JP7074089B2 - セパレータ付き電極板の製造方法 - Google Patents

セパレータ付き電極板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電極板上に多孔質のセパレータ層が形成されたセパレータ付き電極板の製造方法に関する。
ポリビニルアルコール(PVA)などの水溶性高分子を用いて多孔質体を形成する手法が知られている。例えば特許文献1に、このような手法が開示されている(特許文献1の請求項1、段落(0033)等を参照)。この特許文献1では、まずPVAを水に溶解してPVA溶液を作製する。次に、加熱しながら、このPVA溶液に、水との混和性を有する第1溶媒を加える。その後、このPVA溶液を例えば基板上に塗布し更に冷却して、PVAが析出した成形体を得る。その後、この成形体を第2溶媒中に浸漬して、成形体中に含まれている混合溶媒(水及び第1溶媒)を第2溶媒と置換する。その後、これを減圧乾燥させて多孔質体を得ている。
特開2012-251057号公報
ところで、セパレータ付き電極板(電極板上にセパレータ層が一体に形成された電極板)のセパレータ層の形成にあたり、上述の多孔質体の形成手法を採用することが考えられる。しかし、上述の形成手法は、工程が複雑で生産性が低くコストが掛かる。また、上述の形成手法は、単体のセパレータを製造するのに適した手法であり、電極板上にセパレータ層を設ける場合には、適用し難い。
そこで、本発明者は、以下の手法を検討した。即ち、まず、PVAなどの水溶性高分子が、水と、水よりも水溶性高分子が溶解し難く、水と相溶でかつ水よりも沸点が高い高沸点溶媒との混合溶媒に溶解された高分子ペーストを作製する。そして、この高分子ペーストを電極板に塗布して、電極板上に未乾燥セパレータ層を形成する。その後、未乾燥セパレータ層内の水を蒸発させ、水溶性高分子を高沸点溶媒と相分離させて析出させた後、高沸点溶媒を蒸発させて、多孔質のセパレータ層を得る手法を検討した。
しかしながら、この手法でセパレータ層を形成すると、セパレータ層の表面近傍が多孔質に形成され難い(セパレータ層の表面に空孔のない膜が形成される)ことが判ってきた。その理由は、以下であると考えられる。即ち、水が未乾燥セパレータ層の表面から蒸発すると、水の蒸発速度が速いほど、未乾燥セパレータ層内の水が未乾燥セパレータ層の表面へ移動するのに伴って、水に溶解していた水溶性高分子も多く表面へ移動する。このため、表面近傍では、高沸点溶媒に対して水溶性高分子が多くなる。そして、水が蒸発する際、表面近傍では、水溶性高分子が高沸点溶媒と相分離せずに、水溶性高分子がそのまま析出してしまうため、表面近傍では多孔質の層が形成され難く、空孔のない膜が形成されると考えられる。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、電極板上にセパレータ層を均一に多孔質に形成できるセパレータ付き電極板の製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、電極板と、この電極板上に形成された多孔質のセパレータ層とを備えるセパレータ付き電極板の製造方法であって、水溶性高分子が、水と、水よりも上記水溶性高分子が溶解し難く、水と相溶でかつ水よりも沸点が高い高沸点溶媒との混合溶媒に溶解した高分子ペーストを、上記電極板に塗布して、上記電極板上に未乾燥セパレータ層を形成する塗布工程と、上記未乾燥セパレータ層内の水を蒸発させ、上記水溶性高分子を上記高沸点溶媒と相分離させて析出させた後、上記高沸点溶媒を蒸発させて、多孔質の上記セパレータ層を形成する乾燥工程と、を備え、上記乾燥工程は、湿度50%RH以上の高湿度環境下で行うセパレータ付き電極板の製造方法である。
上述のセパレータ付き電極板の製造方法では、塗布工程で、上述の高分子ペーストを電極板に塗布して未乾燥セパレータ層を形成し、乾燥工程で、未乾燥セパレータ層内の水を蒸発させ、水溶性高分子を高沸点溶媒と相分離させて析出させた後、高沸点溶媒を蒸発させて、多孔質のセパレータ層を形成する。この乾燥工程は、湿度50%RH以上の高湿度環境下で行う。このように湿度50%RH以上の高湿度環境下とすることで、未乾燥セパレータ層からの水の蒸発速度が抑えられ、未乾燥セパレータ層から水を徐々に減らすことができる。このため、未乾燥セパレータ層内での水溶性高分子の移動を抑え、未乾燥セパレータ層全体で均一に水溶性高分子を相分離させて析出させることができるので、セパレータ層の表面近傍を含め、セパレータ層全体を均一に多孔質に形成できる。
なお、「水溶性高分子」としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)等の、水酸基を有する水溶性高分子や、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の水溶性のセルロース誘導体、アミド基を有する水溶性高分子、エーテルを有する水溶性高分子、アミノ基を有する水溶性高分子、水溶性の多糖類などが挙げられる。なお、水溶性高分子は、25℃における水に対する溶解度が、水100gに対して1g以上であるのが好ましい。
また、「高沸点溶媒」としては、例えば、γ-ブチルラクトン(GBL)(沸点204℃)や、炭酸プロピレン(PC)(沸点240℃)、炭酸エチレン(沸点261℃)、炭酸ブチレン(沸点250℃)等のカーボネート系の高沸点溶媒、ジメチルスルホン(沸点248℃)、ジエチルスルホン(沸点246℃)等のスルホン系の高沸点溶媒、スクシノニトリル(沸点265~267℃)等のニトリル系の高沸点溶媒などが挙げられる。
また、乾燥工程は、湿度70%RH以上の高湿度環境下で行うのが特に好ましい。
実施形態に係るセパレータ付き電極板の斜視図である。 実施形態に係るセパレータ付き電極板の製造方法のフローチャートである。 実施形態に係り、乾燥炉内で未乾燥第1セパレータ層(または未乾燥第2セパレータ層)を乾燥させて第1セパレータ層(または第2セパレータ層)を形成する様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に、本実施形態に係るセパレータ付き負極板(セパレータ付き電極板)1の斜視図を示す。なお、以下では、セパレータ付き負極板1の長手方向EH、幅方向FH及び厚み方向GHを、図1に示す方向と定めて説明する。このセパレータ付き負極板1は、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、電気自動車等の車両などに搭載される角型で密閉型のリチウムイオン二次電池を製造するのに、具体的には、扁平状捲回型の電極体を製造するのに用いられる帯状のセパレータ付き負極板である。
セパレータ付き負極板1は、負極板(電極板)2と、この負極板2の両主面上にそれぞれ形成された多孔質のセパレータ層(第1セパレータ層11及び第2セパレータ層12)とから構成されている。
このうち負極板2は、長手方向EHに延びる帯状の銅箔からなる集電箔3を有する。この集電箔3の第1主面3a上には、幅方向FHの両端部を除いて、第1活物質層5が長手方向EHに帯状に形成されている。また、集電箔3の反対側の第2主面3b上にも、幅方向FHの両端部を除いて、第2活物質層6が長手方向EHに帯状に形成されている。これら第1活物質層5及び第2活物質層6は、それぞれ、負極活物質粒子、結着剤及び増粘剤から形成されている。本実施形態では、負極活物質粒子として黒鉛粒子を、結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR)を、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いている。
セパレータ付き負極板1のうち、幅方向FHの両端部は、それぞれ、長手方向EHに延びる帯状で、厚み方向GHに第1活物質層5及び第2活物質層6を有さず、集電箔3が露出した電極露出部1mとなっている。
この負極板2の第1活物質層5上には、その全面に第1セパレータ層11が形成されている。また、負極板2の第2活物質層6上にも、その全面に第2セパレータ層12が形成されている。これら第1セパレータ層11及び第2セパレータ層12は、それぞれ、水溶性高分子(本実施形態ではPVA)21からなる多孔質層である。
次いで、上記セパレータ付き負極板1の製造方法について説明する(図2及び図3参照)。予め、第1活物質層5及び第2活物質層6の形成に用いる負極ペーストを用意しておく。具体的には、負極活物質粒子(本実施形態では黒鉛粒子)、結着剤(SBR)及び増粘剤(CMC)を、溶媒(本実施形態では水)と共に混練して、負極ペーストを形成する。
そして、「第1活物質層形成工程S1」(図2参照)において、ダイ塗工により、上述の負極ペーストを帯状の銅箔からなる集電箔3の第1主面3a上に塗布して、未乾燥第1活物質層5xを帯状に連続して形成する。
その後、この集電箔3上の未乾燥第1活物質層5xを乾燥させて、第1活物質層5を形成する。具体的には、未乾燥第1活物質層5xが形成された集電箔3を長手方向EHに搬送して乾燥炉(図示外)内に搬入し、未乾燥第1活物質層5xに熱風を吹き付けて、帯状の第1活物質層5を連続して形成する。
次に、「第2活物質層形成工程S2」において、第1活物質層形成工程S1と同様にダイ塗工により、前述の負極ペーストを集電箔3の反対側の第2主面3b上に塗布して、未乾燥第2活物質層6xを帯状に連続して形成する。
その後、この集電箔3上の未乾燥第2活物質層6xを乾燥させて、第2活物質層6を形成する。具体的には、未乾燥第2活物質層6xが形成された負極板を長手方向EHに搬送して乾燥炉(図示外)内に搬入し、未乾燥第2活物質層6xに熱風を吹き付けて、帯状の第2活物質層6を連続して形成する。
次に、「プレス工程S3」において、上述の負極板をロールプレス装置(不図示)でロールプレスして、第1活物質層5及び第2活物質層6の密度をそれぞれ高める。かくして、集電箔3の第1主面3a上に第1活物質層5を有し、集電箔3の第2主面3b上に第2活物質層6を有する帯状の負極板2が形成される。
次に、第1セパレータ層11を形成するための「第1塗布工程S4」を行うのに先立ち、高分子ペースト25を用意しておく。具体的には、水22よりも水溶性高分子(本実施形態ではPVA)21が溶解し難く、水22と相溶でかつ水22よりも沸点が高い高沸点溶媒(本実施形態ではγ-ブチルラクトン(GBL)、沸点204℃)23と、水22と、水溶性高分子(PVA)21とを、GBL:水:PVA=10:10:2の重量比で混合し、80~90℃に加熱して、水溶性高分子21が完全に溶解するまで攪拌混合する。その後、これを室温まで自然冷却する。これにより、水溶性高分子21が水22及び高沸点溶媒23の混合溶媒24に溶解した高分子ペースト25が得られる。
そして、「第1塗布工程S4」において、この高分子ペースト25を、アプリケータにより負極板2の第1活物質層5上に塗布して、第1活物質層5の全面に厚み約76μmの未乾燥第1セパレータ層11xを形成する。なお、この負極板2上に未乾燥第1セパレータ層11xを形成された未乾燥の電極板を、「未乾燥片側セパレータ付き負極板1x」ともいう。
次に、「第1乾燥工程S5」において、未乾燥第1セパレータ層11x内の水22を蒸発させ、水溶性高分子21を高沸点溶媒23と相分離させて析出させた後、高沸点溶媒23を蒸発させて、多孔質の第1セパレータ層11を形成する(図3参照)。なお、本実施形態では、この第1乾燥工程S5を、温度100℃、湿度70%RHの高湿度環境下で行った。
具体的には、前述の未乾燥片側セパレータ付き負極板1xを長手方向EHに搬送して、乾燥炉100内の温度を100℃、湿度を70%RHとした乾燥炉100内に搬入し、乾燥炉100内で未乾燥第1セパレータ層11xを加熱乾燥させて、第1セパレータ層11を形成する。乾燥炉100内に搬入された未乾燥片側セパレータ付き負極板1xは、複数の搬送ロール101によって長手方向EHに搬送される。一方、搬送中の未乾燥片側セパレータ付き負極板1xの未乾燥第1セパレータ層11xには、搬送方向に並んだ複数の熱風吹付部105から、加湿した熱風NFがそれぞれ吹き付けられる。これにより、未乾燥第1セパレータ層11x内の水22が徐々に蒸発し、水溶性高分子21が高沸点溶媒23と相分離して析出した後、高沸点溶媒23も蒸発して、多孔質の第1セパレータ層11が連続して形成される。
なお、この負極板2上に第1セパレータ層11が形成された電極板を、「片側セパレータ付き負極板1y」ともいう。その後、この片側セパレータ付き負極板1yを乾燥炉100の外部に搬出する。
次に、「第2塗布工程S6」においても、第1塗布工程S4と同様の高分子ペースト25を、アプリケータにより負極板2の第2活物質層6上に塗布して、第2活物質層6の全面に厚み約76μmの未乾燥第2セパレータ層12xを形成する。なお、この負極板2の第1活物質層5上に第1セパレータ層11が形成され、第2活物質層6上に未乾燥第2セパレータ層12xを形成された未乾燥の電極板を、「未乾燥両側セパレータ付き負極板1z」ともいう。
次に、「第2乾燥工程S7」においても、未乾燥第2セパレータ層12x内の水22を蒸発させ、水溶性高分子21を高沸点溶媒23と相分離させて析出させた後、高沸点溶媒23を蒸発させて、多孔質の第2セパレータ層12を形成する(図3参照)。
具体的には、前述の未乾燥両側セパレータ付き負極板1zを長手方向EHに搬送して、第1乾燥工程S5と同様な乾燥炉100(内部の温度が100℃、湿度が70%RH)内に搬入し、乾燥炉100内で未乾燥第2セパレータ層12xを加熱乾燥させて、第2セパレータ層12を形成する。搬送中の未乾燥両側セパレータ付き負極板1zの未乾燥第2セパレータ層12xには、複数の熱風吹付部105から、加湿した熱風NFがそれぞれ吹き付けられる。これにより、未乾燥第2セパレータ層12x内の水22が徐々に蒸発し、水溶性高分子21が高沸点溶媒23と相分離して析出した後、高沸点溶媒23も蒸発して、多孔質の第2セパレータ層12が連続して形成される。かくして、図1に示したセパレータ付き負極板1が完成する。
(実施例1)
次いで、本発明の効果を検証するために行った試験の結果について説明する。実施例1として、上記実施形態と同様の手法によりセパレータ付き負極板1を製造した。即ち、この実施例1では、水溶性高分子21としてポリビニルアルコール(PVA)を、高沸点溶媒23としてγ-ブチルラクトン(GBL)を用いて高分子ペースト25を作製し、この高分子ペースト25を用いて第1塗布工程S4で未乾燥第1セパレータ層11xを、第2塗布工程S6で未乾燥第2セパレータ層12xを形成した(表1も参照)。また、実施例1では、湿度70%RHの高湿度環境下で第1乾燥工程S5及び第2乾燥工程S7を行って、第1セパレータ層11及び第2セパレータ層12を形成した。
Figure 0007074089000001
(実施例2)
実施例1に対し実施例2では、高沸点溶媒23として、GBLの代わりに炭酸プロピレン(PC)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして、高分子ペースト25を作製し、これを用いて未乾燥セパレータ層11x,12xを形成し、更にセパレータ層11,12を形成した。なお、高沸点溶媒23をGBLからPCに代えたことを考慮して、高分子ペースト25における、高沸点溶媒(PC)23と水22と水溶性高分子(PVA)21との重量比は、PC:水:PVA=5:10:2とした。また、乾燥炉100内の温度は70℃とした。
(実施例3)
また、実施例3では、水溶性高分子21として、PVAの代わりにヒドロキシエチルセルロース(HEC)を、高沸点溶媒23としてPCを用いた。それ以外は実施例1と同様にして、高分子ペースト25を作製し、これを用いて未乾燥セパレータ層11x,12xを形成し、更にセパレータ層11,12を形成した。なお、水溶性高分子21をPVAからHECに代えたことを考慮して、高分子ペースト25における、高沸点溶媒(PC)23と水22と水溶性高分子(HEC)21との重量比は、PC:水:HEC=2:10:1とした。また、乾燥炉100内の温度は70℃とした。
(実施例4)
実施例4では、乾燥工程S5,S7を湿度50%RHの高湿度環境下で行い、それ以外は実施例1と同様にしてセパレータ層11,12を形成した。
(実施例5)
実施例5では、乾燥工程S5,S7を湿度50%RHの高湿度環境下で行い、それ以外は実施例2と同様にしてセパレータ層11,12を形成した。
(実施例6)
実施例6では、乾燥工程S5,S7を湿度50%RHの高湿度環境下で行い、それ以外は実施例3と同様にしてセパレータ層11,12を形成した。
(比較例1)
比較例1では、乾燥工程S5,S7を湿度10%RHの低湿度環境下で行い、それ以外は実施例1と同様にしてセパレータ層11,12を形成した。
(比較例2)
比較例2では、乾燥工程S5,S7を湿度10%RHの低湿度環境下で行い、それ以外は実施例2と同様にしてセパレータ層11,12を形成した。
(比較例3)
比較例3では、乾燥工程S5,S7を湿度10%RHの低湿度環境下で行い、それ以外は実施例3と同様にしてセパレータ層11,12を形成した。
次に、実施例1~6及び比較例1~3で製造された各セパレータ付き負極板1について、セパレータ層11,12の表面及び表面近傍の切断面を、それぞれ走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果、比較例1~3の各セパレータ付き負極板1のセパレータ層11,12では、表面に空孔のない膜が形成されていた。表1の「セパレータ層の状態」の欄において、「×」印で示す。
一方、実施例1~6の各セパレータ付き負極板1のセパレータ層11,12では、表面に比較例1~3のような空孔のない膜は形成されず、表面まで多孔質の層が形成されていた。但し、実施例1~3のセパレータ層11,12に比べ、実施例4~6のセパレータ層11,12では、内部に比べて表面近傍で空孔が少なくなっていた。つまり、実施例4~6よりも実施例1~3で、より均一に多孔質のセパレータ層11,12が形成されていた。表1の「セパレータ層の状態」の欄において、実施例1~3は「◎」印、実施例4~6は「○」印で示す。
このような結果を生じた理由は以下であると考えられる。即ち、比較例1~3では、乾燥工程S5,S7を湿度10%RHの低湿度環境下で行っている。このため、乾燥工程S5,S7で、水22が未乾燥セパレータ層11x,12xの表面から速い蒸発速度で蒸発し、未乾燥セパレータ層11x,12x内の水22が未乾燥セパレータ層11x,12xの表面へ移動するのに伴って、水22に溶解していた水溶性高分子21も多く表面へ移動する。このため、表面近傍では、高沸点溶媒23に対して水溶性高分子21が多くなる。そして、水22が蒸発する際、表面近傍では、水溶性高分子21が高沸点溶媒23と相分離せずに、水溶性高分子21がそのまま析出してしまうため、表面近傍では多孔質の層が形成され難く、空孔のない膜が形成されたと考えられる。
これに対し、実施例1~6では、乾燥工程S5,S7を湿度50%RH以上の高湿度環境下で行っている。このため、乾燥工程S5,S7において、未乾燥セパレータ層11x,12xからの水22の蒸発速度が抑えられ、未乾燥セパレータ層11x,12xから水22を徐々に減らすことができる。このため、未乾燥セパレータ層11x,12x内での水溶性高分子21の移動を抑え、未乾燥セパレータ層11x,12xの全体で均一に水溶性高分子21を相分離させて析出させることができるので、セパレータ層11,12の表面近傍を含め、セパレータ層11,12の全体を均一に多孔質に形成できたと考えられる。
特に実施例1~3では、更に高湿度(湿度70%RH)の環境下で乾燥工程S5,S7を行っているため、水22の蒸発速度がより一層抑えられ、未乾燥セパレータ層11x,12xから水22を更にゆっくりと減らすことができる。このため、未乾燥セパレータ層11x,12x内での水溶性高分子21の移動をより効果的に抑え、未乾燥セパレータ層11x,12xの全体でより均一に水溶性高分子21を相分離させて析出させることができるので、セパレータ層11,12の全体をより均一に多孔質に形成できたと考えられる。
従って、乾燥工程S5,S7は、湿度50%RH以上、更に好ましくは湿度70%RH以上の高湿度環境下で行うことにより、セパレータ層11,12を均一に多孔質に形成できることが判る。
以上で説明したように、セパレータ付き負極板1の製造方法では、塗布工程S4,S6で、高分子ペースト25を負極板2に塗布して未乾燥セパレータ層11x,12xを形成し、乾燥工程S5,S7で、未乾燥セパレータ層11x,12x内の水22を蒸発させ、水溶性高分子21を高沸点溶媒23と相分離させて析出させた後、高沸点溶媒23を蒸発させて、多孔質のセパレータ層11,12を形成する。これらの乾燥工程S5,S7は、湿度50%RH以上の高湿度環境下で行う。
このように湿度50%RH以上の高湿度環境下とすることで、未乾燥セパレータ層11x,12xからの水22の蒸発速度が抑えられ、未乾燥セパレータ層11x,12xから水22を徐々に減らすことができる。このため、未乾燥セパレータ層11x,12x内での水溶性高分子21の移動を抑え、未乾燥セパレータ層11x,12xの全体で均一に水溶性高分子21を相分離させて析出させることができるので、セパレータ層11,12の表面近傍を含め、セパレータ層11,12の全体を均一に多孔質に形成できる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、集電箔3の両主面3a,3b上に活物質層5,6を有する負極板2と、この負極板2の両面の活物質層5,6上に形成されたセパレータ層11,12とを備えるセパレータ付き負極板1について、本発明の製造方法を適用したが、本発明の製造方法が適用されるセパレータ付き電極板は、この形態に限られない。
例えば、集電箔の片面にのみ活物質層を有する負極板と、この負極板の片面の活物質層上にのみ形成されたセパレータ層とを備えるセパレータ付き負極板について、本発明の製造方法を適用することもできる。
また例えば、集電箔の第1主面に正極活物質層を、集電箔の第2主面に負極活物質層を有する複合電極板と、この複合電極板の正極活物質層上及び負極活物質層上にそれぞれ形成されたセパレータ層を備えるセパレータ付き複合電極板について、本発明の製造方法を適用することもできる。
また、実施形態では、高分子ペースト25は、高沸点溶媒23、水22及び水溶性高分子21を80~90℃に加熱し、水溶性高分子21が溶解するまで攪拌混合した後、室温まで自然冷却することにより得たが、高分子ペースト25の作製方法は、これに限られない。例えば、加熱はしないで室温下で、高沸点溶媒23、水22及び水溶性高分子21を、水溶性高分子21が溶解するまで攪拌混合することにより、高分子ペースト25を作製することもできる。
また、実施形態では、未乾燥活物質層5x,6xを、負極ペーストを集電箔3上に塗布することにより形成したが、未乾燥活物質層5x,6xの形成手法は、これに限られない。例えば、負極活物質粒子、結着剤及び増粘剤を混合し、造粒することにより、粘土状の湿潤粒子からなる粒子集合体を得る。そして、3本のロールを有するロールプレス装置を用いて、この粒子集合体から未乾燥活物質層を造膜し、更にこれを集電箔3上に転写して、集電箔3上に未乾燥活物質層5x,6xを形成してもよい。
1 セパレータ付き負極板(セパレータ付き電極板)
2 負極板(電極板)
3 集電箔
5 第1活物質層
6 第2活物質層
11 第1セパレータ層
11x 未乾燥第1セパレータ層
12 第2セパレータ層
12x 未乾燥第2セパレータ層
21 水溶性高分子
22 水
23 高沸点溶媒
24 混合溶媒
25 高分子ペースト
100 乾燥炉
S1 第1活物質層形成工程
S2 第2活物質層形成工程
S3 プレス工程
S4 第1塗布工程
S5 第1乾燥工程
S6 第2塗布工程
S7 第2乾燥工程
NF 熱風

Claims (1)

  1. 電極板と、この電極板上に形成された多孔質のセパレータ層とを備えるセパレータ付き電極板の製造方法であって、
    水溶性高分子が、水と、水よりも上記水溶性高分子が溶解し難く、水と相溶でかつ水よりも沸点が高い高沸点溶媒との混合溶媒に溶解した高分子ペーストを、上記電極板に塗布して、上記電極板上に未乾燥セパレータ層を形成する塗布工程と、
    上記未乾燥セパレータ層内の水を蒸発させ、上記水溶性高分子を上記高沸点溶媒と相分離させて析出させた後、上記高沸点溶媒を蒸発させて、多孔質の上記セパレータ層を形成する乾燥工程と、を備え、
    上記乾燥工程は、湿度50%RH以上の高湿度環境下で行う
    セパレータ付き電極板の製造方法。
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