JP5991476B2 - 物品の接着固定方法及びそれを用いた物品接着固定構造体 - Google Patents

物品の接着固定方法及びそれを用いた物品接着固定構造体 Download PDF

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Description

本発明は、天井面、窓面又は壁面などの被着体に物品を接着固定するための物品の接着固定方法及びそれを用いた物品接着固定構造体に関する。
従来、天井面、窓面又は壁面などの被着体に物品を固定するためのものとして、両面テープや吸盤が広く用いられている。
しかし、吸盤は、被着体の面が平滑でないと使用することができず、両面テープも被着体の面が平滑でないと接着しづらい。例えば、コンクリートやモルタル或いはサイディング材の面などの凹凸面に物品を両面テープで接着固定しようとしてもすぐに剥がれて物品が外れてしまうという問題があった。
さらに、多様化した目的に合わせて、さまざまなタイプの粘着フィルムや粘着タブなどの、いわゆる粘着テープが提案され、実用化されている。例えば、再剥離性を特徴とする粘着テープとして、粘着テープを延伸して、被着体に損害を与えることなく除去され得る粘着テープが近年実用化されている。
例えば、特許文献1は、裏地及びその少なくとも1つの主表面に担持された感圧接着剤を含んで成る接着テープであって、該裏地は150%〜1200%の長手方向の破断点伸び、延伸された後50%未満の弾性回復、及び少なくとも175.8kg/cm2 (2500psi)であるが5097kg/cm2 (72,500psi)未満のヤング率を有し、そして該テープが基材(本発明でいう被着体)に強く結合することができそしてさらに基材の表面から35゜以下の角度で引っ張られた後に除去され得るものであり、該裏地は、それが基材の表面からの該テープの除去に先立って破壊されない程十分に高い破断点引張り強さを有する、ことを特徴とする除去可能な接着テープを記載している(特許文献1、特許請求の範囲)。この接着テープは、良好な再剥離性を有しているけれども、近年の多様化された要求に応えるため、例えば粘着性と凝集力の良好なバランス、高められた温湿度条件下(湿熱環境下)や水を使用した環境下での使用安定性、被着体に由来する可塑剤のマイグレーション(移行)による粘着性の低下の防止などといった画期的に優れた特性を有することが望ましい。
また、特許文献2は、例えばスチレン−ブタジエンブロック共重合体のような熱可塑性ゴム及び例えばロジン誘導体のような接着剤形成性樹脂をベースとした再剥離性接着のための接着テープであって、高いゴム弾性と低い可塑性を有し、接着力が凝集力よりも小さく、テープの伸長により保持力が適度に減少し、剥離強度対引張り強度の比が1:2もしくはそれよりも大であり、かつ接着テープの伸長中、そのテープによって発現された接着剤による結合が、接着面の方向において解消され得ることを特徴とする接着テープを記載している(特許文献2、特許請求の範囲)。この接着テープも、延伸して、被着体に損害を与えることなく除去できると報告されている。しかし、この接着テープは、可塑剤を含んだ塩化ビニル系壁紙に適用した場合、可塑剤がテープの接着剤にマイグレートし、接着力及び凝集力がともに減少し、使用に耐えなくなるという問題が発生する。
一方、可塑剤を多量に含有する軟質塩化ビニルフィルムに貼り合わせるのに適した粘着テープも多数提案されている。
例えば、特許文献3は、多層粘着剤層が形成された粘着テープであって、露出粘着剤層が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー100重量部と窒素含有(メタ)アクリル系モノマー1〜10重量部との共重合体を主体とする粘着剤からなり、これに連なる粘着剤層が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体を主体とする粘着剤からなることを特徴とするアクリル系粘着テープを記載している(特許文献3、特許請求の範囲、段落0040)。この粘着テープの場合、初期粘着力と凝集力のいずれもが充分な値を示し、両者が調和して、塩化ビニル樹脂、就中、可塑化塩化ビニル樹脂に対する可塑剤等の移行のない極めて優れた接着性能を示すと報告されている。そこで本発明者らは、ここで提案されている粘着剤を上記特許文献1に記載の接着テープの感圧接着剤に適用した。しかし、この粘着剤を使用した接着テープは、接着テープを被着体から剥離して除去するとき、例えば粘着剤の凝集力が不足するために被着体に糊残りを生じたり、高接着力のために被着体を傷つける問題があった。
特許文献4には、「粘着組成物及び粘着テープを、被着体に貼付した後、粘着テープを延伸して被着体から容易に除去することができ、しかも被着体における糊残りを生じない再剥離性の粘着テープと、そのような粘着テープにおいて好適に使用される粘着剤組成物に関する。本発明はまた、本発明の粘着テープを備えた接着構造体に関する。本発明の粘着テープは、粘着力と凝集力のバランスに優れており、各種の被着体に対して有利に適用することができる。本発明の粘着テープは、1つの面において、可塑剤を含む塩化ビニル系の壁紙に適用したときにその壁紙に損害を与えることなく剥離することができる。また、もう1つの面において、本発明の粘着テープは、表面の凹凸模様が顕著な壁紙やフィルム、シートなどや、モルタル壁、リシン仕上げ壁、コンクリート壁などの、表面に顕著な凹凸模様を備えているかもしくは表面に粗面加工が施されているいろいろなタイプの被着体に適用したときに、それらの被着体に強固に貼付することができ、かつそれらの被着体に損害を与えることなく剥離することができる。」(特許文献4、段落0002など)という報告があったが、この場合、粘着テープであるため、剥離紙がゴミとなってしまうという問題があった。
そして、凹凸面に物品を両面テープで接着できたとしても接着強度的に弱く剥がれやすいという問題があった。とはいうものの接着強度を上げようとすると、壁面などを損傷してしまうおそれがある。さらに、両面テープの場合には剥離紙がゴミとなってしまったり、両面テープの幅や厚みを制御できず、物品の寸法に適合したものしか使えないという問題があった。
さらに、天井面、窓面又は壁面などの被着体に物品を接着固定するための接着剤も市販されているが、物品を外して接着剤層を被着体から剥がす時に、途中で切れてしまい、剥がしにくいという問題があった。特に、接着剤を厚さ0.5mm程度に薄く塗った場合には、接着剤層が途中で切れ易く剥がしにくいという問題があった。
また、特許文献5には易剥離性の変成シリコーン系接着剤が開示されているが、上記した接着剤と同様に、接着剤層を剥がす時に途中で切れてしまったりして、剥がしにくいという問題があった。
特表平6−504077号公報 ドイツ特許公開公報第3331016号公報 特開平8−311414号公報 特開2005−194525号公報 特開2010−111726号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、コンクリートなどの凹凸面にも適用でき、剥がす際に剥がし易い物品の接着固定方法及びそれを用いた物品接着固定構造体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の物品の接着固定方法は、(A)エチレンオキサイドキャップを有するプロポキシ化ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を反応させて得られるウレタンプレポリマー、及び (B)脂肪酸エステル及び/又は(B’)ブチレンオキサイドの開環重合により得られるポリエーテル鎖部分を含むポリエーテルポリオールを含有する1液型剥離性接着剤を用いて、前記1液型剥離性接着剤が液状のまま前記1液型剥離性接着剤を介して被着体と物品とを貼り合わせることで、前記物品が前記被着体に剥離可能に接着固定されることを特徴とする。
前記1液型剥離性接着剤が、(C)ポリアルキレンエーテルモノオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させて得られるウレタン化合物をさらに含有することが好ましい。
前記1液型剥離性接着剤が、(D)α−オレフィンワックスをさらに含有することが好適である。
前記1液型剥離性接着剤が、(E)脂肪酸アミドをさらに含有することが好ましい。
前記1液型剥離性接着剤が、(F)潜在性硬化剤をさらに含有することが好適である。前記潜在性硬化剤としては、オキサゾリジン又はポリアルジミンがより好適に用いられる。
前記1液型剥離性接着剤が、(G)加水分解性エステル化合物及びPTSIからなる群から選択される1種以上をさらに含有することが好ましい。
前記被着体は、平滑面であっても凹凸面であっても物品を剥離可能に接着固定することができる。特に、前記被着体が凹凸面であっても物品を剥離可能に接着固定することができるのが本発明の物品の接着固定方法の特徴である。このように、従来は物品を剥離可能に接着固定することが難しかったコンクリートやモルタル或いはサイディング材、さらには壁紙、木材、石膏ボードなどの面にも適用できる。
前記被着体としては、様々なものに適用できるが、例えば天井面、窓面又は壁面である。
本発明の物品の接着固定方法に用いられる1液型剥離性接着剤は、優れたゴム弾性と接着耐久性、剪断強度と剥離強度とのバランス、熱間強度を有するため、本発明の物品の接着固定方法は、家具・家電等の転倒防止対策用マットの代替、ユニットバス等での吸盤の代替、両面テープの代替等の用途でも用いることができる。また、汎用用途として、カレンダー・ポスター等の壁掛け、時計等の壁掛け、プラスチックの貼り付け(デコ携帯、デコ手帳)、つけ爪等に用いることができる。また、工業用途として、FPD(フラットパネルディスプレイ)の接着シール等に用いることができる。
前記物品としては、本発明の物品の接着固定方法に用いられる1液型剥離性接着剤で剥離可能に接着固定できるものであればいずれの物品も含まれる。例えば、フックや吸盤のほか、家具やインテリア雑貨、プラスチック製品、木製製品、ガラス又はセラミック製品、金属製品などの物品といった前記1液型剥離性接着剤で剥離可能に接着固定できるものであればいずれの物品にも適用可能である。また、上述のように工業用途として使用する場合でも、例えば、プラスチック材料、木製材料、ガラス又はセラミック材料、金属材料などの物品といった前記1液型剥離性接着剤で剥離可能に接着固定できるものであればいずれの物品にも適用可能である。
本発明の物品接着固定構造体は、本発明の物品の接着固定方法を用いて、前記被着体に前記物品が剥離可能に接着固定されてなる物品接着固定構造体である。
前記被着体及び前記物品の間に挟まれた前記1液型剥離性接着剤に、剥離し易いように摘み部を形成してなるのが好ましい。
また、前記物品に、剥離し易いように摘み部を形成するようにしてもよい。
本発明によれば、コンクリートなどの凹凸面にも適用でき、剥がす際に剥がし易い物品の接着固定方法及びそれを用いた物品接着固定構造体を提供することができるという著大な効果を奏する。
本発明の物品の接着固定方法を用いて被着体に物品が剥離可能に接着固定されてなる物品接着固定構造体の一つの実施の形態を示す斜視図である。 本発明の物品の接着固定方法を用いて被着体に物品を剥離可能に接着固定させる方法を示す模式的説明図である。 被着体及び物品の間に挟まれた1液型剥離性接着剤に、剥離し易いように摘み部を形成した一つの実施の形態を示す斜視図である。 被着体及び物品の間に挟まれた1液型剥離性接着剤に、剥離し易いように摘み部を形成した別の実施の形態を示す斜視図である。 被着体に接着固定される物品に、剥離し易いように摘み部を形成した一つの実施の形態を示す斜視図である。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これらは例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。なお、図において、同一の部材は同一の符号を使用する。
図1において、符号10は、本発明に係る物品接着固定構造体を示す。物品接着固定構造体10は、1液型剥離性接着剤12を介して被着体14に物品16が剥離可能に接着固定されてなる。
図示例では、被着体14としては、コンクリート壁の例を示し、物品16としては、フック部材の例を示した。
次に、1液型剥離性接着剤12を介して被着体14に物品16を剥離可能に接着固定させて物品接着固定構造体10とする方法を図2に示す。
物品16(又は被着体14)に接着剤容器18から1液型剥離性接着剤12を塗布する。そして、前記1液型剥離性接着剤12が液状のまま前記1液型剥離性接着剤12を介して前記被着体14と前記物品16とを貼り合わせる。これにより、物品16が被着体14に剥離可能に接着固定される。
また、図3によく示される如く、被着体14及び物品20(図示例ではフック部材)の間に挟まれた1液型剥離性接着剤12に、剥離し易いように摘み部22を形成してもよい。摘み部22は、例えば紙やプラスチックシートなどを1液型剥離性接着剤12に接着させて形成することが可能である。そして、物品20を外す際に、1液型剥離性接着剤12を剥がす必要があるが、このとき摘み部22を引っ張れば簡単に剥がすことができる。
さらに、図4によく示される如く、被着体14及び物品20の間に挟まれた1液型剥離性接着剤12を被着体14及び物品20の間からはみ出させることにより、剥離し易いようにした摘み部24を形成してもよい。そして、物品20を外す際に、1液型剥離性接着剤12を剥がす必要があるが、このとき摘み部24を引っ張れば簡単に剥がすことができる。
さらにまた、図5によく示される如く、1液型剥離性接着剤12を介して被着体14と物品26(図示例ではフック部材)とを貼り合わせて接着固定するにあたって、物品26に、剥離し易いように摘み部28を形成するようにしてもよい。例えば、物品26がプラスチック製の場合には、プラスチックで突起を設ければ摘み部28となる。そして、物品26を外す際に、1液型剥離性接着剤12を剥がす必要があるが、このとき摘み部28を引っ張れば簡単に剥がすことができる。
1液型剥離性接着剤12としては、(A)エチレンオキサイドキャップを有するプロポキシ化ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を反応させて得られるウレタンプレポリマー、及び(B)脂肪酸エステル及び/又は(B’)ブチレンオキサイドの開環重合により得られるポリエーテル鎖部分を含むポリエーテルポリオールを含有する1液型剥離性接着剤が用いられる。
前記(A)ウレタンプレポリマーの製造に用いられるエチレンオキサイドキャップを有するプロポキシ化ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイドキャップを有する公知のプロポキシ化ポリエーテルポリオールを広く使用可能であり特に制限はないが、例えば、1〜30質量%、好ましくは10〜20質量%のエチレンオキサイドキャップを末端に有する、プロピレンオキサイドで重合したポリオキシプロピレン主鎖ポリオールが好適に用いられる。
前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量は特に制限はないが、1,000〜10,000が好ましく、4,000〜6,000がより好ましい。
これらポリエーテルポリオールは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、必要に応じて、エチレンオキサイドキャップのプロポキシ化ポリエーテルポリオール以外の公知のポリエーテルポリオールを併用してもよい。
前記(A)ウレタンプレポリマーの製造に用いられるポリイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する公知の化合物を広く使用できる。該ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族ポリイソシアネート類,ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンメチルエステルジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類,水添ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート類等が挙げられるが、これらの中では毒性や反応性、価格面等の点からMDIの使用が好ましい。これらポリイソシアネート化合物は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記ポリエーテルポリオールと、前記ポリイソシアネート化合物との反応は、イソシアネート基が過剰となるように、即ちNCO/OH当量比が、1より大となるように反応させる。その反応条件としては、特に限定されないが、例えばNCO/OH当量比1.3〜10.0の割合、より好ましくは1.5〜5.0の割合にて、窒素又はドライエアー気流中で70〜100℃で数時間反応させることにより製造される。NCO/OH当量比が1.3未満の場合はプレポリマーの粘度が高くなり作業性に問題が生じ、10を超えると発泡により不具合が生じる場合がある。
前記(A)ウレタンプレポリマーは1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、本発明の1液型剥離性接着剤は、(A)ウレタンプレポリマーに加えて、必要に応じて、公知の他のウレタンプレポリマーを併用してもよい。
前記(B)脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、ラウリン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、オレイン酸オクチル等の脂肪酸モノエステルが挙げられ、常温で液状のものが作業性の点から好適である。前記(B)脂肪酸エステルを用いることにより、剥離性を著しく向上させることができる。
前記(B)脂肪酸エステルの配合割合は特に制限はないが、前記(A)ウレタンプレポリマー100質量部に対して、前記(B)脂肪酸エステルを0.5〜50質量部配合することが好ましく、2〜25質量部配合することがより好ましい。前記(B)脂肪酸エステルは1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記(B’)ブチレンオキサイドの開環重合により得られるポリエーテル鎖部分を含むポリエーテルポリオールとしては、ポリブチレングリコール、トリメチロールプロパン等のポリオールのブチレンオキサイド付加物が挙げられる。これらポリエーテルポリオール(B’)は数平均分子量が1000〜5000であることが好ましい。前記(B’)ブチレンオキサイドの開環重合により得られるポリエーテル鎖部分を含むポリエーテルポリオールを用いることにより、剥離性を著しく向上させることができる。
前記(B’)ブチレンオキサイドの開環重合により得られるポリエーテル鎖部分を含むポリエーテルポリオールの配合割合は特に制限はないが、前記(A)ウレタンプレポリマー100質量部に対して、前記(B’)ブチレンオキサイドの開環重合により得られるポリエーテル鎖部分を含むポリエーテルポリオールを0.5〜50質量部配合することが好ましく、2〜25質量部配合することがより好ましい。前記(B’)ブチレンオキサイドの開環重合により得られるポリエーテル鎖部分を含むポリエーテルポリオールは1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記1液型剥離性接着剤は、(C)ポリアルキレンエーテルモノオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応物をさらに含有することが好ましい。前記ポリアルキレンエーテルモノオールの製造方法は特に制限されず、公知の製造方法により得ることができ、例えば、分子末端に1つの活性水素基としての水酸基を有する化合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類を単独で重合させたもの、あるいは共重合させたもの、あるいはこれら重合体の混合物を用いることができる。
前記分子末端に1つの活性水素基としての水酸基を有する化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノールなどの脂肪族モノアルコール類;シクロペンタノール、ジメチルシクロヘキサノールなどの脂環族モノアルコール類;ベンジルアルコールなどの芳香脂肪族モノアルコール類;フェノール、クレゾールなどの芳香族(フェノール性)モノアルコール類;などのモノアルコールが挙げられる。
これらのポリアルキレンエーテルモノオールは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ポリアルキレンエーテルモノオールのOH価は、5.5〜281.0[mgKOH/g]が好ましく、11.0〜140.3[mgKOH/g]がより好ましく、24〜125[mgKOH/g]が更に好ましい。前記ポリアルキレンエーテルモノオールとしては、ポリオキシプロピレンモノオール(ポリオキシエチレンユニットを含有するものも含む。)が好ましい。
ポリアルキレンエーテルモノオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応は、40℃〜100℃の反応条件で行うことが好ましい。この反応は、NCO/OHの当量比が1.1/1.0〜1.0/1.1であることが好適である。ポリアルキレンエーテルモノオールの水酸基をイソシアネート基と反応させることにより、水酸基が封鎖されるのみならず、イソシアネート基も実質的に全てブロックされる。ウレタン化合物(C)中に残存するイソシアネート基の含有量が0.1質量%以下であることが、発泡を抑制するという点で好適である。上記ポリアルキレンエーテルモノオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応時間を短縮するために、3級アミン、錫触媒、ビスマス触媒等の触媒を使用することが好適である。
前記(C)ウレタン化合物は、25℃における粘度が10,000mPa・s以下であることが好ましく、500mPa・s以上7,000mPa・s以下であることがより好適である。
前記(C)ウレタン化合物の配合割合は特に限定されないが、(A)ウレタンプレポリマー100質量部に対して、1〜50質量部配合させることが好ましく、5〜20質量部配合させることがより好ましい。前記(C)ウレタン化合物は1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記1液型剥離性接着剤は、(D)α−オレフィンワックスをさらに含有することが好ましい。
前記(D)α−オレフィンワックスとしては、例えば、アローワックス(ヤスハラケミカル(株)製の商品名、低級ポリオレフィンワックス、融点80℃、粘度40mPa・s/90℃)が好適に用いられる。該(D)α−オレフィンワックスを用いることにより、剥離性をさらに向上させることができる。
前記(D)α−オレフィンワックスの配合割合は特に限定されないが、(A)ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.1〜5質量部配合させることが好ましく、0.5〜1質量部配合させることがより好ましい。前記(D)α−オレフィンワックスは1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記1液型剥離性接着剤は、(E)脂肪酸アミドをさらに含有することが好適である。前記(E)脂肪酸アミドとしては、例えば、ステアリン酸モノアミド等の飽和脂肪酸モノアミド,及びエチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド等の飽和脂肪酸アミドや、オレイン酸モノアミド、エルカ酸モノアミド等の不飽和脂肪酸モノアミド,及びエチレンビスオレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸ビスアミド等の不飽和脂肪酸アミドが挙げられる。
具体的には、前記飽和脂肪酸モノアミドとしては、例えば、日本化成(株)製の商品名:ダイヤミッド(登録商標)Y、ダイヤミッド(登録商標)200、ダイヤミッド(登録商標)KH、アマイドAp−1等が挙げられる。前記飽和脂肪酸ビスアミドとしては、例えば、日本化成(株)製の商品名:ビスアマイドLA、スリパックス(登録商標)ZHS、スリパックス(登録商標)E、日油(株)製の商品名:アルフロー(登録商標)Hシリーズ等が挙げられる。前記不飽和脂肪酸アミドとしては、日本化成(株)製の商品名:ダイヤミッド(登録商標)O−200、ダイヤミッド(登録商標)L−200、スリパックス(登録商標)O、スリパックス(登録商標)ZOA、スリパックス(登録商標)ZHO等が挙げられる。
前記(E)脂肪酸アミドの配合割合は特に限定されないが、(A)ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.1〜5質量部配合させることが好ましく、0.5〜1.5質量部配合させることがより好ましい。前記(E)脂肪酸アミドは1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記1液型剥離性接着剤は、(F)潜在性硬化剤をさらに含有することが好適である。前記潜在性硬化剤としては、加水分解によりアミンを生成する化合物が挙げられ、例えば、オキサゾリジン環を有する化合物、アルジミン化合物、ケチミン化合物、及びエナミン化合物等のアミン類とカルボニル化合物の脱水反応生成物等が好適な例として挙げられ、オキサゾリジン環を有する化合物又はポリアミンとアルデヒドの反応生成物であるポリアルジミンがより好ましい。潜在性硬化剤を用いることにより、低温硬化性を向上させることができ、冬場の施工性を更に高めることができる。さらに、潜在性硬化剤を用いることにより発泡抑制効果もある。
前記オキサゾリジン環を有する化合物としては、イソシアネート基含有化合物とオキサゾリジン環含有化合物とを反応させて得られるウレタンオキサゾリジンが好ましい。前記ウレタンオキサゾリジンの製造に用いられるイソシアネート基含有化合物としては、ポリイソシアネートが好ましく、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートがより好ましい。
前記脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,5(2,6)−ビス(ジイソシアナト)ビシクロ[2.2.2]ヘプタン(ノルボルナンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、1−メチル−2,4−ジイソシアナト−シクロヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジイソシアネート−ヘキサン等のジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体、ビュレット体等のトリイソシアネート等が挙げられる。
前記オキサゾリジン環含有化合物としては、例えば、N−ヒドロキシアルキル−オキサゾリジン(アルコール)が挙げられる。該N−ヒドロキシアルキル−オキサゾリジンは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒドと、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等のジヒドロキシアルキルアミン等のポリヒドロキシアミンとの縮合反応等によって得られる。
前記N−ヒドロキシアルキル−オキサゾリジンとポリイソシアネートとの反応は、N−ヒドロキシアルキル−オキサゾリジン中の水酸基/ポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル比が、1/1〜1/1.2で反応させるのが好ましい。
前記ポリアルジミンとしては、加水分解によりアミンを生成する従来公知のポリアルジミンを広く使用可能であるが、芳香族アルデヒドから誘導されるポリアルジミンが好ましく、下記一般式(1)で示されるポリアルジミンがさらに好ましい。これらポリアルジミンは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても良い。
Figure 0005991476
式(1)中、R1は炭素数6〜15のアリール基であり、フェニル基及び1以上の置換基で置換された置換フェニル基が挙げられる。置換基としては炭素数が1〜9のアルキル基、炭素数が1〜9のアルコキシ基等が好ましい。上記アリール基の置換基数としては1〜3のものが好ましい。R1としては、具体的には、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基等が好適な例として挙げられる。R1は1分子中で同一であっても異なっていても良い。
式(1)中、R2は、炭素数2〜15で2価又は3価の炭化水素基、分子量が70〜6,000で2価又は3価のポリオキシアルキレン基、イソホロンジアミンのアミノ残基、又は下記一般式(2)で示されるアミンのアミノ残基である。なお、式(1)及び(2)中、nは2又は3を示す。
Figure 0005991476
但し、式(2)中、R3は炭素数6〜13で、かつ2価又は3価のビシクロ環、またはトリシクロ環からなる炭化水素基であり、ビシクロ環、トリシクロ環のシクロ環の炭素数は5〜12のものが好ましい。更にシクロ環は置換基を有するものでも良い。置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基等が好ましい。
前記ポリアルジミンの製造方法は特に限定されず、ポリアミンとアルデヒドとを反応させる等の公知の方法で簡単に製造可能である。例えば、ポリアミンとアルデヒドとをトルエン、キシレン、酢酸ブチル又はメチルシクロヘキサン等の溶剤中で、酸触媒下にて加熱して共沸による脱水反応を行ない、水滴分離器内において水分の留出が停止するまで反応を続行することにより、ポリアルジミンが得られる。ポリアミンとアルデヒドとの混合割合はアミン1当量に対してアルデヒド1〜2当量が適当である。反応は通常数時間で終了する。反応終了後、反応混合物を減圧にする等の方法でアルデヒド、溶媒等を留去して、ポリアルジミンを得ることができる。
前記ポリアミンとしては、例えば、(a)エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン,4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,5−又は2,6−ジアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ジアミノシクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン等の脂環族ジアミン,ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−又は2,6−ジアミン等の芳香族ジアミン,水、エチレングリコール、プロピレングリコール等にプロピレンオキサイド及び/又はエチレンオキサイドを付加重合して得たポリオキシアルキレングリコール類のヒドロキシル基をアミノ基に変換して得られるポリオキシアルキレンジアミン等のジアミン、並びに(b)1,3,5−トリス(アミノメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(アミノメチル)シクロヘキサン等のトリアミン,グリセリン、トリメチロールプロパン等にプロピレンオキサイド及び/又はエチレンオキサイドを付加重合して得たポリオキシアルキレントリオール類のヒドロキシル基をアミノ基に変換して得られるポリオキシアルキレントリアミン等のトリアミン等が挙げられ、特に融点50℃以下の低融点ポリアミンが好ましい。
前記アルデヒドとしては、例えば、ベンズアルデヒド、o−トルアルデヒド、m−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、4−エチルベンズアルデヒド、4−プロピルベンズアルデヒド、4−ブチルベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド、p−アニスアルデヒド、p−エトキシベンズアルデヒド等が挙げられる。
潜在性硬化剤の配合割合は特に限定されないが、加水分解してアミン類を生成する化合物を用いる場合、加水分解して生ずるアミン類のアミノ基の数と、ウレタンプレポリマーに含まれるイソシアネート基の数との比が、0.1〜1.0、より好ましくは0.2〜0.6とする事が望ましい。
前記1液型剥離性接着剤に(F)潜在性硬化剤を配合する場合、該潜在性硬化剤の加水分解を促進させる化合物をさらに配合することが好ましい。該加水分解を促進させる化合物としては、例えば、(G)加水分解性エステル化合物及びPTSIからなる群から選択される1種以上が挙げられる。これらの化合物は単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。2種以上組み合わせて使用する場合、その組み合わせも特に限定されず、例えば、加水分解性エステル化合物とp−トルエンスルホニルイソシアネートを併用しても良い。
前記加水分解性エステル化合物は、水分により加水分解して遊離酸を生じ、アルジミンの加水分解を促進させるものであり、例えば、ギ酸メチル等のエステル類,オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル等のオルトギ酸エステル,シクロヘキサノンジメチルアセタール等のアセタール類が貯蔵安定性の点で好ましい。p−トルエンスルホニルイソシアネートは、下記式(3)で示される化合物であり、ホスゲンを用いたり、ホフマン分解による公知のイソシアネート合成法によって得ることができるが、住友バイエルウレタン社製のアディティブTI等の市販品を使用することができる。また、p−トルエンスルホニルイソシアネートの誘導体を使用してもよく、該誘導体も本発明に含まれる。
Figure 0005991476
潜在性硬化剤の加水分解を促進させる化合物の配合割合は特に限定されないが、ウレタンプレポリマー100質量部に対して0.1〜20質量部、特に0.1〜6質量部配合させることが好ましい。
前記1液型剥離性接着剤には、必要に応じて、硬化触媒、充填剤、可塑剤、接着付与剤、物性調整剤、離型剤、滑剤、揺変剤、脱水剤(保存安定性改良剤)、粘着付与剤、垂れ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、ラジカル重合開始剤などの各種添加剤やトルエンやアルコール等の各種溶剤を配合してもよい。
前記硬化触媒は、ウレタンプレポリマーの硬化を促進するための触媒であり、例えば、有機金属化合物やアミン類等が挙げられる。
前記有機金属化合物としては、例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の2価の有機錫化合物;ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛等の有機酸鉛塩;テトラ−n−ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ロジン酸ビスマス等の有機ビスマス化合物;オクチル酸ジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物;ナフテン酸コバルト等の有機コバルト化合物;有機亜鉛化合物;有機マンガン化合物;有機鉄化合物;ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)等の錫系キレート化合物、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトンマグネシウム、アセチルアセトンビスマス、アセチルアセトンニッケル、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンマンガン等の各種金属のキレート化合物が挙げられる。これらのうち、反応速度が高く、毒性及び揮発性の比較的低い液体である点から有機錫化合物や金属キレート化合物が好ましく、錫系キレート化合物がより好ましい。
前記アミン類としては、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン等の第1級アミン類、ジブチルアミン、ジオクチルアミン等の第2級アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の第1級、第2級アミン類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン等の第3級アミン類、或いはこれらのアミン類とカルボン酸等の塩類が挙げられる。
硬化触媒の配合割合は特に限定されないが、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.01〜10質量部配合することが好ましく、0.01〜2質量部配合することがより好ましい。
充填剤としては、各種形状の有機又は無機のものがあり、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;カーボンブラック;クレー;タルク;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;カオリン;硅藻土;ゼオライト;酸化チタン、生石灰、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化マグネシウム;硫酸アルミニウム;塩化ビニルペーストレジン;ガラスバルーン、シラスバルーン、サランバルーン、フェノールバルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーン等の無機質バルーン、有機質バルーン等;あるいはこれらの脂肪酸、脂肪酸エステル処理物等が挙げられ、単独で、または混合して使用することができる。上記充填剤としては、透明性を高めるために微粉末シリカを用いることが好ましい。該微粉末シリカとしては、例えば、アエロジルRY−200S[日本アエロジル(株)製の商品名]及びアエロジルR972[日本アエロジル(株)製の商品名]等の疎水性シリカ微粉末、並びにヒューズレックスE2[(株)龍森製の商品名]等の親水性シリカ微粉末が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジペート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルアジペート、ジイソデシルフタレート、トリオクチルフォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油等が挙げられ、単独又は混合して使用することができる。
前記1液型剥離性接着剤は大気中の湿気により常温で硬化することが可能であり、常温湿気硬化型組成物として好適に用いられるが、必要に応じて、適宜、加熱により硬化を促進させてもよい。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(合成例1)
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)510質量部と、Voranol CP6001(Dow Chemical Company製の商品名、15%のエチレンオキサイドキャップを有する2080当量のプロポキシ化ポリエーテルポリオール、OH価27mgKOH/g)4185質量部とを70℃にて7時間反応させ、イソシアネート基を末端とするポリウレタンプレポリマーA1を得た。末端NCO基は1.83質量%であった。
(合成例2)
2,4−トリレンジイソシアネート805質量部と、ポリオキシプロピレングリコール(OH価38mgKOH/g)2790質量部と、ポリオキシプロピレントリオール(OH価34mgKOH/g)4500質量部とを80℃にて7時間反応させ、イソシアネート基を末端とするポリウレタンプレポリマーXを得た。末端NCO基は2.40質量%であった。
(合成例3)
ポリオキシプロピレンモノオール(アクトコールEH−25、三井化学(株)製、OH価27.2mgKOH/g)200gにヘキサメチレンジイソシアネート14.1gを加え、80℃で10時間反応させ、ウレタン化合物C1を得た。ウレタン化合物C1のNCO含量は0.09%、粘度は6,400mPa・s/25℃であった。
(合成例4)
ヘキサメチレンジイソシアネートの代わりにトリレンジイソシアネートを用いた以外は合成例3と同様の方法によりウレタン化合物Yを得た。ウレタン化合物YのNCO含量は0.00%、粘度は10,800mPa・s/25℃であった。
(合成例5)
反応器に2−(2−プロピル−1,3−オキサゾリジン−3−イル)−エタノールとイソホロンジイソシアネートとをモル比で2:1となるように充填し、混合物を100℃で6時間反応させてウレタンポリオキサゾリジンであるビスオキサゾリジンを得た。
(実施例1〜6)
表1に示す如く各配合物質を配合し、窒素気流下90℃で攪拌混合し1液型剥離性接着剤を得た。得られた接着剤組成物に対して下記試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005991476
表1における各配合物質の配合割合は質量部で示され、各配合物質の詳細は次の通りである。
ウレタンプレポリマーA1:合成例1で得たウレタンプレポリマーA1
ウレタンプレポリマーX:合成例2で得たウレタンプレポリマーX
ステアリン酸オクチル:商品名ユニスター(登録商標)MB876、日油(株)製、外観:淡黄色液体。
パルミチン酸オクチル:商品名ユニスター(登録商標)MB816、日油(株)製、外観:淡黄色液体。
ポリブチレングリコール:商品名:PBG−3000、数平均分子量3000、第一工業製薬(株)製。
ウレタン化合物C1:合成例3で得たウレタン化合物C1
ウレタン化合物Y:合成例4で得たウレタン化合物Y
α−オレフィンワックス:商品名アローワックス、ヤスハラケミカル(株)製。
オレイン酸モノアミド:商品名アルフロー(登録商標)E−10、日油(株)製。
ウレタンオキサゾリジン:合成例5で得たビスオキサゾリジン。
アルジミン:商品名ALD−1、三井化学(株)製。
OFM:オルトギ酸メチル
PTSI:p−トルエンスルホニルイソシアネート
DINP:ジイソノニルフタレート
表面処理炭酸カルシウム:商品名カルファイン200、丸尾カルシウム(株)製。
重質炭酸カルシウム:商品名ホワイトンSB、備北粉化工業(株)製。
微粉末シリカ:商品名アエロジルRY−200S、日本アエロジル(株)製。
(試験方法)
1)PET×SUSクリープ試験(1kg、40℃)
PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム上に前記得られた接着剤組成物を25mm×25mm、厚さ0.1mmに塗布した後、ステンレス板(SUS304)に貼り合わせ、常温で1日間放置し、PETフィルムの端部に1kgの荷重を掛け、40℃の環境下で落下するまでの時間を測定した。180分放置しても落下しなかったものは、「落下せず」と表記した。なお、かかる試験方法は、JIS Z 0237 10項(保持力)の試験方法に準拠した。
2)PET×モルタルはく離試験[N/25mm](24h後、23℃50%RH)
JIS R 5201:1997 10.4項により作製したセメントモルタル板上に幅25mm、厚さ0.5mmに前記得られた接着剤組成物を塗布し、PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムを貼りつけ、常温で1日間放置した後、180°剥離試験(引張速度300mm/min)を実施し、剥離接着強さを測定し、硬化物の切れにくさについても確認した。硬化物の切れにくさについての評価基準は下記の通りである。
Figure 0005991476
表2に示した如く、本発明の1液型剥離性接着剤は、PET×SUSクリープ試験において、落下することなく十分な接着強度が示された。また、PET×モルタルはく離試験においても、45N以下の優れた剥離性を示した。さらに、剥離の際に、1液型剥離性接着剤の硬化物を剥がし易く、硬化物の切れがなく且つ痕跡が残らず剥がせた。
(比較例1〜6)
下記接着剤を市場にて購入し、上記した実施例1〜6と同様の方法で測定を行った。
比較例1:ニチバン株式会社製両面テープ(商品名:ナイスタック NW-25)
比較例2:レック株式会社製シリコーン系接着剤(商品名:スーパーボンドフック)
比較例3:大一鋼業株式会社製シアノアクリレート系ゼリー状接着剤(商品名:MARKEY スッポンゼリー状接着剤フック スイング)
比較例4:大一鋼業株式会社製熱融着性接着剤(商品名:スッポンフック ステン)
比較例5:Sika社製1成分型仮止めシール材(商品名:SikaGrout Pack-1)
比較例6:セメダイン株式会社製ポリウレタン系シーリング材(商品名:S700NB)
結果を表3に示す。
Figure 0005991476
表3に示した如く、クリープ試験では、比較例1,2,6で落下してしまった。比較例3ではPETにつかなかった。比較例4では、クリープ試験での落下はなかったが、接着にあたって加熱が必要であるため、プラスチックの物品を接着固定することができない。比較例5では、剥離の際に、接着剤の硬化物が途中で切れてしまい容易に剥がせなかった。また、比較例6も、剥離の際に、接着剤の硬化物が凝集破壊してしまい痕跡が残ってしまった。
10:物品接着固定構造体、12:1液型剥離性接着剤、14:被着体、16,20,26:物品、18:接着剤容器、22,24,28:摘み部。

Claims (12)

  1. (A)エチレンオキサイドキャップを有するプロポキシ化ポリエーテルポリオールと、
    ポリイソシアネート化合物と、を反応させて得られるウレタンプレポリマー、及び
    (B)脂肪酸エステル及び/又は(B’)ブチレンオキサイドの開環重合により得られるポリエーテル鎖部分を含むポリエーテルポリオール
    を含有する1液型剥離性接着剤を用いて、前記1液型剥離性接着剤が液状のまま前記1液型剥離性接着剤を介して被着体と物品とを貼り合わせることで、前記物品が前記被着体に剥離可能に接着固定されることを特徴とする物品の接着固定方法。
  2. 前記1液型剥離性接着剤が、(C)ポリアルキレンエーテルモノオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させて得られるウレタン化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1記載の物品の接着固定方法。
  3. 前記1液型剥離性接着剤が、(D)α−オレフィンワックスをさらに含有することを特徴とする請求項1又は2記載の物品の接着固定方法。
  4. 前記1液型剥離性接着剤が、(E)脂肪酸アミドをさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の物品の接着固定方法。
  5. 前記1液型剥離性接着剤が、(F)潜在性硬化剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の物品の接着固定方法。
  6. 前記1液型剥離性接着剤が、(G)加水分解性エステル化合物及びPTSIからなる群から選択される1種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の物品の接着固定方法。
  7. 前記被着体が、凹凸面であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の物品の接着固定方法。
  8. 前記被着体が、天井面、窓面又は壁面であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の物品の接着固定方法。
  9. 前記被着体及び前記物品の間に挟まれた前記1液型剥離性接着剤に、剥離し易いように摘み部を形成してなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の物品の接着固定方法。
  10. 請求項1〜9いずれか1項記載の物品の接着固定方法を用いて前記被着体に前記物品が剥離可能に接着固定されてなることを特徴とする物品接着固定構造体。
  11. 前記被着体及び前記物品の間に挟まれた前記1液型剥離性接着剤に、剥離し易いように摘み部を形成してなることを特徴とする請求項10記載の物品接着固定構造体。
  12. 前記物品に、剥離し易いように摘み部を形成してなることを特徴とする請求項10記載の物品接着固定構造体。
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