JP2012229006A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、車両用駆動装置のケーシング内に設置した乾式のトルクリミッタ機構がケーシング内の作動油に曝されることを防止できるようにする。
【解決手段】第1電動機60及び第2電動機70と第1回転軸2a,2c及び第2回転軸2bとを含む車両用駆動装置100の構成部品を収容してなるケーシング52と、ケーシング52内における第1回転軸2a,2cの一の軸部2cと他の軸部2aとの間に設置され、これらの間で伝達される駆動力を制限するための乾式のトルクリミッタ機構TLとを備え、トルクリミッタ機構TLの構成部品は、第1電動機60と第2電動機70との間に配置した隔壁部材112,113でケーシング52の内部空間から隔離されたトルクリミッタ収容室111に収容されており、トルクリミッタ収容室111の内部からケーシング52の外部に連通する連通路115を設けた。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の電動機を備え、それらの少なくともいずれかの駆動力を車両の駆動輪に伝達して車両を駆動することが可能な車両用駆動装置に関する。
従来、エンジンとモータとを有するハイブリッド車両の駆動装置がある。このようなハイブリッド車両の駆動装置には、例えば特許文献1に示すように、駆動源としてのエンジンに加えて、主に発電を行うための電動機であるジェネレータモータと、主に車両の駆動源として機能する電動機であるトラクションモータとを備えたものがある。
ところで、上記のようなハイブリッド車両の駆動装置では、ジェネレータモータの駆動力でエンジンを始動するようになっている。したがって、エンジン又はトラクションモータの駆動力を駆動輪に伝達して車両を駆動する車両駆動用の駆動力伝達経路に加えて、ジェネレータモータの駆動力をエンジンに伝達してエンジンを始動させるエンジン始動用の駆動力伝達経路を有している。
ところが、ジェネレータモータの駆動力でエンジンを始動する際、エンジンの始動からアイドリング回転数に到達するまでの間に、エンジン始動用の駆動力伝達経路を伝達される駆動力の回転数が固有振動数を通過することで共振が発生するおそれがある。さらに、当該固有振動数とパワートレインの支持部品(マウントなど)の固有振動数とが重なることで過度の共振が発生し、各部品に衝撃荷重が加わると共に、共振により大きな車体振動が発生するおそれがある。
上記のような共振による過大トルクの伝達を阻止可能な従来技術として、特許文献2に記載された駆動装置がある。特許文献2には、エンジンと電気モータの駆動力を駆動輪に伝達する駆動力伝達経路を有するハイブリッド車両の駆動装置において、当該駆動力伝達経路に設置した電気モータのロータの内側にトルクリミッタ機構を配置した構造が開示されている。
特許文献2には、当該特許文献2に記載のトルクリミッタ機構を備えたハイブリッド車両の駆動装置によれば、ジェネレータモータによるエンジンの始動時に共振が発生した場合でも、当該共振によるトルクが規定以上になるとトルクリミッタ機構が作動するので、許容範囲を超える過度のトルクは伝達されず、共振が発生した場合に駆動装置の各部の部品強度を保障することが可能である旨の記載がある。
国際公開WO2009/128288号公報 特開2010−254230号公報
ところで、特許文献2の駆動装置では、摩擦材に作動油が供給される湿式のトルクリミッタ機構を使用している。そして、ハイブリッド車両の駆動装置では、通常、燃費向上及び変速ショック低減のために比較的低粘度な自動変速機用の作動油(ATF)をベースとした作動油を用いていることで、摩擦材のμ−v特性が正勾配(すなわち、静摩擦係数<動摩擦係数)となる。しかしながら、このような使用環境下での湿式トルクリミッタ機構は、共振によってトルクリミッタの規定トルクに達してすべりが生じている際、摩擦材の摩擦係数が上昇(静摩擦係数<動摩擦係数)し、規定トルク以上の過大トルクが発生するおそれがある。そのため、ジェネレータモータに繋がる駆動力伝達経路に上記のような湿式のトルクリミッタ機構を設置しても、駆動力伝達においてトルクリミッタ機構の下流側に規定以上のトルクが伝達されてしまうおそれがある。
したがって、トルクリミッタ機構の下流側で規定トルク以上の過大トルクが発生することをより確実に防止するためには、上記のような湿式のトルクリミッタ機構に代えて、作動油が供給されない環境で使用する、摩擦材のμ−v特性が負勾配である(すなわち、静摩擦係数>動摩擦係数の特性を持つ)乾式のトルクリミッタ機構を設置することが考えられる。しかしながら、特許文献1に示すようなハイブリッド車両の駆動装置のケーシング内は、常時作動油が供給されている湿式の動作環境にある。そのため、当該ハイブリッド車両の駆動装置の駆動力伝達経路に乾式のトルクリミッタを設置する場合は、ケーシング内に隔壁で囲まれたトルクリミッタ機構用の収容室を画成し、当該収容室内にトルクリミッタ機構の構成部品を配置することで、トルクリミッタ機構の構成部品が駆動装置のケーシング内の作動油に曝されないようにする構造などが考えられる。
しかしながらこの場合、万一、駆動装置のケーシング内とトルクリミッタ機構の収容室との境界に設置したオイルシールなどに失陥(作動油の漏れ)が生じると、トルクリミッタ機構の収容室に作動油が漏れ出すおそれがある。そうすると、乾式のトルクリミッタ機構の構成部品が作動油に曝されてしまい、トルクリミッタ機構の正常な機能を確保できなくなるおそれがある。そのため、乾式のトルクリミッタ機構を設置するためには、万一、トルクリミッタ機構の収容室に失陥が生じた場合でも、トルクリミッタ機構の構成部品が作動油に浸されないようにするための構造が望まれる。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で、駆動装置のケーシング内に設置した乾式のトルクリミッタ機構がケーシング内の作動油に曝されることを効果的に防止でき、トルクリミッタ機構の正常な機能を確保できる車両用駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、第1電動機(60)及び第2電動機(70)と、第1電動機(60)が設置された第1回転軸(2a,2c)と、第1回転軸(2a,2c)と同芯上に配置されて第2電動機(70)が設置された第2回転軸(2b)と、を備え、第1回転軸(2a,2c)と第2回転軸(2b)を介して第1電動機(60)と第2電動機(70)の少なくともいずれかの駆動力を車両の駆動輪(47,47)に伝達可能な車両用駆動装置(100)において、第1回転軸(2a,2c)は、軸方向において第1電動機(60)が設置された一の軸部(2c)とそれ以外の他の軸部(2a)とに分割されており、第1電動機(60)と第2電動機(70)は、軸方向で互いに隣接して配置されており、第1電動機(60)及び第2電動機(70)と第1回転軸(2a,2c)及び第2回転軸(2b)を含む車両用駆動装置(100)の構成部品を収容したケーシング(52)と、ケーシング(52)内における第1回転軸(2a,2c)の一の軸部(2c)と他の軸部(2a)との間に設置され、これらの間で伝達される駆動力を制限するための乾式のトルクリミッタ機構(TL)と、を備え、トルクリミッタ機構(TL)の構成部品は、第1電動機(60)と第2電動機(70)との間に配置した隔壁部材(112,113)でケーシング(52)の内部空間から隔離されたトルクリミッタ収容室(111)に収容されており、トルクリミッタ収容室(111)の内部からケーシング(52)の外部に連通する連通路(115)を設けたことを特徴とする。
本発明にかかる車両用駆動装置では、第1電動機を設置した第1回転軸における一の軸部と他の軸部との間に設置した乾式のトルクリミッタ機構を備えている。そして、このトルクリミッタ機構の構成部品を収容してなるトルクリミッタ収容室から車両用駆動装置のケーシングの外部に連通する連通路を設けている。これにより、トルクリミッタ収容室の内圧の変化を防ぐことができるので、トルクリミッタ収容室を構成する隔壁部材の合わせ面やオイルシールの部分から車両用駆動装置のケーシング内の作動油がトルクリミッタ収容室内へ漏れることを防止できる。それに加えて、万一、トルクリミッタ収容室を構成する隔壁部材の合わせ面やオイルシールの失陥などによって、ケーシング内の作動油がトルクリミッタ収容室内に漏れ出した場合でも、連通路を介してトルクリミッタ収容室内の作動油を外部へ排出することが可能となる。したがって、乾式のトルクリミッタ機構の構成部品(摩擦材など)が作動油に浸ることを防止できるので、トルクリミッタ機構の正常な機能を維持することができる。
また、上記の車両用駆動装置では、連通路(115)は、車両用駆動装置(100)を車両に搭載した状態で、トルクリミッタ収容室(111)側の端部(115a)よりもケーシング(52)の外部側の端部(115b)の方が鉛直方向の高さ位置が低くなるように設けられているとよい。この構成によれば、連通路のトルクリミッタ収容室側よりもケーシングの外部側の方が低くなるようにしたことで、連通路による作動油の排出性を向上させることができる。したがって、トルクリミッタ機構の構成部品が作動油に浸ることをより効果的に防止できる。また、トルクリミッタ収容室内に作動油が漏れ出した場合、トルクリミッタ収容室内の作動油が連通路を通って車両の下面側から地面に排出されるようになる。そのため、車両をジャッキアップするなどして車両下面側から調査すれば、当該作動油の排出を目視で確認することが可能となる。したがって、トルクリミッタ収容室に作動油が漏れ出していることを確実に検知でき、故障部位を容易に判定することができる。
また、上記の車両用駆動装置では、第1電動機(60)と第2電動機(70)の少なくとも一方のステータコイル(67,77)における連通路(15)に対向する端面(67a,77a)には、連通路(115)に対応する凹状の逃げ部(68,78)が形成されているとよい。この構成によれば、軸方向における第1電動機と第2電動機との隙間に連通路のためのスペースを確保する必要が無くなるか、あるいは、連通路のためのスペースを小さな寸法に抑えることが可能となる。これにより、第1電動機と第2電動機を互いに近付けて配置することができるので、連通路を設けたことによる車両用駆動装置の軸方向寸法の増加を防止できる。したがって、車両用駆動装置の車両への搭載性を向上させることができる。
また、上記の車両用駆動装置では、トルクリミッタ機構(TL)は、第1回転軸(2a,2c)の一の軸部(2c)と他の軸部(2a)のいずれか一方に連結された筒状の内径部(107)を有するハブ部材(106)と、一の軸部(2c)と他の軸部(2a)の他方に連結されて、内径部(107)の外径側に配置された筒状の外径部(105)を有するガイド部材(104)と、内径部(107)と外径部(105)のそれぞれに連結された複数の摩擦材(101,102)が軸方向で交互に積層されてなる摩擦係合部(108)と、を備え、ハブ部材(106)又はガイド部材(104)には、軸方向における摩擦係合部(108)の一方の端面を覆い、かつガイド部材(104)における外径部(105)の径方向の外側に延伸してなる板状の遮蔽部材(120)が取り付けられているとよい。
この構成によれば、万一、トルクリミッタ収容室を構成する隔壁部材の合わせ面やオイルシールの失陥などによって、ケーシング内の作動油がトルクリミッタ収容室に漏れ出した場合でも、当該作動油が遮蔽部材によって摩擦係合部の構成部品を避けて誘導されるようになる。これにより、作動油が摩擦係合部に至ること無く連通路を介してトルクリミッタ収容室の外部へ排出されるようになる。したがって、乾式のトルクリミッタ機構の正常な機能をより確実に確保することが可能となる。
また、この場合、遮蔽部材(120)は、その先端部(120a)がトルクリミッタ収容室(111)の連通路(115)に対向する位置で、該連通路(115)に向かって屈曲しているとよい。この構成によれば、作動油が遮蔽部材を伝って連通路に導かれ易くなるので、トルクリミッタ収容室内に侵入した作動油を連通路でより確実にトルクリミッタ収容室の外部へ排出させることができる。
さらに、この場合、ハブ部材(106)は、隔壁部材(113)の内面に向かって突出する山部(106a)と、山部(106a)と内径部(107)との間で隔壁部材(113)の内面から離れる方へ向かう谷部(106b)と、を有し、遮蔽部材(120)は、ガイド部材(104)に取り付けられており、該遮蔽部材(120)のハブ部材(106)側の端部(120c)が谷部(106b)に対向して配置されているとよい。
この構成によれば、ガイド部材に取り付けた遮蔽部材の端部がハブ部材の谷部に対向して配置されているので、トルクリミッタ収容室内に侵入した作動油がハブ部材の山部及び谷部を伝って流れた場合でも、当該作動油がガイド部材によって摩擦係合部の構成部品を避けて誘導されるようになる。これにより、作動油が摩擦係合部に至ること無く連通路からトルクリミッタ収容室の外部へ排出されるようになる。
またこの場合、ハブ部材(106)における山部(106a)の頂点の方が軸方向で遮蔽部材(120)の外面よりも隔壁部材(112,113)の内面に近い位置となるように設定されているとよい。これによれば、ハブ部材の回転によって山部から径方向の外側へ流れる作動油が遮蔽部材に付着し難くなる。したがって、トルクリミッタ機構の回転動作が停止した場合、作動油が摩擦係合部に至る可能性が極めて低くなる。そのため、摩擦係合部の構成部材が作動油に曝されずに済むので、トルクリミッタ機構の正常な機能を確保することが可能となる。
また、上記の車両用駆動装置では、トルクリミッタ機構(TL)は、第1回転軸(2a,2c)の一の軸部(2c)と他の軸部(2a)のいずれか一方に連結された筒状の内径部(107)を有するハブ部材(106)と、一の軸部(2c)と他の軸部(2a)の他方に連結されて、内径部(107)の外径側に配置された筒状の外径部(105)を有するガイド部材(104)と、内径部(107)と外径部(105)のそれぞれに係合して軸方向で交互に積層されてなる複数の摩擦材(101,102)と該複数の摩擦材(101,102)の軸方向の端部を係止する係止部材(109)とを有する摩擦係合部(108)と、を備え、ガイド部材(104)の外径部(105)とハブ部材(106)の内径部(107)の少なくとも一方には、摩擦材(101)及び係止部材(109)の縁部に形成した複数の突起状の歯部(101a、109a)それぞれをスプライン係合させる複数の溝部(105a)が形成されており、摩擦材(101)又は係止部材(109)が有する歯部(101a、109a)の数は、ガイド部材(104)の外径部(105)又はハブ部材の内径部に形成した溝部(105a)の数よりも少ない数であって、溝部(105a)の少なくともいずれかは、歯部(101a、109a)が係合していない隙間部(103)になっているとよい。
この構成によれば、ガイド部材又はハブ部材の溝部の一部を摩擦部材又は係止部材の歯部が係合していない隙間部としたことで、摩擦材の摩擦係合に伴って発生する磨耗粉を当該隙間部から摩擦係合部の外部へ排出することができる。すなわち、ガイド部材又はハブ部材の溝部に欠歯による隙間部を設け、磨耗粉などを遠心力により当該隙間部から排出できるようにしたことで、摩擦材や係止部材に磨耗粉が付着し難くなる。これにより、トルクリミッタ機構の正常な機能を長期に渡って維持することが可能となる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる車両用駆動装置によれば、簡単な構成で、車両用駆動装置のケーシング内に設置した乾式のトルクリミッタ機構がケーシング内の作動油に曝されることを効果的に防止でき、トルクリミッタ機構の正常な機能を確保できる。
本発明の一実施形態にかかるハイブリッド車両用駆動装置のスケルトン図である。 本発明の一実施形態にかかるハイブリッド車両用駆動装置の主断面図である。 ハイブリッド車両用駆動装置を軸方向から見た各軸及び各ギヤの配置関係を模式的に示す図である。 図2のA部分を示す部分拡大図で、トルクリミッタ機構の詳細構成例を示す断面図である。 トルクリミッタ収容室及び連通孔の配置を説明するための図で、ケーシングの外観を軸方向から見た図である。 モータ又はジェネレータのステータコイルを示す斜視図である。 トルクリミッタ収容室及び連通孔の配置を説明するための図で、(a)は、エンジン及びハイブリッド車両用駆動装置のケーシングを軸方向から見た外観図、(b)は、それらを軸方向の側部から見た外観図である。 本発明の第2実施形態にかかるハイブリッド車両用駆動装置が備えるトルクリミッタ機構の詳細構成例を示す断面図である。 トルクリミッタ収容室に作動油が侵入した場合に想定される作動油の流れを説明するための図で、(a)は、収容室の上端側を示す拡大図、(b)は、収容室の下端側を示す拡大図である。 本発明の第3実施形態にかかるハイブリッド車両用駆動装置が備えるトルクリミッタ機構の詳細構成例を示す断面図である。 トルクリミッタ収容室に作動油が侵入した場合に想定される作動油の流れを説明するための図で、(a)は、収容室の上端側を示す部分拡大図、(b)は、収容室の下端側を示す部分拡大図である。 本発明の第4実施形態にかかるトルクリミッタ機構の摩擦係合部の構成部品を示す分解斜視図である。 トルクリミッタ機構の摩擦係合部の構成例を示す図で、(a)は、摩擦係合部を軸方向から見た概略図(一部断面図)、(b)は、(a)のZ部分を示す部分拡大図である。 摩擦係合部の他の構成例を示す図で、(a)は、摩擦係合部を軸方向から見た概略図(一部断面図)、(b)は、(a)のZ部分を示す部分拡大図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態にかかるハイブリッド車両用駆動装置100のスケルトン図である。同図に示すように、ハイブリッド車両用駆動装置100は、エンジン50と、ジェネレータモータ(第1電動機)60と、トラクションモータ(第2電動機)70と、駆動伝達部90とを備えている。駆動伝達部90は、所定間隔で互いに平行に配置されたエンジン軸1と、モータ・ジェネレータ軸2と、出力軸3とを備えて構成される。
モータ・ジェネレータ軸2は、エンジン軸1にジェネレータ駆動ギヤ列10を介して接続される内周軸2aと、ジェネレータモータ(以下、「ジェネレータ」と記す。)60に接続されたジェネレータ軸2cと、内周軸2aと同軸で外周側に配置されてトラクションモータ(以下、「モータ」と記す。)70に接続された中空のモータ用外周軸2bとを有している。
内周軸2aとジェネレータ軸2cは、互いに同軸上に並べて配置されており、それらの間に設置したトルクリミッタ機構TLを介して接続されている。これら内周軸2aとジェネレータ軸2cとで本発明にかかる第1回転軸が構成されている。また、モータ用外周軸2bは、本発明にかかる第2回転軸に相当する。モータ用外周軸2bは、モータ動力伝達ギヤ列20を介して出力軸3に接続されている。また、エンジン軸1は、エンジン動力伝達ギヤ列30を介して出力軸3に接続されており、エンジン軸1上のエンジン動力伝達ギヤ列30よりエンジン50に近い側には、エンジン軸1とエンジン動力伝達ギヤ列30との間の動力伝達経路の接続・解放を切り替えるためのクラッチ80が設けられている。
出力軸3は、ファイナルギヤ列40を介して、駆動輪47,47に動力を伝達するデファレンシャル装置45に接続されており、エンジン50、モータ70及びジェネレータ60の動力を駆動輪47、47に伝達可能となっている。
上記の構成部品を主な構成要素とするハイブリッド車両用駆動装置100は、モータ70の動力を駆動輪47,47に伝達して車両を走行させる伝達経路と、エンジン50の動力を駆動輪47,47に伝達して車両を走行させる伝達経路とを備え、これら2つの伝達経路を択一的に選択又は併用して走行するようになっている。モータ70の動力を駆動輪47,47に伝達する伝達経路では、モータ用外周軸2b→モータ動力伝達ギヤ列20→出力軸3→デファレンシャル装置45→駆動輪47、47の順に動力が伝達される。一方、エンジン50の動力を駆動輪47,47に伝達する伝達経路では、クラッチ80を接続した状態で、エンジン軸1→クラッチ80→エンジン動力伝達ギヤ列30→出力軸3→デファレンシャル装置45→駆動輪47、47の順に動力が伝達される。
なお、上記2つの伝達経路に加えて、駆動伝達部90には、エンジン50とジェネレータ60を結ぶ伝達経路が確立されている。この伝達経路では、エンジン軸1→ジェネレータ駆動ギヤ列10→内周軸2a→トルクリミッタ機構TL→ジェネレータ軸2c→ジェネレータ60の順、又はこれと逆の順に駆動力が伝達される。従って、上記のモータ70の駆動力を駆動輪47,47に伝達する伝達経路で車両を走行させている最中に、エンジン50を駆動してジェネレータ60を発電させて、発電された電力をモータ70に供給することで、いわゆるシリーズ運転が実現される。また、エンジン50の停止中に該エンジン50を始動する場合には、ジェネレータ60を駆動することで、ジェネレータ60の駆動力でエンジン50をクランキングして始動することができる。さらに、このハイブリッド車両用駆動装置100では、エンジン50の駆動力を駆動輪47,47に伝達する伝達経路を介してエンジン走行中にモータ70を駆動することで、エンジン50とモータ70の駆動力を足し合わせたいわゆるパラレル運転も可能となっている。
エンジン50とジェネレータ60を結ぶ伝達経路における内周軸2aとジェネレータ軸2cとの間には、乾式のトルクリミッタ機構TLが設けられており、このトルクリミッタ機構TLを介して相互に動力が伝達される。トルクリミッタ機構TLでは、所定値より大きい過大なトルクが入力されると、当該トルクリミッタ機構TLの作用で所定値以下のトルクとなるように調整される。これにより、内周軸2aとジェネレータ軸2cとの間で規定トルク以上のトルクが伝達されることを防止するようになっている。
このように、本実施形態のハイブリッド車両用駆動装置100では、エンジン軸1に対してジェネレータ駆動ギヤ列10を介して変速(増速)された動力伝達部位(モータ・ジェネレータ軸2上)である内周軸2aとジェネレータ軸2cとの間にトルクリミッタ機構TLを配置している。この構成によれば、トルクリミッタ機構をエンジン軸1上に配置する場合と比較して、トルクリミッタ機構TLの小容量化・小型化を図ることが可能となり、トルクリミッタ機構TLの搭載性が向上する。また、共振などによる衝撃荷重入力時に規定トルク以上のトルクを伝達不能にすることで、トランスミッション部品の必要以上の強度を確保する必要が無くなり、トランスミッションの軽量化による燃費向上及びトランスミッション全長の短縮による搭載性向上が可能になる。
図2は、ハイブリッド車両用駆動装置100の詳細構成を示す主断面図である。また、図3は、ハイブリッド車両用駆動装置100を軸方向から見た各軸及び各ギヤの配置関係を模式的に示す図である。なお、図3では、同一の線種で示すギヤ同士(具体的には、実線で示すギヤ同士、点線で示すギヤ同士、一点鎖線で示すギヤ同士)がそれぞれ噛み合っている。以下、図2及び図3を参照して、ハイブリッド車両用駆動装置100の具体的な構造について説明する。ハイブリッド車両用駆動装置100は、エンジン50側(図2の右側)からこの順に設置された第1、第2、第3のケーシング52a,52b,52cで構成されたケーシング52を備えている。第1のケーシング52aは、ダンパ56を収容するダンパハウジング53に固定されており、第1、第2、第3のケーシング52a,52b,52cは、複数のボルト54により互いに固定されている。また、ケーシング52内には、ジェネレータ60及びモータ70が設置されていると共に、エンジン軸1、モータ・ジェネレータ軸2、出力軸3が所定間隔で平行に配置されている。
エンジン軸1は、エンジン50のクランク軸51と同軸上に配置されている。クランク軸51の動力は、ドライブプレート55及びダンパ56を介してエンジン軸1に伝達される。エンジン軸1の軸方向の中央部には、ジェネレータ駆動ギヤ列10を構成する出力ギヤ11aが設けられており、出力ギヤ11aのエンジン50と反対側には、クラッチ80が設けられている。クラッチ80は、エンジン軸1と、エンジン動力伝達ギヤ列30を構成する出力ギヤ21cとの間で駆動力伝達の有無を切り換えるためのいわゆる多板式クラッチである。クラッチ80が切断された状態では、エンジン軸1の動力がエンジン動力伝達ギヤ列30を介して出力軸3に伝達されることはない。一方、クラッチ80が繋がれた状態では、エンジン軸1の動力がクラッチ80によりエンジン動力伝達ギヤ列30を介して出力軸3に伝達される。
モータ70は、内周側端部がモータ用外周軸2bに固定されたロータ74と、第1のケーシング52aに固定され、ロータ74と対向配置されたステータ75とで構成されている。ステータ75は、ステータコア76と、ステータコア76の周りに捲回されたステータコイル77とで構成されている。ジェネレータ60は、その内周側端部がジェネレータ軸2cに固定されたロータ64と、第2のケーシング52bに固定され、ロータ64と対向配置されたステータ65とで構成されている。ステータ65は、ステータコア66と、ステータコア66の周りに捲回されたステータコイル67とで構成されている。
モータ・ジェネレータ軸2は、本発明にかかる第1回転軸の一の軸部に相当するジェネレータ軸2c及び他の軸部に相当する内周軸2aと、内周軸2aのエンジン50側の外周に配置された第2回転軸に相当するモータ用外周軸2bとを備えて構成されている。
内周軸2aにおけるエンジン50側の端部には、ジェネレータ駆動ギヤ列10を構成する入力ギヤ11bが形成されている。入力ギヤ11bは、エンジン軸1上の出力ギヤ11aと噛合している。ジェネレータ駆動ギヤ列10で、エンジン軸1の回転が増速されて内周軸2aに伝達されるようになっている。また、内周軸2aにおけるエンジン50と反対側の端部に設置したトルクリミッタ機構TLは、軸方向におけるモータ70とジェネレータ60との間に設置されている。
モータ用外周軸2bは、2重構造を有し、モータ70のロータ74が一体回転可能に取り付けられている。モータ用外周軸2bのエンジン50側の端部には、モータ動力伝達ギヤ列20の出力ギヤ21aが設けられている。また、モータ用外周軸2bは、モータ70と出力ギヤ21aとの間に配置された軸受71により第1のケーシング52aに支持されている。また、モータ用外周軸2bは、エンジン50と反対側の端部において軸受72によりトルクリミッタ収容室111の第1隔壁112に支持されている。
ジェネレータ軸2cは、ジェネレータ60のロータ64が一体回転可能に取り付けられており、エンジン50側の端部が軸受61によりトルクリミッタ収容室111の第2隔壁113に支持されている。また、エンジン50と反対側の端部が軸受62により第3のケーシング52cに支持されている。
出力軸3には、エンジン50側から順に、ファイナルギヤ列40を構成する出力ギヤ41aと、モータ動力伝達ギヤ列20及びエンジン動力伝達ギヤ列30を構成する入力ギヤ21bとが設けられている。入力ギヤ21bは、エンジン軸1の出力ギヤ21c及びモータ用外周軸2bの出力ギヤ21aに噛合している。出力軸3のエンジン50側の端部は、軸受57によりダンパハウジング53に支持され、エンジン50と反対側の端部は、軸受58により第1のケーシング52aに支持されている。
デファレンシャル装置45は、ファイナルギヤ列40を構成する入力ギヤ41bを備えている。入力ギヤ41bは、出力軸3上の出力ギヤ41aと噛合している。これにより、出力軸3に入力されたモータ70の動力とエンジン50の動力との少なくともいずれかがデフ軸46に伝達されて、デフ軸46を介して左右の駆動輪47,47(図1参照)に伝達される。デファレンシャル装置45は、エンジン50側の端部が軸受59aによりダンパハウジング53に支持され、エンジン50と反対側の端部が軸受59bより第1のケーシング52aに支持されている。
ここで、トルクリミッタ機構TLの構成を詳細に説明する。図4は、図2のA部分を示す部分拡大図で、トルクリミッタ機構TLの詳細構成を示す図である。同図に示すように、トルクリミッタ機構TLは、内周軸2aにスプライン結合して一体回転するガイド部材104と、ジェネレータ軸2cにスプライン結合して一体回転するハブ部材106と、円盤状の複数枚の摩擦プレート(摩擦材)101及び摩擦ディスク(摩擦材)102と、これら摩擦プレート101及び摩擦ディスク102を付勢する皿ばね103と、ガイド部材104に固定されたエンドプレート(係止部材)109などを備えて構成されている。
ガイド部材104の先端側には、円筒状の外径部105が設けられており、ハブ部材106の先端側には、ガイド部材104の外径部105の内周側に配置された円筒状の内径部107が設けられている。そして、複数の摩擦プレート101は、それらの外周縁がガイド部材104の外径部105の内面にスプライン係合している。これにより、複数の摩擦プレート101は、外径部105に対して円周方向には相対移動不能であり、軸方向には若干移動可能である。一方、複数の摩擦ディスク102は、その内周縁がハブ部材106の内径部107にスプライン係合している。これにより、複数の摩擦ディスク102は、内径部107に対して円周方向には相対移動不能であり、軸方向には若干移動可能である。そして、これらの複数の摩擦プレート101及び摩擦ディスク102は、互いに平行かつ軸方向に僅かな間隔を有して交互に積層されている。皿ばね103は、その付勢力によって摩擦プレート101及び摩擦ディスク102をエンジン50と反対側に移動させるように付勢し、これらをエンドプレート109との間で挟持している。それにより、隣接する摩擦プレート101と摩擦ディスク102が摩擦係合状態となっている。上記の内径部107及び外径部105と複数の摩擦プレート101及び摩擦ディスク102と皿ばね10及びエンドプレート109などでトルクリミッタ機構TLの摩擦係合部108が構成されている。
上記構成のトルクリミッタ機構TLでは、エンジン50の始動時にジェネレータ60からジェネレータ軸2cを介して伝達された回転トルクが所定値よりも小さい場合は、摩擦プレート101と摩擦ディスク102の摩擦力が回転トルクに勝り、摩擦プレート101と摩擦ディスク102が完全に係合してロックアップされる。これにより、ジェネレータ軸2cと内周軸2aとが直結する(係合状態)。そして、この回転トルクは、内周軸2aからジェネレータ駆動ギヤ列10を介してエンジン軸1に伝達され、ダンパ56を介してクランク軸51を連れまわすことでエンジン50を始動することができる。
これに対して、エンジン50の始動時にジェネレータ60からジェネレータ軸2cを介して過大なトルクが入力されて、ジェネレータ軸2cの回転トルクが所定値に達すると、その回転トルクが摩擦プレート101と摩擦ディスク102の摩擦力に抗って、摩擦プレート101と摩擦ディスク102が滑り係合する(作動状態)。そのため、ガイド部材104とハブ部材106との間で所定値以上の回転トルクが伝達されない。その結果、内周軸2aを介してエンジン軸1に伝達される回転トルクは所定値以下に制限される。
そして本実施形態では、トルクリミッタ機構TLの構成部品は、ジェネレータ60とモータ70との間に配置したトルクリミッタ収容室111に収容されている。トルクリミッタ収容室111は、第2ケーシング52bの一部である略板状の第1隔壁(隔壁部材)112と、第1隔壁112のジェネレータ60側の側面にボルト110で接合された第2隔壁(隔壁部材)113とで画成されている。すなわち、トルクリミッタ収容室111は、第1隔壁112のジェネレータ60側の面に設けた凹状の部分とその全体を覆うように被せて取り付けられた蓋状の第2隔壁113との間に形成された空間であり、当該トルクリミッタ収容室111は、ケーシング52の内部空間に対して隔離された空間になっている。
また、トルクリミッタ収容室111の第2隔壁113の内径側とジェネレータ軸2cの外周面との間には、軸受61が設置されており、軸受61に隣接する第2隔壁113の内径側とジェネレータ軸2cの外面との間には、トルクリミッタ収容室111を密封するためのオイルシール(シール部材)116が設置されている。また、トルクリミッタ収容室111の第1隔壁112の内径側とモータ用外周軸2bとの間には、軸受72が設置されており、軸受72に隣接する第1隔壁112の内径側と内周軸2aの外面との間には、トルクリミッタ収容室111を密封するためのオイルシール(シール部材)117が設置されている。また、第1隔壁112と第2隔壁113との合わせ面(接合面)114は、トルクリミッタ機構TLの摩擦係合部108に対して、径方向の外側に対向する位置に配置されている。
乾式のトルクリミッタ機構TLの構成部品は、第1隔壁112と第2隔壁113とで画成したトルクリミッタ収容室111に収容されていることで、作動油が供給される湿式の環境であるケーシング52の内部空間から隔離されている。したがって、正常時には、トルクリミッタ収容室111にケーシング52内の作動油が侵入することはなく、トルクリミッタ収容室111内は、作動油が無い乾式の環境に保たれている。これにより、乾式のトルクリミッタ機構TLの構成部品が作動油に曝されることは無い。
そして、本実施形態のトルクリミッタ機構TLでは、トルクリミッタ収容室111の内部からケーシング52の外部(すなわち、大気雰囲気)に連通する貫通孔からなる連通路115を設けている。連通路115は、第1隔壁112における第2隔壁113との合わせ面114の近傍において、当該合わせ面114に沿って直線状に延伸している。この連通路115を設けたことにより、トルクリミッタ収容室111の内圧の変化を防ぐことができるので、オイルシール116,117や合わせ面114からトルクリミッタ収容室111に作動油が漏れることを防止できる。それに加えて、万一、オイルシール116,117や合わせ面114の失陥などによって、ケーシング52内の作動油がトルクリミッタ収容室111に漏れ出した場合でも、連通路115を介してトルクリミッタ収容室111内の作動油を外部へ排出することが可能となる。
図5は、トルクリミッタ収容室111及び連通路115の配置を説明するための図で、ハイブリッド車両用駆動装置100のケーシング52の外観を軸方向から見た図である。同図に示すように、連通路115は、ハイブリッド車両用駆動装置100を車両に搭載した状態で、トルクリミッタ収容室111側の流入口115aからケーシング52の外部に通じる流出口115bに向かって鉛直真下方向へ延びている。このように、連通路115を鉛直真下方向に延びるように配置したことで、連通路115による作動油の排出性を向上させることができる。したがって、万一、トルクリミッタ収容室111に作動油が漏れ出した場合でも、トルクリミッタ機構TLの構成部品が作動油に浸ることを防止できる。これにより、トルクリミッタ機構TLの正常な機能を維持することができる。
また、トルクリミッタ収容室111内に作動油が漏れ出した場合、トルクリミッタ収容室111内の作動油が連通路115を通って車両の下面側から地面に向けて排出されるようになる。そのため、車両をジャッキアップするなどして車両下面側部分を調査することで、当該作動油の排出を目視で確認することが可能となる。これにより、トルクリミッタ収容室111に作動油が漏れ出していることを確実に検知できるので、故障部位を容易に判定することができる。
連通路115は、上記のようにトルクリミッタ収容室111から鉛直真下方向に向けて設けるほか、ハイブリッド車両用駆動装置100を車両に搭載した状態で、トルクリミッタ収容室111側の流入口115aよりもケーシング52の外部側の流出口115bの方が鉛直方向の高さ位置が低くなるように設けるのであれば、他の配置で設けることも可能である。具体的には、図5に示す斜線部Bの範囲内に設けることができる。これにより、トルクリミッタ収容室111内に侵入した作動油を連通路115でハイブリッド車両用駆動装置100の外部に排出することが可能となる。
図6は、ジェネレータ60(又はモータ70)のステータ65(75)を示す斜視図である。本実施形態では、第2隔壁113に形成した連通路115を避けるために、モータ70のステータ75及びジェネレータ60のステータ65における軸方向の端面に、連通路115に対応する第2隔壁113の突出形状に沿う凹状の逃げ部68,78を形成している。逃げ部68,78は、ステータコイル67,77の軸方向の端面67a,77aにおいて径方向に延びる直線状の凹部からなるもので、ステータコイル67,77の端面67a,77aに、断面が略U字型のいわゆる潰し成型を施したものである。この逃げ部68,78内に第1隔壁112の連通路115に対応する突状部を配置する。これにより、軸方向におけるモータ70のステータ75とジェネレータ60のステータ65との間に連通路115を配置する。
このように、モータ70のステータコイル77及びジェネレータ60のステータコイル67に連通路115に対応する凹状の逃げ部68,78を形成したことで、軸方向におけるモータ70とジェネレータ60との間に連通路115のためのスペースを確保する必要が無くなるか、あるいは、連通路115のためのスペースを小さな寸法に抑えることが可能となる。これにより、モータ70とジェネレータ60とを互いに近付けて配置できるので、連通路115を設けたことによるハイブリッド車両用駆動装置100の軸方向寸法の増加を防止できる。したがって、ハイブリッド車両用駆動装置100の車両への搭載性を向上させることができる。なお、モータ70のステータコイル77に設けた逃げ部78と、ジェネレータ60のステータコイル67に設けた逃げ部68は、いずれか一方のみを設けることも可能である。
図7は、トルクリミッタ収容室111及び連通路115の配置を説明するための図で、(a)は、エンジン50のケーシング50a及びハイブリッド車両用駆動装置100のケーシング52を軸方向から見た外観図、(b)は、それらを軸方向に対する側部から見た外観図である。同図では、本実施形態におけるモータ・ジェネレータ軸2上に設置したトルクリミッタ機構TLと共に、比較例として、エンジン軸1上に設置したトルクリミッタ機構TL´を示している。なお、エンジン軸1上に設置したトルクリミッタ機構TL´は、比較説明のために示したものであり、本実施形態のハイブリッド車両用駆動装置100が備えるものではない。
ここでは、エンジン50及びハイブリッド車両用駆動装置100を車両に搭載した状態での地面のライン(グランドライン)GLから、ハイブリッド車両用駆動装置100のケーシング52とエンジン50のケーシング50aとの合わせ面130の最下端Lまでの距離をXとし、モータ・ジェネレータ軸2上に設置したトルクリミッタ機構TLにおけるグランドラインGLから連通路115の流出口115bまでの距離をY1とし、エンジン軸1上に設置したトルクリミッタ機構TL´におけるグランドラインGLからトルクリミッタ機構TL´の下端までの距離をY2とする。
この場合、本実施形態のモータ・ジェネレータ軸2上に設置したトルクリミッタ機構TLにおける連通路115の流出口115bは、エンジン軸1上に設置したトルクリミッタ機構TL´の下端よりも高い位置に配置することができる(すなわちY1>Y2)。これにより、本実施形態のハイブリッド車両用駆動装置100が備えるトルクリミッタ機構TLは、エンジン軸1上に設置したトルクリミッタ機構TL´と比較して、車両が冠水路へ進入した際にも被水し難い構造である。また、トルクリミッタ収容室111は、連通路115の一箇所のみが開口した状態であるため、連通路115への水の進入によってトルクリミッタ収容室111内が実質的に密閉状態となる。そのため、トルクリミッタ収容室111内に残留している空気の分、トルクリミッタ収容室111への水の浸入を防止することができる。したがって、万一、ハイブリッド車両用駆動装置100の全体が水没した場合でも、連通路115からトルクリミッタ収容室111に水が侵入する可能性は極めて低い。これに対して、エンジン軸1上に配置したトルクリミッタ機構TL´は、通常、トルクリミッタ機構TL´の内部が密閉構造とはなっていないため、ハイブリッド車両用駆動装置100の全体が水没した場合には、トルクリミッタ機構TL´の構成部品が被水する可能性がある。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項については、第1実施形態と同じである。この点は、他の実施形態においても同様である。
図8は、本発明の第2実施形態にかかるハイブリッド車両用駆動装置100が備えるトルクリミッタ機構TLの詳細構成を示す図で、第1実施形態における図2のA部分に対応する箇所を示す部分拡大図である。本実施形態のトルクリミッタ機構TLでは、摩擦係合部108に作動油が達するのを防ぐための遮蔽板(作動油進入防止板)120をハブ部材106に取り付けている。遮蔽板120は、プレス成型などによって折り曲げ形成された薄板状の部材で、根元側の先端部120cがハブ部材106の内径部107の一端に固定されており、その先の縦板部120dが径方向の外側に向かってガイド部材104の外径部105の外側まで延伸し、その位置で略直角に屈曲して、さらにその先が外径部105の外面に沿って軸方向に延びる横板部120bになっている。これにより、遮蔽板120は、縦板部120dが摩擦係合部108の軸方向の一端面を覆うと共に、横板部120bがガイド部材104における外径部105の径方向の外側に延伸している。
また、遮蔽板120における横板部120bの先端は、径方向の外側に向かって略直角に曲げられた屈曲部120aになっている。屈曲部120aは、第1隔壁112と第2隔壁113との合わせ面114に対して軸方向に若干ずれた位置(図8では、合わせ面114よりも第1隔壁112側(右側)の位置)に配置されている。そして、屈曲部120aは、連通路115の流入口115aに対向する位置で、流入口115aに向かって屈曲している。
図9は、トルクリミッタ収容室111内に作動油が侵入した場合に想定される作動油の流れを説明するための図で、(a)は、トルクリミッタ収容室111の上端側を示す部分拡大図、(b)は、トルクリミッタ収容室111の下端側を示す部分拡大図である。第1隔壁112と第2隔壁113の合わせ面114に失陥が生じた場合には、同図(a)に示すように、合わせ面114からトルクリミッタ収容室111に漏れ出した作動油は、遮蔽板120によって摩擦係合部108の構成部品(内径部107、摩擦プレート101、摩擦ディスク102、外径部105など)に至ることなくトルクリミッタ収容室111内の左側(第2隔壁113側)に誘導される。これにより、作動油がトルクリミッタ収容室111の下端部に導かれ、連通路115を介してトルクリミッタ収容室111の外部へ排出される。したがって、摩擦係合部108の構成部品が作動油に曝される可能性が極めて低くなり、トルクリミッタ機構TLの正常な機能を確保することが可能となる。
また、オイルシール116に失陥が生じた場合には、同図(b)に示すように、オイルシール116の部分からトルクリミッタ収容室111に漏れ出した作動油は、その一部がハブ部材106の外面に沿ってトルクリミッタ収容室111の外径側へ流れ、遮蔽板120の先端側へ伝わることで、屈曲部120aを介して連通路115に向かって排出される。また、当該作動油の他の一部は、第2隔壁113の内面を伝ってトルクリミッタ収容室111の外径側へ流れ、連通路115から排出される。
また、オイルシール117に失陥が生じた場合には、オイルシール117の部分からトルクリミッタ収容室111に漏れ出した作動油は、その一部がガイド部材104の外面に沿ってトルクリミッタ収容室111の外径側へ流れ、外径部105の外面から遮蔽板120の内面に伝わり、最終的に屈曲部120aを介して連通路115に向かって排出される。また、当該作動油の他の一部は、第1隔壁112の内面を伝って連通路115に導かれる。したがって、これらの場合も、連通路115を介して作動油をトルクリミッタ収容室111の外部へ排出することができるので、摩擦係合部108の構成部材が作動油に曝される可能性が極めて低くなり、トルクリミッタ機構TLの正常な機能を確保することが可能となる。
なおこの場合は、ガイド部材104の外径部105は、図9(b)における左方向へ向かって負勾配(次第に拡径する方向)のテーパ形状(傾斜形状)とし、遮蔽板120の外径部は、同図の左方向へ向かって正勾配(次第に縮径する方向)のテーパ形状とすることが望ましい。このようにすれば、ガイド部材104に作動油が付着した状態で、ガイド部材104の回転が停止した場合でも、ガイド部材104の外径部105のテーパ形状と遮蔽板120の外径部のテーパ形状とに沿って作動油が流れることで、ガイド部材104に伝わる作動油が連通路115に向けて導かれ易くなる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図10は、本発明の第3実施形態にかかるハイブリッド車両用駆動装置100が備えるトルクリミッタ機構TLの詳細構成を示す図で、第1実施形態における図2のA部分に対応する箇所を示す部分拡大図である。本実施形態のトルクリミッタ機構TLでは、遮蔽板120をガイド部材104に取り付けている。遮蔽板120は、その途中位置が外径部105の一端に固定されており、その内径側の縦板部120dが径方向の内側に向かってハブ部材106の内径部107の側部まで延伸している。これにより、摩擦係合部108の軸方向の一端面が覆われている。一方、遮蔽板120の根元側は、外径部105の外側で略直角に屈曲して、その先の横板部120bが外径部105の外面に沿って軸方向に延びている。そして、横板部120bの先端は、径方向の外側に向かって略直角に曲げられた屈曲部120aになっている。屈曲部120aは、第1隔壁112と第2隔壁113との合わせ面114に対して軸方向に若干ずれた位置(図8では、合わせ面114よりも第2隔壁113側(左側)の位置)に配置されている。
また、本実施形態では、ハブ部材106は、内径部107よりも径方向の内側で第2隔壁113の内面に向かって軸方向に突出する山部106aと、該山部106aから内径部107に向かって拡径するに連れて第2隔壁113の内面から離れる方へ向かう谷部106bと、を有している。そして、ガイド部材104に取り付けられた遮蔽板120は、ハブ部材106側の先端部120cが谷部106bに対向して配置されている。また、本実施形態では、ハブ部材106における山部106aの頂点の方が、遮蔽板120における縦板部120dの外面よりも軸方向で第2隔壁113の内面側に突出した位置となるように設定している。
図11は、本実施形態において、トルクリミッタ収容室111に作動油が侵入した場合に想定される作動油の流れを説明するための図で、(a)は、トルクリミッタ収容室111の上端側を示す部分拡大図、(b)は、トルクリミッタ収容室111の下端側を示す部分拡大図である。第1隔壁112と第2隔壁113の合わせ面114に失陥が生じた場合には、同図(a)に示すように、合わせ面114からトルクリミッタ収容室111内に漏れ出した作動油は、その一部が遮蔽板120の屈曲部120aによって堰き止められることで、外径部105の外面や第1隔壁112の内面を伝って、トルクリミッタ収容室111内の摩擦係合部108よりも右側(第1隔壁112側)に誘導される。また、当該作動油の他の一部は、第2隔壁113の内面を伝ってトルクリミッタ収容室111内の摩擦係合部108よりも左側(第2隔壁113側)に誘導される。当該作動油は、遮蔽板120によって摩擦係合部108に至ることなくトルクリミッタ収容室111の下端部へ導かれる。したがってこれらの作動油は、連通路115でトルクリミッタ収容室111の外部へ排出される。これにより、摩擦係合部108の構成部材が作動油に曝される可能性が極めて低くなり、トルクリミッタ機構TLの正常な機能を確保することが可能となる。
なおこの場合、ハブ部材106に作動油が付着した場合でも、ハブ部材106の谷部106bが第2隔壁113の内面から離れるに連れて拡径するテーパ形状になっているため、モータ・ジェネレータ軸2の軸芯より上側の作動油は、同図(a)に示すように、ハブ部材106の谷部106bのテーパ形状によって遮蔽板120の先端部と内径部107との隙間Sとは逆の方向に進む。
また、オイルシール116に失陥が生じた場合には、図11(b)に示すように、オイルシール116の部分からトルクリミッタ収容室111に漏れ出した作動油は、その一部がハブ部材106の山部106aによって第2隔壁113の内面側に誘導され、該第2隔壁113の内面を伝って連通路115から排出される。この場合、山部106aの方が遮蔽板120よりも第2隔壁113側に突出した位置となるように設定しているため、山部106aから第2隔壁113の内面に沿って外径側に導かれる作動油が遮蔽板120に付着し難くなる。したがって、トルクリミッタ機構TLの回転動作が停止した場合でも、摩擦係合部108に作動油が付着する可能性が極めて低い。また、オイルシール116の部分からトルクリミッタ収容室111に漏れ出した作動油は、その一部がハブ部材106の谷部106bのテーパ形状によって、山部106aから遮蔽板120の先端部120cと内径部107の端部との隙間Sに入り込む方向に流れようとするが、当該隙間Sは微小な寸法であるため、作動油が隙間Sから摩擦係合部108側に侵入して摩擦係合部108に達する可能性は極めて低い。
また、オイルシール117に失陥が生じた場合には、図11(b)に示すように、オイルシール117の部分からトルクリミッタ収容室111に漏れ出した作動油は、その一部がガイド部材104の外面に沿ってトルクリミッタ収容室111の外径側へ流れ、外径部105の外面から遮蔽板120の屈曲部120aを介して連通路115に向かって排出される。また、他の一部は、第1隔壁112の内面を伝って連通路115に導かれる。したがって、この場合も、連通路115を介して作動油をトルクリミッタ収容室111の外部へ排出することができるので、摩擦係合部108の構成部材が作動油に曝される可能性が極めて低くなり、トルクリミッタ機構TLの正常な機能を確保することが可能となる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図12は、本発明の第4実施形態にかかるトルクリミッタ機構TLの摩擦係合部108の構成部品を示す分解斜視図である。また、図13(a)は、トルクリミッタ機構TLの摩擦係合部108を軸方向から見た概略図(一部断面図)であり、同図(b)は、(a)のZ部分を示す部分拡大図である。本実施形態では、ガイド部材104の外径部105の内面に、摩擦プレート101及びエンドプレート109をスプライン係合させるための複数の溝部105aが形成されており、摩擦プレート101及びエンドプレート109の外周縁には、外径部105の溝部105aにスプライン係合する突起状の歯部101a,109aが形成されている。そして、摩擦プレート101とエンドプレート109の歯部101a,109aは、外周縁の周方向に沿って等間隔に形成されているが、その一部が欠落した欠歯部101b,109bとなっている。これにより、摩擦プレート101とエンドプレート109に形成した歯部101a,109aの数は、ガイド部材104に形成した溝部105aよりも少ない数になっており、ガイド部材104の溝部105aの一部は、歯部101a,109aが係合していない隙間部103(図13参照)になっている。
このように、ガイド部材104の溝部105aの一部を歯部101a,109aが係合していない隙間部103としたことで、当該隙間部103によって、摩擦プレート101やエンドプレート109の摩擦係合に伴って発生する磨耗粉を摩擦係合部108の外部へ排出することができる。すなわち、外径部105の溝部105aに欠歯部101b,109bによる隙間部103を設け、磨耗粉などを遠心力により当該隙間部103から排出するようにしたことで、摩擦プレート101やエンドプレート109に磨耗粉が付着し難くなる。これにより、トルクリミッタ機構TLの正常な機能を長期に渡って維持することが可能となる。
なお、本実施形態のトルクリミッタ機構TLでは、摩擦係合部108の組み立てにおいて、図12に示すように、摩擦プレート101の欠歯部101b及びエンドプレート109の欠歯部109bは、各摩擦プレート101及びエンドプレート109の欠歯部101b,109b同士の位相を合わせた状態とし、各摩擦プレート101の歯部101a及びエンドプレート109の歯部109aをガイド部材104の共通の溝部105aに係合させるようにするとよい。これにより、摩擦プレート101やエンドプレート109の磨耗粉が隙間部103から排出され易くなる。
図14は、摩擦係合部108の他の構成例を示す図で、(a)は、摩擦係合部108を軸方向から見た概略図(一部断面図)、(b)は、(a)のZ部分を示す部分拡大図である。摩擦係合部108の構成としては、図12及び図13に示すもの以外に、図14に示すように構成することも可能である。図14に示す構成例では、ガイド部材104の外径部105における隣接する溝部105aの間に設けた突出部105cの一部を欠落させた欠落部105bとすることで、当該欠落部105bに対応する箇所に隙間部103−2を形成している。これによっても、遠心力で当該隙間部103−2から摩擦プレート101やエンドプレート109の磨耗粉を排出することができるので、図12及び図13に示す構成例と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、ガイド部材104の外径部105と摩擦プレート101との間のスプライン係合箇所に隙間部103(103−2)を形成した場合を説明したが、これ以外にも、図示及び詳細な説明は省略するが、ハブ部材106の内径部107と摩擦ディスク102との間のスプライン係合箇所に隙間部を形成することも可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、本発明の一実施形態である上記のハイブリッド車両用駆動装置100は、モータ70の動力を駆動輪47,47に伝達して車両を走行させる伝達経路とエンジン50の動力を駆動輪47,47に伝達して車両を走行させる伝達経路とを備え、これら2つの伝達経路を択一的に選択又は併用して走行するように構成されたものであるが、本発明にかかる車両用駆動装置は、第1電動機が設置された第1回転軸と、第1回転軸と同芯上に配置されて第2電動機が設置された第2回転軸とを備え、第1回転軸又は第2回転軸を介して第1電動機と第2電動機の少なくともいずれかの駆動力を車両の駆動輪に伝達可能なものであれば、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成であってもよい。例えば、いわゆるシリーズ運転のみが可能なハイブリッド車両用駆動装置などにも適用可能である。
1 エンジン軸
2 モータ・ジェネレータ軸
2a 内周軸(第1回転軸:他の軸部)
2b モータ用外周軸(第2回転軸)
2c ジェネレータ軸(第1回転軸:一の軸部)
3 出力軸
10 ジェネレータ駆動ギヤ列
20 モータ動力伝達ギヤ列
30 エンジン動力伝達ギヤ列
40 ファイナルギヤ列
45 デファレンシャル装置
46 デフ軸
47,47 駆動輪
50 エンジン
52 ケーシング
60 ジェネレータ(第1電動機)
67 ステータコイル
68 逃げ部
70 モータ(第2電動機)
77 ステータコイル
78 逃げ部
80 クラッチ
90 駆動伝達部
100 ハイブリッド車両用駆動装置
101 摩擦プレート(摩擦材)
101a 歯部
101b 欠歯部
102 摩擦ディスク(摩擦材)
103 隙間部
104 ガイド部材
105 外径部
105a 溝部
105b 欠落部
105c 突出部
106 ハブ部材
106a 山部
106b 谷部
107 内径部
108 摩擦係合部
109 エンドプレート(係止部材)
109a 歯部
109b 欠歯部
111 トルクリミッタ収容室
112 第1隔壁(隔壁部材)
113 第2隔壁(隔壁部材)
114 合わせ面
115 連通路
115a 流入口
115b 流出口
116 オイルシール
117 オイルシール
120 遮蔽板(遮蔽部材)
130 合わせ面
TL トルクリミッタ機構

Claims (8)

  1. 第1電動機及び第2電動機と、前記第1電動機が設置された第1回転軸と、前記第1回転軸と同芯上に配置されて前記第2電動機が設置された第2回転軸と、を備え、前記第1回転軸と前記第2回転軸を介して前記第1電動機と前記第2電動機の少なくともいずれかの駆動力を車両の駆動輪に伝達可能な車両用駆動装置において、
    前記第1回転軸は、軸方向において前記第1電動機が設置された一の軸部とそれ以外の他の軸部とに分割されており、
    前記第1電動機と前記第2電動機は、軸方向で互いに隣接して配置されており、
    前記第1電動機及び前記第2電動機と前記第1回転軸及び前記第2回転軸を含む前記車両用駆動装置の構成部品を収容したケーシングと、
    前記ケーシング内における前記第1回転軸の前記一の軸部と前記他の軸部との間に設置され、これらの間で伝達される駆動力を制限するための乾式のトルクリミッタ機構と、を備え、
    前記トルクリミッタ機構の構成部品は、前記第1電動機と前記第2電動機との間に配置した隔壁部材で前記ケーシングの内部空間から隔離されたトルクリミッタ収容室に収容されており、
    前記トルクリミッタ収容室の内部から前記ケーシングの外部に連通する連通路を設けた
    ことを特徴とする車両用駆動装置。
  2. 前記連通路は、前記車両用駆動装置を車両に搭載した状態で、前記トルクリミッタ収容室側の端部よりも前記ケーシングの外部側の端部の方が鉛直方向の高さ位置が低くなるように設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記第1電動機と前記第2電動機の少なくとも一方のステータコイルにおける前記連通路に対向する端面には、前記連通路に対応する凹状の逃げ部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記トルクリミッタ機構は、
    前記第1回転軸の前記一の軸部と前記他の軸部のいずれか一方に連結された筒状の内径部を有するハブ部材と、
    前記一の軸部と前記他の軸部の他方に連結されて、前記内径部の外径側に配置された筒状の外径部を有するガイド部材と、
    前記内径部と前記外径部のそれぞれに連結された複数の摩擦材が軸方向で交互に積層されてなる摩擦係合部と、を備え、
    前記ハブ部材又は前記ガイド部材には、軸方向における前記摩擦係合部の一方の端面を覆い、かつ前記ガイド部材における前記外径部の径方向の外側に延伸してなる板状の遮蔽部材が取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記遮蔽部材は、その先端部が前記トルクリミッタ収容室の前記連通路に対向する位置で、該連通路に向かって屈曲している
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記ハブ部材は、前記隔壁部材の内面に向かって突出する山部と、前記山部と前記内径部との間で前記隔壁部材の内面から離れる方へ向かう谷部と、を有し、
    前記遮蔽部材は、前記ガイド部材に取り付けられており、該遮蔽部材の前記ハブ部材側の端部が前記谷部に対向して配置されている
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の車両用駆動装置。
  7. 前記ハブ部材における前記山部の頂点の方が軸方向で前記遮蔽部材の外面よりも前記隔壁部材の内面に近い位置となるように設定されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の車両用駆動装置。
  8. 前記トルクリミッタ機構は、
    前記第1回転軸の前記一の軸部と前記他の軸部のいずれか一方に連結された筒状の内径部を有するハブ部材と、
    前記一の軸部と前記他の軸部の他方に連結されて、前記内径部の外径側に配置された筒状の外径部を有するガイド部材と、
    前記内径部と前記外径部のそれぞれに係合して軸方向で交互に積層されてなる複数の摩擦材と該複数の摩擦材の軸方向の端部を係止する係止部材とを有する摩擦係合部と、を備え、
    前記ガイド部材の外径部と前記ハブ部材の内径部の少なくとも一方には、前記摩擦材及び前記係止部材の縁部に形成した複数の突起状の歯部それぞれをスプライン係合させる複数の溝部が形成されており、
    前記摩擦材又は前記係止部材が有する前記歯部の数は、前記ガイド部材の前記外径部又は前記ハブ部材の前記内径部に形成した前記溝部の数よりも少ない数であって、前記溝部の少なくともいずれかは、前記歯部が係合していない隙間部になっている
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
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