JP2016127183A - 光電変換素子 - Google Patents

光電変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2016127183A
JP2016127183A JP2015001002A JP2015001002A JP2016127183A JP 2016127183 A JP2016127183 A JP 2016127183A JP 2015001002 A JP2015001002 A JP 2015001002A JP 2015001002 A JP2015001002 A JP 2015001002A JP 2016127183 A JP2016127183 A JP 2016127183A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
light
solar cell
semiconductor layer
photoelectric conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015001002A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6474618B2 (ja
Inventor
朋宏 野澤
Tomohiro Nozawa
朋宏 野澤
真 和泉
Makoto Izumi
真 和泉
荒川 泰彦
Yasuhiko Arakawa
泰彦 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
University of Tokyo NUC
Original Assignee
Sharp Corp
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp, University of Tokyo NUC filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2015001002A priority Critical patent/JP6474618B2/ja
Publication of JP2016127183A publication Critical patent/JP2016127183A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6474618B2 publication Critical patent/JP6474618B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/52PV systems with concentrators

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】量子ドットを有する太陽電池において、量子ドットの光吸収を向上させる。
【解決手段】光電変換素子は、p型半導体層と、n型半導体層と、p型半導体層及びn型半導体層に挟まれ、量子ドットが障壁層によって囲まれた構造からなる超格子半導体層と、量子ドットの伝導帯側の中間バンドから障壁層の伝導帯への遷移であるサブバンド間遷移によって吸収される光の光路長を少なくとも増大させる光路長増大要素と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子に関する。
特許文献1には、量子構造層を有する光電変換素子において、光電変換素子の受光面側とは反対側の積層体の主表面に光散乱性反射層を設けた構成が開示されている。光散乱性反射層を設けることにより、反射光の光路長を増大させて、太陽光スペクトルのうち、主に890〜1100nmの波長の光の吸収を向上させる構造が記載されている。
特開2013―219073号公報
しかしながら、量子ドットを有する光電変換素子では、量子ドットの光吸収を向上させるために、中間バンドを介した2段階光吸収を効率的に起こす必要がある。2段階光吸収には、1段階目の光吸収(価電子帯から中間バンドへの光学遷移であるインターバンド遷移)と2段階目の光吸収(中間バンドから伝導帯への遷移であるサブバンド間遷移)がある。発明者らの研究から、量子ドットを有する太陽電池(以下、量子ドット太陽電池と呼ぶ)を高効率化させる上で、1段階目の光吸収も十分ではないが、特に2段階目の光吸収が十分ではない事が明らかになってきた。2段階光吸収が十分ではない場合、量子ドットを挿入していない従来の単接合太陽電池(例えばSi太陽電池やGaAs太陽電池)と比べて付加的な光吸収がほとんど無い分、量子ドット太陽電池の変換効率が向上しないばかりか、むしろ量子ドットが再結合中心として働き、変換効率が大きく減少してしまう。従って、2段階光吸収を効率的に起こす事が非常に重要となる。量子ドット太陽電池の材料としてどのような材料を用いるにしても、太陽光スペクトルの1100nm以上の成分の光を2段階光吸収によって効率的に吸収する事が不可欠となる。
本発明の実施形態では、量子ドットを有する光電変換素子において、量子ドットの光吸収を向上させる技術を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態における光電変換素子は、p型半導体層と、n型半導体層と、量子ドットが障壁層によって囲まれた構造からなる超格子半導体層と、前記量子ドットの伝導帯側の中間バンドから前記障壁層の伝導帯への遷移であるサブバンド間遷移によって吸収される光の光路長を少なくとも増大させる光路長増大要素とを備える。
本願開示によれば、光路長増大要素によって、サブバンド間遷移によって吸収される光の光路長を少なくとも増大させることができるので、量子ドットにおいて長波長の光の吸収を向上させることができる。
図1は、第1の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。 図2は、本実施形態における太陽電池のエネルギーバンドを模式的に示す図である。 図3は、図2のエネルギーバンドの模式図の一部を抜き出した図である。 図4は、テクスチャ構造の部分拡大図である。 図5は、テクスチャの間隔d[μm]と、太陽電池の内部における光の電界強度との関係を演算により求めた結果を示す図である。 図6Aは、量子ドット層をInAsにより形成し、障壁層をGaAsにより形成した量子ドット太陽電池において、理論的なエネルギー限界効率が、サブバンド間遷移に相当する太陽光の電界強度の増大に伴ってどの程度向上するかを示す図であり、非集光の条件下での結果を示している。 図6Bは、量子ドット層をInAsにより形成し、障壁層をGaAsにより形成した量子ドット太陽電池において、理論的なエネルギー限界効率が、サブバンド間遷移に相当する太陽光の電界強度の増大に伴ってどの程度向上するかを示す図であり、1000倍集光の条件下での結果を示している。 図7Aは、量子ドット層をInAsにより形成し、障壁層をInGaPにより形成した量子ドット太陽電池において、理論的なエネルギー限界効率が、サブバンド間遷移に相当する太陽光の電界強度の増大に伴ってどの程度向上するかを示す図であり、非集光の条件下での結果を示している。 図7Bは、量子ドット層をInAsにより形成し、障壁層をInGaPにより形成した量子ドット太陽電池において、理論的なエネルギー限界効率が、サブバンド間遷移に相当する太陽光の電界強度の増大に伴ってどの程度向上するかを示す図であり、非集光の条件下での結果を示している。 図8Aは、基板のテクスチャ構造の作製方法を説明するための図である。 図8Bは、基板のテクスチャ構造の作製方法を説明するための図である。 図8Cは、基板のテクスチャ構造の作製方法を説明するための図である。 図8Dは、基板のテクスチャ構造の作製方法を説明するための図である。 図9は、下部電極の裏面が平面になるように形成された太陽電池の構成を示す図である。 図10は、第2の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。 図11は、基板のテクスチャ構造の部分拡大図である。 図12は、第3の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。 図13は、第4の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。 図14は、第5の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。 図15は、第6の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。 図16は、第7の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。 図17は、第7の実施形態におけるコロイド量子ドット太陽電池のエネルギーバンドを模式的に示す図である。 図18は、第8の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。 図19は、波長変換粒子aと波長変換粒子bの2種類の波長変換粒子を基板に塗布した太陽電池の構成を示す概略断面図である。 図20は、第9の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。 図21は、第10の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。 図22は、第11の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。 図23は、第12の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。
本発明の一実施形態における光電変換素子は、p型半導体層と、n型半導体層と、量子ドットが障壁層によって囲まれた構造からなる超格子半導体層と、前記量子ドットの伝導帯側の中間バンドから前記障壁層の伝導帯への遷移であるサブバンド間遷移によって吸収される光の光路長を少なくとも増大させる光路長増大要素と、を備える。
この構成によれば、サブバンド間遷移によって吸収される光の光路長を少なくとも増大させることができるので、量子ドットにおいて長波長の光の吸収を向上させることができる。
前記光路長増大要素は、前記光電変換素子の受光面とは反対側の裏面に形成されたテクスチャ構造とすることができる。この構成によれば、裏面に形成されたテクスチャ構造によって、反射光の光路長を増大させることができるので、量子ドットにおいて長波長の光の吸収を向上させることができる。
前記光路長増大要素は、前記光電変換素子の受光面に形成されたテクスチャ構造とすることもできる。この構成によれば、入射光が屈折して斜め方向に入射することにより、入射光の光路長を増大させることができるので、量子ドットにおいて長波長の光の吸収を向上させることができる。
前記テクスチャ構造のテクスチャの間隔dは、前記量子ドットの伝導帯の基底準位から前記障壁層の伝導帯の下端準位までのエネルギーをEciとすると、1.24/Eci≦d≦1.24/Eci×3の関係を有する。この構成によれば、超格子半導体層の中間エネルギーバンドから伝導帯への光学遷移(サブバンド間遷移)による光吸収の度合を効果的に向上させることができる。
前記テクスチャ構造のテクスチャの間隔には第1の間隔と第2の間隔が含まれており、前記第1の間隔と前記第2の間隔が交互に形成されている構成とすることもできる。この構成によれば、サブバンド間遷移の光吸収だけでなく、量子ドットにおける価電子帯から中間エネルギーバンドへの光学遷移(インターバンド遷移)の光吸収の度合も向上させることができる。
前記第1の間隔をd1、前記第2の間隔をd2、前記量子ドットの伝導帯の基底準位から前記障壁層の伝導帯の下端準位までのエネルギーをEci、前記量子ドットの価電子帯の基底準位から前記量子ドットの伝導帯の基底準位までのエネルギーをEQDとすると、1.24/EQD≦d2≦1.24/EQD×3、1.24/Eci≦d1≦1.24/Eci×3、d1>d2の関係を有する。この構成によれば、サブバンド間遷移の光吸収と、インターバンド遷移の光吸収との両方の度合をより効果的に向上させることができる。
前記裏面に形成されたテクスチャ構造の凹凸の凹部に配置され、入射した光を吸収して、前記サブバンド間遷移によって吸収される光を少なくとも放出する波長変換粒子をさらに備えるようにしてもよい。この構成によれば、裏面に形成されたテクスチャ構造で反射できなかった光を波長変換粒子で吸収し、吸収した光とは異なる波長の光を放出することにより、サブバンド間遷移による長波長光の吸収度合をさらに向上させることができる。
前記光路長増大要素を、前記p型半導体層及び前記n型半導体層のうち、受光面とは反対の裏面側に位置する層の光入射側の面に形成されたテクスチャ構造としてもよい。この構成によれば、光が光電変換素子の裏面、例えば基板に到達する前に光を反射させることができるので、より効率的に光閉じ込めが生じる。これにより、光吸収、特に長波長光の光吸収度合を向上させることができる。
前記p型半導体層、前記n型半導体層、及び前記超格子半導体層を形成するための基板をさらに備え、前記光路長増大要素を、前記基板の光入射側の面に形成されたテクスチャ構造としてもよい。この構成によれば、光が基板の裏面に到達する前に反射させることができるので、より効率的に光閉じ込めが生じる。これにより、光吸収、特に長波長光の光吸収度合を向上させることができる。
前記光路長増大要素は、前記光電変換素子の受光面とは反対側の裏面に形成された反射膜であり、前記反射膜は、前記量子ドットの伝導帯の基底準位から前記障壁層の伝導帯の下端準位までのエネルギーをEciとすると、1.24/Eci[μm]の波長の光を少なくとも反射する構成とすることもできる。この構成によれば、サブバンド間遷移の光吸収の度合を効果的に向上させることができる。
[実施の形態]
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
本明細書において、超格子構造とは、共に半導体からなり、バンドギャップが異なる2つの層が繰り返し積層された構造である。
また、量子ドットは、100nm以下の粒子サイズを有する半導体微粒子であり、量子ドットを構成する半導体よりもバンドギャップの大きい半導体で囲まれた微粒子である。量子ドット層は、複数の量子ドットを含む層のことを指し、超格子構造の井戸層となる。量子準位は、量子ドットの電子の離散的なエネルギー準位をいう。障壁層は、量子ドットを構成する半導体よりもバンドギャップの大きい半導体からなり、超格子構造を構成する。
以下の説明では、光電変換素子を太陽電池に適用した例について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。第1の実施形態における太陽電池100は、基板1と、ベース層2と、超格子半導体層6と、エミッタ層7と、窓層8と、コンタクト層9と、上部電極10と、下部電極11とを備える。具体的には、基板1の上にベース層2が形成されており、ベース層2の上に超格子半導体層6が形成されている。また、超格子半導体層6の上にエミッタ層7が形成されており、エミッタ層7の上に窓層8が形成されている。窓層8の上にはコンタクト層9を介して上部電極10が設けられている。上部電極10は、例えばグリッド電極である。基板1の下面(裏面)には下部電極11が設けられている。
なお、図1に示す太陽電池100において、上部電極10が設けられている側が太陽光の受光面側である。従って、本明細書では、上部電極10が設けられている側の面を受光面、下部電極11が設けられている側の面を裏面と呼ぶ。
基板1は、n型不純物を含む半導体であって、例えばGaAsにより形成されており、その厚さは例えば500μmである。
ベース層2は、n型不純物を含む半導体であって、例えばGaAsにより形成されており、その厚さは例えば300nmである。なお、基板1とベース層2の間に、バッファ層を設けてもよい。バッファ層は、n型不純物を含む半導体、例えばn−GaAsにより形成され、その厚さは例えば300nmとすることができる。この層は、裏面電界(BSF:Back Surface Field)効果としても機能する事ができる。
エミッタ層7は、p型不純物を含む半導体であって、例えばGaAsにより形成されており、その厚さは例えば250nmである。
窓層8は、p型不純物を含む半導体であって、例えばAl0.75Ga0.25Asにより形成されており、その厚さは例えば50nmである。
コンタクト層9は、p型不純物を含む半導体、例えばp−GaAsにより形成されている。なお、図1に示すように、コンタクト層9の内、電極形成部分以外の領域を除去してもよい。この場合に、窓層8の上に反射防止膜(例えば、MgF/ZnS膜)を設けてもよい。
超格子半導体層6は、複数の量子ドット3からなる量子ドット層4と、障壁層5とが交互に繰り返し積層された超格子構造を有しており、量子ドット3の価電子帯及び伝導帯にそれぞれ中間エネルギーバンド(中間エネルギー準位)を形成する。量子ドット3は、障壁層5によって囲まれた構造となっている。
量子ドット3は、障壁層5を構成する半導体材料よりも狭いバンドギャップを有する半導体材料からなり、量子効果により、量子準位を有する。量子ドット3は、例えばInAsにより形成されており、幅は例えば25nmであり、高さは例えば8nmである。量子ドット3は、例えばSK成長により作製することができる。 SK成長では、例えばn−GaAs(100)基板に、n−GaAsバッファー層を300nm、n−GaAsを300nm、アンドープGaAsを300nm積層し、その上にInAs量子ドットを形成する。InAs量子ドットは、InAs薄膜層をGaAs膜の上に2.2ML積層させる事で形成される。このように量子ドット3が形成される理由は、InAs層がある一定の膜厚(臨界膜厚)を越えると量子ドット3を形成する事で、GaAs層とInAs層の格子定数の違いから生じる歪みエネルギーが小さくなるためである。InAs量子ドット層とGaAs障壁層5を任意の積層回数で繰り返し形成した後は、250nmのp−GaAs、50nmのp−Al0.75Ga0.25As窓層8、pGaAsコンタクト層9を形成する。
障壁層5は、量子ドット3を構成する半導体材料よりも広いバンドギャップを有する半導体材料からなる。障壁層5は、量子ドット層4のまわりのポテンシャル障壁を形成する。障壁層5は、例えばGaAsにより形成されており、その厚さは例えば1層辺り40nmである。なお、量子ドット層4/障壁層5を複数回積層した後に、障壁層5を一度厚く積層すれば、量子ドットの多積層化をより容易に行う事ができる。また、歪み補償層などを障壁層5の途中に挿入する事によっても量子ドットの多積層化をより容易に行う事ができる。
本実施形態において、超格子半導体層6に、例えばInGaAsからなる量子ドット3、AlGaAsからなる障壁層5を用いることができる。また、InAsSbからなる量子ドット3、AlAsSbからなる障壁層5を用いることができる。他にInAs、GaAs、AlAs、InSb、GaSb、AlSb、InP、GaP、AlPの材料、AlGaIn1−x−yAs、AlGaIn1−x−ySbAs1−z、AlGaIn1−x−yP、AlGaIn1−x−yNなどの混晶材料を超格子半導体層6に用いることもできる。上記以外のIII−V族化合物半導体、カルコパイライト系材料、II−VI族化合物半導体、IV族化合物半導体あるいはこれらの混晶材料を用いてもよい。
太陽光スペクトルの内、1600nm、2200nm付近の光をサブバンド間で効率良く吸収する構造とするためには、超格子半導体層6にワイドバンドギャップ材料(GaAsよりも大きなバンドギャップを有する材料)を用いることが好ましい。 これは、従来の量子ドット太陽電池で良く利用されているInAs/GaAs材料では、伝導帯のバンドオフセットが小さく、サブバンド間遷移による吸収波長帯域が4000nm程度以上になりやすいためである。従って、例えば、量子ドット3/障壁層5の組み合わせとして、InAs/AlAsSb、InGaN/GaN、InAs/InGaP材料などを用いるのが好ましい。
なお、量子ドット3及び障壁層5を混晶からなる材料で形成する場合、混晶の元素割合を適宜変更することにより、量子準位及び障壁層5のバンドギャップを変更したり、価電子帯バンドエネルギーオフセット(量子ドット3と障壁層5の価電子帯エネルギー差)をゼロにしたりすることができる。
また、量子ドット3がn型ドーパントで直接ドーピングされたり、障壁層5がn型ドーパントで変調ドーピングされると、量子ドット3のサブバンド間光吸収が効率的に起こって好ましい。 さらに、量子ドット3の密度と同程度のドーパント濃度でドーピングするとさらに好ましい。これは、もし量子ドット3もしくは障壁層5中にドーピングされておらず、電子が量子ドット3中に存在しないと、インターバンド吸収によって電子が励起されたときのみサブバンド間光吸収が起こる事になるが、量子ドット3もしくは障壁層5中にドーピングされていると、インターバンド吸収が起こる前にサブバンド吸収を起こす事ができるためである。すなわち、ドーピングしているとサブバンド間光吸収が起きる頻度が高くなる。
これまで、量子ドット太陽電池の構成材料として、主にInAs/GaAs等の直接遷移型半導体が用いられてきた。直接遷移型半導体は、間接遷移型半導体とは異なり、光吸収係数が大きく、直接遷移型半導体材料を用いた量子ドット3もまた光吸収係数が大きいと期待されてきた。しかしながら、量子ドット3自体の光吸収係数はそれほど大きくないということが発明者等の研究により分かってきた。特に、量子ドット3の伝導帯側の基底準位(中間バンド)から障壁層5の伝導帯の基底準位への光学遷移であるサブバンド間遷移による光吸収の度合が小さい。
従って、本実施形態における太陽電池100では、光路長を長くすることによって、量子ドット3の伝導帯側の基底準位(中間バンド)から障壁層5の伝導帯の基底準位への光学遷移であるサブバンド間遷移による光吸収がされやすくなるようにしているサブバンド間遷移によって吸収される光の光路長を増大させるために、光路長増大要素を設けた。ここでは、光路長増大要素として、太陽電池100の受光面とは反対の裏面側に、テクスチャ構造と呼ばれる微小な凹凸を複数形成する。図1に示す構成例では、裏面にテクスチャ構造1aを設けている。また、基板1のテクスチャ構造1aに合わせて、下部電極11にもテクスチャ構造が設けられている。
基板1にテクスチャ構造1aを設けることにより、超格子半導体層6で吸収されなかった光が基板1の裏面側で反射する際に、拡散(散乱)される。斜め方向への反射は、平面反射と比べて、光路長が長くなるので、 インターバンド間遷移もしくはサブバンド間遷移で吸収される長波長帯域の光を効率的に吸収することができる。
テクスチャ構造1aは、量子ドット3の光吸収波長帯域に合わせて設計する。量子ドット3の光吸収波長帯域とは、量子ドット3の価電子帯の基底準位から量子ドット3の伝導帯の基底準位への光学遷移(以下、インターバンド遷移と呼ぶ)による光吸収波長帯域と、上述したサブバンド間遷移による光吸収波長帯域のことである。
図2は、本実施形態における太陽電池100のエネルギーバンドを模式的に示す図である。図2では、上述したインターバンド遷移21、サブバンド間遷移22の他に、価電子帯から伝導帯への光学遷移であるバルク遷移23をそれぞれ示している。
上述したように、量子ドット太陽電池では、特に、サブバンド間遷移22の光励起の強度が小さいことを発明者等は見出した。従って、基板1に設けるテクスチャ構造1aは、サブバンド間遷移22の光吸収波長帯域に応じて設計することが好ましい。
図3は、図2のエネルギーバンドの模式図の一部を抜き出した図である。障壁層5のバンドギャップをEg[eV]、量子ドット3のバンドギャップ(量子ドット3の伝導帯側の基底準位と価電子帯側の基底準位との間のエネルギー)をEQD[eV]、量子ドット3の伝導帯側の基底準位エネルギーをEib[eV]、障壁層5の伝導帯の下端のエネルギー準位をEcb[eV]、量子ドット層4の伝導帯の基底準位から障壁層5の伝導帯の下端のエネルギー準位までのエネルギーをEci[eV]とする。
量子ドット層4のバンドギャップEQDは、量子ドット層4のPLスペクトルから決定することができる。このとき、価電子帯側のバンドオフセットは一般的には小さく、Eci≒Eg−EQDと近似的にみなすことができる。従って、本実施形態でも、Eci≒Eg−EQDとみなしている。なお、一般的に、量子ドット太陽電池では、Eg>EQD>Eciという関係を有する。なお、価電子帯側のバンドオフセットが非常に大きい場合には、その値を差し引いて、Eciを算出すれば良い(価電子帯側はヘビーホールが存在するため、価電子帯側の量子ドットの基底準位から障壁層の価電子帯上端までのエネルギー差と価電子帯側のバンドオフセットはほぼ等しい)。量子構造計算からそれぞれの値を決定する事もできる。
テクスチャ構造1aのテクスチャの間隔d[μm]は、1.24/Eci≦d≦1.24/Eci×3とすることが好ましい。テクスチャの間隔d[μm]は、テクスチャを構成する凹凸の隣り合う凸部の頂点の中心の間の間隔のことである。凸部の頂点の中心とは、凸部の面の重心の事である。なお、1.24/Eci[μm]は、Eci[eV]の電磁波のエネルギーを波長に換算した値に相当する。
量子ドット太陽電池では、サブバンド間遷移に対応するEciのエネルギーを持つ光の吸収が最も効率的に起こることが望まれている。この波長帯域の光の吸収が起こらないと、量子ドット層4からのキャリア取り出しが効率的に起こらず、エネルギー変換効率の上昇が期待できない。Eciのエネルギーを持つ光の吸収を起こすということは、量子ドット層4中のサブバンド間遷移と、その後のキャリア取り出しの両方を効率的に起こすことができることを意味する。
また、Eciを太陽光スペクトル(AM1.5G)のピーク位置に合致させると、さらに効率的な光吸収を期待できる。例えば、Eci=0.56eV(波長では2200nm)、Eci=0.78eV(波長では1600nm)に近い量子ドット太陽電池材料と、それに最適なテクスチャ構造を用いることが好ましい。
ここで、Eciに相当する波長とテクスチャの間隔d[μm]の関係を1.24/Eci≦dとしたのは、この領域において、テクスチャ構造による光吸収増大効果が顕著になるためである。
また、d≦1.24/Eci×3としたのは、太陽電池作製プロセス時間の短縮化・コスト低減のためである。テクスチャの間隔dが大きい場合には、テクスチャ構造の断面角度(後述の図4のθ)が同じであるとすると、それだけ余分な半導体層膜が必要となるため、太陽電池作製プロセス時間及びコストの観点からは大きすぎない方がよい。
光吸収の効果が最も高いのは、図5を用いて後述するように、吸収したい光の波長とテクスチャの間隔dが同程度の場合である。従って、テクスチャの間隔dを1.24/Eciとすれば、サブバンド間遷移の光吸収と量子ドット層4からのキャリア取り出しの両方を効率的に起こすことができる。
上記観点から、テクスチャの間隔dは1.24/Eciに近ければ近い程よく、1.24/Eci≦d≦1.24/Eci×1.5であるとさらに好ましい。
図4は、テクスチャ構造1aの部分拡大図である。テクスチャ構造1aは、例えばピラミッド構造である。図4に示す角度θは、テクスチャ形成時のウェットエッチングの条件によっては結晶面方位で決まる角度になる。θは、例えば15°<θ<60°であれば、光路長増大効果が大きいため好ましい。
なお、ウェットエッチングを行う場合でも同じであるが、特にドライエッチングを行えば、テクスチャの形状をピラミッド形状とは異なる形状とすることができる。
図5は、テクスチャの間隔d[μm]と、太陽電池100の内部における電界強度との関係を演算により求めた結果を示す図である。光の波長は、1.2[μm]、1.5[μm]、2.2[μm]の3種類とした。縦軸に示す電界強度は、基板1にテクスチャ構造1aを設けない場合を1として、テクスチャ構造無しの場合に対する倍率を示している。なお、テクスチャ構造1aの断面の角度θは55°とした。
図5に示すように、テクスチャの間隔dが光の波長と同程度の場合に、電界強度が最も高くなる。また、テクスチャの間隔dが光の波長より長くなった場合でも、一定の電界強度増大効果があることが分かる。例えば、波長1.2[μm]の光に対しては、テクスチャの間隔dが1.2[μm]の時に最も電界強度が大きくなる。また、テクスチャの間隔dが1.2[μm]より長くなっても、電界強度は1を超えており、電界強度増大効果がある。
図6A及び図6Bは、量子ドット層4をInAsにより形成し、障壁層5をGaAsにより形成した量子ドット太陽電池において、サブバンド間遷移に相当する太陽光の電界強度の増大に伴って、理論的なエネルギー限界効率がどの程度向上するかを示す図である。図6Aは、非集光の条件下、図6Bは1000倍集光の条件下での結果を示している。また、図6A及び図6Bにおいて、量子ドット太陽電池の結果を実線で示し、量子ドット層4を備えていない太陽電池(以下、バルク太陽電池と呼ぶ)の結果を点線で示している。
バルク遷移の光吸収係数を10000cm−1、インターバンド間遷移の光吸収係数を5000cm−1、サブバンド間の光吸収係数を500cm−1とした。また、ベース層2、エミッタ層7の厚みをそれぞれ0.5μm、量子ドット層4の厚みを3μmとした。図6A及び図6Bでは、基板1にテクスチャ構造1aが無い場合の電界強度を1倍とし、それに対してテクスチャ構造1aを設けて電界強度を増大させた場合のエネルギー変換効率を示している。
図6Aに示すように、非集光条件下では、電界強度が低いと、量子ドット太陽電池のエネルギー変換効率がバルク太陽電池のエネルギー変換効率を下回ってしまう。一方、電界強度を3〜4倍程度にできれば、量子ドット太陽電池のエネルギー変換効率は、バルク太陽電池のエネルギー変換効率を十分に上回る。
一方、図6Bに示すように、1000倍集光の条件下では、量子ドット太陽電池のエネルギー変換効率がバルク太陽電池のエネルギー変換効率を下回ることはない。特に、量子ドット太陽電池では、電界強度が3〜4倍程度になるまでは、電界強度の増大に伴ってエネルギー変換効率が上昇する。
図7A及び図7Bは、量子ドット層4をInAsにより形成し、障壁層5をIn0.48Ga0.52Pにより形成した量子ドット太陽電池において、サブバンド間遷移に相当する太陽光の電界強度の増大に伴って理論的なエネルギー限界効率がどの程度向上するかを示す図である。図7Aは、非集光の条件下、図7Bは1000倍集光の条件下での結果を示している。また、図7A及び図7Bにおいて、量子ドット太陽電池の結果を実線で示し、バルク太陽電池の結果を点線で示している。
図7A及び図7Bに示すように、量子ドット層4をInAsにより形成し、障壁層5をIn0.48Ga0.52P により形成した量子ドット太陽電池では、非集光条件下及び1000倍集光条件下のいずれの条件下でも、量子ドット太陽電池のエネルギー変換効率がバルク太陽電池のエネルギー変換効率を下回ることはない。特に、量子ドット太陽電池では、非集光条件下及び1000倍集光条件下のいずれの条件下でも、電界強度が5倍程度までは、電界強度の増大に伴ってエネルギー変換効率が上昇する。
量子ドット層4をInAsにより形成し、障壁層5をIn0.48Ga0.52Pにより形成した量子ドット太陽電池では、障壁層5がワイドバンドギャップを有するため、電界強度の増強がより重要であることが分かる。
本実施形態における太陽電池のうち、基板1のテクスチャ構造1a以外の部分は、既知の方法、例えば特許第5509059号に記載の方法により作製することができる。例えば、基板1を有機系洗浄液で洗浄した後、硫酸系エッチング液によってエッチングし、さらに流水洗浄を施した後、MOCVD装置内に設置する。この基板1の上にベース層2及び障壁層5となるGaAs層を結晶成長させた後、自己組織化機構を用いて、InAsからなる量子ドット層4を形成する。この障壁層5と量子ドット層4との結晶成長の繰り返しを行い、超格子半導体層6を形成する。続いて、超格子半導体層6の上にエミッタ層7、エミッタ層7の上に窓層8、窓層8の上にコンタクト層9を形成する。続いて、コンタクト層9上に、フォトリソグラフィーとリフトオフ技術により櫛型電極を形成し、この櫛形電極をマスクとして、もしくは新たにマスク層を形成して、コンタクト層9を選択エッチングして上部電極10を形成する。また、下部電極11は、後述する方法によって基板1の裏面にテクスチャ構造1aを形成した後に形成する。
以下では、基板1のテクスチャ構造1aの作製方法について説明する。図8A〜図8Dは、基板1のテクスチャ構造1aの作製方法を説明するための図である。図8Aは、既知の方法により作製された量子ドット太陽電池を示している。この状態では、基板1にはテクスチャ構造1aは作製されていない。
この状態で、太陽電池の受光面をレジスト等で保護し、基板1の裏面にレジストを塗布した後、フォトリソグラフィー技術を用いる事で図8Bに示すように、レジスト80を形成する 。
続いて、図8Cに示すように、ウェットエッチングにより、基板1の裏面にテクスチャ構造1aを形成する。ウェットエッチングは、例えば硫酸と過酸化水素水との混合液や、リン酸と過酸化水素水との混合液を用いることができる。ウェットエッチングに用いる溶液の濃度や温度は、テクスチャ構造1aのサイズや形状に合わせて適宜選択することができる。
この後、図8Dに示すように、テクスチャ構造1aを形成した基板1の裏面に下部電極11 を形成する。下部電極11はオーミックを取れる材料であれば良いが、ITOなどの透明電極よりも、AuGe/Ni/Auなどの金属が良い。これは、金属の方が透明電極よりも長波長光に対する反射率がより高いためである。下部電極11の作製は、電子ビーム蒸着やスパッタなどを用いる。なお、下部電極11は、一部領域をリセスエッチングすることにより、ベース層2に直接形成してもよい。
なお、下部電極11は、電極の裏面(基板1と接しない側の面)が平面になるように形成(積層)してもよい。図9は、下部電極11の裏面が平面になるように形成された太陽電池100の構成を示す図である。
テクスチャ構造1aの作製プロセスの容易さの観点から、次のような作製方法を採用してもよい。すなわち、基板1上にコンタクト層9、窓層8、エミッタ層7、超格子半導体層6、ベース層2を順に形成し、その後、融着技術等により、別の支持基板(例えばシリコン基板やプラスチック基板)に転写する。そして、元の基板1を剥離した後で基板1にテクスチャ構造を形成する。テクスチャ構造が始めから形成されていた基板1に、量子ドット太陽電池素子を転写しても良い。このような手法を用いる別の利点として、薄い基板を用いられる事から、基板による光吸収(フリーキャリア吸収)を抑制する事ができる。
[第2の実施形態]
図10は、第2の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。第2の実施形態における太陽電池では、基板1のテクスチャ構造1bが四角錐台により形成されている。
テクスチャ構造1bのテクスチャの間隔d [μm]は、第1の実施形態における太陽電池と同様に、1.24/Eci≦d≦1.24/Eci×3とすることが好ましい。特に、第1の実施形態で説明したように、テクスチャの間隔dは1.24/Eciに近ければ近い程よく、1.24/Eci≦d≦1.24/Eci×1.5であるとさらに好ましい。
図11は、基板1のテクスチャ構造1bの部分拡大図である。図11に示すテクスチャ構造1bの断面の角度θは、例えば15°<θ<50°であれば、光路長増大効果が大きいため好ましい。また、図11に示す四角錐台の下面の一辺e[μm]は、あまり大きくない方が光路長増大効果が大きい。従って、e[μm]は、0<e<1.24/Eci/2とすることが好ましい。
本実施形態における太陽電池の製造方法のうち、第1の実施形態における太陽電池の製造方法と異なる部分、すなわち、基板1のテクスチャ構造1bの製造方法について説明する。例えば、図8Bを用いて説明した、基板1の裏面に形成するレジスト80として、水平方向の幅が広いレジストを用いれば、凸部が平面状の四角錐台の構造であるテクスチャ構造1bを形成することができる。
[第3の実施形態]
図12は、第3の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。第3の実施形態における太陽電池100では、太陽電池100の裏面ではなく、受光面にテクスチャ構造120aを設けている。
第3の実施形態における太陽電池100では、受光面にテクスチャ構造120aを設けるために、窓層8の上に、テクスチャ形成用の半導体層120を形成している。すなわち、半導体層120の受光面側にテクスチャ構造120aを形成する。半導体層120は、例えば、エミッタ層7や窓層8と同じ材料を用いて形成することができる。
太陽電池100の受光面にテクスチャ構造120aを設けた場合でも、入射光が屈折して斜め方向に入射することにより、入射光の光路長が増大する。これにより、サブバンド間遷移による長波長光の吸収度合を向上させることができる。
本実施形態における太陽電池の製造方法のうち、第1の実施形態における太陽電池の製造方法と異なる部分について説明する。本実施形態における太陽電池では、基板1の裏面にテクスチャ構造を形成しない。また、窓層8の上に半導体層120を形成してから、半導体層120の上にコンタクト層9を形成する。この後、第1の実施形態で説明したように上部電極10を形成した後、第1の実施形態で説明した基板1のテクスチャ構造1aの形成方法と同じ方法により、半導体層120にテクスチャ構造120aを形成する。
[第4の実施形態]
図13は、第4の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。第4の実施形態における太陽電池100では、太陽電池100の裏面だけでなく受光面にもテクスチャ構造を設けている。すなわち、基板1の裏面にテクスチャ構造1aを形成するとともに、窓層8の上に形成した半導体層120にもテクスチャ構造120aを形成する。
基板1に形成するテクスチャ構造1aは、第1の実施形態で説明したテクスチャ構造と同じ構造とすることができる。また、太陽電池100の受光面に形成するテクスチャ構造120aは、第3の実施形態で説明したテクスチャ構造と同じ構造とすることができる。第3の実施形態で説明したように、テクスチャ形成用の半導体層120は、例えば、エミッタ層7や窓層8と同じ材料を用いて形成することができる。
第4の実施形態における太陽電池100によれば、太陽電池100の裏面だけでなく受光面にもテクスチャ構造を設けるので、裏面だけ、または受光面だけにテクスチャ構造を設けた構成と比べて、サブバンド間遷移による長波長光の吸収度合をさらに向上させることができる。
第4の実施形態における太陽電池において、基板1のテクスチャ構造1aは第1の実施形態で説明した方法により形成することができ、半導体層120のテクスチャ構造120aは、第3の実施形態で説明した方法により形成することができる。
[第5の実施形態]
図14は、第5の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。第5の実施形態における太陽電池では、下部電極11が上部電極10と同じくグリッド電極である。下部電極11以外の構造は、第4の実施形態における太陽電池の構成と同じである。
本実施形態における太陽電池のうち、第4の実施形態における太陽電池の製造方法と異なる部分について説明する。下部電極11は、上部電極10の形成方法と同じ方法によって基板1の裏面にグリッド電極を形成する。この後、第1の実施形態で説明したテクスチャ構造1aの形成方法と同じ方法によって、基板1にテクスチャ構造1aを形成する。
[第6の実施形態]
図15は、第6の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。第6の実施形態における太陽電池100では、基板1に設けられたテクスチャ構造1cのテクスチャの間隔dが均一ではない。具体的には、テクスチャの間隔d[μm]として、d1[μm]とd2[μm]の2種類の間隔を有するテクスチャ構造1cとなっている。
2種類のテクスチャの間隔d1[μm]、d2[μm]は、次式(1)〜(3)の関係を満たすようにする。ただし、式(1)のEQD[eV]は、図3を用いて説明したように、量子ドット層4のバンドギャップである。
1.24/EQD≦d2≦1.24/EQD×3 …(1)
1.24/Eci≦d1≦1.24/Eci×3 …(2)
d1>d2 …(3)
2種類のテクスチャの間隔d1[μm]、d2[μm]は、交互に配列されている。ただし、2種類のテクスチャの間隔d1[μm]、d2[μm]をランダムに配列してもよい。
上述したように、間隔d1のテクスチャを設けることにより、サブバンド間遷移に対応するEciのエネルギーを持つ光の吸収度合を向上させることができる。また、間隔d2のテクスチャを設けることにより、インターバンド遷移に対応するEQDのエネルギーを持つ光の吸収度合を向上させることができる。従って、2種類のテクスチャ間隔d1[μm]、d2[μm]を有するテクスチャ構造1cを基板1に形成することにより、量子ドット層4におけるインターバンド間遷移の光吸収と、サブバンド間遷移の光吸収の両方を効率的に起こすことができる。
なお、2種類のテクスチャ間隔d1[μm]、d2[μm]を有するテクスチャ構造は、第3の実施形態で説明したように、太陽電池100の受光面に形成してもよいし、第4の実施形態で説明したように、太陽電池100の受光面と裏面の両面に形成してもよい。
本実施形態における太陽電池では、図8Bを用いて説明した、基板1の裏面に形成するレジスト80として、2種類の水平方向の幅を有するレジストを用いることにより、2種類のテクスチャ間隔dを有するテクスチャ構造を形成することができる。
[第7の実施形態 ]
第1〜第6の実施形態では、SK成長を用いた量子ドット太陽電池について説明した。しかしながら、量子ドット太陽電池は、コロイド量子ドット太陽電池であってもよい。
図16は、第7の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。この量子ドット太陽電池100は、コロイド量子ドット太陽電池であり、図16では、コア/シェル型の量子ドット太陽電池の構成の一例を示している。すなわち、量子ドット3Aは、コア/シェル型コロイド量子ドットである。
図16に示すコア/シェル型の量子ドット太陽電池100では、基板1の上にスズドープ酸化インジウム(ITO)やフッ素ドープ酸化スズ(FTO)の層160が形成されており、さらにその上にTiO層161が形成されている。また、TiO層161の上には、量子ドット3Aを含む量子ドット層162が形成されており、さらにその上に上部電極10が設けられている。基板1の裏面にテクスチャ構造1aが設けられており、裏面に下部電極11が設けられているのは、図1に示す太陽電池100と同じである。
コロイド量子ドットは、コア/シェル型に限定されることはない。量子ドットの材料としては、例えばZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、PbTe、CuInGaS、CuS、InGaZnO、InAs、GaAs、AlAs、InSb、GaSb、AlSb、InP、GaP、AlP、InN、GaN、AlN、Si、Geなどを用いることができる。
コア/シェル型量子ドットの材料としては、上述した材料を組み合わせて用いることができる。例えば、コア/シェルの材料の組み合わせとして、CdS/ZnSe、PbS/CdS、PbSe/CdSe、PbSe/PbS、PbTe/CdTe、InAs/InGaAs、InN/InGaN、InSb/GaSb、InGaP/GaPを用いることができる。
例えば、PbSe/CdTeコアシェル量子ドットは、以下のように作製できる。PbSe量子ドットは、PbO、オレイン酸、1−オクタデセンを混ぜ、トリオクチルフォスフィンセレン化物を加えて180度で加熱する。次に、カドミウムシクロヘキサブチレートをオレヤミン中で加熱して作製した溶液と、セレン粉末をオクタデセン中で加熱して作製した溶液を、交互にPbSe量子ドット溶液中に注ぐ事でPbSe量子ドットにCdTeシェル層を形成できる。量子ドット3Aとしてコロイド量子ドットを用いることにより、スピンコーティングやインクジェットプリンティング等、基板1上に塗布する簡易な製造プロセスを用いることができる。
また、基板1として、プラスチック等のフレキシブル基板やガラスを用いることができる。 基板1の上に、スズドープ酸化インジウム(ITO)やフッ素ドープ酸化スズ(FTO)の層160をスパッタ等で成膜し、その上にTiO層161をスパッタ等で成膜する。さらにその上に、コロイド量子ドット3Aが含まれる溶液をスピンコーティング等で積層する。厚膜を得たい場合は、複数回スピンコートを行う。その後、Au/Ag電極などを蒸着法を用いて形成すれば、太陽電池として機能する。溶液としては、例えば、PbSe/CdTe−QDオクタン溶液を用いればよい。このような太陽電池は、ホールが量子ドット層162側に、電子がTiO層161側に流れる。すなわち、量子ドット層162がp型層、TiO層161がn型層として機能する。コアシェル型量子ドット材料を用いた方が、量子効果を得やすく、より好ましい。
図17は、本実施形態におけるコロイド量子ドット太陽電池のエネルギーバンドを模式的に示す図である。図17では、インターバンド遷移21A、サブバンド間遷移22A、及びバルク遷移23Aをそれぞれ示している。
[第8の実施形態]
図18は、第8の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。第8の実施形態における太陽電池100は、第5の実施形態における太陽電池の構成に加えて、波長変換粒子170をさらに備える。波長変換粒子170は、光を吸収して、サブバンド間遷移によって吸収される光を放出する機能を有する。
基板1のテクスチャ構造1aは、吸収できなかった光を効果的に反射する構造であるが、理想的に全ての光を反射できるわけではない。従って、波長変換粒子170を設けて、基板1で反射できなかった光を波長変換粒子170で吸収し、サブバンド間遷移によって吸収される光を放出することにより、サブバンド間遷移による長波長光の吸収度合をさらに向上させるようにする。
波長変換粒子170は、基板1のテクスチャ構造1aの凹凸の凹部を埋めるように、基板1の裏面に成膜されている 。例えばオクタン溶液のような溶剤に含まれた波長変換粒子をスピンコート等で塗布し、その後例えば200℃で加熱する事により、溶剤が気化され波長変換粒子同士が密着し、成膜化できる。波長変換粒子170は、例えば1〜1000nm程度のナノ粒子蛍光体や半導体ナノ粒子からなる。粒子サイズは小さい程、テクスチャ構造1aの凹凸の凹部に隙間なく波長変換粒子を塗布することができ、1〜50nm程度の粒子がより好ましい。
波長変換粒子170は、フォトンエネルギーをEph[eV]とすると、Eci<Eph<EQDの帯域の太陽光エネルギーを吸収し、Eciのエネルギーを有する光に変換することが好ましい。これは、量子ドット3の光吸収スペクトル帯域が広くないからである。波長変換粒子170によって、サブバンド間遷移が可能な波長の光が放出されることにより、サブバンド間遷移によって長波長光の太陽光成分が効率的に吸収され、2段階光吸収が効率的に起こる。これにより、量子ドット3から効率的にキャリアが取り出され、電流が増大する。
波長変換粒子170の材料は、太陽光の波長をシフトさせることができる材料であれば、どのような材料でもよい。例えば、PbS、PbSe、PbTe、CuInGaS、InAs、GaAs、AlAs、InSb、GaSb、AlSb、InP、GaP、AlP、InN、GaN、AlN、Si、Geや、これらの混晶材料を用いることができる。また、錯体材料、希土類イオン(Er3+、Pr3+、Tm3+等)や、遷移元素を含有したガラス、Erドープガーネット結晶(YAG)、有機材料などを用いてもよい。
また、上述した材料をコアシェル構造、コアシェルシェル構造などに複数個用いてもよい。さらに、これらの材料を数ナノ〜数十ナノメートルのサイズとしてもよい。その場合には、サイズによりバンドギャップを自由に変えることができる。
基板1に塗布する波長変換粒子170は、1種類だけでなく、2種類とする方が好ましい。これは、量子ドット3がサブバンド間遷移のみならず、インターバンド間遷移においても、光吸収スペクトル帯域が広くないためである。
図19は、波長変換粒子170aと波長変換粒子170bの2種類の波長変換粒子170を基板1に塗布した太陽電池100の構成を示す概略断面図である。波長変換粒子170aは、Eci<Eph<EQDの帯域の太陽光スペクトルをEciのエネルギーを有する光に変換し、波長変換粒子bは、EQD<Eph<Egの帯域の太陽光スペクトルをEQDのエネルギーを有する光に変換することが好ましい。これにより、サブバンド間遷移だけでなく、インターバンド遷移によって長波長光の太陽光成分を効率的に吸収することができる。
ここで、波長変換粒子170aは、波長変換粒子170bが波長変換後に放出するフォトン(例えば、EQDのエネルギーを持つフォトン)、もしくは波長変換粒子170bが本来吸収すべきEQDよりも大きいエネルギーを持つフォトンを吸収してしまう可能性がある。従って、波長変換粒子170bに先に太陽光が入射するように、基板1の裏面にまず波長変換粒子170bを塗布し、その後に波長変換粒子170aを塗布することが好ましい。 なお、波長変換粒子170aの割合が、波長変換粒子170bよりも低い場合は、波長変換粒子170aと170bを混在して塗布しても良い。
本実施形態における太陽電池は、波長変換粒子以外の構成を、第5の実施形態における太陽電池と同じ方法により製造した後、下部電極11の裏面にレジストを配置して、基板1のテクスチャ構造1aの凹凸の凹部を埋めるように波長変換粒子を塗布することにより、製造することができる。
[第9の実施形態]
図20 は、第9の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。第9の実施形態における太陽電池100では、ベース層2の上にバッファ層190を設け、ベース層2の両面のうち、バッファ層190と接する面にテクスチャ構造2aを設けている。超格子半導体層6は、バッファ層190の上に形成される。
第9の実施形態における太陽電池100によれば、太陽光が基板1に到達する前に、バッファ層190のテクスチャ構造2aで反射されるので、より効率的に光閉じ込めが生じる。これは基板自体が光吸収(フリーキャリア吸収)を起こす可能性があるためである。これにより、光吸収、特に長波長光の光吸収度合を向上させることができる。
ベース層2に形成するテクスチャ構造2aは、第1の実施形態で説明した基板1のテクスチャ構造1aの形成方法と同じ方法により形成することができる。本実施形態における太陽電池の製造方法のうち、第1の実施形態で説明していない部分について説明すると、第1の実施形態において説明したように、パターニングされたレジストとエッチングとを用いてベース層2にテクスチャ構造2aを形成した後、ベース層2の上にバッファ層190を形成し、バッファ層190の上に、第1の実施形態で説明した方法と同じ方法によって超格子半導体層6を形成する。
[第10の実施形態]
図21は、第10の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。第10の実施形態における太陽電池100では、基板1とベース層2の間にバッファ層200を設け、基板1の両面のうち、バッファ層200と接する面にテクスチャ構造1dを設けている。この構造においても、太陽光が基板1の上面に設けられたテクスチャ構造1dで反射されるので、より効率的に光閉じ込めが生じ、光吸収、特に長波長光の光吸収度合を向上させることができる。
基板1に形成するテクスチャ構造1dは、第1の実施形態で説明した基板1のテクスチャ構造1aの形成方法と同じ方法により形成することができる。本実施形態における太陽電池の製造方法のうち、第1の実施形態で説明していない部分について説明すると、基板1にテクスチャ構造1dを形成した後、基板1の上にバッファ層200を形成し、バッファ層200の上にベース層2を形成する。
[第11の実施形態]
第6の実施形態における太陽電池では、基板1に設けられたテクスチャ構造のテクスチャの間隔dが2種類であった。第11の実施形態における太陽電池では、基板1に設けられたテクスチャ構造のテクスチャの間隔dが3種類以上ある。
図22は、第11の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。図22に示す構成では、基板1に設けられたテクスチャ構造1eのテクスチャの間隔d[μm]として、d1[μm]、d2[μm]、d3[μm]の3種類ある。ただし、テクスチャの間隔d[μm]は、4種類以上であってもよい。また、3種類以上のテクスチャの間隔d[μm]は、規則的に並んでいてもよいし、不規則的に並んでいてもよい。
3種類以上の間隔d[μm]のうち、最も短い間隔をdmin[μm]とすると、dmin[μm]は、1.24/EQD≦dminとなるように設定する。
第11の実施形態における太陽電池によれば、量子ドット層4におけるインターバンド間遷移の光吸収と、サブバンド間遷移の光吸収の両方が太陽光の広いスペクトル領域に渡って効率的に起こる。
なお、3種類のテクスチャ間隔d1[μm]、d2[μm]、d3[μm]を有するテクスチャ構造は、第3の実施形態で説明したように、太陽電池100の受光面に形成してもよいし、第4の実施形態で説明したように、太陽電池100の受光面と裏面の両面に形成してもよい。
本実施形態における太陽電池では、図8Bを用いて説明した、基板1の裏面に形成するレジスト80として、3種類以上の水平方向の幅を有するレジストを用いることにより、3種類以上のテクスチャ間隔dを有するテクスチャ構造を形成することができる。
[第12の実施形態]
第12の実施形態における太陽電池では、サブバンド間遷移によって吸収される光を少なくとも増大させるための光路長増大要素として、超格子半導体層6で吸収できなかった光を反射させるための反射膜を設ける。
図23は、第12の実施形態における太陽電池の構成を示す概略断面図である。第12の実施形態における太陽電池100は、反射膜220を有する。反射膜220は、基板1の裏面に設けられており、1.24/Eci[μm]の波長の光を少なくとも反射する。
サブバンド間遷移の光吸収の度合を向上させるため、反射膜220は、1.24/Eci[μm]の波長の光を最も効率的に反射することが好ましく、1.24/Eci[μm]の波長の光を90%以上反射させることが好ましい。反射膜220は、1.24/Eci[μm]の波長の光を効率的に反射できる膜であれば、多重積層膜であってもよいし、例えば銀を用いた金属膜でもよい。この反射膜220は、例えば真空蒸着法やスパッタ法を用いて形成することができる。
基板1と反射膜220の間に、拡散板(散乱部材)を設けてもよい。拡散板を設けることにより、光を斜め方向に散乱させることができるので、反射光の光路長をさらに増大させることができる。
以上、第1〜第12の実施形態における太陽電池によれば、各実施形態で説明したテクスチャ構造や反射膜等の光路長増大要素により、サブバンド間遷移によって吸収される光の光路長を少なくとも増大させることができる。従って、この発明の実施形態による光電変換素子は、p型半導体層と、n型半導体層と、p型半導体層及びn型半導体層に挟まれ、量子ドットが障壁層によって囲まれた構造からなる超格子半導体層と、量子ドットの伝導帯側の中間バンドから障壁層の伝導帯への遷移であるサブバンド間遷移によって吸収される光の光路長を少なくとも増大させる光路長増大要素とを備えていればよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態では、光電変換素子を太陽電池に適用した例について説明したが、フォトディテクターとして使用することもできる。フォトディテクターとして使用する場合には、検出したい波長に合わせて設計すればよい。例えば、ECi=0.2eV(波長6μm)として、6μmの波長センシングデバイスとして使用することができる。
また、SK成長法で作製した量子ドット太陽電池をフレキシブル基板やプラスチック基板に転写しても良い。その場合は、予めテクスチャ構造を設けた基板に転写すれば良く、量子ドット太陽電池そのものがテクスチャ構造作製の際に用いるウェットエッチング工程やドライエッチング工程に晒されない。
上述した実施形態では、ベース層2をn型半導体層、エミッタ層7をp型半導体層として説明したが、ベース層2をp型半導体層、エミッタ層7をn型半導体層としてもよい。
また、上述した実施形態で説明した特徴は、適宜組み合わせて用いることができる。
1 基板
1a、1b、1c、1d、1e、120a テクスチャ構造
2 ベース層
3、3A 量子ドット
4 量子ドット層
5 障壁層
6 超格子半導体層
7 エミッタ層
100 太陽電池110 半導体層
220 反射膜

Claims (10)

  1. p型半導体層と、
    n型半導体層と、
    前記p型半導体層及び前記n型半導体層に挟まれ、量子ドットが障壁層によって囲まれた構造からなる超格子半導体層と、
    前記量子ドットの伝導帯側の中間バンドから前記障壁層の伝導帯への遷移であるサブバンド間遷移によって吸収される光の光路長を少なくとも増大させる光路長増大要素と、
    を備える光電変換素子。
  2. 前記光路長増大要素は、前記光電変換素子の受光面とは反対の裏面に形成されたテクスチャ構造である、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記光路長増大要素は、前記光電変換素子の受光面に形成されたテクスチャ構造である、請求項1に記載の光電変換素子。
  4. 前記テクスチャ構造のテクスチャの間隔dは、前記量子ドットの伝導帯の基底準位から前記障壁層の伝導帯の下端準位までのエネルギーをEciとすると、1.24/Eci≦d≦1.24/Eci×3の関係を有する、請求項2または3に記載の光電変換素子。
  5. 前記テクスチャ構造のテクスチャの間隔には第1の間隔と第2の間隔が含まれている、請求項2から4のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  6. 前記第1の間隔をd1、前記第2の間隔をd2、前記量子ドットの伝導帯の基底準位から前記障壁層の伝導帯の下端準位までのエネルギーをEci、前記量子ドットの価電子帯の基底準位から前記量子ドットの伝導帯の基底準位までのエネルギーをEQDとすると、1.24/EQD≦d2≦1.24/EQD×3、1.24/Eci≦d1≦1.24/Eci×3、d1>d2の関係を有する、請求項5に記載の光電変換素子。
  7. 前記裏面に形成されたテクスチャ構造の凹凸の凹部に配置され、入射した光を吸収して、前記サブバンド間遷移によって吸収される光を少なくとも放出する波長変換粒子をさらに備える、請求項2に記載の光電変換素子。
  8. 前記光路長増大要素は、前記p型半導体層及び前記n型半導体層のうち、受光面とは反対の裏面側に位置する層の光入射側の面に形成されたテクスチャ構造である、請求項1に記載の光電変換素子。
  9. 前記p型半導体層、前記n型半導体層、及び前記超格子半導体層を形成するための基板をさらに備え、
    前記光路長増大要素は、前記基板の光入射側の面に形成されたテクスチャ構造である、請求項1に記載の光電変換素子。
  10. 前記光路長増大要素は、前記光電変換素子の受光面とは反対側の裏面に形成された反射膜であり、
    前記反射膜は、前記量子ドットの伝導帯の基底準位から前記障壁層の伝導帯の下端準位までのエネルギーをEciとすると、1.24/Eci[μm]の波長の光を少なくとも反射する、請求項1に記載の光電変換素子。
JP2015001002A 2015-01-06 2015-01-06 光電変換素子 Expired - Fee Related JP6474618B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015001002A JP6474618B2 (ja) 2015-01-06 2015-01-06 光電変換素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015001002A JP6474618B2 (ja) 2015-01-06 2015-01-06 光電変換素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016127183A true JP2016127183A (ja) 2016-07-11
JP6474618B2 JP6474618B2 (ja) 2019-02-27

Family

ID=56359737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015001002A Expired - Fee Related JP6474618B2 (ja) 2015-01-06 2015-01-06 光電変換素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6474618B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6343406B1 (ja) * 2017-09-20 2018-06-13 花王株式会社 光吸収層とその製造方法、分散液、光電変換素子、及び中間バンド型太陽電池
KR20200066993A (ko) * 2018-12-03 2020-06-11 한국광기술원 질화물계 반도체 수광 소자
JPWO2020105087A1 (ja) * 2018-11-19 2021-10-28 花王株式会社 光吸収層、光電変換素子、及び太陽電池

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007535806A (ja) * 2004-04-30 2007-12-06 ニューサウス・イノヴェイションズ・ピーティーワイ・リミテッド 人工アモルファス半導体および太陽電池への適用
JP2010021189A (ja) * 2008-07-08 2010-01-28 Omron Corp 光電デバイス
JP2010041032A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Samsung Electronics Co Ltd 光電素子の製造方法
JP2010206061A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Seiko Epson Corp 光電変換装置の製造方法および電子機器の製造方法
US20100258163A1 (en) * 2009-04-14 2010-10-14 Honeywell International Inc. Thin-film photovoltaics
JP2011029464A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Kobe Univ 量子ドット太陽電池
JP2012001585A (ja) * 2010-06-15 2012-01-05 Sumitomo Bakelite Co Ltd 複合粒子、組成物、波長変換層および光起電装置。
JP2012004251A (ja) * 2010-06-15 2012-01-05 V Technology Co Ltd 太陽電池
JP2012134386A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Univ Of Tokyo 太陽電池
JP2012204646A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Mitsubishi Electric Corp 薄膜光電変換装置用基板の製造方法および薄膜光電変換装置の製造方法
JP2012222300A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Panasonic Corp テクスチャ形成面を有するシリコン基板、およびその製造方法
JP2013219073A (ja) * 2012-04-04 2013-10-24 Jx Nippon Oil & Energy Corp 光電変換素子
JP2014022499A (ja) * 2012-07-17 2014-02-03 Sharp Corp 太陽電池

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007535806A (ja) * 2004-04-30 2007-12-06 ニューサウス・イノヴェイションズ・ピーティーワイ・リミテッド 人工アモルファス半導体および太陽電池への適用
JP2010021189A (ja) * 2008-07-08 2010-01-28 Omron Corp 光電デバイス
JP2010041032A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Samsung Electronics Co Ltd 光電素子の製造方法
JP2010206061A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Seiko Epson Corp 光電変換装置の製造方法および電子機器の製造方法
US20100258163A1 (en) * 2009-04-14 2010-10-14 Honeywell International Inc. Thin-film photovoltaics
JP2011029464A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Kobe Univ 量子ドット太陽電池
JP2012001585A (ja) * 2010-06-15 2012-01-05 Sumitomo Bakelite Co Ltd 複合粒子、組成物、波長変換層および光起電装置。
JP2012004251A (ja) * 2010-06-15 2012-01-05 V Technology Co Ltd 太陽電池
JP2012134386A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Univ Of Tokyo 太陽電池
JP2012204646A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Mitsubishi Electric Corp 薄膜光電変換装置用基板の製造方法および薄膜光電変換装置の製造方法
JP2012222300A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Panasonic Corp テクスチャ形成面を有するシリコン基板、およびその製造方法
JP2013219073A (ja) * 2012-04-04 2013-10-24 Jx Nippon Oil & Energy Corp 光電変換素子
JP2014022499A (ja) * 2012-07-17 2014-02-03 Sharp Corp 太陽電池

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
A. ALGUNO ET AL.: "Improved quantum efficiency of solar cells with Ge dots stacked in multilayer structure", 3RD WORLD CONFERENCE ON PHOTOVOLTAIC ENERGY CONVERSION, 2003. PROCEEDINGS OF YEAR: 2003, vol. 3, JPN6018031533, 2003, US, ISSN: 0003951748 *
ELEONORA C. WEINER ET AL.: "Improving the figures of merit of intermediate band solar cells by controlling the capping procedure", 2017 IEEE 44TH PHOTOVOLTAIC SPECIALIST CONFERENCE (PVSC), JPN6018031532, 2017, US, ISSN: 0003951749 *

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6343406B1 (ja) * 2017-09-20 2018-06-13 花王株式会社 光吸収層とその製造方法、分散液、光電変換素子、及び中間バンド型太陽電池
TWI676296B (zh) * 2017-09-20 2019-11-01 日商花王股份有限公司 光吸收層、光電轉換元件、及中間能帶型太陽電池
JPWO2020105087A1 (ja) * 2018-11-19 2021-10-28 花王株式会社 光吸収層、光電変換素子、及び太陽電池
JP7345498B2 (ja) 2018-11-19 2023-09-15 花王株式会社 光吸収層、光電変換素子、及び太陽電池
KR20200066993A (ko) * 2018-12-03 2020-06-11 한국광기술원 질화물계 반도체 수광 소자
KR102185425B1 (ko) * 2018-12-03 2020-12-01 한국광기술원 질화물계 반도체 수광 소자

Also Published As

Publication number Publication date
JP6474618B2 (ja) 2019-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI666785B (zh) 太陽能電池及形成太陽能電池的方法
US7915521B2 (en) Type II quantum dot solar cells
KR101335193B1 (ko) 무기 매트릭스에 임베딩된 터널링 장벽을 갖는 양자점을가진 중간대 감광성 장치
KR101352654B1 (ko) 에너지 펜스 장벽내에 매립된 양자점들을 갖는 중간 대역 감광 장치
US7863516B2 (en) Solar cell with epitaxially grown quantum dot material
US20160027940A1 (en) Quantum well waveguide solar cells and methods of constructing the same
US8507787B2 (en) Solar cell having a discontinuously graded doping concentration
US9583656B2 (en) Photoelectric conversion element
US20110005570A1 (en) High efficiency tandem solar cells and a method for fabricating same
EP2109147A1 (en) Photovoltaic cell with surface plasmon resonance generating nano-structures
US20100047957A1 (en) Method for forming solar cell having active region with nanostructures having energy wells
JP2013239690A (ja) 超格子構造、前記超格子構造を備えた半導体装置および半導体発光装置、ならびに前記超格子構造の製造方法
Liu et al. Optoelectronic devices based on the integration of halide perovskites with silicon-based materials
US20170200841A1 (en) Photoelectric conversion element having quantum structure using indirect transition conductor material
US10181539B2 (en) Photoelectric conversion element and photoelectric conversion device including the same
JP6055619B2 (ja) 太陽電池
JP6474618B2 (ja) 光電変換素子
KR101957801B1 (ko) 플렉서블 이중접합 태양전지
US9240507B2 (en) Intermediate band solar cell using type I and type II quantum dot superlattices
US20140026937A1 (en) Semiconductor Heterostructure and Photovoltaic Cell Including Such A Heterostructure
US9614108B1 (en) Optically-thin chalcogenide solar cells
WO2023025246A1 (zh) 一种薄膜型半导体芯片结构及应用其的光电器件
US9601643B2 (en) Photoelectric conversion element
Goodnick et al. Solar cells
JPH0656900B2 (ja) 半導体光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171002

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6474618

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees