JP2012134386A - 太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー変換効率がより高い太陽電池を提供する。
【解決手段】本発明の太陽電池は、p型半導体層と、n型半導体層と、前記p型半導体層と前記n型半導体層とに挟まれた光吸収半導体層とを備え、前記光吸収半導体層は、少なくとも2つ以上のエネルギー準位を前記光吸収半導体層の禁制帯中に備えていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、超格子構造を有する太陽電池に関する。
近年、CO2を排出しないクリーンなエネルギー源として光起電力素子が注目され、その普及が進みつつある。この光起電力素子のうち、現在最も普及している光起電力素子は、シリコンを用いた単接合太陽電池である。しかし、エネルギー変換効率がShockley−Quisserの理論限界値(以下、SQ理論限界という)に近づきつつある。このため、SQ理論限界を超える第3世代太陽電池の開発が行われている。
この第3世代太陽電池として、中間バンド又は局在準位(これらを量子構造の観点からミニバンドと呼ぶこともある)が禁制帯中に形成された中間バンド太陽電池(intermediate−band solar cells)が提案されている。中間バンド太陽電池は、母体となる半導体の禁制帯中に中間バンドが形成されることにより、価電子帯から中間バンドへの電子励起と中間バンドから伝導帯へ電子励起とが可能となり、母体の半導体の禁制帯幅よりも小さいエネルギーの光を吸収できる。このため、中間バンド太陽電池は、高いエネルギー変換効率が得られると期待されている。
例えば、中間バンド太陽電池のモデルにおいて、非集光のエネルギー変換効率が約46%であることが報告されている(非特許文献1参照)。
また、トンネル障壁を有し無機マトリックス内に埋め込まれた複数の量子ドットを備える中間バンド太陽電池やエネルギー囲み障壁に埋設された量子ドットを有する中間バンド太陽電池が知られている(特許文献1及び2参照)。
また、非特許文献2にはInGaAsで作製された中間バンド太陽電池の現象を説明するために複数の中間バンドを用いた中間バンド太陽電池のモデルが示されている。
特表2009−520357号公報 特表2010−509772号公報
PHYSICAL REVIEW LETTERS、97巻、247701ページ、2006年 APPLIED PHYSICS LETTERS、96巻、013501、2010年 APPLIED PHYSICS LETTERS 96巻,203507,2010年
しかし、中間バンド太陽電池において、そのエネルギー変換効率は必ずしも十分でない。このため、エネルギー変換効率がより高い太陽電池が望まれている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、エネルギー変換効率がより高い太陽電池を提供するものである。
この発明は、p型半導体層と、n型半導体層と、前記p型半導体層と前記n型半導体層とに挟まれた光吸収半導体層とを備え、前記光吸収半導体層は、少なくとも2つ以上のエネルギー準位を前記光吸収半導体層の禁制帯中に備えていることを特徴とする太陽電池を提供する。
この発明の発明者らは、p型半導体層と前記n型半導体層とに挟まれた光吸収半導体層において、複数のエネルギー準位を前記光吸収半導体層の禁制帯中に形成することを発案し、検討を重ねた。その結果、従来の単一のエネルギー準位を有する光吸収半導体層よりも、少なくとも2つ以上のエネルギー準位を有する超格子半導体層のほうが、よりエネルギー変換効率が高いことを見出した。
この発明によれば、エネルギー変換効率がより高い太陽電池が提供される。
この発明の一実施形態に係る太陽電池の構成を示す概略断面図である。 この発明の一実施形態に係る超格子半導体層が4つの中間バンドを有する場合のバンド図である。図2において、(1)は6準位の位置関係を説明するための図であり、(2)は各準位とその間のキャリア生成速度Gと発光再結合Rの関係を説明するための図である。 比較例に係る超格子半導体層のバンド図である。図3において、(1)は比較例のエネルギー準位の位置関係を説明するための図であり、(2)はその準位とその間のキャリア生成速度Gと発光再結合Rの関係を説明するための図である。 実験1のシミュレーションにより得られた、非集光の場合におけるバンドギャップと最大エネルギー変換効率との関係を示すグラフである。 実験1のシミュレーションにより得られた、集光した場合におけるバンドギャップと最大エネルギー変換効率との関係を示すグラフである。 この発明の一実施形態に係る超格子半導体層が3つの中間バンドを有する場合のバンド図である。図6において、(1)は5準位の位置関係を説明するための図であり、(2)は各準位とその間のキャリア生成速度Gと発光再結合Rの関係を説明するための図である。 実験2のシミュレーションにより得られた、非集光の場合におけるバンドギャップと最大エネルギー変換効率との関係を示すグラフである。 実験2のシミュレーションにより得られた、集光した場合におけるバンドギャップと最大エネルギー変換効率との関係を示すグラフである。 この発明の一実施形態に係る超格子半導体層が2つの中間バンドを有する場合のバンド図である。図9において、(1)は4準位の位置関係を説明するための図であり、(2)は各準位とその間のキャリア生成速度Gと発光再結合Rの関係を説明するための図である。 実験3のシミュレーションにより得られた、非集光の場合におけるバンドギャップと最大エネルギー変換効率との関係を示すグラフである。 実験3のシミュレーションにより得られた、集光した場合におけるバンドギャップと最大エネルギー変換効率との関係を示すグラフである。 実験4のシミュレーションにより得られた、4準位中間バンド太陽電池のバンド構造計算結果を示す図である。この太陽電池は、量子ドット層と障壁層の価電子帯バンドオフセットがゼロであり、量子ドット層と障壁層がそれぞれInAs0.7Sb0.3とAlSbで構成されている。 図12における太陽電池に光を照射したときの、電圧と電流の関係をシミュレーションした結果を示す図である。 実験4のシミュレーションにより得られた、5準位中間バンド太陽電池のバンド構造計算結果を示す図である。この太陽電池は、量子ドット層と障壁層の価電子帯バンドオフセットがゼロであり、量子ドット層と障壁層がそれぞれInAs0.7Sb0.3とAlSbで構成されている。 図14における太陽電池に光を照射したときの、電圧と電流の関係をシミュレーションした結果を示す図である。 実験4のシミュレーションにより得られた、6準位中間バンド太陽電池のバンド構造計算結果を示す図である。この太陽電池は、量子ドット層と障壁層の価電子帯バンドオフセットがゼロであり、量子ドット層と障壁層がそれぞれInAs0.7Sb0.3とAlSbで構成されている。 図16における太陽電池に光を照射したときの、電圧と電流の関係をシミュレーションした結果を示す図である。 実験4のシミュレーションにより得られた、4準位中間バンド太陽電池のバンド構造計算結果を示す図である。この太陽電池は、量子ドット層と障壁層の価電子帯バンドオフセットがゼロではなく、量子ドット層と障壁層がそれぞれInAsとAlSb0.5As0.5で構成されている。 図18における太陽電池に光を照射したときの、電圧と電流の関係をシミュレーションした結果を示す図である。 実験4のシミュレーションにより得られた、5準位中間バンド太陽電池のバンド構造計算結果を示す図である。この太陽電池は、量子ドット層と障壁層の価電子帯バンドオフセットがゼロではなく、量子ドット層と障壁層がそれぞれInAsとAlSb0.5As0.5で構成されている。 図20における太陽電池に光を照射したときの、電圧と電流の関係をシミュレーションした結果を示す図である。 実験4のシミュレーションにより得られた、6準位中間バンド太陽電池のバンド構造計算結果を示す図である。この太陽電池は、量子ドット層と障壁層の価電子帯バンドオフセットがゼロではなく、量子ドット層と障壁層がそれぞれInAsとAlSb0.5As0.5で構成されている。 図22における太陽電池に光を照射したときの、電圧と電流の関係をシミュレーションした結果を示す図である。
この発明の太陽電池は、p型半導体層と、n型半導体層と、前記p型半導体層と前記n型半導体層とに挟まれた光吸収半導体層とを備え、前記光吸収半導体層は、少なくとも2つ以上のエネルギー準位を前記光吸収半導体層の禁制帯中に備えていることを特徴とする。
ここで、前記光吸収半導体層は、光を吸収する半導体で形成された層をいい、例えば、超格子半導体層がこれに該当する。また、前記エネルギー準位は、量子準位や中間バンドであってもよい。
従って、この発明の実施形態において、p型半導体層と、n型半導体層と、前記p型半導体層と前記n型半導体層とに挟まれた超格子半導体層とを備え、前記超格子半導体層は、障壁層と量子層が交互に繰り返し積層された超格子構造を有し、少なくとも2つ以上のエネルギー準位を超格子半導体層の禁制帯中に備えている太陽電池であってもよい。
また、この発明の実施形態において、p型半導体層と、n型半導体層と、前記p型半導体層と前記n型半導体層とに挟まれた超格子半導体層とを備え、前記超格子半導体層は、障壁層と、量子ドットからなる量子ドット層とが交互に繰り返し積層された超格子構造を有し、前記量子ドットの量子準位が、前記量子ドットの伝導帯、価電子帯のいずれかと前記障壁層の禁制帯とに少なくとも2つ以上形成されている太陽電池であってもよい。
また、この発明の実施形態において、p型半導体層と、n型半導体層と、前記p型半導体層と前記n型半導体層とに挟まれた超格子半導体層とを備え、前記超格子半導体層は、障壁層と、量子ドットからなる量子ドット層とが交互に繰り返し積層された超格子構造を有し、前記超格子構造により量子ドット間の波動関数が電子的に結合して、少なくとも2つ以上の中間バンドが前記量子ドットの伝導帯、価電子帯のいずれかと前記障壁層の禁制帯とに形成されていることを特徴とする太陽電池であってもよい。
以下、上記中間バンドが形成されている実施形態を例に説明する。
この発明の実施形態において、太陽電池は、その超格子半導体層に、例えば、InAsxSb1-x量子ドット層、AlSb障壁層を用いることができる。また、InAs量子ドット層/AlSbyAs1-y障壁層を用いることができる。InAsxSb1-x量子ドット層、AlSb障壁層は、元素割合xを適宜変更することで、格子定数をAlSbに合わせたり、価電子帯バンドエネルギーオフセット(量子ドット層と障壁層の価電子帯エネルギー差)をゼロにしたりすることができる点で好ましい。
ここで、超格子構造とは、共に半導体からなりバンドギャップが異なる障壁層と井戸層(量子井戸層または量子ドット層)とが繰り返し積層された構造であり、井戸層の電子の波動関数が隣接井戸の波動関数と大きく相互作用する構造をいう。また、井戸層のことを量子層ともいう。
量子ドットとは、100nm以下の粒子サイズを有する半導体微粒子であり、量子ドットを構成する半導体よりもバンドギャップの大きい半導体で囲まれた微粒子である。
量子井戸とは、100nm以下の厚みを有する半導体薄膜であり、量子井戸を構成する半導体よりもバンドギャップの大きい半導体で囲まれた薄膜である。
量子ドット層とは、複数の量子ドットで構成される層であり、超格子構造の井戸層となる。
量子準位とは、障壁層と量子ドットまたは量子井戸から形成される電子の離散的なエネルギー準位をいう。また、量子準位のことを量子エネルギー準位ともいう。
障壁層とは、量子ドットを構成する半導体よりもバンドギャップの大きい半導体からなり、超格子構造を構成する。
中間バンドとは、前記障壁層を構成する半導体において、禁制帯の中間に形成される1つに繋がったバンドをいう。
なお、超格子構造の井戸層の電子の波動関数が隣接井戸層の電子の波動関数と相互作用し、量子井戸の量子準位間の共鳴トンネル効果が生じ、量子準位が1つに繋がって形成される中間バンドをミニバンドともいう。
また、この発明の実施形態において、前記発明の構成に加え、前記中間バンドが2つであってもよい。より詳細には、前記障壁層の伝導帯の底を構成するエネルギー準位と、前記障壁層の価電子帯の頂上を構成するエネルギー準位と、これら準位との間にある2つの量子準位とを前記超格子半導体層が有し、前記量子準位が2つの中間バンドを形成してもよい(以下、この明細書において、4準位中間バンド太陽電池と呼ぶ)。
この形態(4準位中間バンド太陽電池)において、好ましくは、前記障壁層の禁制帯の幅(エネルギーギャップ)が1.0eV以上、さらに好ましくは1.6eV以上3.5eV以下である。このような禁制帯幅の太陽電池であれば、単一の中間バンドを有する超格子半導体層を備える太陽電池と比較して、エネルギー変換効率がより高い。
また、この形態(4準位中間バンド太陽電池)において、前記障壁層の禁制帯の幅をEg、前記障壁層における価電子帯の頂上のエネルギー準位と前記中間バンドのうち最もエネルギー準位が低い中間バンドとの準位の差をΔEvi2としたときに、好ましくは下記の式(1)を満たす。
ΔEvi2≧(Eg/2)(単位:eV)・・・(1)
また、より好ましくは、下記の式(2)を満たす。
ΔEvi2≧(Eg/2+0.125)(単位:eV)・・・(2)
このような式を満たす形態であれば、前記量子ドット層の伝導帯底と障壁層の伝導帯底の間のポテンシャルを用いて2つの中間バンドを形成する場合、最も低い中間バンドのエネルギー準位が前記障壁層の伝導帯底に近いので、超格子構造の量子ドット層の電子の波動関数が隣接量子ドット層の波動関数と大きく相互作用しやすくなる。このため、量子準位が1つに繋がった中間バンドを形成しやすくなり、キャリア移動が起こりやすくなる。
また、この発明の実施形態において、前記発明の構成に加え、前記中間バンドが少なくとも3つ以上であってもよい。
例えば、前記中間バンドが3つであってもよい。より詳細には、前記障壁層の伝導帯の底を構成するエネルギー準位と、前記障壁層の価電子帯の頂上を構成するエネルギー準位と、これら準位との間にある3つの量子準位とを前記超格子半導体層が有し、前記量子準位が3つの中間バンドを形成する太陽電池であってもよい(以下、この明細書において、5準位中間バンド太陽電池と呼ぶ)。
この形態(5準位中間バンド太陽電池)において、好ましくは、前記障壁層の禁制帯の幅(エネルギーギャップ)が1.1eV以上、さらに好ましくは1.5eV以上3.8eV以下である。このような禁制帯幅の太陽電池であれば、単一の中間バンドを有する超格子半導体層を備える太陽電池と比較して、エネルギー変換効率がより高い。
また、この形態(5準位中間バンド太陽電池)において、前記障壁層の禁制帯の幅をEg、前記障壁層における価電子帯の頂上のエネルギー準位と前記中間バンドのうち最もエネルギー準位が低い中間バンドとの準位の差をΔEvi13としたときに、好ましくは下記の式(3)を満たす。
ΔEvi13≧(Eg/2)(単位:eV)・・・(3)
また、より好ましくは、下記の式(4)を満たす。
ΔEvi13≧(Eg/2+0.075)(単位:eV)・・・(4)
このような式を満たす形態であれば、前記量子ドット層の伝導帯底と障壁層の伝導帯底の間のポテンシャルを用いて3つの中間バンドを形成する場合、最も低い中間バンドのエネルギー準位が前記障壁層の伝導帯底に近いので、超格子構造の量子ドット層の電子の波動関数が隣接量子ドット層の波動関数と大きく相互作用しやすくなる。このため、量子準位が1つに繋がった中間バンドを形成しやすくなり、キャリア移動が起こりやすくなる。
また、この発明の実施形態において、前記発明の構成に加え、前記中間バンドが少なくとも4つ以上であってもよい。
例えば、前記中間バンドが4つであってもよい。より詳細には、前記障壁層の伝導帯の底を構成するエネルギー準位と、前記障壁層の価電子帯の頂上を構成するエネルギー準位と、これら準位との間にある4つの量子準位とを前記超格子半導体層が有し、前記量子準位が4つの中間バンドを形成する太陽電池であってもよい(以下、この明細書において、6準位中間バンド太陽電池と呼ぶ)。
この形態(6準位中間バンド太陽電池)において、好ましくは、前記障壁層の禁制帯の幅(エネルギーギャップ)が1.3eV以上、さらに好ましくは1.5eV以上3.8eV以下である。このような禁制帯幅の太陽電池であれば、単一の中間バンドを有する超格子半導体層を備える太陽電池と比較して、エネルギー変換効率がより高い。
また、この形態(6準位中間バンド太陽電池)において、前記障壁層の禁制帯の幅をEg、前記障壁層における価電子帯の頂上のエネルギー準位と前記中間バンドのうち最もエネルギー準位が低い中間バンドとの準位の差をΔEvi24としたときに、好ましくは下記の式(5)を満たす。
ΔEvi24≧(Eg/2)(単位:eV)・・・(5)
また、より好ましくは、下記の式(6)を満たす。
ΔEvi24≧(Eg/2+0.05)(単位:eV)・・・(6)
このような式を満たす形態であれば、前記量子ドット層の伝導帯底と障壁層の伝導帯底の間のポテンシャルを用いて4つの中間バンドを形成する場合、最も低い中間バンドのエネルギー準位が前記障壁層の伝導帯底に近いので、超格子構造の量子ドット層の電子の波動関数が隣接量子ドット層の波動関数と大きく相互作用しやすくなる。このため、量子準位が1つに繋がった中間バンドを形成しやすくなり、キャリア移動が起こりやすくなる。
これらの形態(4準位中間バンド太陽電池、5準位中間バンド太陽電池及び6準位中間バンド太陽電池)において、量子エネルギー準位は、量子ドットの伝導帯側に形成される準位、価電子帯側に形成される準位の、いずれの準位でもあってもよいし、両準位を含んでもよい。
また、この発明の実施形態において、前記発明の構成に加え、前記障壁層がAlSb、前記量子ドット層がInAs1-xSbx(0≦x≦1)からなってもよい。また、前記障壁層がAlSbyAs1-y(0≦y≦1)、前記量子ドット層がInAsからなってもよいし、前記障壁層がAlAsからなり、前記量子ドット層がInAsからなってもよい。また、前記障壁層がGaNからなり前記量子ドット層がInzGa1-zN(0<z≦1)からなってもよい。
以上、量子ドットを用いた構造により形成される中間バンドを例に説明したが、これらの形態は、上記で説明したエネルギー準位を備えている光吸収半導体層の実施形態、量子準位が形成されている超格子半導体層の実施形態及び中間バンドが形成されている超格子半導体層の実施形態に適用してもよい。
次に、図面に示す実施形態を用いて、この発明を詳述する。なお、以下に記述する実施形態および実施例はこの発明の具体的な一例に過ぎず、この発明はこれらよって限定されるものではない。
〔実施形態〕
図1は、この発明の一実施形態に係る太陽電池の構成を示す概略断面図である。図1に示すように、この発明の実施形態に係る太陽電池20は、p型半導体層4と、n型半導体層12と、p型半導体層4とn型半導体層12とに挟まれた超格子半導体層10とを備え、超格子半導体層10は、量子ドット7からなる量子ドット層6と障壁層8とが交互に繰り返し積層された超格子構造を有している。ここで、これらの構成のうち、p型半導体層4は、ベース層(またはp型ベース)とも言い、n型半導体層12は、エミッタ―層(またはn型エミッタ―)とも言う。このため、以下、p型半導体層4をベース層(p型半導体層)4と記載し、n型半導体層12をエミッタ―層(n型半導体層)12と記載する。
また、図1に示す本実施形態の太陽電池20は、p型半導体基板1、バッファー層3、窓層14、コンタクト層15、p型電極18、n型電極17をさらに備えている。これらは任意の構成要素であるので、太陽電池の利用態様に応じて適宜設けることができる。このため、以下、上記のベース層(p型半導体層)4、およびエミッタ―(n型半導体層)12、超格子半導体層10について説明する。
1.p型半導体層およびn型半導体層(ベース層およびエミッタ―層)
ベース層(p型半導体層)4は、p型不純物を含む半導体からなり、i型半導体層、エミッタ―層(n型半導体層)12とともにpin接合またはpn接合を構成することができる。
エミッタ―層(n型半導体層)12は、n型不純物を含む半導体からなり、i型半導体層、ベース層(p型半導体層)4とともにpin接合またはpn接合を構成することができる。
このpin接合またはpn接合が受光することにより、起電力が生じる。また、このことにより、太陽電池20が電力を出力することができる。
2.超格子半導体層
超格子半導体層10は、ベース層(p型半導体層)4とエミッタ―層(n型半導体層)12に挟まれ、pin接合またはpn接合を構成することができる。また、超格子半導体層10は、量子ドット層6と障壁層8とが交互に繰り返し積層された超格子構造を有する。超格子半導体層10は、i型半導体であってもよく、受光することにより起電力が生じれば、p型不純物またはn型不純物を含む半導体層であってもよい。
超格子半導体層10は、障壁層8の禁制帯(すなわち、障壁層8の伝導帯と価電子帯との間)に中間バンドを2つ持つことができる。この発明の実施形態に係る太陽電池は、その超格子半導体層10が障壁層8の禁制帯中に中間バンドを2つ以上持てばよく、中間バンドが形成される位置(エネルギー準位)は、特に制限されない。すなわち、どのような波長の光を太陽電池に変換させるかに応じて、その位置(エネルギー準位)を定めればよく、例えば宇宙用太陽電池と地上用太陽電池において位置(エネルギー準位)は異なっても良い。例えば、超格子半導体層10は、量子ドット層6の伝導帯側に2つの中間バンドを持っても良く、また伝導帯側、価電子帯側に各々1つの中間バンドを持っても良く、量子ドット層6の価電子帯側に2つの中間バンドを持っても良い。また、超格子半導体層10が持つ中間バンドは、3つであってもよいし、4つであってもよい。
ここで、量子ドットによって形成されるエネルギー準位が伝導帯もしくは価電子帯まで連続(ここで、連続とは例えば25meV以内のエネルギー間隔でエネルギー準位が形成されることを言う)する場合、それぞれエネルギー準位の始まりを伝導帯下端、価電子帯上端とみなすことができる。
このような中間バンドを2つ以上持つ超格子半導体層10は、例えば、量子ドット層6のサイズや超格子構造の井戸層である量子ドット層の厚さを調整することにより形成できる。後述する実験4で述べるように、例えば、層厚が3.0nmであるAlSbで形成された障壁層8に、(2.7,2.7,9.0)nmの直方体(ここで、括弧内の数値は、三辺の長さを(a,b,c)として記載している)の量子ドットをInAs0.7Sb0.3で形成することにより、超格子半導体層10に中間バンドを2つ形成できる。また、層厚が3.0nmであるAlSb0.5As0.5で形成された障壁層8に、(2.5,2.5,8.5)nmの直方体の量子ドットをInAsで形成することにより、超格子半導体層10に中間バンドを2つ形成できる。
また、超格子半導体層10は、中間バンドを2つ持つ場合、その障壁層8の禁制帯幅(バンドギャップ)が1.6eV〜3.5eVであるとよい。このような禁制帯幅であれば、中間バンドを1つ持つ太陽電池よりも、エネルギー変換効率を高くできる。
ここで、中間バンドを1つ持つ太陽電池のエネルギー変換効率の最大値は、非集光の場合に46.7%(障壁層8の禁制帯幅が2.4eV)、1000倍集光の場合に57.3%(障壁層8の禁制帯幅が2.1eV)である。
このような禁制帯幅を持つ超格子半導体層10は、実験4で述べるように、例えば、InAs0.7Sb0.3を量子ドットとする場合、AlSbを障壁層8とすることにより形成できる。また、InAsを量子ドットとする場合、AlSb0.5As0.5を障壁層8とすることにより形成できる。このように、適切な物性値をもつ半導体材料を選択したり、超格子半導体層10を構成する半導体材料の混晶比を調整したりすることにより、所望の禁制帯幅を持つ超格子半導体層10が形成できる。また、超格子半導体層10を構成する井戸層である量子ドットのサイズや障壁層の厚みを調整することによっても、所望の禁制帯幅を持つ超格子半導体層10が形成できる。
超格子半導体層10を構成する障壁層8、量子ドット層6を構成する材料は、AlSb、InAsxSb1-x、AlSbxAs1-x、AlAs,GaAs、InxGa1-xAsを用いることができる。さらに、たとえば周期律表の第IV族半導体、第III族と第V族からなる化合物半導体、第II族と第VI族からなる化合物半導体あるいはこれらの混晶材料としてもよい。また、カルコパイライト系材料を用いてもよく、これら以外の半導体を用いてもよい。例えば、障壁層8の材料にGaNAsで、量子ドット層6の材料にInAsや、障壁層8の材料にGaPで量子ドット層6の材料にInAs、障壁層8の材料にGaNで量子ドット層6の材料にGaxIn1-xN、障壁層8の材料にGaAsで量子ドット層6の材料にGaSb、障壁層8の材料にAlAsで量子ドット層6の材料にInAs、障壁層8の材料にCuGaS2で量子ドット層6の材料にCuInSe2等を用いても差し支えない。
なお、p型半導体基板1をGaAsで形成し、ベース層(p型半導体層)4をAlSb0.5As0.5で形成した場合、図1に示すように、超格子半導体層10とベース層(p型半導体層)4の界面、またはベース層(p型半導体層)4を露出させ(例えば、ベース層(p型半導体層)までエッチングする)、この露出面にp型電極18を形成する。これにより、p型半導体基板1にGaAsを用い、かつベース層(p型半導体層)4にAlSb0.5As0.5を用いて太陽電池20を形成ことができる。
3.太陽電池の製造方法
量子ドット層または量子井戸層は、分子線エピタキシー(MBE)法や有機金属化学気相成長(MOCVD)法を用いたStranski―Krastanov(S―K)成長と呼ばれる方法や電子リソグラフィ技術、液滴エピタキシー法などを用いることで量子ドットを作製することができる。S−K成長法は上記手法の材料構成比を変えることで量子ドットまたは量子井戸層の混晶比を調整することができ、原材料・成長温度・圧力・堆積時間等を変えることによって量子ドットのサイズまたは量子井戸層の厚さを調整することができる。
本実施形態の太陽電池の製造においては、例えば、膜厚制御に優れた分子線エピタキシー(MBE)法や有機金属化学気相成長法(MOCVD)等を用い、超格子構造を有する太陽電池を製造することができる。ここでは、上記で説明した図1の超格子構造を有する太陽電池の一形態について、図1を参照して、その製造方法について説明する。
例えばp−GaAs基板1を有機系洗浄液で洗浄した後、硫酸系エッチング液によってエッチングし、さらに流水洗浄を施した後、MOCVD装置内に設置する。この基板の上にバッファー層3を形成する。バッファー層3は、その上に形成すべき光吸収層の結晶性を向上させるための層である。続いてバッファー層3上に300nmAlSbxAs1-xベース層4および障壁層8となるAlSbxAs1-x層を結晶成長させた後、自己組織化機構を用いてInAsからなる量子ドット層を形成する。
この障壁層と量子ドット層との結晶成長の繰り返しを、p型半導体最近接の量子ドット層からn型半導体最近接の量子ドット層まで行う。
続いて、250nm AlSbxAs1-x層12を結晶成長させてpin構造を形成し、次いで、窓層14としてAlAs層を形成する。
続いて、コンタクト層15上にフォトリソグラフィーとリフトオフ技術により櫛型電極を形成し、この櫛型電極をマスクとしてコンタクト層15を選択エッチングしてn型電極17を形成することで、超格子構造を有する太陽電池を形成することができる。p型電極18は、例えばベース層4に到達するまで一部エッチングし、ベース層4上に形成することができる。
n型ドーパントとしてはSiを、p型ドーパントとしてはBeを用いることができる。電極材料としては例えば、Auを用い、抵抗加熱蒸着法により真空蒸着で形成することができる。
形成された太陽電池は、PL(フォトルミネセンス)測定でその発光スペクトルを測定することにより、例えば、中間バンドが2つ形成されているか否かを確認できる。例えば、励起光源にArレーザーを、検出器にGeフォトディテクターをそれぞれ用い、超格子半導体層10のフォトルミネセンスを11Kで測定する。測定された発光スペクトルの発光帯に対応するエネルギー(光子エネルギー)を求めることにより、どのような準位に中間バンドが形成されているかを確認できる。また障壁層8の禁制帯幅も確認できる。また、光吸収スペクトルを測定して、中間バンドの形成を確認してもよい。
なお、ここで示した例は一例であり、本実施形態の超格子構造を有する太陽電池に用いる基板、バッファー層、量子ドット、ドーパント、電極などの各材料や、各プロセスで使用する洗浄剤、基板処理温度、製造装置等は、ここで示した例に限定されない。
シミュレーション実験
〔実験1〕
詳細平衡モデルを用いてシミュレーション実験を行い、エネルギー変換効率を算出した。この算出方法を説明するため、バンド図を図2に示す。
図2は、この発明の一実施形態に係る超格子半導体層が4つの中間バンドを有する場合のバンド図である。すなわち、この図は、1つの例として、超格子半導体層を構成する障壁層の伝導帯の最下部(底)と価電子帯の最上部(頂点)と量子ドットから形成される中間バンドの準位の合計が6準位(以下、6準位半導体という)である場合のバンド図を示している。図2において、(1)は6準位の位置関係を説明するための図であり、(2)は各準位とその間のキャリア生成速度Gおよびキャリア発光再結合速度Rとの関係を説明するための図である。
なお、この明細書で用いるバンド図(エネルギーバンドダイヤグラム)は慣例的に用いられている通りに記載している。すなわち、電子のエネルギーを基準にエネルギー準位を表している。ここで、電子はより低いエネルギーへ移動することが安定であり、そのような状態のエネルギー準位をとる。さらに、正孔はより高いエネルギーへ移動することが安定であり、そのような状態のエネルギー準位をとる。
図2において、6準位半導体の母体となる半導体(障壁層)の伝導帯の最下部(底)のエネルギー準位をEcとし、価電子帯の最上部(頂上)のエネルギー準位をEvとする。また、Ecに近い側の中間エネルギー準位(中間バンド)をEi21とし、このEi21から続けてEv側に向かって順番にEi22,Ei23,Ei24の準位があるものとする。この状態において、フォトンを吸収しキャリアを生成するキャリア生成速度、電子とホールが再結合し発光する発光再結合を考える。ここで、これらバンド間においてフォトンを吸収しキャリアを生成するキャリア生成速度をG、電子とホールが再結合し発光する発光再結合をRと表し、GまたはRの下付き文字は遷移が生じるバンドを表す。
まず、EiniからEfinのエネルギー範囲(Eini<Efin)に含まれるフォトンフラックスは、以下の式(1)で表すことができる。
Figure 2012134386
ここで、Nはプランクの放射則から得られるフォトンフラックスを表す。また、hはプランク定数、cは真空中の光速、μは電子‐正孔対の化学ポテンシャル、kはボルツマン定数、Tは物質の温度をそれぞれ表す。
次に、このフォトンフラックスを用いると、6準位(Ec、Ev、Ei21,Ei22,Ei23,Ei24の各準位)の内、ある2準位間におけるキャリア生成速度G及び発光再結合Rは、以下の式(2)、式(3)で表すことができる。
Figure 2012134386
Figure 2012134386
ここで、C0は集光倍率、Hは太陽と地球との距離から決まる幾何学的に決まる定数、Tsは太陽の表面温度、T0は太陽電池の温度をそれぞれ表している。また、EiniおよびEfinはEini<Efinを満たす任意のエネルギーを表している。
これらの式を用いて6準位中間バンド太陽電池に接続された外部電極から外部に取り出される電流密度Jは以下の式(4)のように表すことができる。ただし、中間バンド幅は非常に狭く、中間バンド間の電子遷移可能なエネルギー範囲が狭いため(EiniおよびEfinの差が小さい)、中間バンド間(Ei21,Ei22,Ei23,Ei24の内、任意の2つの準位間のキャリア生成および発光再結合)の電子遷移は無視する。
Figure 2012134386
ここで、qは電荷素量を表す。また、キャリア生成速度G及び発光再結合Rの下付き文字は、図2(2)に示すように、遷移が生じるバンド(電子の遷移が生じる2つのエネルギー準位)を表しているので、例えば、下付き文字のCVはエネルギー準位Ecとエネルギー準位Ev間の電子の遷移、下付き文字のCI1はエネルギー準位Ecとエネルギー準位Ei21間の電子の遷移を表し、下付き文字のVI2はエネルギー準位Evとエネルギー準位Ei22間の電子の遷移を表している。他の下付き文字も、同様のルールで、電子の遷移が生じる2つのエネルギー準位を示している。
中間バンド(上記中間エネルギー準位)と外部電極の間では電流が流れないので、中間バンド電流が0となり、以下の式(5)〜式(8)のように表すことができる。
Figure 2012134386
Figure 2012134386
Figure 2012134386
Figure 2012134386
ここで、キャリア生成速度G及び発光再結合Rの下付き文字は、式4と同様のルールで、電子の遷移が生じる2つのエネルギー準位を示している。
一方、太陽光エネルギーPinは、以下の式(9)のように表すことができる。
Figure 2012134386
このとき、出力電圧をV、出力電流をJとすると、エネルギー変換効率ηは、以下の(10)式となる。
Figure 2012134386
以上の式から、6準位中間バンド太陽電池について、その最大エネルギー変換効率を算出できる。6準位中間バンド太陽電池について説明したが、他の準位中間バンド太陽電池についても同様の式で最大エネルギー変換効率を算出できる。
実験1では、6準位中間バンド太陽電池と比較例に係る太陽電池について、障壁層のバンドギャップと中間バンドのエネルギー準位を変化させて、最大エネルギー変換効率を算出した。比較例である従来の中間バンド太陽電池のバンド図を図3に示し、実験1の結果を図4及び図5に示す。
図3は、比較例に係る超格子半導体層のバンド図である。すなわち、この図は、1つの例として、超格子半導体層を構成する障壁層の伝導帯の最下部(底)と価電子帯の最上部(頂点)と量子ドットから形成される中間バンドの準位の合計が3準位(中間バンド数は1)である場合のバンド図の一例を示している(ここで、障壁層と量子ドットが3準位である超格子半導体層により構成された太陽電池を以下、従来の中間バンド太陽電池という)。また、図4は、実験1のシミュレーションにより得られた、非集光の場合におけるバンドギャップと最大エネルギー変換効率との関係を示すグラフである。さらに、図5は、実験1のシミュレーションにより得られた、集光した場合におけるバンドギャップと最大エネルギー変換効率との関係を示すグラフである。
ここで、実験1のシミュレーションでは、Ts=6000K、T0=300Kで計算し、集光倍率は、式(2)と(9)におけるC0について、C0=1の場合とC0=1000の場合の2パターンとした。これらは、C0=1の場合を「非集光」と表示し(図4)、C0=1000の場合を「1000倍集光」と表示した(図5)。
図4を参照すると、非集光の場合、6準位中間バンド太陽電池は、障壁層(母体半導体ともいう)のバンドギャップがEg<1.2eVであるとき、従来の中間バンド太陽電池と比較して、そのエネルギー変換効率にほとんど差異がないことがわかる。
一方、障壁層のバンドギャップがEg≧1.2eVであるとき、従来の中間バンド太陽電池よりも6準位中間バンド太陽電池のほうが、バンドギャップ・中間バンドエネルギー準位(以下、これらの組み合わせをバンドラインナップという)を最適化することによって、エネルギー変換効率が高くなる可能性がある(図4)。ここで、障壁層のバンドギャップがEg=1.2eVであるとき、6準位の各準位と最近接の準位とのエネルギー準位間隔が室温エネルギー程度に狭くなり得るため、エネルギー準位間隔の制御の容易さを考えるとEg≧1.3eVであることがより好ましい。
図4を参照すると、6準位中間バンド太陽電池は、障壁層のバンドギャップがEg=1.8〜3.8eVの領域にあるとき、従来の中間バンド太陽電池では得ることができないようなエネルギー変換効率を達成することがわかる。例えば、従来の中間バンド太陽電池の最大エネルギー変換効率は約46.7%であったのに対し、6準位中間バンド太陽電池の最大エネルギー変換効率は、障壁層のバンドギャップがEg=2.6〜2.7のとき約56.6%である。
このように、図4の結果から、最適バンドラインナップを選択することにより、従来の中間バンド太陽電池では得ることができないようなエネルギー変換効率を6準位中間バンド太陽電池が達成することがわかる。(なお、上記図4の結果は、後述する表1を参照しても理解できる。)
図5を参照すると、1000倍集光の場合、非集光の場合と同様に、6準位中間バンド太陽電池は、障壁層(母体半導体ともいう)のバンドギャップがEg<1.1eVであるとき、従来の中間バンド太陽電池と比較してそのエネルギー変換効率にほとんど差異がないことがわかる。
一方、障壁層のバンドギャップがEg≧1.1eVであるとき、従来の中間バンド太陽電池よりも6準位中間バンド太陽電池のほうが、バンドギャップ・中間バンドエネルギー準位を最適化することによって、エネルギー変換効率が高くなる可能性がある(図5)。ここで、障壁層のバンドギャップが1.1≦Eg≦1.4eVであるとき、6準位の各準位と最近接の準位とのエネルギー準位間隔が室温エネルギー程度に狭くなり得るため、エネルギー準位間隔の制御の容易さを考えるとEg≧1.5eVであることがより好ましい。
図5を参照すると、6準位中間バンド太陽電池は、障壁層のバンドギャップがEg=1.5〜3.5eVの領域にあるとき、従来の中間バンド太陽電池では得ることができないようなエネルギー変換効率を達成することがわかる。例えば、従来の中間バンド太陽電池の最大エネルギー変換効率は約57.3%であったのに対し、6準位中間バンド太陽電池の最大エネルギー変換効率は、障壁層のバンドギャップがEg=2.4〜2.5eVのとき約67.7%である。
このように、図5の結果から、1000倍集光の場合でも最適バンドラインナップを選択することにより、従来の中間バンド太陽電池では得ることができないようなエネルギー変換効率を6準位中間バンド太陽電池が達成することがわかった。(なお、上記図5の結果は、後述する表2を参照しても理解できる。)
また、実験1の結果を表1及び表2に示す。表1及び表2は、6準位中間バンド太陽電池と従来の中間バンド太陽電池のエネルギー変換効率とエネルギー準位を比較したものであり、実験1の結果の一部を示す表である。表1は、集光条件が「非集光」の場合であり、表2は、集光条件が「1000倍集光」の場合である。
Figure 2012134386
Figure 2012134386
ここで、表1及び表2において、ΔEは、2つのエネルギー準位(バンド)の間のエネルギー差を表しており、例えば、ΔEci21は、Ecのエネルギー準位70とEi21のエネルギー準位61とのエネルギー差を表している(図2参照)。このように、ΔEに続いて記載されている英数字は、2つのエネルギー準位を示している。ΔEii212等の他の記載及び表3〜表6も同様のルールで記載している。
表1及び表2を参照し、同じ大きさのEgで比較すると、従来の中間バンド太陽電池の変換効率を越える6準位中間バンド太陽電池の最適バンドラインナップは、ΔEci21≧0.05eV、またはΔEvi24≧0.05eVであることがわかる、また、この最適バンドラインナップは、|(ΔEci21−ΔEvi24)|≧0.65eVとなることもわかる。さらに、MIN(ΔEii212、ΔEii223、ΔEii234)≧0.10eVとなることもわかる。
ここで、MIN(A,B,C)とは、A,B,Cの数値のうち最も小さい数値を意味する。以下、この明細書では、MIN(A,B,・・・)は、括弧内の数値のうち最も小さい数値を意味するものとして使用する。
また、表1及び表2を参照し、従来の中間バンド太陽電池の最大変換効率と比較すると、6準位中間バンド太陽電池について、従来の中間バンド太陽電池の最大変換効率を超えるような最適バンドラインナップは、ΔEci21≧0.05eV、またはΔEvi24≧0.05eVであることがわかる。また、この最適バンドラインナップは、|(ΔEci21−ΔEvi24)|≧0.65eVとなることもわかる。さらに、MIN(ΔEii212、ΔEii223、ΔEii234)≧0.125eVとなることもわかる。
例えば、量子ドットにより6準位中間バンド太陽電池が構成され、価電子帯における、量子ドットと障壁層のバンドオフセットが0の場合、または価電子帯に形成される量子準位が1つのバンドとみなすことができる場合(すなわち4つの中間バンド準位を伝導帯バンドオフセットによるポテンシャルを用いて作製する場合)、ΔEvi24が大きいほど(ΔEci21+ΔEii212+ΔEii223+ΔEii234が小さいほど)最も低い中間バンドのエネルギー準位Ei24が前記障壁層の伝導帯底に近く、量子ドット層の電子の波動関数が隣接量子ドット層の波動関数と大きく相互作用しやすくなる。従って、Ei21、Ei22,Ei23,Ei24の中間バンドが形成されやすくなり、キャリア移動がより起こりやすくなる。このような観点からΔEvi24≧(Eg/2)eVが好ましく、表1及び表2を検討すると、6準位中間バンド太陽電池の最適バンドラインナップは、ΔEvi24≧(Eg/2+0.05)eVとなっている。
例えば、1000倍集光下における6準位中間バンド太陽電池においてEg=2.5eVの場合、67.7%のエネルギー変換効率となるバンドラインナップ、すなわちΔEci21とΔEvi24の組み合わせは、(ΔEci21、ΔEvi24)=(1.325eV、0.575eV)(0.575eV、1.325eV)である。これらは上記バンドラインナップを満たし、上記の条件ΔEvi24≧(Eg/2+0.05)eVより好ましい組み合わせは(ΔEci21、ΔEvi24)=(0.575eV、1.325eV)である。
〔実験2〕
次に、超格子半導体層を構成する障壁層の伝導帯の最下部(底)と価電子帯の最上部(頂点)と量子ドットから形成される中間バンドの準位の合計が5準位を有する太陽電池について、実験1と同様の算出方法でシミュレーション実験を行った。このシミュレーション実験では、上記5準位を有する太陽電池のいくつかの例を挙げて、そのエネルギー変換効率を算出した。この太陽電池の超格子半導体層のバンド図を図6に示し、実験結果を図7及び図8に示す。
図6は、この発明の一実施形態に係る超格子半導体層が3つの中間バンドを有する場合のバンド図である。すなわち、この図は、1つの例として、超格子半導体層を構成する障壁層と量子ドットが5準位を有する場合のバンド図を示している。また、図7は、実験2のシミュレーションにより得られた、非集光の場合におけるバンドギャップと最大エネルギー変換効率との関係を示すグラフである。さらに図8は、実験2のシミュレーションにより得られた、集光した場合におけるバンドギャップと最大エネルギー変換効率との関係を示すグラフである。
実験2のシミュレーションでも、実験1のシミュレーションと同様に、Ts=6000K、T0=300Kで計算し、集光倍率は、式(2)と(9)におけるC0について、C0=1の場合とC0=1000の場合の2パターンとした。これらは、C0=1の場合を「非集光」と表示し(図7)、C0=1000の場合を「1000倍集光」と表示している(図8)。
図7を参照すると、非集光の場合、5準位中間バンド太陽電池は、障壁層(母体半導体ともいう)のバンドギャップがEg<1.2eVであるとき、従来の中間バンド太陽電池と比較して、そのエネルギー変換効率にほとんど差異がないことがわかる。
一方、障壁層のバンドギャップがEg≧1.2eVであるとき、従来の中間バンド太陽電池よりも5準位中間バンド太陽電池のほうが、バンドギャップ・中間バンドエネルギー準位を最適化することによって、エネルギー変換効率が高くなる可能性がある(図7)。ここで、障壁層のバンドギャップがEg=1.2eVであるとき、5準位の各準位と最近接の準位とのエネルギー準位間隔が室温エネルギー程度に狭くなり得るため、エネルギー準位間隔の制御の容易さを考えるとEg≧1.3eVであることがより好ましい。
図7を参照すると、5準位中間バンド太陽電池は、障壁層のバンドギャップがEg=1.8〜3.8eVの領域にあるとき、従来の中間バンド太陽電池では得ることができないようなエネルギー変換効率を達成することがわかる。例えば、従来の中間バンド太陽電池の最大エネルギー変換効率は約46.7%であったのに対し、5準位中間バンド太陽電池の最大エネルギー変換効率は、障壁層のバンドギャップがEg=2.6〜2.7のとき約55.4%である。
このように、図7の結果から、最適バンドラインナップを選択することにより、従来の中間バンド太陽電池では得ることができないようなエネルギー変換効率を5準位中間バンド太陽電池が達成することがわかる。(なお、上記図7の結果は、後述する表3を参照しても理解できる。)
図8を参照すると、1000倍集光の場合、非集光の場合と同様に、5準位中間バンド太陽電池は、障壁層(母体半導体ともいう)のバンドギャップがEg<1.1eVであるとき、従来の中間バンド太陽電池と比較してそのエネルギー変換効率にほとんど差異がないことがわかる。
一方、障壁層のバンドギャップがEg≧1.1eVであるとき、従来の中間バンド太陽電池よりも5準位中間バンド太陽電池のほうが、バンドギャップ・中間バンドエネルギー準位を最適化することによって、エネルギー変換効率が高くなる可能性がある(図8)。
図8を参照すると、5準位中間バンド太陽電池は、障壁層のバンドギャップがEg=1.5〜3.4eVの領域にあるとき、従来の中間バンド太陽電池では得ることができないようなエネルギー変換効率を達成することがわかる。例えば、従来の中間バンド太陽電池の最大エネルギー変換効率は約57.3%であったのに対し、5準位中間バンド太陽電池の最大エネルギー変換効率は、障壁層のバンドギャップがEg=2.3〜2.4eVのとき約66.5%である。
このように、図8の結果から、1000倍集光の場合でも、最適バンドラインナップを選択することにより、従来の中間バンド太陽電池では得ることができないようなエネルギー変換効率を5準位中間バンド太陽電池が達成することがわかる。(なお、上記図8の結果は、後述する表4を参照しても理解できる。)
また、実験2の結果を表3及び表4に示す。表3及び表4は、5準位中間バンド太陽電池と従来の中間バンド太陽電池のエネルギー変換効率とエネルギー準位を比較したものであり、実験2の結果の一部を示す表である。表3は、集光条件が「非集光」の場合であり、表4は、集光条件が「1000倍集光」の場合である。
Figure 2012134386
Figure 2012134386
表3及び表4を参照し、同じ大きさのEgで比較すると、従来の中間バンド太陽電池の変換効率を越える5準位中間バンド太陽電池の最適バンドラインナップは、ΔEci11≧0.05eV、またはΔEvi13≧0.05eVであることがわかる。また、この最適バンドラインナップは、|(ΔEci11−ΔEvi13)|≧0.625eVとなることもわかる。さらに、MIN(ΔEii112、ΔEi113)≧0.15eVとなることもわかる。
また、表3及び表4を参照し、従来の中間バンド太陽電池の最大変換効率と比較すると、5準位中間バンド太陽電池について、従来の中間バンド太陽電池の最大変換効率を超えるような最適バンドラインナップは、ΔEci11≧0.175eV、またはΔEvi13≧0.175eVであることがわかる。また、この最適バンドラインナップは、|(ΔEci11−ΔEvi13)|≧0.625eVとなることもわかる。さらに、MIN(ΔEii112、ΔEii113)≧0.175eVとなることもわかる。
例えば、量子ドットにより5準位中間バンド太陽電池が構成され、価電子帯における、量子ドットと障壁層のバンドオフセットが0の場合、または価電子帯に形成される量子準位が1つのバンドとみなすことができる場合(すなわち3つの中間バンド準位を伝導帯バンドオフセットによるポテンシャルを用いて作製する場合)、ΔEvi13が大きいほど(ΔEci11+ΔEii112+ΔEii113が小さいほど)最も低い中間バンドのエネルギー準位Ei13が前記障壁層の伝導帯底に近く、量子ドット層の電子の波動関数が隣接量子ドット層の波動関数と大きく相互作用しやすくなる。従って、Ei11、Ei12,Ei13の中間バンドが形成されやすくなり、キャリア移動がより起こりやすくなる。このような観点から表3及び表4を検討すると、5準位中間バンド太陽電池の最適バンドラインナップは、好ましくはΔEvi13≧(Eg/2+0.075)eVである。
例えば、1000倍集光下における5準位中間バンド太陽電池においてEg=2.4eVの場合、63.5%のエネルギー変換効率となるバンドラインナップ、すなわちΔEci11とΔEvi13の組み合わせは、(ΔEci11、ΔEvi13)=(1.30eV、0.575eV)(0.575eV、1.30eV)である。これは上記バンドラインナップを満たし、上記の条件ΔEvi13≧(Eg/2+0.075)eVより好ましい組み合わせは(ΔEci11、ΔEvi13)=(0.575eV、1.30eV)である。
〔実験3〕
次に、超格子半導体層を構成する障壁層の伝導帯の最下部(底)と価電子帯の最上部(頂点)と量子ドットから形成される中間バンドの準位の合計が4準位を有する太陽電池について、実験1及び実験2と同様の算出方法でシミュレーション実験を行った。このシミュレーション実験では、上記5準位を有する太陽電池のいくつかの例を挙げて、そのエネルギー変換効率を算出した。この太陽電池の超格子半導体層のバンド図を図9に示し、実験結果を図10及び図11に示す。
図9は、この発明の一実施形態に係る超格子半導体層が2つの中間バンドを有する場合のバンド図である。すなわち、この図は、1つの例として、超格子半導体層を構成する障壁層と量子ドットが4準位を有する場合のバンド図を示している。また、図10は、実験3のシミュレーションにより得られた、非集光の場合におけるバンドギャップと最大エネルギー変換効率との関係を示すグラフである。さらに図11は、実験3のシミュレーションにより得られた、集光した場合におけるバンドギャップと最大エネルギー変換効率との関係を示すグラフである。
実験3のシミュレーションでも、実験1及び実験2のシミュレーションと同様に、Ts=6000K、T0=300Kで計算し、集光倍率は、式(7)におけるC0について、C0=1の場合とC0=1000の場合の2パターンとした。これらは、C0=1の場合を「非集光」と表示し(図10)、C0=1000の場合を「1000倍集光」と表示した(図11)。
図10を参照すると、非集光の場合、4準位中間バンド太陽電池は、障壁層(母体半導体ともいう)のバンドギャップがEg<1.2eVであるとき、従来の中間バンド太陽電池と比較して、そのエネルギー変換効率にほとんど差異がないことがわかる。
一方、障壁層のバンドギャップがEg≧1.2eVであるとき、従来の中間バンド太陽電池よりも4準位中間バンド太陽電池のほうが、バンドギャップ・中間バンドエネルギー準位を最適化することによって、エネルギー変換効率が高くなる可能性がある(図10)。
図10を参照すると、4準位中間バンド太陽電池は、障壁層のバンドギャップがEg=1.8〜3.5eVの領域にあるとき、従来の中間バンド太陽電池では得ることができないようなエネルギー変換効率を達成することがわかる。例えば、従来の中間バンド太陽電池の最大エネルギー変換効率は約46.7%であったのに対し、4準位中間バンド太陽電池の最大エネルギー変換効率は、障壁層のバンドギャップがEg=2.6eVのとき約53.0%である。
このように、図10の結果から、最適バンドラインナップを選択することにより、従来の中間バンド太陽電池では得ることができないようなエネルギー変換効率を4準位中間バンド太陽電池が達成することがわかる。(なお、上記図10の結果は、後述する表1を参照しても理解できる。)
図11を参照すると、1000倍集光の場合、障壁層のバンドギャップがEg≧1.0eVであるとき、従来の中間バンド太陽電池よりも4準位中間バンド太陽電池のほうが、中間バンドエネルギー準位を最適化することによって、エネルギー変換効率が高くなる可能性がある(図11)。
図11を参照すると、障壁層のバンドギャップがEg=1.6〜3.2eVの領域にあるとき、4準位中間バンド太陽電池は、従来の中間バンド太陽電池では得ることができないようなエネルギー変換効率を達成することがわかる。例えば、従来の中間バンド太陽電池の最大エネルギー変換効率は約57.3%であったのに対し、4準位中間バンド太陽電池の最大エネルギー変換効率は、障壁層のバンドギャップがEg=2.3eVのとき約63.8%である。
このように、図11の結果から、1000倍集光の場合でも、最適バンドラインナップを選択することにより、従来の中間バンド太陽電池では得ることができないようなエネルギー変換効率を4準位中間バンド太陽電池が達成することがわかる。(なお、上記図11の結果は、後述する表2を参照しても理解できる。)
また、実験1の結果を表5及び表6に示す。表5及び表6は、4準位中間バンド太陽電池と従来の中間バンド太陽電池のエネルギー変換効率とエネルギー準位を比較したものであり、実験1の結果の一部を示す表である。表5は、集光条件が「非集光」の場合であり、表6は、集光条件が「1000倍集光」の場合である。
なお、表5および表6にはΔEci1(ΔEvi2)の列とΔEvi2(ΔEci1)の列があるが、これらは一方がΔEci1の値であれば他方がΔEvi2の値であることを示し、一方がΔEvi2の値であれば他方がΔEci1の値であることを示している。
Figure 2012134386
Figure 2012134386
表5及び表6を参照し、同じ大きさのEgで比較すると、従来の中間バンド太陽電池の変換効率を越える4準位中間バンド太陽電池の最適バンドラインナップは、ΔEci1≧0.1eV、またはΔEvi2≧0.1eVであることがわかる。また、この最適バンドラインナップは、|(ΔEci1−ΔEvi2)|≧0.25eVとなることもわかる。さらに、ΔEii≧0.25eVとなることもわかる。
また、表5及び表6を参照し、従来の中間バンド太陽電池の最大変換効率とを比較すると、4準位中間バンド太陽電池について、従来の中間バンド太陽電池の最大変換効率を超えるような最適バンドラインナップは、ΔEci1≧0.325eV、またはΔEvi2≧0.325eVであることがわかる。また、この最適バンドラインナップは、|(ΔEci1−ΔEvi2)|≧0.325eVとなることもわかる。さらに、ΔEii≧0.325eVとなることがわかる。
例えば、量子ドットにより4準位中間バンド太陽電池が構成され、価電子帯における、量子ドットと障壁層との間のバンドオフセットが0の場合、または価電子帯に形成される量子準位が1つのバンドとみなすことができる場合(すなわち2つの中間バンド準位を伝導帯バンドオフセットによるポテンシャルを用いて作製する場合)、ΔEvi2が大きいほど(ΔEci1+ΔEiiが小さいほど)最も低い中間バンドのエネルギー準位Ei2が前記障壁層の伝導帯底に近く、量子ドット層の電子の波動関数が隣接量子ドット層の波動関数と大きく相互作用しやすくなる。従って、Ei1、Ei2の中間バンドが形成されやすくなり、キャリア移動がより起こりやすくなる。このような観点から表1及び表2を検討すると、4準位中間バンド太陽電池の最適バンドラインナップは、好ましくはΔEvi2≧(Eg/2+0.125)eVである。
例えば、1000倍集光下における4準位中間バンド太陽電池においてEg=2.3eVの場合、63.8%のエネルギー変換効率となるバンドラインナップ、ずなわちΔEci1とΔEvi2の組み合わせは、(ΔEci1、ΔEvi2)=(1.30eV、0.65eV)(0.65eV、1.30eV)、(1.00eV、0.65eV)、(0.65ev、1.00eV)である。これは上記バンドラインナップを満たし、上記の条件ΔEvi2≧(Eg/2+0.125)eVより好ましい組み合わせは(ΔEci1、ΔEvi2)=(0.65eV、1.30eV)である。
以上の実験から、6準位中間バンド太陽電池、5準位中間バンド太陽電池、及び4準位中間バンド太陽電池は、エネルギー変換効率が高いことがわかる。
なお、表1〜表6のEg以外のエネルギー準位は、あるEgに対するいくつかの例を示したに過ぎない。すなわち、あるEgに対して同じ効率を満たすEg以外のエネルギー準位はエネルギー間隔の対称性から他にも組み合わせが考えられる。また、表1〜6はあるEgに対して最大エネルギー変換効率を与える最適なエネルギー準位の組み合わせを示したに過ぎず、これら以外の組み合わせであっても従来の中間バンド太陽電池のエネルギー変換効率を越えうる。従って、この発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されない。
シミュレーション実験2
〔実験4〕
次に、実験1〜3で明らかとなったエネルギー準位(4〜6準位中間バンド太陽電池。多準位中間バンド太陽電池ともいう)を有する太陽電池について、特定の構造に着目してさらにシミュレーション実験を行った。
MATLABソフトを用いシュレディンガー方程式を解き、バンド構造計算を行った。このシミュレーション実験では、多準位中間バンド太陽電池を実現できる構造として、「価電子帯バンドオフセットがゼロである構造」と「価電子帯バンドオフセットがゼロでない構造」に着目した。また、量子ドットの形状は立方体であると考え、3辺の大きさを(a,b,c)nmとした。
1.価電子帯バンドオフセットがゼロである構造
InAs1-xSbx/AlSbの組み合わせを用いれば価電子帯バンドオフセットをゼロにすることが可能である(ここでいう価電子帯バンドオフセットとは、InAsxSb1-xとAlSbの価電子帯頂点のエネルギー準位の差がゼロである関係をいう)。InAs1-xSbxはΓ点の伝導体下端とΓ点の価電子帯の上端とのエネルギー差が最も小さく(直接バンドギャップ)、AlSbはX点の伝導帯下端とΓ点の価電子帯上端のエネルギー差が最も小さい(間接バンドギャップ)。しかし、太陽電池においてはΓ点における吸収が最も重要かつ支配的であり、以下ではInAs1-xSbx、AlSb共にΓ点でのバンド構造を考える。ここでは、Vegard則からx=0.3として以下の計算を行った。AlSbのΓ点でのバンドギャップは2.3eVである。
価電子帯バンドオフセットがゼロである構造に関するバンド構造計算の結果を図12〜図17に示す。図12、図14及び図16は、中間バンド太陽電池のバンド構造計算結果を示す図である。これらの図の多準位中間バンド太陽電池は、図12、図14、図16の順で、4準位中間バンド、5準位中間バンド、6準位中間バンドである。また、これらの図の太陽電池は、量子ドット層と障壁層の価電子帯バンドオフセットがゼロであり、量子ドット層と障壁層がそれぞれInAs0.7Sb0.3とAlSbで構成されている。また、図13、図15及び図17は、それぞれ図12、図14及び図16における太陽電池に光を照射したときの、電圧と電流の関係をシミュレーションした結果を示す図である。
なお、図12における「InAs0.7Sb0.3/AlSb=2.7+2.7+9/3nm」は、量子ドット層がInAs0.7Sb0.3、障壁層がAlSbであることを示し、「2.7+2.7+9」はInAs0.7Sb0.3で構成される量子ドットの大きさを示している(直方体の量子ドットの三辺の大きさを(a,b,c)としたとき、ここでは(a+b+c)と表示している)。また同図の「3nm」はAlSbの層厚を示している。このような表記法は、図14〜図22でも同様である。
(1−1)4準位中間バンド太陽電池
InAs0.7Sb0.3/AlSb=(2.7、2.7、9)/3nm
図12に示すように、このような量子ドットサイズである場合、3方向からの閉じ込めにより各エネルギー準位は価電子帯上端を0として、(Ev、Ei2、Ei1、Ec)=(0、1.29、1.64、2.32)eVとなった。これらのエネルギー準位を用いて、4準位中間バンド太陽電池のエネルギー変換効率は、非集光の場合51.9%、1000倍集光で63.4%となった(図13参照)。
(1−2)5準位中間バンド太陽電池
InAs0.7Sb0.3/AlSb=(2.7、2.7、13)/3nm
図14に示すように、このような量子ドットサイズである場合、3方向からの閉じ込めにより各エネルギー準位は価電子帯上端を0として、(Ev、Ei13、Ei12、Ei11、Ec)=(0、1.25、1.44、1.80、2.3)eVとなった。これらのエネルギー準位を用いて、5準位中間バンド太陽電池のエネルギー変換効率は、非集光の場合52.1%、1000倍集光で63.6%となった(図15参照)。
(1−3)6準位中間バンド太陽電池
InAs0.7Sb0.3/AlSb=(2.7、2.7、17)/3nm
図16に示すように、このような量子ドットサイズである場合、3方向からの閉じ込めにより各エネルギー準位は価電子帯上端を0として、(Ev、Ei24、Ei23、Ei22、Ei21、Ec)=(0、1.23、1.35、1.57、1.90、2.3)eVとなった。これらのエネルギー準位を用いて、6準位中間バンド太陽電池のエネルギー変換効率は、非集光の場合53.2%、1000倍集光で65.0%となった(図17参照)。
2.価電子帯バンドオフセットがゼロでない構造
InAs/AlSb1-xAsxの組み合わせは、価電子帯バンドオフセットをゼロにすることができない。しかし、価電子帯バンドオフセットが比較的小さいことと、価電子帯にはヘビーホールとライトホールが存在し、ヘビーホールの有効質量が比較的大きいため価電子帯には多数の量子エネルギー準位が形成され、これらの複数の準位をまとめて1つの価電子帯とみなすことが可能である。1つにみなされた価電子帯の上端から伝導帯下端までを実効的なバンドギャップと考えることが可能となり、多準位中間バンド太陽電池を実現することができる。
一方で、この組み合わせにおいても、先ほどと同様にInAsはΓ点の伝導体下端とΓ点の価電子帯の上端とのエネルギー差が最も小さく(直接バンドギャップ)、AlSb1-xAsxはX点の伝導帯下端とΓ点の価電子帯上端のエネルギー差が最も小さい(間接バンドギャップ)。しかし、太陽電池においてはΓ点における吸収が最も重要かつ支配的であり、以下ではInAs、AlSb1-xAsx共にΓ点でのバンド構造を考える。ここでは、Vegard則からx=0.5として以下の計算を行った。
価電子帯バンドオフセットがゼロでない構造に関するバンド構造計算の結果を図18〜図23に示す。図18、図20及び図22は、中間バンド太陽電池のバンド構造計算結果を示す図である。これらの図における太陽電池の中間バンドは、図18、図20、図22の順で、4準位中間バンド、5準位中間バンド、6準位中間バンドである。また、これらの図における太陽電池は、量子ドット層と障壁層の価電子帯バンドオフセットがゼロでなく、量子ドット層と障壁層がそれぞれInAsとAlSb0.5As0.5で構成されている。また、図19、図21及び図23は、それぞれ図18、図20及び図22における太陽電池に光を照射したときの、電圧と電流の関係をシミュレーションした結果を示す図である。
(1−1)4準位中間バンド太陽電池
InAs/AlSb0.5As0.5=(2.5、2.5、8.5)/3nm
図18に示すように、このような量子ドットサイズである場合、3方向からの閉じ込めにより各エネルギー準位は価電子帯上端を0として、(Ev、Ei2、Ei1、Ec)=(0、1.54、1.90、2.52)eVとなった。ここで、Evは1つにみなされた価電子帯の上端のエネルギー準位のことであり、Ecは障壁層の伝導体の下端であり、従って(Ec−Ev)は障壁層のバンドギャップではない。これらのエネルギー準位を用いて、4準位中間バンド太陽電池のエネルギー変換効率は、非集光の場合47.7%、1000倍集光で56.8%となった(図19参照)。
(2−2)5準位中間バンド太陽電池
InAs/AlSb0.5As0.5=(2.7、2.7、12)/3nm
図20に示すように、このような量子ドットサイズである場合、3方向からの閉じ込めにより各エネルギー準位は価電子帯上端を0として、(Ev、Ei13、Ei12、Ei11、Ec)=(0、1.41、1.61、1.98、2.50)eVとなった。これらのエネルギー準位を用いて、4準位中間バンド太陽電池のエネルギー変換効率は、非集光の場合51.3%、1000倍集光で61.4%となった(図21参照)。
(2−3)6準位中間バンド太陽電池
InAs/AlSb0.5As0.5=(3.0、3.0、15)/3nm
図22に示すように、このような量子ドットサイズである場合、3方向からの閉じ込めにより各エネルギー準位は価電子帯上端を0として、(Ev、Ei24、Ei23、Ei22、Ei21、Ec)=(0、1.28、1.42、1.67、2.03、2.49)eVとなった。これらのエネルギー準位を用いて、4準位中間バンド太陽電池のエネルギー変換効率は、非集光の場合52.8%、1000倍集光で63.4%となった(図23参照)。
以上のように、実験4の結果からも、4〜6準位中間バンド太陽電池が高いエネルギー効率を示すことが理解できる。
以上、実施形態を挙げて、この発明を説明したが、この発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、超格子構造中における量子ドット間の波動関数の電子的結合により量子準位間の共鳴トンネル効果が生じ、量子準位が1つに繋がった中間バンドが形成されることはキャリア移動の観点からより好ましいが、必ずしも中間バンドが形成される必要があるわけではない。非特許文献3に示されるように、各々の量子ドットから形成される量子エネルギー準位が共鳴せずに各々独立に存在していても良く、そのような構成であっても中間バンド太陽電池として機能する。このため、上記の実施形態(及び実験1〜4)の中間バンドは、超格子半導体層に各々独立に存在したエネルギー準位であってもよい。
また、上記の実施形態(及び実験1〜4)では、主に量子ドットで形成される超格子構造を説明したが、例えば、量子井戸構造により形成される中間バンドや化合物半導体材料に数種類の不純物をドープすることで形成される中間バンド(不純物を用いた中間バンド)などに適用してもよく、この発明は、量子ドットを用いた中間バンド太陽電池に限定されない。
このように、この発明は請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についてもこの発明の技術的範囲に含まれる。
1: p型半導体基板 3:バッファー層
4:ベース層(p型半導体層) 6:量子ドット層 7:量子ドット
8:障壁層 10:超格子半導体層 12:エミッタ−層(n型半導体層)
14:窓層 15:コンタクト層 17:n型電極 18:p型電極
20:太陽電池
50:価電子帯の頂上のエネルギー準位(Ev)
60,61,62,63,64:中間バンド(Ei21,Ei22,Ei23,Ei24,Ei11,Ei12,Ei13,Ei1,Ei2,Ei3)
70:伝導帯の底のエネルギー準位(Ec)

Claims (12)

  1. p型半導体層と、n型半導体層と、前記p型半導体層と前記n型半導体層とに挟まれた光吸収半導体層とを備え、
    前記光吸収半導体層は、少なくとも2つ以上のエネルギー準位を前記光吸収半導体層の禁制帯中に備えていることを特徴とする太陽電池。
  2. 前記光吸収半導体層は、障壁層と量子層が交互に繰り返し積層された超格子構造を有する超格子半導体層である請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記エネルギー準位は、前記量子層の量子準位であり、
    前記量子準位が前記量子層の伝導帯、価電子帯のいずれかと前記障壁層の禁制帯とに形成されている請求項2に記載の太陽電池。
  4. 前記エネルギー準位は、前記超格子構造により量子層間の波動関数が電子的に結合して中間バンドを形成し、
    前記中間バンドが前記量子層の伝導帯、価電子帯のいずれかと前記障壁層の禁制帯とに形成されている請求項3に記載の太陽電池。
  5. 前記中間バンドは、前記量子層の伝導帯底と前記障壁層の伝導帯底の間に形成されている請求項4に記載の太陽電池。
  6. 前記量子層は量子ドットからなる量子ドット層である請求項2〜5のいずれか1つに記載の太陽電池。
  7. 前記エネルギー準位が少なくとも3つ以上である請求項1〜6のいずれか1つに記載の太陽電池。
  8. 前記エネルギー準位が少なくとも4つ以上である請求項1〜7のいずれか1つに記載の太陽電池。
  9. 前記エネルギー準位が2つであり、
    前記光吸収半導体層又は前記障壁層の禁制帯は、幅が1.0eV以上3.5eV以下である請求項1〜6に記載の太陽電池。
  10. 前記エネルギー準位が3つであり、
    前記光吸収半導体層又は前記障壁層の禁制帯は、幅が1.1eV以上3.8eV以下である請求項7に記載の太陽電池。
  11. 前記エネルギー準位が4つであり、
    前記光吸収半導体層または前記障壁層の禁制帯は、幅が1.3eV以上3.8eV以下である請求項8に記載の太陽電池。
  12. 前記障壁層の禁制帯の幅をEg、障壁層における価電子帯の頂上のエネルギー準位と、前記量子準位及び前記中間バンドのうち最もエネルギー準位が低い準位との準位の差をΔEviとしたときに下記の式(1)を満たす請求項5又は6に記載の太陽電池。
    ΔEvi≧(Eg/2)(単位:eV)・・・(1)
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