JP2013177484A - 油中水(w/o)型エマルション - Google Patents

油中水(w/o)型エマルション Download PDF

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Abstract

【課題】低温及び高温の何れにおいても水相の分離が抑制され、かつ、高温でのエマルション粒子の粗大化も抑制された油中水(W/O)型エマルションを提供する。
【解決手段】乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル及びアルキルグリセリルエーテルを含有する油中水(W/O)型エマルションであって、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分がオレイン酸またはイソステアリン酸で、かつ、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが7〜14であり、前記水相に炭素数が4である糖アルコールを含有することを特徴とする油中水(W/O)型エマルション。炭素数が4である糖アルコールは、エリスリトールであることが好ましい。該エマルションは、油相40〜95質量%及び水相60〜5質量%からなることが好ましい。このエマルションに色材を含有させることで油中水(W/O)型エマルションインキを構成できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品、化粧品、インキ等の用途に適した油中水(W/O)型エマルションであって、高温及び低温の何れにおいても水相の分離が生じにくく、かつ、高温でのエマルション粒子径の粗大化が抑制された油中水(W/O)型エマルションに関する。
油中水(W/O)型エマルションは、医薬品、化粧品、インキ等に用いられている。このうち、水分の含有量が少なく低粘度な油中水(W/O)型エマルションは、インクジェットヘッドからの吐出が可能である為、インクジェット用インキに好適である。インクジェット用油中水(W/O)型エマルションインキは、普通紙に印刷した場合、水性インキに比べ、印刷用紙にカールを生じさせることが少なく、油性インキに比べ、印刷濃度が高くなるとともに裏抜けが低減するので、普通紙を対象とした高速印刷が可能になる。しかし、水分の含有量が少なく低粘度な油中水(W/O)型エマルションは、時間の経過と共に水相が分離し易いという問題があった。
本発明者等は、脂肪酸部位がイソステアリン酸またはオレイン酸であり且つHLBが7〜14であるポリグリセリン脂肪酸エステルとアルキルグリセリルエーテルとを乳化剤として併用することによって、高温(70℃)でも水相が分離しにくく、インクジェット用インクに適した低粘度の油中水(W/O)型エマルションが形成されることを既に見出している。しかし、この油中水(W/O)型エマルションは、低温(−20℃)では水相の分離を生じるという問題を有していた。
本発明者等は、この油中水(W/O)型エマルションの低温(−20℃)における水相の分離を防止するため、凍結防止剤として知られているグリセリンを水相に配合したところ、低温での水相の分離は抑制できたが、今度は、70℃でエマルション粒子の粗大化が起こるという新たな課題が発生した。インクジェット方式の印刷では、印刷時にインクジェットヘッドが高温になる為、高温で性状変化を呈するエマルションをインキとして用いると、吐出性が損なわれる可能性がある。
一方、従来、油中水(W/O)型エマルションに糖アルコールを配合することは知られているが(特許文献1及び2参照)、水相の含有量が高く高粘度の油中水(W/O)型エマルションを対象としているに過ぎない。
特開平11−158032号公報 特開2001−335415号公報
本発明の目的は、上記特定の乳化剤を使用することにより低粘度化を図った油中水(W/O)型エマルションであって、高温及び低温の何れにおいても水相の分離が抑制され、かつ、高温でのエマルション粒子の粗大化も抑制されたものを提供することにある。
本発明者等は、上記目的の下に鋭意研究した結果、油中水(W/O)型エマルションインキの乳化剤としてアルキルグリセリルエーテルと特定のポリグリセリン脂肪酸エステルとを併用し、水相に炭素数が4である糖アルコール含有させることにより、高温及び低温の何れにおいても水相の分離が抑制され、かつ、高温でのエマルション粒子の粗大化も抑制された油中水(W/O)型エマルションが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル及びアルキルグリセリルエーテルを含有する油中水(W/O)型エマルションであって、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分がオレイン酸またはイソステアリン酸で、かつ、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが7〜14であり、前記水相に炭素数が4である糖アルコールを含有することを特徴とする油中水(W/O)型エマルションが提供される。
上記本発明の油中水(W/O)型エマルションに色材を含有させれば、油中水(W/O)型エマルションインキが得られる。このエマルションインキは、低粘度に構成することができ、インクジェット用インキとして好適である。
本発明によれば、油中水(W/O)型エマルションを形成するための乳化剤としてアルキルグリセリルエーテルと特定のポリグリセリン脂肪酸エステルとを併用し、水相に炭素数が4である糖アルコールを含有させることとしたので、高温及び低温の何れにおいても水相の分離が抑制され、かつ、高温でのエマルション粒子の粗大化も抑制された油中水(W/O)型エマルション、及び、該エマルションを用いた油中水(W/O)型エマルションインキが得られる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の油中水(W/O)型エマルションは、油相及び水相を混合し、該油相中に該水相を微細な粒子として分散させることによって得られる。
油相は、有機溶剤及び乳化剤から主として構成されるが、必要に応じて、色材等の他の成分を含有してもよい。
有機溶剤としては、非極性溶剤及び極性溶剤の何れも使用できる。これらは、単独で使用してもよく、または、単一の相を形成する限り、2種以上組み合わせて使用できる。
非極性溶剤としては、ナフテン系、パラフィン系、イソパラフィン系等の石油系炭化水素溶剤を使用でき、具体的には、ドデカンなどの脂肪族飽和炭化水素類、エクソンモービル社製「アイソパー、エクソール」(いずれも商品名)、JX日鉱日石エネルギー社製「AFソルベント」(商品名)、サン石油社製「サンセン、サンパー」(いずれも商品名)等が挙げられる。これらは、単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。
極性溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤などが挙げられる。これらは、単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が5以上、好ましくは9以上、より好ましくは12乃至32の高級脂肪酸エステル類が挙げられ、例えば、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソステアリル、イソパルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルドデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2エチルヘキサン酸グリセリルなどが挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が12以上の脂肪族高級アルコール類が挙げられ、具体的には、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの高級アルコールが挙げられる。
脂肪酸系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が4以上、好ましくは9乃至22の脂肪酸類が挙げられ、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのグリコールエーテル類の他、グリコールエーテル類のアセタートなどが挙げられる。
乳化剤としては、脂肪酸部分がオレイン酸またはイソステアリン酸であり、HLBが7〜14であるポリグリセリン脂肪酸エステルが使用される。ここにおいて、ポリグリセリン脂肪酸エステルとは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化物を言う。ポリグリセリン脂肪酸エステルが上記本発明の要件を満たさない場合、エマルションの粘度が高くなり、また、エマルションの保存安定性が劣る。脂肪酸部分がイソステアリン酸であると、エマルションの粘度が低くなり、かつ、エマルションの保存安定性も高度に改善できるため、好ましい。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルにおいて、グリセリンの重合度は4以上が好ましく、4〜20であることがより好ましく、6〜16であることが更により好ましく、このポリグリセリン1分子当たり数個(例えば1〜3個)の上記高級脂肪酸がエステル結合して付加していることが好ましい。グリセリンの重合度が4未満では、水相の分離が起こり易くなることがある。また、上記ポリグリセリン脂肪酸エステルの有機性値は550〜2300が好ましく、無機性値は600〜2500が好ましい。上記ポリグリセリン脂肪酸エステルのより好ましい有機性値は550〜1700であり、より好ましい無機性値は600〜1800である。有機性値が2300より大きい場合や、無機性値が2500より大きい場合はエマルションの粘度が高くなってしまう。
好ましいポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、イソステアリン酸デカグリセリル、イソステアリン酸ヘキサグリセリル、イソステアリン酸テトラグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、オレイン酸デカグリセリル、オレイン酸ヘキサグリセリル、オレイン酸テトラグリセリル、ジオレイン酸デカグリセリルなどが挙げられる。
乳化剤としては、上記ポリグリセリン脂肪酸エステルに加え、アルキルグリセリルエーテルが使用される。アルキルグリセリルエーテルとしては、23℃で液体のものが好ましい。23℃で固体のものは、低温で析出物を生じる可能性がある。
好ましいアルキルグリセリルエーテルの具体例としては、ミリスチルグリセリルエーテル、パルミチルグリセリルエーテル、ステアリルグリセリルエーテル、オレイルグリセリルエーテル、イソステアリルグリセリルエーテルなどが挙げられる。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルと前記アルキルグリセリルエーテルとの配合比率は、質量比にて前者:後者=95〜50:5〜50が好ましい。乳化剤にアルキルグリセリルエーテルを併用することで、高温及び低温での水相の分離と高温でのエマルション粒子の粗大化を高度に抑制できる。
本発明における上記2種類の乳化剤の合計使用量は、油中水(W/O)型エマルショエマルション全量に対し、固形分質量比で、0.5〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量%であり、さらに好ましくは2〜20質量%である。この使用量が0.5質量%に満たない場合には、エマルションの保存安定性が低下する可能性がある。また、この使用量が40質量%を超えた場合には、粘度が高くなり、インクジェット用インキには適さなくなる可能性がある。また、乳化剤の使用量は、油相の量の5〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましい。
なお、「有機性値」及び「無機性値」は、藤田穆により提案された「有機概念図」において用いられている概念に基づくものであり、有機化合物をその炭素領域の共有結合連鎖に起因する「有機性」と置換基(官能基)に存在する静電性の影響による「無機性」との2因子に分けてそれぞれを数値化したものであり、個々の化合物の構造等から求められる値である。「有機概念図」に関連する事項は、藤田穆著「系統的有機定性分析(混合物編)」風間書房(1974)等に詳述されている。
HLBは下記式より算出した理論値である。
HLB = {(無機性値)/(有機性値)}×10
油相は、例えばディスパー等の公知の撹拌混合機又はビーズミル等の公知の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製できる。
水相は、水に炭素数が4である糖アルコールを溶解又は分散し、さらに必要に応じて、色材、金属塩、電解質、保湿剤、水溶性高分子、水中油(O/W)型樹脂エマルション、防黴剤、防腐剤、pH調整剤、凍結防止剤等を溶解又は分散して構成される。
炭素数が4である糖アルコールは、式C(OH)で表わされるテトリトールであり、例えば、エリスリトール、D−トレイトール、L−トレイトールが挙げられるが、そのうち、エリスリトールが好ましく用いられる。炭素数が4である糖アルコールを用いることにより、低温での水相の分離だけでなく、高温での水相の粗大化が抑制される。これに対し、グリセリンのような炭素数が3以下の糖アルコールを用いた場合、低温での水相の分離は抑制されるが、高温で水相の粗大化が生じる。また、キシリトールのような炭素数が5以上の糖アルコールを用いた場合、高温での水相の粗大化は抑制されるが、低温で水相の分離が発生する。
炭素数が4である糖アルコールの添加量は、エマルション全量の0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、また、水相全量の10〜40質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。糖アルコールの量が少なすぎると、低温でのエマルション安定性が低下する。糖アルコールに量が多すぎると、低温で糖アルコールが析出する可能性がある。
水相は、例えばディスパー等の公知の撹拌混合機又はビーズミル等の公知の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製できる。
本発明の油中水(W/O)型エマルションは、上記の油相と水相を混合、乳化させることにより製造できる。水相と油相は、予め別々に調製したのち、油相液中に水相液を添加して乳化させてもよく、または、水相に油相を構成する成分を一括または個別に添加した後、乳化させてもよい。製造には、ディスパーミキサー、ホモミキサー等の公知の乳化機を用いることができる。
本発明の油中水(W/O)型エマルションは、油相40〜95質量%及び水相60〜5質量%となるように配合することが好ましい。水相の比率が60質量%を越えると、油中水(W/O)型エマルション中で水相が分離しやすくなる。水相の比率が5質量%に満たないと、インキとして使用した場合、印刷濃度が低くなったり、印刷物に裏抜けが発生したりする可能性がある。一般に、水相の比率が高くなると、エマルション粘度が上昇する傾向があるため、両相の配合比率は、油相50〜95質量%及び水相50〜5質量%がより好ましく、油相60〜95質量%及び水相40〜5質量%がさらにより好ましく、油相70〜95質量%及び水相30〜5質量%が特に好ましい。
本発明の油中水(W/O)型エマルションに色材を含有させることにより、幅広い温度条件において水相の分離が起こらず、高温でのエマルション粒子の粗大化が起こらない油中水(W/O)型エマルションインキを調製することができる。色材は、油相及び水相の少なくとも何れか一方に含有させればよい。色材としては、染料及び顔料の何れも使用することができる。色材は、インキ全量に対して0.01〜20質量%の範囲で含有させることが好ましい。
顔料としては、有機顔料、無機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、カーボンブラック、カドミウムレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、酸化クロム、ピリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料などが好適に使用できる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
染料としては、たとえば、アゾ系、アントラキノン系、アジン系等の油溶性染料及び水溶性染料を用いることができる。
上記色材を油相又は水相中に良好に分散又は溶解させるために、色材とともに分散剤または溶解助剤を添加してもよい。分散剤の含有量は、色材を十分に水相又は油相中に分散又は溶解可能な量であれば足り、適宜設定できる。
本発明のインクジェット用油中水(W/O)型エマルションインキの製造方法は、特に限定されない。例えば、油相に乳化剤とともに顔料を含有させておき、そこに水相を添加して乳化する方法、予め有機溶剤の一部と顔料の全量を均一に分散させた顔料分散液を調製しておき、この分散液に残りの成分を添加して乳化する方法、顔料を有機溶剤に分散させて得た顔料分散液又は色材を含有せしめた水相を油中水(W/O)型エマルションに混合して更に乳化する方法等が挙げられる。製造には、ディスパーミキサー、ホモミキサー等の公知の乳化機を用いることができる。
このようにして得られる本発明の油中水(W/O)型エマルションインキの23℃における粘度は、インクジェット用途の場合、5〜100mP・sの範囲に設定することが好ましく、5〜50mPa・sの範囲に設定することがより好ましく、10〜20mPa・sの範囲に設定することが特に好ましい。インキの粘度は、油相の構成成分の種類及び量、水相の量を調節することによって調整できる。一般的には、水相の量及び/又は乳化剤の量が少ないほど、インキの粘度は低下する。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4、比較例1〜4
表1に示す配合の乳化剤、有機溶剤及び油溶性染料をミキサーで混合し油相を得た。次に、表1に示す配合の水及び糖アルコールを混合して水相を得た。油相を高速ホモジナイザー「ヒスコトロン」(商品名:マイクロテック・ニチオン社製)を用いて5000rpmで攪拌しながら、該油相中に水相を滴下した後、20000rpmで5分間攪拌して油中水(W/O)型エマルションを得た。なお、表1中の各成分の配合量は質量部で示してある。
上記実施例及び比較例でそれぞれ得られた油中水(W/O)型エマルションについて、以下の方法により評価を行った。
(1)サイクル試験における水分量変化(水相の分離の程度)
油中水(W/O)型エマルションは、経時により内部で水相の分離が生じると、エマルション上層の水分量が減少する。エマルションを恒温槽で保存した後にエマルション上層の水分量を測定し、保存前の水分量と比較する事によって分離の程度を評価した。エマルションを5mlのスクリューバイアル瓶に入れて、−20℃〜50℃まで周期的に温度が変化する恒温槽で4週間静置した後にエマルション上層の水分量を測定した。エマルションは容器の上の方からサンプリングし、水分量測定はカールフィッシャー水分測定装置(701型、メトローム・シバタ株式会社製)を用いて行った。
エマルション上層水残存率(%):
{保存後のエマルション上層水分量(質量%)/保存前のエマルション上層水分量(質量%)}×100
上記式で得られる水残存率を指標にして、水相分離の程度を次の基準に基づいて評価した。
○:エマルション上層水残存率が80%以上である。
×:エマルション上層水残存率が80%未満である。
(2)粒子径変化
油中水(W/O)型エマルションを5mlのスクリューバイアル瓶に入れて、70℃の恒温槽で4週間静置した後にエマルションの粒子径(nm)を測定した。粒子径測定は、動的光散乱式粒度分布計LB−500(堀場製作所製)を使用して、体積基準でD50の値を測定することにより行った。
粒子径変化率(%):
{保存後のエマルション粒子径/保存前のエマルション粒子径}×100
上記式で得られる粒子径変化率を指標にして、粒子径変化を次の基準に基づいて評価した。
○:粒子径変化率が+10%以下である。
×:粒子径変化率が+10%より大きい。
Figure 2013177484
なお、表1記載の原材料の詳細は、以下の通りである。
Decaglyn 2−ISV(商品名):日光ケミカルズ(株)製ジイソステアリン酸デカグリセリル(有機性値=1300、無機性値=1300、HLB=10.0、グリセリン重合度10、エステル化度2)。
ペネトールGE−IS(商品名):花王(株)製イソステアリルグリセリルエーテル(有機性値=410、無機性値=220、HLB=5.4)。
キミルアルコール(商品名):日光ケミカルズ(株)製オレイルグリセリルエーテル(有機性値=420、無機性値=222、HLB=5.2)。
AFソルベント7号(商品名):JX日鉱日石エネルギー(株)製石油系炭化水素溶剤。
OIL BLACK HBB(商品名):オリヱント化学工業(株)製Solvent Black 3。
エリスリトールmeso(商品名):和光純薬工業(株)製meso−エリスリトール
グリセリン:和光純薬工業(株)製
キシリトール:和光純薬工業(株)製
これらの評価結果を表1に示す。表1から以下のことがわかる。
炭素数4の糖アルコールであるエリスリトールを添加した実施例1〜4では、サイクル試験における水相の分離が抑制され、70℃でのエマルション粒子の粗大化も発生しなかった。
これに対し、糖アルコールを添加しない比較例1では、70℃でエマルション粒子の粗大化は起こらなかったが、サイクル試験において水相が分離した。炭素数3の糖アルコールであるグリセリンを水相に添加した比較例2では、サイクル試験における水相の分離は抑制できたが、70℃でエマルション粒子の粗大化が起こった。炭素数5の糖アルコールで3あるキシリトールを水相に添加した比較例3では、70℃でエマルション粒子の粗大化は起こらなかったが、サイクル試験において水相が分離した。アルキルグリセリルエーテルを使用しない比較例4では、70℃でエマルション粒子の粗大化が起こり、サイクル試験においても水相が分離した。
本発明の油中水(W/O)型エマルションは、低温及び高温の何れにおいても水相の分離が抑制され、かつ、高温でのエマルション粒子の粗大化も抑制されているので、温度変化の激しい環境下で製造、使用又は保存される医薬品、化粧品、インキ等の各種用途に利用することができ、また、低粘度化が容易に達成できるので、インクジェット印刷の分野、特に、ラインヘッド型インクジェット方式を採用したビジネスプリンタのインキとして利用できる。

Claims (4)

  1. 乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル及びアルキルグリセリルエーテルを含有する油中水(W/O)型エマルションであって、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分がオレイン酸またはイソステアリン酸で、かつ、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが7〜14であり、前記水相に炭素数が4である糖アルコールを含有することを特徴とする油中水(W/O)型エマルション。
  2. 前記炭素数が4である糖アルコールが、エリスリトールである、請求項1に記載の油中水(W/O)型エマルション。
  3. 油相40〜95質量%及び水相60〜5質量%からなる請求項1又は2に記載の油中水(W/O)型エマルション。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の油中水(W/O)型エマルションに色材を含有させたことを特徴とする油中水(W/O)型エマルションインキ。
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