JP6870530B2 - 電極板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、帯状の集電箔と、この集電箔上に帯状に形成された電極層とを備える電極板の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスに用いられる電極板として、帯状の集電箔とこの集電箔上に形成された帯状の電極層とを備える電極板が知られている。このような電極板は、例えば、活物質、結着剤、溶媒等を含む活物質ペーストを帯状の集電箔上に塗布して、集電箔上に未乾燥電極層を形成した後、この未乾燥電極板を長手方向に搬送しつつ、未乾燥電極層を加熱炉で加熱乾燥させて電極層を形成することにより製造される。
例えば特許文献1に、未乾燥電極層を加熱乾燥させるための乾燥装置が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲及び図1等を参照)。この特許文献1の乾燥装置では、乾燥装置が長大化するのを避けるべく、乾燥室の内部に複数の折り返しロールを設け、各々の折り返しロールで未乾燥電極板を厚み方向に交互に折り返すことにより、乾燥室内における搬送距離を長く(乾燥路を長く)取っている。
特開2016−61473号公報
しかしながら、乾燥途中の未乾燥電極板を折り返しロールで折り返すにあたり、未乾燥電極層が折り返しロールのロール表面に接触すると、未乾燥電極層がロール表面に付着して未乾燥電極層の一部が未乾燥電極板から剥がれてしまうことがある。加熱乾燥によって未乾燥電極層の温度が高くなると、未乾燥電極層に含まれる結着剤が軟化して、未乾燥電極層がロール表面に付着し易くなるためと考えられる。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、乾燥途中の未乾燥電極層を曲げ搬送ロールのロール表面に接触させて未乾燥電極板を曲げて搬送するにあたり、未乾燥電極層がロール表面に付着して未乾燥電極層が未乾燥電極板から剥がれるのを抑制できる電極板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、帯状の集電箔と、上記集電箔の長手方向に沿って上記集電箔上に帯状に形成された電極層と、を備える電極板の製造方法であって、結着剤及び溶媒を含む未乾燥電極層を上記集電箔上に有する未乾燥電極板を形成する未乾燥電極層形成工程と、上記未乾燥電極板を上記長手方向に搬送しつつ、上記結着剤が軟化する温度で上記未乾燥電極層を加熱乾燥させて上記電極層を形成する乾燥工程と、を備え、上記乾燥工程は、上記未乾燥電極板の乾燥途中の上記未乾燥電極層を曲げ搬送ロールのロール表面に接触させて上記未乾燥電極板を厚み方向に曲げて搬送するにあたり、上記未乾燥電極層を予め定めた温度T1以下に冷却し、上記結着剤が軟化していない状態とした上で、上記未乾燥電極層を上記曲げ搬送ロールの上記ロール表面に接触させる冷却曲げ搬送工程と、上記冷却曲げ搬送工程の後、冷却した上記未乾燥電極層を再び上記結着剤が軟化する温度で加熱乾燥させる再加熱乾燥工程と、を含む電極板の製造方法である。
前述のように、乾燥工程における加熱乾燥によって未乾燥電極層の温度が高くなると、未乾燥電極層に含まれる結着剤が軟化する。このため、未乾燥電極層が曲げ搬送ロールのロール表面に接触したときに、未乾燥電極層がロール表面に付着して未乾燥電極層が未乾燥電極板から剥がれ易くなる。これに対し、上述の電極板の製造方法では、乾燥工程の冷却曲げ搬送工程において、乾燥途中の未乾燥電極層を曲げ搬送ロールのロール表面に接触させて未乾燥電極板を曲げて搬送するにあたり、未乾燥電極層を予め定めた温度T1以下に冷却した上で、未乾燥電極層を曲げ搬送ロールのロール表面に接触させる。このようにすると、未乾燥電極層に含まれる結着剤が軟化していない状態で未乾燥電極層をロール表面に接触させることができ、未乾燥電極層のロール表面への付着性を下げることができるので、未乾燥電極層がロール表面に付着して未乾燥電極板から剥がれる不具合を抑制できる。
なお、結着剤としては、熱可塑性樹脂からなる結着剤を用いる。具体的には、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)や、ビフェニル、PVDFなどが挙げられる。
更に、上記の記載の電極板の製造方法であって、前記曲げ搬送ロールの前記ロール表面は、ポリイミドからなる電極板の製造方法とするのが好ましい。
上述の電極板の製造方法では、曲げ搬送ロールのロール表面がポリイミドからなる。これにより、未乾燥電極層のロール表面からの離型性が良くなるため、未乾燥電極層がロール表面に付着して未乾燥電極板から剥がれる不具合をより効果的に抑制できる。
更に、上記のいずれかに記載の電極板の製造方法であって、前記冷却曲げ搬送工程は、前記再加熱乾燥工程の雰囲気よりも低温の外気に曝して冷却した前記未乾燥電極層を、上記外気に曝した前記曲げ搬送ロールの前記ロール表面に接触させる電極板の製造方法とするのが好ましい。
上述の電極板の製造方法では、未乾燥電極層を再加熱乾燥工程の雰囲気よりも低温の外気に曝して冷却するので、未乾燥電極層を冷却するための冷却装置などを要しない。また、曲げ搬送ロールを再加熱乾燥工程の雰囲気よりも低温の外気に曝しているので、ロール表面の温度が低く、未乾燥電極層がロール表面に付着して未乾燥電極板から剥がれる不具合をより効果的に抑制できる。
実施形態に係る負極板の斜視図である。 実施形態に係る負極板の製造方法を示すフローチャートである。 実施形態に係る負極板の製造方法のうち、第1乾燥工程について示すフローチャートである。 実施形態に係る負極板の製造方法のうち、第2乾燥工程について示すフローチャートである。 実施形態に係り、未乾燥電極層形成装置を用いて、集電箔上に未乾燥第1電極層を形成する様子を示す説明図である。 実施形態に係り、第1乾燥装置を用いて、未乾燥第1電極層から第1電極層を形成する様子を示す説明図である。 実施形態に係り、第2乾燥装置を用いて、未乾燥第2電極層から第2電極層を形成する様子を示す説明図である。 比較例に係り、乾燥装置を用いて、未乾燥電極層から電極層を形成する様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に、本実施形態に係る負極板(電極板)1の斜視図を示す。なお、以下では、負極板1の長手方向EH、幅方向FH及び厚み方向GHを図1に示す方向と定めて説明する。この負極板1は、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、電気自動車等の車両などに搭載される角型で密閉型のリチウムイオン二次電池を製造するのに、具体的には、扁平状捲回型の電極体を製造するのに用いられる帯状の負極板である。
負極板1は、長手方向EHに延びる帯状の銅箔からなる集電箔3を有する。この集電箔3の第1主面3aのうち、幅方向FHの一部でかつ長手方向EHに延びる領域上には、第1電極層5が帯状に形成されている。また、集電箔3の反対側の第2主面3bのうち、幅方向FHの一部でかつ長手方向EHに延びる領域上にも、第2電極層6が帯状に形成されている。このうち第1電極層5は、集電箔3側に位置する活物質層5cと、その上に形成されて、この第1電極層5の表面をなすセラミック層5dとからなる。また、第2電極層6は、集電箔3側に位置する活物質層6cと、その上に形成されて、この第2電極層6の表面をなすセラミック層6dとからなる。
各活物質層5c,6cは、負極活物質(活物質)粒子11及び結着剤12からなる。本実施形態では、負極活物質粒子11として黒鉛粒子を、結着剤12としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いている。一方、各セラミック層5d,6dは、耐熱層(HRL:heat resistance layer)であり、セラミック粒子15及び結着剤16からなる。本実施形態では、セラミック粒子15として酸化アルミニウム粉末を、結着剤16としてCMC及びアクリル系バインダを用いている。
負極板1のうち幅方向FHの片方の端部は、厚み方向GHに第1電極層5及び第2電極層6が存在せず、集電箔3が厚み方向GHに露出した露出部1mとなっている。
次いで、上記負極板1の製造方法について説明する(図2〜図7参照)。まず、活物質層5c,6cを形成するために、負極活物質粒子11(本実施形態では、黒鉛粒子)、結着剤12(本実施形態では、CMC)及び溶媒13(本実施形態では、水)を含む湿潤粒子22からなる粒子集合体21を用意する。この粒子集合体21(湿潤粒子22)は、以下の手法により製造する。即ち、材料の混合及び造粒を行うことが可能な攪拌式混合造粒装置(不図示)を用意する。まず、この攪拌式混合造粒装置内に負極活物質粒子11を投入して混合し、更に、溶媒13に結着剤12を溶解させた結着剤溶液を加えて混合し、造粒する。これにより、平均粒径が1〜5mm(本実施形態では、2mm)で、固形分率が70〜90wt%(本実施形態では、80wt%)の湿潤粒子22からなる粒子集合体21を得る。
また、セラミック層5d,6dを形成するために、セラミックペーストを用意しておく。具体的には、セラミック粒子15(本実施形態では、酸化アルミニウム粉末)及び結着剤16(本実施形態では、CMC及びアクリル系バインダ)を溶媒17(本実施形態では、水)と共に混練して、セラミックペーストを得る。
そして、まず「未乾燥第1電極層形成工程S1」において、図5に示す未乾燥電極層形成装置200を用いて、未乾燥第1電極層5xを集電箔3上に有する未乾燥片側負極板(未乾燥電極板)1xを形成する。具体的には、帯状の集電箔3の第1主面3a上に、長手方向EHに帯状に未乾燥第1電極層5xを形成する。
未乾燥電極層形成装置200は、3本のロールを有する。具体的には、未乾燥電極層形成装置200は、第1ロール210と、この第1ロール210に第1間隙KG1を介して平行に配置された第2ロール220と、この第2ロール220に第2間隙KG2を介して平行に配置された第3ロール230とを備える。また、未乾燥電極層形成装置200は、第1ロール210と第2ロール220との第1間隙KG1の上方に、粒子集合体21を第1間隙KG1に向けて供給する集合体供給部240を備える。
この未乾燥電極層形成装置200を用いて集電箔3上に未乾燥活物質層5cxを形成するにあたり、第1〜第3ロール210,220,230を、図5中に矢印で示す回転方向にそれぞれ回転させる。即ち、第1ロール210及び第3ロール230は、同じ回転方向(本実施形態では時計回り)に回転させ、第2ロール220は、これらとは逆方向(本実施形態では反時計回り)に回転させる。また、帯状の集電箔3を供給ロール(不図示)から引き出して第3ロール230に巻き付けることにより、集電箔3について第2ロール220と第3ロール230との間を通過させる。
粒子集合体21(湿潤粒子22)を集合体供給部240に投入すると、粒子集合体21は、第1ロール210と第2ロール220との間の第1間隙KG1に向けて供給される。第1ロール210と第2ロール220との間を通った粒子集合体21は、膜状の未乾燥活物質膜21xとなり、図5中、下方に押し出される。この未乾燥活物質膜21xは、第2ロール220上に保持されつつ、第3ロール230側に向けて搬送され、第2ロール220と第3ロール230との間で、集電箔3の第1主面3a上に転写される。これにより、集電箔3の第1主面3a上に未乾燥活物質層5cxが形成される。
また、未乾燥電極層形成装置200は、ダイコータ250を備える。集電箔3上に未乾燥活物質層5cxが形成された後は、このダイコータ250によって、前述のセラミックペーストが未乾燥活物質層5cx上に塗布され、未乾燥活物質層5cx上に未乾燥セラミック層5dxが形成される。これにより、集電箔3の第1主面3a上に、未乾燥活物質層5cx及び未乾燥セラミック層5dxからなる未乾燥第1電極層5xを有する未乾燥片側負極板1xが形成される。
次に、「第1乾燥工程S2」(図2及び図3参照)において、図6に示す第1乾燥装置100を用いて、未乾燥片側負極板1xを長手方向EHに搬送しつつ、未乾燥第1電極層5xを加熱乾燥させて第1電極層5を形成する。第1乾燥装置100は、壁部111によって外部と仕切られた乾燥室110を備える。この乾燥室110は、排気により乾燥室110の内部の気圧が外部の気圧よりも1〜5Pa低い気圧に調整されている。これにより、乾燥室110の内部から外部に熱風が漏れ出るのを防止している。また、乾燥室110の内部には、複数(図6の例では9個)のロール径85mmの搬送ロール121、及び、複数(図6の例では3個)のロール径85mmの折り返しロール123(123A,123B,123C)が配置されている。
搬送ロール121は、未乾燥片側負極板1xのうち集電箔3の第2主面3b(未乾燥第1電極層5xが形成されていない側)に接触して、水平方向CHに向けて未乾燥片側負極板1xを長手方向EHに搬送するものである。これらの搬送ロール121のロール表面121cは、ポリイミド層で被覆されている。
一方、折り返しロール123(123A〜123C)は、未乾燥片側負極板1xのうち集電箔3の第2主面3b(未乾燥第1電極層5xが形成されていない側)に接触して、未乾燥片側負極板1xをU字状に折り返して搬送するものである。これら折り返しロール123(123A〜123C)のロール表面123c(123Ac〜123Cc)も、ポリイミド層で被覆されている。
また、第1乾燥装置100は、乾燥室110の外部に(図6中、乾燥室110の左方に)、複数(図6の例では6個)のロール径85mmの曲げ搬送ロール125(125A〜125F)を備える。これらの曲げ搬送ロール125(125A〜125F)は、未乾燥片側負極板1xのうち未乾燥第1電極層5xに接触して、未乾燥片側負極板1xを厚み方向GHに90度曲げて搬送するものである。図6に示すように、2つの曲げ搬送ロール125が1組となって、未乾燥片側負極板1xの搬送方向を180度変えている。これらの曲げ搬送ロール125(125A〜125F)のロール表面125c(125Ac〜125Fc)も、ポリイミド層で被覆されている。
また、第1乾燥装置100は、乾燥室110の内部に、複数(図6の例では21個)の加熱装置130を備える。これらの加熱装置130は、未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xに熱風を吹き付けるようにそれぞれ配置されている。
第1乾燥工程S2のうち、まず「1A加熱乾燥工程S21」(図3参照)において、未乾燥片側負極板1xを長手方向EHに搬送しつつ、未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xを加熱乾燥させる。具体的には、乾燥室110の外部から内部に搬入された未乾燥片側負極板1xを、未乾燥第1電極層5xを上方DH1に向けた状態で、水平方向CHの一方側CH1(図6中、右方)に搬送する。そして、未乾燥片側負極板1xよりも上方DH1に配置された複数(図6の例では3個)の加熱装置130から、未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xに熱風をそれぞれ吹き付けて、未乾燥第1電極層5xを加熱乾燥させる。
続いて、未乾燥片側負極板1xのうち集電箔3の第2主面3b(未乾燥第1電極層5xが形成されていない側)を折り返しロール123(123A)に接触させて、未乾燥片側負極板1xをU字状に折り返して搬送する。即ち、未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xを下方DH2に向けた状態で、水平方向CHの他方側CH2(図6中、左方)に搬送する。そして、未乾燥片側負極板1xよりも下方DH2に配置された複数(図6の例では3個)の加熱装置130から、未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xに熱風をそれぞれ吹き付けて、未乾燥第1電極層5xを加熱乾燥させる。
なお、折り返しロール123Aで未乾燥片側負極板1xを折り返すにあたっては、前述のように、集電箔3の第2主面3bが折り返しロール123Aに接触し、未乾燥第1電極層5xは折り返しロール123Aに接触しないため、未乾燥第1電極層5xが折り返しロール123Aに付着して未乾燥第1電極層5xが未乾燥片側負極板1xから剥がれる不具合は生じない。また、後述する1C再加熱乾燥工程S23及び1E再加熱乾燥工程S25において、折り返しロール123(123B,123C)で未乾燥片側負極板1xを折り返す際も同様に、未乾燥第1電極層5xが未乾燥片側負極板1xから剥がれる不具合は生じない。
次に、「1B冷却曲げ搬送工程S22」を行う。まず、乾燥途中の未乾燥片側負極板1xを更に水平方向CHの他方側CH2に搬送し、未乾燥片側負極板1xを搬出口111k1を通じて乾燥室110の外部に一旦出して、後述する1C再加熱乾燥工程S23等の雰囲気よりも低温(本実施形態では、20℃)の外気に曝すことにより、未乾燥片側負極板1x(未乾燥第1電極層5x)を冷却する。これにより、本実施形態では、140℃であった未乾燥第1電極層5xの温度を、曲げ搬送ロール125(125A)のロール表面125c(125Ac)に接触する直前で、温度T1=80℃まで下げる。そして、この温度T1=80℃に冷却された未乾燥第1電極層5xを、外気に曝された曲げ搬送ロール125(125A)のロール表面125c(125Ac)に接触させて、未乾燥片側負極板1xを厚み方向GHに90度曲げて下方DH2に向けて搬送する。
なお、本実施形態の第1乾燥装置100においては、曲げ搬送ロール125Aのロール表面125Acに接触する直前の未乾燥第1電極層5xの温度が所望の温度T1=80℃となるように、乾燥室110の壁部111から曲げ搬送ロール125Aまでの距離を定めてある。具体的には、壁部111の搬出口111k1から曲げ搬送ロール125Aまでの距離を長くするほど、未乾燥第1電極層5xが長時間冷却されるので、ロール表面125Acに接触する際の未乾燥第1電極層5xの温度を低くできる。本実施形態では、ロール表面125Acに接触する際の未乾燥第1電極層5xの温度が、80℃以下(具体的には、T1=80℃)となるように、壁部111の搬出口111kから曲げ搬送ロール125Aまでの距離を設定した。
続いて、未乾燥第1電極層5xを外気に曝された曲げ搬送ロール125(125B)のロール表面125c(125Bc)に接触させて、未乾燥片側負極板1xを厚み方向GHに更に90度曲げる。そして、未乾燥第1電極層5xを上方DH1に向けた状態で、未乾燥片側負極板1xを水平方向CHの一方側CH1に向けて搬送し、乾燥室110の内部に戻す。
なお、曲げ搬送ロール125A,125Bで未乾燥片側負極板1xを曲げて搬送するにあたっては、前述のように、乾燥途中の未乾燥第1電極層5xが曲げ搬送ロール125A,125Bのロール表面125Ac,125Bcに接触する。しかし、接触前に未乾燥第1電極層5xは、温度T1=80℃以下に冷却されて、含まれている結着剤12,16がやや硬くなるため、未乾燥第1電極層5xがロール表面125Ac,125Bcに付着して未乾燥第1電極層5xが未乾燥片側負極板1xから剥がれる不具合は生じない。また、後述する1D冷却曲げ搬送工程S24及び1F冷却曲げ搬送工程S26においても同様に、曲げ搬送ロール125(125C,125D,125E,125F)で未乾燥片側負極板1xを曲げて搬送する際も同様に、未乾燥第1電極層5xが未乾燥片側負極板1xから剥がれる不具合は生じない。
次に、「1C再加熱乾燥工程S23」において、冷却した未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xを再び加熱乾燥させる。具体的には、乾燥室110の内部に戻された未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xに、未乾燥片側負極板1xよりも上方DH1に配置された複数(図6の例では3個)の加熱装置130から熱風をそれぞれ吹き付けて、未乾燥第1電極層5xを再び加熱乾燥させる。続いて、未乾燥片側負極板1xのうち集電箔3の第2主面3b(未乾燥第1電極層5xが形成されていない側)を折り返しロール123(123B)に接触させて、未乾燥片側負極板1xをU字状に折り返して搬送する。更に、未乾燥片側負極板1xよりも下方DH2に配置された複数(図6の例では3個)の加熱装置130から、未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xに熱風をそれぞれ吹き付けて、未乾燥第1電極層5xを加熱乾燥させる。
次に、「1D冷却曲げ搬送工程S24」を行う。1B冷却曲げ搬送工程S22と同様に、乾燥途中の未乾燥片側負極板1xを搬出口111k2を通じて乾燥室110の外部に一旦出して、20℃の外気に曝すことにより、未乾燥片側負極板1x(未乾燥第1電極層5x)を温度T1=80℃に冷却する。そして、外気で温度T1=80℃に冷却された未乾燥第1電極層5xを曲げ搬送ロール125(125C)のロール表面125c(125Cc)に接触させて、未乾燥片側負極板1xを厚み方向GHに90度曲げて搬送する。続いて、未乾燥第1電極層5xを曲げ搬送ロール125(125D)のロール表面125c(125Dc)に接触させて、未乾燥片側負極板1xを厚み方向GHに更に90度曲げて搬送し、乾燥室110の内部に戻す。
次に、「1E再加熱乾燥工程S25」において、冷却した未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xを再び加熱乾燥させる。1C再加熱乾燥工程S23と同様に、未乾燥片側負極板1xよりも上方DH1に配置された複数(図6の例では3個)の加熱装置130から、未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xに熱風をそれぞれ吹き付けて、未乾燥第1電極層5xを再び加熱乾燥させる。続いて、未乾燥片側負極板1xのうち集電箔3の第2主面3bを折り返しロール123(123C)に接触させて、未乾燥片側負極板1xをU字状に折り返して搬送する。更に、未乾燥片側負極板1xよりも下方DH2に配置された複数(図6の例では3個)の加熱装置130から、未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xに熱風をそれぞれ吹き付けて、未乾燥第1電極層5xを加熱乾燥させる。
次に、「1F冷却曲げ搬送工程S26」を行う。1B冷却曲げ搬送工程S22及び1D冷却曲げ搬送工程S24と同様に、乾燥途中の未乾燥片側負極板1xを搬出口111k3を通じて乾燥室110の外部に一旦出して、20℃の外気に曝すことにより、未乾燥片側負極板1x(未乾燥第1電極層5x)を温度T1=80℃に冷却する。そして、外気で温度T1=80℃に冷却された未乾燥第1電極層5xを曲げ搬送ロール125(125E)のロール表面125c(125Ec)に接触させて、未乾燥片側負極板1xを厚み方向GHに90度曲げて搬送する。続いて、未乾燥第1電極層5xを曲げ搬送ロール125(125F)のロール表面125c(125Fc)に接触させて、未乾燥片側負極板1xを厚み方向GHに更に90度曲げて搬送し、乾燥室110の内部に戻す。
次に、「1G再加熱乾燥工程S27」において、冷却した未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xを再び加熱乾燥させる。具体的には、未乾燥片側負極板1xよりも上方DH1に配置された複数(図6の例では3個)の加熱装置130から、未乾燥片側負極板1xの未乾燥第1電極層5xに熱風をそれぞれ吹き付けて、未乾燥第1電極層5xを再び加熱乾燥させる。これにより、未乾燥第1電極層5xは完全に乾燥して第1電極層5が形成される。この集電箔3及び第1電極層5からなる片側負極板1zを、搬出口111k4を通じて乾燥室110の外部に出して、第1乾燥工程S2を終了する。
次に、「未乾燥第2電極層形成工程S3」を行う。具体的には、図5に示した未乾燥電極層形成装置200を用い、前述の未乾燥第1電極層形成工程S1と同様にして、集電箔3の第2主面3b上に、長手方向EHに帯状に未乾燥活物質層6cxを形成する。更に、未乾燥活物質層6cxの上に未乾燥セラミック層6dxを形成する。これにより、集電箔3の第2主面3b上に、未乾燥活物質層6cx及び未乾燥セラミック層6dxからなる未乾燥第2電極層6xを有する未乾燥両側負極板(未乾燥電極板)1yが形成される。
次に、「第2乾燥工程S4」(図2及び図4参照)において、図7に示す第2乾燥装置300を用いて、未乾燥第2電極層6xを加熱乾燥させて第2電極層6を形成する。但し、第1乾燥装置100では、折り返しロール123(123A〜123C)は乾燥室110の内部にそれぞれ配置されていた。これに対し、この第2乾燥装置300では、折り返しロール323(323A〜323C)が乾燥室110の外部に(図7中、壁部311の右方に)それぞれ配置されている。
まず「2A加熱乾燥工程S41」(図4参照)において、未乾燥両側負極板1yを長手方向EH(水平方向CHの一方側CH1)に搬送しつつ、上方DH1に配置された加熱装置130により未乾燥両側負極板1yの未乾燥第2電極層6xを加熱乾燥させる。
次に、「2B冷却曲げ搬送工程S42」を行う。まず、未乾燥両側負極板1yを搬出口311k5を通じて乾燥室110の外部に一旦出して、20℃の外気に曝すことにより、未乾燥両側負極板1y(第1電極層5)を温度T1=80℃に冷却する。そして、この温度T1=80℃に冷却された第1電極層5を、外気に曝された折り返しロール323(323A)のロール表面323c(323Ac)に接触させて、未乾燥両側負極板1yをU字状に折り返して搬送する。
このように、2B冷却曲げ搬送工程S42では、第1電極層5が折り返しロール323Aのロール表面323Acに接触する。しかし、接触前に第1電極層5は、温度T1=80℃に冷却されて、含まれている結着剤12,16がやや硬くなるため、第1電極層5がロール表面323Acに付着して第1電極層5が未乾燥両側負極板1yから剥がれるのを確実に防止できる。また、後述する2F冷却曲げ搬送工程S46及び2J冷却曲げ搬送工程S50においても同様に、折り返しロール323(323B,323C)で未乾燥両側負極板1yを折り返して搬送する際も同様に、第1電極層5が未乾燥両側負極板1yから剥がれるのを確実に防止できる。
次に、「2C再加熱乾燥工程S43」において、未乾燥両側負極板1yを水平方向CHの他方側CH2に搬送しつつ、下方DH2に配置された加熱装置130により未乾燥両側負極板1yの未乾燥第2電極層6xを加熱乾燥させる。
次に、「2D冷却曲げ搬送工程S44」を行う。前述の第1乾燥工程S2の1B冷却曲げ搬送工程S22と同様に、未乾燥両側負極板1yを搬出口311k1を通じて乾燥室110の外部に一旦出して、20℃の外気に曝すことにより、未乾燥両側負極板1y(未乾燥第2電極層6x)を温度T1=80℃に冷却する。そして、この温度T1=80℃に冷却された未乾燥第2電極層6xを、外気に曝された曲げ搬送ロール125(125A)のロール表面125c(125Ac)に接触させて、未乾燥両側負極板1yを厚み方向GHに90度曲げて搬送する。続いて、未乾燥第2電極層6xを曲げ搬送ロール125(125B)のロール表面125c(125Bc)に接触させて、未乾燥両側負極板1yを厚み方向GHに更に90度曲げて搬送し、乾燥室110の内部に戻す。
なお、曲げ搬送ロール125A,125Bで未乾燥両側負極板1yを曲げて搬送するにあたっては、乾燥途中の未乾燥第2電極層6xが曲げ搬送ロール125A,125Bのロール表面125Ac,125Bcに接触する。しかし、接触前に未乾燥第2電極層6xは、温度T1=80℃以下に冷却されて、含まれている結着剤12,16がやや硬くなるため、未乾燥第2電極層6xがロール表面125Ac,125Bcに付着して未乾燥第2電極層6xが未乾燥両側負極板1yから剥がれる不具合は生じない。また、後述する2F冷却曲げ搬送工程S46及び2L冷却曲げ搬送工程S52においても同様に、曲げ搬送ロール125(125C,125D,125E,125F)で未乾燥両側負極板1yを曲げて搬送する際も同様に、未乾燥第2電極層6xが未乾燥両側負極板1yから剥がれる不具合は生じない。
次に、「2E再加熱乾燥工程S45」において、未乾燥両側負極板1yを水平方向CHの一方側CH1に搬送しつつ、上方DH1に配置された加熱装置130により未乾燥両側負極板1yの未乾燥第2電極層6xを加熱乾燥させる。
次に、「2F冷却曲げ搬送工程S46」を行う。まず、未乾燥両側負極板1yを搬出口311k6を通じて乾燥室110の外部に一旦出して、20℃の外気に曝すことにより、未乾燥両側負極板1y(第1電極層5)を温度T1=80℃に冷却する。そして、この温度T1=80℃に冷却された第1電極層5を折り返しロール323(323B)のロール表面323c(323Bc)に接触させて、未乾燥両側負極板1yをU字状に折り返して搬送する。
次に、「2G再加熱乾燥工程S47」において、未乾燥両側負極板1yを水平方向CHの他方側CH2に搬送しつつ、下方DH2に配置された加熱装置130により未乾燥両側負極板1yの未乾燥第2電極層6xを加熱乾燥させる。
次に、「2H冷却曲げ搬送工程S48」において、前述の第1乾燥工程S2の1D冷却曲げ搬送工程S24と同様に、未乾燥両側負極板1yを搬出口311k2を通じて乾燥室110の外部に一旦出して未乾燥第2電極層6xを20℃の外気で温度T1=80℃以下に冷却した上で、ロール表面125c(125Cc,125Dc)に接触させ、未乾燥両側負極板1yを曲げ搬送ロール125(125C,125D)で曲げて搬送する。
次に、「2I再加熱乾燥工程S49」において、未乾燥両側負極板1yを水平方向CHの一方側CH1に搬送しつつ、上方DH1に配置された加熱装置130により未乾燥両側負極板1yの未乾燥第2電極層6xを加熱乾燥させる。
次に、「2J冷却曲げ搬送工程S50」を行う。まず、未乾燥両側負極板1yを搬出口311k7を通じて乾燥室110の外部に一旦出して、20℃の外気に曝すことにより、未乾燥両側負極板1y(第1電極層5)を温度T1=80℃に冷却する。そして、この温度T1=80℃に冷却された第1電極層5を折り返しロール323(323C)のロール表面323c(323Cc)に接触させて、未乾燥両側負極板1yをU字状に折り返して搬送する。
次に、「2K再加熱乾燥工程S51」において、未乾燥両側負極板1yを水平方向CHの他方側CH2に搬送しつつ、下方DH2に配置された加熱装置130により未乾燥両側負極板1yの未乾燥第2電極層6xを加熱乾燥させる。
次に、「2L冷却曲げ搬送工程S52」において、前述の第1乾燥工程S2の1F冷却曲げ搬送工程S26と同様に、未乾燥両側負極板1yを搬出口311k3を通じて乾燥室110の外部に一旦出して未乾燥第2電極層6xを20℃の外気で温度T1=80℃以下に冷却した上で、ロール表面125c(125Ec,125Fc)に接触させ、未乾燥両側負極板1yを曲げ搬送ロール125(125E,125F)で曲げて搬送する。
次に、「2M再加熱乾燥工程S53」において、前述の第1乾燥工程S2の1G再加熱乾燥工程S27と同様に、冷却した未乾燥両側負極板1yの未乾燥第2電極層6xを再び加熱乾燥させる。これにより、未乾燥第2電極層6xは完全に乾燥して第2電極層6が形成される。この集電箔3、第1電極層5及び第2電極層6からなる負極板1を、搬出口311k8を通じて乾燥室110の外部に出して、第2乾燥工程S4を終了する。かくして、負極板1が完成する。
(実施例及び比較例)
次いで、本発明の効果を検証するために行った試験の結果について説明する。実施例として、実施形態の製造方法により負極板1を製造した。前述のように、実施形態に係る負極板1の製造方法では、乾燥途中の未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xを温度T1=80℃以下に冷却した上で、曲げ搬送ロール125に接触させている(表1も参照)。
Figure 0006870530
一方、比較例として、前述の第1乾燥装置100(図6参照)及び第2乾燥装置300(図7参照)の代わりに、図8に示す乾燥装置400を用いて、第1乾燥工程S2及び第2乾燥工程S4を行い、乾燥途中の未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xを冷却することなく、曲げ搬送ロール425に接触させて、負極板1を製造した。なお、この乾燥装置400では、曲げ搬送ロール425(425A〜425F)及び折り返しロール123(123A〜123C)が乾燥室410の内部にそれぞれ配置されている。このため、乾燥途中の未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xは、20℃の外気に曝されて冷却されることはなく、曲げ搬送ロール425に接触する。
実施例及び比較例の負極板1の製造において、未乾燥第1電極層5x(または未乾燥第2電極層6x)が、いずれかの曲げ搬送ロール125,425のロール表面125c,425cに付着して、未乾燥第1電極層5x(または未乾燥第2電極層6x)が未乾燥片側負極板1x(または未乾燥両側負極板1y)から剥がれる不具合は生じたか否かをそれぞれ調査した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、乾燥途中の未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xを冷却することなく、曲げ搬送ロール425に接触させた比較例では、未乾燥第1電極層5xまたは未乾燥第2電極層6xが未乾燥片側負極板1xまたは未乾燥両側負極板1yから剥がれる不具合が生じた。これに対し、乾燥途中の未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xを温度T1=80℃以下に冷却した上で、曲げ搬送ロール125に接触させた実施例では、未乾燥第1電極層5xまたは未乾燥第2電極層6xが未乾燥片側負極板1xまたは未乾燥両側負極板1yから剥がれる不具合は生じなかった。このことから、未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xを温度T1=80℃以下に冷却した上で、曲げ搬送ロール125に接触させることにより、未乾燥第1電極層5xまたは未乾燥第2電極層6xが剥がれる不具合を防止できたことが判る。
これに対し、比較例では、加熱乾燥によって未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xの温度がこれらに含まれる結着剤12,16の軟化点よりも高くなって、結着剤12,16が軟化し、未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xがロール表面425cに付着し易くなったため、未乾燥第1電極層5xまたは未乾燥第2電極層6xが未乾燥片側負極板1xから剥がれたと考えられる。一方、実施例では、未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xを結着剤12,16の軟化点よりも低い温度に冷却した上でロール表面125cに接触させたことにより、未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xのロール表面125cへの付着性を下げることができた。このため、未乾燥第1電極層5xまたは未乾燥第2電極層6xがロール表面125cに付着して未乾燥片側電極板1xから剥がれる不具合を防止できたと考えられる。
以上で説明したように、実施形態の負極板1の製造方法では、第1乾燥工程S2の1B冷却曲げ搬送工程S22,1D冷却曲げ搬送工程S24及び1F冷却曲げ搬送工程S26において、乾燥途中の未乾燥第1電極層5xを曲げ搬送ロール125のロール表面125cに接触させて未乾燥片側負極板1xを曲げて搬送するにあたり、未乾燥第1電極層5xを予め定めた温度T1=80℃以下に冷却した上で、未乾燥第1電極層5xを曲げ搬送ロール125のロール表面125cに接触させている。このようにすると、未乾燥第1電極層5xに含まれる結着剤12,16が軟化していない状態で未乾燥第1電極層5xをロール表面125cに接触させることができ、未乾燥第1電極層5xのロール表面125cへの付着性を下げることができるので、未乾燥第1電極層5xがロール表面125cに付着して未乾燥片側負極板1xから剥がれる不具合を抑制できる。
同様に、第2乾燥工程S4の2D冷却曲げ搬送工程S44,2H冷却曲げ搬送工程S48及び2L冷却曲げ搬送工程S52において、乾燥途中の未乾燥第2電極層6xを曲げ搬送ロール125のロール表面125cに接触させて未乾燥両側負極板1yを曲げて搬送するにあたり、未乾燥第2電極層6xを予め定めた温度T1=80℃以下に冷却した上で、未乾燥第2電極層6xを曲げ搬送ロール125のロール表面125cに接触させている。このようにすると、未乾燥第2電極層6xに含まれる結着剤12,16が軟化していない状態で未乾燥第2電極層6xをロール表面125cに接触させることができ、未乾燥第2電極層6xのロール表面125cへの付着性を下げることができるので、未乾燥第2電極層6xがロール表面125cに付着して未乾燥両側負極板1yから剥がれる不具合を抑制できる。
更に、第2乾燥工程S4の2B冷却曲げ搬送工程S42,2F冷却曲げ搬送工程S46及び2J冷却曲げ搬送工程S50において、第1電極層5を折り返し323のロール表面323cに接触させて未乾燥両側負極板1yを折り返して搬送するにあたり、第1電極層5を予め定めた温度T1=80℃以下に冷却した上で、第1電極層5を折り返し323のロール表面323cに接触させている。このようにすると、第1電極層5に含まれる結着剤12,16が軟化していない状態で第1電極層5をロール表面323cに接触させることができ、第1電極層5のロール表面323cへの付着性を下げることができるので、第1電極層5がロール表面323cに付着して未乾燥両側負極板1yから剥がれることも確実に防止できる。
また、実施形態の負極板1の製造方法では、曲げ搬送ロール125のロール表面125cがポリイミドからなる。これにより、未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xのロール表面125cからの離型性が良くなるため、未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xがロール表面125cに付着して未乾燥片側負極板1xまたは未乾燥両側負極板1yから剥がれる不具合をより効果的に抑制できる。
また、実施形態では、未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xを、1C再加熱乾燥工程S23等の雰囲気よりも低温の外気に曝して冷却しているので、未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xを冷却するための冷却装置などを要しない。また、曲げ搬送ロール125を1C再加熱乾燥工程S23等の雰囲気よりも低温の外気に曝しているので、ロール表面125cの温度が低く、未乾燥第1電極層5x及び未乾燥第2電極層6xがロール表面125cに付着して未乾燥片側負極板1xまたは未乾燥両側負極板1yから剥がれる不具合をより効果的に抑制できる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、電極板の製造方法として、負極板1の製造方法を例示したが、正極板の製造方法に本発明を適用することもできる。
また、実施形態では、負極活物質粒子11、結着剤12及び溶媒13を含む造粒した湿潤粒子22からなる粒子集合体21を用いて、集電箔3上に未乾燥活物質層5cx,6cxを形成したが、これに限られない。例えば、負極活物質粒子11及び結着剤12を溶媒13と共に混練して作製した活物質ペーストを用意し、この活物質ペーストをダイコータ等により集電箔3上に塗布することにより、集電箔3上に未乾燥活物質層5cx,6cxを形成することもできる。
また、実施形態では、電極板として、帯状の集電箔3の第1主面3aと第2主面3bの両面に、それぞれ電極層(第1電極層5及び第2電極層6)を有する電極板1を例示したが、電極板の形態はこれに限られない。例えば、帯状の集電箔3の第1主面3aのみに電極層(第1電極層5)を有し、第2主面3bには電極層を有しない形態の電極板の製造に、本発明を適用することもできる。この場合、未乾燥第1電極層形成工程S1及び第1乾燥工程S2を行うことによって(未乾燥第2電極層形成工程S3及び第2乾燥工程S4は行わずに)電極板を製造できる。
また、実施形態では、未乾燥第1電極層5xを乾燥させて第1電極層5を形成する際にも(第1乾燥工程S2)、未乾燥第2電極層6xを乾燥させて第2電極層6を形成する際にも(第2乾燥工程S4)、本発明を適用したが、いずれか一方の乾燥工程にのみ、本発明を適用して、電極板1を製造することもできる。
1 負極板(電極板)
1x 未乾燥片側負極板(未乾燥電極板)
1y 未乾燥両側負極板(未乾燥電極板)
1z 片側負極板
3 集電箔
5 第1電極層
5x 未乾燥第1電極層
6 第2電極層
6x 未乾燥第2電極層
11 負極活物質(活物質)粒子
12 結着剤
13 溶媒
16 結着剤
17 溶媒
100 第1乾燥装置
300 第2乾燥装置
110,310,410 乾燥室
125(125A〜125F) 曲げ搬送ロール
125c(125Ac〜125Fc) (曲げ搬送ロールの)ロール表面
425 曲げ搬送ロール
130 加熱装置
EH 長手方向
T1 (予め定めた)温度
S1 未乾燥第1電極層形成工程
S2 第1乾燥工程
S21 1A加熱乾燥工程
S22 1B冷却曲げ搬送工程
S23 1C再加熱乾燥工程
S24 1D冷却曲げ搬送工程
S25 1E再加熱乾燥工程
S26 1F冷却曲げ搬送工程
S27 1G再加熱乾燥工程
S3 未乾燥第2電極層形成工程
S4 第2乾燥工程
S41 2A加熱乾燥工程
S42 2B冷却曲げ搬送工程
S43 2C再加熱乾燥工程
S44 2D冷却曲げ搬送工程
S45 2E再加熱乾燥工程
S46 2F冷却曲げ搬送工程
S47 2G再加熱乾燥工程
S48 2H冷却曲げ搬送工程
S49 2I再加熱乾燥工程
S50 2J冷却曲げ搬送工程
S51 2K再加熱乾燥工程
S52 2L冷却曲げ搬送工程
S53 2M再加熱乾燥工程

Claims (1)

  1. 帯状の集電箔と、上記集電箔の長手方向に沿って上記集電箔上に帯状に形成された電極層と、を備える電極板の製造方法であって、
    結着剤及び溶媒を含む未乾燥電極層を上記集電箔上に有する未乾燥電極板を形成する未乾燥電極層形成工程と、
    上記未乾燥電極板を上記長手方向に搬送しつつ、上記結着剤が軟化する温度で上記未乾燥電極層を加熱乾燥させて上記電極層を形成する乾燥工程と、を備え、
    上記乾燥工程は、
    上記未乾燥電極板の乾燥途中の上記未乾燥電極層を曲げ搬送ロールのロール表面に接触させて上記未乾燥電極板を厚み方向に曲げて搬送するにあたり、上記未乾燥電極層を予め定めた温度T1以下に冷却し、上記結着剤が軟化していない状態とした上で、上記未乾燥電極層を上記曲げ搬送ロールの上記ロール表面に接触させる冷却曲げ搬送工程と、
    上記冷却曲げ搬送工程の後、冷却した上記未乾燥電極層を再び上記結着剤が軟化する温度で加熱乾燥させる再加熱乾燥工程と、を含む
    電極板の製造方法。
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