JP2013001793A - インクジェット用油中水(w/o)型エマルションインキ - Google Patents

インクジェット用油中水(w/o)型エマルションインキ Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット印刷用に適した油中水(W/O)型エマルションインキであって、吐出性能と保存安定性に優れたものを提供する。
【解決手段】ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルを含有するインクジェット用油中水型エマルションインキが提供される。ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルの脂肪酸部位は、オレイン酸又はイソステアリン酸が好ましい。インク中に、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレン系以外の非イオン性界面活性剤を含有してもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部位は、縮合リシノレイン酸、イソステアリン酸又はオレイン酸であることが好ましい。ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルとポリオキシエチレン系以外の非イオン性界面活性剤の合計の配合量(質量比)は、水相1に対して0.1〜2.0が好ましく、0.2〜1.0がより好ましく、0.3〜0.8が特に好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット印刷における使用に適した油中水(W/O)型エマルションインキであって、吐出性能と保存安定性に優れたインクジェット用油中水(W/O)型エマルションインキに関する。
インクジェット印刷は、微細なノズルからインキ滴を吐出して、非接触で印字するのが特徴であり、インキ滴の微細化、印刷物の高速化、大判化を目指して各社がインクジェット用インキの開発を行っている。
インクジェット印刷で用いられるインキ(本明細書中、「インクジェット用インキ」)としては、パーソナル及び事務用途では、一般に水性染顔料インキが用いられる。水性染顔料インキは、用紙繊維の吸水性が高いために印刷濃度が高く、且つ印刷物裏側から見た印刷濃度である裏抜けが少なくなる。その反面、用紙は製紙される時に圧力が掛かった状態で乾燥しているために、水が付着すると用紙繊維間の水素結合が切られて紙カールが発生する。この紙カールは、断裁された枚葉紙を用いる場合に顕著であり、インキ滴の位置精度や用紙搬送に影響を及ぼす。特に高速印刷を目指すためには、紙カールを無くすことが必要であった。
紙カールを無くす手法としては、インキ中の水配合量を少なくする、または無くすことが挙げられる。したがって、油性インキを用いれば、紙カールが発生することもなく、高速印刷にも適合する。
ラインヘッド型インクジェット方式を採用したビジネスプリンタは、ヘッドが固定されているので高速で大量印刷が可能であり、低価格である点からも注目されている。この高速印刷用インクジェット印刷機には、通常、油性顔料インキが使われるが、他方式のプリンタと比較して、印字した際に印刷物裏側にインキが浸透するため、得られる印刷物は、印刷濃度が低く、裏抜けの多いものになる。
この問題の解決方法の一つとして、油性インキに水を乳化して油中水(W/O)型エマルションインキにする方法がある(特許文献1参照)。特許文献1のエマルションインキは、乳化剤としてHLB値が3〜5のポリグリセリンヒドロキシ脂肪酸エステルを用いているが、吐出性能及び保存安定性に関しては必ずしも十分とは言えなかった。
特開2006−56931号公報
本発明の目的は、インクジェット印刷用に適した油中水(W/O)型エマルションインキであって、吐出性能と保存安定性に優れたものを提供することにある。
本発明者等は、上記目的の下に鋭意研究した結果、油中水(W/O)型エマルションインキの乳化剤としてポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルを使用することにより、吐出性能と保存安定性に優れたインクジェット用油中水(W/O)型エマルションインキが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルを含有するインクジェット用油中水(W/O)型エマルションインキが提供される。
本発明によれば、油中水(W/O)型エマルションを形成するための乳化剤としてポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルを使用することとしたので、吐出性能と保存安定性に優れたインクジェット用油中水(W/O)型エマルションインキが得られる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の油中水(W/O)型エマルションインキは、油相及び水相を混合し、該油相中に該水相を微細な粒子として分散させることによって得られる。
油相は、有機溶剤、着色剤、乳化剤から主として構成されるが、必要に応じて、その他の成分を含有してもよい。
有機溶剤としては、非極性溶剤及び極性溶剤の何れも使用できる。これらは、単独で使用してもよく、または、単一の相を形成する限り、2種以上組み合わせて使用できる。
非極性溶剤としては、ナフテン系、パラフィン系、イソパラフィン系等の石油系炭化水素溶剤を使用でき、具体的には、ドデカンなどの脂肪族飽和炭化水素類、エクソンモービル社製「アイソパー、エクソール」(いずれも商品名)、新日本石油社製「AFソルベント」(商品名)、サン石油社製「サンセン、サンパー」(いずれも商品名)等が挙げられる。これらは、単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。
極性溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤などが挙げられる。これらは、単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が5以上、好ましくは9以上、より好ましくは12乃至32の高級脂肪酸エステル類が挙げられ、例えば、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソステアリル、イソパルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルドデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2エチルヘキサン酸グリセリルなどが挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が12以上の脂肪族高級アルコール類が挙げられ、具体的には、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの高級アルコールが挙げられる。
脂肪酸系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が4以上、好ましくは9乃至22の脂肪酸類が挙げられ、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのグリコールエーテル類の他、グリコールエーテル類のアセタートなどが挙げられる。
着色剤としては、染料及び顔料の何れも使用可能であり、それらを単独、または併用して使用できる。
顔料としては、有機顔料、無機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、カーボンブラック、カドミウムレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、酸化クロム、ピリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料などが好適に使用できる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
染料としては、たとえば、アゾ系、アントラキノン系、アジン系等の水溶性染料、または油溶性染料を用いることができる。
着色剤は、インキ全量に対して0.01〜20質量%の範囲で含有されることが好ましい。
着色剤として顔料を使用する場合、油相中における顔料の分散を良好にするために、油相に顔料分散剤を添加することが好ましい。本発明で使用できる顔料分散剤としては、顔料を溶剤中に安定して分散させるものであれば特に限定されないが、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が好適に使用され、そのうち、高分子分散剤を使用するのが好ましい。
分散剤の具体例としては、日本ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、22000、24000、28000」(いずれも商品名)、Efka CHEMICALS社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46,47,48,49,4010,4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名)、花王社製「デモールP、EP、ポイズ520、521、530、ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)」(いずれも商品名)、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、KS−873N4(高分子ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名)、第一工業製薬社製「ディスコール202、206、OA−202、OA−600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名)等が挙げられる。
顔料分散剤の含有量は、上記顔料を十分に油相中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。
着色剤として水溶性染料を使用する場合、水溶性染料は内水相に溶解させて使用する。
乳化剤としては、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルが必須成分として使用される。ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルは、ソルビトールに酸化エチレンを付加したポリオキシエチレンソルビトールと脂肪酸のエステル化物を言う。酸化エチレンの平均付加モル数は6〜60が好ましく、10〜50がより好ましく、20〜45が更により好ましく、30〜40が特に好ましい。脂肪酸部位としては、1分子中の炭素数が9乃至22の高級脂肪酸類が挙げられ、具体的には、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。このうち、オレイン酸またはイソステアリン酸が好ましい。エステル化度は1〜5が好ましく、3〜5が特に好ましい。
乳化剤として、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルの他に、ポリオキシエチレン系以外の非イオン性界面活性剤を使用することが好ましい。ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルとポリオキシエチレン系以外の非イオン性界面活性剤を併用すると、各々の乳化剤を単独で使用した場合に比べて、高温における保存安定性を改善することができる。
ポリオキシエチレン系以外の非イオン性界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。ここにおいて、ポリグリセリン脂肪酸エステルとは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化物を言う。ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部位としては、縮合リシノレイン酸、イソステアリン酸又はオレイン酸が好ましい。グリセリンの縮合度は5以上であることが好ましく、5〜12であることがより好ましい。このポリグリセリン1分子当たり数個(例えば1〜6個)の上記脂肪酸がエステル結合して付加していることが好ましい。
好ましいポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリル、縮合リシノレイン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリルなどが挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルとポリオキシエチレン系以外の非イオン性界面活性剤の使用比率(質量比)は、1:9〜9:1が好ましく、2:8〜7:3がより好ましく、3:7〜6:4が特に好ましい。
ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルとポリオキシエチレン系以外の非イオン性界面活性剤の合計の配合量(質量比)は、水相1に対して0.1〜2.0が好ましく、0.2〜1.0がより好ましく、0.3〜0.8が特に好ましい。
本発明における乳化剤の使用量は、インキ全量に対し、固形分質量比で、0.5〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量%であり、さらに好ましくは2〜20質量%である。この使用量が0.5質量%に満たない場合には、エマルションの保存安定性が低下する可能性がある。また、この使用量が40質量%を超えた場合には、粘度が高くなり、インクジェット用途に適さなくなる可能性がある。また、乳化剤の使用量は、油相の量の5〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましい。
油相は、例えばビーズミル等の公知の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製できる。例えば、予め溶剤の一部と顔料及び顔料分散剤の全量を均一に混合させた混合液を調製して分散機にて分散させた後、この分散液に残りの成分を添加してろ過機を通すことにより調製することができる。
水相は、水に、必要に応じて、水溶性染料、金属塩、電解質、保湿剤、水溶性高分子、水中油(O/W)型樹脂エマルション、防黴剤、防腐剤、pH調整剤、凍結防止剤等を溶解して構成される。
水相が水溶性染料を含有する場合、その配合量は、インク全量に対して0.5〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。0.5質量%未満では、表印刷濃度が向上しない。また、15質量%より多いと吐出性が悪くなる。水相が水溶性染料を含有する場合、水相の粒子径は500nm以下である事が好ましい。500nmより大きくなると、インクジェットでの吐出性が悪くなってしまう。
水相が水溶性染料を含有する場合、水相に溶解助剤を添加することが好ましい。この場合、染料が分子状態まで溶解した状態で紙繊維に浸透・吸着するので、染料の発色が向上する。溶解助剤としては、アミン系界面活性剤が好ましい。アミン系界面活性剤としては、有機アミンのポリアルキレンオキシド付加物、例えば、アルキルアミン、アルケニルアミン、アルキルヒドロキシルアミン、アルケニルヒドロキシルアミン、オキシアルキルアミン、オキシアルケニルアミン等のエチレンオキシド(EO)又はプロピレンオキシド(PO)付加物が挙げられる。このうち、アルキルアミンのエチレンオキシド(EO)又はプロピレンオキシド(PO)付加物が好ましい。かかるアミン系界面活性剤として、ルーブリゾール社製ソルスパース20000、ソルスパース27000、ソルスパース46000(何れも商品名)、日光ケミカル株製TAMNO−15(商品名)として市販されているものを用いることができる。溶解助剤の配合量は、インク全量に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜8質量%がより好ましい。
本発明のインクジェット用油中水(W/O)型エマルションインキは、上記の油相と水相を混合、乳化させることにより製造できる。水相と油相は、予め別々に調製したのち、油相液中に水相液を添加して乳化させてもよく、または、水相に油相を構成する成分を一括または個別に添加した後、乳化させてもよい。製造には、ディスパーミキサー、ホモミキサー等の公知の乳化機を用いることができる。
本発明のインクジェットインキは、油相40〜99質量%、水相60〜1質量%となるように配合される。水相の比率が60質量%を越えると油中水(W/O)型エマルションが形成されにくくなる。水相の比率が1質量%未満の場合、印刷濃度が低くなったり、印刷物に裏抜けが発生する可能性がある。一般に、水相の比率が高くなると、インキ粘度が上昇する傾向があるため、両相の配合比率は、油相50〜98質量%及び水相50〜2質量%が好ましく、油相55〜97質量%及び水相45〜3質量%がより好ましい。
このようにして得られる本発明のインクジェット用油中水(W/O)型エマルションインキの23℃における粘度は、3〜100mP・sの範囲に設定することが好ましく、5〜30mPa・sの範囲に設定することがより好ましく、10〜20mPa・sの範囲に設定することが特に好ましい。インキの粘度は、油相の構成成分の種類及び量、水相の量を調節することによって調整できる。一般的には、水相の量及び/又は乳化剤の量が少ないほど、インキの粘度は低下するが、エマルションの保存安定性が低下する傾向がある。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜11、比較例1〜4
表1又は表2に示す配合量の顔料と分散剤を、同表に示す有機溶剤の一部と混合し、ロッキングミル(セイワ技研製)で顔料を分散して顔料分散体を得た。この顔料分散体を残りの有機溶剤で希釈した後、これに界面活性剤を溶解させて油相を得た。この油相に、高速ホモジナイザー「ヒスコトロン」(商品名:マイクロテック・ニチオン社製)を用いて5000rpmで攪拌しながらイオン交換水を滴下した後、20000rpmで5分間攪拌して油中水(W/O)型エマルションインキを作製した。なお、表1及び表2中の各成分の配合量は質量部で示してある。
上記実施例及び比較例でそれぞれ得られたインクジェットインキについて、以下の方法により評価を行った。これらの評価結果を表1〜表3に示した。
(1)吐出性能
ライン型インクジェットプリンター「オルフィスHC5500」(商品名:理想科学工業(株)製)を用いて、普通紙「理想用紙薄口」(商品名:理想科学工業(株)製)に印字する評価を行った。ベタ画像を10枚連続で印刷した時のインキの不吐出の様子を観察し、次の基準で評価した。
A:不吐出がほとんど無く、1枚目と10枚目でほぼ同じ画像が印刷できた
B:不吐出が多く、1枚目と10枚目で同じ画像が印刷できない
C:吐出不可能、または不吐出が多過ぎてベタ画像が印刷できない
(2)保存安定性
不安定な油中水(W/O)型エマルションインキは、経時でインキ上層の水分量が減少する。インキ上層の水分量を測定し、仕込みの水分量と比較する事によって保存安定性を評価した。油中水(W/O)型エマルションインキを10mlのスクリューバイアル瓶に入れて、23℃または50℃の恒温槽で4週間静置した後にインキ上層の水分量を測定した。インキは容器の上の方からサンプリングし、水分量測定はカールフィッシャー水分測定装置(701型、メトローム・シバタ株式会社製)を用いて行った。
インキ上層水残存率(%):
{貯蔵後のインキ上層水分量(質量%)/仕込みの水分量(質量%)}×100
上記の様に表される水残存率を指標にして、安定性を次の基準に基づいて評価した。
A:インキ上層水残存率が80%以上である
B:インキ上層水残存率が60%以上80%未満である
C:インキ上層水残存率が30%以上60%未満である
D:インキ上層水残存率が30%未満である
Figure 2013001793
Figure 2013001793
尚、表1〜表2記載の原材料の記号は、以下の通りである。
カーボンブラックMA8(商品名):三菱化学社製カーボンブラック。
ソルスパース28000:ルーブリゾール社製顔料分散剤ソルスパース28000(商品名)。
AFソルベント4号(商品名):JX日鉱日石エネルギー社製石油系炭化水素溶剤。
レオドール430V(商品名):花王製テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(酸化エチレンの付加モル数が30)。
レオドール440V(商品名):花王製テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(酸化エチレンの付加モル数が40)。
GIS−430(商品名):日光ケミカルズ製テトライソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット(酸化エチレンの付加モル数が30)。
Hexaglyn PR−15(商品名):日光ケミカルズ製縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリル。
Decaglyn PR−20(商品名):日光ケミカルズ製縮合リシノレイン酸デカグリセリル。
Decaglyn 5−ISV(商品名):日光ケミカルズ製ペンタイソステアリン酸デカグリセリル。
Decaglyn 5−OV(商品名):日光ケミカルズ製ペンタオレイン酸デカグリセリル。
表1の結果から、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルを含有する実施例1〜11のインクの場合、吐出性能と保存安定性に優れており、特に乳化剤としてポリオキシエチレン系以外の非イオン性界面活性剤、特にポリグリセリン脂肪酸エステルを併用した場合、高温における保存安定性がさらに改善されることがわかる。また、実施例2、8〜9から、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量比が2:8〜7:3の範囲、特に3:7〜6:4では、吐出安定性と保存安定性が良好に保たれることがわかる。また、実施例10から、界面活性剤の合計含有量が、水相質量1.0に対して0.1以上の場合、特に0.3以上の場合、吐出安定性と保存安定性が良好になることがわかる。また、実施例11から、溶剤にエステル系溶剤を用いても、吐出安定性と保存安定性は良好に保たれることがわかる。
同様に、表2の結果から、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを単独で使用した場合、吐出性能及び保存安定性の何れも劣ることがわかる。
本発明のインクジェット用油中水(W/O)型エマルションインキは、吐出性能と保存安定性に優れているので、インクジェット印刷の分野、特に、ラインヘッド型インクジェット方式を採用したビジネスプリンタのインキとして利用できる。

Claims (5)

  1. ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルを含有するインクジェット用油中水(W/O)型エマルションインキ。
  2. 前記ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルの脂肪酸部位が、オレイン酸またはイソステアリン酸である、請求項1に記載の油中水(W/O)型エマルションインキ。
  3. ポリオキシエチレン系以外の非イオン性界面活性剤を含有する、請求項1又は2に記載の油中水(W/O)型エマルションインキ。
  4. 前記ポリオキシエチレン系以外の非イオン性界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステルである、請求項1乃至3の何れか1項に記載の油中水(W/O)型エマルションインキ。
  5. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部位が、縮合リシノレイン酸、イソステアリン酸又はオレイン酸である、請求項1乃至4の何れか1項に記載の油中水(W/O)型エマルションインキ。
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