JPH10223982A - 歪量子井戸半導体装置 - Google Patents

歪量子井戸半導体装置

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JPH10223982A
JPH10223982A JP2126497A JP2126497A JPH10223982A JP H10223982 A JPH10223982 A JP H10223982A JP 2126497 A JP2126497 A JP 2126497A JP 2126497 A JP2126497 A JP 2126497A JP H10223982 A JPH10223982 A JP H10223982A
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JP
Japan
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layer
strain
well
mqw
buried
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JP2126497A
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English (en)
Inventor
Toshisada Sekiguchi
利貞 関口
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量子細線や量子箱等の歪MQW構造につい
て、膜厚方向のみならず面内についても全体として歪補
償を行って、良好な特性を得ることを可能とした半導体
装置を提供する。 【解決手段】 半導体基板1上にバッファ層2及び導波
路層3を介して活性層4が形成され半導体レーザにおい
て、活性層4を、歪を導入した井戸層41aと逆歪を導
入したバリア層41bの交互積層構造である量子箱構造
の歪MQW層41とし、この歪MQW層41の周囲に埋
め込まれる埋め込み層層42を、膜厚方向と直交する方
向の歪を補償する歪補償層42aと無補償層42bの交
互積層構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、量子細線または
量子箱構造の歪多重量子井戸をもつ半導体レーザ等の半
導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体レーザその他の光デバイス
に多重量子井戸(MQW)構造が多く用いられるように
なっている。MQW構造は、井戸層とバリア層とを電子
波長程度の薄層で交互に積層したもので、半導体レーザ
の場合は数層程度、光スイッチや光変調器の場合は30
層程度繰り返し積層される。このMQW構造のうち、井
戸層とバリア層の格子定数が異なるものを歪MQW構造
という。
【0003】本来基板結晶上への結晶成長は、基板結晶
との格子整合が前提となるが、近年の結晶成長技術の進
歩により、一定の条件のもとで転位や欠陥を生じること
なく、基板と格子不整合の状態で結晶薄膜を成長できる
ようになっており、歪MQW構造の導入により、従来発
振が困難であった波長領域の半導体レーザの製造も可能
となっている。また、MQW構造への歪の導入は、結晶
のバンド構造の変化をもたらし、半導体レーザの低しき
い値化や、発振光の振動面の制御等、種々の特性改善や
特性制御をも可能とする。
【0004】歪MQW構造では、井戸層に歪を導入した
場合に、バリア層は無歪層(基板結晶と同じ格子定数)
としても、バリア層厚みを十分大きくすれば、歪を井戸
層に閉じ込めることが可能である。しかし、より薄いバ
リア層で歪を閉じ込めるためには、バリア層には井戸層
と逆の歪を導入して、膜厚方向に全体として歪補償した
状態(ゼロネットストレイン)とすることが行われる。
【0005】一方近年の微細加工技術の進歩により、面
内においても電子波長程度の微細な周期構造を導入した
MQW構造が注目されている。即ち、閉じ込める電子系
を一次元に限定する量子細線や、閉じ込める電子系を完
全に離散化する量子箱構造である。これらの量子細線や
量子箱をもつ半導体装置を作る場合、量子細線や量子箱
の周囲には埋め込み層が必要となる。具体的には、基板
上に量子細線や量子箱を選択エピタキシャル成長により
形成した後、その周囲にやはり選択エピタキシャル成長
により埋め込み層を成長させることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで量子細線や量
子箱の歪MQW構造を作る場合、膜厚方向に全体として
歪補償を行ったとしても、膜厚方向に直交する方向(以
下、面内方向という)には歪が補償されない。例えば、
井戸層,バリア層にそれぞれ圧縮歪,引っ張り歪を導入
したとすると、格子の歪の結果として、井戸層,バリア
層のそれぞれ膜厚方向には引っ張り歪,圧縮歪がかかる
ことになる。従って、量子細線や量子箱を選択成長させ
た後、埋め込み層を基板と格子整合した無歪層として成
長させようとした場合、既に形成されている量子細線や
量子箱の側面の結晶格子の歪(膜厚方向の歪)の影響を
受けて、面内方向全体として歪が補償されない。従っ
て、埋め込み層の選択成長の段階で転位やクロスハッチ
等を生じる可能性がある。
【0007】この発明は、上記事情を考慮してなされた
もので、量子細線や量子箱等の歪MQW構造について、
膜厚方向のみならず面内方向についても全体として歪補
償を行って、良好な特性を得ることを可能とした半導体
装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る歪量子井
戸半導体装置は、第1に、半導体基板と、この基板上に
形成された量子箱構造のMQW層と、このMQW層の周
囲に埋め込まれた埋め込み層とを有する半導体装置にお
いて、前記MQW層は、各井戸層に歪が導入され、各井
戸層を挟むバリア層に井戸層と逆の歪が導入されて膜厚
方向に歪補償された歪MQW層であり、かつ前記埋め込
み層は、前記井戸層にその膜厚方向と直交する方向に接
して前記井戸層の歪を補償する歪補償層とその他の層を
交互に積層した多層構造としたことを特徴としている。
この発明に係る歪量子井戸半導体装置は、第2に、半導
体基板と、この基板上に形成された量子細線構造のMQ
W層と、このMQW層の間に埋め込まれた埋め込み層と
を有する半導体装置において、前記MQW層は、各井戸
層に歪が導入され、各井戸層を挟むバリア層に井戸層と
逆の歪が導入されて膜厚方向に歪補償された歪MQW層
であり、かつ前記埋め込み層は、前記井戸層にその膜厚
方向と直交する方向に接して前記井戸層の歪を補償する
歪補償層とその他の層を交互に積層した多層構造とした
ことを特徴としている。
【0009】この発明によると、量子細線または量子箱
構造の歪MQW層は、膜厚方向だけでなく、面内方向に
ついても全体として歪補償され、従って埋め込み層成長
の工程で転位等が発生することがなく、良質の歪MQW
層が得られ、例えば歪MQW層を活性層とする半導体レ
ーザ等の特性改善が図られる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施例を説明する。図1は、この発明の一実施例によ
る半導体レーザを示し、(a)は全体の斜視図、(b)
はその活性層を含むコア部分を拡大して示す斜視図であ
る。n型半導体基板1上にn型バッファ層2を介して、
n型下部導波路層3、i型活性層4、p型上部導波路層
5、及びp型キャップ層6が順次積層形成されている。
この積層構造はストライプ状に加工され、その側面には
電流ブロッキング層7が埋め込み形成されている。電流
ブロッキング層7の上には絶縁層8が形成され、その上
にキャップ層6に接する電極9aが形成されている。基
板1の下には基板1に接する電極9bが形成されてい
る。
【0011】活性層4は、図1(b)に拡大して示した
ように、全体として量子箱構造の歪MQW構造であっ
て、幅と間隔が原子数層程度で散点状に配列されたMQ
W層41と、その周囲に埋め込み形成された埋め込み層
42とから構成されている。各MQW層41は更に、図
1(b)に破線で囲んだ断面を拡大して示したように、
井戸層41aとバリア層41bの交互積層構造である。
井戸層41aには例えば圧縮歪が導入され、バリア層4
1bにはこの井戸層41aの圧縮歪を閉じ込めるために
引っ張り歪が導入されている。
【0012】この実施例においては、MQW層41の側
面に残る歪を面内方向に全体として補償するために、埋
め込み層42についても多層構造としている。即ち、埋
め込み層42は、MQW層41の井戸層41aに面内方
向で接する歪補償層42aと、バリア層41bに面内方
向で接する無補償層42bとの交互積層構造としてい
る。井戸層41aに圧縮歪が導入されている場合、歪補
償層42aには、引っ張り歪が導入される。
【0013】具体的に、1.3〜1.5μm 帯の長波長
レーザであるInP/InGaAs系レーザの場合を例
に挙げれば、基板1及びバッファ層2にはn型InPを
用い、上下の導波路層3,5にはそれぞれn型,p型の
InGaAsPを用いる。活性層4を構成する井戸層4
1aとバリア層41bにはそれぞれ、格子定数がInP
のそれから2%程度以下の範囲で正負にずれたInGa
As層とInGaAsP層を用いる。InGaAs系で
InPと格子整合するのは、In0.53Ga0.47Asであ
るから、例えば圧縮歪を導入する井戸層41aには、I
nリッチのIn0. 58Ga0.42Asを用い、引っ張り歪を
導入するバリア層41bには、GaリッチのIn0.45
0.55AsPを用いればよい。この様な組成制御と共
に、膜厚制御を行うことにより、井戸層41aに歪を閉
じ込め、かつ膜厚方向には全体として歪補償を行ったM
QW層41を得ることができる。
【0014】一方、埋め込み層42については、例えば
井戸層41aに上述のような圧縮歪を導入した場合、歪
補償層42aとして、GaリッチのIn0.45Ga0.55
sP層を用い、無補償層42bとして、導波路層と同じ
材料を用いればよい。なお、井戸層41aに引っ張り歪
を導入した場合には、バリア層41b及び歪補償層42
aに圧縮歪を導入すればよい。また、無補償層42bの
代わりに、歪補償層42aとは逆の歪を導入した歪補償
層を用いると、活性層4全体の歪補償はより完璧にな
る。
【0015】この実施例の半導体レーザは、MOVPE
法或いはMBE法,MOMBE法等による結晶成長の繰
り返しにより作ることができる。図2は、活性層4に着
目してその製造工程を示している。図2(a)に示すよ
うに、バッファ層及び導波路層が形成された基板10上
に、SiO2等の選択成長用マスク11を形成し、原料
ガスの切換えを行い、原子オーダーの膜厚制御を行いな
がら、バリア層41bと井戸層41aとを交互に選択エ
ピタキシャル成長させて、図2(b)に示すようにマス
ク11の開口部にMQW層41を形成する。その後マス
ク11をエッチング除去して、同様に原料ガスの切換え
を行いながら、MQW層41の周囲に無補償層42bと
歪補償層42aとを交互に選択エピタキシャル成長させ
て、図2(c)に示すように埋め込み層42を形成す
る。
【0016】この実施例によると、量子箱を構成する各
MQW層41は歪を井戸層に閉じ込めて全体として膜厚
方向に歪補償がなされ、また埋め込み層42を歪補償層
42aと無補償層42bの積層構造とすることにより、
面内方向の歪補償がなされる。この結果、転位等を生じ
させないで量子井戸構造内により大きな歪を導入するこ
とができ、導入した歪を量子井戸構造内に有効に閉じ込
めることができる。このため、優れた歪MQW構造をも
つ活性層が得られ、良好なレーザ発振特性が得られる。
【0017】図3は、この発明を量子細線構造の活性層
をもつ半導体レーザに適用した場合の活性層の要部構造
を、図1(b)に対応させて示している。この場合も、
量子細線を構成する歪MQW層41を井戸層41aとバ
リア層41bの交互積層構造により作り、その間隙に形
成する埋め込み層42を歪補償層42aと無補償層42
bの交互積層構造により作る。この実施例によっても、
先の実施例と同様の効果が得られる。
【0018】この発明は上記実施例に限られない。例え
ば実施例では半導体レーザを挙げたが、その他同様の歪
MQW層を用いた光スイッチ、光変調器、空間型光偏向
素子等の各種光デバイスに適用することができる。
【0019】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、量
子細線または量子箱構造の歪MQW層をもつ半導体装置
において、MQW層の周囲に埋め込む埋め込み層を歪補
償層と無補償層の交互積層構造とすることによって、膜
厚方向だけでなく、面内方向についても全体として歪補
償されて良質の歪MQW層が得られ、半導体レーザ等の
特性改善が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例による半導体レーザを示
す。
【図2】 同実施例の活性層の製造工程を示す。
【図3】 他の実施例による半導体レーザの活性層を示
す。
【符号の説明】
1…n型半導体基板、2…n型バッファ層、3…n型下
部導波路層、4…i型活性層、5…p型上部導波路層、
6…p型キャップ層、7…電流ブロッキング層、8,9
…電極、41…歪MQW層、41a…井戸層、41b…
バリア層、42…埋め込み層、42a…歪補償層、42
b…無補償層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、この基板上に形成された
    量子箱構造の多重量子井戸層と、この多重量子井戸層の
    周囲に埋め込まれた埋め込み層とを有する半導体装置に
    おいて、 前記多重量子井戸層は、各井戸層に歪が導入され、各井
    戸層を挟むバリア層に井戸層と逆の歪が導入されて膜厚
    方向に歪補償された歪量子井戸層であり、かつ前記埋め
    込み層は、前記井戸層にその膜厚方向と直交する方向に
    接して前記井戸層の歪を補償する歪補償層とその他の層
    を交互に積層した多層構造としたことを特徴とする歪量
    子井戸半導体装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板と、この基板上に形成された
    量子細線構造の多重量子井戸層と、この多重量子井戸層
    の間に埋め込まれた埋め込み層とを有する半導体装置に
    おいて、 前記多重量子井戸層は、各井戸層に歪が導入され、各井
    戸層を挟むバリア層に井戸層と逆の歪が導入されて膜厚
    方向に歪補償された歪量子井戸層であり、かつ前記埋め
    込み層は、前記井戸層にその膜厚方向と直交する方向に
    接して前記井戸層の歪を補償する歪補償層とその他の層
    を交互に積層した多層構造としたことを特徴とする歪量
    子井戸半導体装置。
JP2126497A 1997-02-04 1997-02-04 歪量子井戸半導体装置 Pending JPH10223982A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013239690A (ja) * 2012-04-16 2013-11-28 Sharp Corp 超格子構造、前記超格子構造を備えた半導体装置および半導体発光装置、ならびに前記超格子構造の製造方法

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