JP2012251057A - ポリビニルアルコール多孔質体およびその製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール多孔質体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012251057A
JP2012251057A JP2011123811A JP2011123811A JP2012251057A JP 2012251057 A JP2012251057 A JP 2012251057A JP 2011123811 A JP2011123811 A JP 2011123811A JP 2011123811 A JP2011123811 A JP 2011123811A JP 2012251057 A JP2012251057 A JP 2012251057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyvinyl alcohol
porous body
solvent
water
main component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011123811A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5828502B2 (ja
Inventor
Hiroshi Uyama
浩 宇山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka University NUC
Original Assignee
Osaka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka University NUC filed Critical Osaka University NUC
Priority to JP2011123811A priority Critical patent/JP5828502B2/ja
Publication of JP2012251057A publication Critical patent/JP2012251057A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5828502B2 publication Critical patent/JP5828502B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

【課題】主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体の製造方法の提供。
【解決手段】加熱しながらポリビニルアルコール水溶液に水と混和性の第1の溶媒を加えてポリビニルアルコール溶液を得、前記ポリビニルアルコール溶液を冷却して析出した成形体を得、前記成形体を第2の溶媒に浸漬させて、前記成形体中に含まれる水および/または第1の溶媒を前記第2の溶媒と置換させ、主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体を得る工程を含み、前記水と第1の溶媒の体積割合(第1の溶媒/水)が、0.5〜1.1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体およびその製造方法に関する。
多孔質体は分離剤、吸着剤等として多方面で多く用いられている。無機系多孔質体は、シリカ系多孔質体に関して膨大な研究がなされている。シリカ系多孔質体の中でも多孔体シリカ粒子を作成する技術が一般的である。この多孔体シリカ粒子は、分析用材料として実用化されている。一方、高分子系多孔質体としては、ビニルモノマーの懸濁重合時に適切な希釈剤を加えて多孔質体粒子を得る技術が知られている。この高分子系多孔質体は、高分子材料の軽量性という特徴を活かして、各種吸着剤や分離剤として実用化されている。
連続した骨格と空隙が互いに絡み合った構造を有する一塊の材料は、モノリスと呼ばれる。シリカ系多孔質体には、厚みのある成形体であるモノリスを作成する技術も知られている。高分子系多孔質体としては、ビニルポリマーのモノリスについては、重合法による合成技術が報告されているが、構造制御が容易ではないため、実用化に至っていない。
高分子材料として、ポリビニルアルコール(以下、PVAと呼ぶことがある)は、水溶性かつ親水性ポリマーの一つとして知られている。このPVAは、一般に、繊維、フィルム、紙加工剤、接着剤、保護コロイド等の用途において用いられている。このPVAを原料とする多孔質体は、吸水性および保水性が高く、かつ、湿潤時に柔軟性に優れることから、化粧用パフ、吸水マット、浴用スポンジ、食器洗い具、研磨剤、吸水スポンジ、菌や微生物等の培養担体、活性汚泥等の菌や微生物の保持担体等として、広く使用されている。しかしながら、PVAを原料とする多孔質体(ポリビニルアセタール系多孔質体)を製造するためには、PVA、気孔形成材、アルデヒド類、酸類および水からなる反応液に不溶性もしくは難溶性ポリエーテルポリオール類を添加混合し、この反応液を架橋反応させた後、気孔形成材を除去する必要があり、煩雑な操作を要するために製造コストがかさんでいた(例えば、特許文献1および2参照)。また、ポリビニルアルコールに架橋剤としてホウ酸を添加した混合液を架橋させ、PVAを原料とする多孔質体を製造する方法も知られている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、このような製造方法においては、毒性のあるホウ酸を大量に用いる必要があり、製造に3日という長い時間を要し、さらに操作が煩雑であるという問題点があった。
特開平6−211918号公報 特開2008−274018号公報 特開2001−98082号公報
そこで、本発明は、主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体の製造方法であって、簡便な方法を提供することを目的とする。
本発明は、主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体の製造方法であって、
加熱しながらポリビニルアルコール水溶液に水と混和性の第1の溶媒を加えてポリビニルアルコール溶液を得、
前記ポリビニルアルコール溶液を冷却して析出した成形体を得、
前記成形体を第2の溶媒に浸漬させて、前記成形体中に含まれる水および/または第1の溶媒を前記第2の溶媒と置換させ、主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体を得る工程を含み、
前記水と第1の溶媒の体積割合(第1の溶媒/水)が、0.5〜1.1である。
本発明により、簡便な、主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体の製造方法を提供することが可能である。また、本発明の製造方法により、主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体を得ることができる。
図1は、実施例1で得られたPVA多孔質体のSEM写真である。 図2は、実施例2で得られたPVA多孔質体のSEM写真である。 図3は、実施例3で得られたPVA多孔質体のSEM写真である。 図4(a)は、実施例4で得られたPVA多孔質体のSEM写真である。 図4(b)は、実施例4で得られたPVA多孔質体のSEM写真である。 図5(a)は、実施例5で得られたPVA多孔質体のSEM写真である。 図5(b)は、実施例5で得られたPVA多孔質体のSEM写真である。 図6は、実施例6で得られたPVA多孔質体のSEM写真である。 図7は、実施例7で得られたPVA多孔質体のSEM写真である。 図8は、実施例8で得られたPVA多孔質体のSEM写真である。
本発明の多孔質体の形状は限定されないが、例えば、膜状、立方体状、直方体状、円柱状、卵形状等が挙げられる。また、この多孔質体の縦横高さの3つの方向のうち、最も短いものを便宜的に厚みと呼ぶ。本発明の多孔質体の厚みは限定されないが、例えば10μm以上であり、好ましくは100μm以上であり、より好ましくは1mm以上である。
本発明において、ポリビニルアルコールは分子量は限定されないが、分子量が、例えば、5千〜500万であり、好ましくは1万〜400万であり、より好ましくは1万〜300万である。また、重合度は、例えば、100〜10万、好ましくは200〜8万、より好ましくは200〜6万である。また、ポリビニルアルコールは、けん化度が、例えば60モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは85モル%以上である。
本発明における製造方法で用いるポリビニルアルコール水溶液は、従来公知の方法により、ポリビニルアルコールを水に溶解させて得ることができる。例えば、ポリビニルアルコールを水に溶解させる際、物理的刺激を与えて行ってもよい。その物理的刺激としては、例えば、攪拌、振とう、超音波処理等が挙げられる。また、ポリビニルアルコールを水に溶解させる際、加熱してもよい。この加熱温度は、例えば、30℃〜100℃であり、好ましくは、40℃〜100℃である。
次に、加熱しながら前記ポリビニルアルコール水溶液に水と混和性の第1の溶媒を加えてポリビニルアルコール溶液を得る。前記ポリビニルアルコール水溶液に前記第1の溶媒を加える際の加熱温度は、例えば、30℃〜95℃であり、好ましくは、40℃〜90℃である。
前記第1の溶媒は、水と混和性であり、かつ水以外の溶媒であれば、限定されない。前記第1の溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン、1,4−ジオキサンおよびアセトニトリルが挙げられる。
本発明の製造方法においては、前記ポリビニルアルコール溶液におけるポリビニルアルコールの濃度は、例えば、10〜300mg/ml、好ましくは15〜200mg/ml、より好ましくは20〜160mg/mlである。
本発明の製造方法においては、前記水と前記第1の溶媒の体積割合(前記第1の溶媒/水)は、0.5〜1.1であり、好ましくは0.6〜1.05、より好ましくは0.65〜1.0である。
本発明における製造方法においては、次に、前記ポリビニルアルコール溶液を冷却して析出した成形体を得る。この冷却温度は、例えば、−196℃〜40℃、好ましくは−196℃〜35℃、より好ましくは−196℃〜30℃である。冷却時間は、好ましくは10秒〜48時間であり、より好ましくは30秒〜24時間である。なお、このポリビニルアルコール溶液を冷却する際、ポリビニルアルコール溶液を容器に入れて冷却してもよい。また、このポリビニルアルコール溶液を冷却する際、グラビアコーター、バーコーター、バードフィルムアプリケーター等の塗布装置を用いて基板上に塗布し、それを冷却してもよい。基板上にポリビニルアルコール溶液を塗布して冷却する場合、膜状の多孔質体を最終的に得ることが可能である。
本発明における製造方法においては、次に、前記成形体を第2の溶媒に浸漬させて、前記成形体中に含まれる水および/または前記第1の溶媒を前記第2の溶媒と置換させ、主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体を得る。
前記第2の溶媒は、水、低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン、1,4−ジオキサンおよびアセトニトリルからなる群から選択される1以上が好ましく、水、アセトンがより好ましい。前記低級アルコールとしては、炭素数1〜6を有する低級アルコールが挙げられ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、t−アミルアルコール、n−ヘキサノールが挙げられる。なお、前記第2の溶媒溶媒が水である場合、前記成形体中に含まれる水および/または前記第1の溶媒を前記溶媒と置換させる工程は、前記成形体中に含まれる前記第1の溶媒を前記第2の溶媒(水)と置換させる工程である。また、前記第2の溶媒が第1の溶媒と同一である場合、前記成形体中に含まれる水および/または前記第1の溶媒を前記第2の溶媒と置換させる工程は、前記成形体中に含まれる水を前記第2の溶媒と置換させる工程である。
前記溶媒と置換させた後、得られた成形体を乾燥して多孔質体を得てもよい。前記乾燥は、例えば0℃〜90℃、好ましくは10℃〜80℃で行う。また、前記乾燥は、例えば減圧〜常圧、好ましくは減圧で行う。
本発明の多孔質体は、前記のようにポリビニルアルコールを主成分として含む。また、本発明の多孔質体は、前記のようにポリビニルアルコールを主成分として含み、孔径は、例えば0.05μm〜30μmであり、骨格径は、例えば0.05μm〜10μmである。また、PVAの分子量が1万〜300万であり、PVAのけん化度が85モル%以上であり、第1溶媒がアセトンであり、水と第1溶媒の割合が0.65〜1であり、PVA溶液におけるPVA濃度が20〜160mg/mlであり、第2の溶媒が水またはアセトンである、本発明の主成分としてポリビニルアルコールを含む架橋された多孔質体の製造方法により得られる場合、前記多孔質体の前記孔の孔径は、例えば0.2μm〜10.0μmであり、骨格径は、例えば0.1μm〜4μmである。また、本発明の多孔質体は、その厚みは限定されないが、例えば10μm以上である。また、本発明の多孔質体の比表面積は、例えば、3〜900m2/gであり、好ましくは5〜800m2/gである。なお、比表面積は、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。従って、このような多孔質体は、例えばフィルター、吸着材等として、用いることができる。
本発明において、「主成分」とは、原料であるポリマー成分全体に対して、ポリビニルアルコールが例えば55重量%〜100重量%、好ましくは65重量%〜100重量%、より好ましくは80重量%〜100重量%含まれることを意味する。
本発明はまた、主成分としてポリビニルアルコールを含む架橋された多孔質体の製造方法であって、本発明の製造方法により得られた主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体を、架橋剤と反応させ、前記多孔質体を架橋する工程を含む。
前記架橋剤としては、ポリビニルアルコールを架橋する剤であれば、限定されない。前記架橋剤としては、例えば、2以上のカルボキシル基有するポリカルボン酸、ポリカルボン酸の酸無水物、2以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート、ポリアルデヒド、モノアルデヒド、チタン化合物、ジルコニウム化合物等が挙げられる。前記ポリカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。前記ポリカルボン酸の酸無水物としては、例えば、無水マロン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等が挙げられる。前記チタン化合物としては、乳酸チタン、乳酸チタンアンモニウム、チタントリエタノールアミネート、四塩化チタン等が挙げられる。前記ジルコニウム化合物としては、硝酸ジルコニル、塩基性塩化ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル等が挙げられる。前記架橋剤としてポリカルボン酸を用いる場合、前記架橋工程において脱水剤をさらに用いるのが好ましい。前記脱水剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等が挙げられる。前記ポリアルデヒドとしては、グルタルアルデヒド等の脂肪族ポリアルデヒド類が挙げられる。前記モノアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクリルアルデヒド等の脂肪族モノアルデヒド類、ベンズアルデヒド等の芳香族モノアルデヒド等が挙げられる。
前記架橋剤と共に、架橋触媒を用いてもよい。前記架橋触媒は、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸およびマレイン酸等の有機酸が挙げられる。
本発明の主成分としてポリビニルアルコールを含む架橋された多孔質体の孔径は、例えば0.05μm〜30μmであり、骨格径は、例えば0.05μm〜10μmである。また、PVAの分子量が1万〜300万であり、PVAのけん化度が85モル%以上であり、第1溶媒がアセトンであり、水と第1溶媒の割合が0.65〜1であり、PVA溶液におけるPVA濃度が20〜160mg/mlであり、第2の溶媒が水またはアセトンであり、架橋剤がポリアルデヒドである、本発明の主成分としてポリビニルアルコールを含む架橋された多孔質体の製造方法により得られる場合、孔径は、例えば0.2μm〜10.0μmであり、骨格径は、例えば0.1μm〜4μmである。また、本発明の主成分としてポリビニルアルコールを含む架橋された多孔質体は、その厚みは限定されないが、例えば10μm以上である。従って、このような架橋された多孔質体は、例えばフィルター、吸着材等として、用いることができる。
本発明はまた、半金属を担持する、主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体の製造方法であって、本発明の製造方法により得られた主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体を、半金属を含む化合物の溶液中に浸漬させ、前記多孔質体に半金属を担持させる工程を含む。
前記半金属を含む化合物としては、ホウ酸、メタホウ酸、ポリホウ酸等が挙げられる。
前記多孔質体に半金属を担持させる工程は、前記のように、前記半金属を含む化合物の溶液中に、前記主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体を浸漬させることにより行う。前記半金属を含む化合物の溶液の溶媒としては、例えば、水、アルコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。前記浸漬は、例えば、20℃〜80℃、好ましくは、20℃〜70℃で行うことができる。
本発明の半金属を担持する、主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体は、例えばフィルター、吸着材等として、用いることができる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、以下の実施例により限定されない。
本明細書の記載において、以下の略語を用いる。
PVA:ポリビニルアルコール
SEM:走査電子顕微鏡
本明細書において、測定機器は以下の機器を用いた。
SEM:日立S−3000N(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)
イオンスパッタ:日立E−1010
比表面積(BET法):マイクロメリティックス トライスター3000(株式会社島津製作所製)
本明細書において孔径および骨格径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した画像から測定した孔径および骨格径の最小値および最大値を記載した。
5ccのサンプル管にPVA(重合度2,000、けん化度98モル%、和光純薬製)を入れ、水を105mg/mLとなるように加えて95℃で溶解させた。その溶液を50℃に冷却し、そこへ、アセトンを添加して、アセトン/水の体積比が0.75であり、かつ、最終的なPVAポリマー濃度が40mg/mlのPVA溶液を調製した。このPVA溶液の入ったサンプル管を20℃で12時間静置した。この冷却時の間に相分離が起こり、円柱状の成形体が得られた。24時間中にアセトンを3回交換して混合溶媒中の水をアセトンに置換した。その後24時間常温で減圧乾燥を行い、アセトンを除去して多孔質体を得た(寸法:直径10mm、厚み6mmの略円柱状)。
<SEM観察>
15.0mAの放電電流で150sスパッタリングを行った後、15.0kVから25.0kVの印加電圧でSEM観察を行った。
得られた多孔質体のSEM写真を図1に示す。図1に示すように、多孔質体は、孔径が2.0〜8.0μm、骨格径が2.0〜4.0μmの多孔質体であることが確認できた。
最終的なPVAポリマー濃度を、60mg/mlに変更した以外は、実施例1と同一にして多孔質体(寸法:直径10mm、厚み6mmの略円柱状、孔径は1.0〜4.0μm、骨格径は1.0〜2.0μm)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図2に示す。
<BET比表面積測定>
サンプル脱ガス装置を用い、窒素気流下60℃で40分間脱気した後、BET3点法による比表面積測定を行った。得られたBET法による比表面積値は、1.1×1022/gであった。この値から十分に大きい比表面積を有する多孔質体であることが確認できた。
最終的なPVAポリマー濃度を、80mg/mlに変更した以外は、実施例1と同一にして多孔質体(寸法:直径10mm、厚み6mmの略円柱状、孔径は1.4〜5.0μm、骨格径は0.2〜1.0μm)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図3に示す。
PVA(重合度2,000、けん化度98モル%、和光純薬株式会社製)を、PVA(分子量13,000〜23,000、けん化度87〜89モル%以上、アルドリッチ社製)に、かつ、アセトン/水の体積比を0.75から0.85へ変更した以外は、実施例2と同一にして多孔質体(寸法:直径10mm、厚み6mmの略円柱状、孔径は2.0〜8.0μm、骨格径は2.0〜4.0μm)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図4(a)と図4(b)に示す。
PVA(重合度2,000、けん化度98モル%、和光純薬株式会社製)を、PVA(分子量146,000〜186,000、けん化度99モル%以上、アルドリッチ社製)に変更した以外は、実施例2と同一にして多孔質体(寸法:直径10mm、厚み6mmの略円柱状、孔径は2.0〜8.0μm、骨格径は1.2〜3.0μm)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図5(a)と図5(b)に示す。
PVA溶液の入ったサンプル管の静置温度を20℃から−18℃に、かつ、静置時間を12時間から6時間へ変更した以外は、実施例2と同一にして多孔質体(寸法:直径10mm、厚み6mmの略円柱状、孔径は1.0〜4.0μm、骨格径は0.6〜1.2μm)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図6に示す。
PVA溶液の入ったサンプル管の静置温度を20℃から−196℃に、かつ、静置時間を12時間から1分へ変更した以外は、実施例2と同一にして多孔質体(寸法:直径10mm、厚み6mmの略円柱状、孔径は0.4〜2.0μm、骨格径は0.4〜0.6μm)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図7に示す。
実施例2において、相分離後に得られた円柱状の成形体を24時間中に水を3回交換して混合溶媒中のアセトンを水に置換した。この成形体を、1.0M塩酸を含む25重量%の架橋剤水溶液中に浸漬させ、バイオシェイカー中で20℃で3時間振とうさせた。前記溶液から成形体を取り出し、水洗した後、アセトンに浸漬させた(アセトン置換)。その成形体をアセトンから取り出し、常温真空乾燥させて、架橋された多孔質体(寸法:直径10mm、厚み6mmの略円柱状、孔径は1.0〜4.0μm、骨格径は1.0〜2.0μm)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図8)に示す。前記架橋剤としては、グルタルアルデヒド(和光純薬株式会社製)を用いた。
得られた多孔質体を水に含浸したところ、外観に変化は見られなかった。一方、実施例2で得られた多孔質体(架橋剤で未処理)を水へ含浸すると膨張する。この相違点から判断して、実施例8で得られた多孔質体は、架橋されていることが確認できた。
実施例2において得られた多孔質体(寸法:直径10mm、厚み6mmの略円柱状、孔径は1.0〜4.0μm、骨格径は1.0〜2.0μm、0.16g)を、ホウ素溶液(10mL)中に浸漬させ、バイオシェイカー中で室温で4時間振とうさせた。前記ホウ素溶液は、ホウ素標準液(1000ppm、ホウ酸水溶液、和光純薬工業株式会社製)を水で4倍に希釈して調製した。前記溶液から多孔質体を取り出し、水洗した後、常温真空乾燥させて、ホウ素処理した多孔質体(0.21g)を得た。なお、前記ホウ素処理した多孔質体は、原料と比較して重量が増加したことから、ホウ素が多孔質体内部に取り込まれたことが確認できた。
本発明の方法により得られたポリビニルアルコール多孔質体は、フィルター、吸着材等への利用も期待される。

Claims (5)

  1. 主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体の製造方法であって、
    加熱しながらポリビニルアルコール水溶液に水と混和性の第1の溶媒を加えてポリビニルアルコール溶液を得、
    前記ポリビニルアルコール溶液を冷却して析出した成形体を得、
    前記成形体を第2の溶媒に浸漬させて、前記成形体中に含まれる水および/または第1の溶媒を前記第2の溶媒と置換させ、主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体を得る工程を含み、
    前記水と第1の溶媒の体積割合(第1の溶媒/水)が、0.5〜1.1である製造方法。
  2. 前記第1の溶媒が、アセトンである請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ポリビニルアルコール溶液におけるポリビニルアルコールの濃度が、10〜300mg/mlである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 主成分としてポリビニルアルコールを含む架橋された多孔質体の製造方法であって、
    請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られた多孔質体を、架橋剤と反応させ、前記多孔質体を架橋する工程を含む製造方法。
  5. 主成分としてポリビニルアルコールを含む多孔質体。
JP2011123811A 2011-06-01 2011-06-01 ポリビニルアルコール多孔質体およびその製造方法 Active JP5828502B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011123811A JP5828502B2 (ja) 2011-06-01 2011-06-01 ポリビニルアルコール多孔質体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011123811A JP5828502B2 (ja) 2011-06-01 2011-06-01 ポリビニルアルコール多孔質体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012251057A true JP2012251057A (ja) 2012-12-20
JP5828502B2 JP5828502B2 (ja) 2015-12-09

Family

ID=47524180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011123811A Active JP5828502B2 (ja) 2011-06-01 2011-06-01 ポリビニルアルコール多孔質体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5828502B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014234496A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 国立大学法人大阪大学 エチレンビニルアルコール共重合体の多孔質体およびその製造方法
WO2014199880A1 (ja) 2013-06-14 2014-12-18 日清紡ホールディングス株式会社 多孔質炭素触媒及びその製造方法並びに電極及び電池
JP2019503767A (ja) * 2015-12-22 2019-02-14 アクセス・バスキュラー・インコーポレイテッドAccess Vascular, Inc. 高強度生体材
EP3575352A1 (en) 2018-05-30 2019-12-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method for producing porous material of water-soluble polymer
DE102019114231A1 (de) 2018-05-30 2019-12-05 Osaka University Verfahren zur Herstellung eines porösen Materials aus wasserlöslichem Polymer
JP2020087791A (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 トヨタ自動車株式会社 二次電池のセパレータを製造する方法
JP2020123453A (ja) * 2019-01-29 2020-08-13 トヨタ自動車株式会社 セパレータ付き電極板の製造方法
US10971782B2 (en) 2018-08-06 2021-04-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method for manufacturing separator-integrated electrode, and separator-integrated electrode
WO2022137524A1 (ja) * 2020-12-25 2022-06-30 朝日インテック株式会社 血管モデル
US11424434B2 (en) 2019-04-25 2022-08-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Production method for separator-including electrode plate and production method for battery
US11577008B2 (en) 2017-06-21 2023-02-14 Access Vascular, Inc. High strength porous materials incorporating water soluble polymers
US11992627B2 (en) 2020-06-30 2024-05-28 Access Vascular, Inc. Articles comprising markings and related methods

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61252261A (ja) * 1985-05-01 1986-11-10 Bio Materiaru Yunibaasu:Kk 多孔質透明ポリビニルアルコ−ルゲルおよびその製造法
JPH05245138A (ja) * 1992-03-03 1993-09-24 Terumo Corp 超音波媒体用ポリビニルアルコールゲルの製造方法
JPH1135732A (ja) * 1997-07-18 1999-02-09 Unitika Chem Co Ltd ポリビニルアルコール系スポンジの製造方法
JP2001098082A (ja) * 1999-09-29 2001-04-10 Toyota Motor Corp ポリビニルアルコール系樹脂多孔体及びこの多孔体で被覆された多孔構造体
JP2005521809A (ja) * 2001-10-29 2005-07-21 ナノシステムズ・リサーチ・インコーポレーテッド 架橋ポリビニルアルコールヒドロゲル構造物としての強化材料、積層材料、含浸材料および複合材料様材料

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61252261A (ja) * 1985-05-01 1986-11-10 Bio Materiaru Yunibaasu:Kk 多孔質透明ポリビニルアルコ−ルゲルおよびその製造法
JPH05245138A (ja) * 1992-03-03 1993-09-24 Terumo Corp 超音波媒体用ポリビニルアルコールゲルの製造方法
JPH1135732A (ja) * 1997-07-18 1999-02-09 Unitika Chem Co Ltd ポリビニルアルコール系スポンジの製造方法
JP2001098082A (ja) * 1999-09-29 2001-04-10 Toyota Motor Corp ポリビニルアルコール系樹脂多孔体及びこの多孔体で被覆された多孔構造体
JP2005521809A (ja) * 2001-10-29 2005-07-21 ナノシステムズ・リサーチ・インコーポレーテッド 架橋ポリビニルアルコールヒドロゲル構造物としての強化材料、積層材料、含浸材料および複合材料様材料

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014234496A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 国立大学法人大阪大学 エチレンビニルアルコール共重合体の多孔質体およびその製造方法
WO2014199880A1 (ja) 2013-06-14 2014-12-18 日清紡ホールディングス株式会社 多孔質炭素触媒及びその製造方法並びに電極及び電池
JP2019503767A (ja) * 2015-12-22 2019-02-14 アクセス・バスキュラー・インコーポレイテッドAccess Vascular, Inc. 高強度生体材
US11389570B2 (en) 2015-12-22 2022-07-19 Access Vascular, Inc. High strength biomedical materials
US11577008B2 (en) 2017-06-21 2023-02-14 Access Vascular, Inc. High strength porous materials incorporating water soluble polymers
KR20190136983A (ko) 2018-05-30 2019-12-10 도요타 지도샤(주) 수용성 고분자의 다공질체의 제조 방법
DE102019114231A1 (de) 2018-05-30 2019-12-05 Osaka University Verfahren zur Herstellung eines porösen Materials aus wasserlöslichem Polymer
RU2715532C1 (ru) * 2018-05-30 2020-02-28 Тойота Дзидося Кабусики Кайся Способ производства пористого материала из водорастворимого полимера
EP3575352A1 (en) 2018-05-30 2019-12-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method for producing porous material of water-soluble polymer
US11401397B2 (en) 2018-05-30 2022-08-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method for producing porous material of water-soluble polymer
KR20190136985A (ko) 2018-05-30 2019-12-10 도요타 지도샤(주) 수용성 고분자의 다공질체의 제조 방법
US11267946B2 (en) 2018-05-30 2022-03-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method for producing porous material of water-soluble polymer
US10971782B2 (en) 2018-08-06 2021-04-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method for manufacturing separator-integrated electrode, and separator-integrated electrode
JP7001964B2 (ja) 2018-11-28 2022-02-04 トヨタ自動車株式会社 二次電池のセパレータを製造する方法
JP2020087791A (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 トヨタ自動車株式会社 二次電池のセパレータを製造する方法
JP7074089B2 (ja) 2019-01-29 2022-05-24 トヨタ自動車株式会社 セパレータ付き電極板の製造方法
JP2020123453A (ja) * 2019-01-29 2020-08-13 トヨタ自動車株式会社 セパレータ付き電極板の製造方法
US11424434B2 (en) 2019-04-25 2022-08-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Production method for separator-including electrode plate and production method for battery
US11992627B2 (en) 2020-06-30 2024-05-28 Access Vascular, Inc. Articles comprising markings and related methods
WO2022137524A1 (ja) * 2020-12-25 2022-06-30 朝日インテック株式会社 血管モデル

Also Published As

Publication number Publication date
JP5828502B2 (ja) 2015-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5828502B2 (ja) ポリビニルアルコール多孔質体およびその製造方法
Almasian et al. Removal of heavy metal ions by modified PAN/PANI-nylon core-shell nanofibers membrane: Filtration performance, antifouling and regeneration behavior
US7323208B2 (en) Modified porous materials and method of forming the same
Gorgieva et al. The effect of membrane structure prepared from carboxymethyl cellulose and cellulose nanofibrils for cationic dye removal
JP5107874B2 (ja) ヨウ素含有微細繊維
JP6375005B2 (ja) 活性炭素繊維およびその製法
CN106621851A (zh) 一种抗菌反渗透复合膜、其制备方法及应用
JPWO2012036034A1 (ja) アミドキシム修飾されたポリアクリロニトリル多孔質体
US11267946B2 (en) Method for producing porous material of water-soluble polymer
EP2661317A1 (en) Functionalization of nanofibrous microfiltration membranes for water purification
JPH057047B2 (ja)
JP2011236292A (ja) ポリフッ化ビニリデン多孔質体
JP5717107B2 (ja) ポリアクリロニトリル多孔質体
Harada et al. Preparation of macroporous cellulose beads through a single-step non-solvent induced phase separation method from a cellulose acetate solution
JP2016215147A (ja) 膜ファウリング原因物質吸着材
CN104163654A (zh) 一种多孔陶瓷的制备方法及多孔陶瓷
CN106000120A (zh) 基于三维网络状的梯度复合功能膜的制备方法及其制品
JP6270097B2 (ja) エチレンビニルアルコール共重合体の多孔質体およびその製造方法
JP2005054153A (ja) ポリアミド多孔質粒子の製造方法
JPWO2013069681A1 (ja) 塩化ビニル系共重合体多孔質体及びその製造方法
JP2020026511A (ja) 球状多孔質樹脂及びその製造方法
RU2465951C1 (ru) Композиционный материал для фильтрационной очистки жидкости
JP6328983B2 (ja) 機能性構造体および該機能性構造体の製造方法
WO2006059984A1 (en) Modified porous materials and method of forming the same
US20200354228A1 (en) Titania porous body and method for producing same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150303

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150903

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150929

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151015

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5828502

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250