JP2013002108A - 1液型クラック補修用接着剤組成物及びクラック補修方法 - Google Patents

1液型クラック補修用接着剤組成物及びクラック補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】剥離性、硬化性及び接着性に優れ、クラック補修方法において封止及び接着に用いられる1液型クラック補修用接着剤組成物、及び該接着剤組成物を用いた作業性に優れたクラック補修方法を提供する。
【解決手段】クラックの表面を接着剤で封止すると共に補修剤注入用器具を前記接着剤で固定する工程と、補修剤をクラック内に注入する工程と、前記補修剤の硬化後に前記接着剤を剥離除去する工程と、を含むクラック補修方法において、前記接着剤として用いられる1液型クラック補修用接着剤組成物であって、(A)エチレンオキサイドキャップを有するプロポキシ化ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を反応させて得られるウレタンプレポリマー、及び(B)脂肪酸エステルを含有するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、1液型クラック補修用接着剤組成物及びクラック補修方法に関し、より詳しくは、コンクリート、タイル、石、セラミック、金属等の構造物の壁面等に生じるクラックの表面を封止すると共に、補修用樹脂注入用の器具を固定し、補修用樹脂を注入するクラック補修方法に用いられる1液型クラック補修用接着剤組成物、及び接着剤組成物を用いたクラック補修方法に関する。
従来、建築物等の壁面に生じた亀裂、空隙等のクラックの補修は、補修用樹脂を注入することにより行われている。クラック補修方法としては、補修用樹脂注入用の器具又は器具固定用の座金を接着剤で壁面に固定し、クラックの表面をシール剤(封止剤)でシールした後、補修用樹脂をクラック内に注入し、補修用樹脂が硬化した後に補修用樹脂注入用の器具及びシール剤を取り除く方法が行われている(例えば、特許文献1〜3等参照。)。
樹脂注入用の器具を固定するための接着剤及びクラックの表面をシールするためのシール剤として、特許文献1は、二液型のポリウレタン樹脂組成物、エポキシ樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂を開示している。しかしながら、二液型の樹脂は、施工時に二液の各成分を計量し、攪拌混合する必要があり、混合攪拌する際の温度変化や操作ミス等による不具合を生じやすく、作業性に問題があった。
一方、特許文献2及び3は変成シリコーン樹脂を用いて剥離性を改善する方法が開示されているが、変成シリコーン樹脂は、剥離させる際に硬化物が切れ易く、冬場など低温での硬化性に問題があった。
上記問題点を改善する方法として、本願出願人は、クラックの表面を封止剤で封止すると共に補修剤注入用器具を接着剤で固定し、補修剤をクラック内に注入するクラック補修方法であって、前記封止剤及び接着剤としてウレタンプレポリマーを含有する1液湿気硬化型ウレタン接着剤組成物を用いることを特徴とするクラックの補修方法を既に提案している(特許文献4)。
特開昭62−146364号公報 特開平9−189134号公報 特開2002−249761号公報 特開2007−9672号公報
本発明は、剥離性、硬化性及び接着性に優れ、クラック補修方法において封止及び接着に用いられる1液型クラック補修用接着剤組成物、及び該接着剤組成物を用いた作業性に優れたクラック補修方法を提供することを目的とする。
本発明者は、クラック補修方法において封止及び接着に用いられる接着剤組成物について、鋭意研究を重ねた結果、(A)エチレンオキサイドキャップを有するプロポキシ化ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を反応させて得られるウレタンプレポリマー、及び(B)脂肪酸エステルを含有する1液型接着剤組成物を用いることにより、剥離性及び硬化性を著しく向上させることができることを見出した。
即ち、本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物は、クラックの表面を接着剤で封止すると共に補修剤注入用器具を前記接着剤で固定する工程と、補修剤をクラック内に注入する工程と、前記補修剤の硬化後に前記接着剤を剥離除去する工程と、を含むクラック補修方法において、前記接着剤として用いられる1液型クラック補修用接着剤組成物であって、(A)エチレンオキサイドキャップを有するプロポキシ化ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を反応させて得られるウレタンプレポリマー、及び(B)脂肪酸エステルを含有することを特徴とする。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物において、(C)ポリアルキレンエーテルモノオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させて得られるウレタン化合物をさらに含有することが好ましい。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物において、(D)α−オレインワックスをさらに含有することが好適である。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物において、(E)脂肪酸アミドをさらに含有することが好ましい。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物において、(F)潜在性硬化剤をさらに含有することが好適である。前記潜在性硬化剤としては、オキサゾリジン又はポリアルジミンがより好適に用いられる。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物において、(G)加水分解性エステル化合物及びPTSIからなる群から選択される1種以上をさらに含有することが好ましい。
本発明のクラック補修方法は、クラックの表面を接着剤で封止すると共に補修剤注入用器具を前記接着剤で固定する工程と、補修剤をクラック内に注入する工程と、前記補修剤の硬化後に前記接着剤を剥離除去する工程と、を含むクラック補修方法であって、前記接着剤として本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物を用いることを特徴とする。
本発明によれば、剥離性、硬化性及び接着性に優れた1液型クラック補修用接着剤組成物、及び作業性に優れたクラック補修方法を提供することができる。さらに、本発明の接着剤組成物は錫触媒、鉛触媒などの金属触媒を必要とせず、極めて安全性に優れている。
クラックを補修する際の一例を示す上面概略説明図であり、(a)は補修前のクラック表面を示す上面図、(b)はクラック表面を封止し補修剤注入用器具を固定した上面図、(c)は補修後のクラック表面を示す上面図である。 クラックを補修する際の一例を示す断面概略説明図であり、(a)は補修前のクラックを示す断面図、(b)はクラック表面を封止し補修剤注入用器具を固定した断面図、(c)は補修後のクラックを示す断面図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
図1はクラックを補修する際の一例を示す上面概略説明図であり、(a)は補修前のクラック表面を示す上面図、(b)はクラック表面を封止し補修剤注入用器具を固定した上面図、(c)は補修後のクラック表面を示す上面図である。図2はクラックを補修する際の一例を示す断面概略説明図であり、(a)は補修前のクラックを示す断面図、(b)はクラック表面を封止し補修剤注入用器具を固定した断面図、(c)は補修後のクラックを示す断面図である。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物は、クラックの表面を接着剤で封止すると共に補修剤注入用器具を前記接着剤で固定する工程と、補修剤をクラック内に注入する工程と、前記補修剤の硬化後に前記接着剤を剥離除去する工程と、を含むクラック補修方法において、前記接着剤として用いられる1液型クラック補修用接着剤組成物であって、(A)エチレンオキサイドキャップを有するプロポキシ化ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を反応させて得られるウレタンプレポリマー、及び(B)脂肪酸エステルを含有することを特徴とする。
前記(A)ウレタンプレポリマーの製造に用いられるエチレンオキサイドキャップを有するプロポキシ化ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイドキャップを有する公知のプロポキシ化ポリエーテルポリオールを広く使用可能であり特に制限はないが、例えば、1〜30質量%、好ましくは10〜20質量%のエチレンオキサイドキャップを末端に有する、プロピレンオキサイドで重合したポリオキシプロピレン主鎖ポリオールが好適に用いられる。
前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量は特に制限はないが、1,000〜10,000が好ましく、4,000〜6,000がより好ましい。
これらポリエーテルポリオールは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、必要に応じて、エチレンオキサイドキャップのプロポキシ化ポリエーテルポリオール以外の公知のポリエーテルポリオールを併用してもよい。
前記(A)ウレタンプレポリマーの製造に用いられるポリイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する公知の化合物を広く使用できる。該ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族ポリイソシアネート類,ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンメチルエステルジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類,水添ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート類等が挙げられるが、これらの中では毒性や反応性、価格面等の点からMDIの使用が好ましい。これらポリイソシアネート化合物は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記ポリエーテルポリオールと、前記ポリイソシアネート化合物との反応は、イソシアネート基が過剰となるように、即ちNCO/OH当量比が、1より大となるように反応させる。その反応条件としては、特に限定されないが、例えばNCO/OH当量比1.3〜10.0の割合、より好ましくは1.5〜5.0の割合にて、窒素又はドライエアー気流中で70〜100℃で数時間反応させることにより製造される。NCO/OH当量比が1.3未満の場合はプレポリマーの粘度が高くなり作業性に問題が生じ、10を超えると発泡により不具合が生じる場合がある。
前記(A)ウレタンプレポリマーは1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物は、(A)ウレタンプレポリマーに加えて、必要に応じて、公知の他のウレタンプレポリマーを併用してもよい。
前記(B)脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、ラウリン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、オレイン酸オクチル等の脂肪酸モノエステルが挙げられ、常温で液状のものが作業性の点から好適である。前記(B)脂肪酸エステルを用いることにより、剥離性を著しく向上させることができる。
前記(B)脂肪酸エステルの配合割合は特に制限はないが、前記(A)ウレタンプレポリマー100質量部に対して、前記(B)脂肪酸エステルを0.5〜50質量部配合することが好ましく、2〜25質量部配合することがより好ましい。前記(B)脂肪酸エステルは1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物は、(C)ポリアルキレンエーテルモノオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応物をさらに含有することが好ましい。
前記ポリアルキレンエーテルモノオールの製造方法は特に制限されず、公知の製造方法により得ることができ、例えば、分子末端に1つの活性水素基としての水酸基を有する化合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類を単独で重合させたもの、あるいは共重合させたもの、あるいはこれら重合体の混合物を用いることができる。
前記分子末端に1つの活性水素基としての水酸基を有する化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノールなどの脂肪族モノアルコール類;シクロペンタノール、ジメチルシクロヘキサノールなどの脂環族モノアルコール類;ベンジルアルコールなどの芳香脂肪族モノアルコール類;フェノール、クレゾールなどの芳香族(フェノール性)モノアルコール類;などのモノアルコールが挙げられる。
これらのポリアルキレンエーテルモノオールは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ポリアルキレンエーテルモノオールのOH価は、5.5〜281.0[mgKOH/g]が好ましく、11.0〜140.3[mgKOH/g]がより好ましく、24〜125[mgKOH/g]が更に好ましい。前記ポリアルキレンエーテルモノオールとしては、ポリオキシプロピレンモノオール(ポリオキシエチレンユニットを含有するものも含む。)が好ましい。
ポリアルキレンエーテルモノオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応は、40℃〜100℃の反応条件で行うことが好ましい。この反応は、NCO/OHの当量比が1.1/1.0〜1.0/1.1であることが好適である。ポリアルキレンエーテルモノオールの水酸基をイソシアネート基と反応させることにより、水酸基が封鎖されるのみならず、イソシアネート基も実質的に全てブロックされる。ウレタン化合物(C)中に残存するイソシアネート基の含有量が0.1質量%以下であることが、発泡を抑制するという点で好適である。上記ポリアルキレンエーテルモノオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応時間を短縮するために、3級アミン、錫触媒、ビスマス触媒等の触媒を使用することが好適である。
前記(C)ウレタン化合物は、25℃における粘度が10,000mPa・s以下であることが好ましく、500mPa・s以上7,000mPa・s以下であることがより好適である。
前記(C)ウレタン化合物の配合割合は特に限定されないが、(A)ウレタンプレポリマー100質量部に対して、1〜50質量部配合させることが好ましく、5〜20質量部配合させることがより好ましい。前記(C)ウレタン化合物は1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物は、(D)α−オレインワックスをさらに含有することが好ましい。
前記(D)α−オレインワックスとしては、例えば、アローワックス(ヤスハラケミカル(株)製の商品名、低級ポリオレフィンワックス、融点80℃、粘度40mPa・s/90℃)が好適に用いられる。該(D)α−オレインワックスを用いることにより、剥離性をさらに向上させることができる。
前記(D)α−オレインワックスの配合割合は特に限定されないが、(A)ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.1〜5質量部配合させることが好ましく、0.5〜1質量部配合させることがより好ましい。前記(D)α−オレインワックスは1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物は、(E)脂肪酸アミドをさらに含有することが好適である。前記(E)脂肪酸アミドとしては、例えば、ステアリン酸モノアミド等の飽和脂肪酸モノアミド,及びエチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド等の飽和脂肪酸アミドや、オレイン酸モノアミド、エルカ酸モノアミド等の不飽和脂肪酸モノアミド,及びエチレンビスオレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸ビスアミド等の不飽和脂肪酸アミドが挙げられる。
具体的には、前記飽和脂肪酸モノアミドとしては、例えば、日本化成(株)製の商品名:ダイヤミッド(登録商標)Y、ダイヤミッド(登録商標)200、ダイヤミッド(登録商標)KH、アマイドAp−1等が挙げられる。前記飽和脂肪酸ビスアミドとしては、例えば、日本化成(株)製の商品名:ビスアマイドLA、スリパックス(登録商標)ZHS、スリパックス(登録商標)E、日油(株)製の商品名:アルフロー(登録商標)Hシリーズ等が挙げられる。前記不飽和脂肪酸アミドとしては、日本化成(株)製の商品名:ダイヤミッド(登録商標)O−200、ダイヤミッド(登録商標)L−200、スリパックス(登録商標)O、スリパックス(登録商標)ZOA、スリパックス(登録商標)ZHO等が挙げられる。
前記(E)脂肪酸アミドの配合割合は特に限定されないが、(A)ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.1〜5質量部配合させることが好ましく、0.5〜1.5質量部配合させることがより好ましい。前記(E)脂肪酸アミドは1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物は、(F)潜在性硬化剤をさらに含有することが好適である。前記潜在性硬化剤としては、加水分解によりアミンを生成する化合物が挙げられ、例えば、オキサゾリジン環を有する化合物、アルジミン化合物、ケチミン化合物、及びエナミン化合物等のアミン類とカルボニル化合物の脱水反応生成物等が好適な例として挙げられ、オキサゾリジン環を有する化合物又はポリアミンとアルデヒドの反応生成物であるポリアルジミンがより好ましい。潜在性硬化剤を用いることにより、低温硬化性を向上させることができ、冬場の施工性を更に高めることができる。さらに、潜在性硬化剤を用いることにより発泡抑制効果もある。
前記オキサゾリジン環を有する化合物としては、イソシアネート基含有化合物とオキサゾリジン環含有化合物とを反応させて得られるウレタンオキサゾリジンが好ましい。
前記ウレタンオキサゾリジンの製造に用いられるイソシアネート基含有化合物としては、ポリイソシアネートが好ましく、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートがより好ましい。
前記脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,5(2,6)−ビス(ジイソシアナト)ビシクロ[2.2.2]ヘプタン(ノルボルナンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、1−メチル−2,4−ジイソシアナト−シクロヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジイソシアネート−ヘキサン等のジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体、ビュレット体等のトリイソシアネート等が挙げられる。
前記オキサゾリジン環含有化合物としては、例えば、N−ヒドロキシアルキル−オキサゾリジン(アルコール)が挙げられる。該N−ヒドロキシアルキル−オキサゾリジンは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒドと、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等のジヒドロキシアルキルアミン等のポリヒドロキシアミンとの縮合反応等によって得られる。
前記N−ヒドロキシアルキル−オキサゾリジンとポリイソシアネートとの反応は、N−ヒドロキシアルキル−オキサゾリジン中の水酸基/ポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル比が、1/1〜1/1.2で反応させるのが好ましい。
前記ポリアルジミンとしては、加水分解によりアミンを生成する従来公知のポリアルジミンを広く使用可能であるが、芳香族アルデヒドから誘導されるポリアルジミンが好ましく、下記一般式(1)で示されるポリアルジミンがさらに好ましい。これらポリアルジミンは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても良い。
Figure 2013002108
式(1)中、R1は炭素数6〜15のアリール基であり、フェニル基及び1以上の置換基で置換された置換フェニル基が挙げられる。置換基としては炭素数が1〜9のアルキル基、炭素数が1〜9のアルコキシ基等が好ましい。上記アリール基の置換基数としては1〜3のものが好ましい。R1としては、具体的には、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基等が好適な例として挙げられる。R1は1分子中で同一であっても異なっていても良い。
式(1)中、R2は、炭素数2〜15で2価又は3価の炭化水素基、分子量が70〜6,000で2価又は3価のポリオキシアルキレン基、イソホロンジアミンのアミノ残基、又は下記一般式(2)で示されるアミンのアミノ残基である。なお、式(1)及び(2)中、nは2又は3を示す。
Figure 2013002108
但し、式(2)中、R3は炭素数6〜13で、かつ2価又は3価のビシクロ環、またはトリシクロ環からなる炭化水素基であり、ビシクロ環、トリシクロ環のシクロ環の炭素数は5〜12のものが好ましい。更にシクロ環は置換基を有するものでも良い。置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基等が好ましい。
前記ポリアルジミンの製造方法は特に限定されず、ポリアミンとアルデヒドとを反応させる等の公知の方法で簡単に製造可能である。例えば、ポリアミンとアルデヒドとをトルエン、キシレン、酢酸ブチル又はメチルシクロヘキサン等の溶剤中で、酸触媒下にて加熱して共沸による脱水反応を行ない、水滴分離器内において水分の留出が停止するまで反応を続行することにより、ポリアルジミンが得られる。ポリアミンとアルデヒドとの混合割合はアミン1当量に対してアルデヒド1〜2当量が適当である。反応は通常数時間で終了する。反応終了後、反応混合物を減圧にする等の方法でアルデヒド、溶媒等を留去して、ポリアルジミンを得ることができる。
前記ポリアミンとしては、例えば、(a)エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン,4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,5−又は2,6−ジアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ジアミノシクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン等の脂環族ジアミン,ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−又は2,6−ジアミン等の芳香族ジアミン,水、エチレングリコール、プロピレングリコール等にプロピレンオキサイド及び/又はエチレンオキサイドを付加重合して得たポリオキシアルキレングリコール類のヒドロキシル基をアミノ基に変換して得られるポリオキシアルキレンジアミン等のジアミン、並びに(b)1,3,5−トリス(アミノメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(アミノメチル)シクロヘキサン等のトリアミン,グリセリン、トリメチロールプロパン等にプロピレンオキサイド及び/又はエチレンオキサイドを付加重合して得たポリオキシアルキレントリオール類のヒドロキシル基をアミノ基に変換して得られるポリオキシアルキレントリアミン等のトリアミン等が挙げられ、特に融点50℃以下の低融点ポリアミンが好ましい。
前記アルデヒドとしては、例えば、ベンズアルデヒド、o−トルアルデヒド、m−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、4−エチルベンズアルデヒド、4−プロピルベンズアルデヒド、4−ブチルベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド、p−アニスアルデヒド、p−エトキシベンズアルデヒド等が挙げられる。
潜在性硬化剤の配合割合は特に限定されないが、加水分解してアミン類を生成する化合物を用いる場合、加水分解して生ずるアミン類のアミノ基の数と、ウレタンプレポリマーに含まれるイソシアネート基の数との比が、0.1〜1.0、より好ましくは0.2〜0.6とする事が望ましい。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物に(F)潜在性硬化剤を配合する場合、該潜在性硬化剤の加水分解を促進させる化合物をさらに配合することが好ましい。該加水分解を促進させる化合物としては、例えば、(G)加水分解性エステル化合物及びPTSIからなる群から選択される1種以上が挙げられる。これらの化合物は単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。2種以上組み合わせて使用する場合、その組み合わせも特に限定されず、例えば、加水分解性エステル化合物とp−トルエンスルホニルイソシアネートを併用しても良い。
前記加水分解性エステル化合物は、水分により加水分解して遊離酸を生じ、アルジミンの加水分解を促進させるものであり、例えば、ギ酸メチル等のエステル類,オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル等のオルトギ酸エステル,シクロヘキサノンジメチルアセタール等のアセタール類が貯蔵安定性の点で好ましい。p−トルエンスルホニルイソシアネートは、下記式(3)で示される化合物であり、ホスゲンを用いたり、ホフマン分解による公知のイソシアネート合成法によって得ることができるが、住友バイエルウレタン社製のアディティブTI等の市販品を使用することができる。また、p−トルエンスルホニルイソシアネートの誘導体を使用してもよく、該誘導体も本発明に含まれる。
Figure 2013002108
潜在性硬化剤の加水分解を促進させる化合物の配合割合は特に限定されないが、ウレタンプレポリマー100質量部に対して0.1〜20質量部、特に0.1〜6質量部配合させることが好ましい。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物には、必要に応じて、硬化触媒、充填剤、可塑剤、接着付与剤、物性調整剤、離型剤、滑剤、揺変剤、脱水剤(保存安定性改良剤)、粘着付与剤、垂れ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、ラジカル重合開始剤などの各種添加剤やトルエンやアルコール等の各種溶剤を配合してもよい。
前記硬化触媒は、ウレタンプレポリマーの硬化を促進するための触媒であり、例えば、有機金属化合物やアミン類等が挙げられる。
前記有機金属化合物としては、例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の2価の有機錫化合物;ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛等の有機酸鉛塩;テトラ−n−ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ロジン酸ビスマス等の有機ビスマス化合物;オクチル酸ジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物;ナフテン酸コバルト等の有機コバルト化合物;有機亜鉛化合物;有機マンガン化合物;有機鉄化合物;ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)等の錫系キレート化合物、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトンマグネシウム、アセチルアセトンビスマス、アセチルアセトンニッケル、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンマンガン等の各種金属のキレート化合物が挙げられる。これらのうち、反応速度が高く、毒性及び揮発性の比較的低い液体である点から有機錫化合物や金属キレート化合物が好ましく、錫系キレート化合物がより好ましい。
前記アミン類としては、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン等の第1級アミン類、ジブチルアミン、ジオクチルアミン等の第2級アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の第1級、第2級アミン類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン等の第3級アミン類、或いはこれらのアミン類とカルボン酸等の塩類が挙げられる。
硬化触媒の配合割合は特に限定されないが、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.01〜10質量部配合することが好ましく、0.01〜2質量部配合することがより好ましい。
充填剤としては、各種形状の有機又は無機のものがあり、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;カーボンブラック;クレー;タルク;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;カオリン;硅藻土;ゼオライト;酸化チタン、生石灰、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化マグネシウム;硫酸アルミニウム;塩化ビニルペーストレジン;ガラスバルーン、シラスバルーン、サランバルーン、フェノールバルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーン等の無機質バルーン、有機質バルーン等;あるいはこれらの脂肪酸、脂肪酸エステル処理物等が挙げられ、単独で、または混合して使用することができる。上記充填剤としては、透明性を高めるために微粉末シリカを用いることが好ましい。該微粉末シリカとしては、例えば、アエロジルRY−200S[日本アエロジル(株)製の商品名]及びアエロジルR972[日本アエロジル(株)製の商品名]等の疎水性シリカ微粉末、並びにヒューズレックスE2[(株)龍森製の商品名]等の親水性シリカ微粉末が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジペート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルアジペート、ジイソデシルフタレート、トリオクチルホスヘート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油等が挙げられ、単独又は混合して使用することができる。
本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物は大気中の湿気により常温で硬化することが可能であり、常温湿気硬化型組成物として好適に用いられるが、必要に応じて、適宜、加熱により硬化を促進させてもよい。
図1及び図2は本発明のクラック補修方法の一例を示す概略説明図である。図1及び図2に示した如く、補修対象であるクラック10の表面[図1(a)及び図2(a)]に本発明の1液型クラック補修用接着剤組成物を用いた接着剤12を塗布等で施工してクラック10の表面を封止し、該接着剤12により補修剤注入用器具20を固定する[図1(b)及び図2(b)]。その後、該注入用器具20の注入口30からクラック10内に補修剤14を注入し、補修剤14硬化後に前記接着剤12を剥離除去する[図1(c)及び図2(c)]。なお、クラック表面への補修剤注入用器具の固定は、補修剤注入用器具を直接接着剤組成物でクラック表面に固定しても良く、また該注入用器具固定用の座金等を接着剤組成物で固定し、座金(図示せず)を介して注入用器具をクラック表面に固定しても良い。
前記補修剤は特に限定されず、クラックの補修に使用される公知の補修剤、例えばエポキシ樹脂等を使用すればよい。また、補修用注入用器具も特に限定されず公知の器具を用いることができる。例えば、注入用金具を前記接着剤組成物でクラック表面に固定した後、注入ガンを用いて注入口から補修剤を注入充填し、クラックを補修することができる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(合成例1)
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)510質量部と、Voranol CP6001(Dow Chemical Company製の商品名、15%のエチレンオキサイドキャップを有する2080当量のプロポキシ化ポリエーテルポリオール、OH価27mgKOH/g)4185質量部とを70℃にて7時間反応させ、イソシアネート基を末端とするポリウレタンプレポリマーA1を得た。末端NCO基は1.83質量%であった。
(合成例2)
2,4−トリレンジイソシアネート805質量部と、ポリオキシプロピレングリコール(OH価38mgKOH/g)2790質量部と、ポリオキシプロピレントリオール(OH価34mgKOH/g)4500質量部とを80℃にて7時間反応させ、イソシアネート基を末端とするポリウレタンプレポリマーXを得た。末端NCO基は2.40質量%であった。
(合成例3)
ポリオキシプロピレンモノオール(アクトコールEH−25、三井化学(株)製、OH価27.2mgKOH/g)200gにヘキサメチレンジイソシアネート14.1gを加え、80℃で10時間反応させ、ウレタン化合物C1を得た。ウレタン化合物C1のNCO含量は0.09%、粘度は6,400mPa・s/25℃であった。
(合成例4)
ヘキサメチレンジイソシアネートの代わりにトリレンジイソシアネートを用いた以外は合成例3と同様の方法によりウレタン化合物Yを得た。ウレタン化合物YのNCO含量は0.00%、粘度は10,800mPa・s/25℃であった。
(合成例5)
反応器に2−(2−プロピル−1,3−オキサゾリジン−3−イル)−エタノールとイソホロンジイソシアネートとをモル比で2:1となるように充填し、混合物を100℃で6時間反応させてウレタンポリオキサゾリジンであるビスオキサゾリジンを得た。
(実施例1〜5)
表1に示す如く各配合物質を配合し、窒素気流下90℃で攪拌混合し1液型クラック補修用接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物に対して下記試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2013002108
表1における各配合物質の配合割合は質量部で示され、各配合物質の詳細は次の通りである。
ウレタンプレポリマーA1:合成例1で得たウレタンプレポリマーA1
ウレタンプレポリマーX:合成例2で得たウレタンプレポリマーX
ステアリン酸オクチル:商品名ユニスター(登録商標)MB876、日油(株)製、外観:淡黄色液体。
パルミチン酸オクチル:商品名ユニスター(登録商標)MB816、日油(株)製、外観:淡黄色液体。
ウレタン化合物C1:合成例3で得たウレタン化合物C1
ウレタン化合物Y:合成例4で得たウレタン化合物Y
α−オレインワックス:商品名アローワックス、ヤスハラケミカル(株)製。
オレイン酸モノアミド:商品名アルフロー(登録商標)E−10、日油(株)製。
ウレタンオキサゾリジン:合成例5で得たビスオキサゾリジン。
アルジミン:商品名ALD−1、三井化学(株)製。
OFM:オルトギ酸メチル
PTSI:p−トルエンスルホニルイソシアネート
DINP:ジイソノニルフタレート
表面処理炭酸カルシウム:商品名カルファイン200、丸尾カルシウム(株)製。
重質炭酸カルシウム:商品名ホワイトンSB、備北粉化工業(株)製。
(試験方法)
1)常温及び低温硬化時の剥離性試験
JIS R 5201:1997 10.4項により作製したセメントモルタル板上に幅30mm、厚さ1mmに前記得られた接着剤組成物を塗布し、常温で1日間放置した後、手で接着剤組成物の硬化物を剥がし、常温硬化時の剥離性について評価した。評価基準は下記の通りである。
◎:硬化物を剥がし易く、硬化物の切れがなく且つ痕跡が残らず剥がせる。
○:硬化物をやや剥がし難いが、切れがなく且つ痕跡が残らず剥がせる。
×:硬化物が切れる、又は痕跡が残る。
さらに、セメントモルタル板上に幅30mm、厚さ1mmに前記得られた接着剤組成物を塗布し、5℃で12時間、16時間及び24時間放置した後、手で接着剤組成物の硬化物を剥がし、低温硬化時の剥離性について評価した。評価基準は下記の通りである。
◎:塗布後12時間で硬化物の切れがなく且つ痕跡が残らず剥がせる。
○:塗布後16時間で硬化物の切れがなく且つ痕跡が残らず剥がせる。
△:塗布後24時間で硬化物の切れがなく且つ痕跡が残らず剥がせる。
×:硬化物が切れる、又は痕跡が残る。
2)剥離接着性試験
セメントモルタル板上に前記得られた接着剤組成物を幅30mm、厚さ3mmに塗布した後、常温で3日間(常温硬化性試験において評価が×のものは7日間)放置し、180°剥離試験(引張速度300mm/min)を実施し、剥離接着強さを測定し、セメントモルタル板上に接着剤の痕跡が残るか確認した。また、接着剤からのブリードの有無も確認した。評価基準は下記の通りである。
◎:ブリードなし、○:若干ブリードあるが、目立たない、×:ブリードあり。
Figure 2013002108
表2に示した如く、本発明の接着剤組成物は常温及び低温硬化時の剥離性に優れており、表面が脆弱な為、スレート等に比べて剥離し難いセメントモルタル板に対しても、充分な硬化性及び剥離性を示した。さらに、本発明の接着剤組成物は錫触媒、鉛触媒などの金属触媒を使用せずに十分な硬化性及び接着性を示した。
(比較例1〜4)
表3に示す如く配合物質を変更した以外は実施例1と同様の方法で接着剤組成物を調製し、測定を行った。結果を表4に示す。
Figure 2013002108
表3における各配合物質の配合割合は質量部で示され、各配合物質の詳細は表1と同じである。
Figure 2013002108
10:クラック、12:接着剤、14:補修剤、20:補修剤注入用器具、30:注入口。

Claims (7)

  1. クラックの表面を接着剤で封止すると共に補修剤注入用器具を前記接着剤で固定する工程と、
    補修剤をクラック内に注入する工程と、
    前記補修剤の硬化後に前記接着剤を剥離除去する工程と、
    を含むクラック補修方法において、前記接着剤として用いられる1液型クラック補修用接着剤組成物であって、
    (A)エチレンオキサイドキャップを有するプロポキシ化ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を反応させて得られるウレタンプレポリマー、及び
    (B)脂肪酸エステル
    を含有することを特徴とする1液型クラック補修用接着剤組成物。
  2. (C)ポリアルキレンエーテルモノオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させて得られるウレタン化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1記載の1液型クラック補修用接着剤組成物。
  3. (D)α−オレインワックスをさらに含有することを特徴とする請求項1又は2記載の1液型クラック補修用接着剤組成物。
  4. (E)脂肪酸アミドをさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の1液型クラック補修用接着剤組成物。
  5. (F)潜在性硬化剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の1液型クラック補修用接着剤組成物。
  6. (G)加水分解性エステル化合物及びPTSIからなる群から選択される1種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の1液型クラック補修用接着剤組成物。
  7. クラックの表面を接着剤で封止すると共に補修剤注入用器具を前記接着剤で固定する工程と、
    補修剤をクラック内に注入する工程と、
    前記補修剤の硬化後に前記接着剤を剥離除去する工程と、
    を含むクラック補修方法であって、
    前記接着剤として請求項1〜6のいずれか1項記載の1液型クラック補修用接着剤組成物を用いることを特徴とするクラック補修方法。
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