JP2013071094A - 油中水型エマルションの製造方法及びそれを用いた油中水型エマルションインクの製造方法 - Google Patents

油中水型エマルションの製造方法及びそれを用いた油中水型エマルションインクの製造方法 Download PDF

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正彦 阿部
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秀樹 酒井
Ayaka Oba
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Naofumi Ezaki
直史 江▲崎▼
Sadanao Okuda
貞直 奥田
Shunsuke Uozumi
俊介 魚住
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Abstract

【課題】貯蔵安定性が良好である油中水型エマルションの製造方法を提供する。
【解決手段】構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるショ糖脂肪酸エステルを含む油相、及びHLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルと金属塩とを含む水相を80℃以上で乳化する、油中水型エマルションの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、油中水型エマルションの製造方法、油中水型エマルション、油中水型エマルションインクの製造方法及び油中水型エマルションインクに関する。
油中水型エマルションとしては、油相に水相が粒子状で分散しており、油相と水相の分離を防いでエマルションの形態を安定にさせるために界面活性剤が用いられることがある。
特許文献1には、油相に不飽和脂肪酸を60重量%以上含む炭素数16〜22の脂肪酸と多価アルコールとのエステルである親油性界面活性剤を含有し、水相に脂肪酸と多価アルコールとのエステルであるHLB7以上の親水性界面活性剤を含有するW/Oエマルジョン組成物が提案されている。これによれば、広範囲のW/O比において乳化安定性が良く、安全性が高く、皮膚への刺激性のないW/O型エマルジョン組成物が提供されることが提案されている。しかし、低粘度のW/O型エマルジョンの場合、これらの界面活性剤の組み合わせだけでは乳化安定性が不十分である。
油中水型エマルションはインクとしても使用される。例えば、インクジェット用インクでは、油性インクを用いると、溶剤とともに色材が記録媒体裏面に浸透しやすく、印刷濃度が低下し、裏抜けが発生するという問題がある。これに対し、油中水型エマルションインクを用いることで、裏抜けを防止して、印刷濃度を高めることができる。しかし、エマルションインクでは、長期保存すると水相粒子の合一が進んで油相と水相が分離して貯蔵安定性が低下することがある。
特許文献2には、インクジェット印刷用に適した低粘度でかつ保存安定性に優れた油中水型エマルションインクを提供するために、水相と油相とを非イオン性界面活性剤を用いて乳化し、水相に金属塩が含まれるインクジェット用油中水型エマルションインクが提案されている。このような非イオン性界面活性剤と金属塩との組み合わせによる作用に加え、さらなる保存安定性の改善が期待される。
特開2000−308820号公報 特開2009−57462号公報
本発明の目的としては、貯蔵安定性が良好である油中水型エマルションの製造方法、油中水型エマルション、油中水型エマルションインクの製造方法及び油中水型エマルションインクを提供することである。
本発明の一側面によれば、構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるショ糖脂肪酸エステルを含む油相、及びHLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルと金属塩とを含む水相を80℃以上で乳化する、油中水型エマルションの製造方法を提供する。
本発明の他の側面によれば、上記油中水型エマルションの製造方法によって製造された、油中水型エマルションを提供する。
本発明のさらに他の側面によれば、上記油中水型エマルションの製造方法を用いて、油相及び水相のうち少なくとも一方に色材を含む油中水型エマルションインクを製造する、油中水型エマルションインクの製造方法を提供する。
本発明のさらに他の側面によれば、上記油中水型エマルションインクの製造方法によって製造された、油中水型エマルションインクを提供する。
本発明によれば、貯蔵安定性が良好である油中水型エマルションの製造方法、油中水型エマルション、油中水型エマルションインクの製造方法及び油中水型エマルションインクを提供することができる。
本発明の一実施形態による油中水(W/O)型エマルション(以下、単に「エマルション」という場合がある)の製造方法は、構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるショ糖脂肪酸エステルを含む油相、及びHLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルと金属塩とを含む水相を80℃以上で乳化することを特徴とする。これによって、貯蔵安定性が良好な油中水型エマルションを提供することができる。また、低粘度で水分量が少ないエマルションにおいても良好な貯蔵安定性を長期に渡って得ることができる。
本実施形態によるエマルションの製造方法によれば、インクジェット用インクに適したエマルションを提供することができる。インクジェット用インクでは、インクジェットヘッドからのインクの吐出性の観点から、低粘度であることが好ましい。本実施形態によれば、油相及び水相に所定の成分を含み80℃以上で乳化することで、低粘度であっても、良好な貯蔵安定性を維持することができる。
また、インクジェット用インクでは、吐出性の観点から、油相の溶剤は揮発性が低いことが好ましいが、油相が揮発性の低い溶剤で構成されると、界面活性剤の種類によっては乳化安定性が低下することがある。本実施形態によれば、油相及び水相に所定の成分を含み80℃以上で乳化することで、油相に揮発性の低い溶剤が含まれていても、良好な貯蔵安定性を維持することができる。
本実施形態によるエマルションの製造方法によれば、油相及び水相を有し、油相中に水相が粒子状に安定して分散した油中水型エマルションを得ることができる。油相の割合としては、エマルション全体に対し、例えば、50質量%〜99質量%とすることができ、好ましくは、粘度の観点から、60質量%〜99質量%とすることができ、より好ましくは、65質量%〜95質量%とするができる。
油相は、構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるショ糖脂肪酸エステルを含む。
構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖と不飽和脂肪酸のエステル化物である。不飽和脂肪酸としては、直鎖または分岐であってよく、炭素数18〜22であることが好ましい。一例としては、エルカ酸、オレイン酸等を挙げることができる。また、不飽和脂肪酸は、エステルに単独で配合されてもよいし、複数種を混合して配合されてもよい。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、上記した不飽和脂肪酸とショ糖とのエステル化物を用いることができ、ショ糖エルカ酸エステルまたはショ糖オレイン酸エステルを好ましく用いることができる。これらのショ糖脂肪酸エステルは、単独で用いてもよいし、二種類以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
ショ糖脂肪酸エステルのHLBとしては2以下であることが好ましい。ここで、HLBは、アトラス法によって求められる(以下同じ)。
構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるショ糖脂肪酸エステルとしては、油相全体に対し、0.1質量%〜20質量%で配合することができ、好ましくは、1質量%〜15質量%であり、より好ましくは、5質量%〜10質量%である。0.1質量%以上であることで、貯蔵安定性を十分に得ることができる。20質量%以下であることで、貯蔵安定性を確保するとともに、高粘度化を防止することができる。
油相の溶剤としては、非極性溶剤及び極性溶剤のいずれも使用することができる。これらは、単独で使用してもよく、または、単一の相を形成する限り、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
非極性溶剤としては、ナフテン系、パラフィン系、イソパラフィン系等の石油系炭化水素溶剤を使用でき、具体的には、ドデカン等の脂肪族飽和炭化水素類、エクソンモービル社製「アイソパー、エクソール」(いずれも商品名)、JX日鉱日石エネルギー社製「AFソルベント」(商品名)、サン石油社製「サンセン、サンパー」(いずれも商品名)等が挙げられる。これらは、単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。
極性溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤等が挙げられる。これらは、単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソステアリル、イソパルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルドデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2エチルヘキサン酸グリセリル等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、具体的には、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールが挙げられる。
高級脂肪酸系溶剤としては、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。
本実施形態では、吐出性の観点から、非極性溶剤を単独で、または極性溶剤と組み合わせて使用することが好ましい。本実施形態によれば、非極性溶剤を用いても、エマルションの貯蔵安定性を良好に維持することができる。
油相には、必要に応じ、樹脂成分、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤等を適宜添加することもできる。
水相は、HLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルと金属塩とを含む。水相中に、HLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルと金属塩とを共存させることで、それぞれ単独で使用した場合に比べ、貯蔵安定性を格段に向上させることができる。
水相に含まれるHLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖と脂肪酸のエステル化物である。脂肪酸としては、直鎖または分岐であってよく、飽和または不飽和であってよく、炭素数12〜22であることが好ましい。脂肪酸の一例としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等を挙げることができる。特に、ステアリン酸を好ましく用いることができる。また、脂肪酸は、エステルに単独で配合されてもよいし、複数種を混合して配合されてもよい。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、上記した脂肪酸とショ糖とのエステル化物を用いることができ、ショ糖ステアリン酸エステルまたはショ糖パルミチン酸エステルを好ましく用いることができる。これらのショ糖脂肪酸エステルは、単独で用いてもよいし、二種類以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
HLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルは、水相全体に対し、0.01質量%〜5質量%である配合することができ、好ましくは、0.01質量%〜1質量%であり、より好ましくは、0.01質量%〜0.5質量%である。0.01質量%以上であることで貯蔵安定性を十分に得ることができる。
水相に含まれる金属塩としては、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム等から選ばれた少なくとも1種の塩化物、硫酸化物、硝酸化物等を用いることができる。好ましくは、カルシウム塩である。これらの金属塩は、エマルションインキの粘度を高めることなく、エマルションを安定化させる効果がある。これらの金属塩のうち、エマルションの保存安定性の向上効果が高い点から、塩化カルシウムが特に好ましい。
これらの金属塩は、単独で用いてもよいし、二種類以上を適宜組み合わせて用いることもできる。また、金属塩は、例えば、市販の試薬または工業的に生産されたもの等いずれを用いてもよい。
金属塩は、水相全体に対し、0.1質量%〜10質量%で配合することができ、好ましくは、1質量%〜5質量%である。0.1質量%以上であることで貯蔵安定性を十分に確保することができる。10質量%以下であることで、エマルション中で金属塩が析出することを防止することができる。
水相に含まれる水分量としては、エマルションの用途に応じて適宜設定することができる。本実施形態では、水相の水分量を低減しても、貯蔵安定性を十分に得ることが可能である。例えば、水相の水分量としては、エマルション全体に対し、50質量%以下とすることができ、さらに、40質量%以下とすることも可能である。
水相には、必要に応じ、電解質、保湿剤、水溶性高分子、水中油(O/W)型樹脂エマルション、防黴剤、防腐剤、pH調整剤、凍結防止剤等がさらに含まれてもよい。
本実施形態では、上記した油相及び水相を80℃以上で乳化する。80℃以上であることで、貯蔵安定性が格別に向上したエマルションを得ることができる。80℃未満であると、同じ成分の油相及び水相を用いても、十分な貯蔵安定性を得ることができない。また、エマルションに含まれる水分の蒸発を防ぐ観点から、乳化温度は100℃未満で設定することができ、好ましくは90℃以下である。
油相及び水相の乳化では、油相と水相が乳化される間に温度が80℃以上になる工程があればよく、油相及び水相のそれぞれの調製や油相及び水相の乳化の全工程において温度が80℃以上に維持されない場合があってもよい。ただし、油相と水相が混合されて乳化が完了されるまで、温度を80℃以上に維持することが好ましい。
油相成分及び水相成分は、それぞれ、予め別々に調製しておくことが好ましい。このとき、油相及び水相は、それぞれ、温度を80℃以上にして調製し、そのまま乳化に用いることが好ましい。
油相成分と水相成分との乳化では、例えば、油相成分を温度80℃以上にして攪拌し、この油相成分に温度80℃以上の水相成分を一括または分割して添加し、温度を80℃以上に維持しながら乳化することができる。このとき、油相成分に水相成分を滴下して添加することが好ましい。別の方法として、水相成分に油相成分を添加してもよい。
乳化では、ディスパーミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー等の乳化装置を用いることができるが、超音波ホモジナイザーを使用することが好ましい。
本実施形態による油中水型エマルションとしては、上記した油中水型エマルションの製造方法によって製造されたことを特徴とする。これによって、油相に構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるショ糖脂肪酸エステルを含み、水相にHLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルと金属塩とを含み、貯蔵安定性が良好であるエマルションを提供することができる。ここで、貯蔵安定性としては、密閉空間で23℃で3ヶ月間保管した後に、油相と水相とが分離しない状態である。このようなエマルションは、インクや化粧品等の用途に用いることができる。
本実施形態によるエマルションは、低粘度においても貯蔵安定性が良好である。例えば、エマルションの23℃における粘度を30mPa・s以下、より好ましくは15mPa・s以下、さらに好ましくは10mPa・s以下に調製することができる。これによって、例えばインクジェット用インク等の低粘度の用途にエマルションを好ましく用いることができる。ここで粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値を表す(以下同じ)。
本実施形態による油中水型エマルションインク(以下、単に「インク」という場合がある)の製造方法としては、上記した油中水型エマルションの製造方法を用いて、油相及び水相のうち少なくとも一方に色材を含む油中水型エマルションインクを製造することを特徴とする。これによって、貯蔵安定性が良好な油中水型エマルションインクを得ることができる。
エマルションインクの製造方法としては、上記油相及び水相のうち少なくとも一方に色材を含ませる他は、上記した油中水型エマルションの製造方法と同様にして、油中水型エマルションインクを製造することができる。
色材は水相及び油相のうち少なくとも一方に含まれればよく、両方に含まれてもよい。色材としては、染料及び顔料のいずれも使用可能であるが、印刷物の耐候性が高いことから、顔料を使用することが好ましい。
油相に色材が含まれる場合、顔料としては、有機顔料、無機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、カーボンブラック、カドミウムレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、酸化クロム、ピリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料などが好適に使用できる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
染料としては、たとえば、アゾ系、アントラキノン系、アジン系等の油溶性染料を用いることができる。
色材は、インキ全量に対して0.01〜20重量%の範囲で含有されることが好ましい。
色材として顔料を使用する場合、油相中における顔料の分散を良好にするために、油相に顔料分散剤を添加することが好ましい。本実施形態で使用できる顔料分散剤としては、顔料を溶剤中に安定して分散させるものであれば特に限定されないが、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が好適に使用され、そのうち、高分子分散剤を使用するのが好ましい。
顔料分散剤の具体例としては、日本ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、22000、24000、28000」(いずれも商品名)、Efka CHEMICALS社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46,47,48,49,4010,4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名)、花王社製「デモールP、EP、ポイズ520、521、530、ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)」(いずれも商品名)、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、KS−873N4(高分子ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名)、第一工業製薬社製「ディスコール202、206、OA−202、OA−600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名)等が挙げられる。
顔料分散剤の含有量は、上記顔料を十分に油相中に分散可能な量であれば足り、適宜設定すればよい。
一方、水相に色材が含まれる場合、顔料としては、上記油相に含有させることができる顔料と同様の公知の顔料を用いることができる。染料としては、たとえば、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等のうち水溶性の染料、および、還元等により水溶性になった水溶性染料を好ましく用いることができる。また、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、ニトロ系等の分散染料も好ましく用いることができる。
水相に顔料が含まれる場合、水に対する顔料の濡れ性や分散性を改良するため、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、または高分子系、シリコーン系、フッ素系の界面活性剤、さらには、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、アルキロールアミン塩、ポリ−N−アクリロイルピロリジン等の第三アミン化合物、酸無水物含有オレフィン系共重合体、酸無水物含有ビニル系共重合体等の酸無水物含有水溶性ポリマーを含ませることができる。
本実施形態による油中水型エマルションインクとしては、上記した油中水型エマルションインクの製造方法によって製造されたことを特徴とする。これによって、油相に構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるショ糖脂肪酸エステルを含み、水相にHLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルと金属塩とを含み、油相及び/または水相に色材を含み、貯蔵安定性が良好であるインクを提供することができる。ここで、貯蔵安定性としては、密閉空間で23℃で3ヶ月間保管した後に、油相と水相とが分離しない状態である。
本実施形態によるインクは、低粘度においても貯蔵安定性が良好である。インクの粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、例えば、インクの23℃における粘度を30mPa・s以下、好ましくは15mPa・s以下、より好ましくは10mPa・s以下に調製することができる。一層好ましくは、インクの粘度は5〜10mPa・sである。
本実施形態によるインクを用いた印刷方法は、特に限定されないが、インクジェット記録装置を用いて行われることが好ましい。インクジェット記録装置は、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドからインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
さらに、本実施形態によるインクは、ラインヘッド型インクジェット方式を採用したインクジェット記録装置にも適している。ラインヘッド型インクジェット方式は、インクジェットヘッドが固定されているため高速で大量印刷が可能であり、低価格である点からも注目されている。本実施形態によるインクによれば、貯蔵安定性を良好に保ちながら、エマルション形態であるため、裏抜けを防止して印刷濃度を高めることができる。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<油中水型エマルションの調製>
表1及び表2に示す配合(表に示す数値は質量%である)により、以下の手順に従い、各実施例及び比較例のエマルションを調製した。
実施例1では、油相成分のドデカン及びショ糖エルカ酸エステルを乳化温度80℃で加温混合し油相を調製した。水相成分を混合し乳化温度80℃に加温して水相を調製した。乳化温度を80℃に維持しながら、油相に水相を徐々に滴下し、超音波ホモジナイザー(US−300T、株式会社日本精機製作所)を用いて乳化を行い、油中水型エマルションインクを調製した。他の実施例及び比較例も同様にして調製した。
<インクの調製>
表1に示す配合により、実施例6のインクを調製した。実施例6では、油相にカーボンブラック及び顔料分散剤を含む他は、実施例1と同様にして油中水型エマルションインクを調製した。
Figure 2013071094
Figure 2013071094
表1及び表2で使用した成分は、次のとおりである。
ドデカン:和光純薬工業株式会社製
AFソルベント7号:ナフテン系非極性溶剤、JX日鉱日石エネルギー株式会社製
カーボンブラック:MA8、三菱化学株式会社製
ソルスパース13940:ポリエステルアミン系高分子分散剤、日本ルーブリゾール株式会社製
ショ糖エルカ酸エステル(HLB:2):ER−290、三菱化学フーズ株式会社製
ショ糖ラウリン酸エステル(HLB:1):L−195、三菱化学フーズ株式会社製
ショ糖ステアリン酸エステル(HLB:1):S−170、三菱化学フーズ株式会社製
塩化カルシウム:和光純薬工業株式会社製
ショ糖ステアリン酸エステルA(HLB:15):S−1570、三菱化学フーズ株式会社製
ショ糖ステアリン酸エステルB(HLB:11):S−1170、三菱化学フーズ株式会社製
ショ糖ステアリン酸エステルC(HLB:16):S−1670、三菱化学フーズ株式会社製
<評価>
上記した各エマルション及びインクを用いて、貯蔵安定性について評価を行った。結果を表1及び表2に併せて示す。
(貯蔵安定性(23℃))
上記した各エマルション及びインクをそれぞれ密閉容器に入れて、23℃の環境下で放置し、以下の基準で目視により評価した。
A:3ヶ月以上安定していた。油相と水相が分離しなかった。
B:1週間以内で油相と水相が分離した。
表1及び表2に示す通り、各実施例のエマルションは、乳化温度が80℃以上であり、貯蔵安定性が良好であった。実施例6のインクもまた貯蔵安定性が良好であった。
各比較例のエマルションは貯蔵安定性が低下した。比較例1及び2では、乳化温度が80℃未満であり、比較例3及び4では、油相に不飽和脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルを含まず、比較例5では、水相に金属塩を含まず、比較例6では、水相にショ糖脂肪酸を含まず、乳化温度が80度未満であった。

Claims (4)

  1. 構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるショ糖脂肪酸エステルを含む油相、及びHLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルと金属塩とを含む水相を80℃以上で乳化する、油中水型エマルションの製造方法。
  2. 請求項1に記載の油中水型エマルションの製造方法によって製造された、油中水型エマルション。
  3. 請求項1に記載の油中水型エマルションの製造方法を用いて、油相及び水相のうち少なくとも一方に色材を含む油中水型エマルションインクを製造する、油中水型エマルションインクの製造方法。
  4. 請求項3に記載の油中水型エマルションインクの製造方法によって製造された、油中水型エマルションインク。
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JP (1) JP2013071094A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014167052A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Zebra Pen Corp インキ組成物及びマーキングペン
EP3608242A1 (en) 2013-03-29 2020-02-12 Yoshino Kogyosho Co., Ltd. Laminated bottle

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