JP2013239690A - 超格子構造、前記超格子構造を備えた半導体装置および半導体発光装置、ならびに前記超格子構造の製造方法 - Google Patents

超格子構造、前記超格子構造を備えた半導体装置および半導体発光装置、ならびに前記超格子構造の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、高積層であっても量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層のサイズの均一性が保たれ、また、量子ドットナノワイヤ間の量子ドット層のサイズのばらつきも小さい超格子構造を提供する。
【解決手段】
面領域から略垂直方向に伸びる複数本の量子ドットナノワイヤからなり、前記複数本の量子ドットナノワイヤは、前記面領域上に障壁層と量子ドット層とが交互に積層された構造を有し、その直径が積層方向において実質的に同一であり、その面密度が4本/μm2以上で実質的に均一に配列された超格子構造。
【選択図】図1

Description

この発明は、超格子構造、前記超格子構造を備えた半導体装置および半導体発光装置、ならびに前記超格子構造の製造方法に関する。
近年、CO2を排出しないクリーンなエネルギー源として光起電力素子が注目され、その普及が進みつつある。現在最も普及している光起電力素子は、シリコンを用いた単接合太陽電池であるが、シリコン太陽電池は、太陽光スペクトル中の長波長領域の光を吸収できないため、太陽光エネルギーの多くが利用されていなかった。それゆえ、この利用されていない太陽光エネルギーを有効活用すべく、量子ドットを用いた量子ドット太陽電池が注目されている。
量子ドットは、数nm〜100nm程度のナノ構造を有する粒子であり、複数の量子ドットからなる超格子構造によって新たなバンドギャップ(量子エネルギー準位)を形成することにより、これまで利用されなかった太陽光の長波長領域も吸収できるようになる。また、量子ドットのサイズを制御することにより自由にバンドギャップを制御できるといった特徴も有する。このような複数の量子ドットからなる超格子構造を太陽電池に応用する場合、超格子構造全体を通して量子ドットのサイズのばらつきが小さく、高い均一性を有する超格子構造を実現することが極めて重要となる。
従来、量子ドットの形成方法として、歪みを利用して膜成長から量子ドットを形成するSK(Stranski-Krastanov)成長と呼ばれる方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、ナノサイズの直径を有するナノワイヤ中に量子ドットが積層された量子ドットナノワイヤを形成する方法として、数ナノメートルの厚さの媒質層と半導体層とを交互に積層した後、部分エッチング法などによりナノワイヤを形成するトップダウン方式が知られている(例えば、特許文献2および非特許文献1を参照)。
さらに、例えば、Auなどの貴金属触媒を用いたVLS(Vapor-Liquid-Solid)法により基板面からナノ構造を積み上げて結晶成長させることでナノワイヤを形成するボトムアップ方式が知られている(例えば、特許文献3を参照)。
また、量子ドットを用いた発光装置が活発に研究開発されてきており、これらの応用として、通信波長帯発光装置や光コヒーレンストモグラフィー(OCT)を利用した生体断層撮像装置が注目を集めている。通信波長帯発光装置は、高均一かつ高密度な量子ドットである程、出力が高いという特徴を有する。一方、OCT向け発光装置は、発光波長領域が広帯域かつガウシアン形状のスペクトルを有する程、高解像度になるという特徴を有している。OCT向け発光波長帯域としては、0.7μm〜1.3μm領域が適している。これは0.7μm以下の可視光領域では生体中におけるメラニンやヘモグロビンの吸収が大きく、一方で1.3μm以上では水分による吸収が大きくなるためである。このような生体断層撮像装置の一例として、中心波長の異なる3層の量子ドット層から形成された発光層を有する光半導体素子を用いた光断層画像取得装置が提案されている(例えば、特許文献4を参照)。
特開2011−86774 特表2011−530829 特開2009−269170 特開2008−270585
Hua Wang, Minghua Sun, Kang Ding, Martin T. Hill, and Cun-Zheng Ning, Nano Lett. 2011, 11, 1646-1650.
しかしながら、SK成長を利用した量子ドットの形成法は、基板結晶との格子定数の差(格子不整合)に起因する格子歪のエネルギーを利用するため、SK成長により形成された量子ドット層は歪みの影響を受けやすく、積層するにつれて歪みの影響が大きくなるため、高積層になるほど量子ドット層が不均一になる。
また、エッチング法などのトップダウン方式により形成された量子ドットナノワイヤは、エッチング前の薄膜形成の段階で歪みが生じるため欠陥が入りやすく、その歪みの影響が残ることがある。特に、高積層の量子ドットナノワイヤを形成する場合、異方性により垂直にエッチングすることが困難なため、量子ドット層のサイズがばらついてしまい、量子ドット層の不均一性が顕著に現れることがある。
さらに、VLS法などのボトムアップ方式により形成された量子ドットナノワイヤは、SK成長により形成された量子ドットナノワイヤと比較して歪みの影響は小さいものの、高積層になるほど均一性が保たれず、その直径が小さくなる傾向が見られ、量子ドットナノワイヤの底部と頂部とで量子ドット層のサイズが異なることがある。また、多数の量子ドットナノワイヤを作製する場合、各量子ドットナノワイヤの直径や基板に対する垂直性、各量子ドット層のサイズなどの特性は必ずしも一様ではなく、特に、高積層の量子ドットナノワイヤを形成する場合に、このような不均一性が顕著に現れることがある。
また、量子井戸薄膜の形成後、その歪みを利用して自己組織的に量子ドットを積層すると、転位・欠陥が多く生じるため、発光効率が大きく低下するおそれがある。また、自己組織的に作製した量子ドットサイズの制御は一般的に容易ではなく、異なるサイズを有する量子ドットを多重積層すると、量子ドットの作製が一層困難になるおそれもあり、量子ドットサイズの制御も一層困難になるため、所望の発光スペクトルを容易に得られないという問題があった。
このような事情に鑑み、高積層であっても量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層のサイズの均一性が保たれ、また、量子ドットナノワイヤ間の量子ドット層のサイズのばらつきも小さい超格子構造が求められていた。
また、同一基板上に異なるサイズを有する量子ドットを多重積層しても、転位、欠陥が少ない超格子構造および該超格子構造を備えた発光効率の高い低消費電力の半導体発光装置を提供することにある。
この発明は、面領域から略垂直方向に伸びる複数本の量子ドットナノワイヤからなり、前記複数本の量子ドットナノワイヤは、前記面領域上に障壁層と量子ドット層とが交互に積層された構造を有し、その直径が積層方向において実質的に同一であり、その面密度が4本/μm2以上で実質的に均一に配列された超格子構造を提供するものである。
またこの発明は、面領域上にマスク層を形成し、前記マスク層に4個/μm2以上の面密度を有する複数の開口部を設け、前記複数の開口部から略垂直方向に障壁層と量子ドット層とを交互に積層して複数本の量子ドットナノワイヤを形成する超格子構造の製造方法を提供するものである。
この発明によれば、前記複数本の量子ドットナノワイヤは、その直径が積層方向において実質的に同一であるため、高積層に積層されても量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層のサイズが均一に保たれ、また、その面密度が4本/μm2以上で実質的に均一に配列されているため、量子ドットナノワイヤ間の量子ドット層のサイズのばらつきも小さい超格子構造が実現できる。
またこの発明によれば、面領域上にマスク層を形成し、前記マスク層に4個/μm2以上の面密度を有する複数の開口部を設け、前記複数の開口部から略垂直方向に障壁層と量子ドット層とを交互に積層して複数本の量子ドットナノワイヤを形成するため、量子ドットナノワイヤの形成時に供給される原材料が量子ドットナノワイヤに直接積層するモードが支配的となる。それゆえ、高積層に積層されても歪みが小さく、量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層のサイズが均一に保たれ、また量子ドットナノワイヤ間の量子ドット層のサイズのばらつきも小さい超格子構造の製造方法が実現できる。
この発明の第1実施形態に係る超格子構造を備えた太陽電池の製造工程を示す説明図である。 この発明の第1実施形態に係る太陽電池の構成を示す説明図である。 この発明の第1実施形態に係る量子ドットナノワイヤ中の量子ドット間の距離とそのバンド構造との関係を示す説明図である。 この発明の第1実施形態に係る超格子構造のSEMおよびTEM観察像である。 この発明の第1実施形態に係る超格子構造のSEM観察像である。 この発明の第1実施形態に係る超格子構造のPL測定結果である。 この発明の第1実施形態に係る超格子構造の変形例の構成を示す平面図である。 この発明の第1実施形態に係る太陽電池の変形例の構成を示す断面図である。 この発明の第2実施形態に係る超格子構造を備えた太陽電池の製造工程を示す説明図である。 この発明の第2実施形態に係る太陽電池の構成を示す説明図である。 この発明の第2実施形態に係る超格子構造の第1変形例の構成を示す平面図である。 この発明の第2実施形態に係る超格子構造の第2変形例の構成を示す平面図である。 この発明の第3実施形態に係る超格子構造を備えた太陽電池の製造工程を示す説明図である。 この発明の第4実施形態に係る超格子構造を備えた太陽電池の製造工程を示す説明図である。 この発明の第5実施形態に係る超格子構造を備えた半導体発光装置の製造工程を示す説明図である。 この発明の第5実施形態に係る半導体発光装置の構成を示す説明図である。 図16に示す量子ドットナノワイヤのバンド構造の模式図である。 図16に示す半導体発光装置の第1変形例の構成を示す説明図である。 図16に示す半導体発光装置の第2変形例の構成を示す説明図である。 図3の量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層間の長さとその発光ピークエネルギーとの関係を示すグラフである。 量子ドットナノワイヤ中の障壁層の長さとそのバンド構造との関係を示す説明図である。 この発明の第6実施形態に係る超格子構造を備えた半導体発光装置の製造工程を示す説明図である。 図22の量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層の長さとそのバンド構造の模式図との関係を示す説明図である。 図23の量子ドットナノワイヤの量子ドット層の長さとその発光ピークエネルギーとの関係を示すグラフである。 量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層の長さとそのバンド構造の模式図との関係を示す説明図である。 図25の量子ドットナノワイヤの発光スペクトルを示すグラフである。 この発明の第7実施形態に係る超格子構造を備えた半導体発光装置の製造工程を示す説明図である。 量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層の組成とそのバンド構造の模式図との関係を示す説明図である。
この発明の超格子構造は、面領域から略垂直方向に伸びる複数本の量子ドットナノワイヤからなり、前記複数本の量子ドットナノワイヤは、前記面領域上に障壁層と量子ドット層とが交互に積層された構造を有し、その直径が積層方向において実質的に同一であり、その面密度が4本/μm2以上で実質的に均一に配列されたことを特徴とするものである。
また、この発明の超格子構造の製造方法は、面領域上にマスク層を形成し、前記マスク層に4個/μm2以上の面密度を有する複数の開口部を設け、前記複数の開口部から略垂直方向に障壁層と量子ドット層とを交互に積層して複数本の量子ドットナノワイヤを形成することを特徴とするものである。
「略垂直方向」とは、基材(基板)面または面領域と量子ドットナノワイヤとの間の角度が75〜90度となる量子ドットナノワイヤの方向であり、さらに好ましくは、85〜90度となる方向である。
「その直径が積層方向において実質的に同一」とは、1本の量子ドットナノワイヤの積層方向における直径のばらつき(平均値からのずれの大きさ)が15%以下であることである。1本の量子ドットナノワイヤ中における任意の2カ所の直径の差が平均径の15%以下であるのが好ましく、さらに好ましくは特定の2カ所(好ましくは、量子ドットナノワイヤの中心と端部であり、さらに好ましくは、量子ドットナノワイヤの中心と頂部であり、さらに好ましくは、量子ドットナノワイヤの数nm程度離れた位置)の直径の差が平均径の15%以下であり、さらに好ましくは1本の量子ドットナノワイヤ全体の直径の差が平均径15%以下である。
上記は量子ドットナノワイヤの同一性について記載したが、量子ドットの同一性についても同様に成立することが好ましい。
「実質的に均一に配列された」とは、任意の量子ドットナノワイヤの中心間の距離のばらつき(平均値からのずれの大きさ)が15%以下であることである。
また、複数の量子ドットナノワイヤを上部から見た場合に、それらの直径のばらつき(平均値からのずれの大きさ)が15%以下であることである。1μm四方の面領域内において、任意の2本の量子ドットナノワイヤの直径の差が平均径の15%以下であるのが好ましく、さらに好ましくは、複数の量子ドットナノワイヤ間の直径のばらつきが15%以下である。
さらには、上記のずれの大きさは10%以下であるのが好ましい。
「構造」とは、任意の異なる複数の量子ドット層の長さ、組成比、材料および障壁層の長さ、組成比、材料、量子ドットナノワイヤ間の間隔(長さ)等をもって積層することにより構成される量子ドットナノワイヤの構造である。
「マスク層」とは、量子ドットナノワイヤの原材料とエネルギー的に安定な材料を形成せず、量子ドットナノワイヤの原材料の拡散長が十分大きい材料からなる層である。このようなマスク層を用いることにより、量子ドットナノワイヤの形成時に供給される原材料がマスク層上に一時的に乗ったとしても、エネルギー的に不安定なため、マスク層上に乗った原材料はよりエネルギー的に安定な量子ドットナノワイヤ上まで駆け上がる。それゆえ、原材料はマスク層上に積層されず、量子ドットナノワイヤ上に積層されるため、高均一の量子ドットナノワイヤを形成できる。なお、マスク層の材料としては、量子ドットナノワイヤの材料としてInAs、GaAsを用いる場合、SiO2などが挙げられる。
また、この発明による超格子構造において、前記量子ドットナノワイヤは、少なくとも2種類の直径を有するものであってもよい。
このようにすれば、前記超格子構造は、少なくとも2種類の直径を有する前記量子ドットナノワイヤからなる構造を有するため、太陽光スペクトルの幅広い波長領域を効率的に吸収することができる。
また、この発明による超格子構造において、少なくとも2種類の面領域からなる基材面上に配列され、前記面領域の種類ごとに異なる構造を有するものであってもよい。
このようにすれば、少なくとも2種類の面領域からなる基板面上に、量子ドット層の長さ、組成比、材料および障壁層の長さ、組成比、材料、量子ドットナノワイヤ間の間隔等を任意に組み合わせて、構造が異なる量子ドットナノワイヤを面領域の種類ごとに形成することによって、面領域ごとにその物理的特性(光吸収特性、発光特性など)を自由に制御し、面領域全体で所望の物理的特性を有する超格子構造が実現できる。
また、この発明による超格子構造の製造方法において、前記マスク層は、少なくとも2種類の面領域上からなる基材面上に形成されるものであってもよい。
このようにすれば、この発明の基板にマスク層を形成し、4個/μm2以上の面密度で実質的に均一に設けられた開口部から選択的に量子ドットナノワイヤを成長させることで、転位、欠陥、歪みを生ずることなく、任意の異なる複数の量子ドット層の長さ、組成比、材料および障壁層の長さ、組成比、材料、量子ドットナノワイヤ間の間隔等を組み合わせて構造が異なる量子ドットナノワイヤを面領域の種類ごとに形成することによって、面領域ごとにその物理的特性(光吸収特性、発光特性など)を自由に制御し、面領域全体で所望の物理的特性を有する超格子構造の製造方法が実現できる。
また、この発明による超格子構造において、前記量子ドットナノワイヤは、前記積層方向において少なくとも2種類の長さの前記量子ドット層を有するものであってもよい。
このようにすれば、前記量子ドットナノワイヤは、前記積層方向において少なくとも2種類の長さの前記量子ドット層を有するため、様々なバンドギャップを形成することができ、太陽光スペクトルの幅広い波長領域を効率的に吸収することができる。また、転位がなく高品質な量子ドット層の形成が可能となる。
この発明の手法を用いれば、1本の量子ドットナノワイヤに含まれる量子ドット層を高品質に形成することができることから、SK成長やエッチング技術を用いたトップダウンの手法とは大きく異なり、1本の量子ドットナノワイヤに含まれる量子ドット層のサイズを意図的に制御良く変えることができる。
また、量子ドットナノワイヤを構成する複数種類の長さの量子ドット層から多様な物理的特性を実現できる。例えば、当該超格子構造を発光装置に用いた場合、量子ドットナノワイヤを構成する複数種類の量子ドット層からの発光を足し合わせることによって、多様な色が混在した任意のスペクトル分布を有する発光を得ることができる。
また、この発明による超格子構造において、前記量子ドットナノワイヤは、少なくとも2種類の組成の前記量子ドット層を有するものであってもよい。
このようにすれば、前記量子ドットナノワイヤは、少なくとも2種類の組成の前記量子ドット層を有するため、量子ドット層の組成を変えることで、転位がなく高品質な量子ドット層を形成可能となる。また、1本の量子ドットナノワイヤに含まれる量子ドット層のサイズを意図的に制御良く変えることができる。
ここで、量子ドット層の「組成」とは、量子ドット層の材料、混晶比等である。
また、量子ドットナノワイヤを構成する量子ドット層の組成・材料を自由に変えることができるため、多様な物理的特性を実現できる。例えば、当該超格子構造を発光装置に用いた場合、様々な発光波長の光を得ることができるため、広帯域のガウシアン型発光スペクトルを得ることにより、低消費電力の半導体発光装置を実現できる。
また、この発明による超格子構造において、前記量子ドットナノワイヤは、前記積層方向において少なくとも2種類の長さの前記障壁層を有するものであってもよい。
このようにすれば、量子ドットナノワイヤを構成する障壁層の積層方向における長さを調節することにより、量子ドットナノワイヤ間の間隔を変えることで、量子ドット層内に取り込まれる元素比を量子ドットナノワイヤ間において変えることができ、多様な物理的特性を実現できる。例えば、当該超格子構造を発光装置に用いた場合、様々な発光波長の光を得ることができる。
また、この発明による超格子構造において、隣接する前記量子ドットナノワイヤの間の間隔が30〜500nmであってもよい。
このようにすれば、隣接する前記量子ドットナノワイヤの間の間隔が30〜500nmであるため、量子ドットナノワイヤ間の量子ドット層のサイズのばらつきが小さく、高密度に設けられた超格子構造が実現できる。さらに好ましくは、隣接する量子ドットナノワイヤの間の間隔が30〜200nmであってもよい。
また、この発明による超格子構造において、前記量子ドットナノワイヤの直径が5〜100nmであってもよい。
このようにすれば、前記量子ドットナノワイヤの直径が5〜100nmであるため、量子ドットナノワイヤ間の量子ドット層のサイズのばらつきが小さく、より高密度に設けられた超格子構造が実現する。また、量子ドットナノワイヤ中に含まれる量子ドット層のサイズに対応するエネルギーの太陽エネルギーを効率よく吸収することができる。
また、この発明による超格子構造において、前記量子ドットナノワイヤは、30〜600層の前記量子ドット層からなる構造を有するものであってもよい。
このようにすれば、前記量子ドットナノワイヤは、30〜600層の前記量子ドット層からなる構造を有するため、高積層であっても量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層のサイズのばらつきが小さく、高密度に設けられた超格子構造が実現する。
また、この発明による超格子構造において、前記複数本の量子ドットナノワイヤは、前記面領域の種類ごとに異なる直径を有するものであってもよい。
このようにすれば、面領域の種類ごとに量子ドットナノワイヤ径を変えることで、量子ドット層内に取り込まれる元素比・量子ドットの積層方向の長さを量子ドットナノワイヤ間において変えることができ、単一の超格子構造において多様な物理的特性を実現できる。例えば、当該超格子構造を発光装置に用いた場合、様々な発光波長の光を得ることができる。
また、この発明による超格子構造において、前記複数本の量子ドットナノワイヤは、前記面領域の種類ごとに異なる組成を有するものであってもよい。
このようにすれば、面領域の種類ごとに量子ドット層内に取り込まれる元素比を量子ドットナノワイヤ間において変えることで、単一の超格子構造において多様な物理的特性を実現できる。例えば、当該超格子構造を発光装置に用いた場合、様々な発光波長の光を得ることができる。
また、この発明による超格子構造において、前記複数本の量子ドットナノワイヤは、前記面領域の種類ごとに異なる面密度を有するものであってもよい。
このようにすれば、面領域の種類ごとに量子ドットナノワイヤの面密度を変えることで、量子ドット層内に取り込まれる元素比・量子ドットの積層方向の長さを量子ドットナノワイヤ間において変えることができ、単一の超格子構造において多様な物理的特性を実現できる。例えば、当該超格子構造を発光装置に用いた場合、様々な発光波長の光を得ることができる。
また、この発明による超格子構造において、前記量子ドットの密度が1.0×1011〜1.0×1013/cm2であってもよい。
このようにすれば、前記量子ドットの密度が1.0×1011〜1.0×1013/cm2であるため、量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層のサイズのばらつきが小さく、高密度に設けられた超格子構造が実現する。
ここで、「密度」とは、高さ方向も考慮した面密度であり、1cm2当たりの1層当たりの量子ドットの面密度に量子ドットの層数を乗じたものである。
また、この発明による超格子構造において、前記面領域に垂直方向に見たとき、前記量子ドットナノワイヤが一定の繰り返し周期で周期的に配置された構造を有するものであってもよい。
このようにすれば、前記超格子構造は、前記面領域に垂直方向に見たとき、前記量子ドットナノワイヤが一定の繰り返し周期で周期的に配置された構造を有するため、複数の量子ドットナノワイヤが相乗的に影響し合い、太陽電池等に応用した場合、量子ドットナノワイヤ間の光の閉じ込め等が効率よく起こり、太陽光を効率的に吸収できる。また、太陽光を効率的に吸収できるため、SK成長などで形成された薄膜型量子ドット構造に比べ格段に材料使用量を低減でき、低コスト化につながる。
また、この発明による超格子構造において、前記複数本の量子ドットナノワイヤは、積層方向から前記面領域を見たとき、前記面領域に対して前記構造の占める割合が5%以上であってもよい。
このようにすれば、前記複数本の量子ドットナノワイヤは、積層方向から前記面領域を見たとき、前記面領域に対して前記構造の占める割合が5%以上であるため、量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層のサイズのばらつきが小さく、高密度に設けられた超格子構造が実現する。また、太陽光を十分に吸収することができる。
また、この発明による超格子構造において、前記割合が5〜50%であってもよい。
このようにすれば、前記割合が5〜50%であるため、量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層のサイズのばらつきが小さく、高密度に設けられた超格子構造が実現する。また、太陽光を十分に吸収することができる。
また、この発明による超格子構造において、前記量子ドット層または前記障壁層がn型ドープされているものであってもよい。
このようにすれば、前記量子ドット層または前記障壁層がn型ドープされているため、キャリアを効率的に流すことができる。
また、量子ドット層または障壁層をn型ドープする代わりに、量子ドットナノワイヤ中に積層された量子ドット層と障壁層の両側を覆うようにシェル層を形成して、当該シェル層をn型ドープしてもよい。このようにすれば、量子ドット層中で生成された電子がシェル層に流れ、キャリアを効率的に流すことができる。
さらに、n型ドープされたシェル層とは別に、またはn型ドープされたシェル層の代わりに、p型ドープされたシェル層を設けてもよい。このようにすれば、量子ドット中で生成した正孔がシェル層に流れ、キャリアを効率的に流すことができる。
また、この発明による超格子構造において、前記量子ドット層および障壁層がAlInGaAsまたはAlInGaNを有するものであってもよい。
このようにすれば、前記量子ドット層および前記障壁層がAlInGaAsまたはAlInGaNを有するため、高積層であっても歪みの小さい均一な量子ドットナノワイヤを形成でき、面領域の種類ごとに所望の物理的特性を有する高均一の超格子構造を実現できる。
また、この発明による超格子構造において、前記単位構造は、少なくとも1つの単位構造からなり、前記単位構造は、1本の量子ドットナノワイヤの周囲に少なくとも6本の量子ドットナノワイヤが等間隔に近接して配置された構造を有するものであってもよい。
このようにすれば、前記単位構造は、少なくとも1つの単位構造からなり、前記単位構造は、1本の量子ドットナノワイヤの周囲に少なくとも6本の量子ドットナノワイヤが等間隔に近接して配置された構造を有するため、高密度かつ高均一の積層が可能となり、量子ドットナノワイヤ間の量子ドット層のサイズのばらつきが小さい超格子構造が実現する。
また、この発明による超格子構造において、前記面密度が20〜100本/μm2以上であってもよい。
このようにすれば、前記面密度が20〜100本/μm2以上であるため、量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層のサイズのばらつきが小さく、高密度に設けられた超格子構造が実現する。また、太陽光を十分に吸収することができる。
また、この発明による超格子構造において、前記量子ドットナノワイヤは、バックグラウンド濃度を超える濃度の金属不純物元素を含まないものであってもよい。
このようにすれば、前記量子ドットナノワイヤは、バックグラウンド濃度を超える濃度の金属不純物元素を含まないため、金属不純物が量子ドットナノワイヤ中に混入せず、高均一な量子ドットが実現できる。
「バックグラウンド濃度」とは、基板中や大気成分中に含まれる微量金属不純物元素の濃度である。
また、この発明による超格子構造において、前記複数本の量子ドットナノワイヤの間に波長変換材料が充填された構造を有するものであってもよい。
このようにすれば、前記超格子構造は、前記複数本の量子ドットナノワイヤの間に波長変換材料が充填された構造を有するため、太陽光の波長を量子ドットのサイズに合わせて変換して効率を高めることができる。
また、波長変換材料は等方的に光が放射されるため、例えば、太陽電池の上部や下部に配置すると太陽電池に向かって放射されない無駄な光が生じ得る可能性があるが、量子ドットナノワイヤ間に波長変換材料を充填した場合、太陽電池内部からの放射のため太陽電池外へ放射される光をほとんど抑制することができる。
「波長変換材料」とは、入射した光の波長を変換する材料であり、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、PbTe、CuInGaS、CuS、InGaZnO、InAs、GaAs、AlAs、InSb、GaSb、AlSb、InP、GaP、AlP、InN、GaN、AlN、Si、Geやこれらの混晶材料となる無機材料、錯体材料、希土類イオン(Er3+、Pr3+、Tm3+など)や遷移元素を含有したガラス、Erドープガーネット結晶(YAG)など太陽光の波長をシフトさせることができる材料などである。例えば、利用されていない波長の光、もしくは吸収量が少なく利用されにくい波長の光を量子ドット層の吸収に適した波長に変換することによるエネルギー変換効率の向上、紫外線領域の光を可視領域の光に変換することによる紫外線による太陽電池の劣化抑制等に用いることができる。また、波長変換材料をナノスケールで充填して量子化すれば、波長変換される光の波長を自由に制御でき、また量子ドットナノワイヤ間に充填しやすいなどの理由でより好ましい。
また、p型半導体層と、n型半導体層と、前記p型半導体層および前記n型半導体層に挟まれた超格子半導体層とを備え、前記超格子半導体層は、前記超格子構造を備える半導体装置であってもよい。
このようにすれば、p型半導体層と、n型半導体層と、前記p型半導体層および前記n型半導体層に挟まれた超格子半導体層とを備える半導体構造であって、前記超格子半導体層は、前記超格子構造を備えるため、高積層であっても歪みの小さい均一な量子ドットナノワイヤからなる超格子構造を備えた半導体構造が実現できる。
また、前記超格子半導体層は、少なくとも2種類の発光波長を有する前記半導体装置からなる半導体発光装置であってもよい。
このようにすれば、複数の種類の量子ドットを同一基板上に集積化することで、発光色の異なる、複数のLED(例えばRGB)を同一基板上に得ることができる。また、量子ドット層の転位、欠陥が少ないため、発光効率の高い、低消費電力の半導体発光装置を得ることができる。
また、この発明による半導体発光装置において、前記超格子構造が、前記量子ドットナノワイヤ全体の発光スペクトルがガウシアン型形状となる前記発光波長を有するものであってもよい。
複数種類の量子ドットからの発光を足し合わせて、広帯域かつガウシアン形状のスペクトルを有する発光を得ることができる。
また、この発明による半導体発光装置において、前記発光装置は、通信用発光装置として使用されるものであってもよい。
このようにすれば、本発明の超格子構造を備えたLEDに光ファイバを使用することで、光合成器を使用せずに通信用の半導体発光装置として利用できる。
また、本発明の超格子構造はディテクターとして利用することもできる。
本発明の超格子構造は、基板の占有面積に対して発光・受光面積が広いという利点を有するため、発光装置や受光装置のサイズを小型化することができる。
〔第1実施形態〕
次に、図1〜図6に基づき、第1実施形態の太陽電池100について説明する。
なお、以下に示す例は一例であり、この発明の超格子構造を有する太陽電池100に用いる基板、バッファー層、量子ドット、ドーパント、電極などの各材料や、各プロセスで使用する洗浄剤、基板処理温度、製造装置等は、ここで示した例に限定されない。その他の実施形態についても同様である。
<太陽電池の構成>
図1は、この発明の第1実施形態に係る超格子構造を備えた太陽電池の製造工程を示す説明図である。
第1実施形態の太陽電池100は、n型半導体層1と、p型半導体層15と、n型半導体層1およびp型半導体層15の間に挟まれた超格子半導体層13とを有している。
この発明の面領域は、n型半導体層1に相当し、この発明の超格子構造は、超格子半導体層13に相当する。
1.n型半導体層(ベース層)およびp型半導体層(エミッター層)
n型半導体層1(ベース層)は、n型不純物を含む半導体からなり、p型半導体層15(エミッタ―層)は、p型不純物を含む半導体からなる。
n型半導体層1およびp型半導体層15は、超格子半導体層13を挟み太陽電池100を構成し、例えばMOCVD法やスパッタ法により形成することができる。
p型半導体層15は、p型電極16と電気的に接続することができ、n型半導体層1は、n型電極11と電気的に接続することができる。このことにより、p型半導体層15とn型半導体層1との間に生じる光起電力をp型電極16およびn型電極1を介して外部回路へ出力することができる。また、p型半導体層15とp型電極16との間またはn型半導体層1とn型電極11との間にコンタクト層を設けてもよい。
2.超格子半導体層
超格子半導体層13は、n型半導体層(ベース層)1とp型半導体層(エミッタ―層)15に挟まれている。また、超格子半導体層13は、量子ドット層22と障壁層20が交互に繰り返し積層された超格子構造を有する。太陽電池100における超格子構造は、量子ドットナノワイヤ30により形成される。
この発明の量子ドットナノワイヤ30は、超格子半導体層13中の量子ドット層22を高品質かつ高均一に、積層方向(z方向)の配列性も制御良く、配列されることを特徴とする。
量子ドット層22は、障壁層20を構成する半導体材料よりも狭いバンドギャップを有する半導体材料からなり、量子効果により、伝導帯側に量子準位を有する。また、量子準位は価電子帯側に形成されてもよい。
障壁層20は、量子ドット層22を構成する半導体材料よりも広いバンドギャップを有する半導体材料からなり、量子ドット層22の周りのポテンシャル障壁を形成する。
第1実施形態において、超格子半導体層13を構成する量子ドット層22、障壁層20の材料として、例えば、InGaAsからなる量子ドット層22、GaAsからなる障壁層20を用いることができる。また、InGaAsからなる量子ドット層22、AlGaAsからなる障壁層20、InGaNからなる量子ドット層22、GaNからなる障壁層20、InGaAsSbからなる量子ドット層22、AlGaAsSbからなる障壁層20を用いることができる。その他、InAs,GaAs,AlAs,InSb,GaSb,AlSb,InP,GaP,AlP、InN、GaN、AlN、Si,SiGeの材料およびこれらの混晶材料を用いてもよい。また、AlxGayIn1-x-yAs、AlxGayIn1-x-ySbzAs1-z、AlxGayIn1-x-yP、AlxGayIn1-x-yNなどを用いることもできる。上記以外のIII−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体、IV族半導体あるいはこれらの混晶材料を用いても良い。
混晶からなる量子ドット層22、障壁層20は、混晶の元素割合を適宜変更することで、量子エネルギー準位や障壁層20のバンドギャップを変えたり、価電子帯バンドエネルギーオフセット(量子ドット層22と障壁層20の価電子帯エネルギー差)をゼロにしたりすることができる。
第1実施形態においては、1つの量子ドットナノワイヤ30中の複数の量子ドット層22(z方向の量子ドット)は、すべて同じサイズまたは材料から構成されるため、ミニバンド42c,42vが形成されやすくなり、キャリア移動の観点から好ましい。
同じエネルギー値を有する量子エネルギー準位を形成したい場合、x方向、y方向、z方向の量子ドット層22のサイズを全て揃えればよい。
また、図1(e)に示すように、量子ドットナノワイヤ30は、被覆された構造(シェル層14)をしても良い。シェル層14を設けて被覆することで量子ドットナノワイヤ30の表面が安定化され、表面再結合が効果的に下がる。また、量子ドット層で形成されたキャリアがシェル層14を通って流れ、キャリアを取り出しやすくなるという利点もある。シェル層14は、n型半導体層1またはp型半導体層15と同じ材料であっても良いし、異なっても良い。また、表面安定化のための層として、シェル層14の外側にさらに別の層を設けても良い。
なお、歪みをxy方向に緩和してやることで高品質な量子ドット層22を多積層化できるため、シェル層14,25は厚くしすぎない方が好ましいが、適度なシェル層14,25は、太陽電池100の構造にとって好ましい。
図1(f)に示すように、超格子半導体層13中における量子ドットナノワイヤ30の間の間隙は、例えば、BCB(ベンゾシクロブテン)などの樹脂10で埋められる。また、樹脂10には障壁層20と同じ材料を用いてもよく、さらに障壁層20と異なり、太陽光を吸収可能な半導体材料を用いてもよい。
量子ドットナノワイヤ30は、n型ドーパント(n型不純物)を含むことが好ましい。このことにより、量子ドット層22中に電子を存在させることができる。n型ドーパントは、量子ドット層22の中に存在しても良く、障壁層20の中に存在しても良い。量子ドット層22中の量子エネルギー準位の中に電子を存在させることで中間エネルギー準位を介した光学遷移を増大させることができ、太陽電池100の光電変換効率を向上させることができる。
また、量子ドットナノワイヤ30は、量子エネルギー準位の単位体積当たりの総状態数の0.5倍程度の原子濃度で活性化されたn型ドーパントを含むことが好ましい。
ここで、量子エネルギー準位の単位体積当たりの総状態数とは、単位体積当たりの量子エネルギー準位の数にスピンを考慮して2倍した値である。
なお、量子ドットナノワイヤ30を高品質に形成するためには、歪みを緩和させた構造をとる必要がある。従って、量子ドットナノワイヤ30の直径を臨界直径以下にすればより好ましい。ここで、「臨界直径」とは、量子ドット層22が歪みを受けることなく量子ドットナノワイヤ30を成長できる量子ドットナノワイヤ30の直径である。一般に、量子ドットナノワイヤ30の直径が小さいほど歪みが緩和されるため、歪みのほとんどない状態で量子ドットナノワイヤを成長させることが可能となる。
一方、エッチングで膜形成をした場合、積層方向と垂直な方向は、(ナノワイヤのサイズから見れば無限の長さで)密に詰まっているため、当該方向に歪みを緩和することができず、量子ドット層および母体材料の結晶性が落ちてしまう。
量子ドットナノワイヤ30の直径は、5〜100nmが好ましく、さらに好ましくは5〜70nmである。例えば、In0.3Ga0.7As/GaAs材料を用いた場合、格子定数の差が2%程度であることからおよそ100nmが臨界膜厚となり、100nm以下の直径の量子ドットナノワイヤ30を構成すればよい。一方で、直径が5nmより小さくなれば制御が容易ではなくなる。
また、量子ドットナノワイヤ30は、30〜500nmの間隔(2つの量子ドットナノワイヤ30間の空隙の間隔)で形成されるのが好ましい。さらに、30〜200nmの間隔で形成されるのが好ましい。これは、太陽光の輻射エネルギーが高い波長が500nmであり、その間隔以内で量子ドットナノワイヤ30を形成すれば、効率的に太陽光を吸収できるためである。また、量子ドットナノワイヤ30の間隔が太陽光の波長より十分小さい場合(例えば200nm以下)では、フォトニック結晶のような効果による太陽光の反射などの影響が特に小さくなり、量子ドットナノワイヤ30の周期的な構造に起因して効率的な吸収がより起こりやすくなると考えられる。一方で、量子ドットナノワイヤ30の間隔を30nm以下にすれば、量子ドットナノワイヤ30を形成するのが容易でなくなるおそれがある。
また、上記間隔で量子ドットナノワイヤ30が形成され、かつ、太陽光の波長程度(例えば500nm程度)以下のxy面内領域内に、異なる種類の直径の量子ドットナノワイヤ30を少なくとも各々1本ずつ形成されていることが好ましい。さらに好ましくは、紫外光の波長程度の300nm以下のxy面内領域内に異なる種類の直径の量子ドットナノワイヤ30を少なくとも各々1本ずつ形成されていることが好ましい。このようにすれば、効率的に太陽光を吸収することができる。
その他の構造としては、コンタクト層、窓層、BSF(Back Surface Field)層、反射防止膜など、必要に応じて適宜挿入してよい。
また、表面および裏面にそれぞれ、p型電極16およびn型電極11を設けてもよい。p型電極16、n型電極11はグリッド状にしても良い。
3.太陽電池の製造方法
次に、図1に基づき、第1実施形態に係る太陽電池100の製造方法について説明する。
超格子半導体層13は、分子線エピタキシー(MBE)法や有機金属化学気相成長(MOCVD)法などを用いることで作製することができる。原材料の構成比・成長温度・圧力・堆積時間等を変えることによって量子ドット層22の混晶比、量子ドット層22のサイズを調整することができる。
太陽電池100の製造方法について、例えば、膜厚制御に優れた分子線エピタキシー(MBE)法や有機金属化学気相成長法(MOCVD)等を用いることで、超格子構造を備えた太陽電池100を製造することができる。ここでは、図1に基づき、太陽電池100の製造方法(選択成長)について説明する。
例えば、n−GaAs(111)B基板(n型半導体層1)を有機系洗浄液で洗浄した後、硫酸系エッチング液によってエッチングし、さらに水洗浄を施した後、図1(a)に示すように、マスク層2としてSiO2膜を積層させる。
マスク層2は、量子ドットナノワイヤの原材料とエネルギー的に安定な材料を形成せず、量子ドットナノワイヤの原材料の拡散長が十分大きい材料からなる層である。マスク層2の材料としては、量子ドットナノワイヤの材料としてInAs、GaAsを用いる場合、SiO2などが挙げられる。
マスク層2の積層後、続いて、図1(b)に示すように、例えば、電子線リソグラフィーを用いてSiO2膜に開口部35を形成する。第1実施形態において、開口部35は、図1(b)に示すように同一の径を有する。また、電子線リソグラフィーの代わりにナノインプリントなどの技術を用いても良い。
続いて、n型半導体層1をMOCVD装置内に設置する。図1(c)に示すように、n型半導体層1上にコア層5を形成する。コア層5はn型半導体層1と同じ材料を用いるのが好ましいが、異なっていても良い。コア層5はバッファー層としての役割も有し、その上に形成すべき光吸収層の結晶性を向上させるための層であり、例えば、コア層5としてGaAs層を形成する。
以降、量子ドット層22、障壁層20をコア層5上に形成するが、量子ドットナノワイヤ30上に気相中の原材料が直接積層する成長モードと原材料がマスク上から拡散して量子ドットナノワイヤ上に積層する成長モードがある。量子ドットナノワイヤ30の形成時に供給される原材料がマスク層2上に一時的に乗った場合でも、エネルギー的に不安定なため、マスク層2上に乗った原材料は、再蒸発したり、よりエネルギー的に安定な量子ドットナノワイヤ30上まで駆け上がる。それゆえ、原材料はマスク層2上に積層されず、量子ドットナノワイヤ30上に積層されるため、量子ドットナノワイヤ30上のみに量子ドット層22および障壁層20の半導体層を成長させることが可能となり、マスク層2上には、量子ドット層22および障壁層20の半導体層は形成されない。
続いて、図1(d)に示すように、量子ドット層22を形成する。量子ドット層22の材料としては、例えば、In0.3Ga0.7Asを用いる。量子ドット層22は、特定の条件下で、xy方向にほとんど成長することなく、量子ドットナノワイヤ30上のみに成長させることが可能となる(以下、アキシャル成長と呼ぶ)。
アキシャル成長において、ナノワイヤの形成時に、前述の通り、量子ドットナノワイヤ上に気相中の原材料が直接積層する成長モードと原材料がマスク層2上から拡散して量子ドットナノワイヤ上に積層する2通りのモードがあるものと考えられる。この発明においては、マスク層2にナノワイヤ成長の基礎となる開口部を高密度に設けることにより、ナノワイヤの成長時に原材料がナノワイヤ上に直接乗って成長するモードが支配的となるため、高積層であっても高い均一性を有するナノワイヤが実現するものと考えられる。
開口部35の面密度としては、4本/μm2以上であることが好ましく、さらに好ましくは16本/μm2以上であり、さらに好ましくは25本/μm2以上であり、さらに好ましくは36本/μm2以上であり、さらに好ましくは100本/μm2以上である。
また、複数本の量子ドットナノワイヤ30は、積層方向(z方向上側)から前記面領域を見たとき、面領域に対してその構造の占める割合が5%以上であることが好ましく、さらに好ましくは5〜50%以上である。
このように高密度にするほど、ナノワイヤの成長時に原材料がナノワイヤ上に直接積層するモードが支配的となるため、高積層であっても高い均一性を有するナノワイヤが実現することに加え、太陽電池デバイスへ応用した際に効率的に太陽光を吸収でき、太陽電池のエネルギー変換効率が高くなるという特徴がある。
量子ドットナノワイヤの配列を全くのランダムにした場合、周囲の量子ドットナノワイヤの影響によって、各量子ドットナノワイヤの成長条件が異なるため、量子ドットナノワイヤの均一な成長が困難になるが、量子ドットナノワイヤを高密度で周期的に配置することにより、各量子ドットナノワイヤの成長条件が均等となるため、高い均一性を有する量子ドットナノワイヤが実現できる。また、一定の繰り返し周期で周期的に配置された構造を有するため、複数の量子ドットナノワイヤが相乗的に影響し合い、太陽電池等に応用した場合、量子ドットナノワイヤ間の光の閉じ込め等が効率よく起こり、太陽光を効率的に吸収できる。特に、量子ドットナノワイヤ間隔が太陽光の波長より小さい場合(例えば200nm以下)には、フォトニック結晶のような効果による太陽光の反射などの影響が小さくなり、周期的な構造に起因する効率的な吸収がより起こりやすくなると考えられる。また、太陽光を効率的に吸収できるため、SK成長などで形成された薄膜型量子ドット構造に比べ格段に材料使用量を低減でき、低コスト化につながる。
本製造方法を用いれば、量子ドットナノワイヤの成長位置を予め決めることができるため一定周期で成長することが容易であり、一定周期を持った量子ドットナノワイヤ構造を形成することができる。
アキシャル成長により形成された量子ドットナノワイヤ30の構造は、歪みがxy方向に緩和し、量子ドット層22に歪みエネルギーが蓄積されることがない。従って、転位が生ずることなく、量子ドット層22のサイズのばらつきがほとんどなく、高品質かつ高均一な量子ドット層22を量子ドットナノワイヤ30中に形成することができる。それゆえ、量子ドット層22の形成に必要な材料と障壁層20の形成に必要な材料を交互に供給してやることで、図1(e)に示すように、n型半導体層1と垂直な方向(z方向)に高品質な量子ドットナノワイヤ30を形成することができる。
このようにして積層された実質的に均一なサイズの量子ドット層22の積層数としては、量子ドットナノワイヤ1本当たり2層以上であることが好ましく、さらに好ましくは5層以上であり、さらに好ましくは10層以上であり、さらに好ましくは30層以上であり、さらに好ましくは50層以上であり、さらに好ましくは100層以上であり、さらに好ましくは300層以上であり、さらに好ましくは600層以上である。
例えば、30層であれば、量子ドットの面密度1.0×1011〜5.0×1011/cm2程度を実現可能であり、例えば、600層であれば1.0×1011〜1.0×1013/cm2程度を実現可能である。
なお、この発明の方法を用いて、実際に高積層の量子ドットナノワイヤ30を作製してみたところ、少なくとも600層もの量子ドット層22が均一に形成されたことを確認した。このような高積層の量子ドットを形成することで太陽光を十分に吸収することができ、エネルギー変換効率の高い太陽電池が得られる。
量子ドットナノワイヤ30は、n型ドーパント(n型不純物)を含むことが好ましい。n型ドーパント(n型不純物)は、量子ドット層22に直接ドープしても良く、障壁層20にδドープしても良い。「δドープ」とは、限られた領域内に不純物をドーピングすることである。ドーピングする手法としては、量子ドット層22または障壁層20を形成する際にドーパント材料(例えばシラン)を同時に導入すれば良い。n型ドーパント(n型不純物)は、量子ドット層22にドープすることで量子ドット層22中に電子を存在させることができる。量子ドット層22中に電子を存在させることで、中間エネルギー準位を介した光学遷移を増大させることができ、太陽電池100の光電変換効率を向上させることができる。
また、量子ドットナノワイヤ30中には、量子エネルギー準位の単位体積当たりの総状態数の0.5倍程度の原子濃度で活性化されたn型ドーパントを含むことが好ましい。ここで、量子エネルギー準位の単位体積当たりの総状態数とは、単位体積当たりの量子エネルギー準位の数にスピンを考慮して2倍した値である。
図1(e)に示すように、量子ドットナノワイヤ30が形成された後にシェル層14を形成しても良い。なお、シェル層14をp型半導体層として形成するためには、例えば、Znなどのp型ドーパントを含む材料(例えば、Diethylzinc:DEZ)を原材料として同時に導入する。
なお、p型半導体のシェル層14は単独で設けても良く、図8に示すようにn型半導体のシェル層に加えて別途設けても良い。
続いて、図1(f)に示すように、超格子半導体層13中における量子ドットナノワイヤ30間の間隙を、例えばBCB(ベンゾシクロブテン)などの樹脂10で埋める。樹脂10の代わりには障壁層20と同じ材料を用いてもよく、さらに障壁層20と異なり、太陽光を吸収可能な半導体材料や波長変換材料を用いてもよい。
樹脂10は、例えばCHF3/O2プラズマを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)法を用いて部分エッチングする。部分エッチングにより開口された領域は外部回路とのコンタクトを取るために設けられる。選択比の違いにより樹脂10を優先的にエッチングすることが可能である。
最後に、図1(h)に示すように、p型半導体層15を形成する。p型電極16、さらには、n型電極11を形成することで超格子構造を有する太陽電池100を形成することができる。p型電極16およびn型電極11の両電極には、例えば、AuGeNi/Au材料を用いることができる。電極は、例えば、電子線蒸着により形成できる。
p型半導体層15上には窓層やコンタクト層を設けても良い。また、n型半導体層1上には高濃度にn型ドープされたBSF層を用いても良い。コア層5が、BSF層を兼ねても良く、コア層5とn型半導体層1との間にBSF層を用いても良い。
以上、太陽電池100の製造方法について説明したが、これらの製造方法や構成に限定されるものではない。例えば、第1実施形態の製造方法では、n型半導体層1を用いたが、基板としてp型半導体を用いてもよい。その場合には、p型半導体層15の代わりにn型半導体を用いればよい。また、量子ドットナノワイヤ30にn型ドープしてもよい。
n型ドーパントとしては、例えばSiを、p型ドーパントとしては、Znを用いることができる。その他のn型ドーパントとしては例えばS,Se,Sn,Te,Cがある。
第1実施形態に係る製造方法においては、SiO2のパターニングに電子線リソグラフィーを用いたが、他の手法でも形成できる。例えば、ナノインプリントやフォトリソグラフィーを用いてもパターニングしてもよい。これらの手法を用いれば低コストで大量生産向きとなる。
次に、図2および図3に基づき、この発明の第1実施形態に係る超格子半導体層13を備えた太陽電池100の構造について説明する。
図2は、この発明の第1実施形態に係る太陽電池の構成を示す説明図である。
図3は、この発明の第1実施形態に係る量子ドットナノワイヤ中の量子ドット間の距離とそのバンド構造との関係を示す説明図である。
なお、図2および図3において、シェル層14などの構造は省略して説明しているが、シェル層14を有する場合も同様である。
図2に示すように、同一直径の複数本の量子ドットナノワイヤ30を、例えば、4本/μm2以上の面密度で均一に配置した超格子半導体層13を形成し、太陽電池100に設けることにより、太陽光スペクトルを効率的に吸収することができる。
なお、太陽電池などの半導体装置において、面密度の他に量子ドットナノワイヤ30の高さも考慮した量子ドットの面密度が極めて重要となる。高さ方向も考慮した面密度は、1cm2当たりの1層当たりの量子ドットの面密度に量子ドットの層数を乗じたものであり、好ましくは2.0×1010/cm2以上であり、さらに好ましくは1.0×1011/cm2以上であり、さらに好ましくは1.0×1011〜1.0×1013/cm2であり、さらに好ましくは5.0×1011〜1.0×1013/cm2である。
このような面密度にすることで、太陽光を十分に吸収することができ、エネルギー変換効率の極めて高い太陽電池100を得ることができる。
また、量子ドットナノワイヤ30中の量子ドット層22間の距離を短くすれば、量子ドット間においてミニバンド42c,42vが形成され、キャリアがミニバンド42c,42v間を通りやすくなるため好ましい。
図3(a)は、量子ドット間距離が長い場合(図3(b))のバンド模式図であり、図3(c)は、量子ドット間距離が短い場合(図3(d))のバンド模式図である。
図3(b)に示されるように、量子ドットナノワイヤ30中の量子ドット層22間の距離が長い場合には、図3(a)に示されるように、量子エネルギー準位41c,41vが独立して存在する。一方、図3(d)に示されるように、量子ドットナノワイヤ30中の量子ドット層22間の距離が短い場合には、図3(c)に示されるように、隣接する量子ドットの波動関数が重なり合い、量子エネルギー準位41c,41vがカップルしてミニバンド42c,42v(図3(c)の網掛け部分)が形成される。ミニバンド42c,42vが形成されるとキャリア移動が容易に起こり、発光再結合が起こりにくくなることで太陽電池100のエネルギー変換効率が高くなる。
例えば、図4(後述)に示す構造を用いた場合、量子ドット層22間の距離が5nm以下になればPL発光スペクトルの長波長化が見られたため、ミニバンド42c,42vが形成されたと考えられる。
次に、量子ドットナノワイヤ30の評価法について説明する。
量子ドットナノワイヤ30中の量子ドット層22のサイズ、均一性、転位およびz方向に対する配列性等の情報は、TEM(Transmission Electron Microscopy、透過型電子顕微鏡法)による観察やSEM(Scanning Electron Microscopy、走査型電子顕微鏡法)による観察によって確認できる。
量子ドットナノワイヤ30中のn型ドーパント濃度は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry、二次イオン質量分析法)により確認できる。
量子ドットナノワイヤ30における量子エネルギー準位の総状態数は、PES(Photoelectron Spectroscopy、光電子分光装置)、UPS(Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy、紫外線光電子分光法)またはXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy、X線光電子分光法)などを用いて知ることができる。
また、TEM観察により得られた量子ドット層22の面密度、積層数を、PL(Photo Luminescence、フォトルミネセンス)測定より量子エネルギー準位数を確認し、その総状態数を算出することも可能である。
量子ドットナノワイヤの歪みの程度は、バルクの格子定数からの量子ドット層の格子定数のずれの割合によって定義される。TEMの高分解観察によっても歪みの程度を評価できるが、PL発光強度とも大きな相関があるため、PL発光強度を歪みの程度の評価に用いることもある。
上記の製造工程により形成された太陽電池100は、PL測定でその発光スペクトルを測定することにより、例えば、量子エネルギー準位数などを確認できる。例えば、励起光源としてArレーザーを、検出器としてGeフォトディテクターをそれぞれ用い、量子ドットナノワイヤ30のPL発光強度を11Kで測定する。測定された発光スペクトルの発光帯に対応するエネルギー(光子エネルギー)を求めることにより、どのように量子エネルギー準位が形成されているかを確認できる。また、障壁層20の禁制帯幅も確認できる。さらに、光吸収スペクトルを測定して、量子エネルギー準位の形成を確認してもよい。
4.量子ドットナノワイヤ積層化実験とPL測定実験
次に、図4〜図6に基づき、この発明の第1実施形態に係る量子ドットナノワイヤ30の積層化実験とPL測定実験の結果について説明する。
図4は、第1実施形態に係る量子ドットナノワイヤのSEMおよびTEM観察像である。
図4(a)は、第1実施形態に係る量子ドットナノワイヤ30のSEM観察であり、X部は1μm四方の領域である。
図4(b)は、図4(a)の一部拡大図である。図4(c)は、第1実施形態に係る量子ドットナノワイヤ30のTEM観察像であり、図4(d)は図4(c)のY部拡大図である。
図4(a)のSEM像より、1μm四方当たり4本の量子ドットナノワイヤ30が形成されていることが確認でき、図4の超格子構造は少なくとも4個/μm2の面密度を有することがわかる。
一方、図4(b)のSEM像より、量子ドットナノワイヤ30はz方向に沿って伸びており、基板面に対してほぼ垂直に積層され、z方向における量子ドットナノワイヤ30の直径はほぼ均一であることがわかる。また、図4(c)(d)のTEM像より、直径40nm、高さ7nmの量子ドット層22が等間隔に均一なサイズを保ったまま、転位が見られることなく形成されていることがわかる。
図4(d)において、点線で示すように、量子ドット層22の左右両側が数nm被覆されている構造が見られるが、これは量子ドットナノワイヤ30を形成後にシェル層14を被覆しているためである。量子ドットナノワイヤ30を形成している段階でシェル層14が左右両側に成長するコアシェル成長は確認されておらず、量子ドットナノワイヤ30が垂直方向のみに成長するアキシャル成長が起こっていることが分かる。従って、量子ドットナノワイヤ30の全体にわたって均一な量子ドット層22が形成されていることがわかる。
また、同一基板上であっても、マスク層2に形成される開口部35の径や密度を変えることで、同一基板上の異なる面領域上に2種類の直径や密度で量子ドットナノワイヤ30が精度良く配列された超格子構造を作製できる。
図5は、この発明の第1実施形態に係る超格子構造のSEM観察像である。
Z部は1μm四方の領域であり、1μm四方当たり16本の量子ドットナノワイヤ30が形成されていることが確認でき、図5の超格子構造は少なくとも16個/μm2の面密度を有することがわかる。また、量子ドットナノワイヤ30はz方向に沿って伸びており、基板面に対してほぼ垂直に積層され、z方向における量子ドットナノワイヤ30の直径はほぼ均一であることがわかる。
また開口部35の径や密度を変えることで、同一基板上の異なる面領域上に少なくとも2種類の直径や密度で量子ドットナノワイヤ30が精度良く配列された超格子構造を作製できる。
以上の結果より、この発明に係る量子ドットナノワイヤ30は、高積層であっても量子ドット層22のサイズの均一性が保たれ、量子ドットナノワイヤ30が精度良く配列された超格子構造が実現されていることがわかる。
図6は、この発明の第1実施形態に係る超格子構造のPL測定結果である。
図6の横軸は、光のエネルギー(eV)(または、それに対応する波長(nm))を、縦軸は、観測されたPL発光強度(任意単位)を表す。
図6の破線のグラフは、単層量子ドット層のPL発光強度のエネルギー(eV)の依存性を示す。図6の実線のグラフは、30層積層された量子ドット層のPL発光強度のエネルギー(eV)の依存性を示す。測定時の温度は10Kである。波長900nm近傍の発光が量子ドットに起因する。
図6の結果より、30層作製した量子ドットの発光強度は単層量子ドットの発光強度と比べて約30倍の強度を有することがわかる。
一般的な成長(例えば、膜成長から量子ドットを形成するSK成長など)においては、量子ドット層22を積層するにつれて歪みが徐々に増大する傾向があるため、そのPL発光強度は量子ドット層22の積層数に比例せず、量子ドット層22の積層数よりも小さくなるが、図6の結果においては、量子ドット層22を30層積層した量子ドットナノワイヤ30のPL発光強度は、1層のみの量子ドット層22を積層した量子ドットナノワイヤ30の約30倍となっており、そのPL発光強度が量子ドット層22の積層数にほぼ比例している。
また、スペクトル分解より半値幅や発光ピークエネルギーの準位に大きな変化がないことから、30層積層されても結晶品質が高く均一性が損なわれていないことがわかる。従って、高い均一性を有する高品質の量子ドット層22が実現していることがわかる。
〔変形例〕
次に、図7に基づき、この発明の第1実施形態に係る超格子半導体構造13の変形例13aおよび13bの構成について説明する。
図7は、この発明の第1実施形態に係る超格子構造の変形例の構成を示す平面図である。
図7(a)は、量子ドットナノワイヤ30を面領域上に正方形状に並べた超格子半導体層13aであり、図7(b)は、量子ドットナノワイヤ30を面領域上に正六角形状に並べた超格子半導体層13bである。
図7(a)に示すように、量子ドットナノワイヤ30を交互に一定の繰り返し周期で並べることは、複数の量子ドットナノワイヤ30が相乗的に影響し合い、太陽電池等に応用した場合、量子ドットナノワイヤ30の間の光の閉じ込め等が効率よく起こり、太陽光を効率的に吸収できる。特に、量子ドットナノワイヤ30の間隔が太陽光の波長より小さい場合(例えば、200nm以下)では、フォトニック結晶のような効果による太陽光の反射などの影響が小さくなり、量子ドットナノワイヤ30の周期的な構造に起因する効率的な吸収がより起こりやすくなると考えられる。また、太陽光を効率的に吸収できるため、SK成長などで形成された薄膜型量子ドット構造に比べ、格段に材料使用量を低減でき、低コスト化につながるため好ましい。
また、図7(b)に示すように、量子ドットナノワイヤ30を正六角形状に配置することにより、最密充填の量子ドットナノワイヤアレイを形成することが可能となる。なお、図面の網掛け部分の領域40は、繰り返し最小単位を表している。
次に、図8に基づき、この発明の第1実施形態に係る太陽電池100の変形例100aの構成について説明する。
図8は、この発明の第1実施形態に係る太陽電池の第1変形例の構成を示す断面図である。
なお、図1に示す太陽電池100に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。その他の実施形態についても同様とする。
図8に示すように、太陽電池100aのシェル層は、シェル層14およびシェル層25のダブル構造を有する。シェル層25は、シェル層14と同様の効果を有する他、例えば、n型半導体とした場合、n型半導体層1に効率的にキャリアを流すことができる利点を有する。ダブル構造の材料として、例えば、シェル層25をn型半導体とし、シェル層14をp型半導体としてもよい。このような構造とすることで光励起により生じた電子がシェル層25に流れ、コア層5を通り、n型半導体層1を介して効率的に外部回路へ流れることができ、光励起により生じた正孔がシェル層14に流れ、p型半導体層15を介して効率的に外部回路を流れることができ、太陽電池100aは高いエネルギー変換効率が得られる。また、シェル層14をn型半導体とし、シェル層25をp型半導体としてもよい。さらに、表面安定性のためシェル層14,25に別の層を加えて3層以上の構造としてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、図9に基づき、この発明の第2実施形態に係る太陽電池100bの構成について説明する。
図9は、この発明の第2実施形態に係る超格子構造を備えた太陽電池の製造工程を示す説明図である。
図9に示すように、太陽電池100bの製造工程において、太陽光の波長程度(例えば、500nm)以下のxy面内領域内に、さらに好ましくは紫外光の波長程度(例えば、300nm)以下のxy面内領域内に異なる種類の直径の量子ドットナノワイヤ30および30aを形成し、z方向に同一サイズ、材料、混晶比の量子ドット層22および22aが形成される。
具体的な製造方法としては、図9(b)に示すように、マスク層2に異なる径(サイズ)の開口部35および35aを予め形成し、図9(c)に示すように、開口部35および35aに対応するコア層5および5aを形成した後に、それぞれ量子ドット層22,22aと障壁層20,20aとを交互に積層させる。なお、開口部35および35aのサイズとしては、太陽光の短波長(例えば、500nm)以下に形成されることが好ましく、さらに好ましくは紫外光の波長程度(例えば、300nm)以下に形成される。
このような構成とすることで太陽光を無駄にすることなく、効率的に吸収することができる。
このような構造は、温度や圧力や原材料の割合などの成長条件だけでなく、量子ドットナノワイヤ30(30a)の間隔、マスク層2の開口部35(35a)の面積の割合、開口部35(35a)の径の大きさを適宜変えることで、異なる径を有する量子ドットナノワイヤ30(30a)中の量子ドット(例えば、量子ドット層22(22a))の積層方向(z方向)の長さを、それぞれ変えることができる。
このような構造にすることで、異なるサイズを有する量子ドット層が得られ、量子ドット層の量子エネルギー準位が異なるため、太陽光スペクトルの幅広い波長領域を効率的に吸収することができ、太陽電池100bのエネルギー変換効率が向上する。
〔太陽電池の変形例〕
次に、図10に基づき、この発明の第2実施形態に係る太陽電池の変形例100cの構成について説明する。
図10は、この発明の第2実施形態に係る太陽電池の変形例の構成を示す説明図である。
図10に示すように、各々の量子ドットナノワイヤ中における積層方向(z方向)の長さが同一な量子ドット層を有し、4種類の異なる種類の直径を有する量子ドットナノワイヤ30,30b〜30dを太陽光の波長程度の面積を有するxy面内領域に配置することにより、太陽光スペクトルを効率的に吸収することができる。
理論的な計算によれば、太陽電池は、1種類の量子ドットを用いた場合、その理論的な最大効率は63%であるが、2種類の量子ドットを用いた場合、その理論的な最大効率は70%、3種類の量子ドットを用いた場合、73%、また4種類の量子ドットを用いた場合、75%となる。一方、5種類以上の量子ドットを用いた場合は、効率の伸びが著しく鈍化するため、1〜4種類の量子ドットで高いポテンシャルが得られ、4種類の量子ドットで最も高いポテンシャルを得られる。
理論的な最大効率は、集光比、材料によっても変わるが、例えばGaAs(バンドギャップ〜1.4eV)を障壁層に用いた場合、4種類の量子ドットを用いると理論的な最大理論変換効率は1000倍集光下で55%、1種類の量子ドットを用いると理論的な最大理論変換効率は1000倍集光下で52%(GaAs単接合では、1000倍集光下で36%)である。また、4種類の量子ドットを用いると理論的な最大理論変換効率は非集光下で39%、1種類の量子ドットを用いると理論的な最大理論変換効率は非集光下で37%(GaAs単接合では、非集光下で31%)になる。
また、例えばAl0.45Ga0.55As(バンドギャップ〜2.0eV)を障壁層に用いた場合、4種類の量子ドットを用いると理論的な最大理論変換効率は1000倍集光下で66%、1種類の量子ドットを用いると理論的な最大理論変換効率は1000倍集光下で57%(Al0.45Ga0.55As単接合では、1000倍集光下で27%)である。また、4種類の量子ドットを用いると理論的な最大理論変換効率は非集光下で52%、1種類の量子ドットを用いると理論的な最大理論変換効率は非集光下で45%(Al0.45Ga0.55As単接合では、非集光下で25%)になる。
上述したように、量子ドット太陽電池は単接合型太陽電池に比べ大きなポテンシャルを有しており、量子ドットの種類が多い程、また集光度が高い程、最大理論変換効率が大きくなる。
それゆえ、太陽光スペクトルを効率的に吸収するためには、xy面内領域に複数の量子ドット(サイズ、材料、混晶比が異なる)が配置されていると好ましい。このような構成にすれば、異なるサイズの量子ドット層が太陽光の異なる波長を効率よく吸収するため、このような構造を太陽電池に応用すれば、エネルギー変換効率が向上する。
量子ドットの種類としては、1種類の量子ドットが用いられるのが好ましく、さらには2種類の量子ドットが用いられるのが好ましく、さらには3種類の量子ドットが用いられるのが好ましく、さらには4種類の量子ドットが用いられるのが好ましい。
また、量子ドットナノワイヤの直径の種類としては、実質的に同じ直径のナノワイヤが1種類存在するのが好ましく、さらには2種類存在するのが好ましく、さらには3種類存在するが好ましく、さらには4種類存在するのが好ましい。
さらに、1μm2当たり実質的に同じ直径のナノワイヤが2種類存在するのが好ましく、さらには1μm2当たり3種類存在するのが好ましく、さらには1μm2当たり4種類存在するのが好ましい。
なお、量子ドットの「種類」とは、量子ドットのサイズ、材料および混晶比(組成比)などである。ここで、量子ドットの「サイズ」として、積層方向の長さを例に挙げたが、z方向以外の長さ(例えば、x、y方向の長さ)、面積または体積であってもよい。量子ドット層22の積層方向の高さだけでなく、量子ドットナノワイヤの直径を変えることにより、量子ドットの「サイズ」を変えることができる。なお、xy面内領域およびz方向のサイズを変えるだけでなく、所望の量子エネルギー準位の数に応じて量子ドット層のx方向、y方向、z方向の長さを適宜変更した構成であってもよい。
ここで、異なる直径の量子ドットナノワイヤ30,30b〜30dをxy面内領域内に形成するとは、例えば、4種類の直径の量子ドットナノワイヤ30,30b〜30dを形成したい場合、少なくともこの4種類の直径の量子ドットナノワイヤ30,30b〜30dが当該xy面内領域内に形成されていることを意味する。
〔超格子構造の変形例〕
次に、図11および図12に基づき、この発明の第2実施形態に係る超格子構造の第1変形例13f〜13hおよび第2変形例13i〜13kの構成について説明する。
図11は、この発明の第2実施形態に係る超格子構造の第1変形例の構成を示す平面図である。
図12は、この発明の第2実施形態に係る超格子構造の第2変形例の構成を示す平面図である。
4種類の直径の量子ドットナノワイヤを正方形状に均等(正方形状に均等とは、量子ドットナノワイヤをz方向から見た場合に、円の中心が正方形状に並んでいることをいう)に並べた構造の模式図を図10に示したが、図11においては、量子ドットナノワイヤを交互にxy面内領域に配置した模式図を量子ドットのナノワイヤの種類数ごとに示す。
図11(a)〜(c)にかけて順に、量子ドットナノワイヤ2種類、3種類、4種類を配置した模式図である。
図11に示されるように、複数種類の量子ドットナノワイヤを用いた場合、必ずしも量子ドットナノワイヤの間隔を全て均等にする必要はなく、量子ドットナノワイヤ間隔を適宜ずらして配置しても良い。このようにすることで、量子ドットおよび量子ドットナノワイヤの積層を制御できる場合がある。すなわち、例えば、量子ドットの積層方向(z方向)の長さを制御することができる。しかし、その場合においても、一定の繰り返し最小単位を持ち、一定の繰り返し周期で量子ドットナノワイヤを並べることが、均一な積層条件を得るため、また太陽電池を効率的に吸収させるため好ましい。
図12(a),(b)および(c)は、それぞれ、2種類(30,30b)、3種類(30,30b,30c)および4種類(30,30b〜30d)の異なる直径の量子ドットナノワイヤを備えた超格子半導体層13i,13jおよび13kの構成を示す平面図である。
図12(a)〜(c)に示すように、2〜4種類の異なる直径の複数の量子ドットナノワイヤ30,30b〜30dを正六角形状に配置することにより、最密充填の量子ドットナノワイヤアレイを形成することが可能となる。図12の網掛け部分の領域40は、繰り返し最小単位を表している。なお、2種類以上の異なる直径の複数の量子ドットを配置する場合、正六角形の中心には、例えば、直径が最も小さい量子ドットナノワイヤ(図12においては、量子ドットナノワイヤ30b)を配置する。これは、直径が最も小さい量子ドットナノワイヤに含まれる量子ドット層の体積断面積が最も小さく、太陽光の吸収を十分に行うためには量子ドット層の体積を稼ぐ必要があるからである。このような配置にすることにより、超格子構造の高密度化が実現できる。
〔第3実施形態〕
次に、図13に基づき、この発明の第3実施形態に係る超格子半導体層13lを備えた太陽電池100dについて説明する。
図13は、この発明の第3実施形態に係る超格子構造を備えた太陽電池の製造工程を示す説明図である。
図13(h)に示すように、量子ドットナノワイヤの太陽電池100dは、xy面内領域に同一の直径を有し、z方向において異なる長さの量子ドット層22および22bを有する量子ドットナノワイヤ30eが配置されている。
具体的には、図13(e)〜(h)に示すように、SiO2のマスク層2の開口部35は同じ大きさにし、量子ドットナノワイヤ30eの積層方向に異なる長さの量子ドット層22および22bを積層する。この手法を用いれば、意図的に制御良く量子ドット層のサイズを変えることができるため、転位がなく高品質の量子ドット層を形成できる。また、積層方向において複数種類の長さの量子ドット層22および22bを有する量子ドットナノワイヤ30eを配置することで、多様なバンドギャップを形成することができ、太陽光スペクトルの幅広い波長領域を効率的に吸収することが可能となる。すなわち、異なる種類の量子ドット層が、太陽光に含まれる異なる波長の光を吸収するため、このような構造を太陽電池に応用すれば、エネルギー変換効率が向上する。
〔第4実施形態〕
次に、図14に基づき、この発明の第4実施形態に係る超格子構造13mを備えた太陽電池100eについて説明する。
図14は、この発明の第4実施形態に係る超格子構造を備えた太陽電池の製造工程を示す説明図である。
図14(h)に示すように、第4実施形態に係る太陽電池100eは、xy面内領域に同じ直径の量子ドットナノワイヤ30fが配置され、z方向に材料もしくは混晶比の異なる量子ドット層22および22bが形成されている。
具体的には、図14(e)〜(h)に示すように、SiO2のマスク層2の開口部35は同じ大きさにし、量子ドットナノワイヤ30fの積層方向に、量子ドット層22および22bの材料、混晶比が変化する。このような構造にすれば、意図的に制御良く量子ドット層の材料、混晶比を変えることができるため、転位がなく高品質の量子ドット層を形成でき、また、太陽光スペクトルを効率的に吸収することができる。
〔第5実施形態〕
次に、図15〜図17に基づき、この発明の第5実施形態に係る半導体発光装置200について説明する。
なお、以下に示す例は一例であり、この発明の超格子構造を有する半導体発光装置200に用いる基板、バッファー層、量子ドット、ドーパント、電極などの各材料や、各プロセスで使用する洗浄剤、基板処理温度、製造装置等は、ここで示した例に限定されない。その他の実施形態についても同様である。
<半導体発光装置の構成>
図15は、この発明の第5実施形態に係る超格子構造を備えた半導体発光装置の製造工程を示す説明図である。
第5実施形態の半導体発光装置200は、n型半導体層1と、p型半導体層15と、n型半導体層1およびp型半導体層15の間に挟まれた超格子半導体層213とを有している。
以下、半導体発光装置200について説明する。
この発明の基材は、n型半導体層1に相当し、この発明の超格子構造は、超格子半導体層213に相当する。
1.n型半導体層およびp型半導体層
n型半導体層1は、n型不純物を含む半導体からなり、p型半導体層15は、p型不純物を含む半導体からなる。
n型半導体層1およびp型半導体層15は、超格子半導体層213を挟み半導体発光装置200を構成し、例えばMOCVD法やスパッタ法により形成することができる。
p型半導体層15は、透明電極17と電気的に接続することができ、n型半導体層1は、n型電極11と電気的に接続することができる。このことにより、外部回路から透明電極17およびn型電極11を介して電流注入を行うことによって量子ドット層の発光を生じさせることが可能となる。また、p型半導体層15と透明電極17との間またはn型半導体層1とn型電極11との間にコンタクト層を設けてもよい。
2.超格子半導体層
超格子半導体層213は、n型半導体層1とp型半導体層15に挟まれている。また、超格子半導体層213は、量子ドット層222a(222b)と障壁層220a(220b)が交互に繰り返し積層された超格子構造を有する。半導体発光装置200における超格子半導体層213は、複数本の量子ドットナノワイヤ230a(230b)により構成される。
この発明の量子ドットナノワイヤ230a(230b)は、超格子半導体層213中の量子ドット層222a(222b)を高品質かつ高均一に、積層方向(z方向)の配列性も制御良く、配列されることを特徴とする。量子ドット層222a(222b)は、障壁層220a(220b)を構成する半導体材料よりも狭いバンドギャップを有する半導体材料からなり、量子効果により、伝導帯側に量子準位を有する。また、量子準位は価電子帯側に形成されてもよい。また、障壁層220a(220b)は、量子ドット層222a(222b)を構成する半導体材料よりも広いバンドギャップを有する半導体材料からなり、量子ドット層222a(222b)の周りのポテンシャル障壁を形成する。
第5実施形態において、超格子半導体層213を構成する量子ドット層222a(222b)、障壁層220a(220b)の材料として、例えば、InGaAsからなる量子ドット層222a(222b)、GaAsからなる障壁層220a(220b)を用いることができる。また、InGaAsからなる量子ドット層222a(222b)、AlGaAsからなる障壁層220a(220b)、InGaNからなる量子ドット層222a(222b)、GaNからなる障壁層220a(220b)、InGaAsSbからなる量子ドット層222a(222b)、AlGaAsSbからなる障壁層220a(220b)を用いることができる。その他、InAs,GaAs,AlAs,InSb,GaSb,AlSb,InP,GaP,AlP、InN、GaN、AlN、Si,SiGeの材料およびこれらの混晶材料を用いてもよい。また、AlxGayIn1-x-yAs、AlxGayIn1-x-ySbzAs1-z、AlxGayIn1-x-yP、AlxGayIn1-x-yNなどを用いることもできる。上記以外のIII−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体、IV族半導体あるいはこれらの混晶材料を用いてもよい。
例えば、InAlGaNを用いた場合、InNのバンドギャップは0.7eV、GaNのバンドギャップは3.4eV、AlNのバンドギャップは6.2eVであるため、広範囲の波長をカバーすることが可能である。これらの材料を用いた量子ドット層222a(222b)を複数個同一基板上に形成すれば、例えば青、緑、赤のLEDを同一基板上に作製することが可能となる。
混晶からなる量子ドット層222a(222b)、障壁層220a(220b)は、混晶の元素割合を適宜変更することで、量子エネルギー準位や障壁層220a(220b)のバンドギャップを変えたり、価電子帯バンドエネルギーオフセット(量子ドット層222a(222b)と障壁層220a(220b)の価電子帯エネルギー差)を変えたりすることができる。
第5実施形態においては、図15に示すように、n型半導体層1の基板面を構成する2種類の面領域PR1およびPR2に、直径が異なる複数本の量子ドットナノワイヤ230aおよび230bを形成することができる。
このような構成にすれば、異なる種類の量子ドット層222aと222bとが異なる波長の光を発光し、この超格子半導体層213を半導体発光装置200に応用すれば所望の広帯域の発光スペクトルが得られる。この発明の量子ドット層222aおよび222bのサイズは制御良く変えることができること、また転位・欠陥が少なく発光効率が高いことがSK成長やエッチング技術を用いたトップダウンの手法とは大きく異なる。また、VLSを用いた手法も不純物が混入し発光効率が低下するおそれがあるため、高品質な量子ドットを得ることは容易ではない。
この発明の手法を用いれば、1本の量子ドットナノワイヤ230a(230b)に含まれる量子ドット層222a(222b)(z方向の量子ドット)を歪み緩和しながら制御良く形成することができ、図22(第6実施形態、後述)、図27(第7実施形態、後述)に示すように、1本の量子ドットナノワイヤ230a(230b)に含まれる量子ドット層222a(222b)の積層方向のサイズ・材料・組成を変えてもよい。この場合には面内に異なる複数のサイズの量子ドットナノワイヤ230a(230b)を形成してもよく、同じサイズの量子ドットナノワイヤ230a(230b)を形成してもよい。
さらに、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の径や量子ドットナノワイヤ230a(230b)間の間隔を調節することで、量子ドット層222a(222b)に取り込まれる元素比を、それぞれの量子ドットナノワイヤ230a(230b)ごとに変えてもよい。
以上のように、複数種類の量子ドット層222a(222b)を形成する事で所望の形状の発光スペクトルを得ることができる。
量子ドット層222a(222b)のx方向、y方向、z方向のサイズは所望の量子エネルギー準位の数に応じて適宜変更すればよい。同じエネルギー値を有する量子エネルギー準位を形成したい場合は、例えば、x方向、y方向、z方向の量子ドットサイズを全てそろえればよい。同一面領域内において、1つの量子ドットナノワイヤ230a(230b)中の複数の量子ドット層222a(222b)(z方向の量子ドット)は、すべて同じサイズ・材料から構成され、さらに隣り合う量子ドットの波動関数が重なり合う程度に量子ドット間の距離を近づけることでミニバンドが形成される。図9に示すように、例えば伝導帯中において、ミニバンド中の最も低いエネルギー準位と、量子ドットが孤立して存在する(隣り合う量子ドットの波動関数が重ならない)場合の量子エネルギー準位の値は異なる。これらを利用して発光波長を変えることもできる。
図15(e)に示すように、量子ドットナノワイヤ230a(230b)は、被覆された構造(シェル層14)をしても良い。シェル層14を設けて被覆することで量子ドットナノワイヤ230a(230b)の表面が安定化され、表面再結合が効果的に下がるためである。また、量子ドット層で形成されたキャリアがシェル層14を通って流れ、キャリアを注入しやすくなるという利点もある。シェル層14は、n型半導体層1またはp型半導体層15と同じ材料であっても良いし、異なってもよい。また、表面安定化のための層として、シェル層14の外側にさらに別の層を設けてもよい。
なお、歪みをxy方向に緩和してやることで高品質な量子ドット層222a(222b)を多積層化できるため、シェル層14は厚くしすぎない方が好ましいが、適度な厚みのシェル層14は、半導体発光装置200の構造にとって好ましい。
図15(f)に示すように、超格子半導体層213中における量子ドットナノワイヤ230a(230b)の間の間隙は、例えば、BCB(ベンゾシクロブテン)などの樹脂10で埋められる。また、樹脂10には障壁層220a(220b)と同じ材料を用いてもよい。
なお、量子ドットナノワイヤ230a(230b)を高品質に形成するためには、歪みを緩和させた構造をとる必要がある。従って、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の直径を臨界直径以下にすればより好ましい。ここで、「臨界直径」とは、量子ドット層222a(222b)が歪みを受けることなく、量子ドットナノワイヤ230a(230b)を成長できる量子ドットナノワイヤ230a(230b)の直径である。一般に、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の直径が小さいほど歪みが緩和されるため、歪みのほとんどない状態で量子ドットナノワイヤ230a(230b)を成長させることが可能となる。
一方、エッチングで膜形成をした場合、積層方向と垂直な方向は、(量子ドットナノワイヤ230a(230b)のサイズから見れば無限の長さで)密に詰まっているため、当該方向に歪みを緩和することができず、量子ドット層222a(222b)および母体材料の結晶性が落ちてしまう。
量子ドットナノワイヤ230a(230b)の直径は、5〜100nmが好ましく、さらに好ましくは5〜70nmである。例えば、In0.3Ga0.7As/GaAs材料を用いた場合、格子定数の差が2%程度であることからおよそ100nmが臨界膜厚となり、100nm以下の直径の量子ドットナノワイヤ230a(230b)を構成すればよい。一方で、直径が5nmより小さくなれば制御が容易ではなくなる。
同じ面領域内の量子ドットナノワイヤ230a(230b)は、30〜500nmの間隔(2つの量子ドットナノワイヤ230a(230b)間の空隙の間隔)で形成されるのが好ましい。500nm以下の間隔で量子ドットを配置することで、十分に大きな発光強度を得ることができる。
しかし、量子ドットナノワイヤの間隔を30nm以下にすれば、量子ドットナノワイヤ230a(230b)を形成するのが容易でなくなるおそれがある。
その他の構造としては、光反射層、電流拡散層など、必要に応じて適宜挿入してよい。
また、表面および裏面にそれぞれ、透明電極17およびn型電極11を設けてもよい。n型電極11はグリッド状にしてもよい。表面は、透明電極の代わりにp型電極としてもよく、またp型電極はグリッド状にしてもよい。
<半導体発光装置の製造方法>
次に、図15に基づき、第5実施形態に係る半導体発光装置200の製造方法について説明する。
超格子半導体層213は、分子線エピタキシー(MBE)法や有機金属化学気相成長(MOCVD)法などを用いることで作製することができる。原材料の構成比・成長温度・圧力・堆積時間等を変えることによって量子ドット層222a(222b)の混晶比、量子ドット層222a(222b)のサイズを調整することができる。
半導体発光装置200の製造方法について、例えば、膜厚制御に優れた分子線エピタキシー(MBE)法や有機金属化学気相成長法(MOCVD)等を用いることで、超格子構造を備えた半導体発光装置200を製造することができる。ここでは、図15に基づき、半導体発光装置200の製造方法(選択成長)について説明する。
例えば、n−GaAs(111)B基板(n型半導体層1)を有機系洗浄液で洗浄した後、硫酸系洗浄液によって洗浄し、さらに水洗浄を施した後、図15(a)に示すように、マスク層2としてSiO2膜を積層させる。
マスク層2は、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の原材料とエネルギー的に安定な材料を形成せず、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の原材料の拡散長が十分大きい材料からなる層である。マスク層2の材料としては、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の材料としてInAs、GaAsを用いる場合、SiO2などが挙げられる。
マスク層2の積層後、続いて、図15(b)に示すように、例えば、電子線リソグラフィーを用いてSiO2膜面上の面領域PR1およびPR2それぞれに開口部35aおよび35bを形成する。第5実施形態において、図15(b)に示すように、開口部35aおよび35bは、異なる径を有する。また、電子線リソグラフィーの代わりにフォトリソグラフィー、ナノインプリントなどの技術を用いてもよい。
続いて、n型半導体層1をMOCVD装置内に設置する。図15(c)に示すように、n型半導体層1上に形成された開口部35aおよび35bにそれぞれコア層5aおよび5bを形成する。コア層5a(5b)は、n型半導体層1と同じ材料を用いるのが好ましいが、異なっていてもよい。コア層5a(5b)はバッファー層としての役割も有し、その上に形成すべき光吸収層の結晶性を向上させるための層であり、例えば、コア層5a(5b)としてGaAs層を形成する。
以降、量子ドット層222a(222b)、障壁層220a(220b)をコア層5a(5b)上に形成するが、量子ドットナノワイヤ230a(230b)上に気相中の原材料が直接積層する成長モードと原材料がマスク層2上から拡散して量子ドットナノワイヤ230a(230b)上に積層する成長モードがある。量子ドットナノワイヤ230a(230b)の形成時に供給される原材料がマスク層2上に一時的に乗った場合でも、エネルギー的に不安定なため、マスク層2上に乗った原材料は、再蒸発するか、よりエネルギー的に安定な量子ドットナノワイヤ230a(230b)上まで駆け上がる。それゆえ、原材料はマスク層2上に積層されず、量子ドットナノワイヤ230a(230b)上に積層されるため、量子ドットナノワイヤ230a(230b)上のみに量子ドット層222a(222b)および障壁層220a(220b)の半導体層を成長させることが可能となり、マスク層2上には、量子ドット層222a(222b)および障壁層220a(220b)の半導体層は形成されない。
続いて、図15(d)に示すように、量子ドット層222a(222b)を形成する。量子ドット層222a(222b)の材料としては、例えば、In0.3Ga0.7Asを用いる。量子ドット層222a(222b)は、特定の条件下で、xy方向にほとんど成長することなく、量子ドットナノワイヤ230a(230b)上(z方向)のみに成長させることが可能となる(以下、アキシャル成長と呼ぶ)。
アキシャル成長において、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の形成時に、前述の通り、量子ドットナノワイヤ230a(230b)上に気相中の原材料が直接積層する成長モードと原材料がマスク層2上から拡散して量子ドットナノワイヤ230a(230b)上に積層する2通りのモードがあるものと考えられる。この発明においては、マスク層2に量子ドットナノワイヤ230a(230b)成長の基礎となる開口部35a(35b)を高密度に設けることにより、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の成長時に原材料が量子ドットナノワイヤ230a(230b)上に直接乗って成長するモードが支配的となるため、高積層であっても高い均一性を有する量子ドットナノワイヤ230a(230b)が実現するものと考えられる。一方で、量子ドットナノワイヤの密度(量子ドットナノワイヤ間距離)や成長条件を適宜変えることで、原材料がマスク層上から量子ドットナノワイヤの最上面へ拡散して量子ドットナノワイヤを形成する成長モードを支配的にすることも可能であると考えられる。従って、面領域の種類ごとに量子ドットナノワイヤの密度を変え、成長条件を最適化すれば、比較的高密度の領域では原材料が量子ドットナノワイヤ上に直接乗って成長するモード、低密度領域では原材料がマスク層上から量子ドットナノワイヤの最上面へ拡散して成長するモード、中程度の密度では両者のモードが混合された成長モードにすることも可能である。このように面領域ごとに量子ドットナノワイヤの密度を変えて成長を行えば、面領域の種類ごとに量子ドットの組成・積層方向の長さが異なる量子ドットナノワイヤ構造を形成することが可能となる。
また成長条件(成長モード)を制御すれば、量子ドットナノワイヤ中に形成される量子ドットの積層方向の長さ・量子ドットの組成を、異なる直径を有する量子ドットナノワイヤごとに変えることもできる。すなわち、量子ドット層222aと222bの積層方向の長さを変えることができる。
開口部35a(35b)の面密度としては、4本/μm2以上であることが好ましく、さらに好ましくは16本/μm2以上であり、さらに好ましくは25本/μm2以上であり、さらに好ましくは36本/μm2以上であり、さらに好ましくは100本/μm2以上である。
また、複数本の量子ドットナノワイヤ230a(230b)は、積層方向(z方向上側)から前記面領域PR1(PR2)を見たとき、面領域PR1(PR2)に対してその構造の占める割合が5%以上であることが好ましく、さらに好ましくは5〜50%以上である。
このように高密度にするほど、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の成長時に原材料が量子ドットナノワイヤ230a(230b)上に直接積層するモードが支配的となると考えられるため、高積層であっても高い均一性を有する量子ドットナノワイヤ230a(230b)が実現することに加え、半導体発光装置デバイスへ応用した際に発光強度ができる利点がある。また、SK成長などで形成された薄膜型量子ドット構造に比べ格段に材料使用量を低減でき、低コスト化につながる。
量子ドットナノワイヤ230a(230b)を高密度で周期的に配置することにより、各量子ドットナノワイヤ230a(230b)の成長条件が均等となるため、高い均一性を有する量子ドットナノワイヤ230a(230b)が実現できる。
本製造方法を用いれば、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の成長位置を予め決めることができるため、超格子構造の設計が容易であり、所望の発光スペクトルを持った量子ドットナノワイヤ230a(230b)の構造を形成できる。
アキシャル成長により形成された量子ドットナノワイヤ230a(230b)の構造は、歪みがxy方向に緩和し、量子ドット層222a(222b)に歪みエネルギーが蓄積されることがない。従って、転位が生ずることなく、量子ドット層222a(222b)のサイズのばらつきがほとんどなく、高品質かつ高均一な量子ドット層222a(222b)を量子ドットナノワイヤ230a(230b)中に形成することができる。それゆえ、量子ドット層222a(222b)の形成に必要な材料と障壁層220a(220b)の形成に必要な材料を交互に供給してやることで、図15(e)に示すように、n型半導体層1と垂直な方向(z方向)に高品質な量子ドットナノワイヤ230a(230b)を形成することができる。
このようにして積層された実質的に均一なサイズの量子ドット層222a(222b)の積層数としては、量子ドットナノワイヤ230a(230b)1本当たり2層以上であることが好ましく、さらに好ましくは5層以上であり、さらに好ましくは10層以上であり、さらに好ましくは30層以上であり、さらに好ましくは50層以上であり、さらに好ましくは100層以上であり、さらに好ましくは300層以上であり、さらに好ましくは600層以上である。
例えば、30層であれば、量子ドットの面密度1.0×1011〜5.0×1011/cm2程度を実現可能であり、例えば、600層であれば1.0×1011〜1.0×1013/cm2程度を実現可能である。
なお、この発明の方法を用いて、実際に高積層の量子ドットナノワイヤ230a(230b)を作製してみたところ、少なくとも600層もの量子ドット層222a(222b)が均一に形成されたことを確認した。このような高積層の量子ドットを形成することで発光強度の高い半導体発光装置200が得られる。
図15(e)に示すように、量子ドットナノワイヤ230a(230b)が形成された後にシェル層14を形成してもよい。シェル層14はドーピングされていなくてもよく、n型もしくはp型にドーピングされていてもよい。なお、シェル層14をp型半導体層として形成するためには、例えば、Znなどのp型ドーパントを含む材料(例えば、Diethylzinc:DEZ)を原材料として同時に導入する。
なお、p型半導体のシェル層14は単独で設けてもよく、n型半導体のシェル層14に加えて別途設けてもよい。また、基板にn型GaAs、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の被覆(シェル層14)にp型GaAsを用いる例を示したが、逆の構造でもよく、シェル層14は1種類に限らず複数種類用いてもよい。例えば、p型GaAs層のさらに外側をAlGaAs層で覆ってもよい。また、シェル層14はn型半導体層1やp型半導体層15と同じ材料であってもよく、別の材料であってもよい。
シェル層14は量子ドットナノワイヤ表面の安定化かつ/またはキャリア輸送層としての役割を有するため、n型半導体層1、p型半導体層15、障壁層の内最も低いバンドギャップと比べて少なくとも同等以上のバンドギャップを有することが望ましい。
続いて、図15(f)に示すように、超格子半導体層213中における量子ドットナノワイヤ230a(230b)間の間隙を、例えばBCB(ベンゾシクロブテン)などの樹脂10で埋める。樹脂10の代わりには障壁層220a(220b)と同じ材料を用いてもよい。
樹脂10は、例えばCHF3/O2プラズマを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)法を用いて部分エッチングする。部分エッチングにより開口された領域は外部回路とのコンタクトを取るために設けられる。選択比の違いにより樹脂10を優先的にエッチングすることが可能である。
最後に、図15(h)に示すように、p型半導体層15を形成する。透明電極17、さらには、n型電極11を形成することで超格子構造を有する半導体発光装置200を形成することができる。n型電極11の両電極には、例えば、AuGeNi/Au材料を用いることができる。電極は、例えば、電子線蒸着により形成できる。また、透明電極17はITO透明電極を用いる。
p型半導体層15上にはコンタクト層を設けてもよい。
以上、半導体発光装置200の製造方法について説明したが、これらの製造方法や構成に限定されるものではない。例えば、第5実施形態の製造方法では、n型半導体層1を用いたが、基板としてp型半導体を用いてもよい。その場合には、p型半導体層15の代わりにn型半導体を用いればよい。また、量子ドットナノワイヤ230a(230b)にn型ドープしてもよい。n型ドーパントとしては、例えばSiを、p型ドーパントとしては、Znを用いることができる。その他のn型ドーパントとしては例えばS,Se,Sn,Te,Cがある。
第5実施形態に係る製造方法においては、SiO2のパターニングに電子線リソグラフィーを用いたが、他手法でも形成できる。例えば、ナノインプリントやフォトリソグラフィーを用いてパターニングしてもよい。これらの手法を用いれば低コストで大量生産向きとなる。
次に、図16および図17に基づき、この発明の第5実施形態に係る超格子半導体層213を備えた半導体発光装置200の構造について説明する。
図16は、この発明の第5実施形態に係る半導体発光装置の構成を示す説明図である。
図16に示すように、同一基板上の異なる面領域PR1およびPR2にそれぞれ異なる直径を有する複数本の量子ドットナノワイヤ230aおよび230bを、例えば、4本/μm2以上の面密度で均一に配置した超格子半導体層213を形成し、半導体発光装置200を作製する。量子ドットナノワイヤ230aおよび230bは、直径のみが異なる。すなわち、量子ドット層222a(222b)の組成が全て同じで、そのxy平面内のサイズが異なる。
また、量子ドットナノワイヤ230a(230b)中の量子ドット層222a(222b)間の距離を短くすれば、量子ドット間においてミニバンド42c,42vが形成され、キャリアがミニバンド間を通りやすくなるため好ましい。
図17は、図16に示す半導体発光装置の第1変形例の構成を示す説明図である
図17(a)および図17(b)はそれぞれ、量子ドットナノワイヤ230aおよび230bのバンド構造の模式図である。
図17(a)(b)の矢印に示されるように、伝導帯43cの量子エネルギー準位41cから価電子帯43vの量子エネルギー準位41vへの発光再結合により発光が生じるが、発光波長は、量子ドットナノワイヤ230a,230bの径、および量子ドットのz方向の厚みに依存して変化する。具体的には、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の径が小さいほど、量子ドットのz方向の厚みが小さいほど、伝導帯43cの量子エネルギー準位41cのエネルギーが高くなる。
次に、量子ドットナノワイヤ230a(230b)の評価法について説明する。
量子ドットナノワイヤ230a(230b)中の量子ドットのサイズ、均一性、転位、z方向に対してどれほど量子ドット層222a(222b)が配列性良く配列されているかなどの情報はTEM観察やSEM観察により確認できる。
量子ドットナノワイヤ230a(230b)中のn型ドーパント濃度は、SIMS(二次イオン質量分析計)により確認できる。
ここで示した例は一例であり、本実施形態の超格子構造を有する半導体発光装置200に用いる基板、バッファー層、量子ドット層222a(222b)、ドーパント、電極などの各材料や、各プロセスで使用する洗浄剤、基板処理温度、製造装置等は、ここで示した例に限定されない。
〔第1変形例〕
次に、図18に基づき、図16に示す半導体発光装置200の第1変形例100aの構成について説明する。
図18は、図16に示す半導体発光装置の第1変形例の構成を示す説明図である。
図18に示すように、各々の量子ドットナノワイヤ230a(230b)中における積層方向(z方向)の長さが同一な量子ドット層222a(222b)を有し、2種類の異なる種類の直径を有する量子ドットナノワイヤ230aおよび230bを異なるxy面内の面領域PR1およびPR2にそれぞれ配置する。図16の構成と異なるのは、半導体発光装置200aは、半導体発光装置200のトップ側のp型半導体層15をなくし、直接透明電極17とコンタクトをとる構造としている点である。
〔第2変形例〕
次に、図19に基づき、図16に示す半導体発光装置200の第2変形例100bの構成について説明する。
図19は、図16に示す半導体発光装置の第2変形例の構成を示す説明図である。
図19は、同一基板(n型半導体層1)面を構成する4種類の面領域PR1〜PR4ごとに異なる直径の量子ドットナノワイヤ230a〜30dが配列された構造を示す。半導体発光装置200bの作製手法は、図15に示したものと同様である。本発明では、InGaAs材料を説明したが、InGaN材料でも同様に構成でき、R/G/BのLEDを構成することもでき、例えば、通信用光源として使用することが可能となる。
なお、図19において、シェル層14などの構造は省略して説明しているが、シェル層14を有する場合も同様である。
また、本量子ドットナノワイヤ構造を用いてディテクターを構成することもできる。例えば、InGaN材料を用いればR/G/Bディテクターを構成することができる。
本量子ドットナノワイヤ構造は、基板の占有面積に対して受光面積が広いという利点を有するため、小型の発光装置、LED,CCDカメラを構成することができる。
<量子ドットナノワイヤとバンド構造の模式図との関係>
次に、図3および図20に基づき、図15に示す量子ドットナノワイヤとそのバンド構造との関係について説明する。
図3(d)に示されるように、孤立していた隣接する量子エネルギー準位41c,41vがカップルしてミニバンド42c,42v(図3(c)の網掛け部分)が形成されると、ミニバンド42c,42vはエネルギー幅を有し、その発光はミニバンド下端から起こるようになるため、発光エネルギーは小さく(すなわち、波長は大きく)なる。また、ミニバンド42c,42vが形成されるとキャリア移動が容易に起こり、効率的にキャリアが注入されることで半導体発光装置200aが効率的に発光する。
図20は、図3の量子ドットナノワイヤの量子ドット層間の長さとその発光ピークエネルギーとの関係を示すグラフである。
図20の横軸は、量子ドット層間の長さ(nm)を、縦軸は、量子ドット層の発光ピークエネルギー(eV)を表す。
図20は、図3の構造において、量子ドット材料In0.7Ga0.3As、量子ドットの積層方向(z方向)長さ3nm、量子ドットの直径約40nm、ナノワイヤ材料GaAs、ナノワイヤの直径約80nmとした量子ドットナノワイヤ230aにおいて実験を行った結果であり、隣り合う量子ドット層222a間の長さとその発光波長の関係を示した図である。また、量子ドットの積層数は50層とした。
図20に示すように、量子ドット層222a間の間隔(長さ)を変えることにより、発光波長が異なっていることがわかり、特に、量子ドット層222a間の間隔が小さくなる程、急激に発光波長が大きく(エネルギーが小さく)なっていることがわかる。この性質を利用して量子ドットナノワイヤの発光エネルギーを変えることができる。
次に、図21に基づき、1本の量子ドットナノワイヤ230e中において、量子ドット層222a間の距離が異なる領域が複数存在する構造について説明する。
図21は、量子ドットナノワイヤの障壁層の長さとそのバンド構造との関係を示す説明図である。
図21(a)は、量子ドット層222e間の距離が異なる領域が複数存在する構造(図20(b))の量子ドットナノワイヤ230eのバンド構造の模式図である。
図21(b)は、1本の量子ドットナノワイヤ230e中に、同じサイズ・組成の量子ドット層222eを9個埋め込んだ構造を示す。図21(b)に示されるように、量子ドットナノワイヤ230eは、3つの区分SEG1,SEG2,SEG3からなり、量子ドット層222eの長さが一定であるのに対し、各区分SEG1,SEG2,SEG3内の障壁層201e,202e,203eの長さがそれぞれ異なる。
図21(b)において、障壁層201e、202e、203eの順に、その積層方向の長さが短くなっていく。このように、隣り合う量子ドット層222eの間隔、すなわち、障壁層201e、202e、203eの厚みを変えることでミニバンドの形成の有無、ミニバンドのエネルギー幅を変えることができる。これを利用して、例えば、3個の量子ドット層222eごとに障壁層201e、202e、203eの厚みを変え、1本の量子ドットナノワイヤ230eから3種類の発光波長が得られる。従って、量子ドット層222e間の距離が異なる領域を任意の複数個設けることでスペクトル幅の広いブロードな光を自由に作り出すことができる。例えば、広帯域のガウシアン型発光スペクトルを得ることができる。
図21(a)に示されるように、区分SEG1においては、量子ドット層222e間の間隔が長く、伝導帯43c、価電子帯43vのそれぞれについて、量子エネルギー準位41c,41vが独立して存在するが、量子ドットナノワイヤ230e中の量子ドット層222e間の距離が短くなるにつれ、区分SEG2およびSEG3に示されるように、伝導帯43c、価電子帯43vのそれぞれについて、隣接する量子ドット層222eの波動関数が重なり合い、量子エネルギー準位41c,41vがカップルしてミニバンド42c,42v(図20(a)の区分SEG2,SEG3の網掛け部分)が形成される。ミニバンド42c,42vが形成されるとキャリア移動が容易に起こり、効率的にキャリアが注入されることで半導体発光装置200aが効率的に発光する。
〔第6実施形態〕
次に、図22に基づき、この発明の第6実施形態に係る超格子半導体層213cを備えた半導体発光装置200cについて説明する。
図22は、この発明の第6実施形態に係る超格子構造を備えた半導体発光装置の製造工程を示す説明図である。
なお、図15に示す半導体発光装置200の製造工程に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。第7実施形態についても同様とする。
図22(h)に示すように、量子ドットナノワイヤの半導体発光装置200cは、xy面内の面領域PR1とPR2とで異なる直径を有し、積層方向(z方向)において、異なる長さの量子ドット層222aおよび2221a(面領域PR2では、222bおよび2221b)を有する量子ドットナノワイヤ301a(301b)が配置されている。一方、障壁層220a(220b)の長さは同じである。
具体的な製造方法としては、図22(b)に示すように、マスク層2を形成した後、面領域PR1とPR2とで異なる径(サイズ)の開口部35aおよび35bをマスク層2に形成する。次に、図22(c)に示すように、開口部35aおよび35bに対応するコア層5aおよび5bを形成した後、面領域PR1(PR2)において、量子ドット層222a(222b)と障壁層220a(220b)とを交互に積層させる。次いで、図22(e)〜(h)に示すように、量子ドットナノワイヤ301a(301b)の積層方向に異なる長さの量子ドット層222aおよび221a(222bおよび221b)を積層する。
この手法を用いれば、意図的に制御良く量子ドット層のサイズを変えることができるため、転位がなく高品質の量子ドット層を形成できる。また、積層方向において複数種類の長さの量子ドット層222aおよび221a(222bおよび221b)を有する量子ドットナノワイヤ301a(301b)を配置することで、多様なバンドギャップを形成することができる。
本手法を用いれば制御良く、歪みを緩和しながら高さ方向に量子ドット層のサイズを変えることができ、転位・欠陥が少ない高品質な、異なる種類の量子ドット層が形成される。また、このような構造にすることで広帯域のガウシアン型発光スペクトルを得ることができ、低消費電力の半導体発光装置200cを実現することができる。
次に、図23および図24に基づき、量子ドットナノワイヤとそのバンド構造との関係について説明する。
図23は、量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層の長さとそのバンド構造との関係を示す説明図である。図23(b)、(d)は量子ドット、障壁層220aの材料の組成は同じである。
図23(b)と(d)の違いは、量子ドット層222aの積層方向の長さであり、(a)の方が(b)よりも量子ドット層222aの積層方向の長さが長い構造となっている。
図23(a)は、図23(b)に対応したバンド構造の模式図、図23(c)は図23(d)に対応したバンド構造の模式図である。
量子エネルギー準位41cは、量子ドットサイズに強く影響され、サイズが小さいほど量子エネルギー準位41cが大きくなる。従って、図23(d)の構造は図23(b)の構造に比べて量子エネルギー準位41cが大きくなり、発光エネルギーが大きくなる。
図24は、図23の量子ドットナノワイヤの量子ドット層の長さとその発光ピークエネルギーとの関係を示すグラフである。
図24の横軸は、量子ドット層の積層方向の長さ(nm)を、縦軸は、量子ドット層の発光ピークエネルギー(eV)を表す。
図24は、量子ドット層222aの材料をIn0.7Ga0.3As、量子ドット層222aの直径を約40nm、量子ドットナノワイヤ230aの材料をGaAs、量子ドットナノワイヤ230aの直径を約80nmとした量子ドットナノワイヤ230aにおいて、量子ドット層222aの厚みと発光ピークエネルギーの関係を示した図であり、実験から得られた結果である。障壁層220aの積層方向の長さ(スペーサー層)は35nmと1.25nmの2種類測定した。図24より、量子ドット層222aの長さに応じて異なる波長の光が放射されることがわかる。
図24に示すように、量子ドット層222aの積層方向の長さを変えることにより、発光ピークエネルギーが異なっていることがわかる。この性質を利用して量子ドットナノワイヤ230aの発光エネルギーを自由に変えることができ、所望の発光エネルギーを得ることができる。またスペーサー層の厚みにより発光波長が異なるのは隣り合う量子ドットの波動関数の重なり程度の違い(ミニバンドの形成有無)に起因すると考えられる。
次に、図25および図26に基づき、1本の量子ドットナノワイヤ230f中において、量子ドット層の組成が同じで量子ドット層の積層方向(z方向)の長さが異なる領域が複数存在する構造について説明する。
図25は、量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層の長さとそのバンド構造の模式図との関係を示す説明図である。
図25(a)は、量子ドット層の積層方向(z方向)の長さが異なる領域が複数存在する構造(図25(b))の量子ドットナノワイヤ230fのバンド構造の模式図である。
図25(b)の構造は、図21(b)の構造と類似するが、量子ドット層の組成を同じにして、量子ドット層の長さのみ異なる構造である。このようにすることで、量子ドット層の長さに応じた異なる波長の光が放射される。
図25(b)に示されるように、量子ドットナノワイヤ230fは、4つの区分SEG1,SEG2,SEG3,SEG4からなり、障壁層220fの積層方向の長さ(スペーサー層)が一定であるのに対し、各区分SEG1,SEG2,SEG3,SEG4内の量子ドット層221f,222f,223f,224fの積層方向の長さがそれぞれ異なる。図25(b)において、量子ドット層221f,222f,223f,224fの順に、その積層方向の長さが短くなっていく。
一方、図25(a)に示されるように、区分SEG1においては、量子ドット層221fの積層方向の長さが最も長く、伝導帯43c、価電子帯43vのそれぞれについて、量子エネルギー準位41c,41vが独立して存在するが、量子ドットナノワイヤ230f中の量子ドット層間の距離が短くなるにつれ、区分SEG2,SEG3,SEG4に示されるように、伝導帯43cの量子エネルギー準位41cが高くなっていく。それゆえ、発光再結合によるエネルギーは、SEG1,SEG2,SEG3,SEG4の順で高くなっていき、その発光波長は量子ドット層が長くなるにつれて長くなる。
なお、図21(b)の構造と図25(b)の構造とを組み合わせた構造であってもよい。
図26(a)は、図25の量子ドットナノワイヤの量子ドット層の長さとその発光エネルギーとの関係を示すグラフである。図26は実験より得られた結果である。
図26の横軸は、発光のエネルギー(eV)を、縦軸は、発光強度(任意単位)を表す。縦破線は、発光ピークの位置を示す。図26は、量子ドット層の材料をIn0.7Ga0.3As、その直径を約40nm、隣り合う量子ドット層間の距離(スペーサー層)280nm、量子ドットナノワイヤ230fの材料をGaAs、その直径を約80nmとした量子ドットナノワイヤ230fにおいて、図26(a)では量子ドット層の積層方向の長さを徐々に変えながら量子ドットを5層積層した構造、図26(b)では量子ドット層の積層方向の長さを同じに保ちつつ量子ドット層を5層積層した構造の発光エネルギーと発光強度の関係を示した図である。図26(a)においては、積層方向の長さが異なる5つの量子ドットに対応して5つの発光ピークが見られており、広い発光スペクトルが見られている。一方で図26(b)においては発光ピークの分離はほとんど見られなかった。この図より1本のナノワイヤ中において量子ドット層の積層方向の長さを調節することにより、発光スペクトル、発光エネルギーを制御でき、所望の発光スペクトルを得ることができることがわかる。
〔第7実施形態〕
次に、図27に基づき、この発明の第7実施形態に係る超格子半導体層213dを備えた半導体発光装置200dについて説明する。
図27は、この発明の第7実施形態に係る超格子構造を備えた半導体発光装置の製造工程を示す説明図である。
具体的な製造方法としては、図27(b)〜(d)までは、第6実施形態(図22(b)〜(d))と同様である。第6実施形態と異なる点は、図27(e)〜(h)に示すように、量子ドットナノワイヤ302a(302b)の積層方向に長さは同じだが、材料、混晶比が異なる量子ドット層222aおよび2221a(222bおよび2221b)を積層する点である。
この手法を用いれば、意図的に制御良く量子ドット層の材料、混晶比を変えることができるため、転位がなく高品質の量子ドット層を形成できる。また、積層方向において複数種類の長さの量子ドット層222aおよび2221a(222bおよび2221b)を有する量子ドットナノワイヤ302a(302b)を配置することで、多様なバンドギャップを形成することができる。
最後に、図28に基づき、1本の量子ドットナノワイヤ230k中において、量子ドット層の長さが同じでその組成が異なる領域が複数存在する構造について説明する。
図28は、量子ドットナノワイヤ中の量子ドット層の組成とそのバンド構造の模式図との関係を示す説明図である。
図28(a)は、量子ドット層の長さが異なる領域が複数存在する構造(図25(b))の量子ドットナノワイヤ230kのバンド構造の模式図である。
図28(b)に示されるように、量子ドットナノワイヤ230kは、4つの区分SEG1,SEG2,SEG3,SEG4からなり、障壁層220kおよび量子ドット層の長さが一定であるのに対し、各区分SEG1,SEG2,SEG3,SEG4内の量子ドット層221k,222k,223k,224kの組成がそれぞれ異なる。
一方、図28(a)に示されるように、量子ドットナノワイヤ230k中の量子ドット層の組成の変化を反映して、区分SEG1,SEG2,SEG3,SEG4に示されるように、伝導帯43cの量子エネルギー準位41cも変化する。それゆえ、発光再結合によるエネルギーもSEG1,SEG2,SEG3,SEG4で異なるものとなる。
図28(b)は、1本の量子ドットナノワイヤ230k中において、同じ長さの量子ドット層221k,222k,223k,224kの組成が異なる構造を示したものである。このようにすることで、量子ドット層の組成ごとに異なる波長の光が放射される。図28(b)では、例えば、右側から2個の量子ドット層221kが同じ組成、次の3個の量子ドット層222kが同じ組成、次の2個の量子ドット層223kが同じ組成、次の2個の量子ドット層224kが同じ組成になっている。例えば、量子ドットがInxGa1-xAsから形成されている場合、Inの組成xを変えることで、このような構造を実現できる。
図28(a)は、伝導帯43c、価電子帯43vのバンド構造の模式図と量子準位間の発光を矢印にて記載したものである。異なる組成を有する量子ドット層の種類は任意で良く(図28(b)では4種類)、また同じ組成の量子ドット層の組み合わせ数も任意で良い(図28では右側から2,3,2,2個ずつのセット)。図28(a)において、発光波長のエネルギーの大きさ(矢印の長さ)は単調に変化しているが、これに限らなくてよい。また、量子ドット層(図28では9個の量子ドット層全て)の長さは全て同じであることを想定したが、図25(b)の構造と組み合わせて厚みが異なってもよい。
このように、異なる組成を有する量子ドット層の種類や、同じ組成の量子ドット層の組み合わせの数を任意に変えることで所望の発光スペクトルを自由に作り出すことができる。また1本の量子ドットナノワイヤ辺りにおける量子ドット数を増やす、量子ドットナノワイヤを面内に高密度に形成することで、発光強度を増大させることができる。これまでに1本辺り600個の量子ドットの積層、面内密度は、16本/μm2の量子ドットナノワイヤの形成に成功している。また、OCT向け発光波長帯域に適した、広帯域かつガウシアン形状のスペクトルを有する半導体発光装置を得ることもできるため、低消費電力の半導体発光装置を得ることができる。
以上、実施形態を挙げて、この発明を説明したが、この発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。この発明は請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についてもこの発明の技術的範囲に含まれる。
1:n型半導体層
2:マスク層
5,5a,5b:コア層
10:樹脂
11:n型電極
13,13a〜13m,213,213a,213c,213d:超格子半導体層
14,25:シェル層
15:p型半導体層
16:p型電極
17:透明電極
20,20a,201e〜203e,220a,220b,220f,220k:障壁層
22,22a,22b,222a,222b,222e,222f,222k,221a,221b,221f〜224f,221k〜224k,2221a,2221b:量子ドット層
30,30a〜30f,230a〜230f,230k,301a,302a,301b,302b:量子ドットナノワイヤ
35,35a,35b:開口部
40:繰り返し最小単位領域
41c,41v:量子エネルギー準位
42c,42v:ミニバンド
43c:伝導帯
43v:価電子帯
100,100a〜100e:太陽電池
200,200a〜200d:半導体発光装置
PR1〜PR4:面領域
SEG1〜SEG4:区分

Claims (28)

  1. 面領域から略垂直方向に伸びる複数本の量子ドットナノワイヤからなり、
    前記複数本の量子ドットナノワイヤは、前記面領域上に障壁層と量子ドット層とが交互に積層された構造を有し、その直径が積層方向において実質的に同一であり、その面密度が4本/μm2以上で実質的に均一に配列された超格子構造。
  2. 前記量子ドットナノワイヤは、少なくとも2種類の直径を有する請求項1に記載の超格子構造。
  3. 少なくとも2種類の面領域からなる基材面上に配列され、
    前記面領域の種類ごとに異なる構造を有する請求項1または2に記載の超格子構造。
  4. 前記量子ドットナノワイヤは、前記積層方向において少なくとも2種類の長さの前記量子ドット層を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の超格子構造。
  5. 前記量子ドットナノワイヤは、少なくとも2種類の組成の前記量子ドット層を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の超格子構造。
  6. 前記量子ドットナノワイヤは、前記積層方向において少なくとも2種類の長さの前記障壁層を有する請求項3〜5のいずれか1つに記載の超格子構造。
  7. 隣接する前記量子ドットナノワイヤの間の間隔が30〜500nmである請求項1〜6のいずれか1つに記載の超格子構造。
  8. 前記量子ドットナノワイヤの直径が5〜100nmである請求項1〜7のいずれか1つに記載の超格子構造。
  9. 前記量子ドットナノワイヤは、30〜600層の前記量子ドット層からなる構造を有する請求項1〜8のいずれか1つに記載の超格子構造。
  10. 前記複数本の量子ドットナノワイヤは、前記面領域の種類ごとに異なる直径を有する請求項3〜9のいずれか1つに記載の超格子構造。
  11. 前記複数本の量子ドットナノワイヤは、前記面領域の種類ごとに異なる組成を有する請求項3〜10のいずれか1つに記載の超格子構造。
  12. 前記複数本の量子ドットナノワイヤは、前記面領域の種類ごとに異なる面密度を有する請求項3〜11のいずれか1つに記載の超格子構造。
  13. 前記量子ドットの密度が1.0×1011〜1.0×1013/cm2である請求項1〜12のいずれか1つに記載の超格子構造。
  14. 前記面領域に垂直方向に見たとき、前記量子ドットナノワイヤが一定の繰り返し周期で周期的に配置された構造を有する請求項1〜13のいずれか1つに記載の超格子構造。
  15. 前記複数本の量子ドットナノワイヤは、積層方向から前記面領域を見たとき、前記面領域に対して前記構造の占める割合が5%以上である請求項1〜14のいずれか1つに記載の超格子構造。
  16. 前記割合が5〜50%である請求項15に記載の超格子構造。
  17. 前記量子ドット層または前記障壁層がn型ドープされている請求項1〜16のいずれか1つに記載の超格子構造。
  18. 前記量子ドット層および障壁層がAlInGaAsまたはAlInGaNを有する請求項1〜17のいずれか1つに記載の超格子構造。
  19. 少なくとも1つの単位構造からなり、前記単位構造は、1本の量子ドットナノワイヤの周囲に少なくとも6本の量子ドットナノワイヤが等間隔に近接して配置された構造を有する請求項1〜18のいずれか1つに記載の超格子構造。
  20. 前記面密度が20〜100本/μm2以上である請求項1〜19のいずれか1つに記載の超格子構造。
  21. 前記量子ドットナノワイヤは、バックグラウンド濃度を超える濃度の金属不純物元素を含まない請求項1〜20のいずれか1つに記載の超格子構造。
  22. 前記複数本の量子ドットナノワイヤの間に波長変換材料が充填された構造を有する請求項1〜21のいずれか1つに記載の超格子構造。
  23. p型半導体層と、n型半導体層と、前記p型半導体層および前記n型半導体層に挟まれた超格子半導体層とを備え、
    前記超格子半導体層は、請求項1〜22のいずれか1つに記載の前記超格子構造を備える半導体装置。
  24. 前記超格子半導体層は、少なくとも2種類の発光波長を有する請求項23に記載の半導体装置からなる半導体発光装置。
  25. 前記超格子構造が、前記量子ドットナノワイヤ全体の発光スペクトルがガウシアン型形状となる前記発光波長を有する請求項24に記載の半導体発光装置。
  26. 前記発光装置は、通信用発光装置として使用される請求項24または25に記載の半導体発光装置。
  27. 面領域上にマスク層を形成し、
    前記マスク層に4個/μm2以上の面密度を有する複数の開口部を設け、
    前記複数の開口部から略垂直方向に障壁層と量子ドット層とを交互に積層して複数本の量子ドットナノワイヤを形成する超格子構造の製造方法。
  28. 前記マスク層は、少なくとも2種類の面領域上からなる基材面上に形成される請求項27に記載の超格子構造の製造方法。
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