JP2013002052A - 建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の床面積の減少を抑えながら、採光効率の向上を図ることができる建物を提供する。
【解決手段】平面視において、第1直状階段K1と第2直状階段K2とを階段の幅方向にずらして配置し、3階X3の床F3において第1直状階段K1の上方位置に3階第1開口部H31を設ける。これにより、採光窓35から建物A内に入射した光を、3階X3の床F3に設けられた3階第1開口部H31、第1直状階段K1との連絡のために2階X2の床F2に設けられた2階開口部H2、を介して、1階X1へ導くことができ、1階X1への採光を十分に確保することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、住宅等の建物に関するものである。
都市部(建蔽率や容積率が比較的緩やかで、建物を高密に建設することが可能な地域)において多く見られる奥行寸法に比べて間口寸法が小さい敷地に建物を建設する場合、前面道路側以外の3面が近隣の建物と接近し、採光面が前面道路側に限定されることが多い。
2階建の建物の場合、例えば特許文献1に記載のように、吹き抜けや階段室等の床の存在しない領域を利用して、1階の奥側に位置する居室への採光が可能である。
実用新案登録第3112640号公報
しかしながら、例えば、3階建の建物の場合、床面積を広く確保するため、1階と2階とを連絡する階段に対し、2階と3階とを連絡する階段を平面視で重ねて配置することが多く、この場合には、3階の採光窓から採り込まれた光は階段によって遮られてしまうので、階段室を利用して1階への採光を確保することが困難となる。また、2階床と3階床とを貫く吹き抜け部を設けることが考えられるが、吹き抜け部を2層に亘って設けると床面積の減少が甚だしくなるという問題がある。
そこで本発明は、このような都市部に建設される3以上の階層を有する建物における問題を解決するためになされたものであり、建物の床面積の減少を抑えながら、採光効率の向上を図ることができる建物を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る建物は、下部階と、中間階と、上部階とを備えた建物であって、下部階と中間階とを連絡する第1直状階段と、中間階と上部階とを連絡すると共に、第1直状階段と昇降方向が平行、かつ平面視において第1直状階段に対して階段の幅方向に所定寸法ずらして配置された第2直状階段と、上部階の床において、第1直状階段の上方位置に設けられた吹き抜け部と、上部階における吹き抜け部を含む空間に面して設けられた採光部と、を備えることを特徴とする。
ここで直状階段とは、外形が平面視で略長方形であり、短辺2辺の近傍に昇降基点(下部昇降基点、上部昇降基点)を有し、長辺に沿って直線的に昇降する形式の階段、換言すると、一方の短辺近傍から昇り(降り)始め、長辺に沿って直線的に昇り(降り)、他方の短辺近傍で昇り(降り)きる形式の階段である。このような直状階段は、長辺側からの側面視で、一方の昇降基点から他方の昇降基点に向かう傾斜を有しており、上部昇降基点近傍に採光部を設けることによって、段板や折り返し部で遮られることなく、下部昇降基点の側に光を落とすことができる。
この発明では、平面視において第1直状階段と第2直状階段とが階段の幅方向に所定寸法ずれ、上部階の床において第1直状階段の上方位置に吹き抜け部が設けられていることにより、上部階の採光部から建物内に採り込まれた光を、上部階の床に設けられた吹き抜け部と、第1直状階段の設置のために中間階の床に設けられた開口部と、を介して下部階へ導くことができ、下部階への採光を十分に確保することができる。この場合、下部階へ光を導くための吹き抜け部を中間階の床に別途設ける必要がなく、建物の床面積の減少を抑制することができる。以上のように、本発明に係る建物においては、建物の床面積の減少を抑えながら、採光効率の向上を図ることができる。
また、採光部は、平面視において、第1直状階段の昇降方向に面する壁に設けられていることが好ましい。この場合には、採光部から建物内に採り込まれた光を、下部階へ効率よく導くことができる。
また、採光部は、平面視において第1直状階段の昇降方向に面する壁における吹き抜け部の位置に対応して設けられていることが好ましい。この場合には、採光部が吹き抜け部の位置に対応して設けられるので、採光部から建物内に採り込まれた光を、第1直状階段に直接導くことができ、下部階への採光をより効率よく行うことができる。
また、第1直状階段は、採光部が設けられている側に向けて昇るように配置されていることが好ましい。この場合には、採光部から下部階へ入射する光の傾斜に沿って第1直状階段が傾斜しているので、第1直状階段によって光が遮られることが抑制され、採光部から下部階への採光効率をより一層向上させることができる。
また、上部階は、中間階の外壁位置よりもセットバックされたセットバック壁を有し、採光部は、セットバック壁に設けられることが好ましい。この場合には、採光部を、平面視で第1直状階段及び第2直状階段の近傍に設置することができ、採光部から採り込まれた光を第1直状階段に直接導くことが可能となって、下部階への採光をより効率よく行うことができる。例えば、第1直状階段及び第2直状階段が建物の中央付近に設置されている場合、セットバック壁とは異なる外壁(上部階の外壁)に採光部を設置すると、平面視で、採光部から第1直状階段及び第2直状階段までの距離が離れてしまい、採光部から建物内に採り込まれた光を第1直状階段へ直接導くことが困難となる。このような場合に、セットバック壁を設けて当該セットバック壁に採光部を設置することで、採光部から採り込まれた光を第1直状階段に効率よく導くことができるものとなる。
また、第1直状階段は、下部階から上部階にかけて連続する内壁に接していることが好ましい。この場合には、採光部から建物内に入射した光が、第1直状階段の上方位置の内壁で反射し、これらの反射光についても下部階へ導かれることで、下部階への採光効率をより一層向上させることができる。
また、第2直状階段は、下端が中間階の床で支持されると共に上端が上部階の床梁で支持された桁を備える桁式階段であることが好ましい。第2直状階段を桁式階段とすることで、第2直状階段の下方の空間(階段の裏側の空間)を、例えば高さを必要としない机等の家具やAV機器等の設置スペースとすることができ、居室の一部として有効活用が可能となる。
また、本発明に係る建物の構成を、集合住宅又は併用住宅の住戸に適用することができる。集合住宅や併用住宅の住戸部分に適用することで、建物の床面積の減少を抑えながら、採光効率の向上を図ることができる。
本発明によれば、建物の床面積の減少を抑えながら、採光効率の向上を図ることができる。
実施形態に係る建物を示す上面図である。 図1の建物の奥行き方向の断面を示す断面図である。 図1の建物の1階を示す平面図である。 図1の建物の2階を示す平面図である。 図1の建物の3階を示す平面図である。 図1の建物の内部構造を示す斜視図である。 図1の建物の間口方向の断面を模式的に表した断面図である。 図1の建物の奥行き方向の断面を模式的に表した断面図である。 変形例に係る集合住宅を示す上面図である。 変形例に係る併用住宅を示す上面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る建物の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、建物構成の説明を容易にするため、便宜上、図1中の上方向を北側として説明する。
本実施形態の建物Aは、3階建の鉄骨造ラーメン構造の工業化住宅であり、305mmの平面モジュールMを有している。また、建物Aは専用住宅(戸建住宅)である。以下の説明で建物、居室、階段等の平面的寸法をMの整数倍で表現するが、これは柱や間仕切り等の中心間の寸法であって最大寸法や有効寸法ではない。
図1に示されるように、建物Aは、南側が道路Rに接した矩形状の敷地Gに建てられている。この敷地Gは、都市部において多く見られる、奥行寸法に比べて間口寸法が小さい敷地となっている。また、敷地Gの隣地Nにも、図示は省略するが建物が建てられており、敷地Gに建てられた建物Aは、隣地Nに建てられた建物によって3面が囲まれた状態となっている。
建物Aは、敷地Gの形状に合わせて、平面視で南北方向に細長く延びた長方形であり、間口方向は1スパン、奥行方向は3スパンで構成され、間口寸法(柱の芯−芯寸法)については3050mm(M×10)である。
(建物の1階の構成)
図2及び図3に示されるように、建物Aの1階(下部階)X1は、南側壁W11、東側壁W2、西側壁W3、及び北側壁W4によって四面が囲まれて形成される。1階X1には、玄関11と、1階中間居室12と、1階北側居室13と、第1直状階段K1とが設けられている。1階X1の南側壁W11は、2階X2の南側壁W12よりも、北側にオフセットした位置に設けられている。南側壁W11をオフセットさせることによって形成される外部スペースは、駐車スペースPとして利用される。
南側壁W11には、玄関扉11aが設けられている。玄関11は、玄関扉11aの室内側に隣接して設けられている。1階中間居室12は、建物Aの1階X1における南北方向の略中央部に形成される。1階北側居室13は、1階中間居室12の北側に形成される。
第1直状階段K1は、建物Aの1階X1と2階X2とを連絡するものであり、形式的には、下部昇降基点及び上部昇降基点の近傍で、段板(昇降)方向が90度変化する上下曲がり階段である。幅寸法は915mm(M×3)であり、建物Aの1階X1における南北方向の略中央部において、東側壁W2の内側(下部階の内壁)に一方の長辺が沿って、南に向かって昇るように配置されている。
1階中間居室12と1階北側居室13との境界線上に扉を設けたり、1階中間居室12内に仕切りを設けて1階中間居室12を複数の部屋に区分けしたりするなど、居室の構成については適宜の設計を採用することができるが、1階北側居室13と第1直状階段K1との間には、完全に光を遮断する仕切りを設けずに、図3に示すように開口状態を保つ、あるいは可動式の仕切りや光の透過性を有する間仕切りで仕切るのが、採光上好ましい。
(建物の2階の構成)
図2及び図4に示されるように、建物Aの2階(中間階)X2は、南側壁W12、東側壁W2、西側壁W3、及び北側壁W4によって四面が囲まれて形成される。2階X2には、2階南側居室21と、2階中間居室22と、2階北側居室23と、第2直状階段K2とが設けられている。
第2直状階段K2は、建物Aの2階X2と3階X3とを連絡するものであり、形式的には第1直状階段K1と同じ上下曲がり階段であり、幅寸法は915mm(M×3)である。第2直状階段K2は、建物Aの2階X2における南北方向の略中央部かつ東西方向の略中央部に、第1直状階段K1と同様に、南に向かって昇るように配置されている。即ち、第1直状階段K1と第2直状階段K2とは、昇降方向が平行となっている。また、第1直状階段K1と第2直状階段K2とは、平面視において、互いに階段の幅方向(東西方向)が重ならないように配置されている。また、第2直状階段K2は、構造的には桁式階段、即ち、側桁、ささら桁、力桁等の桁を備え、桁で段板を支持する形式の階段であり、桁の下端が2階X2の床F2で支持され、桁の上端が3階X3の床F3の床梁で支持されている。従って、桁の中間部を床から起立させた支柱等で支持する必要がない。
建物Aの2階X2の床F2において、第1直状階段K1の上方位置は第1直状階段K1の大きさに対応して開口しており、2階開口部H2が形成されている。2階南側居室21は、第2直状階段K2の南側に形成され、2階北側居室23は、第2直状階段K2の北側に形成されている。また、2階中間居室22は、第2直状階段K2の西側に形成され、2階北側居室23と2階南側居室21とに接続されている。なお、図2及び図6に示されるように、第2直状階段K2の下方(第2直状階段K2の裏側)まで、2階中間居室22の床F2が広がり、第2直状階段K2の下方に階段下床F2aが形成されている。2階中間居室22の床F2の幅寸法と、第2直状階段K2の下方の階段下床F2aの幅寸法との合計値は、2135mm(M×7)となる。
2階X2の各居室の構成については、適宜仕切りを設けるなど、各種の設計を採用することができるが、2階開口部H2の開口縁に沿って仕切りを設ける場合は、転落の危険性のない範囲内で、完全に光を遮断する仕切りを設けずに、図2や図4に示すように腰壁手摺W6として開口状態を保つ、あるいは可動式の仕切りや光の透過性を有する仕切りを設けるのが、採光上好ましい。
(建物の3階の構成)
図2及び図5に示されるように、建物Aの3階(上部階)X3には、セットバック壁W5、東側壁W2、西側壁W3、及び北側壁W4によって四面が囲まれた建物Aの3階X3の室内空間S3と、南側壁W12、東側壁W2、西側壁W3、及びセットバック壁W5によって四面が囲まれたベランダBとが設けられている。
ベランダBは、建物Aの3階X3の室内空間S3の南側に位置している。ベランダBの上部には、建物Aの屋根Yが設けられておらず(図1等参照)、上方が開口した状態となっている。セットバック壁W5は、南側壁W12の位置から北側にセットバックした位置に設けられており、平面視で、第1直状階段K1及び第2直状階段K2の南側の端部近傍の位置に設けられている。セットバック壁W5には、平面視で、第1直状階段K1及び第2直状階段K2の南側の端部と対応する位置に、光の透過性を有する採光窓(採光部)35が設けられ、更に、採光窓35に隣接して、採光機能とベランダBへの出入り機能を兼ねたベランダ扉36が設けられている。なお、ベランダBの上部におけるベランダ扉36の近傍は、屋根Yの一部を南側に延ばして形成された庇Ya(図1等参照)によって覆われている。
室内空間S3内には、3階中間居室31と、3階北側居室32とが設けられている。建物Aの3階X3の床F3において、第1直状階段K1の上方位置は第1直状階段K1の大きさに対応して開口しており、3階第1開口部(吹き抜け部)H31が形成され、更に、第2直状階段K2の上方位置は第2直状階段K2の大きさに対応して開口しており、3階第2開口部H32が形成されている。なお、セットバック壁W5は、3階X3の床F3において、3階第1開口部H31及び3階第2開口部H32の南側の開口縁に沿って設けられている。また、3階第1開口部H31及び3階第2開口部H32の北側及び西側の開口縁(第2直状階段K2の昇りきりの位置を除く)に沿って、転落防止のための腰壁手摺W6が設けられている。
採光窓35は、平面視において、第1直状階段K1(3階第1開口部H31)及び第2直状階段K2に面して設けられている。また、採光窓35は、平面視において、第1直状階段K1及び第2直状階段K2の昇り方向の正面に位置している。即ち、居住者が第1直状階段K1及び第2直状階段K2を昇る場合、採光窓35に向かって移動することとなる。
(採光窓からの採光)
次に、採光窓35から建物Aの内部への採光について説明する。採光窓35から建物Aの内部へ入射した光は、特に、図7及び図8に示されるように、3階X3の床F3に設けられた3階第1開口部H31及び3階第2開口部H32を介して2階X2へ直接導かれ、更に、2階X2の床F2に設けられた2階開口部H2を介して1階X1へ直接導かれる。
また、特に、図7に示されるように、採光窓35から建物A内に入射した光は、第1直状階段K1の一方の長辺に沿って1階から3階まで連続的に起立した東側壁W2の内面で反射し、これらの反射光についても1階X1へ導かれる。
本実施形態は以上のように構成され、平面視において、第1直状階段K1と第2直状階段K2とが階段の幅方向にずらして配置され、3階X3の床F3において第1直状階段K1の上方位置に3階第1開口部H31が設けられていることにより、3階X3の採光窓35から建物A内に入射した光を、3階X3の床F3に設けられた3階第1開口部H31と、第1直状階段K1の設置のために2階X2の床F2に設けられた2階開口部H2と、を介して1階X1へ導くことができ、1階X1への採光を十分に確保することができる。
この場合、1階X1へ光を導くための吹き抜け部を2階X2の床F2に別途設ける必要がなく、建物Aの床面積の減少を抑制することができる。
本実施形態に係る建物Aのように、隣地Nに建てられた建物等によって3面が囲まれ、更に、間口の幅が狭い場合には、道路Rに面した側からしか採光を行うことができず、特に、建物Aの1階X1の奥側に位置する居室(1階北側居室13等)への採光が困難となり易い。しかしながら、上述した採光のための構成を採用することで、建物Aの床面積の減少を抑制しながら、建物A内への採光効率を向上させることができる。
また、採光窓35が、平面視において、第1直状階段K1の昇降方向(南北方向)に面する壁に設けられていることで、採光窓35から建物A内に採り込まれた光を1階X1へ効率よく導くことができる。
また、採光窓35が、平面視において、第1直状階段K1の昇降方向に面するセットバック壁W5における3階第1開口部H31の位置に対応して設けられていることで、採光窓35から建物A内に採り込まれた光を、第1直状階段K1に直接導くことができ、1階X1への採光をより効率よく行うことができる。
また、第1直状階段K1を、採光窓35が設けられている側に向けて昇るように配置したことで、採光窓35から1階X1へ入射する光の傾斜に沿って第1直状階段K1が傾斜することとなり、第1直状階段K1によって光が遮られることが抑制され、採光窓35から1階X1への採光効率をより一層向上させることができる。同様に、第2直状階段K2を、採光窓35が設けられている側に向けて昇るように配置したことで、採光窓35から2階X2へ入射する光の傾斜に沿って第2直状階段K2が傾斜することとなり、第2直状階段K2によって光が遮られることが抑制され、採光窓35から2階X2への採光効率をより一層向上させることができる。
また、採光窓35をセットバック壁W5に設ける構成としたので、採光窓35を、平面視で第1直状階段K1及び第2直状階段K2の近傍に設置することができ、採光窓35から採り込まれた光を第1直状階段K1に直接導くことが可能となって、1階X1への採光をより効率よく行うことができる。例えば、第1直状階段K1及び第2直状階段K2が建物Aの南北方向の中央付近に設置されている場合、セットバック壁とは異なる外壁(例えば、ベランダBの替わりに居室が設けられている場合における、当該居室の南側の壁(W12))に採光窓35を設置すると、平面視で、採光窓35から第1直状階段K1及び第2直状階段K2までの距離が離れてしまい、採光窓35から建物A内に採り込まれた光を第1直状階段K1へ直接導くことが困難となる。このような場合に、セットバック壁W5を設けて当該セットバック壁W5に採光窓35を設置することで、採光窓35から採り込まれた光を第1直状階段K1に効率よく導くことができるものとなる。
また、第1直状階段K1が、1階X1から3階X3にかけて連続する東側壁W2に隣接していることで、採光窓35から建物A内に入射した光が、第1直状階段K1の上方位置の東側壁W2の内面で反射し、これらの反射光についても1階X1へ導かれることで、1階X1への採光効率をより一層向上させることができる。
また、第2直状階段K2を桁式階段とすることで、第2直状階段K2の下方の空間(階段下床F2aと第2直状階段K2との間の空間)を、例えば高さを必要としない机等の家具やAV機器等の設置スペースとすることができ、2階中間居室22の一部として有効活用が可能となる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、採光窓35からの採光についてのみ説明したが、通常行われているように、南側壁W12、東側壁W2、西側壁W3、北側壁W4等の適宜の位置に採光窓を設けて建物A内への採光を行うことができることはいうまでもない。
また、上記実施形態では、3階建の建物Aに本発明を適用した場合を例に説明したが、3階建以上の建物に本発明を適用することもできる。例えば、4階建の建物において、2〜4階に適用することができるのは勿論、4階の壁が3階のセットバック壁と同一面となる場合や3階のセットバック壁よりも更にセットバックしている場合に、1〜3階に適用することができる。
また、本発明は建物Aの間口寸法が概ね2.7m〜4.5m(平面モジュールMが305mm程度の場合はM×9乃至M×15、平面モジュールMが500mm程度の場合はM×6乃至M×9程度)の建物に適用されるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、他の形状の建物に本発明を適用することができる。また、建物Aの向きについても、上記実施形態で説明した向きに限定されるものではない。
また、採光窓35の替わりに、屋根Yに設けた天窓(採光部)を用いて建物A内への採光を行うこともできる。この場合であっても、採光窓35の場合と同様に、建物A内への採光効率を向上させることができる。なお、天井に設けられる天窓の位置は、第1直状階段K1の上方に対応する位置が好ましい。
また、第1直状階段K1と第2直状階段K2とを、平面視において、階段の幅方向に完全にずれた位置(階段同士が全く重ならない位置)に配置するものとしたが、第1直状階段K1が第2直状階段K2で完全に覆われる状態でなければ、第1直状階段K1と第2直状階段K2とが、階段の幅方向で一部重なる(上部階の床の吹き抜け部は第1直状階段K1の上方位置の第2直状階段K2とは重ならない領域に設ける)ように構成してもよい。
また、上記実施形態では、専用住宅(戸建住宅)である建物Aに本発明を適用した場合を例に説明したが、専用住宅(戸建住宅)以外に、本発明を適用することもできる。例えば、図9(a)及び図9(b)に示されるように、奥行寸法に対して間口寸法の小さな複数の住戸Aaが集合した集合住宅A1に本発明を適用する場合には、各住戸Aaを、それぞれ実施形態の建物Aと同様に3階建として第1直状階段K1、第2直状階段K2及び採光窓35等を設け、住戸Aa毎に採光窓35から1階への採光を行うこともできる。なお、図9(a)に示す集合住宅A1は、北側が道路Rに接した矩形状の敷地G1に建てられた重層長屋形式の集合住宅である。また、各住戸Aaの玄関扉50は、各住戸Aaの北側に設けられている。また、図9(b)に示す集合住宅A1は、東側が道路Rに接した敷地G2に建てられた共用の外廊下を備えた共同住宅形式の集合住宅である。
更に、併用住宅に本発明を適用することもできる。例えば、図10に示されるように、住戸Aaと、非住宅部分Dとが併設された併用住宅A2に本発明を適用する場合、住戸Aaに対して実施形態の建物Aの構成を適用する。これにより、併用住宅A2の住戸Aaにおいて、採光窓35から1階への採光を行うことができる。なお、併用住宅A2の非住宅部分Dは、例えば、店舗、事務所、工場、倉庫等とすることができる。
また、第1直状階段K1及び第2直状階段K2は、直線状の階段に限らず、下曲がり階段や上曲がり階段、或いは上下曲がり階段を含むものとする。
35…採光窓(採光部)、A…建物、A1…集合住宅、A2…併用住宅、K1…第1直状階段、K2…第2直状階段、H31…3階第1開口部(吹き抜け部)、W5…セットバック壁、X1…1階(下部階)、X2…2階(中間階)、X3…3階(上部階)。

Claims (8)

  1. 下部階と、中間階と、上部階とを備えた建物であって、
    前記下部階と前記中間階とを連絡する第1直状階段と、
    前記中間階と前記上部階とを連絡すると共に、前記第1直状階段と昇降方向が平行、かつ平面視において前記第1直状階段に対して階段の幅方向に所定寸法ずらして配置された第2直状階段と、
    前記上部階の床において、前記第1直状階段の上方位置に設けられた吹き抜け部と、
    前記上部階における前記吹き抜け部を含む空間に面して設けられた採光部と、
    を備えることを特徴とする建物。
  2. 前記採光部は、平面視において、前記第1直状階段の昇降方向に面する壁に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建物。
  3. 前記採光部は、前記壁における前記吹き抜け部の位置に対応して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の建物。
  4. 前記第1直状階段は、前記採光部が設けられている側に向けて昇るように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物。
  5. 前記上部階は、前記中間階の外壁位置よりもセットバックされたセットバック壁を有し、
    前記採光部は、前記セットバック壁に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物。
  6. 前記第1直状階段は、前記下部階から前記上部階にかけて連続する内壁に接していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の建物。
  7. 前記第2直状階段は、下端が前記中間階の床で支持されると共に上端が前記上部階の床梁で支持された桁を備える桁式階段であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の建物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の建物の構成を、集合住宅又は併用住宅の住戸に適用したことを特徴とする建物。
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