JP2012222300A - テクスチャ形成面を有するシリコン基板、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】精密なテクスチャを有するテクスチャ形成面を有するシリコン基板を提供することを目的とする。
【解決手段】テクスチャ形成面を有するシリコン基板において、前記テクスチャ形成面には、複数の第一の凹凸と、前記第一の凹凸のそれぞれに形成された複数の第二の凹凸とが形成されており、前記第一の凹凸の頂点同士の間隔は3〜20μmであるシリコン基板を提供する。このようなシリコン基板は、好ましくは、前記シリコン基板の表面に複数の第一の凹凸を形成し;前記複数の第一の凹凸を形成されたシリコン基板の表面にエッチングガスを吹き付けて、前記第一の凹凸のそれぞれに、複数の第二の凹凸を形成して製造される。ここで、前記エッチングガスには、ClF,XeF,BrF,BrFおよびNFからなる群から選ばれる一以上のガスが含まれる。
【選択図】図2A

Description

本発明は、テクスチャ形成面を有するシリコン基板と、その製造方法に関する。
シリコン太陽電池(光電変換素子)などにおいて、シリコン基板の受光面にテクスチャと称される凹凸形状を設けて、入射光の反射を抑え、かつシリコン基板に取り込んだ光を外部に漏らさないようにしている。シリコン基板の表面へのテクスチャ形成は、一般的にアルカリ(KOH)水溶液をエッチャントとするウェットプロセスにより行われている。ウェットプロセスによるテクスチャ形成は、後処理としてフッ化水素による洗浄工程や、熱処理工程などが必要とされる。そのため、シリコン基板表面を汚染する恐れがあるばかりか、コスト面からも不利な点があった。
しかも、ウェットプロセスにより形成できるシリコン基板表面のテクスチャは、一般的に逆ピラミッド状に窪んだ矩形の開口などに限定され(特許文献1などを参照)、反射抑制などの点から必ずしも最適な形状ではない場合がある。
一方で、シリコン基板の表面へのテクスチャ形成をドライプロセスにて行う方法も提案されている。例えば、1)プラズマによる反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)といわれる手法を用いる方法、2)シリコン基板のある大気圧雰囲気下の反応室に、ClF,XeF,BrFおよびBrFのいずれかのガスを導入することで、シリコン基板表面をエッチングする方法が提案されている(特許文献2を参照)。
特開2000−150937号公報 特開平10−313128号公報
前述の通り、ウェットプロセスにより形成できるシリコン基板表面のテクスチャは、反射抑制などの点から必ずしも最適な形状ではない。つまり、反射率をより低下させるには、より精密な形状加工が求められる。より具体的にいえば、単にシリコン基板表面に窪みを形成するだけではなく;その窪みを形成する面自体にも凹凸形状を設けることで、さらに効果的な反射抑制が実現できる。
また、シリコン基板表面のテクスチャの形成をドライプロセスにて行う方法も提案されている。しかしながら、プラズマによるイオン性エッチングを用いると、十分に精密なテクスチャ構造を形成することは困難であるばかりか、シリコン基板の表面がプラズマによってダメージを受けやすく、デバイス(例えば太陽電池)としての性能に悪影響を及ぼすことがあった。また、プラズマ発生装置などが必要なため、装置コストが高くなるという問題もあった。
さらに、特許文献2に記載の手法によっても、十分に精密なテクスチャ構造が得られない場合があった。その理由としては、ClF,XeF,BrFおよびBrFなどのガスはシリコン基板と発熱反応を起こし、シリコン基板の温度を上昇させて、異方的なエッチングができない場合があるためである。
そこで本発明は、より精密なテクスチャを有するテクスチャ形成面を有するシリコン基板を提供することを目的とする。
すなわち本発明の第一は、以下に示すテクスチャ形成面を有するシリコン基板、およびそれを含む太陽電池に関する。
[1]テクスチャ形成面を有するシリコン基板であって、
前記テクスチャ形成面には、複数の第一の凹凸と、前記第一の凹凸のそれぞれに形成された複数の第二の凹凸とが形成されており、かつ前記第一の凹凸の頂点同士の間隔は3〜20μmである、シリコン基板。
[2]前記第二の凹凸の頂点同士の間隔は0.1〜2.5μmである、[1]に記載のシリコン基板。
[3]前記テクスチャ形成面における、前記複数の第一の凹凸の凸部の密度は、1mmあたり1×10〜3×10個である、[1]または[2]に記載のシリコン基板。
[4]前記テクスチャ形成面における、前記複数の第二の凹凸の凸部の密度は、1mmあたり1×10〜1×10個である、[1]〜[3]のいずれかに記載のシリコン基板。
[5]前記シリコン基板のテクスチャ形成面への入射光(波長0.5〜1.0μm)の反射率は、10%以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載のシリコン基板。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載のシリコン基板を含み、前記テクスチャ形成面を受光面とする太陽電池。
本発明の第二は、以下に示すテクスチャ形成面を有するシリコン基板の製造方法に関する。
[7]前記[1]に記載のシリコン基板を製造する方法であって、
複数の第一の凹凸が形成された凹凸形成面を有するシリコン基板を準備するステップと、前記凹凸形成面にエッチングガスを吹き付けて、前記第一の凹凸のそれぞれに、複数の第二の凹凸を形成するステップとを含み、
前記エッチングガスには、ClF,XeF,BrF,BrFおよびNFからなる群から選ばれる一以上のガスが含まれる、製造方法。
[8]前記エッチングガスには、分子中に酸素原子を含有するガスがさらに含まれる、[7]に記載の製造方法。
[9]前記エッチングガスには、不活性ガスがさらに含まれる、[7]または[8]に記載の製造方法。
[10]前記複数の第二の凹凸を形成するステップにおいて、前記シリコン基板の温度を130℃以下に保持する、[7]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]前記複数の第二の凹凸を形成するステップは、減圧環境下にて行われる、[7]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]前記複数の第一の凹凸は、アルカリ溶液をエッチング溶液として、シリコン基板表面をウェットエッチングして形成される、[7]〜[11]のいずれかに記載の製造方法。
本発明のシリコン基板のテクスチャ形成面は、従来のテクスチャ形成面を有するシリコン基板と比較して、はるかに多くの(高密度の)凹凸を有する。したがって、本発明のシリコン基板は、テクスチャ形成面での光反射率が低く、かつテクスチャ形成面から入射した光を閉じ込めることができる。そのため、本発明のシリコン基板は、テクスチャ形成面を受光面とすることで、光電変換素子(太陽電池素子など)用のシリコン基板として特に有効に用いられる。
本発明のシリコン基板のテクスチャを示す概念図である。 本発明のシリコン基板のテクスチャ形成面を示す顕微鏡写真である。 本発明のシリコン基板のテクスチャ形成面を示す顕微鏡写真である。 図2ABのシリコン基板のテクスチャ形成面を模式化した図である。 第一の凹凸を形成したシリコン基板の表面を示す顕微鏡写真である。 第一の凹凸を形成したシリコン基板の表面を示す顕微鏡写真である。 図3ABのシリコン基板の表面を模式化した図である。 図2Aおよび図2Bに示すテクスチャ形成面での光反射率(曲線Y)と、図3Aおよび図3Bに示すシリコン基板の凹凸形成面での光反射率(曲線X)を示すグラフである。
1.テクスチャ形成面を有するシリコン基板
本発明のシリコン基板は、基板表面にテクスチャが形成されていることを特徴とする。テクスチャが形成された基板表面をテクスチャ形成面という。テクスチャ形成面とは、低反射表面を意味する。低反射表面とは、0.5〜1.0μmの波長の光に対する鏡面の反射率を100%とした場合の反射率が、10%以下の表面であることが好ましく、実質的に反射率が0%の表面をいう。テクスチャ形成面での光反射率は、積分球分光光度計を用いて測定される。
本発明のシリコン基板は、単結晶シリコン基板であることが好ましく;単結晶シリコン基板の基板面方位は、(100)であってもよし、(111)であってもよいし、他の面方位であってもよい。また、シリコン基板は半導体ウェハであってもよいし、他の基板に積層された半導体層であってもよい。
テクスチャ形成面には、複数の第一の凹凸と、前記第一の凹凸のそれぞれに形成された複数の第二の凹凸とが形成されている。第一の凹凸とは、比較的大きなサイズの凹凸であり;第二の凹凸とは、比較的小さなサイズの凹凸であって、第一の凹凸に複数個形成されている。図1には、第一の凹凸と第二の凹凸との関係が模式的に示される。図1に示されるように、シリコン基板1の表面には、複数の第一の凹凸の凸部10が形成されている。凸部10の頂点同士の距離Lは、3〜20μmの範囲にあることが好ましい。さらに、図1に示されるように、凸部10の表面には、第二の凹凸の凸部20が形成されている。凸部20の頂点同士の距離lは、0.1〜2.5μmの範囲にあることが好ましい。
第一の凹凸の凸部は、錐状の突起であることが好ましい。錐状の突起には、角錐状(四角錐状や三角錐状)の突起や、円錐状の突起などが含まれる。また、第一の凹凸の凹部は、逆錐状であることが好ましい。逆錐状の凹部には、逆角錐状(逆四角錐状など)の凹部や、逆円錐状の凹部などが含まれる。逆錐状の凹部とは、逆錐台(頂点がない逆錐)状の凹部でも構わない。
第一の凹凸の凸部の頂点同士の間隔Lは3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがさらに好ましい。第一の凹凸の凸部の高さH(図1参照)は5〜15μmであることが好ましい。
テクスチャ形成面における第一の凹凸の凸部の密度は、1mmあたり1×10〜3×10個であることが好ましく、3×10〜1×10個であることがより好ましい。
第二の凹凸の凸部も、第一の凹凸の凸部と同様に、錐状の突起であることが好ましい。錐状の突起には、角錐状(四角錐状や三角錐状)の突起や、円錐状の突起などが含まれる。また、第二の凹凸の凹部も、第一の凹凸の凹部と同様に、逆錐状であることが好ましい。逆錐状の凹部には、逆角錐状(逆四角錐状など)の凹部や、逆円錐状の凹部などが含まれる。逆錐状の凹部とは、逆錐台(頂点がない逆錐)状の凹部でも構わない。
第二の凹凸の凸部の頂点同士の間隔lは0.1〜2.5μmであることが好ましく、0.5〜1.5μmであることがより好ましい。また、第二の凹凸の凸部の頂点同士の間隔は、第一の凹凸の凸部の頂点同士の間隔lに対して、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましく、それ以下であってもよい。さらに、第二の凹凸の凸部の高さhは0.5〜1.5μmであることが好ましい。
テクスチャ形成面における第二の凹凸の凸部の密度は、1mmあたり1×10〜1×10個であることが好ましく、5×10〜4×10個であることがより好ましい。
また、シリコン基板表面の全面にテクスチャが形成されていてもよく、その一部にテクスチャが形成されていてもよい。例えば、本発明のシリコン基板を太陽電池用のシリコン基板として用いる場合に、受光面側に配置する表面電極(コネクタ電極,バー電極,グリッド電極などを含む)を配置する領域には、テクスチャを形成することなく、平坦状にされていることが好ましい。
図2A〜Cには、本発明のシリコン基板のテクスチャ形成面の例が示される。図2Cは、テクスチャ形成面を模式的に示しており、比較的大きい凹凸の表面に微細な凹凸が形成されている。図2Aからわかるように、テクスチャ形成面に比較的大きい凹凸が形成されていることがわかる。これらの比較的大きい第一の凹凸の凸部10の頂点同士の間隔の平均は、約7μmである。一方、図2Bは、図2Aに示される比較的大きい第一の凹凸の凸部10を拡大した図である。図2Bに示されるように、第一の凹凸の凸部10の表面には、さらに微細な凹凸が形成されていることがわかる。さらに微細な第二の凹凸の凸部20の頂点同士の間隔は、ほぼ1μm以下である。
2.テクスチャ形成面を有するシリコン基板の製造方法
本発明のテクスチャ形成面を有するシリコン基板は、1)シリコン基板を用意するステップと、2)前記シリコン基板の表面に、複数の第一の凹凸を形成するステップと、3)前記複数の第一の凹凸を形成されたシリコン基板の表面に、エッチングガスを吹き付けて、前記第一の凹凸のそれぞれに、複数の第二の凹凸を形成するステップと、を有しうる。
1)用意するシリコン基板は、単結晶シリコン基板であることが好ましい。単結晶シリコン基板の基板方位面は、(100)であってもよく、(111)であってもよく、他の基板方位面であってもよい。シリコン基板は、ウェハであってもよいし、他の基板に積層されたシリコン層であってもよい。また、用意するシリコン基板は、真性シリコンであってもよく、p型またはn型にドーピングされたシリコンであってもよい。太陽電池用のシリコン基板を得る場合には、p型にドーピングされたシリコン基板を用意することが多い。
2)シリコン基板の表面に、複数の第一の凹凸を形成する。前述の通り、第一の凹凸の凸部10の頂点同士の間隔は、3〜20μmの範囲にあることが好ましい。凸部の形状は特に限定されにされないが、四角錐状などの錐状でありうる。また、凹部の形状は特に限定されないが、逆錐状でありうる。
第一の凹凸を形成する手法には、ウェットプロセスによる手法と、ドライプロセスによる手法とがある。
ウェットプロセスによる手法の例には、アルカリ溶液のようなエッチング液によって所定時間、シリコン基板の表面を処理してエッチングする手法がある。エッチングされる基板表面には、レジストを塗布するなどして、パターニングしてもよい。特に、基板方位面(100)のシリコン基板の表面にアルカリ溶液でエッチングを行うと、異方性エッチングが進行して凹凸が形成され、例えば逆ピラミッド型の凹部が複数形成される。
ドライプロセスによる手法の例には、プラズマによる反応性イオンエッチングや、フッ素含有ガスによるガスエッチングなどがある。フッ素含有ガスによるガスエッチングとは、フッ素含有ガスをシリコン基板に吹きつける手法である。フッ素含有ガスとは、ClF,XeF,BrFおよびBrFのガスを意味する。これらのフッ素含有ガスの分子は、半導体基板の表面に物理吸着して、エッチングサイトに移動する。エッチングサイトに到達したガス分子は分解し、半導体材料(典型的にはシリコン)と反応して揮発性のフッ素化合物を生成する。それにより、半導体基板表面がエッチングされ、凹凸形状が形成される。
エッチングガスにおけるフッ素含有ガスの濃度を調整するなどして、凹凸の大きさを制御することができる。
図3A〜Cには、複数の第一の凹凸を形成したシリコン基板の表面(凹凸形成面)が示される。図3に示されるシリコン基板の凹凸形成面は、基板方位面(100)のシリコン基板の表面をアルカリ溶液でエッチングして得た(実施例参照)。図3Cは、シリコン基板の表面(凹凸形成面)を模式的に示しており、四角錘状の凹凸が形成されていることがわかる。図3Aに示されるように、凹凸形成面に多くの凹凸が密集していることがわかる。この凹凸の凸部の頂点同士の間隔は、3μm〜20μmの範囲にあり、平均約7μmであることがわかる。図3Bは、図3Aに示される凹凸を拡大した図である。図3Bに示される通り、凹凸の表面は平滑であることがわかる。
3)第二の凹凸を形成するステップでは、第一の凹凸を形成されたシリコン基板の表面にエッチングガスを吹きつける。エッチングガスの吹きつけは、減圧環境下にて行われることが好ましい。減圧とは、通常300KPa以下であり、200KPa以下であることが好ましく、100KPa以下であることがより好ましく、50KPa以下であってもよい。圧力が低いほど、緻密な形状が得られる傾向がある。
吹き付けるエッチングガスは、フッ素原子含有ガスを含む。フッ素原子含有ガスの例には、ClF,XeF,BrF,BrFおよびNFが含まれる。
吹き付けるエッチングガスには、その分子内に酸素原子を含有するガスが含まれていることが好ましい。酸素原子を含有するガスとは、典型的には酸素ガス(O)であるが、二酸化炭素(CO)や二酸化窒素(NO)などであってもよい。エッチングガスにおける酸素原子含有ガスの濃度(体積濃度)は、ClF,XeF,BrFおよびBrFのガスの合計濃度の2倍以上であることが好ましい。エッチングガスに酸素原子含有ガスを含ませることで、太陽電池のテクスチャ構造として適切な凹凸形状を、半導体基板表面に形成することができる。その理由は、必ずしも明らかではないが、例えばClFガスがシリコン表面に物理吸着すると、シリコンと反応してSiFとなってガス化する。このとき、シリコンネットワーク構造のダングリングボンドに酸素原子がターミネートすることで、Si−O結合が部分的に構成される。それにより、エッチングされやすい領域(Si−Si)と、エッチングされにくい領域(Si−O)とができる。そのエッチングレートの差でケミカルな反応が促進され、形状制御が可能となると考えられる。
さらに、エッチングガスには不活性ガスが含まれていてもよい。エッチングガスにおけるClF,XeF,BrFおよびBrFの濃度が高すぎると、等方的にエッチングが進行しやすい場合があり、半導体基板表面に所望の凹凸形状が得られないことがある。そのため、不活性ガスを希釈ガスとして混合させる場合がある。
不活性ガスとは、窒素ガス、アルゴンやヘリウムなどであり、シリコンとの反応性のないガスであればよい。エッチングガスに含まれる不活性ガスは、2種以上のガスの混合ガスであってもよい。
半導体基板の温度は、130℃以下に保持されることが好ましく、100℃以下に保持されることがより好ましく、80℃以下に保持されることがさらに好ましい。一方、半導体基板の温度は、噴射されるエッチングガスの沸点以上に保持されていればよい。例えばClFの沸点は約12℃であるので、ClFを用いる場合には、半導体基板の温度を12℃以上に保持する。
半導体基板の温度を低温に維持するために、シリコン基板に冷却ガスを吹き付けるステップを含んでいてもよい。冷却ガスとは、前述の不活性ガスと同様であり、窒素ガス、アルゴンやヘリウムなどを意味する。エッチングガスとの反応によって発熱したシリコン基板に冷却ガスを吹き付けることによって、発熱した基板を冷却する。
本発明のシリコン基板の製造方法において、シリコン基板にエッチングガスを吹き付けるステップと、冷却ガスを吹き付けるステップとを交互に繰り返してもよい。シリコン基板にエッチングガスを吹き付けるステップのプロセス時間を制御することで、基板温度を低温に維持する。プロセス時間は特に限定されないが、1分間〜10分間程度であればよい。シリコン基板にエッチングガスを吹き付けるステップの後に、冷却ガスを吹き付けて基板温度を低下させて、再びシリコン基板にエッチングガスを吹き付ければよい。
エッチングガスによって、シリコン基板表面に所望のテクスチャが形成されたら、シリコン基板に残存したエッチングガスまたはその分解物を除去することが好ましい。例えば、シリコン基板を水素ガス雰囲気下において、残留したフッ素成分を除去してもよい。
3.テクスチャ形成面を有するシリコン基板の用途
本発明のシリコン基板は、太陽電池用のシリコン基板として用いられることが好ましい。太陽電池用のシリコン基板とするには、シリコン基板のテクスチャ形成面にエミッタ層を形成してpn接合を形成することが好ましい。例えば、p型シリコン基板にテクスチャ形成面を形成した場合には、オキシ塩化リンガス雰囲気中でテクスチャ形成面を加熱して、テクスチャ形成面にn型エミッタ層を形成し、pn接合を形成する。さらに、エミッタ層に反射防止層を積層することで、太陽電池としての反射率をさらに低下させることができ、光電変換率が向上する。
さらに、テクスチャ形成面である受光面に表面電極を配置し、非受光面に裏面電極を配置することで、太陽電池が得られる。もちろん、太陽電池の態様が上述したものに限定されるわけではない。
基板方位面(100)のシリコンウエハ(基板表面の面積:125mm×125mm)をウェットエッチングすることで、シリコン基板表面に複数の第一の凹凸を形成した。得られたシリコン基板表面の凹凸形成面が、図3Aおよび図3Bに示される。ウェットエッチングは、常法に沿ってアルカリ溶液のエッチャントを用いて行った。
得られたシリコン基板の温度を−30℃に冷却した。その後、冷却したシリコン基板の凹凸形成面に、減圧環境下(90KPa)にてエッチングガスを3分間かけて吹きつけた。エッチングガスのガス組成は、ClF:N=773sccm:23000sccmとした。このようにして得られたシリコン基板のテクスチャ形成面が、図2Aおよび図2Bに示される。
図2Aおよび図2Bに示されるテクスチャ形成面での光反射率と、図3Aおよび図3Bに示される凹凸形成面での光反射率とを測定した。光反射率は、積分球分分光光度計(U4000,日立ハイテクフィールディング)を用いて測定した。その結果が、図4のグラフに示される。図4における曲線Yが、図2Aおよび図2Bに示されるテクスチャ形成面での光反射率を示し;曲線Xが、図3Aおよび図3Bに示される凹凸形成面での光反射率を示す。曲線Xに示されるように、シリコン基板に第一の凹凸を形成するだけでも、波長領域500〜1000nmの範囲において光反射率が20%以下に抑制されているが;曲線Xに示されるように、さらに第二の凹凸を形成したテクスチャ形成面における光反射率は、10%以下にまで抑制されていることがわかる。
本発明のシリコン基板はテクスチャ形成面を有しており、しかもテクスチャ形成面には、従来よりも精密な形状が形成されているので、その反射率が低い。よって、テクスチャ形成面を受光面とすることで、太陽電池用のシリコン基板として好適に用いられる。それにより、太陽電池の光電変換率の向上に寄与する
10 第一の凹凸の凸部
20 第二の凹凸の凸部
L 第一の凹凸の凸部の頂点同士の間隔
l 第二の凹凸の凸部の頂点同士の間隔
H 第一の凹凸の凸部の高さ
h 第二の凹凸の凸部の高さ
X 図3に示す凹凸形成面での光反射率曲線
Y 図2に示すテクスチャ形成面での光反射率曲線

Claims (12)

  1. テクスチャ形成面を有するシリコン基板であって、
    前記テクスチャ形成面には、複数の第一の凹凸と、前記第一の凹凸のそれぞれに形成された複数の第二の凹凸とが形成されており、
    前記第一の凹凸の頂点同士の間隔は3〜20μmである、シリコン基板。
  2. 前記第二の凹凸の頂点同士の間隔は0.1〜2.5μmである、請求項1に記載のシリコン基板。
  3. 前記テクスチャ形成面における、前記複数の第一の凹凸の凸部の密度は、1mmあたり1×10〜3×10個である、請求項1に記載のシリコン基板。
  4. 前記テクスチャ形成面における、前記複数の第二の凹凸の凸部の密度は、1mmあたり1×10〜1×10個である、請求項1に記載のシリコン基板。
  5. 前記シリコン基板のテクスチャ形成面への入射光(波長0.5〜1.0μm)の反射率は、10%以下である、請求項1に記載のシリコン基板。
  6. 請求項1に記載のシリコン基板を含み、前記テクスチャ形成面を受光面とする太陽電池。
  7. 請求項1に記載のシリコン基板を製造する方法であって、
    複数の第一の凹凸が形成された凹凸形成面を有するシリコン基板を準備するステップと、前記凹凸形成面にエッチングガスを吹き付けて、前記第一の凹凸のそれぞれに、複数の第二の凹凸を形成するステップとを含み、
    前記エッチングガスには、ClF,XeF,BrF,BrFおよびNFからなる群から選ばれる一以上のガスが含まれる、製造方法。
  8. 前記エッチングガスには、分子中に酸素原子を含有するガスがさらに含まれる、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記エッチングガスには、不活性ガスがさらに含まれる、請求項7に記載の製造方法。
  10. 前記複数の第二の凹凸を形成するステップにおいて、前記シリコン基板の温度を130℃以下に保持する、請求項7に記載の製造方法。
  11. 前記複数の第二の凹凸を形成するステップは、減圧環境下にて行われる、請求項7に記載の製造方法。
  12. 前記複数の第一の凹凸は、アルカリ溶液をエッチング溶液として、シリコン基板表面をウェットエッチングして形成される、請求項7に記載の製造方法。
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