本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
この明細書においては、「非晶質」とは、ラマン散乱におけるアモルファスに基づくピーク強度に対する結晶に基づくピーク強度の比が0.1以下であることを言う。また、非晶質シリコンを「a−Si」と表記するが、この表記は、実際には、水素(H)原子が含まれていることを意味する。非晶質ゲルマニウム(a−Ge)、非晶質シリコンゲルマニウム(a−SiGe)、非晶質シリコンカーバイド(a−SiC)、非晶質シリコンナイトライド(a−SiN)、非晶質シリコンオキサイド(a−SiO)、および非晶質シリコンカーボンオキサイド(a−SiCO)、についても、同様に、H原子が含まれていることを意味する。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による光電変換装置の構成を示す概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による光電変換装置10は、n型単結晶シリコン基板1と、非晶質薄膜2と、透明導電膜3と、電極4,6と、パッシベーション膜5とを備える。
n型単結晶シリコン基板1は、0.1〜10Ωcmの比抵抗および100〜300μmの厚みを有する。また、n型単結晶シリコン基板1は、(100)の面方位を有する。そして、n型単結晶シリコン基板1は、光入射側の表面に凹凸構造TX1を有する。
非晶質薄膜2は、n型単結晶シリコン基板1の光入射側の表面に接してn型単結晶シリコン基板1上に配置される。そして、非晶質薄膜2は、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する。
透明導電膜3は、非晶質薄膜2に接して非晶質薄膜2上に配置される。そして、透明導電膜3は、ITO(Indiumu Tin Oxide)、SnO2、およびZnO等からなる。
電極4は、透明導電膜3に接して透明導電膜3上に所望の間隔で配置される。そして、電極4は、例えば、銀(Ag)からなる。
パッシベーション膜5は、n型単結晶シリコン基板1の裏面(=凹凸構造TX1が形成された面と反対側の面を言う。以下、同じ)に接して配置される。そして、パッシベーション膜5は、例えば、酸化シリコン(SiO2)からなり、100nm〜200nmの膜厚を有する。
電極6は、n型単結晶シリコン基板1の裏面およびパッシベーション膜5に接して配置される。そして、電極6は、例えば、アルミニウム(Al)からなる。
図2は、図1に示すn型単結晶シリコン基板1および非晶質薄膜2の一部を拡大した拡大図である。
図2を参照して、凹凸構造TX1において、高さH1は、谷と山との距離として定義され、幅W1は、隣接する2つの谷間の距離または隣接する2つの山間の距離として定義される。凹凸構造TX2においても、同様にして、高さH2および幅W2が定義される。
凹凸構造TX1において、高さH1は、例えば、1μm〜10μmであり、幅W1は、1μm〜10μmである。
凹凸構造TX2において、高さH2は、例えば、1nm〜200nmであり、幅W2は、1nm〜200nmである。
そして、凹凸構造TX1の凹凸サイズは、高さH1および/または幅W1によって定義される。凹凸構造TX2についても同様である。
従って、凹凸構造TX1は、凹凸構造TX2よりも大きい凹凸サイズを有する。
このように、光電変換装置10は、n型単結晶シリコン基板1の光入射側の表面に凹凸構造TX1を設け、凹凸サイズが凹凸構造TX1よりも小さい凹凸構造TX2を凹凸構造TX1よりも光入射側に設けたことを特徴とする。
その結果、入射光は、凹凸構造TX2によって散乱され、その散乱された光は、凹凸構造TX1によって更に散乱される。従って、光電変換装置10の光入射側において、1つの凹凸構造のみを設けた場合よりも入射光の反射率を低減できる。
図3は、図1に示す非晶質薄膜2の構成を示す概略図である。図3を参照して、非晶質薄膜2は、i型非晶質薄膜21と、p型非晶質薄膜22とを含む((a)参照)。
i型非晶質薄膜21は、n型単結晶シリコン基板1の光入射側の凹凸構造TX1に沿って配置される。p型非晶質薄膜22は、i型非晶質薄膜21に接してi型非晶質薄膜21上に配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する。
i型非晶質薄膜21は、i型非晶質シリコン(i型a−Si)、i型非晶質シリコンゲルマニウム(i型a−SiGe)、i型非晶質ゲルマニウム(i型a−Ge)、i型非晶質シリコンカーバイド(i型a−SiC)、i型非晶質シリコンナイトライド(i型a−SiN)、i型非晶質シリコンオキサイド(i型a−SiO)およびi型非晶質シリコンカーボンオキサイド(i型a−SiCO)等のいずれかからなり、一般的には、IV族元素を含むi型非晶質薄膜からなる。そして、i型非晶質薄膜21は、10〜20nmの膜厚を有する。
p型非晶質薄膜22は、p型非晶質シリコン(p型a−Si)、p型非晶質シリコンゲルマニウム(p型a−SiGe)、p型非晶質ゲルマニウム(p型a−Ge)、p型非晶質シリコンカーバイド(p型a−SiC)、p型非晶質シリコンナイトライド(p型a−SiN)、p型非晶質シリコンオキサイド(p型a−SiO)およびp型非晶質シリコンカーボンオキサイド(p型a−SiCO)等のいずれかからなり、一般的には、IV族元素を含むp型非晶質薄膜からなる。
そして、p型非晶質薄膜22は、1〜200nmの膜厚を有する。また、p型非晶質薄膜22は、例えば、p型ドーパントとしてボロン(B)を含み、Bの濃度は、例えば、1×1018cm−3〜1×1019cm−3である。
i型非晶質薄膜21の材料とp型非晶質薄膜22の材料との組合せは、任意であるが、i型非晶質薄膜21がi型a−Siからなり、p型非晶質薄膜22がp型a−Siからなる組合せが好ましい。
非晶質薄膜2は、p型非晶質薄膜23からなっていてもよい(図3の(b)参照)。p型非晶質薄膜23は、n型単結晶シリコン基板1の光入射側の凹凸構造TX1に沿って配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する。
p型非晶質薄膜23は、上述したp型非晶質薄膜22と同じ材料からなり、濃度が1×1017cm−3〜1×1019cm−3であるBをp型ドーパントとして含む。そして、p型非晶質薄膜23は、1〜200nmの膜厚を有する。
p型非晶質薄膜23においては、B濃度は、n型単結晶シリコン基板1とp型非晶質薄膜23との界面から透明導電膜3に向かって徐々に高くなっていてもよい。これにより、p型非晶質薄膜23によるn型単結晶シリコン基板1の表面のパッシベーション効果が更に大きくなり、n型単結晶シリコン基板1とp型非晶質薄膜23との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を更に低減できる。
このように、非晶質薄膜2は、少なくともp型非晶質薄膜(p型非晶質薄膜22またはp型非晶質薄膜23)を含む。
そして、光電変換装置10は、n型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1が形成された表面に接して非晶質薄膜2を設けた構造からなるので、n型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1が形成された表面は、非晶質薄膜2によってパッシベートされる。
従って、凹凸構造TX1が形成されることによってn型単結晶シリコン基板1と非晶質薄膜2との接触面積が大きくなっても、n型単結晶シリコン基板1と非晶質薄膜2との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を低減できる。
i型非晶質薄膜21は、p型非晶質薄膜22,23よりもn型単結晶シリコン基板1の表面に対するパッシベーション効果が大きい。
従って、非晶質薄膜2をi型非晶質薄膜21およびp型非晶質薄膜22によって構成することによって、n型単結晶シリコン基板1と非晶質薄膜2との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を更に低減できる。
非晶質薄膜2がi型非晶質薄膜21およびp型非晶質薄膜22からなる場合、光電変換装置10は、pin接合を有し、非晶質薄膜2がp型非晶質薄膜23からなる場合、光電変換装置10は、pn接合を有する。
その結果、主に、n型単結晶シリコン基板1中で光励起された電子および正孔は、pin接合またはpn接合によって分離され、正孔は、非晶質薄膜2および透明導電膜3を介して電極4に到達し、電子は、電極6に到達する。これによって、光電変換装置10は、発電する。
上述したように、i型非晶質薄膜21は、IV族元素を含むi型非晶質薄膜からなり、p型非晶質薄膜22,23の各々は、IV族元素を含むp型非晶質薄膜からなるので、非晶質薄膜2は、IV族元素を含む非晶質薄膜からなる。そして、非晶質薄膜2は、n型単結晶シリコン基板1の表面に対するパッシベーション効果を有するとともに、n型単結晶シリコン基板1との間でpn接合またはpin接合を形成する。また、非晶質薄膜2は、n型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1とともに光電変換装置10の光入射側における光の反射率を低減する。
図4から図6は、それぞれ、図1に示す光電変換装置10の製造方法を示す第1から第3の工程図である。
なお、図4から図6に示す工程図においては、非晶質薄膜2がi型非晶質シリコン(i型a−Si)およびp型非晶質シリコン(p型a−Si)からなる場合を例にして光電変換装置10の製造方法を説明する。
図4を参照して、光電変換装置10の製造が開始されると、n型単結晶シリコン基板30をアルコールを用いて超音波洗浄し、その後、純水で洗浄する。そして、n型単結晶シリコン基板30をフッ酸(HF)によって洗浄して自然酸化膜を除去し、n型単結晶シリコン基板30の表面を水素によって終端する(工程(a))。n型単結晶シリコン基板30は、(100)の面方位、0.1〜10Ωcmの比抵抗および100〜300μmの厚みを有する。
工程(a)の後、スパッタリングによってSiO2からなるパッシベーション膜20をn型単結晶シリコン基板30の裏面に形成する(工程(b))。
そして、n型単結晶シリコン基板30の表面をアルカリを用いて化学的に異方性エッチングし、n型単結晶シリコン30の表面に凹凸構造TX1を形成する(工程(c))。これにより、n型単結晶シリコン基板1が形成される。その後、上述したようにHFを用いて自然酸化膜を除去するとともに、n型単結晶シリコン基板1の表面を水素で終端する。
n型単結晶シリコン基板1の洗浄が終了すると、i型非晶質シリコン(i型a−Si)およびp型非晶質シリコン(p型a−Si)をプラズマCVD(Chemical Vapour Deposition)法によってn型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1上に順次堆積する。これによって、i型非晶質薄膜21およびp型非晶質薄膜24がn型単結晶シリコン基板1上に順次堆積される(工程(d))。
この場合、i型非晶質シリコンは、例えば、シラン(SiH4)ガスおよび水素(H2)ガスを用いて形成され、p型非晶質シリコンは、例えば、SiH4ガス、H2ガスおよびジボラン(B2H6)ガスを用いて形成される。
そして、i型非晶質シリコンを形成する場合、[H2ガスの流量]/[H2ガスの流量+SiH4ガスの流量]が0.2以下になるように、SiH4ガスの流量およびH2ガスの流量を決定する。
また、p型非晶質シリコンを形成する場合、[H2ガスの流量]/[H2ガスの流量+SiH4ガスの流量+B2H6ガスの流量]が0.2以下になるように、SiH4ガスの流量、H2ガスの流量およびB2H6ガスの流量を決定する。
このように、SiH4ガスまたはSiH4ガスおよびB2H6ガスをH2ガスによって水素希釈することによって、i型非晶質シリコンおよびp型非晶質シリコンは、凹凸構造TX1を覆うように凹凸構造TX1上に均一に形成される。
図5を参照して、工程(d)の後、試料の温度をエッチングガスの沸点以上の温度に昇温し、エッチングガスを300KPa以下の圧力下でp型非晶質薄膜24の表面に吹き付けてp型非晶質薄膜24の表面をエッチングする(工程(e))。
この場合、エッチングガスは、例えば、ClF3、XeF2、BrF3、BrF5およびNF3等のフッ素原子を含むガスからなる。フッ素原子を含むガスを用いることによって、p型非晶質薄膜24の表面でシリコンのフッ化物が形成され、p型非晶質薄膜24の表面をエッチングできる。
また、エッチングガスは、フッ素原子を含むガスに加え、分子内に酸素原子を含むガスを含んでいてもよい。分子内に酸素原子を含むガスは、例えば、O2、二酸化炭素(CO2)、および二酸化窒素(NO2)等からなる。酸素原子を含むガスを用いることによって、エッチングされやすい領域(Si−Si)とエッチングされ難い領域(Si−O)とを形成でき、各領域のエッチングレートの差によって凹凸構造を形成できる。
さらに、エッチングガスは、不活性ガスを含んでいてもよい。不活性ガスは、例えば、窒素(N2)ガス、アルゴン(Ar)ガスおよびヘリウム(He)ガス等からなり、一般的には、シリコンと反応しないガスからなる。ClF3等のエッチングガスの濃度が高い場合、エッチングが等方的に進行し易い場合があるので、これを防止するために不活性ガスを用いる。
そして、エッチングガスによるp型非晶質薄膜24の表面のエッチングが終了すると、H2ガスを流してp型非晶質薄膜24の表面に残留したエッチングガスまたはその分解物を除去する。
工程(e)が終了すると、光入射側の表面に凹凸構造TX2が形成されたp型非晶質薄膜22(p型a−Si)が形成される(工程(f))。これによって、非晶質薄膜2がn型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1に沿って形成される。
そして、工程(f)の後、スパッタリングによってITOからなる透明導電膜3をp型非晶質薄膜22上に堆積する(工程(g))。
図6を参照して、工程(g)の後、スクリーン印刷によってAgペーストを塗布し、その塗布したAgペーストを焼成して電極4を透明導電膜3上に形成する(工程(h))。
そして、パッシベーション膜20をフォトリソグラフィおよびエッチングによってパターンニングし、パッシベーション膜20に貫通孔を形成する。これによって、パッシベーション膜5が形成される(工程(i))。
その後、パッシベーション膜5を覆うようにAlを蒸着し、電極6を形成する。これによって、光電変換装置10が完成する(工程(j))。
このように、光電変換装置10は、プラズマCVD法およびスパッタリング等の低温プロセスを用いて製造されるため、n型単結晶シリコン基板1に熱歪が発生するのを抑制できる。その結果、n型単結晶シリコン基板1中のキャリアのライフタイムを長くできる。
なお、図4から図6における工程図においては、非晶質薄膜2がi型非晶質薄膜21およびp型非晶質薄膜22からなる場合を例にして光電変換装置10の製造方法を説明したが、非晶質薄膜2がp型非晶質薄膜23からなる場合、光電変換装置10は、図4に示す工程(d)を、p型非晶質シリコンをプラズマCVD法によってn型単結晶シリコン基板1上に堆積する工程に代え、図5に示す工程(e)を、p型非晶質シリコンをエッチングガスによってエッチングする工程に代えた工程図に従って製造される。
また、i型非晶質薄膜21がi型a−Si以外の材料からなり、p型非晶質薄膜22,23がp型a−Si以外の材料からなる場合も、光電変換装置10は、図4から図6に示す工程図に従って製造される。
そして、i型非晶質薄膜21がi型a−SiGeからなる場合、SiH4ガス、ゲルマン(GeH4)ガスおよびH2ガスが用いられ、i型非晶質薄膜21がi型a−Geからなる場合、GeH4ガスおよびH2ガスが用いられ、i型非晶質薄膜21がi型a−SiCからなる場合、SiH4ガス、メタン(CH4)ガスおよびH2ガスが用いられ、i型非晶質薄膜21がi型a−SiNからなる場合、SiH4ガス、アンモニア(NH3)ガスおよびH2ガスが用いられ、i型非晶質薄膜21がi型a−SiOからなる場合、SiH4ガス、O2ガスおよびH2ガスが用いられ、i型非晶質薄膜21がi型a−SiCOからなる場合、SiH4ガス、CH4ガス、O2ガスおよびH2ガスが用いられる。
また、p型非晶質薄膜22,23がp型a−SiGeからなる場合、SiH4ガス、GeH4ガス、B2H6ガスおよびH2ガスが用いられ、p型非晶質薄膜22,23がp型a−Geからなる場合、GeH4ガス、B2H6ガスおよびH2ガスが用いられ、p型非晶質薄膜22,23がp型a−SiCからなる場合、SiH4ガス、CH4ガス、B2H6ガスおよびH2ガスが用いられ、p型非晶質薄膜22,23がp型a−SiNからなる場合、SiH4ガス、NH3ガス、B2H6ガスおよびH2ガスが用いられ、p型非晶質薄膜22,23がp型a−SiOからなる場合、SiH4ガス、O2ガス、B2H6ガスおよびH2ガスが用いられ、p型非晶質薄膜22,23がp型a−SiCOからなる場合、SiH4ガス、CH4ガス、O2ガス、B2H6ガスおよびH2ガスが用いられる。
図7は、実施の形態1による別の光電変換装置の構成を示す概略図である。実施の形態1による光電変換装置は、図7に示す光電変換装置10Aであってもよい。
図7を参照して、光電変換装置10Aは、図1に示す光電変換装置10のパッシベーション膜5および電極6を非晶質薄膜7および電極8に代えたものであり、その他は、光電変換装置10と同じである。
非晶質薄膜7は、n型単結晶シリコン基板1の裏面に接して配置される。電極8は、非晶質薄膜7に接して配置される。そして、電極8は、例えば、Alからなる。
図8は、図7に示す非晶質薄膜7の構成を示す概略図である。図8を参照して、非晶質薄膜7は、i型非晶質薄膜71と、n型非晶質薄膜72とを含む((a)参照)。
i型非晶質薄膜71は、上述したi型非晶質薄膜21と同じ材料からなる。また、i型非晶質薄膜71は、10〜20nmの膜厚を有する。
n型非晶質薄膜72は、i型非晶質薄膜71に接して配置される。そして、n型非晶質薄膜72は、n型a−SiGe、n型a−Ge、n型a−SiC、n型a−SiN、n型a−SiOおよびn型a−SiCO等のいずれかからなり、一般的には、IV族元素を含むn型非晶質薄膜からなる。また、n型非晶質薄膜72は、10〜20nmの膜厚を有する。さらに、n型非晶質薄膜72は、n型ドーパントしてリン(P)を含み、P濃度は、例えば、1×1018cm−3〜1×1019cm−3である。
i型非晶質薄膜71の材料とn型非晶質薄膜72の材料との組合せは、任意であるが、i型非晶質薄膜71がi型a−Siからなり、n型非晶質薄膜72がn型a−Siからなる組合せが好ましい。
非晶質薄膜7は、n型非晶質薄膜73からなっていてもよい(図8の(b)参照)。n型非晶質薄膜73は、n型単結晶シリコン基板1の裏面に接して配置される。そして、n型非晶質薄膜73は、n型非晶質薄膜72と同じ材料からなり、濃度が1×1018cm−3〜1×1019cm−3であるPをn型ドーパントして含む。また、n型非晶質薄膜73は、20〜40nmの膜厚を有する。
このように、非晶質薄膜7は、n型非晶質薄膜(n型非晶質薄膜72またはn型非晶質薄膜73)を少なくとも含む。
そして、光電変換装置10Aは、n型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1が形成された表面に接して非晶質薄膜2を設け、n型単結晶シリコン基板1の裏面に接して非晶質薄膜7を設けた構造からなるので、n型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1が形成された表面は、非晶質薄膜2によってパッシベートされ、n型単結晶シリコン基板1の裏面は、非晶質薄膜7によってパッシベートされる。
従って、n型単結晶シリコン基板1の光入射側の表面および裏面の両方においてキャリア(電子および正孔)の再結合を低減できる。
また、i型非晶質薄膜71は、n型非晶質薄膜72,73よりもn型単結晶シリコン基板1の裏面に対するパッシベーション効果が大きい。
従って、非晶質薄膜7をi型非晶質薄膜71およびn型非晶質薄膜72によって構成することによって、n型単結晶シリコン基板1と非晶質薄膜7との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を更に低減できる。
更に、光電変換装置10Aは、n型単結晶シリコン基板1の光入射側および裏面側にそれぞれ非晶質薄膜2,7を配置した構造からなるので、光電変換装置10Aを製造するときにn型単結晶シリコン基板1に印加される熱歪が厚み方向で均等になり、n型単結晶シリコン基板1の反りを抑制できる。
その他、光電変換装置10Aにおいては、光電変換装置10における効果と同じ効果を得ることができる。
図9から図11は、それぞれ、図7に示す光電変換装置10Aの製造方法を示す第1から第3の工程図である。
なお、図9から図11に示す工程図においては、非晶質薄膜2がi型非晶質シリコンおよびp型非晶質シリコンからなり、非晶質薄膜7がi型非晶質シリコンおよびn型非晶質シリコンからなる場合を例にして光電変換装置10Aの製造方法を説明する。
図9を参照して、光電変換装置10Aの製造が開始されると、図4に示す工程(a)と同じ工程が実行され、n型単結晶シリコン基板30が洗浄される(工程(a))。
そして、図4に示す工程(c)と同じ工程が実行され、光入射側の表面に凹凸構造TX1を有するn型単結晶シリコン基板1が作製される(工程(b))。
その後、図4に示す工程(d)と同じ工程が実行され、i型非晶質薄膜21およびp型非晶質薄膜24がn型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1に沿って順次積層される(工程(c))。
引き続いて、i型非晶質シリコンおよびn型非晶質シリコンをプラズマCVD法によってn型単結晶シリコン基板1の裏面に順次積層する。これによって、i型非晶質薄膜71およびn型非晶質薄膜72がn型単結晶シリコン基板1の裏面に順次堆積される(工程(d))。
この場合、i型非晶質シリコンは、例えば、SiH4ガスおよびH2ガスを用いて形成され、n型非晶質シリコンは、例えば、SiH4ガス、H2ガスおよびフォスフィン(PH3)ガスを用いて形成される。
図10を参照して、工程(d)の後、図5に示す工程(e)と同じ工程を実行し、p型非晶質薄膜24の表面をエッチングし、凹凸構造TX2を形成する(工程(e))。これによって、i型非晶質薄膜21およびp型非晶質薄膜22からなる非晶質薄膜2が形成される(工程(f))。
そして、スパッタリングによってITOからなる透明導電膜3をp型非晶質薄膜22に接してp型非晶質薄膜22上に形成する(工程(g))。
図11を参照して、工程(g)の後、スクリーン印刷によってAgペーストを塗布し、その塗布したAgペーストを焼成して電極4を透明導電膜3上に形成する。また、n型非晶質薄膜72上にAlを蒸着し、電極8を形成する。これによって、光電変換装置10Aが完成する(工程(h))。
このように、光電変換装置10Aは、n型単結晶シリコン基板1の両面にそれぞれ非晶質薄膜2,7をプラズマCVD法によって形成することによって製造される。
その結果、厚み方向からn型単結晶シリコン基板1に印加される熱歪が均等になり、n型単結晶シリコン基板1の反りを抑制できる。
なお、図9から図11における工程図においては、非晶質薄膜2がi型非晶質薄膜21およびp型非晶質薄膜22からなり、非晶質薄膜7がi型非晶質薄膜71およびn型非晶質薄膜72からなる場合を例にして光電変換装置10Aの製造方法を説明したが、非晶質薄膜2がp型非晶質薄膜23からなり、非晶質薄膜7がn型非晶質薄膜73からなる場合、光電変換装置10Aは、図9に示す工程(c)を、p型非晶質薄膜23をプラズマCVD法によってn型単結晶シリコン基板1の光入射側の表面上に堆積する工程に代え、図9に示す工程(d)を、n型非晶質薄膜73をプラズマCVD方によってn型単結晶シリコン基板1の裏面上に堆積する工程に代え、図10に示す工程(e)を、p型非晶質薄膜23をエッチングガスによってエッチングする工程に代えた工程図に従って製造される。
また、i型非晶質薄膜71がi型a−Si以外の材料からなり、n型非晶質薄膜72,73がp型a−Si以外の材料からなる場合も、光電変換装置10Aは、図9から図11に示す工程図に従って製造される。
そして、i型非晶質薄膜71がi型a−SiGe、i型a−Ge、i型a−SiC、i型a−SiN、i型a−SiOおよびi型a−SiCOのいずれからなる場合、材料ガスは、上述したとおりである。
また、n型非晶質薄膜72,73がn型a−SiGeからなる場合、SiH4ガス、GeH4ガス、PH3ガスおよびH2ガスが用いられ、n型非晶質薄膜72,73がn型a−Geからなる場合、GeH4ガス、PH3ガスおよびH2ガスが用いられ、n型非晶質薄膜72,73がn型a−SiCからなる場合、SiH4ガス、CH4ガス、PH3ガスおよびH2ガスが用いられ、n型非晶質薄膜72,73がn型a−SiNからなる場合、SiH4ガス、NH3ガス、PH3ガスおよびH2ガスが用いられ、n型非晶質薄膜72,73がn型a−SiOからなる場合、SiH4ガス、O2ガス、PH3ガスおよびH2ガスが用いられ、n型非晶質薄膜72,73がn型a−SiCOからなる場合、SiH4ガス、CH4ガス、O2ガス、PH3ガスおよびH2ガスが用いられる。
光電変換装置10Aの製造方法についてのその他の説明は、光電変換装置10の製造方法についての説明と同じである。
図12は、実施の形態1による更に別の光電変換装置の構成を示す概略図である。実施の形態1による光電変換装置は、図12に示す光電変換装置10Bであってもよい。
図12を参照して、光電変換装置10Bは、図1に示す光電変換装置10のn型単結晶シリコン基板1をn型単結晶シリコン基板11に代え、電極4を電極9に代えたものであり、その他は、光電変換装置10と同じである。
n型単結晶シリコン基板11は、(100)の面方位、0.1〜10Ωcmの比抵抗および100μm〜300μmの厚みを有する。そして、n型単結晶シリコン基板11は、光入射側の表面に設けられた凹凸構造TX3と、光入射側の表面のうち、電極9に対向する部分に設けられた平坦面FT1とを有する。
凹凸構造TX3は、図1に示す凹凸構造TX1と同じ凹凸サイズを有する。
電極9は、平坦面FT1に対向する透明導電膜3の平坦面FT2に接して配置される。
光電変換装置10Bにおいては、非晶質薄膜2は、n型単結晶シリコン基板11の凹凸構造TX3および平坦面FT1に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する。
また、光電変換装置10Bにおいては、透明導電膜3は、n型単結晶シリコン基板11の凹凸構造TX3および平坦面FT1に沿って配置され、光入射側の表面のうち、平坦面FT1に対向する一部分に平坦面FT2を有する。
光電変換装置10Bにおいては、電極9の下側において、非晶質薄膜2は、平坦面FT1でn型単結晶シリコン基板11に接する。その結果、電極9の下側において、非晶質薄膜2とn型単結晶シリコン基板11との接触面積が減少する。従って、n型単結晶シリコン基板1を用いた場合よりも、非晶質薄膜2とn型単結晶シリコン基板11との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を更に低減できる。
光電変換装置10Bにおいては、その他、光電変換装置10と同じ効果が得られる。
光電変換装置10Bは、図4から図6に示す工程図において、図4に示す工程(c)を、n型単結晶シリコン基板11の光入射側の表面のうち、電極9に対向するn型単結晶シリコン基板11の一部分をレジストで覆い、レジストによって覆われていない光入射側の表面をアルカリを用いてエッチングする工程に代えた工程図に従って製造される。
なお、実施の形態1による光電変換装置は、光電変換装置10から光電変換装置10Bへの変更と同じ変更が光電変換装置10Aに適用されたものであってもよい。この場合、光電変換装置は、図9から図11に示す工程図において、図9に示す工程(b)を、n型単結晶シリコン基板11の光入射側の表面のうち、電極9に対向するn型単結晶シリコン基板11の一部分をレジストで覆い、レジストによって覆われていない光入射側の表面をアルカリを用いてエッチングする工程に代えた工程図に従って製造される。
この光電変換装置においても、光電変換装置10Bと同様に、n型単結晶シリコン基板1を用いた場合よりも、非晶質薄膜2とn型単結晶シリコン基板11との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を更に低減できる。
また、実施の形態1による光電変換装置は、n型単結晶シリコン基板1,11をn型多結晶シリコン基板に代えたものであってもよい。この場合、n型多結晶シリコン基板の光入射側の表面は、ドライエッチングによって凹凸化される。そして、n型多結晶シリコン基板を備える光電変換装置は、上述した光電変換装置10,10A,10Bのいずれかの製造方法と同じ製造方法に従って製造される。
更に、実施の形態1による光電変換装置は、光電変換装置10,10A,10Bのn型単結晶シリコン基板1,11をp型単結晶シリコン基板またはp型多結晶シリコン基板に代えたものであってもよい。
この場合、p型単結晶シリコン基板は、(100)の面方位、0.1〜10Ωcmの比抵抗、および100μm〜300μmの厚みを有する。p型多結晶シリコン基板は、0.1〜10Ωcmの比抵抗、および100μm〜300μmの厚みを有し、光入射側の表面は、ドライエッチングによって凹凸化される。
また、非晶質薄膜2は、i型非晶質薄膜およびn型非晶質薄膜からなり、またはn型非晶質薄膜からなる。そして、i型非晶質薄膜およびn型非晶質薄膜の具体例は、上述したとおりである。
更に、非晶質薄膜7は、i型非晶質薄膜およびp型非晶質薄膜からなり、またはp型非晶質薄膜からなる。そして、i型非晶質薄膜およびp型非晶質薄膜の具体例は、上述したとおりである。
p型単結晶シリコン基板またはp型多結晶シリコン基板を備える光電変換装置は、上述した光電変換装置10,10A,10Bのいずれかの製造方法において、n型非晶質薄膜をp型非晶質薄膜に読み替え、p型非晶質薄膜をn型非晶質薄膜に読み替えた製造方法に従って製造される。
従って、実施の形態1による光電変換装置は、第1の凹凸サイズを有する第1の凹凸構造が光入射側の表面に設けられた結晶シリコン基板と、第1の凹凸構造に接して配置され、第1の凹凸サイズよりも小さい第2の凹凸サイズを有する第2の凹凸構造が光入射側の表面に設けられた非晶質薄膜とを備え、非晶質薄膜と結晶シリコン基板とによってpn接合またはpin接合が形成されるものであればよい。
[実施の形態2]
図13は、実施の形態2による光電変換装置の構成を示す概略図である。図13を参照して、実施の形態2による光電変換装置100は、図1に示す光電変換装置10のn型単結晶シリコン基板1をn型単結晶シリコン基板101に代え、非晶質薄膜2を非晶質薄膜102に代え、電極4を電極104に代えたものであり、その他は、光電変換装置10と同じである。
n型単結晶シリコン基板101は、光入射側にp型拡散領域101pを有する。p型拡散領域101pは、例えば、0.01μm〜0.1μmの拡散深さを有し、凹凸構造TX1に接して配置される。そして、p型拡散領域101pは、p型ドーパントとしてのBを含み、Bの濃度は、例えば、1017cm−3〜1018cm−3である。
このように、n型単結晶シリコン基板101は、n型の導電型を有するバルク領域101bと、p型の導電型を有するp型拡散領域101pとからなり、光入射側にpn接合を内蔵する。
n型単結晶シリコン基板101についてのその他の説明は、n型単結晶シリコン基板1についての説明と同じである。
非晶質薄膜102は、n型単結晶シリコン基板101のp型拡散領域101pに接してp型拡散領域101p上に配置される。そして、非晶質薄膜102は、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する。
電極104は、例えば、Agからなる。そして、電極104は、透明導電膜3および非晶質薄膜102を貫通し、n型単結晶シリコン基板101のp型拡散領域101pの一部に接して配置される。
光電変換装置100においては、透明導電膜3は、非晶質薄膜102に接して非晶質薄膜102上に配置される。
図14は、図13に示す非晶質薄膜102の構成を示す概略図である。図14を参照して、非晶質薄膜102は、非晶質薄膜102A〜102Eのいずれかからなる。
非晶質薄膜102Aは、i型非晶質薄膜102iと、p型非晶質薄膜102pとからなる((a)参照)。
i型非晶質薄膜102iは、n型単結晶シリコン基板101の凹凸構造TX1に接して配置される。そして、i型非晶質薄膜102iは、例えば、10〜20nmの膜厚を有する。
p型非晶質薄膜102pは、i型非晶質薄膜102iに接してi型非晶質薄膜102i上に配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する。そして、p型非晶質薄膜102pは、1〜200nmの膜厚を有する。また、p型非晶質薄膜102pは、任意のB濃度を有する。
i型非晶質薄膜102iは、上述したi型非晶質薄膜21と同じ材料からなる。また、p型非晶質薄膜102pは、上述したp型非晶質薄膜22と同じ材料からなる。
そして、i型非晶質薄膜102iとp型非晶質薄膜102pとの材料の組み合わせは、任意であるが、i型非晶質薄膜102iがi型a−Siからなり、p型非晶質薄膜102pがp型a−Siからなる組み合わせが好ましい。
非晶質薄膜102Bは、i型非晶質薄膜103iからなる(図14の(b)参照)。i型非晶質薄膜103iは、n型単結晶シリコン基板101の凹凸構造TX1に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する。そして、i型非晶質薄膜103iは、例えば、1〜200nmの膜厚を有する。また、i型非晶質薄膜103iは、上述したi型非晶質薄膜21と同じ材料からなる。
非晶質薄膜102Cは、p型非晶質薄膜103pからなる(図14の(c)参照)。p型非晶質薄膜103pは、n型単結晶シリコン基板101の凹凸構造TX1に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する。そして、p型非晶質薄膜103pは、例えば、1〜200nmの膜厚を有する。また、p型非晶質薄膜103pは、上述したp型非晶質薄膜22と同じ材料からなる。
非晶質薄膜102Dは、i型非晶質薄膜102iと、n型非晶質薄膜102nとからなる(図14の(d)参照)。n型非晶質薄膜102nは、i型非晶質薄膜102iに接してi型非晶質薄膜102i上に配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する。そして、n型非晶質薄膜102nは、例えば、1〜200nmの膜厚および任意のP濃度を有する。また、n型非晶質薄膜102nは、上述したn型非晶質薄膜72と同じ材料からなる。
そして、i型非晶質薄膜102iとn型非晶質薄膜102nとの材料の組み合わせは、任意であるが、i型非晶質薄膜102iがi型a−Siからなり、n型非晶質薄膜102nがn型a−Siからなる組み合わせが好ましい。
非晶質薄膜102Eは、n型非晶質薄膜103nからなる(図14の(e)参照)。n型非晶質薄膜103nは、n型単結晶シリコン基板101の凹凸構造TX1に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する。そして、n型非晶質薄膜103nは、例えば、1〜200nmの膜厚を有する。また、n型非晶質薄膜103nは、上述したn型非晶質薄膜72と同じ材料からなる。
このように、光電変換装置100においては、非晶質薄膜102は、接合を形成せず、光入射側における光の反射率低下およびn型単結晶シリコン基板101の光入射側の表面のパッシベーション効果に寄与すればよいので、上述した各種の材料からなる。
図15から図17は、それぞれ、図13に示す光電変換装置100の製造方法を示す第1から第3の工程図である。
なお、図15から図17においては、非晶質薄膜102がi型非晶質薄膜102i(i型a−Si)およびp型非晶質薄膜102p(p型a−Si)からなる場合を例にして光電変換装置100の製造方法を説明する。
図15を参照して、光電変換装置100の製造が開始されると、図4に示す工程(a)〜工程(c)と同じ工程が実行され、パッシベーション膜20を裏面に有するn型単結晶シリコン基板1が作製される(工程(a)〜工程(c))。
そして、工程(c)の後、n型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1が形成された面側からBを拡散させ、p型拡散領域101pをn型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1に接して形成する(工程(d))。これによって、n型単結晶シリコン基板101が作製される。
工程(d)におけるBの拡散は、より詳細には、例えば、B源としてBSG(B−doped Siligate Glass)膜をAPCVD(Atmospheric Chemical Vapour Deposition)法によってn型単結晶シリコン基板1上に堆積し、その堆積したBSG膜を窒素ガス雰囲気中で800℃程度の温度で熱処理し、その後、BSG膜を除去することによって行われる。
工程(d)の後、i型非晶質薄膜102i(=i型a−Si)およびp型非晶質薄膜104p(=p型a−Si)がプラズマCVD法によってn型単結晶シリコン基板101上に順次堆積される(工程(e))。この場合、材料ガスは、上述したとおりである。
図16を参照して、工程(e)の後、図5に示す工程(e)と同じ工程を実行し、p型非晶質薄膜104pの光入射側の表面をエッチングし(工程(f))、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有するp型非晶質薄膜102pを形成する(工程(g))。これによって、非晶質薄膜102がn型単結晶シリコン基板101上に形成される。
工程(g)の後、スパッタリング法によって透明導電膜3を非晶質薄膜102上に堆積する(工程(h))。
そして、フォトリソグラフィおよびエッチングを用いて透明導電膜3および非晶質薄膜102の一部を所望の間隔でエッチングし、n型単結晶シリコン基板101の一部を露出させる(工程(i))。
図17を参照して、工程(i)の後、Agペーストをn型単結晶シリコン基板101の露出部に塗布し、その塗布したAgペーストを焼成する。これによって電極104が形成される(工程(j))。
その後、図6に示す工程(i),(j)と同じ工程を順次実行し、光電変換装置100が完成する(工程(k),(l))。
なお、非晶質薄膜102の構成として、非晶質薄膜102B〜102E(図14の(b)〜(e)参照)のいずれかが用いられる場合も、光電変換装置100は、図15から図17に示す工程図に従って製造される。
そして、非晶質薄膜102が非晶質薄膜102B(=i型非晶質薄膜103i)からなる場合(図14の(b)参照)、図15に示す工程(e)において、i型非晶質薄膜103i(=i型a−Si)のみがn型単結晶シリコン基板101上に堆積される。
また、非晶質薄膜102が非晶質薄膜102C(=p型非晶質薄膜103p)からなる場合(図14の(c)参照)、図15に示す工程(e)において、p型非晶質薄膜103p(=p型a−Si)のみがn型単結晶シリコン基板101上に堆積される。
更に、非晶質薄膜102が非晶質薄膜102D(=i型非晶質薄膜102i/n型非晶質薄膜102n)からなる場合(図14の(d)参照)、図15に示す工程(e)において、i型非晶質薄膜102i(=i型a−Si)およびn型非晶質薄膜102n(=n型a−Si)がn型単結晶シリコン基板101上に順次堆積される。
更に、非晶質薄膜102が非晶質薄膜102E(=n型非晶質薄膜103n)からなる場合(図14の(e)参照)、図15に示す工程(e)において、n型非晶質薄膜103nのみがn型単結晶シリコン基板101上に堆積される。
また、i型非晶質薄膜102i,103iがi型a−Si以外の材料からなり、p型非晶質薄膜102p,103pがp型a−Si以外の材料からなり、n型非晶質薄膜102n,103nがn型a−Si以外の材料からなる場合も、光電変換装置100は、図15から図17に示す工程図に従って製造される。
この場合、i型非晶質薄膜102i,103i、p型非晶質薄膜102p,103pおよびn型非晶質薄膜102n,103nを堆積するときの材料ガスは、上述したとおりである。
光電変換装置100は、光入射側の表面に凹凸構造TX1を有するn型単結晶シリコン基板101と、n型単結晶シリコン基板101の光入射側の表面に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する非晶質薄膜102とを備えるので、光入射側の表面における光の反射率を低下できるとともに、n型単結晶シリコン基板101の光入射側の表面をパッシベートしてn型単結晶シリコン基板101と非晶質薄膜102との界面におけるキャリア(電子およ正孔)の再結合を低減できる。
また、光電変換装置100においては、光励起された正孔は、p型拡散領域101pを介して電極104へ到達するので、非晶質薄膜102は、光励起された正孔を電極104へ伝導させるよりも、p型拡散領域101pとの界面における正孔の再結合の低減および光の反射率低下に寄与する。
従って、非晶質薄膜102を非晶質薄膜102A,102B,102Dのいずれかによって構成するのが好ましい。i型非晶質薄膜102i,103iは、ドーパントを含むp型非晶質薄膜103pおよびn型非晶質薄膜103nよりもn型単結晶シリコン基板101の表面に対するパッシベーション効果が大きいからである。また、パッシベーション効果、製造工程の簡略化および材料コストの低コスト化の観点から、非晶質薄膜102をi型非晶質薄膜103iのみによって構成するのが最も好ましい。
また、非晶質薄膜102として、p型非晶質薄膜102p,103pまたはn型非晶質薄膜102n,103nを用いた場合、ドーパント濃度を1016cm−3〜1017cm−3と比較的低く設定することが好ましい。ドーパント濃度の低下によって、非晶質薄膜102とn型単結晶シリコン基板101のp型拡散領域101pとの界面における欠陥密度を低減でき、非晶質薄膜102とp型拡散領域101pとの界面における再結合を低減できるからである。
更に、非晶質薄膜102として、n型非晶質薄膜102n,103nを用いた場合、非晶質薄膜102におけるドーパント濃度をn型単結晶シリコン基板101から透明導電膜3へ向かうに従って徐々に高くしてもよい。
これにより、非晶質薄膜102とp型拡散領域101pとの界面における再結合を低減できるとともに、価電子帯側における非晶質薄膜102とp型拡散領域101pとのバンドの不連続によって少数キャリア(正孔)の透明導電膜3への流出を抑制できる。
図18は、実施の形態2による別の光電変換装置の構成を示す概略図である。実施の形態2による光電変換装置は、図18に示す光電変換装置100Aであってもよい。
図18を参照して、光電変換装置100Aは、図13に示す光電変換装置100のn型単結晶シリコン基板101をn型単結晶シリコン基板111に代え、電極104を電極114に代えたものであり、その他は、光電変換装置100と同じである。
n型単結晶シリコン基板111は、(100)の面方位、0.1〜10Ωcmの比抵抗および100μm〜300μmの厚みを有する。そして、n型単結晶シリコン基板111は、光入射側の表面に設けられた凹凸構造TX3と、光入射側の表面のうち、電極114に接する部分に設けられた平坦面FT3とを有する。凹凸構造TX3は、図1に示す凹凸構造TX1と同じ凹凸サイズを有する。
また、n型単結晶シリコン基板111は、光入射面側にp型拡散領域111pを有する。p型拡散領域111pは、n型単結晶シリコン基板111の光入射側において凹凸構造TX3に接して配置される。そして、p型拡散領域111pは、光電変換装置100のp型拡散領域101p(図13参照)と同じ拡散深さおよびB濃度を有する。その結果、n型単結晶シリコン基板111は、n型の導電型を有するバルク領域111bとp型の導電型を有するp型拡散領域111pとからなり、光入射側にpn接合を内蔵する。
電極114は、例えば、Agからなる。そして、電極114は、透明導電膜3および非晶質薄膜102を貫通し、n型単結晶シリコン基板111のp型拡散領域111pの平坦面FT3に接して配置される。
光電変換装置100Aにおいては、電極114は、n型単結晶シリコン基板111の平坦面FT3に接するので、n型単結晶シリコン基板111と電極114との接触面積が光電変換装置100よりも小さくなる。従って、n型単結晶シリコン基板111と電極114との界面における少数キャリア(正孔)の再結合を光電変換装置100よりも更に低減できる。光電変換装置100Aにおいては、その他、光電変換装置100と同じ効果を得ることができる。
なお、光電変換装置100Aは、図15から図17に示す工程図において、図15に示す工程(c)を、n型単結晶シリコン基板111の光入射側の表面のうち、電極114に接するn型単結晶シリコン基板111の一部分をレジストで覆い、レジストによって覆われていない光入射側の表面をアルカリを用いてエッチングする工程に代えた工程図に従って製造される。
上記においては、n型単結晶シリコン基板101,111を用いた光電変換装置100,100Aについて説明したが、実施の形態2においては、これに限らず、実施の形態2による光電変換装置は、n型単結晶シリコン基板101,111をn型多結晶シリコン基板に代えたものであってもよい。この場合、n型多結晶シリコン基板の光入射側の表面は、ドライエッチングによって凹凸化される。そして、n型多結晶シリコン基板を備える光電変換装置は、上述した光電変換装置100,100Aのいずれかの製造方法と同じ製造方法に従って製造される。
また、実施の形態2による光電変換装置は、光電変換装置100,100Aのn型単結晶シリコン基板101,111をp型単結晶シリコン基板またはp型多結晶シリコン基板に代えたものであってもよい。
この場合、p型単結晶シリコン基板は、(100)の面方位、0.1〜10Ωcmの比抵抗、および100μm〜300μmの厚みを有する。p型多結晶シリコン基板は、0.1〜10Ωcmの比抵抗、および100μm〜300μmの厚みを有し、光入射側の表面は、ドライエッチングによって凹凸化される。
p型単結晶シリコン基板またはp型多結晶シリコン基板を備える光電変換装置は、上述した光電変換装置100,100Aのいずれかの製造方法において、p型拡散領域をn型拡散領域に読み替えた製造方法に従って製造される。
このように、実施の形態2による光電変換装置は、各種の光電変換装置からなる。従って、実施の形態2による光電変換装置は、第1の凹凸サイズを有する第1の凹凸構造が光入射側の表面に設けられるとともに、光入射側の表面に接して設けられ、かつ、バルク領域の導電型と反対の導電型を有する拡散領域と、バルク領域とを含む結晶シリコン基板と、第1の凹凸構造に接して配置され、第1の凹凸サイズよりも小さい第2の凹凸サイズを有する第2の凹凸構造が光入射側の表面に設けられた非晶質薄膜とを備えるものであればよい。
[実施の形態3]
図19は、実施の形態3による光電変換装置の構成を示す概略図である。図19を参照して、実施の形態3による光電変換装置200は、図1に示す光電変換装置10の電極4を削除し、非晶質薄膜2を非晶質薄膜102に代え、パッシベーション膜5および電極6を非晶質薄膜201〜20n(nは2以上の整数),211〜21n−1および電極221〜22n,231〜23n−1に代えたものであり、その他は、光電変換装置10と同じである。
非晶質薄膜102は、n型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する。そして、非晶質薄膜102は、上述したように、非晶質薄膜102A〜102E(図14の(a)〜(e)参照)のいずれかからなる。また、非晶質薄膜102は、例えば、1〜200nmの膜厚を有する。
非晶質薄膜201〜20nは、n型単結晶シリコン基板1の裏面に接するとともに、n型単結晶シリコン基板1の面内方向DR1において非晶質薄膜211〜21n−1と交互に配置される。
非晶質薄膜211〜21n−1は、n型単結晶シリコン基板1の裏面に接するとともに、面内方向DR1において非晶質薄膜201〜20nと交互に配置される。そして、非晶質薄膜211〜21n−1は、面内方向DR1に垂直な方向(=図19の紙面上、手前から奥へ向かう方向)において、非晶質薄膜201〜20nと同じ長さを有する。
電極221〜22nは、それぞれ、非晶質薄膜201〜20nに接して配置される。電極231〜23n−1は、それぞれ、非晶質薄膜211〜21n−1に接して配置される。そして、電極221〜22n,231〜23n−1の各々は、例えば、Alからなる。
図20は、図19に示す非晶質薄膜201の構成を示す概略図である。図20を参照して、非晶質薄膜201は、非晶質薄膜201Aまたは非晶質薄膜201Bからなる。
非晶質薄膜201Aは、i型非晶質薄膜201iとn型非晶質薄膜201nとを含む(図20の(a)参照)。i型非晶質薄膜201iは、n型単結晶シリコン基板1の裏面に接して配置される。i型非晶質薄膜201iは、例えば、10〜20nmの膜厚を有する。そして、i型非晶質薄膜201iは、上述したi型非晶質薄膜21と同じ材料からなる。
n型非晶質薄膜201nは、i型非晶質薄膜201iに接して配置される。n型非晶質薄膜201nは、例えば、10〜20nmの膜厚を有する。また、n型非晶質薄膜201nは、例えば、1×1018cm−3〜1×1019cm−3のP濃度を有する。そして、n型非晶質薄膜201nは、上述したn型非晶質薄膜72と同じ材料からなる。
i型非晶質薄膜201iの材料とn型非晶質薄膜201nの材料との組み合わせは、任意であるが、i型非晶質薄膜201iがi型a−Siからなり、n型非晶質薄膜201nがn型a−Siからなる組み合わせが好ましい。
非晶質薄膜201Bは、n型非晶質薄膜201n’からなる(図20の(b)参照)。n型非晶質薄膜201n’は、n型単結晶シリコン基板1の裏面に接して配置される。n型非晶質薄膜201n’は、例えば、20〜40nmの膜厚を有する。また、n型非晶質薄膜201n’は、例えば、1×1018cm−3〜1×1019cm−3のP濃度を有する。そして、n型非晶質薄膜201n’は、上述したn型非晶質薄膜72と同じ材料からなる。
このように、非晶質薄膜201は、少なくともn型非晶質薄膜を含む構成からなる。
なお、図19に示す非晶質薄膜202〜20nの各々も、非晶質薄膜201と同じように、図20に示す非晶質薄膜201A,201Bのいずれかからなる。
図21は、図19に示す別の非晶質薄膜211の構成を示す概略図である。図21を参照して、非晶質薄膜211は、非晶質薄膜211Aまたは非晶質薄膜211Bからなる。
非晶質薄膜211Aは、i型非晶質薄膜211iとp型非晶質薄膜211pとを含む(図21の(a)参照)。i型非晶質薄膜211iは、n型単結晶シリコン基板1の裏面に接して配置される。i型非晶質薄膜211iは、例えば、10〜20nmの膜厚を有する。そして、i型非晶質薄膜211iは、上述したi型非晶質薄膜21と同じ材料からなる。
p型非晶質薄膜211pは、i型非晶質薄膜211iに接して配置される。p型非晶質薄膜211pは、例えば、10〜20nmの膜厚を有する。また、p型非晶質薄膜211pは、例えば、1×1018cm−3〜1×1019cm−3のB濃度を有する。そして、p型非晶質薄膜211pは、上述したp型非晶質薄膜22と同じ材料からなる。
i型非晶質薄膜211iの材料とp型非晶質薄膜211pの材料との組み合わせは、任意であるが、i型非晶質薄膜211iがi型a−Siからなり、p型非晶質薄膜211pがp型a−Siからなる組み合わせが好ましい。
非晶質薄膜211Bは、p型非晶質薄膜211p’からなる(図21の(b)参照)。p型非晶質薄膜211p’は、n型単結晶シリコン基板1の裏面に接して配置される。p型非晶質薄膜211p’は、例えば、20〜40nmの膜厚を有する。また、p型非晶質薄膜211p’は、例えば、1×1018cm−3〜1×1019cm−3のB濃度を有する。そして、p型非晶質薄膜211p’は、上述したp型非晶質薄膜22と同じ材料からなる。
このように、非晶質薄膜211は、少なくともp型非晶質薄膜を含む構成からなる。
なお、図19に示す非晶質薄膜212〜21n−1の各々も、非晶質薄膜211と同じように、図21に示す非晶質薄膜211A,211Bのいずれかからなる。
光電変換装置200においては、非晶質薄膜211〜21n−1の全体の面積がn型単結晶シリコン基板1の面積に占める割合である面積占有率は、60〜93%であり、非晶質薄膜201〜20nの全体の面積がn型単結晶シリコン基板1の面積に占める割合である面積占有率は、5〜20%である。
このように、非晶質薄膜211〜21n−1の面積占有率を非晶質薄膜201〜20nの面積占有率よりも大きくするのは、n型単結晶シリコン基板1中で光励起された電子および正孔がpn接合(少なくともp型非晶質薄膜を含む非晶質薄膜211〜21n−1/n型単結晶シリコン基板1)によって分離され易くし、光励起された電子および正孔の発電への寄与率を高くするためである。
光電変換装置200においては、入射光が透明導電膜3側からn型単結晶シリコン基板1へ入射する。この場合、光入射側には、電極が存在せず、凹凸サイズが異なる2つの凹凸構造TX1,TX2が存在するので、光の反射率が低下し、より多くの入射光がn型単結晶シリコン基板1へ入射する。
そして、n型単結晶シリコン基板1において、電子および正孔が光励起される。
光励起された電子は、拡散によって非晶質薄膜201〜20nに到達し、非晶質薄膜201〜20nを介して電極221〜22nへ到る。この場合、n型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1の近傍で光励起された電子は、非晶質薄膜102によるn型単結晶シリコン基板1の表面のパッシベーション効果によって、非晶質薄膜102とn型単結晶シリコン基板1との界面で再結合し難くなり、非晶質薄膜201〜20nへ拡散し易くなる。
一方、光励起された正孔は、拡散によって非晶質薄膜211〜21n−1に到達し、非晶質薄膜211〜21n−1を介して電極231〜23n−1に到る。この場合、n型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1の近傍で光励起された正孔は、非晶質薄膜102によるn型単結晶シリコン基板1の表面のパッシベーション効果によって、非晶質薄膜102とn型単結晶シリコン基板1との界面で再結合し難くなり、非晶質薄膜211〜21n−1へ拡散し易くなる。
そして、電子は、電極221〜22nと電極231〜23n−1との間に接続された負荷を流れ、電極231〜23n−1において正孔と再結合する。
このように、光電変換装置200は、光励起されたキャリア(電子および正孔)を裏面から取出すバックコンタクト型の光電変換装置である。
上述したように、光電変換装置200は、凹凸構造TX1が形成されたn型単結晶シリコン基板1と、凹凸構造TX1に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2が形成された非晶質薄膜102とを備えるので、光入射側の表面において入射光に対する反射率を低下させることができるとともに、非晶質薄膜102とn型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を低減できる。
図22から図25は、それぞれ、図19に示す光電変換装置200の製造方法を示す第1から第4の工程図である。
なお、図22から図25においては、非晶質薄膜102がi型非晶質薄膜102iおよびn型非晶質薄膜102nからなり(図14の(d)参照)、非晶質薄膜201〜20nの各々がi型非晶質薄膜201iおよびn型非晶質薄膜201nからなり(図20の(a)参照)、非晶質薄膜211〜21n−1の各々がi型非晶質薄膜211iおよびp型非晶質薄膜211pからなる場合(図21の(a)参照)を例にして光電変換装置200の製造方法について説明する。
図22を参照して、光電変換装置200の製造が開始されると、上述したように、n型単結晶シリコン基板30を洗浄する(工程(a))。
そして、n型単結晶シリコン基板30の一方の表面をアルカリで異方性エッチングして凹凸構造TX1を形成する(工程(b))。これにより、n型単結晶シリコン基板1が形成される。
その後、n型単結晶シリコン基板1の凹凸構造TX1を形成した表面上に、i型非晶質薄膜(=i型a−Si)およびn型非晶質薄膜104n(=n型a−Si)をプラズマCVD法によって順次堆積する(工程(c))。
引き続いて、n型単結晶シリコン基板1の裏面にi型非晶質薄膜201i(=i型a−Si)およびp型非晶質薄膜240p(=p型a−Si)を順次堆積する(工程(d))。
図23を参照して、工程(d)の後、p型非晶質薄膜240pの全面にレジストを塗布し、その塗布したレジストをフォトリソグラフィによってパターンニングしてレジストパターン250を形成する(工程(e))。
そして、レジストパターン250をマスクとしてp型非晶質薄膜240pをエッチングし、n−1個のp型非晶質薄膜201pを形成する(工程(f))。
その後、レジストパターン250をマスクとしてn型非晶質薄膜201n(n型a−Si)を、露出したi型非晶質薄膜201i(=i型a−Si)上にプラズマCVD法によって堆積する(工程(g))。この場合、レジストパターン250上に、n型非晶質薄膜260(=n型a−Si)が堆積される。
図24を参照して、工程(g)の後、レジストパターン250を除去する。そうすると、n型非晶質薄膜260は、リフトオフにより除去される。その結果、非晶質薄膜201〜20nおよび非晶質薄膜211〜21n−1がn型単結晶シリコン基板1の裏面に形成される。
そして、図5に示す工程(e)と同じ工程を実行し、n型非晶質薄膜104nの光入射側の表面をエッチングする(工程(h))。これによって、凹凸構造TX2を光入射側の表面に有するn型非晶質薄膜102nが形成される(工程(i))。
その後、スパッタリング法によって透明導電膜3を非晶質薄膜102上に形成する(工程(j))。
図25を参照して、工程(j)の後、非晶質薄膜201〜20nおよび非晶質薄膜211〜21n−1上にAlペーストを塗布し、その塗布したAlペーストを焼成し、電極221〜22n,231〜23n−1を形成する。これによって、光電変換装置200が完成する(工程(k))。
非晶質薄膜102が非晶質薄膜102A〜102C,102E(図14の(a)〜(c),(e)参照)のいずれかからなる場合も、光電変換装置200は、図22から図25に示す工程図に従って製造される。そして、非晶質薄膜102が図14の(b)に示すi型非晶質薄膜103iからなる場合、図22に示す工程(c)において、i型非晶質薄膜のみが堆積され、その堆積されたi型非晶質薄膜は、図24に示す工程(h)において、光入射側の表面がエッチングされる。
また、非晶質薄膜102が図14の(c)に示すp型非晶質薄膜103pからなる場合、図22に示す工程(c)において、p型非晶質薄膜のみが堆積され、その堆積されたp型非晶質薄膜は、図24に示す工程(h)において、光入射側の表面がエッチングされる。
更に、非晶質薄膜102が図14の(a)に示すi型非晶質薄膜102i/p型非晶質薄膜102pからなる場合、図22に示す工程(c)において、i型非晶質薄膜102iおよびp型非晶質薄膜が順次堆積され、その堆積されたp型非晶質薄膜は、図24に示す工程(h)において、光入射側の表面がエッチングされる。
更に、非晶質薄膜102が図14の(e)に示すn型非晶質薄膜103nからなる場合、図22に示す工程(c)において、n型非晶質薄膜のみが堆積され、その堆積されたn型非晶質薄膜は、図24に示す工程(h)において、光入射側の表面がエッチングされる。
非晶質薄膜201〜20nがn型非晶質薄膜からなり、非晶質薄膜211〜21n−1がp型非晶質薄膜からなる場合も、光電変換装置200は、図22から図25に示す工程図に従って製造される。この場合、図22の工程(d)において、i型非晶質薄膜の堆積が省略される。
また、光電変換装置200においては、非晶質薄膜201〜20nがi型非晶質薄膜201i/n型非晶質薄膜201nからなり、非晶質薄膜211〜21n−1がp型非晶質薄膜211p’のみからなっていてもよく、非晶質薄膜201〜20nがn型非晶質薄膜201n’のみからなり、非晶質薄膜211〜21n−1がi型非晶質薄膜211i/p型非晶質薄膜211pからなっていてもよい。この場合も、光電変換装置200は、図22から図25に示す工程図に従って製造される。
そして、非晶質薄膜201〜20nがn型非晶質薄膜201n’のみからなり、非晶質薄膜211〜21n−1がi型非晶質薄膜211i/p型非晶質薄膜211pからなる場合、図23の工程(f)において、レジストパターン250をマスクとしてi型非晶質薄膜102iおよびp型非晶質薄膜104pの両方がエッチングされる。
一方、非晶質薄膜201〜20nがi型非晶質薄膜201i/n型非晶質薄膜201nからなり、非晶質薄膜211〜21n−1がp型非晶質薄膜211p’のみからなる場合、図22の工程(d)において、i型非晶質薄膜102iおよびn型非晶質薄膜104nが順次積層され、図23の工程(f)において、レジストパターン250をマスクとしてi型非晶質薄膜102iおよびn型非晶質薄膜104nの両方がエッチングされ、図23の工程(g)において、p型非晶質薄膜が堆積される。
このように、非晶質薄膜102、非晶質薄膜201〜20nおよび非晶質薄膜211〜21n−1が各種の材料からなっていても、光電変換装置200は、図22から図25に示す工程図に従って製造される。
光電変換装置200は、n型単結晶シリコン基板1の光入射側に非晶質薄膜102を備え、n型単結晶シリコン基板1の裏面側に非晶質薄膜201〜20nおよび非晶質薄膜211〜21n−1を備えるので、製造工程において、n型単結晶シリコン基板1に印加される歪は、厚み方向において均等になる。従って、n型単結晶シリコン基板1の反りを抑制できる。
なお、光電変換装置200は、n型単結晶シリコン基板1を備えると説明したが、実施の形態3においては、これに限らず、光電変換装置200は、p型単結晶シリコン基板を備えていてもよい。この場合、非晶質薄膜201〜20nは、i型非晶質薄膜/p型非晶質薄膜、またはp型非晶質薄膜からなり、非晶質薄膜211〜21n−1は、i型非晶質薄膜/n型非晶質薄膜、またはn型非晶質薄膜からなる。
そして、光電変換装置200は、p型単結晶シリコン基板を備える場合も、図22から図25に示す工程図に従って製造される。
上記においては、n型単結晶シリコン基板またはp型単結晶シリコン基板の光入射側の表面に形成された凹凸構造TX1に接して非晶質薄膜102を配置するとともに、非晶質薄膜102の光入射側の表面に凹凸構造TX2を配置し、n型単結晶シリコン基板またはp型単結晶シリコン基板の裏面にバックコンタクト用の非晶質薄膜201〜20n,211〜21n−1を形成した光電変換装置について説明した。
従って、実施の形態3による光電変換装置は、光入射側の表面に凹凸構造TX1を有する単結晶シリコン基板と、凹凸構造TX1に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する非晶質薄膜102と、バックコンタクトを形成するための非晶質薄膜201〜20n,211〜21n−1とを備えていればよい。
[実施の形態4]
図26は、実施の形態4による光電変換装置の構成を示す概略図である。図26を参照して、実施の形態4による光電変換装置300は、図19に示す光電変換装置200の非晶質薄膜201〜20n,211〜21n−1を削除し、n型単結晶シリコン基板1をn型単結晶シリコン基板301に代え、電極221〜22n,231〜23n−1を電極331〜33n,341〜34n−1に代えたものであり、その他は、光電変換装置200と同じである。
n型単結晶シリコン基板301は、光入射側の表面に凹凸構造TX1を有し、裏面側にn型拡散領域311〜31nおよびp型拡散領域321〜32n−1を有する。その結果、n型単結晶シリコン基板301は、バルク領域301bと、n型拡散領域311〜31nおよびp型拡散領域321〜32n−1とを含み、pn接合(p型拡散領域321〜32n−1/n型単結晶シリコン基板301)を裏面側に内蔵する。
n型単結晶シリコン基板301についてのその他の説明は、n型単結晶シリコン基板1と同じである。
n型拡散領域311〜31nおよびp型拡散領域321〜32n−1は、n型単結晶シリコン基板301の裏面に接して、n型単結晶シリコン基板301の面内方向DR1に交互に配置される。
n型拡散領域311〜31nは、例えば、1×1017cm−3〜1×1018cm−3のP濃度を有し、p型拡散領域321〜32n−1は、例えば、1×1017cm−3〜1×1018cm−3のB濃度を有する。
また、n型拡散領域311〜31nおよびp型拡散領域321〜32n−1は、0.01μm〜0.1μmの拡散深さを有する。
更に、面内方向DR1に垂直な方向(=図26の紙面上、手前から奥へ向かう方向)において、n型拡散領域311〜31nは、p型拡散領域321〜32n−1と同じ長さを有する。
更に、p型拡散領域321〜32n−1の全体の面積がn型単結晶シリコン基板301の面積に占める割合である面積占有率は、60〜93%であり、n型拡散領域311〜31nの全体の面積がn型単結晶シリコン基板301の面積に占める割合である面積占有率は、5〜20%である。
このように、p型拡散領域321〜32n−1の面積占有率をn型拡散領域311〜31nの面積占有率よりも大きくするのは、n型単結晶シリコン基板301中で光励起された電子および正孔がpn接合(p型拡散領域321〜32n−1/n型単結晶シリコン基板301)によって分離され易くし、光励起された電子および正孔の発電への寄与率を高くするためである。
電極331〜33nは、それぞれ、n型拡散領域311〜31nに接して配置される。電極341〜34n−1は、それぞれ、p型拡散領域341〜34n−1に接して配置される。電極331〜33n,341〜34n−1は、例えば、Alからなる。
光電変換装置300の発電原理は、上述した光電変換装置200の発電原理と同じである。従って、光電変換装置300も、光励起されたキャリア(電子および正孔)を裏面から取出すバックコンタクト型の光電変換装置である。
光電変換装置300は、凹凸構造TX1が形成されたn型単結晶シリコン基板301と、凹凸構造TX1に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2が形成された非晶質薄膜102とを備えるので、光入射側の表面において入射光に対する反射率を低下させることができるとともに、非晶質薄膜102とn型単結晶シリコン基板301の凹凸構造TX1との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を低減できる。
図27から図30は、それぞれ、図26に示す光電変換装置300の製造方法を示す第1から第4の工程図である。
なお、図27から図30においては、非晶質薄膜102がi型非晶質薄膜102iおよびn型非晶質薄膜102nからなる場合を例にして光電変換装置300の製造方法を説明する。
図27を参照して、光電変換装置300の製造が開始されると、上述したように、n型単結晶シリコン基板30が洗浄される(工程(a))。
そして、BSG膜350BおよびNSG(Non−doped Siligate Glass)膜350NをAPCVD法によってn型単結晶シリコン基板30の裏面に順次積層する(工程(b))。
その後、レジストをNSG膜350Nの全面に塗布し、その塗布したレジストをフォトリソグラフィおよびエッチングによってパターンニングし、レジストパターン360を形成する(工程(c))。
そうすると、レジストパターン360をマスクとしてNSG膜350NおよびBSG膜350Bをエッチングし、その後、レジストパターン360を除去する。これによって、BSG膜350B−1〜350B−n−1およびNSG膜350N−1〜350N−n−1が形成される(工程(d))。
図28を参照して、工程(d)の後、n型単結晶シリコン基板30の裏面およびNSG膜350N−1〜350N−n−1を覆うようにPSG(Phosphorus Siligate Glass)膜350PをAPCVD法によって形成する(工程(e))。
そうすると、n型単結晶シリコン基板30、BSG膜350B−1〜350B−n−1、NSG膜350N−1〜350N−n−1およびPSG膜350Pを窒素ガス雰囲気中で800℃の温度で熱処理する(工程(f))。
これにより、BSG膜350B−1〜350B−n−1からBがn型単結晶シリコン基板30中へ拡散し、PSG膜350Pのうち、n型単結晶シリコン基板30に接する部分からPがn型単結晶シリコン基板30中へ拡散する。
なお、BSG膜350B−1〜350B−n−1とPSG膜350Pとが積層されている部分では、BSG膜350B−1〜350B−n−1とPSG膜350Pとの間にNSG膜350N−1〜350N−n−1が存在するため、PSG膜350PからPがn型単結晶シリコン基板30中へ拡散することはない。
熱処理が終了すると、BSG膜350B−1〜350B−n−1、NSG膜350N−1〜350N−n−1およびPSG膜350Pを除去する。これによって、n型単結晶シリコン基板30の裏面側に、n型拡散領域311〜31nおよびp型拡散領域321〜32n−1が形成される(工程(g))。
その後、n型単結晶シリコン基板30の光入射側の表面をアルカリで異方性エッチングし、凹凸構造TX1を形成する(工程(h)。これによって、n型単結晶シリコン基板301が作製される。
図29を参照して、工程(h)の後、n型単結晶シリコン基板301の凹凸構造TX1が形成された表面上に、i型非晶質薄膜102i(=i型a−Si)およびn型非晶質薄膜104n(=n型a−Si)をプラズマCVD法によって順次積層する(工程(i))。
その後、図5の工程(e)と同じ工程を実行し、n型非晶質薄膜104nの光入射側の表面をエッチングする(工程(j))。その結果、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有するn型非晶質薄膜102nが形成され、非晶質薄膜102がn型単結晶シリコン基板301の凹凸構造TX1に接して配置される(工程(k))。
図30を参照して、工程(k)の後、スパッタリング法によって透明導電膜3を非晶質薄膜102上に堆積する(工程(l))。
そして、n型拡散領域311〜31nおよびp型拡散領域321〜32n−1上にAlペーストを塗布し、その塗布したAlペーストを焼成する。これによって、電極331〜33n,341〜34n−1が形成され、光電変換装置300が完成する(工程(m))。
非晶質薄膜102が非晶質薄膜102A〜102C,102E(図14の(a)〜(c),(e)参照)のいずれかからなる場合も、光電変換装置300は、図27から図30に示す工程図に従って製造される。そして、非晶質薄膜102が図14の(b)に示すi型非晶質薄膜103iからなる場合、図29に示す工程(i)において、i型非晶質薄膜のみが堆積され、その堆積されたi型非晶質薄膜は、図29に示す工程(j)において、光入射側の表面がエッチングされる。
また、非晶質薄膜102が図14の(c)に示すp型非晶質薄膜103pからなる場合、図29に示す工程(i)において、p型非晶質薄膜のみが堆積され、その堆積されたp型非晶質薄膜は、図29に示す工程(j)において、光入射側の表面がエッチングされる。
更に、非晶質薄膜102が図14の(a)に示すi型非晶質薄膜102i/p型非晶質薄膜102pからなる場合、図29に示す工程(i)において、i型非晶質薄膜102iおよびp型非晶質薄膜が順次堆積され、その堆積されたp型非晶質薄膜は、図29に示す工程(j)において、光入射側の表面がエッチングされる。
更に、非晶質薄膜102が図14の(e)に示すn型非晶質薄膜103nからなる場合、図29に示す工程(i)において、n型非晶質薄膜のみが堆積され、その堆積されたn型非晶質薄膜は、図29に示す工程(j)において、光入射側の表面がエッチングされる。
なお、光電変換装置300は、n型単結晶シリコン基板301を備えると説明したが、実施の形態4においては、これに限らず、光電変換装置300は、p型単結晶シリコン基板を備えていてもよい。
そして、光電変換装置300は、p型単結晶シリコン基板を備える場合も、図27から図30に示す工程図に従って製造される。
上記においては、n型単結晶シリコン基板またはp型単結晶シリコン基板の光入射側の表面に形成された凹凸構造TX1に接して非晶質薄膜102を配置するとともに、非晶質薄膜102の光入射側の表面に凹凸構造TX2を配置し、n型単結晶シリコン基板またはp型単結晶シリコン基板の裏面側にバックコンタクト用のn型拡散領域311〜31nおよびp型拡散領域321〜32n−1を形成した光電変換装置について説明した。
従って、実施の形態4による光電変換装置は、光入射側の表面に凹凸構造TX1を有する単結晶シリコン基板と、凹凸構造TX1に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX2を有する非晶質薄膜102と、バックコンタクトを形成するための拡散領域とを備えていればよい。
[実施の形態5]
図31は、実施の形態5による光電変換装置の構成を示す概略図である。図31を参照して、実施の形態5による光電変換装置400は、図1に示す光電変換装置10のn型単結晶シリコン基板1をn型単結晶シリコン基板401に代え、非晶質薄膜2を非晶質薄膜402に代えたものであり、その他は、光電変換装置10と同じである。
n型単結晶シリコン基板401は、光入射側の表面に凹凸構造TX5を有する。凹凸構造TX5において、高さH3および幅W3は、図2に示す高さH2および幅W2と同じように定義される。そして、高さH3は、例えば、1nm〜40nmであり、幅W3は、1nm〜40nmである。n型単結晶シリコン基板401についてのその他の説明は、n型単結晶シリコン基板1と同じである。
非晶質薄膜402は、n型単結晶シリコン基板401の凹凸構造TX5に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する。凹凸構造TX4において、高さH4および幅W4は、図2に示す高さH1および幅W1と同じように定義される。そして、高さH4は、例えば、50nm〜1μmであり、幅W4は、50nm〜1μmである。このように、凹凸構造TX4は、凹凸構造TX5よりも大きい凹凸サイズを有する。
非晶質薄膜402は、図3の(a)または(b)に示す構成からなる。非晶質薄膜402が図3の(a)に示す構成(i型非晶質薄膜21/p型非晶質薄膜22)からなる場合、i型非晶質薄膜21は、n型単結晶シリコン基板401の凹凸構造TX5に接して配置され、p型非晶質薄膜22は、i型非晶質薄膜21に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する。
また、非晶質薄膜402が図3の(b)に示す構成(p型非晶質薄膜23)からなる場合、p型非晶質薄膜23は、n型単結晶シリコン基板401の凹凸構造TX5に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する。
光電変換装置400においては、透明導電膜3は、非晶質薄膜402の凹凸構造TX4に沿って配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する。
また、パッシベーション膜5は、n型単結晶シリコン基板401の裏面に接して配置され、電極6は、パッシベーション膜5およびn型単結晶シリコン基板401の裏面に接して配置される。
光電変換装置400においては、光が入射する方向に対して、大きい凹凸サイズから小さい凹凸サイズへ変化するように2つの凹凸構造TX4,TX5が配置される。
その結果、入射光は、大きい凹凸サイズを有する凹凸構造TX4で散乱され、その散乱された光は、小さい凹凸サイズを有する凹凸構造TX5によって更に散乱される。
従って、光が入射する方向に対して、大きい凹凸サイズから小さい凹凸サイズへ変化するように2つの凹凸構造TX4,TX5を配置しても、光電変換装置400の光入射側において光の反射率を低下できる。
また、非晶質薄膜402は、図3の(a)または(b)に示す構成からなるので、i型a−Si等がn型単結晶シリコン基板401の凹凸構造TX5に接して配置される。そして、i型a−Si等は、プラズマCVD法によって形成されるので、上述した凹凸サイズを有する凹凸構造TX5を覆うように凹凸構造TX5上に均一に成膜される。その結果、n型単結晶シリコン基板401の凹凸構造TX5が形成された面は、非晶質薄膜402によってパッシベートされる。
従って、n型単結晶シリコン基板401と非晶質薄膜402との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を低減できる。
光電変換装置400は、図4から図6に示す工程図に従って製造される。この場合、n型単結晶シリコン基板401は、図4の工程(c)において、光入射側の表面に凹凸構造TX5が形成される。この場合、アルカリによる異方性エッチングの時間を短くすることによって、凹凸サイズが小さい凹凸構造TX5が形成される。あるいは、ドライエッチングを用いて凹凸構造TX5を形成してもよい。
また、図5の工程(e)において、非晶質薄膜402の光入射側の表面に凹凸構造TX4が形成される。この場合、フッ素原子を含むガスによるエッチング時間を長くすることによって、凹凸サイズが大きい凹凸構造TX4が形成される。
光電変換装置400についてのその他の説明は、実施の形態1における光電変換装置10についての説明と同じである。
図32は、実施の形態5による別の光電変換装置の構成を示す概略図である。実施の形態5による光電変換装置は、図32の(a),(b)に示す光電変換装置400A,400Bであってもよい。
光電変換装置400Aは、図7に示す光電変換装置10Aのn型単結晶シリコン基板1をn型単結晶シリコン基板401に代え、非晶質薄膜2を非晶質薄膜402に代えたものであり、その他は、光電変換装置10Aと同じである(図32の(a)参照)。
n型単結晶シリコン基板401および非晶質薄膜402については、図31において説明したとおりである。
光電変換装置400Aにおいても、透明導電膜3は、非晶質薄膜402の凹凸構造TX4に沿って配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する。
また、非晶質薄膜7は、n型単結晶シリコン基板401の裏面に接して配置される。
光電変換装置400Aは、図9から図11に示す製造方法に従って製造される。この場合、n型単結晶シリコン基板401は、図9の工程(b)において、光入射側の表面に凹凸構造TX5が形成される。この場合も、アルカリによる異方性エッチングの時間を短くすることによって、凹凸サイズが小さい凹凸構造TX5が形成される。あるいは、ドライエッチングを用いて凹凸構造TX5を形成してもよい。
また、図10の工程(e)において、非晶質薄膜402の光入射側の表面に凹凸構造TX4が形成される。この場合も、フッ素原子を含むガスによるエッチング時間を長くすることによって、凹凸サイズが大きい凹凸構造TX4が形成される。
光電変換装置400Aは、光入射側において、光電変換装置400と同じ構造を有するので、上述したように、入射光の反射率を低下できるとともに、n型単結晶シリコン基板401と非晶質薄膜402との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を低減できる。
光電変換装置400Aについてのその他の説明は、実施の形態1における光電変換装置10Aについての説明と同じである。
光電変換装置400Bは、図12に示す光電変換装置10Bのn型単結晶シリコン基板11をn型単結晶シリコン基板411に代え、非晶質薄膜2を非晶質薄膜412に代えたものであり、その他は、光電変換装置10Bと同じである(図32の(b)参照)。
n型単結晶シリコン基板411は、光入射側の表面に凹凸構造TX7と平坦面FT4とを有する。凹凸構造TX7は、凹凸構造TX5と同じ凹凸サイズを有する。n型単結晶シリコン基板411についてのその他の説明は、n型単結晶シリコン基板1についての説明と同じである。
非晶質薄膜412は、n型単結晶シリコン基板411の凹凸構造TX7および平坦面FT4に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX6および平坦面FT5を有する。凹凸構造TX6は、凹凸構造TX4と同じ凹凸サイズを有し、平坦面FT5は、平坦面FT4に対向して配置される。
非晶質薄膜412は、図3の(a)または(b)に示す構成からなる。非晶質薄膜412が図3の(a)に示す構成(i型非晶質薄膜21/p型非晶質薄膜22)からなる場合、i型非晶質薄膜21は、n型単結晶シリコン基板411の凹凸構造TX7および平坦面FT4に接して配置され、p型非晶質薄膜22は、i型非晶質薄膜21に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX6および平坦面FT5を有する。
また、非晶質薄膜412が図3の(b)に示す構成(p型非晶質薄膜23)からなる場合、p型非晶質薄膜23は、n型単結晶シリコン基板411の凹凸構造TX7および平坦面FT4に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX6および平坦面FT5を有する。
光電変換装置400Bにおいては、透明導電膜3は、非晶質薄膜412の凹凸構造TX6および平坦面FT5に沿って配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX6および平坦面FT6を有する。平坦面FT6は、平坦面FT5に対向する。そして、電極9は、透明導電膜3の平坦面FT6に接して配置される。
光電変換装置400Bは、図4から図6に示す工程図において、図4に示す工程(c)を、n型単結晶シリコン基板411の光入射側の表面のうち、電極9に対向するn型単結晶シリコン基板411の一部分をレジストで覆い、レジストによって覆われていない光入射側の表面をアルカリを用いてエッチングする工程に代えた工程図に従って製造される。
光電変換装置400Bにおいては、電極9の下側において、非晶質薄膜412は、平坦面FT4でn型単結晶シリコン基板411に接する。その結果、電極9の下側において、非晶質薄膜412とn型単結晶シリコン基板411との接触面積が減少する。従って、n型単結晶シリコン基板401を用いた場合よりも、非晶質薄膜412とn型単結晶シリコン基板411との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を低減できる。
光電変換装置400Bにおいては、その他、光電変換装置400と同じ効果が得られる。
実施の形態5による光電変換装置は、光電変換装置400から光電変換装置400Bへの変更と同じ変更が光電変換装置400Aに適用されたものであってもよい。
この場合、光電変換装置は、図9から図11に示す工程図において、図9に示す工程(b)を、n型単結晶シリコン基板411の光入射側の表面のうち、電極9に対向するn型単結晶シリコン基板411の一部分をレジストで覆い、レジストによって覆われていない光入射側の表面をアルカリを用いてエッチングする工程に代えた工程図に従って製造される。
この光電変換装置においても、光電変換装置400Bと同様に、n型単結晶シリコン基板401を用いた場合よりも、非晶質薄膜412とn型単結晶シリコン基板411との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を低減できる。
また、実施の形態5による光電変換装置は、n型単結晶シリコン基板401,411をn型多結晶シリコン基板に代えたものであってもよい。この場合、n型多結晶シリコン基板の光入射側の表面は、ドライエッチングによって凹凸化される。そして、n型多結晶シリコン基板を備える光電変換装置は、上述した光電変換装置400,400A,400Bのいずれかの製造方法と同じ製造方法に従って製造される。
更に、実施の形態5による光電変換装置は、光電変換装置400,400A,400Bのn型単結晶シリコン基板401,411をp型単結晶シリコン基板またはp型多結晶シリコン基板に代えたものであってもよい。
この場合、p型単結晶シリコン基板は、(100)の面方位、0.1〜10Ωcmの比抵抗、および100μm〜300μmの厚みを有する。p型多結晶シリコン基板は、0.1〜10Ωcmの比抵抗、および100μm〜300μmの厚みを有し、光入射側の表面は、ドライエッチングによって凹凸化される。
また、非晶質薄膜412は、i型非晶質薄膜およびn型非晶質薄膜からなり、またはn型非晶質薄膜からなる。そして、i型非晶質薄膜およびn型非晶質薄膜の具体例は、上述したとおりである。
更に、非晶質薄膜7は、i型非晶質薄膜およびp型非晶質薄膜からなり、またはp型非晶質薄膜からなる。そして、i型非晶質薄膜およびp型非晶質薄膜の具体例は、上述したとおりである。
p型単結晶シリコン基板またはp型多結晶シリコン基板を備える光電変換装置は、上述した光電変換装置400,400A,400Bのいずれかの製造方法において、n型非晶質薄膜をp型非晶質薄膜に読み替え、p型非晶質薄膜をn型非晶質薄膜に読み替えた製造方法に従って製造される。
従って、実施の形態5による光電変換装置は、第3の凹凸サイズを有する第3の凹凸構造が光入射側の表面に設けられた結晶シリコン基板と、第3の凹凸構造に接して結晶シリコン基板上に配置され、第3の凹凸サイズよりも大きい第4の凹凸サイズを有する第4の凹凸構造が光入射側の表面に設けられた非晶質薄膜とを備え、非晶質薄膜と結晶シリコン基板とによってpn接合またはpin接合が形成されるものであればよい。そして、非晶質薄膜は、IV族元素を含む。
[実施の形態6]
図33は、実施の形態6による光電変換装置の構成を示す概略図である。図33を参照して、実施の形態6による光電変換装置500は、図13に示す光電変換装置100のn型単結晶シリコン基板101をn型単結晶シリコン基板501に代え、非晶質薄膜102を非晶質薄膜502に代えたものであり、その他は、光電変換装置100と同じである。
n型単結晶シリコン基板501は、光入射側の表面に凹凸構造TX5を有する。また、n型単結晶シリコン基板501は、光入射側にp型拡散領域501pを有する。p型拡散領域501pは、例えば、0.01μm〜0.1μmの拡散深さを有し、凹凸構造TX5に接して配置される。そして、p型拡散領域501pは、p型ドーパントとしてのBを含み、Bの濃度は、例えば、1017cm−3〜1018cm−3である。
このように、n型単結晶シリコン基板501は、n型の導電型を有するバルク領域501bと、p型の導電型を有するp型拡散領域501pとからなり、光入射側にpn接合を内蔵する。
n型単結晶シリコン基板501は、その他、n型単結晶シリコン基板1と同じである。
非晶質薄膜502は、n型単結晶シリコン基板501のp型拡散領域501pに接してp型拡散領域501p上に配置される。そして、非晶質薄膜502は、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する。
非晶質薄膜502は、非晶質薄膜102A〜102E(図14の(a)〜(e)参照)のいずれかからなる。
非晶質薄膜502が図14の(a)に示すi型非晶質薄膜102i/p型非晶質薄膜102pからなる場合、i型非晶質薄膜102iは、n型単結晶シリコン基板501の凹凸構造TX5に接して配置され、p型非晶質薄膜102pは、i型非晶質薄膜102iに接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する。
また、非晶質薄膜502が図14の(b)に示すi型非晶質薄膜103iからなる場合、i型非晶質薄膜103iは、n型単結晶シリコン基板501の凹凸構造TX5に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する。
更に、非晶質薄膜502が図14の(c)に示すp型非晶質薄膜103pからなる場合、p型非晶質薄膜103pは、n型単結晶シリコン基板501の凹凸構造TX5に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する。
更に、非晶質薄膜502が図14の(d)に示すi型非晶質薄膜102i/n型非晶質薄膜102nからなる場合、i型非晶質薄膜102iは、n型単結晶シリコン基板501の凹凸構造TX5に接して配置され、n型非晶質薄膜102nは、i型非晶質薄膜102iに接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する。
更に、非晶質薄膜502が図14の(e)に示すn型非晶質薄膜103nからなる場合、n型非晶質薄膜103nは、n型単結晶シリコン基板501の凹凸構造TX5に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する。
なお、光電変換装置500においては、電極104は、n型単結晶シリコン基板501のp型拡散領域501pの一部に接して配置される。
光電変換装置500は、図15から図17に示す工程図に従って製造される。この場合、n型単結晶シリコン基板501は、図15の工程(c)において、光入射側の表面に凹凸構造TX5が形成される。より具体的には、アルカリによる異方性エッチングの時間を短くすることによって、凹凸サイズが小さい凹凸構造TX5が形成される。あるいは、ドライエッチングを用いて凹凸構造TX5を形成してもよい。
また、図16の工程(f)において、非晶質薄膜502の光入射側の表面に凹凸構造TX4が形成される。より具体的には、フッ素原子を含むガスによるエッチング時間を長くすることによって、凹凸サイズが大きい凹凸構造TX4が形成される。
光電変換装置500は、光入射側の表面に凹凸構造TX5を有するn型単結晶シリコン基板501と、n型単結晶シリコン基板501の光入射側の表面に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する非晶質薄膜502とを備えるので、光入射側の表面における光の反射率を低下できるとともに、n型単結晶シリコン基板501の光入射側の表面をパッシベートしてn型単結晶シリコン基板501と非晶質薄膜502との界面におけるキャリア(電子およ正孔)の再結合を低減できる。
光電変換装置500においては、その他、光電変換装置100と同じ効果が得られる。
図34は、実施の形態6による別の光電変換装置の構成を示す概略図である。実施の形態6による光電変換装置は、図34に示す光電変換装置500Aであってもよい。
図34を参照して、光電変換装置500Aは、図33に示す光電変換装置500のn型単結晶シリコン基板501をn型単結晶シリコン基板511に代え、電極104を電極114に代えたものであり、その他は、光電変換装置500と同じである。
n型単結晶シリコン基板511は、光入射側の表面に凹凸構造TX7および平坦面FT7を有する。凹凸構造TX7は、凹凸構造TX5と同じ凹凸サイズを有する。
n型単結晶シリコン基板511は、p型拡散領域511pを有する。p型拡散領域511pは、凹凸構造TX7および平坦面FT7に接して配置される。また、p型拡散領域511pは、p型拡散領域501pと同じ拡散深さおよびB濃度を有する。
このように、n型単結晶シリコン基板511は、n型の導電型を有するバルク領域511bと、p型の導電型を有するp型拡散領域511pとからなり、光入射側にpn接合を内蔵する。
n型単結晶シリコン基板511についてのその他の説明は、n型単結晶シリコン基板1についての説明と同じである。
光電変換装置500Aにおいては、電極114は、n型単結晶シリコン基板511のp型拡散領域511pの平坦面FT7に接して配置される。
光電変換装置500Aは、図15から図17に示す工程図において、図15に示す工程(c)を、n型単結晶シリコン基板511の光入射側の表面のうち、電極114に接するn型単結晶シリコン基板511の一部分をレジストで覆い、レジストによって覆われていない光入射側の表面をアルカリを用いてエッチングする工程に代えた工程図に従って製造される。
光電変換装置500Aにおいては、電極114は、n型単結晶シリコン基板511の平坦面FT7に接するので、n型単結晶シリコン基板511と電極114との接触面積が光電変換装置500よりも小さくなる。従って、n型単結晶シリコン基板511と電極114との界面における少数キャリア(正孔)の再結合を光電変換装置500よりも更に低減できる。光電変換装置500Aにおいては、その他、光電変換装置100と同じ効果を得ることができる。
上記においては、n型単結晶シリコン基板501,511を用いた光電変換装置500,500Aについて説明したが、実施の形態6においては、これに限らず、実施の形態6による光電変換装置は、n型単結晶シリコン基板501,511をn型多結晶シリコン基板に代えたものであってもよい。この場合、n型多結晶シリコン基板の光入射側の表面は、ドライエッチングによって凹凸化される。そして、n型多結晶シリコン基板を備える光電変換装置は、上述した光電変換装置500,500Aのいずれかの製造方法と同じ製造方法に従って製造される。
また、実施の形態6による光電変換装置は、光電変換装置500,500Aのn型単結晶シリコン基板501,511をp型単結晶シリコン基板またはp型多結晶シリコン基板に代えたものであってもよい。
この場合、p型単結晶シリコン基板は、(100)の面方位、0.1〜10Ωcmの比抵抗、および100μm〜300μmの厚みを有する。また、p型多結晶シリコン基板は、0.1〜10Ωcmの比抵抗、および100μm〜300μmの厚みを有し、光入射側の表面は、ドライエッチングによって凹凸化される。
p型単結晶シリコン基板またはp型多結晶シリコン基板を備える光電変換装置は、上述した光電変換装置500,500Aのいずれかの製造方法において、p型拡散領域をn型拡散領域に読み替えた製造方法に従って製造される。
このように、実施の形態6による光電変換装置は、各種の光電変換装置からなる。従って、実施の形態6による光電変換装置は、第3の凹凸サイズを有する第3の凹凸構造が光入射側の表面に設けられるとともに、光入射側の表面に接して設けられ、かつ、バルク領域の導電型と反対の導電型を有する拡散領域と、バルク領域とを含む結晶シリコン基板と、第3の凹凸構造に接して結晶シリコン基板上に配置され、第3の凹凸サイズよりも大きい第4の凹凸サイズを有する第4の凹凸構造が光入射側の表面に設けられた非晶質薄膜とを備えるものであればよい。そして、非晶質薄膜は、IV族元素を含む。
[実施の形態7]
図35は、実施の形態7による光電変換装置の構成を示す概略図である。図35を参照して、実施の形態7による光電変換装置600は、図19に示す光電変換装置200のn型単結晶シリコン基板1をn型単結晶シリコン基板401に代え、非晶質薄膜102を非晶質薄膜502に代えたものであり、その他は、光電変換装置200と同じである。
n型単結晶シリコン基板401については、図31において説明したとおりである。また、非晶質薄膜502については、図33において説明したとおりである。そして、光電変換装置600においては、非晶質薄膜502は、n型単結晶シリコン基板401の凹凸構造TX5に接して配置される。
光電変換装置600は、図22から図25に示す工程図に従って製造される。この場合、n型単結晶シリコン基板401は、図22の工程(b)において、光入射側の表面に凹凸構造TX5が形成される。より具体的には、アルカリによる異方性エッチングの時間を短くすることによって、凹凸サイズが小さい凹凸構造TX5が形成される。あるいは、ドライエッチングを用いて凹凸構造TX5を形成してもよい。
また、図24の工程(h)において、非晶質薄膜502の光入射側の表面に凹凸構造TX4が形成される。より具体的には、フッ素原子を含むガスによるエッチング時間を長くすることによって、凹凸サイズが大きい凹凸構造TX4が形成される。
光電変換装置600は、光入射側の表面に凹凸構造TX5を有するn型単結晶シリコン基板401と、n型単結晶シリコン基板401の光入射側の表面に接して配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する非晶質薄膜502とを備えるので、光入射側の表面における光の反射率を低下できるとともに、n型単結晶シリコン基板401の光入射側の表面をパッシベートしてn型単結晶シリコン基板401と非晶質薄膜502との界面におけるキャリア(電子およ正孔)の再結合を低減できる。
また、光電変換装置600は、n型単結晶シリコン基板401の光入射側に非晶質薄膜502を備え、n型単結晶シリコン基板401の裏面側に非晶質薄膜201〜20nおよび非晶質薄膜211〜21n−1を備えるので、製造工程において、n型単結晶シリコン基板401に印加される熱歪は、厚み方向において均等になる。従って、n型単結晶シリコン基板401の反りを抑制できる。
なお、光電変換装置600は、n型単結晶シリコン基板401を備えると説明したが、実施の形態7においては、これに限らず、光電変換装置600は、p型単結晶シリコン基板を備えていてもよい。この場合、非晶質薄膜201〜20nは、i型非晶質薄膜/p型非晶質薄膜、またはp型非晶質薄膜からなり、非晶質薄膜211〜21n−1は、i型非晶質薄膜/n型非晶質薄膜、またはn型非晶質薄膜からなる。
そして、光電変換装置600は、p型単結晶シリコン基板を備える場合も、図22から図25に示す工程図に従って製造される。
上記においては、n型単結晶シリコン基板またはp型単結晶シリコン基板の光入射側の表面に形成された凹凸構造TX5に接して非晶質薄膜502を配置するとともに、非晶質薄膜502の光入射側の表面に凹凸構造TX4を配置し、n型単結晶シリコン基板またはp型単結晶シリコン基板の裏面にバックコンタクト用の非晶質薄膜201〜20n,211〜21n−1を形成した光電変換装置について説明した。
従って、実施の形態7による光電変換装置は、光入射側の表面に凹凸構造TX5を有する単結晶シリコン基板と、凹凸構造TX5に接して単結晶シリコン基板上に配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する非晶質薄膜502と、バックコンタクトを形成するための非晶質薄膜201〜20n,211〜21n−1とを備えていればよい。
[実施の形態8]
図36は、実施の形態8による光電変換装置の構成を示す概略図である。図36を参照して、実施の形態8による光電変化装置700は、図26に示す光電変換装置300のn型単結晶シリコン基板301をn型単結晶シリコン基板601に代え、非晶質薄膜102を非晶質薄膜502に代えたものであり、その他は、光電変換装置300と同じである。
n型単結晶シリコン基板601は、光入射側の表面に凹凸構造TX5を有する。n型単結晶シリコン基板601についてのその他の説明は、n型単結晶シリコン基板301についての説明と同じである。その結果、n型単結晶シリコン基板601は、バルク領域601bと、n型拡散領域311〜31nと、p型拡散領域321〜32n−1とを含む。
非晶質薄膜502の構成については、図33において説明したとおりである。そして、光電変換装置700においては、非晶質薄膜502は、n型単結晶シリコン基板601の凹凸構造TX5に接して配置される。
光電変換装置700は、図27から図30に示す工程図に従って製造される。この場合、n型単結晶シリコン基板601は、図28の工程(h)において、光入射側の表面に凹凸構造TX5が形成される。また、非晶質薄膜502は、図29の工程(j)において、光入射側の表面に凹凸構造TX4が形成される。
光電変換装置700は、光入射側の表面に凹凸構造TX5を有するn型単結晶シリコン基板601と、n型単結晶シリコン基板601の光入射側の表面に接してn型単結晶シリコン基板601上に配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する非晶質薄膜502とを備えるので、光入射側の表面における光の反射率を低下できるとともに、n型単結晶シリコン基板601の光入射側の表面をパッシベートしてn型単結晶シリコン基板601と非晶質薄膜502との界面におけるキャリア(電子およ正孔)の再結合を低減できる。
なお、光電変換装置700は、n型単結晶シリコン基板601を備えると説明したが、実施の形態8においては、これに限らず、光電変換装置700は、p型単結晶シリコン基板を備えていてもよい。
そして、光電変換装置700は、p型単結晶シリコン基板を備える場合も、図27から図30に示す工程図に従って製造される。
上記においては、n型単結晶シリコン基板またはp型単結晶シリコン基板の光入射側の表面に形成された凹凸構造TX5に接して非晶質薄膜502を配置するとともに、非晶質薄膜502の光入射側の表面に凹凸構造TX4を配置し、n型単結晶シリコン基板またはp型単結晶シリコン基板の裏面側にバックコンタクト用のn型拡散領域311〜31nおよびp型拡散領域321〜32n−1を形成した光電変換装置について説明した。
従って、実施の形態8による光電変換装置は、光入射側の表面に凹凸構造TX5を有する単結晶シリコン基板と、凹凸構造TX5に接して単結晶シリコン基板上に配置され、光入射側の表面に凹凸構造TX4を有する非晶質薄膜502と、バックコンタクトを形成するための拡散領域とを備えていればよい。
[実施の形態9]
図37は、この実施の形態による光電変換装置を備える光電変換モジュールの構成を示す概略図である。図37を参照して、光電変換モジュール1000は、複数の光電変換装置1001と、カバー1002と、出力端子1003,1004とを備える。
複数の光電変換装置1001は、アレイ状に配置され、直列に接続される。なお、複数の光電変換装置1001は、直列に接続される代わりに、並列に接続されてもよく、直列と並列を組み合わせて接続されてもよい。
そして、複数の光電変換装置1001の各々は、光電変換装置10,10A,10B,100,100A,200,300,400,400A,400B,500,500A,600,700のいずれかからなる。
カバー1002は、耐候性のカバーからなり、複数の光電変換装置1001を覆う。
出力端子1003は、直列に接続された複数の光電変換装置1001の一方端に配置される光電変換装置1001に接続される。
出力端子1004は、直列に接続された複数の光電変換装置1001の他方端に配置される光電変換装置1001に接続される。
上述したように、光電変換装置10,10A,10B,100,100A,200,300,400,400A,400B,500,500A,600,700は、光入射側の反射率を低下させ、かつ、キャリアの再結合を低減して高い変換効率を有する。
従って、光電変換モジュール1000の変換効率を向上できる。
なお、実施の形態9による光電変換モジュールは、図37に示す構成に限らず、光電変換素子10,10A,10B,100,100A,200,300,400,400A,400B,500,500A,600,700の少なくとも1つを用いる限り、どのような構成であってもよい。
[実施の形態10]
図38は、この実施の形態による光電変換装置を備える太陽光発電システムの構成を示す概略図である。
図38を参照して、太陽光発電システム1100は、光電変換モジュールアレイ1101と、接続箱1102と、パワーコンディショナー1103と、分電盤1104と、電力メーター1105とを備える。
接続箱1102は、光電変換モジュールアレイ1101に接続される。パワーコンディショナー1103は、接続箱1102に接続される。分電盤1104は、パワーコンディショナー1103および電気機器類1110に接続される。電力メーター1105は、分電盤1104および商用電力系統に接続される。
光電変換モジュールアレイ1101は、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力を接続箱1102に供給する。
接続箱1102は、光電変換モジュールアレイ1101が発電した直流電力を受け、その受けた直流電力をパワーコンディショナー1103へ供給する。
パワーコンディショナー1103は、接続箱1102から受けた直流電力を交流電力に変換し、その変換した交流電力を分電盤1104に供給する。また、パワーコンディショナー1103は、接続箱1102から受けた直流電力の一部を交流電力に変換せずに、直流電力のままで分電盤1104に供給してもよい。
分電盤1104は、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力および/または電力メーター1105を介して受けた商用電力を電気機器類1110へ供給する。また、分電盤1104は、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力が電気機器類1110の消費電力よりも多いとき、余った交流電力を電力メーター1105を介して商用電力系統へ供給する。
電力メーター1105は、商用電力系統から分電盤1104へ向かう方向の電力を計測するとともに、分電盤1104から商用電力系統へ向かう方向の電力を計測する。
図39は、図38に示す光電変換モジュールアレイ1101の構成を示す概略図である。
図39を参照して、光電変換モジュールアレイ1101は、複数の光電変換モジュール1120と、出力端子1121,1122とを含む。
複数の光電変換モジュール1120は、アレイ状に配列され、直列に接続される。なお、複数の光電変換モジュール1120は、直列に接続される代わりに、並列に接続されてもよく、直列と並列を組み合わせて接続されてもよい。そして、複数の光電変換モジュール1120の各々は、図37に示す光電変換モジュール1000からなる。
出力端子1121は、直列に接続された複数の光電変換モジュール1120の一方端に位置する光電変換モジュール1120に接続される。
出力端子1122は、直列に接続された複数の光電変換モジュール1120の他方端に位置する光電変換モジュール1120に接続される。
太陽光発電システム1100における動作を説明する。光電変換モジュールアレイ1101は、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力を接続箱1102を介してパワーコンディショナー1103へ供給する。
パワーコンディショナー1103は、光電変換モジュールアレイ1101から受けた直流電力を交流電力に変換し、その変換した交流電力を分電盤1104へ供給する。
分電盤1104は、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力が電気機器類1110の消費電力以上であるとき、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力を電気機器類1110に供給する。そして、分電盤1104は、余った交流電力を電力メーター1105を介して商用電力系統へ供給する。
また、分電盤1104は、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力が電気機器類1110の消費電力よりも少ないとき、商用電力系統から受けた交流電力およびパワーコンディショナー1103から受けた交流電力を電気機器類1110へ供給する。
太陽光発電システム1100は、上述したように、高い変換効率を有する光電変換装置10,10A,10B,100,100A,200,300,400,400A,400B,500,500A,600,700の少なくとも1つを備えている。
従って、太陽光発電システム1100の変換効率を向上できる。
図40は、この実施の形態による光電変換装置を備える別の太陽光発電システムの構成を示す概略図である。
図40を参照して、太陽光発電システム1100Aは、図38に示す太陽光発電システム1100に蓄電池1106を追加したものであり、その他は、太陽光発電システム1100と同じである。
蓄電池1106は、パワーコンディショナー1103に接続される。蓄電池1106は、パワーコンディショナー1103から供給された直流電力を蓄積するとともに、直流電力をパワーコンディショナー1103へ出力する。
太陽光発電システム1100Aにおける動作を説明する。光電変換モジュールアレイ1101は、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力を接続箱1102を介してパワーコンディショナー1103へ供給する。
パワーコンディショナー1103は、光電変換モジュールアレイ1101から受けた直流電力の一部または全部を適切に変換して蓄電池1106に蓄積する。蓄電池1106は、光電変換モジュールアレイ1101の発電量および電気機器類1110の電力消費量の状況に応じて、適宜、直流電力をパワーコンディショナー1103へ供給する。そして、パワーコンディショナー1103は、光電変換モジュールアレイ1101および/または蓄電池1106から受けた直流電力を交流電力に変換し、その変換した交流電力を分電盤1104へ供給する。
そして、分電盤1104は、上述したように、パワーコンディショナー1103および/または商用電力系統から受けた交流電力を電気機器類1110に供給し、またはパワーコンディショナー1103から受けた交流電力を電気機器類1110および/または商用電力系統へ供給する。
なお、太陽光発電システム1100Aにおいては、蓄電池1106は、パワーコンディショナー1103に内蔵されていてもよい。これにより、日照量の変動によるパワーコンディショナー1103からの出力変動を抑制できるとともに、日照のない時間帯であっても、蓄電池1106に蓄電された電力を電気機器類1110へ供給することができる。
太陽光発電システム1100,1100Aには、一般に、「ホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS:Home Energy Management System)」、および「ビルディング・エネルギー・マネジメント・システム(BEMS:Building Energy Management System)」等と呼ばれる機能を付加してもよい。
これにより、太陽光発電システム1100,1100Aの発電量の監視、太陽光発電システム1100,1100Aに接続される各電気機器類の消費電力量の監視・制御等を行うことにより、エネルギー消費量を削減できる。
なお、実施の形態10による太陽光発電システムは、図38〜図40に示す構成に限らず、光電変換装置10,10A,10B,100,100A,200,300,400,400A,400B,500,500A,600,700の少なくとも1つを用いる限り、どのような構成であってもよい。
[実施の形態11]
図41は、この実施の形態による光電変換装置を備える更に別の太陽光発電システムの構成を示す概略図である。
図41を参照して、太陽光発電システム1200は、サブシステム1201〜120n(nは2以上の整数)と、パワーコンディショナー1211〜121nと、変圧器1221とを備える。太陽光発電システム1200は、図38に示す太陽光発電システム1100および図40に示す太陽光発電システム1100Aよりも規模が大きい太陽光発電システムである。
パワーコンディショナー1211〜121nは、それぞれ、サブシステム1201〜120nに接続される。
変圧器1221は、パワーコンディショナー1211〜121nおよび商用電力系統に接続される。
サブシステム1201〜120nの各々は、モジュールシステム1231〜123j(jは2以上の整数)からなる。
モジュールシステム1231〜123jの各々は、光電変換モジュールアレイ1301〜130i(iは2以上の整数)と、接続箱1311〜131iと、集電箱1321とを含む。
光電変換モジュールアレイ1301〜130iの各々は、図39に示す光電変換モジュールアレイ1101と同じ構成からなる。
接続箱1311〜131iは、それぞれ、光電変換モジュールアレイ1301〜130iに接続される。
集電箱1321は、接続箱1311〜131iに接続される。また、サブシステム1201のj個の集電箱1321は、パワーコンディショナー1211に接続される。サブシステム1202のj個の集電箱1321は、パワーコンディショナー1212に接続される。以下、同様にして、サブシステム120nのj個の集電箱1321は、パワーコンディショナー121nに接続される。
モジュールシステム1231のi個の光電変換モジュールアレイ1301〜130iは、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力をそれぞれ接続箱1311〜131iを介して集電箱1321へ供給する。モジュールシステム1232のi個の光電変換モジュールアレイ1301〜130iは、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力をそれぞれ接続箱1311〜131iを介して集電箱1321へ供給する。以下、同様にして、モジュールシステム123jのi個の光電変換モジュールアレイ1301〜130iは、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力をそれぞれ接続箱1311〜131iを介して集電箱1321へ供給する。
そして、サブシステム1201のj個の集電箱1321は、直流電力をパワーコンディショナー1211へ供給する。
サブシステム1202のj個の集電箱1321は、同様にして直流電力をパワーコンディショナー1212へ供給する。
以下、同様にして、サブシステム120nのj個の集電箱1321は、直流電力をパワーコンディショナー121nへ供給する。
パワーコンディショナー1211〜121nは、それぞれ、サブシステム1201〜120nから受けた直流電力を交流電力に変換し、その変換した交流電力を変圧器1221へ供給する。
変圧器1221は、パワーコンディショナー1211〜121nから交流電力を受け、その受けた交流電力の電圧レベルを変換して商用電力系統へ供給する。
太陽光発電システム1200は、上述したように、高い変換効率を有する光電変換装置10,10A,10B,100,100A,200,300,400,400A,400B,500,500A,600,700のいずれかを備えている。
従って、太陽光発電システム1200の変換効率を向上できる。
図42は、この実施の形態による光電変換装置を備える更に別の太陽光発電システムの構成を示す概略図である。
図42に示す太陽光発電システム1200Aは、図41に示す太陽光発電システム1200に蓄電池1311〜131nを追加したものであり、その他は、太陽光発電システム1200と同じである。
蓄電池1311〜131nは、それぞれ、パワーコンディショナー1211〜121nに接続される。
パワーコンディショナー1211〜121nは、それぞれ、サブシステム1201〜120nから受けた直流電力の一部または全部を適切に電力変換してそれぞれ蓄電池1311〜131nに蓄積する。蓄電池1311〜131nは、その蓄積した電力をそれぞれサブシステム1201〜120nの発電量に応じて、適宜、それぞれパワーコンディショナー1211〜121nに供給する。パワーコンディショナー1211〜121nは、それぞれ、蓄電池1311〜131nから受けた直流電力を交流電力に変換し、その変換した交流電力を変圧器1221へ供給する。
変圧器1221は、パワーコンディショナー1211〜121nから受けた交流電力の電圧レベルを変換して商用電力系統へ供給する。
なお、太陽光発電システム1200Aにおいては、蓄電池1311〜131nは、それぞれ、パワーコンディショナー1211〜121nに内蔵されていてもよい。これにより、日照量の変動によるパワーコンディショナー1211〜121nからの出力変動を抑制できるとともに、日照のない時間帯であっても、蓄電池1311〜131nに蓄電された電力を商用電力系統へ供給することができる。
また、実施の形態11による太陽光発電システムは、図41または図42に示す構成に限らず、光電変換装置10,10A,10B,100,100A,200,300,400,400A,400B,500,500A,600,700の少なくとも1つを用いる限り、どのような構成であってもよい。
上述したように、太陽光発電システム1200,1200Aは、上述したように、高い変換効率を有する光電変換装置10,10A,10B,100,100A,200,300,400,400A,400B,500,500A,600,700の少なくとも1つを備えている。
従って、太陽光発電システム1200,1200Aの変換効率を向上できる。
上述した実施の形態1から実施の形態4においては、光入射側の表面に凹凸構造TX1を有する結晶シリコン基板と、凹凸構造TX1に接して結晶シリコン基板上に配置され、凹凸サイズが凹凸構造TX1よりも小さい凹凸構造TX2を光入射側の表面に有する非晶質薄膜とを備える光電変換装置について説明した。そして、非晶質薄膜は、IV族元素を含む。
また、上述した実施の形態5から実施の形態8においては、光入射側の表面に凹凸構造TX5を有する結晶シリコン基板と、凹凸構造TX5に接して結晶シリコン基板上に配置され、凹凸サイズが凹凸構造TX5よりも大きい凹凸構造TX4を光入射側の表面に有する非晶質薄膜とを備える光電変換装置について説明した。そして、非晶質薄膜は、IV族元素を含む。
従って、この発明の実施の形態による光電変換装置は、第1の凹凸サイズを有する第1の凹凸構造が光入射側の表面に設けられた結晶シリコン基板と、第1の凹凸サイズと異なる第2の凹凸サイズを有する第2の凹凸構造が光入射側の表面に設けられるとともに結晶シリコン基板の光入射側の表面に接して結晶シリコン基板上に設けられ、IV族元素を含む非晶質薄膜とを備えていればよい。
凹凸サイズが異なる2つの凹凸構造が光電変換装置の光入射側に配置されていれば、入射光が2つの凹凸構造によって散乱されるので、入射光の反射率を低下でき、IV族元素を含む非晶質薄膜が結晶シリコン基板の光入射側の表面に接していれば、凹凸構造が結晶シリコン基板の表面に形成されていても、結晶シリコン基板の表面をパッシベートして非晶質薄膜と結晶シリコン基板との界面におけるキャリア(電子および正孔)の再結合を低減できるからである。
また、実施の形態1から実施の形態4に基づけば、この発明の実施の形態による光電変換装置は、第1の凹凸サイズを有する第1の凹凸構造が光入射側の表面に設けられた結晶シリコン基板と、第1の凹凸サイズよりも小さい第2の凹凸サイズを有する第2の凹凸構造が光入射側の表面に設けられるとともに結晶シリコン基板の光入射側の表面に接して結晶シリコン基板上に設けられ、IV族元素を含む非晶質薄膜とを備えていればよい。
更に、実施の形態5から実施の形態8に基づけば、この発明の実施の形態による光電変換装置は、第1の凹凸サイズを有する第1の凹凸構造が光入射側の表面に設けられた結晶シリコン基板と、第1の凹凸サイズよりも大きい第2の凹凸サイズを有する第2の凹凸構造が光入射側の表面に設けられるとともに結晶シリコン基板の光入射側の表面に接して結晶シリコン基板上に設けられ、IV族元素を含む非晶質薄膜とを備えていればよい。
更に、実施の形態1,2,5,6に基づけば、この発明の実施の形態による光電変換装置は、pn接合またはpin接合が光入射側に形成された光電変換装置であって、第1の凹凸サイズを有する第1の凹凸構造が光入射側の表面に設けられた結晶シリコン基板と、第1の凹凸サイズと異なる第2の凹凸サイズを有する第2の凹凸構造が光入射側の表面に設けられるとともに結晶シリコン基板の光入射側の表面に接して結晶シリコン基板上に設けられ、IV族元素を含む非晶質薄膜とを備えていればよい。
更に、実施の形態3,4,7,8に基づけば、この発明の実施の形態による光電変換装置は、pn接合またはpin接合が光入射側と反対の裏面側に形成された光電変換装置であって、第1の凹凸サイズを有する第1の凹凸構造が光入射側の表面に設けられた単結晶シリコン基板と、第1の凹凸サイズと異なる第2の凹凸サイズを有する第2の凹凸構造が光入射側の表面に設けられるとともに単結晶シリコン基板の光入射側の表面に接して単結晶シリコン基板上に設けられ、IV族元素を含む非晶質薄膜とを備えていればよい。
本発明は、以下の構成を有する。
(1)光を電気に変換する光電変換装置(10,10A,10B,100,100A,200,300,400,400A,400B,500,500A,600,700)であって、
第1の凹凸サイズを有する第1の凹凸構造(TX1,TX3,TX5,TX7)が光入射側の表面に設けられた結晶シリコン基板(1,11,101,111,401,411,501,511,601)と、
前記第1の凹凸サイズと異なる第2の凹凸サイズを有する第2の凹凸構造(TX2,TX4,TX6)が光入射側の表面に設けられるとともに前記結晶シリコン基板(1,11,101,111,401,411,501,511,601)の光入射側の表面に接して前記結晶シリコン基板(1,11,101,111,401,411,501,511,601)上に設けられ、IV族元素を含む非晶質薄膜(2,7,102,402,412,502)とを備える光電変換装置。
この光電変換装置においては、入射光は、入射光の進行方向に配置された凹凸サイズが異なる2つの凹凸構造によって散乱されて結晶シリコン基板に入射する。また、結晶シリコン基板の第1の凹凸構造が形成された表面は、IV族元素を含む非晶質薄膜によってパッシベートされる。従って、光電変換装置の光入射側において入射光の反射率を低減できるとともに非晶質薄膜と結晶シリコン基板との界面においてキャリアの再結合を低減できる。
(2)前記第1の凹凸サイズは、前記第2の凹凸サイズよりも小さい、(1)に記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、入射光は、第2の凹凸構造によって散乱され、その散乱された光は、凹凸サイズが第2の凹凸構造よりも小さい第1の凹凸構造によって散乱されて結晶シリコン基板に入射する。また、結晶シリコン基板の第1の凹凸構造が形成された表面は、IV族元素を含む非晶質薄膜によってパッシベートされる。従って、入射光の進行方向に対して凹凸サイズが小さくなるように2つの凹凸構造を配置しても、光電変換装置の光入射側において入射光の反射率を低減できるとともに非晶質薄膜と結晶シリコン基板との界面においてキャリアの再結合を低減できる。
(3)前記第1の凹凸サイズは、前記第2の凹凸サイズよりも大きい、(1)に記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、入射光は、第2の凹凸構造によって散乱され、その散乱された光は、凹凸サイズが第2の凹凸構造よりも大きい第1の凹凸構造によって散乱されて結晶シリコン基板に入射する。また、結晶シリコン基板の第1の凹凸構造が形成された表面は、IV族元素を含む非晶質薄膜によってパッシベートされる。従って、入射光の進行方向に対して凹凸サイズが大きくなるように2つの凹凸構造を配置しても、光電変換装置の光入射側において入射光の反射率を低減できるとともに非晶質薄膜と結晶シリコン基板との界面においてキャリアの再結合を低減できる。
(4)前記非晶質薄膜(2,402,412)は、第1の非晶質薄膜および第2の非晶質薄膜のいずれかからなり、
前記第1の非晶質薄膜は、前記結晶シリコン基板(1,11,401,411)の光入射側の表面に接して前記結晶シリコン基板(1,11,401,411)上に設けられるとともに前記結晶シリコン基板(1,11,401,411)の導電型と反対の導電型を有し、前記第2の凹凸構造(TX2,,TX4,TX6)が光入射側の表面に設けられた第1の非晶質層(23)からなり、
前記第2の非晶質薄膜は、
前記結晶シリコン基板(1,11,401,411)の光入射側の表面に接して前記結晶シリコン基板(1,11,401,411)上に設けられ、i型の導電型を有する第2の非晶質層(21)と、
前記第2の非晶質層(21)に接して前記第2の非晶質層(21)上に設けられるとともに前記結晶シリコン基板(1,11,401,411)の導電型と反対の導電型を有し、前記第2の凹凸構造(TX2,,TX4,TX6)が光入射側の表面に設けられた第3の非晶質層(22)とを含む、(1)から(3)のいずれか1つに記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、非晶質薄膜は、結晶シリコン基板との間でpn接合またはpin接合を形成するとともに、結晶シリコン基板の第1の凹凸構造が形成された表面をパッシベートし、入射光を第2の凹凸構造によって散乱して結晶シリコン基板の第1の凹凸構造に導く。また、結晶シリコン基板の第1の凹凸構造は、非晶質薄膜の第2の凹凸構造によって散乱された光を更に散乱して結晶シリコン基板中へ導く。
従って、ヘテロ接合からなるpn接合またはpin接合が光入射側に形成された光電変換装置において、入射光の反射率を低減できるとともに非晶質薄膜と結晶シリコン基板との界面においてキャリアの再結合を低減できる。
(5)前記結晶シリコン基板(1,11,401,411)は、n型の導電型を有し、
前記第1の非晶質層(23)は、p型非晶質シリコンからなり、
前記第2の非晶質層(21)は、i型非晶質シリコンからなり、
前記第3の非晶質層(22)は、p型非晶質シリコンからなる、(4)に記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、非晶質薄膜は、非晶質シリコンからなり、n型の導電型を有する結晶シリコン基板とpn接合またはpin接合を形成する。
従って、ヘテロ接合からなるpn接合またはpin接合がn型の導電型を有する結晶シリコン基板の光入射側に形成された光電変換装置において、入射光の反射率を低減できるとともに非晶質薄膜と結晶シリコン基板との界面においてキャリアの再結合を低減できる。
(6)前記結晶シリコン基板(1,11,401,411)は、p型の導電型を有し、
前記第1の非晶質層(23)は、n型非晶質シリコンからなり、
前記第2の非晶質層(21)は、i型非晶質シリコンからなり、
前記第3の非晶質層(22)は、n型非晶質シリコンからなる、(4)に記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、非晶質薄膜は、非晶質シリコンからなり、p型の導電型を有する結晶シリコン基板とpn接合またはpin接合を形成する。
従って、ヘテロ接合からなるpn接合またはpin接合がp型の導電型を有する結晶シリコン基板の光入射側に形成された光電変換装置において、入射光の反射率を低減できるとともに非晶質薄膜と結晶シリコン基板との界面においてキャリアの再結合を低減できる。
(7)光入射側に配置された電極(9)をさらに備え、
前記結晶シリコン基板(11,411)の光入射側の表面のうち、前記電極(9)に対向する部分は、平坦である、(4)から(6)のいずれか1つに記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、電極の下側において、非晶質薄膜は、結晶シリコン基板の平坦な平面に接する。その結果、電極の下側において、非晶質薄膜と結晶シリコン基板との接触面積が小さくなる。
従って、結晶シリコン基板の光入射側の表面の全体を凹凸化した場合よりも、電極の下側において、非晶質薄膜と結晶シリコン基板との界面におけるキャリアの再結合を低減できる。
(8)前記結晶シリコン基板(101,111,501,511)は、バルク領域(101b,111b,501b,511b)と、前記光入射側の表面に接して設けられ、かつ、前記バルク領域(101b,111b,501b,511b)の導電型と反対の導電型を有する拡散領域(101p,111p,501p,511p)とを含む、(1)から(3)のいずれか1つに記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、結晶シリコン基板は、光入射側にpn接合を内蔵し、非晶質薄膜は、結晶シリコン基板の拡散領域に接して配置される。
従って、拡散によるpn接合が光入射側に形成された光電変換装置において、入射光の反射率を低減できるとともに非晶質薄膜と結晶シリコン基板との界面においてキャリアの再結合を低減できる。
(9)前記結晶シリコン基板(111,511)の前記拡散領域(111p,511p)の一部に接して設けられた電極(114)をさらに備え、
前記拡散領域(111p,511p)の一部は、平坦な平面(FT3,FT7)からなる、(8)に記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、電極は、結晶シリコン基板の拡散領域の平坦な平面に接する。その結果、電極と結晶シリコン基板の拡散領域との接触面積が小さくなる。
従って、結晶シリコン基板の光入射側の表面の全体を凹凸化した場合よりも、電極と拡散領域との界面におけるキャリアの再結合を低減できる。
(10)前記結晶シリコン基板(101,111,501,511)は、単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板からなる、(1)から(9)のいずれか1つに記載の光電変換装置。
単結晶シリコン基板および多結晶シリコン基板のいずれかを用いた光電変換装置において、入射光の反射率を低減できるとともに非晶質薄膜と結晶シリコン基板との界面においてキャリアの再結合を低減できる。
(11)前記結晶シリコン基板(1,401)の光入射側と反対側に設けられ、前記結晶シリコン基板(1,401)の導電型と反対の導電型を有する複数の第1の非晶質薄膜(211〜21n−1)と、
前記結晶シリコン基板(1,401)の光入射側と反対側に設けられるとともに前記結晶シリコン基板(1,401)の導電型と同じ導電型を有し、前記結晶シリコン基板(1,401)の面内方向において前記複数の第1の非晶質薄膜(211〜21n−1)と交互に配置された複数の第2の非晶質薄膜(201〜20n)とをさらに備え、
前記結晶シリコン基板(1,401)は、単結晶シリコン基板からなる、(1)から(3)のいずれか1つに記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、複数の第1の非晶質薄膜および複数の第2の非晶質薄膜は、単結晶シリコン基板の裏面側で単結晶シリコン基板との間でpn接合を形成する。
従って、ヘテロ接合からなるpn接合が単結晶シリコン基板の裏面側に形成された光電変換装置において、入射光の反射率を低減できるとともに非晶質薄膜と単結晶シリコン基板との界面においてキャリアの再結合を低減できる。
(12)前記複数の第1の非晶質薄膜(211〜21n−1,211p)および前記複数の第2の非晶質薄膜(201〜20n,201n)と、前記単結晶シリコン基板(1,401)との間に前記複数の第1の非晶質薄膜(211〜21n−1,211p)、前記複数の第2の非晶質薄膜(201〜20n,201n)および前記単結晶シリコン基板(1,401)に接して設けられ、i型の導電型を有する第3の非晶質薄膜(201i,211i)をさらに備える、(11)に記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、複数の第1の非晶質薄膜、複数の第2の非晶質薄膜および第3の非晶質薄膜は、単結晶シリコン基板の裏面側で単結晶シリコン基板との間でpin接合を形成する。
従って、ヘテロ接合からなるpin接合が単結晶シリコン基板の裏面側に形成された光電変換装置において、入射光の反射率を低減できるとともに非晶質薄膜と単結晶シリコン基板との界面においてキャリアの再結合を低減できる。
(13)前記第1の非晶質薄膜(211〜21n−1)は、前記単結晶シリコン基板(1,401)がn型の導電型を有する場合、p型非晶質シリコンからなり、前記単結晶シリコン基板(1,401)がp型の導電型を有する場合、n型非晶質シリコンからなり、
前記第2の非晶質薄膜(201〜20n)は、前記単結晶シリコン基板(1,401)がn型の導電型を有する場合、n型非晶質シリコンからなり、前記単結晶シリコン基板(1,401)がp型の導電型を有する場合、p型非晶質シリコンからなり、
前記第3の非晶質薄膜(201i,211i)は、i型非晶質シリコンからなる、(12)に記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、i型非晶質シリコンが単結晶シリコン基板の裏面に接するように、pin接合が単結晶シリコン基板の裏面側に形成される。
従って、p型非晶質シリコンおよびn型非晶質シリコンが単結晶シリコン基板の裏面に接する場合よりも、単結晶シリコン基板の裏面におけるキャリアの再結合を更に低減できる。
(14)前記結晶シリコン基板(301,601)は、
単結晶シリコンからなるバルク領域(301b,601b)と、
前記単結晶シリコンからなるとともに前記結晶シリコン基板(301,601)の光入射側と反対側の裏面に接して設けられ、前記バルク領域(301b,601b)の導電型と反対の導電型を有する複数の第1の拡散領域(321〜32n−1)と、
前記単結晶シリコンからなるとともに前記バルク領域(301b,601b)の導電型と同じ導電型を有し、前記結晶シリコン基板(301,601)の面内方向において複数の第1の拡散領域(321〜32n−1)と交互に前記裏面に接して配置された複数の第2の拡散領域(311〜31n)とを含む、(1)から(3)のいずれか1つに記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、複数の第1の拡散領域および複数の第2の拡散領域は、単結晶シリコン基板の裏面側においてpn接合を形成する。
従って、pn接合が単結晶シリコン基板の裏面側に形成された光電変換装置において、入射光の反射率を低減できるとともに非晶質薄膜と単結晶シリコン基板との界面においてキャリアの再結合を低減できる。
(15)前記非晶質薄膜(102,502)は、第1の非晶質薄膜(102B)、第2の非晶質薄膜(102E)、第3の非晶質薄膜(102C)、第4の非晶質薄膜(102D)および第5の非晶質薄膜(102A)のいずれかからなり、
前記第1の非晶質薄膜(102B)は、前記結晶シリコン基板(101,111,301,501,511,601)の光入射側の表面に接して設けられるとともに前記第2の凹凸構造(TX2,TX4)が光入射側の表面に設けられ、i型の導電型を有する第1の非晶質層(103i)からなり、
前記第2の非晶質薄膜(102E)は、前記結晶シリコン基板(101,111,301,501,511,601)の光入射側の表面に接して設けられるとともに前記第2の凹凸構造(TX2,TX4)が光入射側の表面に設けられ、n型の導電型を有する第2の非晶質層(103n)からなり、
前記第3の非晶質薄膜(102C)は、前記結晶シリコン基板(101,111,301,501,511,601)の光入射側の表面に接して設けられるとともに前記第2の凹凸構造(TX2,TX4)が光入射側の表面に設けられ、p型の導電型を有する第3の非晶質層(103p)からなり、
前記第4の非晶質薄膜(102D)は、前記結晶シリコン基板(101,111,301,501,511,601)の光入射側の表面に接して設けられ、かつ、i型の導電型を有する第4の非晶質層(102i)と、前記第4の非晶質層(102i)に接して設けられるとともに前記第2の凹凸構造(TX2,TX4)が光入射側の表面に設けられ、n型の導電型を有する第5の非晶質層(102n)とからなり、
前記第5の非晶質薄膜(102A)は、前記結晶シリコン基板(101,111,301,501,511,601)の光入射側の表面に接して設けられ、かつ、i型の導電型を有する第6の非晶質層(102i)と、前記第6の非晶質層(102i)に接して設けられるとともに前記第2の凹凸構造(TX2,TX4)が光入射側の表面に設けられ、p型の導電型を有する第7の非晶質層(102p)とからなる、(8)から(14)のいずれか1つに記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、pn接合またはpin接合は、結晶シリコン基板に内蔵され、または単結晶シリコン基板の裏面側に配置される。その結果、結晶シリコン基板または単結晶シリコン基板の光入射側の表面上に形成された非晶質薄膜は、pn接合またはpin接合を構成しない。
従って、結晶シリコン基板または単結晶シリコン基板の光入射側の表面上に形成された非晶質薄膜を各種の非晶質薄膜によって構成できる。
(16)前記第1、第4および第6の非晶質層(102i,103i)の各々は、i型非晶質シリコンからなり、
前記第2および第5の非晶質層(102n,103n)の各々は、n型非晶質シリコンからなり、
前記第3および第7の非晶質層(102p,103p)の各々は、p型非晶質シリコンからなる、(15)に記載の光電変換装置。
この光電変換装置においては、結晶シリコン基板または単結晶シリコン基板の光入射側の表面上に形成された非晶質薄膜は、i型非晶質シリコン、p型非晶質シリコンおよびn型非晶質シリコンのいずれかが結晶シリコン基板または単結晶シリコン基板の第1の凹凸構造に接するように配置される。
従って、結晶シリコン基板または単結晶シリコン基板の光入射側の表面に凹凸構造が形成されていても、結晶シリコン基板または単結晶シリコン基板の光入射側の表面をパッシベートできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。