents

光電変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2013219073A
JP2013219073A JP2012085552A JP2012085552A JP2013219073A JP 2013219073 A JP2013219073 A JP 2013219073A JP 2012085552 A JP2012085552 A JP 2012085552A JP 2012085552 A JP2012085552 A JP 2012085552A JP 2013219073 A JP2013219073 A JP 2013219073A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
light
semiconductor layer
photoelectric conversion
conversion element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012085552A
Other languages
English (en)
Inventor
Keisuke Nakayama
慶祐 中山
Masanao Goto
正直 後藤
Shinya Hayashi
慎也 林
Futoshi Ouchi
太 大内
Yoshiaki Nakano
義昭 中野
Kenjiro Miyano
健次郎 宮野
Kentaro Watanabe
健太郎 渡辺
Masakazu Sugiyama
正和 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Tokyo NUC
Eneos Corp
Original Assignee
University of Tokyo NUC
JX Nippon Oil and Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tokyo NUC, JX Nippon Oil and Energy Corp filed Critical University of Tokyo NUC
Priority to JP2012085552A priority Critical patent/JP2013219073A/ja
Publication of JP2013219073A publication Critical patent/JP2013219073A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/52PV systems with concentrators
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/544Solar cells from Group III-V materials
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】量子構造層を有する光電変換素子の光電変換効率を高める。
【解決手段】第2半導体層70、第2コンタクト層80および基板90は、受光面とは反対側の量子構造層60の主表面に積層された「積層体200」を構成する。光散乱性反射層100は、光電変換素子10の受光面側とは反対側の積層体200の主表面に2次元配列して設けられている複数の金属ナノ粒子である。第2半導体層70、第2コンタクト層80、基板90の各層の量子構造層60に吸収される波長での光の吸光係数をα1、α2、α3(cm−1)と表し、第2半導体層70、第2コンタクト層80、基板90の各層の量子構造層60の各層の厚さをD1、D2、D3(cm)と表したとき、α1D1+α2D2+α3D3<0.1となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換により光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子に関する。
従来、実用化されている太陽電池では、結晶シリコンを用いた一組のpn接合を有する単接合太陽電池が主流であり、理論限界効率は約30%である。現在、その理論限界効率をさらに向上させる方法が検討されている。その一つにIII−V化合物半導体の量子構造(量子ドット・量子井戸)を利用した太陽電池がある。量子構造を用いることで従来の太陽電池では吸収することができなかった太陽光を吸収させることが可能になるため、理論限界効率を向上させることが可能になる。
特開平11−220150号公報 特開2002−141531号公報 特開2011−29464号公報 特開2010−21189号公報
太陽電池に量子構造層を挿入する際、量子構造の密度が低いため光吸収が十分ではなく、太陽光を十分に吸収するために量子構造層を何層も積層して光の吸収量を増加させる必要がある。このため、異なる材料を高積層すると結晶品質が低下し、太陽電池性能が低下するため、高積層には限界があった。
また材料が高価なうえに、さらに量子構造層を形成するためには非常に高度な製造技術を要するため、製造コストも高くなる。
一般の太陽電池では、光閉じ込め効果を利用することで光の吸収量を増加させる工夫が行われている。Si太陽電池においては基板のSi結晶表面にテクスチャ構造を形成し、裏面に金属電極等の反射膜を形成することで、光閉じ込めが行われている。しかし、III−V族化合物半導体からなる量子構造セルの場合は、(1)成長基板にテクスチャ構造を形成するとエピタキシャル成長で良好な単結晶化合物半導体を成長させることができず、光電変換性能の低下を招く、(2)太陽電池表面にテクスチャ構造を設けると、太陽電池表層においてキャリアの再結合速度が大きく増加するため、光電変換性能が低下する、といった課題が生じる。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、量子構造層を有する光電変換素子の光電変換効率を高めることができる技術の提供にある。
本発明のある態様は、光電変換素子である。当該光電変換素子は、受光面側に位置する第1の半導体層と、第1の半導体層の導電型と反対の導電型の第2の半導体層と、第1の半導体層と第2の半導体層との間に設けられており、第1の半導体層および第2の半導体層のバンドギャップ以上のバンドギャップを有する1以上の第1の半導体領域と、第1の半導体層および第2の半導体層のバンドギャップ以下のバンドギャップを有する1以上の第2の半導体領域と、を有する量子構造層と、受光面とは反対側の量子構造層の主表面に積層され、第2の半導体層を含む複数の層からなる積層体と、受光面とは反対側の積層体の主表面に設けられている光散乱性反射層と、を備え、積層体の各層について、量子構造層に吸収される光の波長での光の吸光係数をαcm−1、各層の厚さをDcmとしたとき(i=2〜n:nは積層体における層の数)、ΣαiDi<0.1という関係を満たす。
上述した光電変換素子において、光散乱性反射層は、受光面とは反対側の積層体の主表面に2次元配置された複数の金属ナノ粒子であってもよい。この場合に、積層体、透明層および反射層が導電性を有し、反射層が電極を兼ねてもよい。
また、光散乱性反射層は、受光面とは反対側の積層体の主表面に2次元配置された複数の金属ナノホールを有していてもよい。この場合に、積層体が導電性を有し、光散乱性反射層が電極を兼ねてよい。
本発明の他の態様は、光電変換素子である。当該光電変換素子は、受光面側に位置する第1の半導体層と、第1の半導体層の導電型と反対の導電型の第2の半導体層と、第1の半導体層と第2の半導体層との間に設けられており、第1の半導体層および第2の半導体層のバンドギャップ以上のバンドギャップを有する1以上の第1の半導体領域と、第1の半導体層および第2の半導体層のバンドギャップ以下のバンドギャップを有する1以上の第2の半導体領域と、を有する量子構造層と、受光面とは反対側の量子構造層の主表面に積層され、受光面とは反対側に光散乱性反射構造の反射面を有する基板、および第2の半導体層を含む複数の層からなる積層体と、を備え、積層体の各層について、量子構造層に吸収される光の波長での光の吸光係数をαcm−1、各層の厚さをDcmとしたとき(i=2〜n:nは積層体における層の数)、ΣαiDi<0.1という関係を満たす。当該態様の光電変換素子において、積層体および基板が導電性を有し、基板が電極を兼ねてもよい。
上述したいずれかの態様の光電変換素子において、第1の半導体層、第2の半導体層および量子構造層がIII−V族化合物半導体で形成されていてもよい。
本発明によれば、量子構造層を有する光電変換素子の光電変換効率を高めることができる。
実施の形態1に係る光電変換素子の概略構成を示す断面図である。 実施の形態2に係る光電変換素子の概略構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る光電変換素子の概略構成を示す断面図である。 実施の形態4に係る光電変換素子の概略構成を示す断面図である。 実施例1および比較例1の光電変換素子の量子収率と受光する光の波長との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る光電変換素子の概略構成を示す断面図である。光電変換素子10は、第1電極20、第1コンタクト層30、窓層40、第1半導体層50、量子構造層60、第2半導体層70、第2コンタクト層80、基板90、光散乱性反射層100および第2電極110を有する。本実施の形態では、光電変換素子10はIII−V族化合物半導体太陽電池である。
第1電極20は、窓層40の受光面側に設けられている表面電極であり、後述する第1コンタクト層30の上に形成されている。第1電極20は、p型電極であり、例えば、Au、Ag、Al、Cuまたはこれらの金属を含む合金を用いることができる。
第1コンタクト層30は、窓層40の受光面の周縁領域に設けられている。第1コンタクト層30は、p型のコンタクト層であり、例えば、GaAs、AlGaAs、InGaPなどの周期表の第III族元素および第V族元素からなる化合物半導体材料により形成される。第1コンタクト層30におけるp型不純物のドープ量は、例えば、1×1019cm−3である。
窓層40は、第1半導体層で生成したキャリアが第1半導体層表面で再結合し失活するのを防ぐ半導体層である。窓層40における半導体層としては、光を十分に透過し、表面再結合速度が小さいものであれば特に限定されないが、例えば、AlGaAs、InGaPなどの周期表の第III族元素および第V族元素からなる化合物半導体材料により形成される。窓層40におけるp型不純物のドープ量は、例えば、5×1018cm−3である。窓層40の受光面側の表面にさらに反射防止膜を形成してもよい。反射防止膜は、屈折率が空気よりも高く、かつ窓層40より低い誘電体からなる。反射防止膜における誘電体としては、光を十分に透過し、屈折率が上記条件を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、フッ化マグネシウム、酸化チタン、硫化亜鉛等を好適に用いることができる。
第1半導体層50は、第1コンタクト層30と同様な化合物半導体材料により形成されるp型化合物半導体層である。第1半導体層50におけるp型不純物のドープ量は、例えば、2×1018cm−3である。
量子構造層60は、第1半導体層50および後述する第2半導体層70のバンドギャップ以上のバンドギャップを有する第1半導体領域と、第1半導体層50および第2半導体層70のバンドギャップ以下のバンドギャップを有する第2の半導体領域とが交互に積層された量子井戸構造を有する。
第1半導体領域には1種類以上の半導体層が含まれ、第1半導体領域のエネルギーギャップは、第1半導体領域と前記第1半導体層50が接する部分から第1半導体領域の中心方向へ向かって段階的に変化させることができ、さらに連続的に変化させることもできる。
第2半導体領域には1種類以上の半導体層が含まれ、第2半導体領域のエネルギーギャップは、第2半導体領域と第1半導体領域が接する部分から第2半導体領域の中心方向へ向かって段階的に変化させることができ、さらに連続的に変化させることもできる。
本実施の形態では、第1半導体領域および第2半導体領域は真性半導体層からなるが、第1導電型(例えばp型)や第2導電型(例えばn型)を有する不純物をドープしてもよい。
量子構造層60を形成する化合物半導体材料として、例えばInGaAs、InAs、GaNAs、GaAsPなどの周期表の第III族元素および第V族元素からなる化合物半導体材料を用いることができる。
第2半導体層70は、受光面側とは反対側の量子構造層60の主表面に積層されたn型化合物半導体層である。第2半導体層70は、例えば、GaAs、AlGaAs、InGaPなどの周期表の第III族元素および第V族元素からなる化合物半導体材料により形成される。第2半導体層70におけるn型不純物のドープ量は、例えば、
2×1018cm−3である。
第2コンタクト層80は、受光面側とは反対側の第2半導体層70の主表面に積層されている。第2コンタクト層80は、n型のコンタクト層であり、第2半導体層70と同様な化合物半導体材料により形成される。第2コンタクト層80におけるn型不純物のドープ量は、例えば、2×1018cm−3である。第2コンタクト層80には、基板90側が幅広になるような段差が設けられており、受光面側に露出する露出面を有する。
基板90は、半導体層成長用の基板として利用される場合には、例えば、GaAsやGe等の半導体基板が用いられる。本実施の形態では、基板90は絶縁性である。
光散乱性反射層100は、光電変換素子10の受光面側とは反対側の積層体200の主表面に2次元配列して設けられている複数の金属ナノ粒子である。金属ナノ粒子の材料は、量子構造層60の吸収が不十分である光の波長領域において、散乱性を有する金属材料であればよく、特に限定されないが、例えば、Ag、Al、Au、Cuまたはこれらの金属の合金が挙げられる。金属ナノ粒子の形状は特に限定されないが、例えば、球状、半球状、円柱状、角柱状、ロッド状、円盤状などの形状が挙げられる。光電変換素子10を平面視した場合の金属ナノ粒子の径は、例えば、100〜1000nmの範囲である。光電変換素子10の受光面側とは反対側の基板90の主表面を基準面としたときの金属ナノ粒子の高さHは、例えば、5〜300nmの範囲である。
光散乱性反射層100において、量子構造層60の主表面の法線に対して角度がついた状態で光が反射される。これにより、量子構造層60内での反射光の光路長を増大させることができ、ひいては、量子構造層60において光を効率的に吸収させることができる。基板90がGaAs基板である場合を例にとると、波長1000nmでの屈折率が約3.5であり、GaAsと大気の境界の法線に対して16.6度よりも小さい領域で形成された円錐領域(エスケイプコーン)より大きい角度で基板90裏面で拡散反射された入射光は、大気中に放射されずに窓層40の表面で再度全反射され、光電変換素子10の中に閉じ込めることが可能である。
金属ナノ粒子は、蒸着法により堆積した金属薄膜を加熱処理することにより形成する方法や、開口が設けられたマスクパターンを用いて金属を蒸着する方法などで形成することができる。
第2電極110は、第2コンタクト層80の露出面に設けられているn型対向電極である。第2電極110として、例えば、Au、Ag、Al、Cuまたはこれらの金属を含む合金を用いることができる。第2電極110は、第2半導体層70と電気的に接合していればよく、基板90の裏面に形成されていてもよい。
第2半導体層70、第2コンタクト層80および基板90は、受光面とは反対側の量子構造層60の主表面に積層された「積層体200」を構成する。積層体200の厚さDは、第2半導体層70、第2コンタクト層80、基板90の各層の厚さをそれぞれD1、D2、D3(単位:cm)と表したとき、D=D1+D2+D3となる。また、第2半導体層70、第2コンタクト層80、基板90の各層の量子構造層60に吸収される波長での光の吸光係数をα1、α2、α3(単位:cm−1)と表したとき、α1D1+α2D2+α3D3(以下、ΣαDと表記する)<0.1となっている。なお、ΣαDは、0.07以下がより好ましく、0.04以下が最も好ましい。厚さD1、D2、D3は、ΣαD<0.1という関係を満たせばよいが、厚さD1、D2、D3の好ましい範囲は、それぞれ、1〜5μm、1〜5μm、0〜500μmである。
なお、本実施の形態では、積層体200の層数は3であるが、積層体200の層数は、これに限られない。従って、より一般的に、積層体200の各層について、量子構造層60に吸収される光の波長での光の吸光係数をαcm−1、各層の厚さをDcmとしたとき(i=2〜n:nは積層体における層の数)、ΣαiDi<0.1という関係を満たせばよい。
積層体200は、量子構造層60と光散乱性反射層100との間に形成された層であり、本実施の形態では、積層体200を構成する半導体のバンドギャップは量子構造層60のバンドギャップより大きい。すなわち、受光面側より入射した光のうち、量子構造層60で吸収されない光は、積層体200の中を進み、積層体200の裏面まで到達し反射され、再度積層体200の中を進んだ後に量子構造層60で再度吸収されることになる。しかし、実際には積層体200の一部もしくは全体には不純物がドープされており、バンドギャップより小さいエネルギーの光であっても自由キャリア吸収が生じる。そのため、積層体200内では、バンドギャップよりも小さいエネルギーの光も吸収され、積層体200の中を進むうちに光量は減少する。この光の損失量は吸光係数αcm−1と積層体の厚さDcmの積で決まり、ΣαD≧0.1のときには、積層体200で大部分の光が損失し、量子構造層60に再度到達する光量が減少するため、量子構造層60での光吸収量が増加しない。ΣαD<0.1であることにより、積層体200における自由キャリア吸収による損失が低減され、量子構造層60で吸収されなかった入射光が光散乱性反射層100によって反射され、ロスすることなく量子構造層60へ再入射するため、量子構造層60の光吸収効率を高めることができ、光閉じ込め効果が十分に発揮される。この結果、光電変換素子10の光電変換効率を向上させることができる。
また、量子構造層60において光が高効率で吸収される結果、量子構造層60の層数を減らすことが可能であり、光電変換素子10の製造プロセスを簡略化しコストを低減できる。さらに、量子構造層60の層数を減らすことで、量子構造を挿入する際に生成する結晶成長界面の欠陥を減少させることが可能であり、電子収集効率の低下を抑制でき光電変換効率をさらに向上させることができる。
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2に係る光電変換素子の概略構成を示す断面図である。本実施の形態に係る光電変換素子10の基本的な構成は実施の形態1と同様である。以下、実施の形態2に係る光電変換素子10について実施の形態1と異なる構成を中心に説明する。
本実施の形態の光散乱性反射層100は透明層120で被覆されており、透明層120の裏面側に反射層130が積層されている。
透明層120は、量子構造層60の吸収が不足する光の波長領域において透明性であればよい。透明層120の材料としては、例えば、ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、シリコンカーバイド、サファイア、アルミナ、水晶、フッ素樹脂、SnO、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ITO、ZnO、SiO、TiO、ZrO、Mn、Y、WO、Nb、La、Ga、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、トリアセチルセルロース、ポリウレタン、シクロオレフィンポリマーなどが挙げられる。
反射層130は、量子構造層60の吸収が不足する光の波長領域において高反射率を持つ層であればよい。例えば、厚さが0.1〜1μmのAg、Al、Au、Cuなどの金属の薄膜層や、前記波長で高い反射率を有するよう設計された誘電体多層膜などが挙げられる。反射層130により、光散乱性反射層100で反射されずに透明層120に透過した光が光散乱することなく反射され、量子構造層60に再入射する。
本実施の形態では、基板90をn型半導体とし、かつ、透明層120をITOなどの導電性透明材料を用いて形成することにより、反射層130を第2電極110として用いることができる。この他、実施の形態1と同様な効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図3は、実施の形態3に係る光電変換素子の概略構成を示す断面図である。本実施の形態に係る光電変換素子10の基本的な構成は実施の形態1と同様である。以下、実施の形態2に係る光電変換素子10について実施の形態1と異なる構成を中心に説明する。
光散乱性反射層100は、光電変換素子10の受光面側とは反対側の積層体200の主表面に2次元配列して設けられている複数の金属ナノホール102を有する。より具体的には、金属ナノホール102は、受光面側とは反対側の基板90の主表面に設けられた金属膜104に設けられた凹部である。金属膜104の材料は、金属材料であれば特に限定されないが、Frohlichモード(Bohren and Huffman, Absorption and Scattering of Light by Small Particles, Wiley, 1983を参照)の共鳴波長が光電変換を行う光の波長と近い材料が望ましい。この条件に合う材料として、例えば、Au、Ag、Al、Cuやこれらの金属を含む合金が挙げられる。金属膜104の厚さは、金属ナノホール102の深さより厚ければ特に限定されないが、例えば、0.3〜2μmである。
金属ナノホール102は、基板90に面する開口を有していればよい。金属ナノホール102の開口径、深さは、それぞれ、例えば10〜1000nm、10〜500nmである。本実施の形態では、金属膜104を平面視した際の金属ナノホール102の開口形状は円形であるが、金属ナノホール102の開口形状はこれに限られず、楕円形、三角形、四角形などであってもよい。
金属ナノホール102は、入射した光が透過する領域であればよい。従って、金属ナノホール102には、空気が満たされていてもよく、また、SiOなどの材料が充填されていてもよい。
金属ナノホール102が形成された金属膜104を形成する手法としては、ナノスフィアリソグラフィー(Nanosphere Lithography)法、電子ビームリソグラフィー(Electron Beam Lithography)法、ナノインプリントリソグラフィー(Nanoimprint Lithography)法、集積イオンビーム(Focused Ion Beam)による金属膜の加工などが挙げられる。
金属ナノホール102が形成された金属膜104を形成するために、マスクを用いた場合、そのマスクを取り除かず、光電変換素子10の中に残したままにしておいてもよい。当該マスクとは、例えば、ナノスフィアリソグラフィー法においては粒子から形成されている膜、電子ビームリソグラフィー法、ナノインプリントリソグラフィー法においてはレジスト材からなる膜が挙げられる。マスクを取り除かないことで、光電変換素子10の製造工程を簡素化することができ、さらなる光電変換素子10の製造コストの削減が期待できる。
本実施の形態では、基板90をn型半導体とすることにより、金属膜104を第2電極110として用いることができる。この他、実施の形態1と同様な効果を得ることができる。
(実施の形態4)
図4は、実施の形態4に係る光電変換素子の概略構成を示す断面図である。本実施の形態に係る光電変換素子10の基本的な構成は実施の形態1と同様である。以下、実施の形態2に係る光電変換素子10について実施の形態1と異なる構成を中心に説明する。
本実施の形態では、実施の形態1〜3が有する光散乱性反射層は形成されておらず、その代わりに、受光面とは反対側の基板90の主表面に反射面として光散乱性反射構造92が形成されている。光散乱性反射構造92は、例えば、テクスチャ構造やグルーブ構造である。基板90として、GaAsなどのダイヤモンド型結晶構造を有する単結晶化合物半導体を用いる場合には、原子間力が強い(111)面がエッチングされにくいため、例えば(100)面をウェットエッチングすると(111)面が残ることで、テクスチャ構造が形成される。この他、ライン上のパターンを有するマスクを受光面とは反対側の基板90の表面に形成してエッチングすることにより、V溝のグルーブ構造を形成することができる。
エスケイプコーンより大きい角度で光散乱反射させるためには、光散乱性反射構造92の凹凸構造は、量子構造層60の主表面の法線に対する角度が84度以内であることが好ましい。また、光散乱性反射構造92の凹凸構造の粗さは、量子構造層60が吸収する光の波長以上であることが好ましく、例えば、2〜50μmである。
基板90の厚さD3は、第2コンタクト層80側の基板90の主表面から基板90に形成されたテクスチャ構造の凸部の頂点までの距離である。実施の形態1と同様に、ΣαDは0.1未満であり、ΣαDは、0.07以下がより好ましく、0.04以下が最も好ましい。
本実施の形態では、基板90をn型半導体とすることにより、基板90の裏面に第2電極110を形成することができる。この他、実施の形態1と同様な効果を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
(絶縁性GaAs基板上へのセルの作製)
有機金属気相成長(MOVPE)法を用いて、光電変換素子(量子井戸型太陽電池)を作製した。具体的には、両面が鏡面の350μm厚さの絶縁性GaAs基板(キャリア濃度:1×10cm−3)をMOVPE装置に投入し、温度600℃、圧力10kPaで、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、ターシャリーブチルアルシン、ターシャリーブチルフォスフィンを原料、水素をキャリアガスに用いて結晶成長を行った。まず、第2コンタクト層としてn型のGaAs(キャリア濃度:2×1018cm−3)を1μm形成した。続いて、第2半導体層(ベース層)としてn型のGaAs(キャリア濃度:2×1018cm−3)を2.5μm成膜した。次に光電変換層として、まずi相のGaAsを0.1μm成膜し、その後、量子構造として、井戸層In0.17Ga0.83As(8.54nm)、障壁層GaAs0.780.22(18.1nm)からなる層を20層積層した。さらに、i相のGaAsを0.1μm成膜した。この後、第1半導体層(エミッタ層)としてp型のGaAs(キャリア濃度:2×1018cm−3)を0.8μm、窓層としてp型のIn0.49Ga0.51P(キャリア濃度:5×1018cm−3)を0.04μm、第1コンタクト層(表面コンタクト層)としてp型のGaAs(キャリア濃度:1×1019cm−3)を0.04μm、順次成長させた。次に成長させたエピタキシャル層を、量子井戸層部分をマスクして第2半導体層までエッチング除去し、第2電極としてAuGe/Niを蒸着し、窒素中380℃で熱処理を施した。さらに第1コンタクト層に電極パターンの窓明けをしたレジストを形成し、Ag/Auを蒸着後、リフトオフ法にて第1電極(表面電極)を形成し、第1電極をマスクとして電極が形成されていない部分の第1コンタクト層をエッチングにより除去した。
(金属ナノ粒子の作製)
絶縁性GaAs基板の受光面とは反対側に、蒸着法によって金属薄膜としてAg薄膜を40nm成膜した。このAg薄膜に200℃で加熱処理を施し、平均サイズが440nm、平均間隔が670nmの複数のAgナノ粒子を形成し、光散乱性反射層を作製した。
(実施例2)
実施例1の光電変換素子のAgナノ粒子上にスパッタ法で透明層としてITO膜を200nm成膜しさらにAg膜を200nm成膜することで反射層を作製した。
(実施例3)
(n型GaAs基板上へのセルの作製)
MOVPE法を用いて、光電変換素子を作製した。具体的には、両面が鏡面の350μm厚さのn型GaAs基板(キャリア濃度:2×1018cm−3)をMOVPE装置に投入し、温度600℃、圧力10kPaで、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、ターシャリーブチルアルシン、ターシャリーブチルフォスフィンを原料、水素をキャリアガスに用いて結晶成長を行った。まず、第2コンタクト層としてn型のGaAs(キャリア濃度:2×1018cm−3)を1μm形成した。続いて、第2半導体層(ベース層)としてn型のGaAs(キャリア濃度:2×1018cm−3)を2.5μm成膜した。次に光電変換層として、まずi相のGaAsを0.1μm成膜し、その後、量子構造として、井戸層In0.17Ga0.83As(8.54nm)、障壁層GaAs0.780.22(18.1nm)からなる層を20層積層した。さらに、i相のGaAsを0.1μm成膜した。第1半導体層(エミッタ層)としてp型のGaAs(キャリア濃度:2×1018cm−3)を0.8μm、窓層としてp型のIn0.49Ga0.51P(キャリア濃度:5×1018cm−3)を0.04μm、第1コンタクト層(表面コンタクト層)としてp型のGaAs(キャリア濃度:1×1019cm−3)を0.04μm、順次成長させた。さらに基板の受光面とは反対側の表面を鏡面研磨することで基板の厚さを100μmにした。次に、第1コンタクト層に電極パターンの窓明けをしたレジストを形成し、Ag/Auを蒸着後、リフトオフ法にて第1電極(表面電極)を形成し、第1電極をマスクとして電極が形成されていない部分の第1コンタクト層をエッチングにより除去した。さらに、実施例2と同様に透明層および反射層を作製し、反射層を第2電極(裏面電極)とした。
(比較例1)
実施例1と同様に、絶縁性GaAs基板上にMOVPE法を用いて、第1電極および第2電極を形成した基板厚さ350μmの光電変換素子を作製した。次に、絶縁性GaAs基板の受光面とは反対側に、蒸着法によってAgを200nm成膜し、光散乱をしない反射層を形成した。
(比較例2)
MOVPE法を用いて、光電変換素子を作製した。具体的には、両面が鏡面の350μm厚さのn型GaAs基板(キャリア濃度:2×1018cm−3)をMOVPE装置に投入し、温度600℃、圧力10kPaで、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、ターシャリーブチルアルシン、ターシャリーブチルフォスフィンを原料、水素をキャリアガスに用いて結晶成長を行った。まず、第2コンタクト層としてn型のGaAs(キャリア濃度:2×1018cm−3)を1μm形成した。続いて、第2半導体層(ベース層)としてn型のGaAs(キャリア濃度:2×1018cm−3)を2.5μm成膜した。次に光電変換層として、まずi相のGaAsを0.1μm成膜し、その後、量子構造として、井戸層In0.17Ga0.83As(8.54nm)、障壁層GaAs0.780.22(18.1nm)からなる層を20層積層した。さらに、i相のGaAsを0.1μm成膜した。第1半導体層(エミッタ層)としてp型のGaAs(キャリア濃度:2×1018cm−3)を0.8μm、窓層としてp型のIn0.49Ga0.51P(キャリア濃度:5×1018cm−3)を0.04μm、第1コンタクト層(表面コンタクト層)としてp型のGaAs(キャリア濃度:1×1019cm−3)を0.04μm、順次成長させた。次に、第1コンタクト層に電極パターンの窓明けをしたレジストを形成し、Ag/Auを蒸着後、リフトオフ法にて第1電極(表面電極)を形成し、第1電極をマスクとして電極が形成されていない部分の第1コンタクト層をエッチングにより除去した。さらに、実施例2と同様に透明層および反射層を作製し、反射層を第2電極(裏面電極)とした。
(実施例4)
実施例1と同様に、絶縁性GaAs基板上にMOVPE法を用いて、第1電極および第2電極を形成した基板厚さ350μmの光電変換素子を作製した。
(テクスチャ構造の作製)
絶縁性GaAs基板の受光面とは反対側に、ラインパターンの窓明けをしたレジストを形成し、硫酸溶液中でエッチングを行うことで、絶縁性GaAs基板の受光面とは反対側に間隔が8μm、深さが250nmのグルーブ構造を形成した。
(実施例5)
実施例4の光電変換素子のグルーブ構造上に、さらに蒸着法によってAg膜を200nm成膜することで光散乱性反射層を作製した。
(実施例6)
実施例3と同様に、n型GaAs基板上にMOVPE法を用いて、基板厚さが100μmで第1電極を形成した光電変換素子を作製した。次に、実施例4と同様にn型GaAs基板の受光面とは反対側に、基板自体にグルーブ構造を形成した後、さらに蒸着法によってAu膜を200nm成膜することで光散乱性反射層を作製し、反射層を第2電極とした。
(比較例3)
比較例2と同様に、n型GaAs基板上にMOVPE法を用いて、第1電極を形成した基板厚さ350μmの光電変換素子を作製した。次に実施例6と同様に光散乱性反射層を作製し、反射層を第2電極とした。
(実施例7)
実施例1と同様に、絶縁性GaAs基板上にMOVPE法を用いて、第1電極および第2電極を形成した基板厚さ350μmの光電変換素子を作製した。
(金属ナノホール構造の作製)
絶縁性GaAs基板の受光面とは反対側に、直径800nmのSiOビーズからなる単層膜を形成し、CHF/O混合ガスによるエッチングによってSiOビーズの大きさを600nmにした。その後、SiOビーズをマスクとしてGaAs基板の受光面とは反対側に、Agを1μm堆積し、光散乱性反射層を作製した。
(実施例8)
実施例3と同様に、n型GaAs基板上にMOVPE法を用いて、基板厚さが100μmで第1電極を形成した光電変換素子を作製した。
(金属ナノホール構造の作製)
n型GaAs基板の受光面とは反対側に、直径800nmのSiOビーズからなる単層膜を形成し、CHF/O混合ガスによるエッチングによってSiOビーズの大きさを600nmにした。その後、SiO2ビーズをマスクとしてGaAs基板の受光面とは反対側に、Auを1μm堆積し、光散乱性反射層を兼ねる第2電極を作製した。
(比較例4)
比較例2と同様に、n型GaAs基板上にMOVPE法を用いて、第1電極を形成した基板厚さ350μmの光電変換素子を作製した。次に、実施例8と同様に光散乱性反射層を兼ねる第2電極を作製した。
(実施例9)
MOVPE法を用いて、光電変換素子を作製した。具体的には、両面が鏡面の350μm厚さの絶縁性GaAs基板(キャリア濃度:1×10cm−3)をMOVPE装置に投入し、温度600℃、圧力10kPaで、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、ターシャリーブチルアルシン、ターシャリーブチルフォスフィンを原料、水素をキャリアガスに用いて結晶成長を行った。まず、第2コンタクト層としてn型のGaAs(キャリア濃度:2×1018cm−3)を1μm形成した。続いて、第2半導体層(ベース層)としてn型のGaAs(キャリア濃度:2×1018cm−3)を2.5μm成膜した。次に光電変換層として、まずi相のGaAsを0.1μm成膜し、その後、量子構造として、井戸層In0.17Ga0.83As(8.54nm)、障壁層GaAs0.780.22(18.1nm)からなる層を10層積層した。さらに、i相のGaAsを0.1μm成膜した。第1半導体層(エミッタ層)としてp型のGaAs(キャリア濃度:2×1018cm−3)を0.8μm、窓層としてp型のIn0.49Ga0.51P(キャリア濃度:5×1018cm−3)を0.04μm、第1コンタクト層(表面コンタクト層)としてp型のGaAs(キャリア濃度:1×1019cm−3)を0.04μm、順次成長させた。次に成長させたエピタキシャル層を、量子井戸層部分をマスクして第2半導体層までエッチング除去し、第2電極としてAuGe/Niを蒸着し、窒素中380℃で熱処理を施した。さらに第1コンタクト層に電極パターンの窓明けをしたレジストを形成し、Ag/Auを蒸着後、リフトオフ法にて第1電極(表面電極)を形成し、第1電極をマスクとして電極が形成されていない部分の第1コンタクト層をエッチングにより除去した。次に、実施例7と同様に光散乱性反射層を作製した。
(吸光係数の評価)
分光光度計を用いて基板および基板上に各層を成膜したサンプルの光透過率と入射角5度の絶対反射率から基板および各層の吸光度を算出した。より具体的には、作製した量子井戸構造のバンドギャップである1000nmの光の、GaAsの吸光係数を算出したところ、キャリア濃度が2×1018cm−3のn型GaAs(基板、ベース層、コンタクト層)は6.58cm−1、キャリア濃度1×10cm−3の絶縁性GaAs(基板)は1.11cm−1であった。
(太陽電池性能の測定)
それぞれの光電変換素子について分光感度測定を行った。分光感度測定装置はキセノンランプとハロゲンランプの二灯式で、モノクロメーターで分光した300〜1100nmの単色光を太陽電池に照射しACモードで行い、それぞれの波長の照射光子数と光電流値から量子収率を算出した。図5に、実施例1および比較例1の光電変換素子の量子収率と受光する光の波長との関係を示す。得られた分光感度と太陽光スペクトルから、890〜1100nmの光照射で発電する電流を算出した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2013219073
表1に示すように、ΣαDが0.1より小さい各実施例において、890nmから1100nmの短絡電流が顕著に増加することが確認された。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
例えば、上述の各実施の形態では、量子構造層60が量子井戸構造を有しているが、量子構造層60は周知の量子ドット構造を有してもよい。また、量子構造層60をサンドイッチするi型半導体層を含んでもよい。i型半導体層を形成することにより、pn接合を形成している半導体のエネルギーギャップに対応した波長の光に加えて、量子構造層60に形成される実効的なエネルギーギャップに対応した波長の光も吸収できるため、変換効率を高めることができる。なお、前記i型半導体層は、積層体200には含まれない。
また、上述の各実施の形態では、受光面側にp型半導体層が形成されているが、受光面側にn型半導体層が形成されていてもよい。
10 光電変換素子、20 第1電極、30 第1コンタクト層、40 窓層、50 第1半導体層、60 量子構造層、70 第2半導体層、80 第2コンタクト層、90 基板、100 光散乱性反射層、110 第2電極、200 積層体

Claims (9)

  1. 受光面側に位置する第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層の導電型と反対の導電型の第2の半導体層と、
    前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間に設けられており、
    前記第1の半導体層および前記第2の半導体層のバンドギャップ以上のバンドギャップを有する1以上の第1の半導体領域と、前記第1の半導体層および前記第2の半導体層のバンドギャップ以下のバンドギャップを有する1以上の第2の半導体領域と、を有する量子構造層と、
    受光面とは反対側の前記量子構造層の主表面に積層され、前記第2の半導体層を含む複数の層からなる積層体と、
    受光面とは反対側の前記積層体の主表面に設けられている光散乱性反射層と、
    を備え、
    前記積層体の各層について、前記量子構造層に吸収される光の波長での光の吸光係数をαcm−1、各層の厚さをDcmとしたとき(i=2〜n:nは積層体における層の数)、
    ΣαiDi<0.1
    という関係を満たす光電変換素子。
  2. 前記光散乱性反射層は、受光面とは反対側の前記積層体の主表面に2次元配置された複数の金属ナノ粒子である請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記光散乱性反射層を被覆する透明層と、
    前記透明層に積層された反射層と、
    をさらに備える請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 前記積層体、前記透明層および前記反射層が導電性を有し、前記反射層が電極を兼ねる請求項3に記載の光電変換素子。
  5. 前記光散乱性反射層は、受光面とは反対側の前記積層体の主表面に2次元配置された複数の金属ナノホールを有する請求項1に記載の光電変換素子。
  6. 前記積層体が導電性を有し、前記光散乱性反射層が電極を兼ねる請求項5に記載の光電変換素子。
  7. 受光面側に位置する第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層の導電型と反対の導電型の第2の半導体層と、
    前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間に設けられており、
    前記第1の半導体層および前記第2の半導体層のバンドギャップ以上のバンドギャップを有する1以上の第1の半導体領域と、前記第1の半導体層および前記第2の半導体層のバンドギャップ以下のバンドギャップを有する1以上の第2の半導体領域と、を有する量子構造層と、
    受光面とは反対側の前記量子構造層の主表面に積層され、前記受光面とは反対側に光散乱性反射構造の反射面を有する基板、および前記第2の半導体層を含む複数の層からなる積層体と、
    を備え、
    前記積層体の各層について、前記量子構造層に吸収される光の波長での光の吸光係数をαcm−1、各層の厚さをDcmとしたとき(i=2〜n:nは積層体における層の数)、
    ΣαiDi<0.1
    という関係を満たす光電変換素子。
  8. 前記積層体および前記基板が導電性を有し、前記基板が電極を兼ねる請求項7に記載の光電変換素子。
  9. 前記第1の半導体層、前記第2の半導体層および前記量子構造層がIII−V族化合物半導体で形成されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光電変換素子。
JP2012085552A 2012-04-04 2012-04-04 光電変換素子 Pending JP2013219073A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012085552A JP2013219073A (ja) 2012-04-04 2012-04-04 光電変換素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012085552A JP2013219073A (ja) 2012-04-04 2012-04-04 光電変換素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013219073A true JP2013219073A (ja) 2013-10-24

Family

ID=49590887

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012085552A Pending JP2013219073A (ja) 2012-04-04 2012-04-04 光電変換素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013219073A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014199573A1 (ja) * 2013-06-13 2014-12-18 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 光電変換素子および光電変換素子の作製方法
JP2016127183A (ja) * 2015-01-06 2016-07-11 シャープ株式会社 光電変換素子

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07131040A (ja) * 1993-10-30 1995-05-19 Sanyo Electric Co Ltd 光起電力装置
JP2011114153A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Mitsubishi Electric Corp 光電変換装置およびその製造方法
WO2011161961A1 (ja) * 2010-06-23 2011-12-29 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 光電変換素子

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07131040A (ja) * 1993-10-30 1995-05-19 Sanyo Electric Co Ltd 光起電力装置
JP2011114153A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Mitsubishi Electric Corp 光電変換装置およびその製造方法
WO2011161961A1 (ja) * 2010-06-23 2011-12-29 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 光電変換素子

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014199573A1 (ja) * 2013-06-13 2014-12-18 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 光電変換素子および光電変換素子の作製方法
JP2016127183A (ja) * 2015-01-06 2016-07-11 シャープ株式会社 光電変換素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5150473B2 (ja) 積層型光電変換装置
US9559230B2 (en) Solar cell and method for manufacturing same
US8802971B2 (en) Photoelectric conversion element
WO2012160764A1 (ja) 光電変換素子
US20140090705A1 (en) Photoelectric conversion element
JP2001203376A (ja) 太陽電池
TWI483410B (zh) 太陽能電池、其製造方法及其模組
TWI476144B (zh) 週期性奈米孔洞狀結構陣列之製造方法及其用途
JP2013219073A (ja) 光電変換素子
JP5517775B2 (ja) 光電変換素子
JP2019009402A (ja) 太陽電池およびその製造方法
JP5357632B2 (ja) 光電変換装置
WO2017067413A1 (zh) 太阳能电池片、其制备方法及其组成的太阳能电池组
KR102253547B1 (ko) 무색 투명 반도체 기판 및 이의 제조방법
TWI470814B (zh) 太陽能電池
JP5667511B2 (ja) 光電変換素子
JP5649856B2 (ja) 光電変換素子
JP5412376B2 (ja) 太陽電池
KR101575854B1 (ko) 태양전지용 웨이퍼 구조체 및 이의 제조 방법
KR20110120540A (ko) 양자점을 이용한 형광공명에너지전달-기반 태양전지
JP5667510B2 (ja) 光電変換素子
WO2014199573A1 (ja) 光電変換素子および光電変換素子の作製方法
CN117577723A (zh) 多结太阳能电池、钙钛矿晶硅叠层电池、晶硅电池及其制备方法
TWI495127B (zh) 太陽能電池、其製造方法及其模組
TW201628208A (zh) 具表面階層式抗反射層之太陽能電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160112

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160510