以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、基板貼り合わせ装置の全体構成の平面図である。図1に矢印で示すXYを基板貼り合わせ装置10のXY方向とする。本実施形態は、基板貼り合わせ装置10が、同じ構成を有する複数の装置、例えば、加圧室68、76を有しつつ、一対の基板ホルダ204によって基板200の保持を可能とする。図1に示すように、基板貼り合わせ装置10は、前処理部12と、一対の貼り合わせ部14と、制御部16とを備える。
前処理部12は、前枠体20と、基板カセット22と、ロボットアーム24と、プリアライナ26と、ロボットアーム28と、搬入部30と、搬出部32と、アライナ34と、ロボットアーム36とを備える。
前枠体20は、中空の筐体である。前枠体20は、基板カセット22及びロボットアーム24を除く前処理部12の主要部を収容する。
基板カセット22は、前枠体20の外部に、前枠体20に対して脱着可能に装着される。基板カセット22は、基板貼り合わせ装置10において貼り合わされる基板200を収容する。これにより、複数の基板200を一括して基板貼り合わせ装置10に装着できる。基板カセット22は、基板貼り合わせ装置10において貼り合わされて搬出された重ね合わせ基板202を収容する。
ロボットアーム24は、基板200及び重ね合わせ基板202を真空吸着する。ロボットアーム24は、X方向に移動する。ロボットアーム24は、基板カセット22に収容されている基板200をプリアライナ26へと搬送する。ロボットアーム24は、貼り合わされた後、プリアライナ26まで搬送された重ね合わせ基板202を基板カセット22へと搬出する。
プリアライナ26は、ターンテーブル40と、ホルダテーブル42とを有する。ターンテーブル40は、ロボットアーム24によって搬入された基板200を保持する。ターンテーブル40は、その基板200を鉛直軸の周りに回転させて、基板200の周方向の位置を仮合わせする。ホルダテーブル42は、貼り合わされた後、ロボットアーム28によって搬送される重ね合わせ基板202と基板ホルダ204とを保持する。ホルダテーブル42は、重ね合わせ基板202と基板ホルダ204とを分離する。基板ホルダ204から分離された重ね合わせ基板202は、ロボットアーム24によって基板カセット22へと搬出される。一方、ターンテーブル40の基板200は、分離されて残った基板ホルダ204へと搬送されて載置される。
プリアライナ26は、高精度であるが故に、狭いアライナ34の調整範囲に基板200を位置が収まるように、個々の基板200及び基板ホルダ204の位置及び向きを仮合わせする。この結果、アライナ34が、基板200及び基板ホルダ204を正確に位置合わせできる。
ロボットアーム28は、プリアライナ26からロボットアーム36までの間で、Y方向に移動する。ロボットアーム28は、鉛直軸の周りで回転する。ロボットアーム28は、回転軸を起点としてXY面内で伸縮駆動する。ロボットアーム28は、基板200を吸着するホルダテーブル42の基板ホルダ204を真空吸着して搬入部30へと搬送する。ロボットアーム28は、アライナ34によって位置合わせされて、一対の基板ホルダ204に保持された一対の基板200を真空吸着して搬出部32から搬送して、ロボットアーム36に受け渡す。ロボットアーム28は、貼り合わせ後の重ね合わせ基板202を一対の基板ホルダ204とともに、ロボットアーム36から受け取って、ホルダテーブル42へと搬送する。
搬入部30は、ロボットアーム28によって搬入された基板200を保持する基板ホルダ204を一時的に吸着して保持する。搬出部32は、アライナ34によって位置合わせされた一対の基板200及び一対の基板ホルダ204を一時的に吸着して保持する。尚、搬入部30及び搬出部32は、アライナ34とアライナ34以外の前枠体20の内部とを遮断する。これにより、アライナ34は、内部の温度及び湿度の調整を容易にしつつ、汚染を抑制する。
アライナ34は、搬入部30及び搬出部32によって外部と遮断されている。アライナ34の内部は、空調機等によって温度及び湿度が管理されている。これにより、アライナ34は、位置合わせの精度を向上させている。アライナ34は、ロボットアーム50と、固定ステージ52と、移動ステージ54とを有する。ロボットアーム50は、搬入部30に搬入された基板200を保持する基板ホルダ204を移動ステージ54または固定ステージ52へと搬送する。ロボットアーム50は、固定ステージ52に基板200及び基板ホルダ204を搬送する場合、上下を反転させて搬送する。従って、移動ステージ54は、基板ホルダ204を下にして、基板200及び基板ホルダ204を保持するとともに、固定ステージ52は、基板ホルダ204を上にして、基板200及び基板ホルダ204を保持する。移動ステージ54は、X方向、Y方向、及び、鉛直方向に移動する。これにより、移動ステージ54はXY方向に移動して、自己が保持する基板200を固定ステージ52が保持する基板200に位置合わせする。これにより、一対の基板200が、移動ステージ54によって位置合わせされた状態で、一対の基板ホルダ204の間で保持される。ロボットアーム50は、位置合わせされた一対の基板200を基板ホルダ204とともに、搬出部32へと搬送する。
ロボットアーム36は、一対の貼り合わせ部14の間でX方向に沿って移動する。ロボットアーム36は、鉛直軸の周りに回転する。ロボットアーム36は、ロボットアーム28が搬送する一対の基板200及び一対の基板ホルダ204を真空吸着して貼り合わせ部14へと搬送する。ロボットアーム36は、貼り合わせ部14が貼り合わせた重ね合わせ基板202を一対の基板ホルダ204とともに真空吸着して、貼り合わせ部14からロボットアーム28へと搬送する。
貼り合わせ部14は、一対の基板ホルダ204に保持された一対の基板200を貼り合わせて重ね合わせ基板202とする。貼り合わせ部14は、後枠体60と、エアロック室62と、前ロボット室64と、ロボットアーム66と、4個の加圧室68と、中継ポート70と、後ロボット室72と、ロボットアーム74と、4個の加圧室76とを有する。エアロック室62及び中継ポート70は、仮置きポートの一例である。ロボットアーム66、74は、搬送ロボットの一例である。
後枠体60は、前枠体20の一面に設けられている。後枠体60は、中空の筐体である。後枠体60は、貼り合わせ部14の主要部を収容する。
エアロック室62は、前処理部12側のシャッタ80と、貼り合わせ部14側のシャッタ82と、載置台84とを有する。シャッタ80、82は、何れか一方のみが開状態となる。これにより、エアロック室62は、前処理部12と貼り合わせ部14とを遮断しつつ、前処理部12と貼り合わせ部14との間で基板200及び基板ホルダ204の搬送を可能にする。
前ロボット室64は、中空の六角柱形状に形成されている。前ロボット室64は、ロボットアーム66を収容する。前ロボット室64の六辺のうち、−Y側の辺はエアロック室62と連結されている。前ロボット室64の六辺のうち、+Y側の辺は、中継ポート70と連結されている。前ロボット室64の六辺のうち、残りの四辺は、加圧室68と連結されている。
ロボットアーム66は、前ロボット室64の中心の周りを回動する。ロボットアーム66は、前ロボット室64の中心を通る直線状で外内方向に伸縮駆動する。ロボットアーム66は、エアロック室62に搬入された基板ホルダ204を真空吸着する。ロボットアーム66は、真空吸着した一対の基板ホルダ204を、重ね合わされた一対の基板200とともに加圧室68のいずれか、または、中継ポート70へと搬送する。ロボットアーム66は、基板ホルダ204を真空吸着して、加圧室68によって貼り合わされた重ね合わせ基板202とともに、加圧室68からエアロック室62へと搬送する。また、ロボットアーム66は、加圧室76によって貼り合わされた重ね合わせ基板202を基板ホルダ204とともに真空吸着して、中継ポート70からエアロック室62へと搬送する。
各加圧室68は、同じ構成である。各加圧室68は、配置される位置及び向きが異なる。加圧室68は、下加圧ステージ90と、上加圧ステージ92とを備える。下加圧ステージ90及び上加圧ステージ92は、一対の基板ホルダ204に保持された一対の基板200を上下方向から加圧して貼り合わせる。これにより、基板200と基板200とが接合されて重ね合わせ基板202となる。尚、加圧室68は、一対の基板200を加熱しつつ、加圧してもよい。
中継ポート70は、前ロボット室64側のシャッタ96と、後ロボット室72側のシャッタ97と、中継載置台98とを有する。シャッタ96、97は、何れか一方のみが開状態となる。これにより、中継ポート70は、前ロボット室64と後ロボット室72とを遮断しつつ、前ロボット室64と後ロボット室72との間で基板200及び基板ホルダ204の搬送を可能にする。中継ポート70は、エアロック室62と同じ構成にしてもよい。
後ロボット室72、ロボットアーム74及び加圧室76は、それぞれ前ロボット室64、ロボットアーム66、加圧室68と同じ構成のため説明を簡略化する。後ロボット室72は、中継ポート70を挟み前ロボット室64と反対側に配置されている。ロボットアーム74は、後ロボット室72の内部に配置されている。加圧室76は、後ロボット室72に設けられている。加圧室76は、下加圧ステージ100と、上加圧ステージ102とを備える。
制御部16は、基板貼り合わせ装置10の制御全般を司る。例えば、制御部16は、ロボットアーム24、28、36、66、74の移動及び吸着等を制御する。
次に、上述した基板貼り合わせ装置10による基板200の貼り合わせ工程について説明する。
まず、ロボットアーム24が、基板カセット22から基板200をプリアライナ26のターンテーブル40へと搬送する。プリアライナ26は、ターンテーブル40によって基板200の方向を合わせた後、ホルダテーブル42に載置されている基板ホルダ204へと基板200を搬送する。これにより、基板ホルダ204は、基板200を静電吸着する。
ロボットアーム28は、基板200を静電吸着する基板ホルダ204をプリアライナ26から搬入部30へと搬送する。アライナ34では、ロボットアーム50が、固定ステージ52に基板ホルダ204及び基板200を反転させて搬送する。固定ステージ52は、基板ホルダ204を上にして、基板ホルダ204及び基板200を吸着して保持する。
同様の動作によって、搬入部30に搬送された次の基板ホルダ204及び基板200を、ロボットアーム50が、移動ステージ54へと搬送する。移動ステージ54は、基板ホルダ204及び基板200を吸着して保持する。移動ステージ54は、自己の保持する基板200と、固定ステージ52が保持する基板200とを位置合わせする。その後、移動ステージ54は上昇して、基板200と基板200とを接触させる。これにより、一方の基板ホルダ204が他方の基板ホルダ204を吸着して、一対の基板ホルダ204が、一対の基板200を保持する。
次に、ロボットアーム50が、一対の基板ホルダ204及び一対の基板200を移動ステージ54から搬出部32へと搬送する。ロボットアーム28は、搬出部32から一対の基板ホルダ204及び一対の基板200を搬出して、ロボットアーム36の方向へと移動する。ロボットアーム36は、ロボットアーム28から基板ホルダ204及び基板200を受け取って、吸着して保持するとともに、ロボットアーム28は、基板ホルダ204及び基板200の吸着を解除する。ロボットアーム36は、基板ホルダ204及び基板200をいずれかの貼り合わせ部14のエアロック室62へと搬送する。
ロボットアーム66は、エアロック室62の基板ホルダ204及び基板200をいずれかの加圧室68または中継ポート70へと搬送する。加圧室68は、搬送された基板ホルダ204及び基板200を加圧する。これにより、一対の基板200が、互いに貼り合わされて重ね合わせ基板202となる。この後、ロボットアーム66が、基板ホルダ204及び重ね合わせ基板202をエアロック室62へと搬送する。
一方、中継ポート70に搬送された基板ホルダ204及び基板200は、ロボットアーム74によって、いずれかの加圧室76に搬送される。加圧室76は、一対の基板200を加圧する。これにより、一対の基板200が貼り合わされて重ね合わせ基板202となる。この後、ロボットアーム74、66が、一対の基板ホルダ204及び重ね合わせ基板202をエアロック室62へと搬送する。
この後、ロボットアーム36、28が、基板ホルダ204及び重ね合わせ基板202をプリアライナ26へと搬送する。プリアライナ26が、基板ホルダ204と重ね合わせ基板202とを分解した後、ロボットアーム24が、重ね合わせ基板202を基板カセット22へと搬出する。
図2は、一対の基板ホルダ204のうち上基板ホルダ210を上方から見た斜視図である。図3は、上基板ホルダ210を下方から見た斜視図である。
図2及び図3に示すように、上基板ホルダ210は、上ホルダ本体212と、4個の被吸着部214と、一対の上静電パッド216、216と、4個の上面受給端子218と、4個の下面受給端子220とを有する。
上ホルダ本体212は、基板200よりも一回り大きい円板形状に形成されている。上ホルダ本体212の下面の中央部には、基板200が載置される上載置面222が形成されている。上載置面222は、外周よりも下に突出して形成されている。上載置面222は、基板200と略同じ円形状に形成されている。
被吸着部214は、上ホルダ本体212の下面に配置されている。被吸着部214は、上載置面222よりも外側に配置されている。4個の被吸着部214は、上ホルダ本体212の中心の周りに90°間隔で4個所に配置されている。被吸着部214は、磁石に吸着される材料、例えば、強磁性材料を含む。
一対の上静電パッド216は、上ホルダ本体212の内部であって、上載置面222に対応する領域に埋め込まれている。各上静電パッド216は、略半円形状に形成されている。一方の上静電パッド216は、上載置面222の中心を挟み、他方の上静電パッド216の反対側に配置されている。
4個の上面受給端子218は、上ホルダ本体212の上面に設けられている。4個の上面受給端子218は、上載置面222よりも外側に配置されている。2個の上面受給端子218は、一方の上静電パッド216と電気的に接続されている。残りの2個の上面受給端子218は、他方の上静電パッド216と接続されている。2個の上面受給端子218と残りの2個の上面受給端子218は、上ホルダ本体212の中心に関して、180度点対称の位置に配置されている。上面受給端子218は、上静電パッド216への静電力の供給を外部から受けて、上静電パッド216へと伝達する。ここでいう外部とは、エアロック室62、中継ポート70及びロボットアーム66、74等である。例えば、一方の上静電パッド216に接続される上面受給端子218には、他方の上静電パッド216に接続される上面受給端子218よりも高い電圧が印加される。これにより、一方の上静電パッド216の電圧が、他方の上静電パッド216の電圧よりも高くなり、上静電パッド216と対向するように上載置面222に載置された基板200が静電吸着される。
4個の下面受給端子220は、上ホルダ本体212の下面に設けられている。4個の下面受給端子220は、平面視において、4個の上面受給端子218のいずれかと同じ場所に配置されている。2個の下面受給端子220は、一方の上静電パッド216と電気的に接続されている。2個の下面受給端子220は、他方の上静電パッド216と電気的に接続されている。2個の下面受給端子220と残りの2個の下面受給端子220は、上ホルダ本体212の中心に関して、180度点対称の位置に配置されている。下面受給端子220は、上静電パッド216への静電力の供給を外部から受けて、上静電パッド216へと伝達する。ここでいう外部とは、エアロック室62、中継ポート70及びロボットアーム66、74等である。例えば、一方の上静電パッド216に接続される下面受給端子220には、他方の上静電パッド216に接続される下面受給端子220よりも高い電圧が印加される。これにより、基板200と上静電パッド216との間に静電力が作用して、基板200が、上静電パッド216によって静電吸着される。
図4は、一対の基板ホルダ204のうち下基板ホルダ230を上方から見た斜視図である。図5は、下基板ホルダ230を下方から見た斜視図である。
図4及び図5に示すように、下基板ホルダ230は、下ホルダ本体232と、4個の吸着部234と、一対の下静電パッド236、236と、4個の外受給端子238と、4個の内受給端子240とを有する。
下ホルダ本体232は、載置部の一例である。下ホルダ本体232は、基板200よりも一回り大きい円板形状であって、上ホルダ本体212と略同形状に形成されている。下ホルダ本体232の上面の中央部には、基板200が載置される下載置面242が形成されている。下載置面242は、外周よりも上に突出して形成されている。下載置面242は、基板200と略同じ円形状に形成されている。下ホルダ本体232の外周には、4個の凹部233が形成されている。凹部233の外周側は、開口されている。凹部233は、下ホルダ本体232を上下方向に貫通している。上基板ホルダ210及び下基板ホルダ230が基板200を挟んだ状態において、凹部233は、下面受給端子220の下方に配置される。従って、上基板ホルダ210の下面受給端子220は、下基板ホルダ230によって覆われることなく、凹部233によって露出される。
吸着部234は、下ホルダ本体232の上面に設けられている。吸着部234は、下載置面242よりも外側に配置されている。4個の吸着部234は、下ホルダ本体232の中心の周りに90°間隔で4個所に配置されている。従って、4個の吸着部234は、被吸着部214のいずれかと対向する位置に配置されている。吸着部234は、被吸着部214を吸着可能な永久磁石を含む。吸着部234が被吸着部214を吸着することにより、上基板ホルダ210及び下基板ホルダ230が、一対の基板200を挟み保持する。
一対の下静電パッド236は、保持部の一例である。一対の下静電パッド236は、下ホルダ本体232の内部であって、下載置面242に対応する領域に埋め込まれている。各下静電パッド236は、略半円形状に形成されている。一方の下静電パッド236は、下載置面242の中心を挟み、他方の下静電パッド236の反対側に配置されている。
4個の外受給端子238は、受給部の一例である。4個の外受給端子238は、下ホルダ本体232の下面に設けられている。4個の外受給端子238は、下載置面242よりも外側に配置されている。4個の外受給端子238は、下基板ホルダ230と上基板ホルダ210とで基板200を挟んだ状態では、上面受給端子218及び下面受給端子220と異なる位置に配置されている。各外受給端子238は、下ホルダ本体232の中心から同じ距離に配置されている。即ち、4個の外受給端子238は、下載置面242の垂直軸の周りの複数の回転位置に配置されている。2個の外受給端子238は、一方の下静電パッド236と電気的に接続されている。残りの2個の外受給端子238は、他方の下静電パッド236に接続されている。尚、一方の下静電パッド236と接続されている1個の外受給端子238と他方の下静電パッド236と接続されている1個の外受給端子238とを含む一対の外受給端子238が、第一の受給部の一対の受給端部の一例である。同様に、残りの一対の外受給端子238が、第二の受給部の一対の受給端部の一例である。
外受給端子238は、下静電パッド236への静電力の供給を外部から受けて、下静電パッド236へと伝達する。ここでいう外部とは、エアロック室62、中継ポート70及びロボットアーム66、74等である。例えば、一方の下静電パッド236と接続される外受給端子238には、他方の下静電パッド236と接続される外受給端子238よりも高い電圧が給電される。これにより、下静電パッド236が、基板200を下載置面242に静電吸着して保持する。4個の外受給端子238は、下ホルダ本体232の中心に関して、点対称の位置に配置されている。例えば、4個の外受給端子238のうち、上述の一対の外受給端子238と、残りの一対の外受給端子238は、下ホルダ本体232の中心に関して、下ホルダ本体232の中心に関して、180度の回転対称の位置に配置されている。尚、一対の外受給端子238と、残りの一対の外受給端子238は、下ホルダ本体232の中心に関して、45度以上180度以下の回転対称の位置に配置することが好ましい。
4個の内受給端子240は、受給部の一例である。4個の内受給端子240は、下ホルダ本体232の下面に設けられている。4個の内受給端子240は、下載置面242よりも外側に配置されている。4個の内受給端子240は、下基板ホルダ230と上基板ホルダ210とで基板200を挟んだ状態では、上面受給端子218及び下面受給端子220と異なる位置に配置されている。各内受給端子240は、下ホルダ本体232の中心から同じ距離に配置されている。4個の内受給端子240は、下載置面242の垂直軸の周りの複数の回転位置に配置されている。2個の内受給端子240は、一方の下静電パッド236と電気的に接続されている。残りの2個の内受給端子240は、他方の下静電パッド236に接続されている。尚、一方の下静電パッド236と接続されている1個の内受給端子240と他方の下静電パッド236と接続されている1個の内受給端子240とを含む一対の内受給端子240が、第三の受給部の一対の受給端部の一例である。同様に、残りの一対の内受給端子240が、第四の受給部の一対の受給端部の一例である。
内受給端子240は、下静電パッド236への静電力の供給を、外部から受けて、下静電パッド236へと伝達する。ここでいう外部とは、ロボットアーム36等である。例えば、一方の下静電パッド236と接続される内受給端子240には、他方の下静電パッド236と接続される内受給端子240よりも高い電圧が給電される。これにより、下静電パッド236が、基板200を下載置面242に静電吸着して保持する。4個の内受給端子240は、下ホルダ本体232の中心に関して、点対称の位置に配置されている。例えば、4個の内受給端子240のうち、上述の一対の内受給端子240と、残りの一対の内受給端子240は、下ホルダ本体232の中心に関して、180度の回転対称の位置に配置されている。尚、一対の内受給端子240と、残りの一対の内受給端子240は、下ホルダ本体232の中心に関して、45度以上180度以下の回転対称の位置に配置することが好ましい。内受給端子240の各対の幅は、外受給端子238の各対の幅よりも小さい。
図6から図10は、ロボットアーム28とロボットアーム36とによる基板ホルダ204の受け渡しを説明する平面図である。図6から図10において、一対の基板200は省略する。
まず、図6に示すように、ロボットアーム28が、搬出部32に載置されている下基板ホルダ230へと移動する。ここで、ロボットアーム28は、一対の吸着爪44、44及び二対の接続部46を有する。一対の吸着爪44、44は、互いに間隔を開けて配置されている。外側の一対の接続部46の間隔は、一方の下静電パッド236に接続される外受給端子238と他方の下静電パッド236に接続される外受給端子238との間隔と等しい。内側の一対の接続部46の間隔は、一方の上静電パッド216に接続される下面受給端子220と他方の上静電パッド216に接続される下面受給端子220との間隔と等しい。
図6から図10において、下基板ホルダ230の4個の外受給端子238のうち、2個の外受給端子238Aを三角で示すとともに、残りの2個の外受給端子238Bを四角で示す。一方の外受給端子238Aは一方の下静電パッド236に接続され、他方の外受給端子238Aは他方の下静電パッド236に接続されている。2個の外受給端子238Bも同様である。また、内受給端子240及び下面受給端子220についても同様である。
次に、図7に示すように、ロボットアーム28の一対の接続部46が、下基板ホルダ230の一対の外受給端子238B及び下面受給端子220Bの下に配置されて接続される。この状態で、接続部46が、外受給端子238B及び下面受給端子220Bに電圧を印加する。これにより、外受給端子238Bに接続された一対の下静電パッド236間に電圧が印加されるので、下側の基板200が下静電パッド236に静電吸着される。また、下面受給端子220Bに接続された一対の上静電パッド216間に電圧が印加されるので、上側の基板200が上静電パッド216に静電吸着される。この状態で、ロボットアーム28は、右回りに90度回転して、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210を自己の+Y側に配置する。ロボットアーム28は、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210とともに、+Y方向に移動する。
これにより、図8に示すように、ロボットアーム36が、下基板ホルダ230を保持するロボットアーム28に接近する。ここで、ロボットアーム36は、一対の吸着爪56、56を有する。ロボットアーム36は、二対の接続部58を有する。外側の一対の接続部58の間隔は、一方の下静電パッド236に接続される内受給端子240と他方の下静電パッド236に接続される内受給端子240との間隔と等しい。内側の一対の接続部58の間隔は、一方の上静電パッド216に接続される下面受給端子220と他方の上静電パッド216に接続される下面受給端子220との間隔と等しい。
次に、図9に示すように、ロボットアーム36の吸着爪56が、下基板ホルダ230の下へと配置される。ここで、ロボットアーム36の一対の吸着爪56の外側の辺の間隔は、ロボットアーム28の一対の吸着爪44の内側の辺の間隔よりも狭い。これにより、吸着爪56と吸着爪44とが互いに接触することなく、ロボットアーム36の一対の吸着爪56が、ロボットアーム28の一対の吸着爪44の間に挿入される。ロボットアーム36の外側の一対の接続部58が、下基板ホルダ230の内受給端子240Aの下方まで移動した後、ロボットアーム36は上方へ移動する。これにより、外側の一対の接続部58は、内受給端子240Aと接続される。同様に、内側の一対の接続部58が、下面受給端子220Aと接続される。電圧が、接続部58を介して、内受給端子240A及び下面受給端子220Aに印加される。これにより、下静電パッド236が下側の基板200を静電吸着する状態、及び、上静電パッド216が下側の基板200を静電吸着する状態が継続される。
次に、図10に示すように、接続部46から外受給端子238への電圧印加が停止した後、ロボットアーム28が、ロボットアーム36に対して、−Y方向に相対移動して、離間する。この後、ロボットアーム36は、いずれかのエアロック室62へと基板200及び下基板ホルダ230を搬送する。
図11は、貼り合わせ部14を説明する概略の平面図である。図11に示すように、各加圧室68の下加圧ステージ90は、二対の接続部94を有する。外側の一対の接続部94の間隔は、下基板ホルダ230の一方の下静電パッド236に接続される外受給端子238と他方の下静電パッド236に接続される外受給端子238との間隔と等しい。外側の一対の接続部94は、下基板ホルダ230の外受給端子238と接続して下静電パッド236に給電する。内側の一対の接続部94の間隔は、上基板ホルダ210の一方の上静電パッド216に接続される下面受給端子220と他方の上静電パッド216に接続される下面受給端子220との間隔と等しい。内側の一対の接続部94は、凹部233から露出した上基板ホルダ210の一対の下面受給端子220と接続して上静電パッド216に給電する。各下加圧ステージ90の外側の一対の接続部94を結ぶ直線の垂線、及び、内側の一対の接続部94を結ぶ直線の垂線は、前ロボット室64の中心C1であって、ロボットアーム66の回転軸で交差する。各対の接続部94の垂線間の角度は、60度または120度である。各加圧室76の下加圧ステージ100も、接続部94と同様の構成を有し、接続部の一例である二対の接続部104を有する。接続部104と中心C2の位置関係は、接続部94と中心C1の位置関係と同様である。
エアロック室62の載置台84は、下基板ホルダ230の外受給端子238及び上基板ホルダ210の下面受給端子220に接続されて電圧を印加する二対の接続部88を有する。中継ポート70の中継載置台98は、下基板ホルダ230の外受給端子238及び上基板ホルダ210の下面受給端子220に接続されて電圧を印加する二対の接続部99を有する。
ロボットアーム66は、下基板ホルダ230の外受給端子238及び上基板ホルダ210の下面受給端子220に接続される二対の接続部67を有する吸着爪65を備える。ロボットアーム74は、下基板ホルダ230の外受給端子238及び上基板ホルダ210の下面受給端子220に接続される二対の接続部75を有する吸着爪73を備える。尚、接続部67、75は、ロボットアーム28の接続部46と同様の構成である。
図12〜図17は、貼り合わせ部14における基板200の搬送を説明する概略の平面図である。尚、図12〜図17において、下基板ホルダ230の4個の外受給端子238のうち、2個の外受給端子238Aを三角で示すとともに、残りの2個の外受給端子238Bを四角で示す。一方の外受給端子238Aは一方の下静電パッド236に接続され、他方の外受給端子238Aは他方の下静電パッド236に接続されている。2個の外受給端子238Bも同様である。下基板ホルダ230に載置される一対の基板200及び内受給端子240と、上加圧ステージ92、102とを、図12〜図17においては省略する。
図12に示すように、下基板ホルダ230がエアロック室62に搬送される。この状態では、下基板ホルダ230の外受給端子238Aが、載置台84の接続部88と接触する。これにより、電圧が、接続部88を介して、外受給端子238A及び下面受給端子220Aに印加される。この結果、一対の下静電パッド236が、下側の基板200を静電吸着するとともに、一対の上静電パッド216が、上側の基板200を静電吸着する。
次に、図13に示すように、ロボットアーム66が、下基板ホルダ230の下方へ吸着爪65を挿入して、下基板ホルダ230を真空吸着する。この状態では、ロボットアーム66の接続部67は、外受給端子238B及び下面受給端子220Bと接触して、電圧を印加する。これにより、下静電パッド236及び上静電パッド216は、載置台84からの電圧印加が停止しても、基板200を静電吸着する。
次に、ロボットアーム66は、前ロボット室64に連結された加圧室68のいずれか、または、中継ポート70に下基板ホルダ230を搬送する。例えば、図14に示すように、ロボットアーム66は、中心C1の左回りに60度回転して、紙面右下の加圧室68に下基板ホルダ230を搬送する。下基板ホルダ230の外受給端子238Aは、加圧室68の接続部94と接触するように下加圧ステージ90に載置される。これにより、電圧が、接続部94を介して、外受給端子238A及び下面受給端子220Aに印加される。この結果、下静電パッド236及び上静電パッド216は、ロボットアーム66からの電圧印加が停止しても、基板200を静電吸着する。
一方、図15に示すように、ロボットアーム66が、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210を中継ポート70へと搬送する場合、ロボットアーム66は、中心C1の周りに180度回転する。これにより、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210は、エアロック室62に載置された状態から鉛直軸の周りに180度回転する。ここで、下基板ホルダ230は、外受給端子238Aと、外受給端子238Bとが、自己の中心の周りにおいて、180度の回転対称の関係にある。上基板ホルダ210は、下面受給端子220Aと、下面受給端子220Bとが、自己の中心の周りにおいて、180度の回転対称の関係にある。また、中継ポート70の接続部99は、エアロック室62の接続部88と同じ位置に配置されている。従って、外受給端子238B及び下面受給端子220Bが、中継ポート70の接続部99と接触する。これにより、電圧が、接続部99を介して、外受給端子238B及び下面受給端子220Bに印加されて、下静電パッド236及び上静電パッド216が、基板200を静電吸着する。
次に、図16に示すように、ロボットアーム74が、下基板ホルダ230の下方へ吸着爪73を挿入して、下基板ホルダ230を真空吸着する。この状態では、ロボットアーム74の接続部75は、外受給端子238A及び下面受給端子220Aと接触して、電圧を印加する。これにより、下静電パッド236及び上静電パッド216は、中継ポート70からの電圧印加が停止しても、基板200を静電吸着する。
この後、ロボットアーム74は、後ロボット室72に連結された加圧室76のいずれかに基板200を搬送する。図17に示すように、例えば、ロボットアーム74は、中心C2の右回りに60度回転して、紙面左下の加圧室76へと基板200を搬送する。ここで、下基板ホルダ230は、ロボットアーム66によって180度回転されているので、加圧室76の接続部104は、加圧室68の接続部94と異なり、下基板ホルダ230の外受給端子238B及び下面受給端子220Bと接続される。これにより、電圧が、接続部104を介して、外受給端子238B及び下面受給端子220Bに印加される。この結果、下静電パッド236及び上静電パッド216は、ロボットアーム74からの電圧印加が停止しても、基板200を静電吸着する。
上述したように、本実施形態による下基板ホルダ230は、複数の外受給端子238、内受給端子240を有する。これにより、配置の異なる接続部46、58、94、104を有するロボットアーム28、36、66、74及び加圧室68、76の下加圧ステージ90、100等に対応できる。この結果、下基板ホルダ230は、基板200の保持力を受給して基板200を保持できる。
また、下基板ホルダ230は、互いに180度の回転対称の関係を有する外受給端子238Aと外受給端子238Bとを有する。これにより、4個の加圧室68と4個の加圧室76との間で、下基板ホルダ230を180度回転させても、加圧室68、76の接続部94、104に外受給端子238A、238Bを載置することができる。この結果、加圧室68、76等の構成を変更することなく、下基板ホルダ230の外受給端子238に電圧を印加することができる。
また、下基板ホルダ230は、互いに間隔の異なる外受給端子238と内受給端子240とを有する。これにより、互いに間隔の異なる吸着爪44、56を有するロボットアーム28とロボットアーム36とによって、下基板ホルダ230の受け渡しができる。
図18は、受給端子を変更した下基板ホルダを下方から見た斜視図である。図18に示すように、下基板ホルダ330は、外受給端子338と、内受給端子340とを有する。外受給端子338は、リング状に形成されている。内受給端子340は、外受給端子338よりも直径の小さいリング状に形成されている。外受給端子338及び内受給端子340の中心は、下基板ホルダ330の中心に配置されている。このように、外受給端子338及び内受給端子340をリング状に形成することによって、下基板ホルダ330は、より多方向に対応できる。
図19は、受給端子の配置を変更した下基板ホルダを下方から見た斜視図である。図19に示すように、外受給端子238Aと外受給端子238Bとを180度以外の角度、例えば、90度の回転対称に配置してもよい。内受給端子240A及び内受給端子240B、下面受給端子220Aと下面受給端子220Bの配置関係も同様である。これにより、例えば、ロボットアーム28、36が、互いに90度交差する方向から接近する場合でも、基板ホルダ204の受け渡しを容易にできる。
上述の実施形態では、静電力によって、基板を静電吸着する基板ホルダの例をあげたが、基板ホルダが基板を真空吸着してもよい。この場合、給電端子が気体の吸入口になり、静電パッドの代わりに吸入口と載置面とを連結する吸着穴が基板ホルダを貫通することになる。そして、吸入口が、給電端子を同様に配置される。
上述の実施形態における各構成の形状、配置、個数は適宜変更してよい。例えば、加圧室の個数は、適宜変更である。加圧室の配置は、直列、並列、その他の配置の組合せであってもよい。また、例えば、4個の加圧室68、76を組とする加圧部の配置は、直列、並列、その他の配置の組合せであってもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。